JP6878015B2 - 電動工具用集塵装置及び電動工具 - Google Patents
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Description
ダストボックスには、粉塵の排出口が開閉可能に設けられると共に、集塵経路上となる空気の入口と、フィルタを通過した空気の出口とが設けられ、
ダストボックス内には、フィルタを収納して内部が出口と連通するフィルタ収納部が設けられて、フィルタ収納部の上面に、ダストボックス内に開口する通気孔が形成され、フィルタ収納部の外側でダストボックスの左右何れか一方側に入口が配置されて、
ダストボックス内で集塵経路における通気孔の上流側には、入口から流入した空気をダストボックスの内面に沿って旋回させ、フィルタ収納部を挟んだ左右の反対側まで回り込ませて粉塵を分離する旋回流路と、旋回流路を旋回して反対側に至った空気を衝突させて流れの向きを変える衝突部とを含む粉塵分離部が設けられ、
ダストボックス内には、フィルタ収納部の外側で粉塵分離部により分離される粉塵が貯留する第1集塵室と、フィルタ収納部の内側でフィルタにより捕捉される粉塵が貯留する第2集塵室とが、フィルタ収納部によって仕切り形成されており、排出口の開放により、第1集塵室と第2集塵室とが同時に開放されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、ダストボックスは、排出口を有するボックス本体と、排出口を開閉可能な蓋体とを備え、ボックス本体と蓋体との間に粉塵分離部が形成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、第1集塵室がボックス本体に形成され、フィルタを収納する第2集塵室が蓋体に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、排出口の開放により、第1集塵室と第2集塵室とが連通することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、電動工具であって、請求項1乃至4の何れかに記載の電動工具用集塵装置を装着してなることを特徴とする。
さらに、旋回による遠心分離に加えて、衝突によって流れの向きを変えることでも粉塵の分離が行える。よって、効率的な粉塵分離が可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、排出口を有するボックス本体と蓋体との間に粉塵分離部を形成したことで、ボックス本体を利用して粉塵分離部が容易に形成できる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、第1集塵室がボックス本体に形成され、フィルタを収納する第2集塵室が蓋体に設けられているので、蓋体の開閉動作によって第1、第2集塵室の閉塞と開放とを同時に行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、排出口の開放により、第1集塵室と第2集塵室とが連通するようにしたことで、第1、第2集塵室を仕切り形成しても粉塵の排出を同時に行うことができる。
[形態1]
図1〜4は、電動工具であるハンマードリルに電動工具用集塵装置(以下単に「集塵装置」という。)を装着した集塵システムSの一例を示すもので、図1は後方からの斜視図、図2は側面図、図3は一部を断面で示した側面図、図4は図3のA−A線断面図である。
(ハンマードリルの説明)
ハンマードリル1は、本体ハウジング2の前側下部に、出力軸5を上向きにしたモータ4を収容するモータハウジング3を上下方向に内設し、その上方に、クランク機構及び回転機構を収容したギヤハウジング6を内設して、その前方に、ツールホルダを前向きに収容する前ハウジング7を組み付けて、本体ハウジング2の後部に、側面視コ字状のハンドルハウジング8を連結している。ツールホルダの先端には、操作スリーブ9によって先端工具(図1〜4では、120mm以上の最大穿孔深さに対応できるドリルビット(以下「ロングビットLB」という。)を示す。)が装着可能となっている。10は、ハンドルハウジング8に内蔵したスイッチに設けたスイッチレバー、11は電源コードである。
集塵装置40は、図7にも示すように、ハンマードリル1へ装着される本体ケース41と、本体ケース41へ着脱可能に装着されるダストボックス42と、本体ケース41に連結されて先端にノズル44を備えたスライド部43とからなる。
まず本体ケース41は、前面が開口して後面がハンマードリル1への装着面となる縦長の箱状体で、後面の上側には、ハンマードリル1の本体ハウジング2の前面の傾斜に合わせた傾斜面45が形成されている。傾斜面45には、ハンマードリル1側の上側吸気口25と略同じ大きさで開口する四角筒状の接続筒46が突設されて、接続筒46の前端にはゴム製のシール部材47が全周に亘って被せられている。
一方、本体ケース41の前面側で上側の内面には、ダストボックス42の後述する着脱用係止爪91が弾性係止する係止段部62が形成され、下側の内面には、ダストボックス42の受け凹部84が嵌合可能な軸部63が左右方向に形成されている。
一方、ループ部75を蓋用係止爪85から外して蓋体66によってボックス本体64の開口64aを開けると、図12〜14に示すように、フィルタ収納部67の下流側排出口68及びゴムシール69が受けリブ83から離れてボックス本体64内で受けリブ83を開放させる。すなわち、第1集塵室D1と第2集塵室D2とを同時に開放させることができる。
ガイド筒92は、図7に示すように、本体ケース41の上面左寄りから上方へ突設される立ち上がり部93によって前後方向に支持され、開放側を左側へ向けた半筒部94と、半筒部94の開放側でその上下端を部分的に接続する板状の接続部95とからなる。立ち上がり部93には、図8に示すように、下端部が本体ケース41内に突出してダストボックス42のサイクロン部76の入口78と接続され、上端部が半筒部94内に突出する中間筒96が設けられている。
以上の如く構成された集塵システムSにおいては、ダストボックス42を装着した集塵装置40をハンマードリル1に装着する場合、図16,17に示すように、まず本体ケース41の係止リブ59を、本体ハウジング2の下側受け部33の受けフランジ36上に載置すると共に、係止アーム60,60の係止軸61,61を、ハンマードリル1の下側受け部33に設けた下切欠き37,37にそれぞれ係止させる。次に、その傾斜姿勢から、ボタン部57を押し込んで揺動板53を前方位置(解除位置)へ揺動させてフック55,55を肩部52,52の上面から没入させた状態で、集塵装置40の上側を後方へ押し上げるように回転させ、ハンマードリル1の上側受け部32の上切欠き34,34に肩部52,52を嵌合させて、ボタン部57の押し込みを解除する。すると、図8に示すように、揺動板53が後方位置(係止位置)へ揺動してフック55,55を肩部52,52から上方へ突出させて上切欠き34,34の係止凹部35,35にそれぞれ係止させて装着が完了する。この装着状態で、スライド部43は図1,6に示すようにハンマードリル1の前ハウジング7の左側でやや下方に位置し、ノズル44の吸込口104は操作スリーブ9の前方に位置して、装着された先端工具が吸込口104の中心と同軸上に位置する。
そして、図1,2に示すように、スライド部43と共に突出付勢される吸込口104にロングビットLBの先端が位置するように、スライド部43のレール98上での後ストッパ100の初期位置を調整して、穿孔深さに合わせて前ストッパ99の位置を調整する。その後、吸込口104を被穿孔面に当接させて、ハンマードリル1のスイッチレバー10を押し込み操作してスイッチをONさせると、モータ4が駆動して出力軸5が回転する。このとき、チェンジレバー12によってドリルモード或いはハンマドリルモードが選択されていれば、ロングビットLBが回転して被穿孔面への穿孔が可能となり、穿孔が進むに連れてロングビットLBが吸込口104を貫通してスライド部43はゼンマイバネ108の付勢に抗してガイド筒92から相対的に後退する。
しかし、スライド部43はハンマードリル1より左側に配置されたガイド筒92により貫通状態で保持されているため、図18,19に示すように、後退したスライド部43がハンマードリル1と干渉することがなく、ハンマードリル1の左側で支障なくスライドできる。前ストッパ99がガイド筒92の接続部95に当接すると、ハンマードリル1の押し込みが規制されて設定した深さで穿孔が終了する。こうしてロングビットLBが使用できるため、120mm以上の最大穿孔深さが設定可能となる。
なお、穿孔深さが短いドリルビット(以下「ショートビットSB」という。)の場合は、図20,21に示すように、吸込口104にショートビットSBの先端が位置するように、スライド部43の後ストッパ100の初期位置を調整して、穿孔深さに合わせて前ストッパ99の位置を調整すればよい。この場合も後退したスライド部43がハンマードリル1と干渉することがなく、ハンマードリル1の左側で支障なくスライドできる。前ストッパ99がガイド筒92の接続部95に当接すると、ハンマードリル1の押し込みが規制されて設定した深さで穿孔が終了する。
穿孔が終了してハンマードリル1を被穿孔面から後退させると、スライド部43がゼンマイバネ108の付勢により、後ストッパ100が接続部95に当接する初期位置まで前進するため、再び同じ深さでの穿孔作業が可能となる。
一方、出力軸5の回転によって下側ファン15が回転することで、モータハウジング3の下側吸気口18から外気が吸い込まれ、モータ4を通過して冷却した後、下側ファン15からファン収容室13を通って本機側排気口38から排出される。
同時に上側ファン14が回転することで、集塵装置40の吸込口104に吸引力が発生し、穿孔時に発生する粉塵と共に空気が吸込口104から吸い込まれ、ノズル44を介してフレキシブルホース103を通り、中間筒96からダストボックス42のサイクロン部76に入る。サイクロン部76では、空気が渦巻き状に周回しながら連通口81を通ってフィルタ収納部67に入るため、比較的大きな粉塵は遠心力によって分離されてサイクロン部76の上流側排出口80からボックス本体64の第1集塵室D1内に排出される。
よって、細かい粉塵はフィルタ72に捕捉されてフィルタ収納部67にとどまる。この状態でフィルタ収納部67の下流側排出口68はゴムシール69が受けリブ83に密着してシールされているので、フィルタ収納部67内の細かい粉塵は、サイクロン部76で分離されたボックス本体64内の大きい粉塵とは分離した状態で第2集塵室D2内に貯留される。
作業終了後、集塵装置40を取り外す際には、装着時と同様にボタン部57を押し込んで揺動板53を前方の解除位置へ揺動させてフック55,55を肩部52,52の上面から没入させる。すると、ハンマードリル1の上側受け部32との係止が解除されるため、そのまま集塵装置40を前方へ倒すように回転させると、当接片49が前方へ移動してシャッタ部材26の押し込みを解除する。よって、シャッタ部材26は前進位置へ復帰して上側吸気口25を閉塞する。
そして、本体ケース41の係止アーム60,60の係止軸61,61を、ハンマードリル1の下側受け部33の下切欠き37,37から抜き取ると、集塵装置40をハンマードリル1から取り外すことができる。
このように、上記形態の集塵装置40及び集塵装置40を装着したハンマードリル1によれば、本体ケース41に、スライド部43が貫通してそのスライドの際にスライド部43の後方への突出を許容するガイド筒92を設けたことで、本体ケース41に規制されることなくスライド部43の伸縮ストロークを大きく設定できる。よって、ロングビットにも対応可能となる。
特にここでは、スライド部43内に、フレキシブルホース103によって集塵経路R1の一部を形成したことで、スライド部43を集塵経路R1に兼用した合理的な構成となり、外部にホース等を引き回す必要がなくなる。よって、装置全体がコンパクト化すると共に、作業の邪魔にもならない。
さらに、スライド部43を、ゼンマイバネ108によって前方へ突出付勢しているので、スライド部43の突出付勢を省スペースで行うことができる。
そして、本体ケース41をハンマードリル1に装着した状態で、装置側排気口48が、ハンマードリル1に設けたファン収容室13と連通して、上側ファン14の回転に伴って吸込口104に吸引力が発生する構成としているので、ハンマードリル1側の上側ファン14を利用して集塵が可能となり、本体ケース41にモータやファンを設ける必要がなくなる。
また、スライド部43の前方への突出位置を任意に設定可能な初期位置設定手段(レール98、後ストッパ100、ラック101)を設けたことで、先端工具の長さや穿孔深さに合わせて吸込口104の位置を適正に設定することができる。
さらに、スライド部43のスライドにより決定される最大穿孔深さを120mm以上としているので、ショートビットSBは勿論、ロングビットLBにも使用可能となり、1つの集塵装置40で幅広い穿孔作業に対応できる。
さらに、上記形態ではハンマードリル側に吸込ファンである上側ファンを設けているが、本体ケース内にモータ及び吸込ファンを設けて、内蔵したバッテリーや電動工具側から電源を得て単独で集塵可能とすることもできる。ダストボックスも着脱可能とするものに限らず、本体ケースと一体に設けて蓋体の開放によって粉塵の排出を可能としてもよい。
そして、電動工具側に吸気経路を設けずに、集塵装置自体にモータ及びファンを設けて単独で集塵可能としたものであっても、スライド部とガイド筒とに係る発明の適用は可能である。
一方、上記形態の集塵装置40及び集塵装置40を装着したハンマードリル1によれば、ダストボックス42に、粉塵の排出口となる開口64aを開閉可能に設け、集塵経路R1におけるフィルタ72の上流側に、ダストボックス42に流入した空気を旋回させて粉塵を分離するサイクロン部76を設けると共に、サイクロン部76により分離される粉塵が貯留する第1集塵室D1と、フィルタ72により捕捉される粉塵が貯留する第2集塵室D2とを仕切り形成して、開口64aの開放により、第1集塵室D1と第2集塵室D2とが同時に開放されるようにしたことで、サイクロン部76とフィルタ72とを併設したものであっても、サイクロン部76の粉塵がフィルタ72に付着するおそれがなく、集塵効率やフィルタ72の寿命を維持することができる。また、粉塵の排出やフィルタユニット70の交換も簡単に行える。
また、開口64aの開放により、第1集塵室D1と第2集塵室D2とが連通するようにしているので、第1、第2集塵室D1,D2を仕切り形成しても粉塵の排出を同時に行うことができる。
また、第2集塵室D2を形成するフィルタ収納部67が第1集塵室D1を形成するボックス本体64内に突出し、フィルタ収納部67に設けた下流側排出口68が、ボックス本体64の内面の受けリブ83に当接して閉塞されているので、第2集塵室D2の仕切り形成が簡単に行える。
そして、開口64aを、第1集塵室D1を形成するボックス本体64に設けた蓋体66によって開閉し、フィルタユニット70を収納するフィルタ収納部67を蓋体66に設けたことで、蓋体66の開閉動作によって第1、第2集塵室D1,D2の閉塞と開放とを同時に行うことができる。
加えて、上記形態ではゴムシールをフィルタ収納部の下流側排出口に設けているが、ボックス本体の底面側に設けてもよいし、シールが可能であれば受けリブは省略してもよい。
そして、上記形態の集塵システムSによれば、集塵装置40の本体ケース41に、装置側排気口48を囲み、本体ケース41をハンマードリル1側のハウジング(本体ハウジング2及びモータハウジング3)に装着した状態で上側吸気口25との間をシールするシール部材47を設け、シャッタ部材26を開閉させる当接片49を、シール部材47で囲まれる領域内に設けたことで、当接片49やシャッタ部材26用に別途シール部材を設けたりする必要がない。よって、ハンマードリル1にシャッタ部材26を設けた場合でもシールに係るコストを抑えることができる。
また、上側吸気口25からモータハウジング3内に吸い込まれる空気が、後退位置のシャッタ部材26の左右を通過して上側ファン14に至る構造としているので、シャッタ部材26の後退による空気の流入がスムーズに行われ、左右の流路も省スペースで形成できる。
加えて、本体ケース41に、本体ハウジング2に設けた下側受け部33に係止する係止軸61と、係止軸61を下側受け部33に係止させた状態で本体ハウジング2側へ回転させて、本体ハウジング2への装着位置で本体ハウジング2に設けた上側受け部32に係止する第2係止部(フック55)とを備えたことで、本体ケース41を回転により着脱できる。レール等によるスライド式で着脱した場合、レールと本体ケースとの接触面積が大きくなり、粉塵が噛み込んだりすると動作不良の原因になるため、シール性の確保といった粉塵対策が要求される。しかし、ここでは回転式着脱としたことで、本体ハウジング2側と本体ケース41との接触面積が小さくなり、粉塵対策が不要となって動作不良も起こしにくくなる。
また、一対のフック55,55を、1つのボタン部57によって同時に解除位置へ移動操作可能としているので、フック55,55による係脱操作が容易に行える。
また、上記形態では、シャッタ部材を前後移動させて上側吸気口を開閉させるようにしているが、上端を左右方向の軸によって回転可能に連結することで、前後への揺動によって上側吸気口を開閉させることもできる。この軸の位置は下端でもよいし左右端でもよい。
さらに、集塵装置の着脱について、上記形態では本体ケースの下側を係止させて上側を回転させる構造となっているが、これと逆に、本体ケースの上側を係止させて下側を回転させる構造も採用できる。また、左右何れか一方側を係止させて他方側を回転させる横向き回転式の着脱構造も採用可能である。ダストボックスも着脱可能とするものに限らず、本体ケースと一体に設けて蓋体の開放によって粉塵の排出を可能としてもよい。
次に、本発明の他の形態を説明する。但し、ハンマードリル及び集塵装置において、上記形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略する。
図22〜24は、ハンマードリル1Aに集塵装置40Aを装着した集塵システムSを示すもので、図22は側方からの斜視図、図23は前方からの斜視図、図24は正面図、図25は集塵装置40Aの結合部分の一部断面図、図26は図25のG−G線断面図である。
ここでのハンマードリル1Aは、図27,28に示すように、本体ハウジング2の前面で周板22に設けられる上側吸気口25,25・・は、左右方向に3つ並べて形成されている。
シャッタ部材26Aは、形態1のように前後移動して上側吸気口25を開閉する構造ではなく、図25に示すように、上側吸気口25の下方で深底部24に設けた左右方向のピン110によって下端が回転可能に連結されている。常態では、ピン110に巻回されて深底部24とシャッタ部材26Aとに係止するトーションバネ111により、前方への起立位置に付勢される。起立位置でのシャッタ部材26Aの前面には、各上側吸気口25に嵌合して各上側吸気口25を閉塞する3つの嵌合凸部112,112・・が突設されている。
図29〜32に示す集塵装置40Aにおいて、左右の半割ケース41a,41bを組み合わせてなる本体ケース41には、形態1のような接続筒やシール部材、当接片が設けられておらず、図34,35にも示すように、上側吸気口25に対応する位置に、四角穴120が貫通形成されている。また、本体ケース41の後面で四角穴120の下方には、ハンマードリル1Aのモータハウジング3の前面形状に沿って形成され、モータハウジング3への装着状態でその前面に当接する複数の当接リブ121,121・・が配置されている。
さらに、本体ケース41の上面には、ハンマードリル1Aへの装着時に爪113を受け入れるガイド溝122が前後方向に凹設されており、ガイド溝122の下方で本体ケース41の内部に、揺動板53が横向きに設けられている。
ここでのスライド部43の後端は開放されて、内部のフレキシブルホース103の後部が露出しており、フレキシブルホース103の後端が、本体ケース41の左側面上側に設けられた中間筒96に接続される。この中間筒96は、図26に示すように、本体ケース41の左側の半割ケース41aと、その半割ケース41aにネジ止めされる外カバー139とによって形成される。中間筒96は、フレキシブルホース103の後端が接続される上端の受け筒部140と、受け筒部140から本体ケース41の左側面に沿って下向きに形成された後、前方へ折曲し、下端が前向きに開口する案内筒部141とからなる。
また、フィルタ収納部67は、ボックス本体64内への突出端も閉塞されて、ヒンジ軸65と反対の短手面(上側の短手面)側の面で突出端寄りの領域にのみ横長の通気孔144が形成されている。
以上の如く構成された集塵システムSにおいては、ダストボックス42を装着した集塵装置40Aをハンマードリル1Aに装着する場合、まず本体ケース41の係止軸61,61を、ハンマードリル1Aの下側受け部33に設けた下切欠き37,37にそれぞれ係止させる。次に、その傾斜姿勢から、集塵装置40Aの上側を後方へ押し上げるように回転させてハンマードリル1Aの前面に嵌合させると、揺動板53のフック55が前ハウジング7の爪113に当接して本体ケース41のガイド溝122に没入し、揺動板53を下方位置(解除位置)へ揺動させる。フック55が爪113を乗り越えると、図25に示すように、揺動板53が上方位置(係止位置)へ揺動してフック55を上方へ突出させて前ハウジング7の爪113に係止させて装着が完了する。
そして、スライド部43と共に突出付勢される吸込口104にビット(ロングビット又はショートビット)の先端が位置するように、スライド部43のレール98上での後ストッパ100の初期位置を調整して、穿孔深さに合わせて前ストッパ99の位置を調整する。その後、吸込口104を被穿孔面に当接させて、ハンマードリル1Aのスイッチレバー10を押し込み操作してスイッチをONさせると、モータ4が駆動して出力軸5が回転する。このとき、チェンジレバー12によってドリルモード或いはハンマドリルモードが選択されていれば、ビットが回転して被穿孔面への穿孔が可能となり、穿孔が進むに連れて図41に示すようにビット(ここではロングビットLB)が吸込口104を貫通してスライド部43はゼンマイバネ108の付勢に抗して支持アーム124から相対的に後退する。このとき、受け筒部140は長孔97を介してスライド部43内を相対的に前進し、フレキシブルホース103を収縮させる。
一方、出力軸5の回転によって下側ファン15が回転することで、モータハウジング3の下側吸気口18から外気が吸い込まれ、モータ4を通過して冷却した後、下側ファン15からファン収容室13を通って本機側排気口38から排出される。
同時に上側ファン14が回転することで、集塵装置40Aの吸込口104に吸引力が発生し、穿孔時に発生する粉塵と共に空気が吸込口104から吸い込まれ、ノズル44を介してフレキシブルホース103を通り、中間筒96からダストボックス42Aの入口78を介してボックス本体64の四角筒142内に入る。
よって、細かい粉塵はフィルタ72に捕捉されてフィルタ収納部67にとどまる。この状態でフィルタ収納部67は上側の通気孔144を除いて第1集塵室D1とは区画されているので、フィルタ収納部67内の細かい粉塵は、ボックス本体64内の大きい粉塵とは分離した状態で第2集塵室D2内に貯留される。
作業終了後、集塵装置40Aを取り外す際には、ボタン部57を押し込んで揺動板53を下方の解除位置へ揺動させてフック55を爪113から外し、そのまま集塵装置40Aを前方へ倒すように回転させると、当接ピン147が前方へ移動してシャッタ部材26Aの押し込みを解除する。よって、シャッタ部材26Aは起立位置へ復帰して上側吸気口25を閉塞する。
ダストボックス42からの粉塵の排出は、本体ケース41の前方から、ボックス本体64の操作部材88の弾性片90を押し込んで係止段部62への着脱用係止爪91の係止を解除すると、軸部63を中心に前側へ傾動させてそのまま本体ケース41から取り外すことができる。次に、蓋体66のループ部75を蓋用係止爪85から外して蓋体66をボックス本体64から開放させれば、第1集塵室D1内に貯留した大きな粉塵を排出することができる。このとき、フィルタ収納部67の第2集塵室D2も通気孔144を介して同時に外部へ開放されるため、ダストボックス42を傾けたり下向きにしたりすることで、細かい粉塵も通気孔144から排出可能となる。
このように、上記形態2の集塵装置40A及び集塵装置40Aを装着したハンマードリル1Aによれば、ダストボックス42に、粉塵の排出口となる開口64aを開閉可能に設け、集塵経路R1におけるフィルタ72の上流側に、ダストボックス42に流入した空気を旋回させて粉塵を分離する粉塵分離部150を設けると共に、粉塵分離部150により分離される粉塵が貯留する第1集塵室D1と、フィルタ72により捕捉される粉塵が貯留する第2集塵室D2とを仕切り形成して、開口64aの開放により、第1集塵室D1と第2集塵室D2とが同時に開放されるようにしたことで、粉塵分離部150とフィルタ72とを併設したものであっても、粉塵分離部150で分離された粉塵がフィルタ72に付着するおそれがなく、集塵効率やフィルタ72の寿命を維持することができる。また、粉塵の排出やフィルタユニット70の交換も簡単に行える。
また、ボックス本体64と蓋体66との間に空気の旋回流路151を形成しているので、ボックス本体64を利用して旋回流路151が容易に形成できる。
また、衝突部は、蓋体の内面部を利用する場合に限らず、ボックス本体の内面やフィルタ収納部の外面で上下方向に立設したリブ等に衝突させて空気の流れの方向を変えることも可能である。
そして、上記形態2の集塵システムSによれば、集塵装置40Aの本体ケース41に四角穴120を設け、ダストボックス42に、四角穴120を介して上側吸気口25に対向する装置側排気口48と、装置側排気口48を囲み、本体ケース41をハンマードリル1A側のハウジング(本体ハウジング2及びモータハウジング3)に装着した状態で上側吸気口25との間をシールするシール部材47を設け、シャッタ部材26Aを開閉させる当接ピン147を、シール部材47で囲まれる領域内に設けたことで、当接ピン147やシャッタ部材26A用に別途シール部材を設けたりする必要がない。よって、ハンマードリル1Aにシャッタ部材26Aを設けた場合でもシールに係るコストを抑えることができる。特に、装置側排気口48とシール部材47とをダストボックス42側に設けているので、本体ケース41側の構成が簡略化してダストボックス42と本体ケース47との間のシールを考慮する必要もなくなる。
また、蓋体66に組み付けられるキャップカバー73に当接ピン147を設けているので、キャップカバー73を利用して当接ピン147の組み付けが容易に行える。また、当接ピン147が損傷等してもキャップカバー73のみの交換等で対応でき、蓋体66ごと取り替える必要が無くなる。
また、当接部材は、金属製の当接ピンに限らず、他の材質であってもよく、強度が得られれば保持ボスをそのまま長くして当接部材として使用してもよい。さらに、当接部材はピン形状以外の形状も採用できる。
「ハウジング(本体ハウジング2)内に収容され、モータ(4)駆動により回転する吸込ファン(上側ファン14)と、ハウジングに形成され、吸込ファンと連通する本機側吸気口(上側吸気口25)と、を含んでなり、本機側吸気口から吸込ファンに至る吸気経路(R2)を備えた電動工具(ハンマードリル1A)と、
前端に吸込口(104)を備えたノズル(44)を有して電動工具に装着可能な本体ケース(41)と、フィルタ(72)を内設するダストボックス(42)と、本機側吸気口に対向する装置側排気口(48)と、吸込口からフィルタを通過して装置側排気口に至る集塵経路(R1)とを備えた電動工具用集塵装置(40A)と、からなる電動工具の集塵システム(S)であって、
本体ケースには、貫通孔(四角穴120)が設けられ、電動工具への装着状態で、ダストボックスの装置側排気口が貫通孔を貫通すると共に、シール部材(47)を介して本機側吸気口に連結されることを特徴とする電動工具の集塵システム。」
この場合、本機側吸気口と装置側排気口との間にのみシール部材を設ければ足り、本体ケースとダストボックスとの間にシール部材を設ける必要が無くなって構成が簡略化する。但し、シール部材は本機側吸気口にあってもよい。
Claims (5)
- 排気口を有して電動工具に装着可能な本体ケースと、フィルタを内設して前記本体ケースへ着脱可能なダストボックスと、前記本体ケースに設けられ、前端に吸込口を備えたノズルと、前記吸込口から前記フィルタを通過して前記排気口に至る集塵経路と、を含んでなる電動工具用集塵装置であって、
前記ダストボックスには、粉塵の排出口が開閉可能に設けられると共に、前記集塵経路上となる空気の入口と、前記フィルタを通過した空気の出口とが設けられ、
前記ダストボックス内には、前記フィルタを収納して内部が前記出口と連通するフィルタ収納部が設けられて、前記フィルタ収納部の上面に、前記ダストボックス内に開口する通気孔が形成され、前記フィルタ収納部の外側で前記ダストボックスの左右何れか一方側に前記入口が配置されて、
前記ダストボックス内で前記集塵経路における前記通気孔の上流側には、前記入口から流入した空気を前記ダストボックスの内面に沿って旋回させ、前記フィルタ収納部を挟んだ左右の反対側まで回り込ませて粉塵を分離する旋回流路と、前記旋回流路を旋回して前記反対側に至った空気を衝突させて流れの向きを変える衝突部とを含む粉塵分離部が設けられ、
前記ダストボックス内には、前記フィルタ収納部の外側で前記粉塵分離部により分離される粉塵が貯留する第1集塵室と、前記フィルタ収納部の内側で前記フィルタにより捕捉される粉塵が貯留する第2集塵室とが、前記フィルタ収納部によって仕切り形成されており、前記排出口の開放により、前記第1集塵室と前記第2集塵室とが同時に開放されることを特徴とする電動工具用集塵装置。 - 前記ダストボックスは、前記排出口を有するボックス本体と、前記排出口を開閉可能な蓋体とを備え、前記ボックス本体と前記蓋体との間に前記粉塵分離部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の電動工具用集塵装置。
- 前記第1集塵室が前記ボックス本体に形成され、前記フィルタを収納する前記第2集塵室が前記蓋体に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電動工具用集塵装置。
- 前記排出口の開放により、前記第1集塵室と前記第2集塵室とが連通することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電動工具用集塵装置。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の電動工具用集塵装置を装着してなる電動工具。
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