JP6851715B2 - 光学部材の製造方法 - Google Patents
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・第1の発明は、第1傾斜面(21b)及び第2傾斜面(21c)を有する単位光学形状(21a)が複数配列された第1光学形状層(21)を備え、映像源から投射された映像光の一部を少なくとも前記第1傾斜面で観察者側に反射させる光学部材(20)の製造方法であって、前記単位光学形状を賦形する賦形面を有する成形型(100)に、未硬化のエネルギー線硬化樹脂を充填するエネルギー線硬化樹脂充填工程と、前記エネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射して、前記成形型に充填された前記エネルギー線硬化樹脂を収縮可能な状態で硬化させて、前記第1光学形状層を成形する第1光学形状層成形工程と、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂から第1光学形状層を得る第1光学形状層作製工程と、前記第1光学形状層に設けられた前記単位光学形状の少なくとも前記第1傾斜面に反射層(22)を形成する反射層形成工程と、前記第1光学形状層の反射層が形成された側の面に第2光学形状層(23)を形成する第2光学形状層形成工程と、を含む光学部材の製造方法である。
・第2の発明は、第1の発明の光学部材(20)の製造方法であって、前記第1光学形状層作製工程では、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂を前記成形型(100)から剥離して、前記第1光学形状層(21)を得ることを特徴とする光学部材の製造方法である。
・第3の発明は、第1の発明の光学部材(20)の製造方法であって、前記成形型(100)に充填された前記エネルギー線硬化樹脂の表面に、前記エネルギー線硬化樹脂の収縮とともに変形可能な基材(220)を貼り付ける基材貼り付け工程を含み、前記第1光学形状層作製工程は、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂から前記基材を剥離する基材剥離工程と、前記基材の剥離された前記エネルギー線硬化樹脂を前記成形型から剥離して、前記第1光学形状層(21)を得る第1光学形状層剥離工程と、を含むことを特徴とする光学部材の製造方法である。
・第4の発明は、第1の発明の光学部材(20)の製造方法であって、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂の表面に基材(24)を貼り付ける基材貼り付け工程を含み、前記第1光学形状層作製工程では、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂を前記基材とともに前記成形型(100)から剥離して、前記基材の接合された前記第1光学形状層(21)を得ることを特徴とする光学部材の製造方法である。
・第5の発明は、第1の発明の光学部材(20)の製造方法であって、前記成形型(100)に充填された前記エネルギー線硬化樹脂の表面に、前記エネルギー線硬化樹脂の収縮とともに変形可能な基材(24)を貼り付ける基材貼り付け工程を含み、前記第1光学形状層成形工程では、前記基材を介して、前記エネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射して、前記成形型に充填された前記エネルギー線硬化樹脂を収縮可能な状態で硬化させ、前記第1光学形状層作製工程では、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂を前記基材とともに前記成形型から剥離して、前記基材の接合された前記第1光学形状層(21)を得ることを特徴とする光学部材の製造方法である。
・第6の発明は、第1の発明の光学部材(20)の製造方法であって、前記成形型(100)に充填された前記エネルギー線硬化樹脂の表面に、前記エネルギー線硬化樹脂の収縮とともに変形可能な第1基材(220)を貼り付ける第1基材貼り付け工程を含み、前記第1光学形状層作製工程は、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂から前記第1基材を剥離する第1基材剥離工程と、前記第1基材の剥離された前記エネルギー線硬化樹脂の表面に第2基材(24)を貼り付ける第2基材貼り付け工程と、前記エネルギー線硬化樹脂を前記第2基材とともに前記成形型から剥離して、前記第2基材の接合された前記第1光学形状層(21)を得る第1光学形状層剥離工程と、を含むことを特徴とする光学部材の製造方法である。
・第7の発明は、第1から第6の発明までのいずれかの光学部材(20)の製造方法であって、前記第1光学形状層(21)は、前記第1傾斜面(21b)の算術平均うねりWaが0.05μm以下に形成され、前記単位光学形状(21a)の厚み方向の頂部から谷部までの高さhが10〜300μmの範囲で形成され、前記単位光学形状の配列ピッチPが100〜1000μmの範囲で形成されることを特徴とする光学部材の製造方法である。
・第8の発明は、第3、第5又は第6の発明の光学部材(20)の製造方法であって、前記第1光学形状層(21)は、前記単位光学形状(21a)の谷部から、前記単位光学形状が設けられた側と反対側の面までの深さd1が10〜200μmの範囲で形成され、前記単位光学形状の頂部から、前記単位光学形状が設けられた側と反対側の面までの深さd2が30〜800μmの範囲で形成され、前記基材(24)又は前記第1基材(220)の厚みが8〜100μmの範囲で形成されることを特徴とする光学部材の製造方法である。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
図1は、第1実施形態の表示装置10を配置した自動車1の運転席周辺を示す図である。図1(a)は、自動車1の運転席からフロントウィンドウ2側(自動車の進行方向側)を見た状態を示す図である。図1(b)は、図1(a)のb部断面からの矢視図であり、図1(c)は、図1(a)のc部矢視図、すなわち運転席を上側から見た図である。
図2は、第1実施形態の表示装置10を説明する図である。図2(a)は、光学シート20の厚み方向の運転者側から見た正面図である。図2(b)は、光学シート20の左右方向の中心線上における断面、すなわち図2(a)のb部断面を示す図である。図2(c)は、厚み方向(Y方向)に平行であって、単位光学形状21aの配列方向に平行な断面における断面、すなわち図2(a)のc部断面を示す図である。
なお、図2を含め以下に示す図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、光学シートの上下方向をZ方向とし、厚み方向をY方向とし、左右方向をX方向とする。ここで、上下方向(Z方向)のうち−Z側を下側とし、+Z側を上側とする。また、厚み方向(X方向)のうち−Y側を背面側とし、+Y側を運転者側とする。また、左右方向(X方向)のうち−X側を左側とし、+X側を右側とする。
フロントウィンドウ2は、一対のガラス板の間に飛散防止用の中間層を挟み込んだ合わせガラスである。本実施形態のフロントウィンドウ2において、中間層(不図示)は、フロントウィンドウ2の上端部(+Z方向の最上端部)から下端部(−Z方向の最下端部)までの範囲において、層厚が均等となるように形成されている。すなわち、本実施形態のフロントウィンドウ2は、中間層の断面が楔形状ではなく、上端部から下端部までの範囲において層厚が均等な矩形状を有する。
表示装置10は、自動車1の速度や、方向指示器の状態等を、運転者の視線上に表示することができる装置、いわゆるヘッドアップディスプレイ装置であり、自動車1を運転する運転者が視線を反らすことなく、自動車1の速度等の状態を把握することができる。
表示装置10は、映像源11、投射光学系12、光学シート20等を備えている。表示装置10は、映像源11から出射した速度情報等の映像光を、光学シート20を介して運転者側に投影する。具体的には、表示装置10は、映像源11から出射された映像光を、投射光学系12を介して光学シート20へ入射させて運転者側に映像情報を反射する。本実施形態では、表示装置10は、自動車1の運転席に搭載されるヘッドアップディスプレイとして説明するが、これに限定されるものでなく、他の乗り物、例えば、航空機や、鉄道等に搭載されるヘッドアップディスプレイであってもよい。
具体的には、映像源11は、図2(a)に示すように、光学シート20の厚み方向(Y方向)から見た状態において、映像源11の映像光Lの出射位置11aと光学シート20の幾何学的中心C1とを結ぶ線分が、光学シート20の幾何学的中心C1を通り、上下方向(Z方向)に平行な線に対して右側に傾斜するようにして配置されている。これにより、表示装置10は、運転席のハンドル4や計器類5の周囲を避けて映像源11を配置することができ、運転席内における映像源11の配置位置の自由度を向上させることができる。ここで、映像源11の出射位置11aとは、映像源11の映像光Lが出射する面の幾何学的中心となる位置である。
投射光学系12は、映像源11の出射位置11aの近くに配置され、映像源11から出射された映像光を投射する複数のレンズ群から構成される光学系である。
光学形状層21は、光透過性を有する層であり、図2(a)に示すように、単位光学形状21aが平行に複数配列されたリニアフレネルレンズ形状を、その背面側(−Y側)の面に有している。なお、光学形状層21の単位光学形状21aは、リニアフレネルレンズ形状に限定されない。例えば、単位光学形状21aが同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状であってもよい。
単位光学形状21aは、背面側に凸であり、映像光が直接入射する第1傾斜面21bと、この第1傾斜面21bと対向する第2傾斜面21cとを備えている。本実施形態において、単位光学形状21aは、第1傾斜面21bが頂部tを挟んで第2傾斜面21cよりも上側(+Z側)に位置している。
この単位光学形状21aは、光学シート20のシート面内(XZ面内)において、その配列方向R1と直交する方向に延在している。
ここで、図2(c)に示すように、単位光学形状21aの第1傾斜面21bが、シート面(XZ面)に平行な面となす角度は、αである。第2傾斜面21cがシート面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。単位光学形状21aの配列ピッチは、Pである。単位光学形状21aの高さ(厚み方向における頂部tから単位光学形状21a間の谷部vまでの寸法)は、hである。単位光学形状21aの谷部vから、単位光学形状21aが設けられた側と反対側の面までの深さは、d1である。単位光学形状21aの頂部tから、単位光学形状21aが設けられた側と反対側の面までの深さは、d2である。深さd2は、光学形状層21の最も深い厚み寸法である。
後述するように、本実施形態の単位光学形状21aは、高さhが10μm≦h≦300μmの範囲で形成され、配列ピッチPが100μm≦P≦1000μmの範囲で形成された形状において、第1傾斜面21bの算術平均うねりWaが0.05μm以下となるように形成される。
なお、理解を容易にするために、図2では、単位光学形状21aの配列ピッチP、角度α、βは、単位光学形状21aの配列方向において一定であるように示している。本実施形態の単位光学形状21aは、配列ピッチP、角度β等が一定であるが、角度αが単位光学形状21aの配列方向において映像源11から離れるにつれて次第に大きくなってもよく、また、それに伴い高さhも変動してもよい。
また、これに限らず、配列ピッチPは、単位光学形状21aの配列方向に沿って次第に変化する形態等としてもよく、映像源から投影される映像の大きさや、映像源11の投射角度(光学シート20の運転者側の面への映像光の入射角度)、運転者側に反射する映像のサイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
反射層22は、光反射性の高い金属、例えば、アルミニウムや、銀、ニッケル等により形成されている。本実施形態では反射層22は、アルミニウムを蒸着することにより形成されている。また、これに限らず反射層22は、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜片を含有した塗料を塗布したりする等により形成されてもよい。
本実施形態の反射層22は、アルミニウムの蒸着によって約40〜60Åの厚みに形成されているが、光の透過率を上述の好ましい範囲に設定できるのであれば、その材料等に応じて厚さを自由に設定することができる。
なお、本実施形態の反射層22は、第1傾斜面21bの全面に形成されるが、これに限らず、第1傾斜面21bの一部に形成されていてもよい。
なお、光学シート20をフロントウィンドウ2に接合する接合層は、光透過性を有する粘着剤や接着剤を用いることができ、例えば、アクリル樹脂や、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが可能である。
図1(b)に示すように、映像源11から投射された映像光Lは、投射光学系12を介して、光学シート20の運転者側の面へ入射する。光学シート20に入射した映像光Lの一部の光L1は、単位光学形状21aの第1傾斜面21bに入射し、反射層22において運転者側へ反射する。そして、外界からの光Gは、その一部が光学シート20の背面側から運転者側へ透過する。そのため、運転者は、外界からの光Gと映像光Lとを重ねて見ることができる。また、映像光Lの他の一部の光L2は、反射層22を透過した後、背面層23を透過して、光学シート20の背面側(−Y側)の面から出射する。
図3は、第1実施形態の光学シート20の製造方法を説明する図である。図3の各分図は、光学シート20が製造されるまでの過程を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、単位光学形状21a(第1傾斜面21b、第2傾斜面21c)に対応する凹凸形状が設けられた成形型(不図示)を使用して、光学シート20を構成する光学形状層21をUV成形法等により成形する。この光学形状層21の成形工程については、後に詳細に説明する。
次に、図3(b)に示すように、単位光学形状21aの第1傾斜面21b上に、真空蒸着法により蒸着金属(アルミニウム)ALを蒸着して反射層22を形成する。本実施形態では、真空蒸着装置を使用し、真空状態下においてアルミニウムを加熱、溶融して、光学形状層21の第1傾斜面21bに対してそのアルミニウムを蒸着する。
続いて、図3(c)に示すように、光学形状層21の単位光学形状21aが形成された側の面に、背面層23を構成する樹脂を充填し、平坦面が形成された金型によって押圧する。そして、硬化させた後に離型することにより、背面層23を形成することができる。以上の過程により、光学形状層21、反射層22、背面層23が順に積層された光学シート20が完成する。
図4は、第1実施形態の光学形状層21の製造方法を説明する図である。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態の図面においては、部材の断面を示すハッチングを省略する。
まず、図4(a)に示すように、製造する光学形状層21の形状に対応した賦形面100aを有する成形型100を用意し、賦形面100aが上方(重力方向の天側)を向くように配置する。なお、成形型100は、金型でもよいし、樹脂型でもよい(他の実施形態も同様)。
次に、図4(b)に示すように、賦形面100a上に未硬化の紫外線硬化樹脂210を充填する(エネルギー線硬化樹脂充填工程)。ここでは、例えば、紫外線硬化樹脂210を、賦形面100a上の一辺に沿って点状又は線状に塗布し、不図示のローラ等で引き延ばすことにより、賦形面100a上に均一に充填できる(他の実施形態も同様)。
次に、図4(c)に示すように、紫外線照射部(不図示)から、未硬化の紫外線硬化樹脂210に対して紫外線UVを照射する(第1光学形状層成形工程)。これにより、紫外線硬化樹脂210が硬化して光学形状層21となる。
紫外線硬化樹脂210が硬化した後、図4(d)に示すように、硬化後の紫外線硬化樹脂210を成形型100から剥離して、光学形状層21を得る(第1光学形状層作製工程)。
このようにして得られた光学形状層21を、図3に示した光学シート20の製造方法に用いることによって、本実施形態の光学シート20が完成する。
また、光学シート20を貼り付けるフロントウィンドウ2は、中間層の断面を矩形状とした一般的な合わせガラスでよいため、光学シート20を、より多くの車種に取り付けることができる。
そのため、単位光学形状21aの高さhが10μm≦h≦300μmの範囲で形成され、配列ピッチPが100μm≦P≦1000μmの範囲で形成された形状において、第1傾斜面21bの算術平均うねりWaを0.05μm以下にすることができる。
したがって、本実施形態の光学シート20の製造方法によれば、光学性能をより向上させた光学シート20を製造することができる。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態の光学シート20は、光学形状層21の製造工程が第1実施形態と異なる。それ以外の光学シート20の構成は、第1実施形態と同じであるため、共通する説明を適宜に省略して、相違点のみを説明する。また、第1実施形態と共通する構成部分には、同じ符号を付して説明する。
図5は、第2実施形態の光学形状層21の製造方法を説明する図である。
まず、図5(a)に示すように、製造する光学形状層21の形状に対応した賦形面100aを有する成形型100を用意し、賦形面100aが上方を向くように配置する。
第2実施形態において、賦形面100aにより賦形される光学形状層21の深さd1及びd2は、それぞれ、20μm≦d1≦100μm、30μm≦d2≦400μmの範囲で形成することが望ましい。紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮の大きさは、深さd1及びd2の差に比例する。すなわち、深さd1とd2との差が大きいほど、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮は大きくなる。したがって、光学形状層21の深さd1及びd2を上述した範囲とし、この深さd1及びd2に合わせて基材220(後述)の厚みs1を後述する範囲で形成することにより、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮の大きさに応じて、基材220をより適切に変形させることができる。なお、本実施形態において、光学形状層21における配列ピッチP、高さhは、第1実施形態と同じである。
次に、図5(c)に示すように、賦形面100a上に充填された未硬化の紫外線硬化樹脂210の上に、基材220を貼り付ける(基材貼り付け工程)。本実施形態の基材220は、紫外線硬化樹脂210の収縮とともに変形可能な基材である。そのため、基材220の厚みs1は、上述した単位光学形状21aの深さd1及びd2に合わせて、8μm≦s1≦50μmの範囲で形成することが望ましい。基材220の厚みs1をこのような範囲とすることにより、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮に応じて、基材220をより適切に変形させることができる。
次に、図5(d)に示すように、紫外線照射部(不図示)から、基材220を介して、未硬化の紫外線硬化樹脂210に対して紫外線UVを照射する(エネルギー線硬化樹脂照射工程)。これにより、紫外線硬化樹脂210が硬化して光学形状層21となる。
紫外線硬化樹脂210が硬化した後、図5(e)に示すように、硬化後の紫外線硬化樹脂210から基材220を剥離する(基材剥離工程)。
次に、図5(f)に示すように、光学形状層21を成形型100から剥離して、光学形状層21を得る(第1光学形状層剥離工程)。
また、光学形状層21の深さd1及びd2を、それぞれ、20μm≦d1≦100μm、30μm≦d2≦400μmの範囲で形成し、この深さd1及びd2に合わせて、基材220の厚みs1を8μm≦s1≦50μmの範囲で形成することにより、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮の大きさに応じて、基材220をより適切に変形させることができる。
したがって、第2実施形態の光学シート20の製造方法によれば、光学性能をより向上させた光学シート20を製造することができる。
次に、第3実施形態の表示装置10Aについて説明する。
図6は、第3実施形態の表示装置10を説明する図である。図6(a)は、光学シート20の左右方向の中心線上における断面図であり、図2(b)のb部断面に相当する部分断面図である。また、図6(b)は、第3実施形態における光学シート20の他の構成を示す断面図である。
第3実施形態の表示装置10Aは、映像源11、投射光学系12、光学シート20を含むフロントウィンドウ2を備えている。このうち、映像源11、投射光学系12の構成は、第1実施形態の表示装置10と同じであるため、ここでは第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図6(a)に示すように、本実施形態のフロントウィンドウ2は、運転者側(+Y側)から順に、第1ガラス31、第1中間層32、光学シート20、第2中間層33及び第2ガラス34を備えている。
第1ガラス31は、フロントウィンドウ2の最も運転席側に配置された透明な部材である。第1ガラス31としては、例えば、ソーダライムガラス(青板ガラス)、硼珪酸ガラス(白板ガラス)、石英ガラス、ソーダガラス、カリガラス等の材料を用いることができる。また、第1ガラス31の厚みは、2〜3mmの範囲とすることが好ましい。
基材層24は、光学形状層21を形成する際のベースとなる平板状の部材である。基材層24は、例えば、光透過性の高いPET等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂等から形成される。
第2ガラス34は、光学シート20の最も背面側(+Z側)に配置された透明な部材である。第2ガラス34としては、第1ガラス31と同じ材料を用いることができる。また、第2ガラス34の厚みは、2〜3mmの範囲とすることが好ましい。
図6(a)に示すように、映像源11から投射された映像光Lは、投射光学系12を介して、フロントウィンドウ2の運転者側の面へ入射する。フロントウィンドウ2に入射した映像光Lの一部の光L1は、第1ガラス31、第1中間層32及び基材層24を透過して、単位光学形状21aの第1傾斜面21bに入射し、反射層22において運転者側へ反射する。そして、外界からの光Gは、その一部がフロントウィンドウ2の背面側から運転者側へ透過する。そのため、運転者は、外界からの光Gと映像光Lとを重ねて見ることができる。また、映像光Lの他の一部の光L2は、反射層22を透過した後、背面層23、第2中間層33及び第2ガラス34を透過して、フロントウィンドウ2の背面側(+Z側)の面から出射する。更に、映像光Lの他の一部の光L3は、フロントウィンドウ2の第1ガラス31により、斜め上側(+Y側)へ反射する。そのため、光L3は、そのほとんどが運転者側に届くことはない。
先に説明したように、第3実施形態の光学シート20は、光学形状層21の運転者側(+Y側)に基材層24を備えている点において、第1実施形態と相違する。ここでは、基材層24を備えた光学形状層21の製造方法について説明する。
図7は、第3実施形態の光学形状層21の製造方法を説明する図である。
まず、図7(a)に示すように、製造する光学形状層21の形状に対応した賦形面100aを有する成形型100を用意し、賦形面100aが上方を向くように配置する。
第3実施形態において、賦形面100aにより賦形される光学形状層21の深さd1及びd2は、それぞれ、5μm≦d1≦200μm、45μm≦d2≦800μmの範囲で形成することが望ましい。
後述するように、本実施形態の単位光学形状21aは、高さhが10μm≦h≦300μmの範囲で形成され、配列ピッチPが100μm≦P≦1000μmの範囲で形成された形状において、第1傾斜面21bの算術平均うねりWaが0.05μm以下となるように形成される。
次に、図7(c)に示すように、紫外線照射部(不図示)から、未硬化の紫外線硬化樹脂210に対して紫外線UVを照射する(エネルギー線硬化樹脂照射工程)。これにより、紫外線硬化樹脂210が硬化して光学形状層21となる。
紫外線硬化樹脂210が硬化した後、図7(d)に示すように、紫外線硬化樹脂210の上に、基材層24を貼り付ける(基材貼り付け工程)。基材層24の厚みs2は、光学シート20の仕様により異なるが、およそ100μm≦s2≦1000μmの範囲で形成することが望ましい。また、基材層24の背面側の面は、入射する光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成することが望ましい。
なお、基材層24を未硬化の紫外線硬化樹脂の上に積層した後、不図示のローラ等を基材層24に圧着させながら、基材層24の上を移動させることにより、未硬化の紫外線硬化樹脂を引き延ばしてもよい。この場合、塗布した未硬化の紫外線硬化樹脂に気泡等が含まれていても、それらの気泡等は、ローラ等の進行方向に沿って移動し、外部に押し出される。これによれば、硬化した紫外線硬化樹脂210と基材層24との間に未硬化の紫外線硬化樹脂を均一に充填できるだけでなく、気泡等を効率良く排除できるので、より好ましい。また、重ねて塗布する未硬化の紫外線硬化樹脂として、硬化後に紫外線硬化樹脂210と同じ屈折率となる他の紫外線硬化樹脂を用いてもよい。
次に、図7(e)に示すように、光学形状層21を基材層24とともに成形型100から剥離して、基材層24と接合された光学形状層21を得る(第1光学形状層作製工程)。
また、第3実施形態の光学形状層21の製造方法においては、紫外線硬化樹脂210に基材層24を貼り付けない状態で紫外線を照射するため、紫外線硬化樹脂210を収縮可能な状態で硬化させることができる。これによれば、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮が残留応力として内部に蓄積されないため、光学形状層21を成形型100から剥離した時に、単位光学形状21aの第1傾斜面21bにおけるうねりの発生を抑制できる。
そのため、単位光学形状21aの高さhが10μm≦h≦300μmの範囲で形成され、配列ピッチPが100μm≦P≦1000μmの範囲で形成された形状において、第1傾斜面21bの算術平均うねりWaを0.05μm以下にすることができる。これによれば、第1傾斜面21bの表面に形成される反射層22において、映像光を運転者側に設計通りの角度で反射させることができるため、光学シート20で反射した映像光が二重像として運転者に視認される不具合が更に抑制され、運転者に対してより鮮明な映像を表示することができる。
したがって、本実施形態の製造方法によれば、光学性能をより向上させた光学シート20を製造することができる。
また、図6(b)に示す層構成では、基材層24が運転者側に配置されているため、光学シート20の運転席側の平坦性を向上させることができる。そのため、光学シート20の光学性能をより向上させることができる。
第4実施形態は、光学形状層21の製造過程が第3実施形態と異なる。それ以外の光学シート20の構成は、第3実施形態と同じであるため、共通する説明を適宜に省略して、相違点のみを説明する。また、第3実施形態と共通する構成部分には、同じ符号を付して説明する。
図8は、第4実施形態の光学形状層21の製造方法を説明する図である。
まず、図8(a)に示すように、製造する光学形状層21の形状に対応した賦形面100aを有する成形型100を用意し、賦形面100aが上方を向くように配置する。
第4実施形態において、賦形面100aにより賦形される光学形状層21の深さd1及びd2は、それぞれ、10μm≦d1≦200μm、50μm≦d2≦800μmの範囲で形成することが望ましい。光学形状層21の深さd1及びd2を上述した範囲とし、この深さd1及びd2に合わせて基材層24の厚みs2を後述する範囲で形成することにより、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮の大きさに応じて、基材層24をより適切に変形させることができる。なお、本実施形態において、光学形状層21における配列ピッチP、高さhは、第1実施形態と同じである。
次に、図8(c)に示すように、賦形面100a上に充填された未硬化の紫外線硬化樹脂210の上に、基材層24を貼り付ける(基材貼り付け工程)。本実施形態の基材層24は、紫外線硬化樹脂210の収縮とともに変形可能な基材である。そのため、基材層24の厚みs2は、上述した単位光学形状21aの深さd1及びd2に合わせて、10μm≦s2≦100μmの範囲で形成することが望ましい。基材層24の厚みs2をこのような範囲とすることにより、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮に応じて、基材層24をより適切に変形させることができる。
次に、図8(d)に示すように、紫外線照射部(不図示)から、基材層24を介して、未硬化の紫外線硬化樹脂210に対して紫外線UVを照射する(エネルギー線硬化樹脂照射工程)。これにより、紫外線硬化樹脂210が硬化して光学形状層21となる。
紫外線硬化樹脂210が硬化した後、図8(e)に示すように、光学形状層21を基材層24とともに成形型100から剥離して、基材層24と接合された光学形状層21を得る(第1光学形状層作製工程)。
また、光学形状層21の深さd1及びd2を、それぞれ、10μm≦d1≦200μm、50μm≦d2≦800μmの範囲で形成し、この深さd1及びd2に合わせて、基材層24の厚みs2を10μm≦s2≦100μmの範囲で形成することにより、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮の大きさに応じて、基材層24をより適切に変形させることができる。
したがって、第4実施形態の光学シート20の製造方法によれば、光学性能をより向上させた光学シート20を製造することができる。
第5実施形態は、光学形状層21の製造過程が第3実施形態と異なる。それ以外の光学シート20の構成は、第3実施形態と同じであるため、共通する説明を適宜に省略して、相違点のみを説明する。また、第3実施形態と共通する構成部分には、同じ符号を付して説明する。
図9は、第5実施形態の光学形状層21の製造方法を説明する図である。
まず、図9(a)に示すように、製造する光学形状層21の形状に対応した賦形面100aを有する成形型100を用意し、賦形面100aが上方を向くように配置する。
第5実施形態において、光学形状層21の深さd1及びd2は、それぞれ、10μm≦d1≦200μm、50μm≦d2≦800μmの範囲で形成することが望ましい。また、この深さd1及びd2に合わせて、基材220の厚みs1を後述する範囲で形成することにより、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮の大きさに応じて、基材220をより適切に変形させることができる。なお、本実施形態において、光学形状層21における配列ピッチP、高さhは、第1実施形態と同じである。
次に、図9(c)に示すように、賦形面100a上に充填された未硬化の紫外線硬化樹脂210の上に、基材(第1基材)220を貼り付ける(第1基材貼り付け工程)。本実施形態の基材220は、紫外線硬化樹脂210の収縮とともに変形可能な基材である。そのため、基材220の厚みs1は、上述した単位光学形状21aの深さd1及びd2に合わせて、10μm≦s1≦100μmの範囲で形成することが望ましい。基材220の厚みs1をこのような範囲とすることにより、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮に応じて、基材220をより適切に変形させることができる。
次に、図9(d)に示すように、紫外線照射部(不図示)から、基材220を介して、未硬化の紫外線硬化樹脂210に対して紫外線UVを照射する(エネルギー線硬化樹脂照射工程)。これにより、紫外線硬化樹脂210が硬化して光学形状層21となる。
次に、図9(f)に示すように、硬化後の紫外線硬化樹脂210の表面に基材層(第2基材)24を貼り付ける(第2基材貼り付け工程)。基材層24の厚みs2は、光学シート20の仕様により異なるが、およそ100μm≦s2≦1000μmの範囲で形成することが望ましい。また、基材層24の背面側の面は、入射する光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成することが望ましい。
次に、図9(g)に示すように、光学形状層21を成形型100から剥離して、基材層24と接合された光学形状層21を得る(第1光学形状層剥離工程)。
また、光学形状層21の深さd1及びd2を、それぞれ、10μm≦d1≦200μm、50μm≦d2≦800μmの範囲で形成し、この深さd1及びd2に合わせて、基材(第1基材)220の厚みs1を10μm≦s1≦100μmの範囲で形成することにより、紫外線硬化樹脂210の硬化時に生じる収縮の大きさに応じて、基材220をより適切に変形させることができる。
したがって、第5実施形態の製造方法によれば、光学性能をより向上させた光学シート20を製造することができる。
第6実施形態では、成形型100において収縮可能な状態で硬化させた光学形状層(第1光学形状層)21と、同じく成形型100において収縮可能な状態で硬化させた背面層(第2光学形状層)23と、を接合した光学シート20について説明する。第6実施形態の光学シート20の基本的な構成は、第3実施形態の光学シート20と同じであるため、共通する説明を適宜に省略して、相違点のみを説明する。また、第3実施形態と共通する構成部分には、同じ符号を付して説明する。
図10は、第6実施形態の光学シート20の製造方法を説明する図である。
まず、図10(a)に示すように、別の製造過程により得られた光学形状層21(単位光学形状21a)の表面に蒸着金属を付着させて、反射層22を形成する。ここで、光学形状層21は、例えば、第3実施形態の光学形状層21の製造方法(図7参照)により得られた光学形状層21である。
次に、図10(c)に示すように、光学形状層21の上に、別の製造過程により得られた背面層23を積層する。具体的には、光学形状層21の単位光学形状21aが設けられた側の面と、背面層23の背面側単位光学形状23aが設けられた側の面とが対向するように、背面層23を積層する。ここでは、例えば、第1実施形態の光学形状層21の製造方法(図4参照)により得られた光学形状層21を背面層23として用いることができる。背面層23の背面側単位光学形状23aは、光学形状層21の単位光学形状21aに対応する。背面側単位光学形状23aには、図10(c)に示すように、光学形状層21の第1傾斜面21bに対応する第3傾斜面23bが形成されている。
次に、図10(d)に示すように、紫外線照射部(不図示)から、未硬化の紫外線硬化樹脂250に対して紫外線UVを照射する。これにより、紫外線硬化樹脂250が硬化して接合層25となる。
次に、図10(e)に示すように、背面層23の背面に基材層24を貼り付ける。
以上の過程により、基材層24、光学形状層21、反射層22、接合層25、背面層23、基材層24が順に積層された光学シート20が完成する。本実施形態の光学シート20は、例えば、図6(b)に示すフロントウィンドウ2に適用することができる。
このように、本実施形態の製造方法によれば、上述した理由により、光学形状層21の第1傾斜面21b及び背面層23の第3傾斜面23bにおける算術平均うねりWaをそれぞれ0.05μm以下にできる。そのため、第1傾斜面21bと第3傾斜面23bとの間に設けられた反射層22において、映像光を運転者側に設計通りの角度で反射させることができる。これによれば、光学シート20で反射した映像光が二重像として運転者に視認される不具合が抑制されるため、運転者に対してより鮮明な映像を表示することができる。
したがって、第6実施形態の光学シート20の製造方法によれば、光学性能をより向上させた光学シート20を製造することができる。
(1)上述の実施形態において、単位光学形状21aの配列方向R1(図2(a)参照)に平行な断面における断面形状は、多角形、半球形、レンズ形等によるプリズム形状であってもよい。また、プリズム形状は、断面が単位光学形状21aの配列方向R1と直交する方向に延在していてもよいし、ディンプル形、ピラミッド形(三角錐、四角錐等)であってもよい。
(2)上述の実施形態において、反射層22は、アルミニウムの蒸着により形成する例に限定されるものではなく、例えば、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜を含有した塗料を塗布したりする等の手法により形成してもよい。
(3)上述の実施形態において、単位光学形状21aの第2傾斜面21cに微細な凹凸形状を形成してもよい。光学形状層21及び背面層23が同一の屈折率を有する材料により形成されていても、両者に微小な屈折率差が生じる場合がある。その場合、第2傾斜面21cを透過する光の一部が、その第2傾斜面21cにおいて反射して、2重像(ゴースト)として運転者に視認されることがある。しかし、第2傾斜面21cに微細な凹凸形状を形成することによって、第2傾斜面21cに入射した光を拡散させて2重像の発生を抑制することができる。
上述の第3〜第6実施形態において、フロントウィンドウ2の内部に配置される光学シート20は、例えば、第1実施形態の光学シート20(図1(a)参照)のように、フロントウィンドウ2の右側(運転席前)のみを覆う大きさであってもよいし、フロントウィンドウ2の下側全面を覆う大きさであってもよい。このように、フロントウィンドウ2の特定の領域のみを光学シート20で覆うようにした場合には、光学シート20が配置されていない領域に、例えば、第3実施形態の第1中間層32と同じ材質の中間層を配置すればよい。また、第3〜第6実施形態において、光学シート20をフロントウィンドウ2の全面に配置し、光学シート20として機能させたい領域のみに反射層22を形成してもよい。この場合、光学シート20として機能させたい領域を除く領域において、より高い透過率を得ることができる。
(6)上述の第1及び第2実施形態において、光学シート20の運転者側(+Y側)の面に、傷つき防止を目的としたハードコート処理を施してもよい。このハードコート処理は、例えば、光学シート20の運転者側の面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート等)を塗布してハードコート層を形成してもよい。
21 光学形状層
21a 単位光学形状
21b 第1傾斜面
21c 第2傾斜面
22 反射層
23 背面層
24 基材層
100 成形型
100a 賦形面
210 紫外線硬化樹脂
220 基材
Claims (3)
- 第1傾斜面及び第2傾斜面を有する単位光学形状が複数配列された第1光学形状層を備え、映像源から投射された映像光の一部を少なくとも前記第1傾斜面で観察者側に反射させる光学部材の製造方法であって、
前記単位光学形状を賦形する賦形面を有する成形型に、未硬化のエネルギー線硬化樹脂を充填するエネルギー線硬化樹脂充填工程と、
前記エネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射して、前記成形型に充填された前記エネルギー線硬化樹脂を収縮可能な状態で硬化させて、前記第1光学形状層を成形する第1光学形状層成形工程と、
硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂から第1光学形状層を得る第1光学形状層作製工程と、
前記第1光学形状層に設けられた前記単位光学形状の少なくとも前記第1傾斜面に反射層を形成する反射層形成工程と、
前記第1光学形状層の反射層が形成された側の面に第2光学形状層を形成する第2光学形状層形成工程と、
を含む光学部材の製造方法であって、
前記成形型に充填された前記エネルギー線硬化樹脂の表面に、前記エネルギー線硬化樹脂の収縮とともに変形可能な基材を貼り付ける基材貼り付け工程を含み、
前記第1光学形状層作製工程は、
硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂から前記基材を剥離する基材剥離工程と、
前記基材の剥離された前記エネルギー線硬化樹脂を前記成形型から剥離して、前記第1光学形状層を得る第1光学形状層剥離工程と、を含み、
前記第1光学形状層は、
前記単位光学形状の谷部から、前記単位光学形状が設けられた側と反対側の面までの深さd1が20μm≦d1≦100μmの範囲で形成され、
前記単位光学形状の頂部から、前記単位光学形状が設けられた側と反対側の面までの深さd2が30μm≦d2≦400μmの範囲で形成され、
前記基材の厚みが8μm≦s1≦50μmの範囲で形成されること、
を特徴とする光学部材の製造方法。 - 第1傾斜面及び第2傾斜面を有する単位光学形状が複数配列された第1光学形状層を備え、映像源から投射された映像光の一部を少なくとも前記第1傾斜面で観察者側に反射させる光学部材の製造方法であって、
前記単位光学形状を賦形する賦形面を有する成形型に、未硬化のエネルギー線硬化樹脂を充填するエネルギー線硬化樹脂充填工程と、
前記エネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射して、前記成形型に充填された前記エネルギー線硬化樹脂を収縮可能な状態で硬化させて、前記第1光学形状層を成形する第1光学形状層成形工程と、
硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂から第1光学形状層を得る第1光学形状層作製工程と、
前記第1光学形状層に設けられた前記単位光学形状の少なくとも前記第1傾斜面に反射層を形成する反射層形成工程と、
前記第1光学形状層の反射層が形成された側の面に第2光学形状層を形成する第2光学形状層形成工程と、
を含む光学部材の製造方法であって、
硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂の表面に、前記観察者側とは反対側である背面側の面が60度の光沢度で90以上である基材を貼り付ける基材貼り付け工程を含み、
前記第1光学形状層作製工程では、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂を前記基材とともに前記成形型から剥離して、前記基材の接合された前記第1光学形状層を得ること、
を特徴とする光学部材の製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の光学部材の製造方法であって、
前記第1光学形状層は、
前記第1傾斜面の算術平均うねりWaが0.05μm以下に形成され、
前記単位光学形状の厚み方向の頂部から谷部までの高さhが10〜300μmの範囲で形成され、
前記単位光学形状の配列ピッチPが100〜1000μmの範囲で形成されること、
を特徴とする光学部材の製造方法。
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