JP6783297B2 - 真空バルブ - Google Patents

Description

本発明は真空バルブに関する。真空バルブは、内部空間、第１シート面により囲まれた第１バルブ開口部および第２シート面により囲まれた第２バルブ開口部を有するバルブハウジングと、前記バルブハウジングの前記内部空間に配置された閉塞ユニットと、を備えている。前記閉塞ユニットが、第１プレートと、第２プレートと、前記第１プレートと前記第２プレートとの間に配置されているローラ支持部と、前記ローラ支持部に対してそれぞれの回転軸線のまわりに回動可能に設けられた第１展開ローラおよび第２展開ローラにより構成されている複数のローラペアと、前記第１プレートおよび前記第２プレートのそれぞれに当接している前記第１展開ローラおよび前記第２展開ローラのそれぞれに対して前記第１プレートおよび前記第２プレートのそれぞれを付勢する少なくとも１つのばねと、を備えている。前記真空バルブが開いており、前記第１バルブ開口部および前記第２バルブ開口部が開放されている開位置から、前記第１プレートおよび前記第２バルブプレートのそれぞれが前記第１バルブ開口部および前記第２バルブ開口部の間にある一方で前記第１シート面および前記第２シート面のそれぞれから離間している中間位置を経て、前記真空バルブが閉じられている閉位置まで前記ローラ支持部が運動方向に対して平行に変位可能であり、前記ローラ支持部が開位置から中間位置に動かされた場合、前記第１プレートおよび前記第２プレートが前記ローラ支持部に連動し、前記ローラ支持部が中間位置から閉位置に動かされる際、前記第１プレートおよび前記第２プレートの前記運動方向への変位が制止される。前記ローラ支持部の開位置および中間位置において、前記複数のローラペアのそれぞれのうち前記第１展開ローラが、前記第１プレートの表面においてそれぞれの窪み部の領域に当接し、前記複数のローラペアのそれぞれのうち前記第２展開ローラが、前記第２プレートの表面においてそれぞれの窪み部の領域に当接し、前記ローラ支持部が中間位置から閉位置に動かされる際、前記第１展開ローラおよび前記第２展開ローラが前記窪み部の傾斜面に沿って動かされ、前記第１プレートおよび前記第２プレートが展開方向に平行に相互に展開される。

相互展開可能な閉塞ユニットを備えているスライドバルブとも呼ばれる前記のような真空バルブは、さまざまな実施態様で知られている。閉塞ユニットの２つのプレートの相互展開のため、当該２つのプレートの間に配置されているボールケージに対になって配置されている。閉塞ユニットの収縮状態では、ボールはプレートの窪み部に突出する。２つのプレートを展開するまたは広げるため、ボールケージはプレートに対して相対的に動かされ、これによりボールはプレートの窪み部から少なくとも部分的に導出される（例えば、特許文献１〜４参照）。

ボールケージに配置されるボールに代えて、第１および第２プレートの間に配置されたローラ支持部に対して回転軸線の回りに回転可能に取り付けられた展開ローラを使用することが知られている。これにより摩耗が抑制される。第１および第２プレートを広げるために必要な力がローラ支持部の同じ領域に作用するように、展開ローラは対をなしてローラペアとして配置されている。各ローラペアにより、第１展開ローラは第１プレートと相互作用し、第２展開ローラは第２プレートと相互作用する（例えば、特許文献５参照）。

ボールの代わりに展開ローラを使用することの欠点は、閉塞要素の全体的な厚さ（＝展開方向のサイズ）について構造サイズが比較的大きいことである。展開ローラがシャフトピンに対してスライド可能に取り付けられている場合、第１および第２プレートの相互展開に際して、展開ローラが各プレートの表面において転動する代わりに摺動することで生じる摩擦によって顕著な摩耗が生じるおそれがある。しかしながら、転動体に取り付けられた展開ローラが使用されることにより、拡径ローラが大径である必要があり、閉塞ユニットの厚さをさらに増加させてしまう。

米国特許公報 ＵＳ４０５２０３６Ａ 米国特許公報 ＵＳ５３７９９８３Ａ 米国特許公報 ＵＳ３３６８７９２Ａ スイス特許公報 ＣＨ５０８１５４Ａ 中国実用新案公報 ＣＮ２０４２６７７６８Ｕ

本発明の目的は、厚さ（＝展開方向または拡開方向についてのサイズ）に関して比較的小さなサイズを可能にする上述のタイプの真空バルブを提供することである。

本発明によれば、これは、請求項１の特徴を有する真空バルブによって達成される。

本発明に係る真空バルブによれば、各ローラペアを構成する第１および第２展開ローラの回転軸線は運動方向について相互に間隔をおいて配置され、すなわち、運動方向について相互に離間している。第１および第２展開ローラの展開方向についての間隔は、第１展開ローラの半径と第２展開ローラの半径との和よりも小さくすることができる。これにより、第１プレートと第２プレートとの間隔を狭くすることができ、閉塞ユニットの幅、ひいては真空バルブの全体を小さくすることができる。

好ましくは、各ローラペアを構成する第１展開ローラおよび第２展開ローラの展開方向についての間隔は、第１展開ローラの半径の半分と第２展開ローラの半径の半分の和よりも小さい。

各ローラペアを構成する２つの展開ローラの半径は好ましくは同じであり、特に、すべてのローラペアを構成するすべての展開ローラは同じ半径を有していることが好ましい。

閉塞ユニットのプレートにおいて展開ローラを円滑に転動させるため、展開ローラが、ロールベアリングまたは滑り軸受により回転軸線の回りに回転可能に支持されていることが好ましい。

本発明の一実施態様では、展開ローラの回転軸線が、板状のローラ支持部に固定して設けられ、ローラ支持部のそれぞれの窓開口部を通っているシャフトピンにより構成されている。各ローラペアを構成する展開ローラは、ローラ支持部の共通の窓開口部を通っている。すなわち、各ローラペアを構成する展開ローラのシャフトピンがローラ支持部の同じ窓開口部を通っている。

本発明のさらなる利点および詳細は、添付の図面を参照して以下に説明される。

本発明の一実施形態に係る閉状態における真空バルブの斜視図。 図１の真空バルブの正面図。 開状態における図１の真空バルブの正面図。 バルブハウジングの前部が省略された図２に対応する真空バルブの正面図。 図４の断面線Ａ−Ａに沿った真空バルブの断面図。 ローラ支持部が中間位置にある状態の図５に対応する真空バルブの断面図。 ローラ支持部が開位置にある状態（＝真空バルブの開状態）の図５に対応する真空バルブの断面図。 ローラ支持部が中間位置にある状態の図４の断面線Ｂ−Ｂに沿った真空バルブの断面図。 閉塞ユニットの分解図。 ローラ支持部が開位置および中間位置にある状態の閉塞ユニットの正面図。 ローラ支持部が閉位置にある状態（＝真空バルブの閉状態）の閉塞ユニットの正面図。 図１０の断面線Ｃ−Ｃに沿った閉塞ユニットの断面図。 図１１の断面線Ｄ−Ｄに沿った閉塞ユニットの断面図。

本発明の一実施形態に係る真空バルブが図１〜図１３に示されている。スライドバルブの態様で構成された真空バルブは、バルブハウジング１を有し、バルブハウジング１の内部空間２は、真空バルブの真空領域を形成する。バルブハウジング１は、バルブハウジング１の内部空間２に通じる第１バルブ開口部３および第２バルブ開口部４を有する。第１バルブ開口部３および第２開口部４の領域には、バルブハウジング１の別個の真空部品、特に真空チャンバまたはパイプラインの真空気密接続を可能にするため、バルブハウジング１のフランジ５、６が設けられている。第１バルブ開口部３および第２バルブ開口部４のそれぞれは、バルブハウジング１の対向する壁部４０および４１のそれぞれに配置され、好ましくは大きさが同じでありかつ合同である。

第１バルブ開口部３および第２バルブ開口部４のそれぞれは、第１シート面７および第２シート面８のそれぞれにより取り囲まれている。シート面７、８は相互に対向しており、バルブハウジング１の壁部４０、４１の壁面のうち内部空間２を画定する部分によって構成されている。

バルブハウジング１には、真空バルブを開閉するための駆動ユニット９が取り付けられ、本実施形態では駆動ユニット９は空気圧式のピストンシリンダユニットを有する。真空バルブを手動で開閉するため、このように配置された手動アクチュエータなどの他のタイプの駆動ユニットが設けられていてもよい。

バルブハウジング１は、本実施形態では、バルブ開口部３、４を有する主要部１ａおよび駆動ユニット９が取り付けられる蓋部１ｂの２つの部分により構成されている。当該２つのハウジング部分は、フランジを介して相互にねじ止めされ、相互に封止される。

本実施形態では、バルブ開口部３、４を有するバルブハウジング１の対向する壁部４０、４１は、これら２つの壁部４０、４１を連結する幅狭の側壁４２、４３と同様に板金で形成されている。安定性を高めるために、補強リブ１ｃがバルブハウジング１の外側に配置されることが好ましい。

バルブハウジング１はさまざまな異なる実施形態が可能である。

バルブハウジング１の内部空間２には、閉塞ユニット１０が配置されている。閉塞ユニット１０は、第１プレート１１と、第２プレート１２と、第１プレート１１および第２プレート１２の間に配置され、好ましくは板状に形成されたローラ支持部１３と、を備えている。ローラ支持部１３には、展開ローラ１４、１５が対をなして回転軸線２８、２９の回りに回転可能に取り付けられている。第１展開ローラ１４および第２展開ローラ１５により構成された複数のローラが設けられている。展開ローラ１４、１５は、以下に詳細に説明するように、プレート１１、１２を展開方向２２に広げるまたは拡開するように作用する。

真空バルブを開閉するため、ローラ支持部１３は運動方向１６に平行に駆動される。一実施形態では既知のように、ローラ支持部１３は、レバー機構を介して駆動ユニットのピストン９ａに接続されている。連結アーム１７は、一端がローラ支持部１３に揺動可能に連結されている。当該連結は、ローラ支持部１３の凸部１３ｂの目部１３ｃを介して実現される。連結アーム１７の他端は、バルブハウジング１に対して揺動可能に取り付けられた揺動レバー１８に揺動可能に連結されている。揺動レバー１８は駆動ユニット９により揺動され、一端で揺動レバー１８に対して揺動可能に取り付けられ、一実施形態では他端でピストンロッド９ｂに対して揺動可能に取り付けられている別の連結アーム１９が連結のために用いられる。これにより、短いピストンストロークで真空バルブの開閉を達成することができる。例えばピストンロッドがローラ支持部１３に直接的に接続された、対応する長さのストロークピストンが用いられてもよい。

ピストンロッド９ｂは、真空バルブの真空領域からの真空フィードスルーを通じて導出される。一実施形態では、シールリング４４が概略的に示されている。リニアフィードスルーは、例えばベローズによって構成されていてもよい。

閉塞ユニット１０は、バルブハウジング１に対して運動方向１６に変位可能にガイドされ、ガイドローラ２０、２１がローラ支持部１３に同様に基地の方法で回転可能に取り付けられている。ガイドローラ２０の回転軸線は、ガイドローラ２１の回転軸線に対して垂直である。ガイドローラ２０がバルブハウジング１の壁部４２、４３の内面と相互作用し、かつ、ガイドローラ２１がバルブハウジング１の壁部４０、４１の内面と相互作用し、ローラ支持部１３、ひいては閉塞ユニット１０を全体的に運動方向１６に垂直な方向に変位させる。

運動方向１６と展開方向２２とは互いに垂直である。展開ローラ１４、１５の回転軸線２８、２９は、運動方向１６に対して垂直であり、かつ、展開方向２２に対して垂直である。

真空バルブの開状態において、閉塞ユニット１０は、第１開口部３および第２バルブ開口部４を開放する位置に変位する。これにより、第１バルブ開口部３、内部空間２および第２バルブ開口部４を通る貫通路を通じて真空バルブが開放される。この真空バルブの開状態が図３および図７に示されている。真空バルブの開状態において、ローラ支持部１３は開位置にある。

真空バルブの閉状態では、図１、図２、図４および図５に示されているように、真空バルブを通る貫通路は閉塞ユニット１０によって密封される。この目的のため、閉塞ユニット１０は広げられまたは展開され、第１プレート１１および第２プレート１２のそれぞれは第１シート面７および第２シート面８のそれぞれに押し付けられる。第１バルブ開口部３を密閉するため、第１プレート１１には、弾性シールリングの形態のシール部材３８が設けられており、このシールは、例えばプレート１１に対して加硫接合されていてもよい。第１プレート１１および第２プレート１２の間に配置された空間を換気するため、第２プレート１２には開口部１２ａが設けられている。当該開口部１２ａの代わりに、例えば、第２シート面８に当接する第２プレート１２の領域に、少なくとも１つの溝が設けられていてもよい。原則的に、両方のプレート１１、１２にシールが設けられ、開口部１２ａが省略され、内部空間２を減圧するための減圧機構が設けられていてもよい。

真空バルブの開状態、すなわちローラ支持部１３が開位置にある状態において、展開ローラ１４、１５は、プレート１１、１２の相互に対向する表面における窪み部２３が設けられている領域に当接している。好ましくは、展開ローラ１４、１５は、プレート１１、１２における窪み部２３の最下部または底部に当接している。その後、閉塞ユニット１０は図１０および図１２に示されている収縮状態になる。

図５〜図７および図１２、図１３に示されているように、各プレート１１、１２の各窪み部領域を通り、運動方向１６に平行な横断面において、各窪み部２３には、その最下点から始まる傾斜面２３ａが設けられている。当該傾斜面２３ａは、窪み部２３において駆動ユニット９の反対側にあり、かつ、真空バルブの閉塞時の閉塞ユニット１０の運動方向について前側にあり、各窪み部２３に係合する展開ローラ１４、１５のための軌道を形成する。

本実施形態では、ローラ支持部１３に対して回転可能に取り付けられた第１および第２展開ローラ１４、１５によってそれぞれ構成される４つのローラペアが設けられている。第１プレート１１および第２プレート１２は、本実施形態では円形の輪郭を有するように形成されているので、ローラペアは仮想的な正方形の隅角に配置されることが好ましい。より多くのまたはより少ないローラペアが設けられていてもよい。少なくとも３つ、好ましくは少なくとも４つのローラペアが共通の直線上に配置されることなく設けられていることが好ましい。例えば、ローラ支持部に分散して回転可能に設けられた５つまたは６つのローラペアは、例えばプレート１１、１２の中心軸線に位置する仮想円に沿った円形の輪郭を有するプレート１１、１２に設けられている。

各ローラペアを構成する２つの展開ローラ１４、１５は、板状のローラ支持部１３における共通の窓開口部１３ａのそれぞれを通っている。板状のローラ支持部１３に対して展開ローラ１４、１５を回転可能に支持するため、窓開口部１３ａを通るシャフトピン２４がローラ支持部１３に固定されている。窓開口部１３ａの両側におけるシャフトピン２４の部分は、ローラ支持部１３に固定されている。シャフトピン２４が、ローラ支持部１３に溶接されていてもよい。図８には、ローラ支持部１３の穴を通り、シャフトピン２４のねじ穴に螺着される締結ねじ２５が取り付けの選択肢として示されている。締結ねじ２５は、簡略化のために他の図には示されていない。取り付けは、ボルト締めなどの他の方法で行うこともできる。

展開ローラ１４、１５は、ロールベアリング２６、特にピンベアリングまたはボールベアリングを介してシャフトピン２４に対して回転可能に取り付けられることが好ましい。

それぞれの展開ローラ１４、１５の両側には、シャフトピン２４が貫通している当接タブ２７が設けられている。これにより、窓開口部１３ａの狭小な縁部における展開ローラ１４、１５の摩擦が軽減される。本実施形態では、各ローラペアの展開ローラ１４、１５に共通の当接タブ２７が、各ローラペアの展開ローラ１４、１５の各側部に設けられ、ピンシャフト２４が当接タブ２７を貫通している。各展開ローラ１４、１５に対して、各展開ローラ１４、１５に設けられたシャフトピン２４が貫通する当接タブが、各展開ローラ１４、１５の両側に設けられていてもよい。

第１展開ローラ１４は、ローラ支持部１３に対して回転軸線２８の回りに回転可能に取り付けられ、第２展開ローラ１５はローラ支持部１３に対して回転軸線２９の回りに回転可能に取り付けられている。各ローラペアの第１展開ローラ１４は、対向する第１プレート１１の表面と相互作用または当接し、各ローラペアの第２展開ローラ１５は、対向する第２プレート１２の表面と相互作用または当接し、当該回転軸線２８、２９は、展開方向２２について離間して設けられている。言い換えると、回転軸線２８、２９は、展開方向２２に平行な座標軸線の異なる位置に配置されている。

回転軸線２８、２９の展開方向２２についての間隔ｂを小さくするため、回転軸線２８、２９が運動方向１６について相互に離間して設けられている。言い換えると、回転軸線２８、２９は、運動方向１６に平行な座標軸線の異なる位置に配置されている。

各ローラペアの展開ローラ１４、１５の回転軸線２８、２９の運動方向１６についての間隔ａは、第１展開ローラ１４の半径と第２展開ローラ１５の半径の和の少なくとも８０％であり、好ましくは少なくとも９０％の値である。

各ローラペアを構成する展開ローラ１４、１５の回転軸線２８、２９の運動方向１６についての間隔ａは、第１展開ローラ１４の半径と第２展開ローラ１５の半径の和よりも小さく、当該和の７５％以下であることが好ましい。

本実施形態では、間隔ａは、２つの展開ローラ１４、１５の半径の和（±５％）にほぼ対応していることが特に好ましい。

各ローラペアを構成する展開ローラ１４、１５の回転軸線２８、２９の展開方向２２についての間隔ｂは、第１展開ローラ１４の半径と第２展開ローラ１５の半径の和よりも小さい。間隔ｂは、第１展開ローラ１４の半径と第２展開ローラ１５の半径の和の半分よりも小さいことが好ましい。

一実施形態において、全ての展開ローラ１４、１５の半径が同じであることが好ましい。

異なるローラペアについて第１展開ローラ１４および第２展開ローラ１５の回転軸線２８、２９が、運動方向１６に平行な反対方向に離間して配置されていてもよい。すなわち、真空バルブを閉じる際の閉塞ユニット１０の変位の方向に対して、一のローラペアにおいて第１展開ローラ１４が、第２展開ローラ１５よりも前方にあり、他のローラペアにおいて第２展開ローラ１５が、第１展開ローラ１４よりも前方にある。運動方向１６について同じ位置にある各ローラペアの回転軸線２８、２９は、運動方向１６に平行な同じ方向に相互に離間して設けられている。

展開ローラ１４、１５の回転軸線２８、２９の間の運動方向１６についての間隔は、全てのローラペアにおいて同じであることが好ましい。

各ローラペアの２つの展開ローラ１４、１５の運動方向１６についての間隔に対応して、当該各ローラペアの２つの展開ローラ１４、１５に対応する第１プレート１１および第２プレート１２における窪み部２３も同様に離間して設けられている。２つのプレート１１、１２において各ローラペアに対応する窪み部２３は、好ましくは鏡映的に設けられ、当該窪み部２３が運動方向１６について、各ローラペアの展開ローラ１４、１５の運動方向１６についての間隔ａだけ相互に離間している。

複数またはすべてのローラペアの２つの展開ローラ１４、１５の運動方向１６に垂直な方向および展開方向２２に垂直な方向についての間隔、ひいては窪み部２３の対応する間隔は、原理的に展開ローラ１４、１５の長さの半分より小さくすることができる。

プレート１１、１２に形成された別の窪み部３９は、プレートの曲げ剛性を高めるために設けられている。

閉塞ユニット１０の第１プレート１１および第２プレート１２は、ばねにより相互に対向する表面において展開ローラ１４、１５に押し付けられる。当該ばねは、第１プレート１１に取り付けられた第１ばねアーム３０と、第２プレート１２に取り付けられた第２ばねアーム３１と、を有している。ばねアーム３０、３１は板ばねとして形成され、各プレート１１、１２の中央領域に連結され、かつ、両端部で相互に連結されている。本実施形態では、当該連結はねじ止めにより実現される。例えば、溶接またはリベット締めも可能である。ばねアーム３０、３１の一端部の間には、スライドディスク３２が配置されている。当該スライドディスク３２は、ローラ支持部１３において運動方向１６に平行に延在するガイド面３３と相互作用し、プレート１１、１２とローラ支持部１３との間で運動方向１６に案内される。ばねアーム３０、３１の他端部の間には、スペーサプレート３４、３５が配置されている。スペーサプレート３４に対してガイドローラ３６が回転可能に取り付けられている。ガイドローラ３６は、ローラ支持部１３の凹部３７に配置され、当該凹部３７において運動方向１６に延在する側面と相互作用し、これにより第１プレート１１および第２プレート１２をローラ支持部１３に対して相対的に運動方向１６に平行に動かす。すなわち、当該構成は、第１プレート１１および第２プレート１２をローラ支持部１３に対して相対的に直線的に案内するガイドユニットを構成する。ガイドユニットのさまざまに変形された形態が実施可能であり、例えば、スライドディスク３２に代えて少なくとも１つのローラが設けられ、あるいは、ガイドローラ３６に代えて少なくとも１つのスライド要素が設けられていてもよい。運動方向１６に平行なガイドが一箇所でのみ実現されるように、スライドディスク３２またはガイドローラ３６が省略されてもよい。

ばねアーム３０、３１を有するばねによって、第１プレート１１および第２プレート１２は、本実施形態では相互に引き寄せられ、これによりプレート１１、１２が展開ローラ１４、１５に押し付けられる。これに代えて、各プレート１１、１２とローラ支持部１３との間にばねが設けられ、これにより各プレート１１、１２が対応する展開ローラ１４、１５に押し付けられてもよい。

展開ローラ１４、１５に対してプレート１１、１２を押し付けるためのばねは、例えばコイルばねの形態などの他の形態で構成されていてもよい。この目的のため、複数のばねが設けられていてもよい。

ローラ支持部１３がその開位置にある開状態（図７参照）から、真空バルブを閉じるため、ローラ支持部１３が駆動ユニット９によって運動方向１６に平行に駆動される。その結果、閉塞ユニット１０が全体的に運動方向１６に平行に変位する。ローラ支持部１３がその中間位置に達した際（図６参照）、第１プレート１１および第２プレート１２は、第１バルブ開口部３および第２バルブ開口部４の間にあり、閉塞ユニット１０は、（バルブ開口部３、４の軸線方向について見た場合）、第１バルブ開口部３および第２バルブ開口部４を覆っている。ローラ支持部１３が開位置から中間位置に動かされている間、ローラ支持部１３と第１プレート１１および第２プレート１２との相対的な位置は変化しない。図１０および図１２に示されている閉塞ユニット１０の収縮状態が維持される。

ローラ支持部１３が運動方向１６にさらに変位すると、第１プレート１１および第２プレート１２のバルブハウジング１に対する運動方向１６への変位が制止される。本実施形態では、この目的のため、スペーサプレート３４、３５がバルブハウジング１の当接面の前側に延びている。例えば、第１プレート１１および／または第２プレート１２が、バルブハウジング１の当接面またはそこに取り付けられた部材に直接的に当接することにより、第１プレート１１および第２プレート１２の運動方向１６へのさらなる変位が制止されてもよい。

ローラ支持部１３の運動方向１６への変位により、第１プレート１１および第２プレート１２に対してローラ支持部１３がさらに変位し、ひいては当該ローラ支持部１３に対して回転可能に取り付けられている展開ローラ１４、１５が変位する。展開ローラ１４、１５は窪み部２３の傾斜面２３ａに沿って転動し、プレート１１、１２が相互に広げられ、シート面７、８に向かって動かされる。

ローラ支持部１３がその閉位置に到達すると、第１プレート１１の弾性シール部材３８が第１シート面７に押し付けられ、それによって第１バルブ開口部３が密閉される。第２プレート１２は、第２シート面８に押し付けられる。

真空バルブの閉塞状態における閉塞ユニット１０の展開状態が図１１および図１３に示されている。

真空バルブを開くため、ローラ支持部１３は、その閉位置から運動方向１６に平行な開方向に動かされる。ローラ支持部１３が閉位置から中間位置に動かされる間、展開ローラ１４、１５はばねの付勢力により窪み部２３の最下点に向かって押圧され、これによりローラ支持部１３がプレート１１、１２に対して運動方向１６に動かされ、プレート１１、１２がこれに連動する。ローラ支持部１３の中間位置において、閉塞ユニット１０が収縮状態に再び復帰する。その結果、プレート１１、１２は、ローラ支持部１３が開位置の方向に変位する際に一緒に変位する。本実施形態では窪み部２３において一の傾斜面２３ａの反対側にある各窪み部２３の他の傾斜面２３ｂの急勾配のため、第１プレート１１および第２プレート１２に対してローラ支持部１３はさらに変位することはない。

傾斜面２３ｂの勾配に代えてまたは加えて、ローラ支持部１３と第１プレート１１および／または第２プレート１２との対応する当接部またはそれに接続された部材（特にばねアーム３０、３１）が設けられてもよい。

前記実施形態のさまざまな変形が本発明の範囲から逸脱することなく可能であり、例えば、ローラ支持部１３と第１プレート１１および第２プレート１１２との間のガイドユニットにより、第１プレート１１および第２プレート１２がローラ支持部１３に対して運動方向１６に平行に案内されてもよい。

１‥バルブハウジング、１ａ‥主要部、１ｂ‥蓋部、１ｃ‥補強リブ、２‥内部空間、３‥第１バルブ開口部、４‥第２バルブ開口部、５‥フランジ、６‥フランジ、７‥第１シート面、８‥第２シート面、９‥駆動ユニット、９ａ‥ピストン、９ｂ‥ピストンロッド、１０‥閉塞ユニット、１１‥第１プレート、１２‥第２プレート、１２ａ‥開口部、１３‥ローラ支持部、１３ａ‥窓開口部、１３ｂ‥凸部、１３ｃ‥目部、１４‥第１展開ローラ、１５‥第２展開ローラ、１６‥運動方向、１７‥連結アーム、１８‥揺動レバー、１９‥連結アーム、２０‥ガイドローラ、２１‥ガイドローラ、２２‥展開方向、２３‥窪み部、２３ａ‥傾斜面、２３ｂ‥傾斜面、２４‥シャフトピン、２５‥締結ねじ、２６‥ローラベアリング、２７‥当接タブ、２８‥回転軸線、２９‥回転軸線、３０‥第１ばねアーム、３１‥第２ばねアーム、３２‥スライドディスク、３３‥ガイド面、３４‥スペーサプレート、３５‥スペーサプレート、３６‥ガイドローラ、３７‥凹部、３８‥シール部材、３９‥窪み部、４０‥壁部、４１‥壁部、４２‥壁部、４３‥壁部、４４‥シール部材。

Claims (10)

1. 内部空間（２）、第１シート面（７）により囲まれた第１バルブ開口部（３）および第２シート面（８）により囲まれた第２バルブ開口部（４）を有するバルブハウジング（１）と、
   前記バルブハウジング（１）の前記内部空間（２）に配置された閉塞ユニット（１０）と、を備えている真空バルブであって、
   前記閉塞ユニット（１０）が、第１プレート（１１）と、第２プレート（１２）と、前記第１プレート（１１）と前記第２プレート（１２）との間に配置されているローラ支持部（１３）と、前記ローラ支持部（１３）に対してそれぞれの回転軸線（２８）（２９）のまわりに回動可能に設けられた第１展開ローラ（１４）および第２展開ローラ（１５）により構成されている複数のローラペアと、前記第１プレート（１１）および前記第２プレート（１２）のそれぞれに当接している前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）のそれぞれに対して前記第１プレート（１１）および前記第２プレート（１２）のそれぞれを付勢する少なくとも１つのばね（３０）（３１）と、を備え、
   前記真空バルブが開いており、前記第１バルブ開口部（３）および前記第２バルブ開口部（４）が開放されている開位置から、前記第１プレート（１１）および前記第２プレート（１２）のそれぞれが前記第１バルブ開口部（３）および前記第２バルブ開口部（４）の間にある一方で前記第１シート面（７）および前記第２シート面（８）のそれぞれから離間している中間位置を経て、前記真空バルブが閉じられている閉位置まで前記ローラ支持部（１３）が運動方向（１６）に対して平行に変位可能であり、前記ローラ支持部（１３）が開位置から中間位置に動かされた場合、前記第１プレート（１１）および前記第２プレート（１２）が前記ローラ支持部（１３）に連動し、前記ローラ支持部（１３）が中間位置から閉位置に動かされた場合、前記第１プレート（１１）および前記第２プレート（１２）の前記運動方向（１６）への変位が制止され、
   前記ローラ支持部（１３）の開位置および中間位置において、前記複数のローラペアのそれぞれのうち前記第１展開ローラ（１４）が、前記第１プレート（１１）の表面においてそれぞれの窪み部（２３）の領域に当接し、前記複数のローラペアのそれぞれのうち前記第２展開ローラ（１５）が、前記第２プレート（１２）の表面においてそれぞれの窪み部（２３）の領域に当接し、前記ローラ支持部（１３）が中間位置から開位置に動かされる際、前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）が前記窪み部（２３）の傾斜面（２３ａ）に沿って動かされ、前記第１プレート（１１）および前記第２プレート（１２）が展開方向（２２）に平行に相互に展開され、
   前記複数のローラペアのそれぞれを構成する前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）のそれぞれの前記回転軸線（２８）（２９）が、前記運動方向（１６）について相対的にずらして配置され、前記展開方向（２２）について前記第１展開ローラ（１４）の半径および前記第２展開ローラ（１５）の半径の和よりも小さい間隔（ｂ）を有することを特徴とする真空バルブ。
2. 請求項１記載の真空バルブにおいて、
   前記第１展開ローラ（１４）の半径は、前記複数のローラペアのそれぞれを構成する前記第２展開ローラ（１５）の半径に等しいことを特徴とする真空バルブ。
3. 請求項１または２記載の真空バルブにおいて、
   前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）がロールベアリングによってそれぞれの回転軸線（２８）の回りに回動可能に設けられていることを特徴とする真空バルブ。
4. 請求項１〜３のうちいずれか１項に記載の真空バルブにおいて、
   前記ローラ支持部（１３）が板状に形成されていることを特徴とする真空バルブ。
5. 請求項４記載の真空バルブにおいて、
   前記複数のローラペアのそれぞれを構成する前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）が、前記ローラ支持部（１３）におけるそれぞれの共通の窓開口部（１３ａ）に配置されていることを特徴とする真空バルブ。
6. 請求項５記載の真空バルブにおいて、
   前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）のそれぞれの前記回転軸線（２８）（２９）が、前記窓開口部（１３ａ）に架け渡され、前記ローラ支持部（１３）に固定して設けられたシャフトピン（２４）により構成されていることを特徴とする真空バルブ。
7. 請求項６記載の真空バルブにおいて、
   前記シャフトピン（２４）が、前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）のそれぞれが配置された当接タブ（２７）の両側を貫通することを特徴とする真空バルブ。
8. 請求項７記載の真空バルブにおいて、
   前記複数のローラペアのそれぞれを構成する前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）について、前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）のそれぞれの両側に、前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）の両方の前記シャフトピン（２４）が貫通している共通の前記当接タブ（２７）が設けられていることを特徴とする真空バルブ。
9. 請求項１〜８のうちいずれか１項に記載の真空バルブにおいて、
   前記ローラ支持部（１３）に対して、前記第１プレート（１１）および前記第２プレート（１２）を前記運動方向（１６）に変位可能にガイドするためのガイドユニットが設けられていることを特徴とする真空バルブ。
10. 請求項１〜９のうちいずれか１項に記載の真空バルブにおいて、
    前記複数のローラペアのそれぞれを構成する前記第１展開ローラ（１４）および前記第２展開ローラ（１５）の前記回転軸線（２８）（２９）が、前記展開方向（２２）について前記第１展開ローラ（１４）の半径および前記第２展開ローラ（１５）の半径の和の半分よりも小さい間隔（ｂ）を有していることを特徴とする真空バルブ。

Images