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JP6773437B2 - 応力センサ - Google Patents

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Description

本発明は、応力センサに関する。
従来、ダイヤフラムを用いて圧力又は応力等を検出するセンサが知られている。例えば、特許文献1には、ダイヤフラムに加えられる圧力を、ダイヤフラムの撓みに基づいて検出する圧力センサが開示されている。
特開2015−143713号公報
しかしながら、ダイヤフラムを用いた応力センサにおいて、応力の検出能力が必ずしも高くない場合がある。
かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、検出能力を向上できる応力センサを提供することにある。
本発明の一実施形態に係る応力センサは、
ダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムの面上に配置される中間層と、
前記中間層上に配置される感応膜と、
前記ダイヤフラムにおいて前記中間層の外縁と接触する領域に位置する検出部と、を備える。
本発明の一実施形態に係る応力センサによれば、検出能力を向上できる。
本発明の一実施形態に係る応力センサの概略構成を示す上面図である。 図1に示す応力センサのL−L線に沿った断面図である。 本実施形態におけるダイヤフラムの接触領域の一例を示す図である。 ガス分子が感応膜に吸着された際の図2に示す範囲Aの拡大図である。 本実施形態に係る応力センサの製造に用いるSOI基板の概略構造を示す断面図である。 本実施形態に係る応力センサの製造工程を説明するための断面図である。 本実施形態に係る応力センサの製造工程を説明するための断面図である。 本実施形態に係る応力センサの製造工程を説明するための断面図である。 本実施形態に係る応力センサの製造工程を説明するための断面図である。 本実施形態に係る応力センサの製造工程を説明するための断面図である。 本実施形態に係る応力センサの製造工程を説明するための断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明に係る実施形態では、ダイヤフラムの面上に配置された膜(感応膜)への物質の吸着によって、ダイヤフラムが変形し、ダイヤフラムに応力が生じるものとして説明する。また、以下の説明で用いられる図は模式的なものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る応力センサ1の概略構成を示す上面図であり、図2は、図1に示す応力センサ1のL−L線に沿った断面図である。なお、本明細書では、z軸正方向が上側、z軸負方向が下側であるとして、以下説明する。
応力センサ1は、ダイヤフラム10と、感応膜20と、中間層30と、4個のピエゾ抵抗素子(検出部)40,41,42,43とを備える。ダイヤフラム10の上面に、中間層30が配置され、中間層30の上面に感応膜20が配置される。応力センサ1は、感応膜20が流体中の特定の物質を吸着することにより、流体中の物質を検出する。応力センサ1には、例えば上面側から気体が吹きかけられる。応力センサ1は、吹きかけられた気体中に、検出対象となる所定のガス分子が含まれるか否かを検出できる。応力センサ1は、例えばSOI(Silicon on Insulator)基板を用いて製造される。応力センサ1の製造方法の一例については後述する。
ダイヤフラム10は、変形可能な部材である。ダイヤフラム10は、例えば、薄い基板である。ダイヤフラム10は、例えば、n型第2基板とすることができる。ダイヤフラム10は、図1に示すように、上面側から見て矩形状としてもよい。ダイヤフラム10は、その周囲において、ダイヤフラム10よりも厚い基板と一体として構成されている。ダイヤフラム10は、上面に配置された感応膜20が変形すると、中間層30を介して、感応膜20の変形の度合いに応じて変形する。
感応膜20は、本実施形態では上面視において円形状である。感応膜20は、検出対象となる物質がその表面に吸着されると、その物質との物理的な接触又はその物質との化学反応等によって、伸縮等して変形する。感応膜20には、検出対象となる物質に応じた材料が用いられる。感応膜20の材料は、例えば、ポリスチレン、クロロプレンゴム、ポリメチルメタクリレート、酢酸ビニル、クロロエチレン、エポキシ樹脂、ニトロセルロース、メタクリレート樹脂またはポリビニルピロリドン等が挙げられる。
中間層30は、ダイヤフラム10と感応膜20との間に配置される薄膜層である。中間層30は、本実施形態では上面視において円形状である。応力センサ1が中間層30を有することにより、検出対象となる物質が感応膜20に吸着された際に、ダイヤフラム10において中間層30の外縁31と接触する領域(以下「接触領域」ともいう)に生じる応力が、中間層30を有さない場合と比較して大きくなる。この原理の詳細については、後述する。中間層30の材料は、例えば、金、アルミニウム、銀、スズ、マグネシウムまたはこれらの合金などの金属材料、ソーダガラス等のガラス材料、あるいはフッ化リチウム等のアルカリハライド等である。
接触領域は、ダイヤフラム10において中間層30の外縁31と接触する領域の近辺を含む。ダイヤフラム10において中間層30の外縁31と接触する領域の近辺は、上面視において外縁31から所定の距離内の範囲を含む。従って、接触領域は、本実施形態では、例えば図3において領域Dとして示すように、円環形状の領域である。接触領域Dでは、検出対象となる物質が感応膜20に吸着された際に、中間層30の存在に起因したダイヤフラム10の変形に伴い、他の領域と比較して応力が大きく変化する。
なお、中間層30は、ダイヤフラム10と同程度またはダイヤフラム10よりも小さい。中間層30の直径は、例えば、100μm以上1000μm以下に設定されていばよい。また、接触領域とは、例えば、中間層30の外縁31から±20μm以下の範囲であればよい。
中間層30は、ダイヤフラム10のヤング率と、感応膜20のヤング率との中間のヤング率の材料により形成される。本実施形態において、ダイヤフラム10のヤング率は、感応膜20のヤング率よりも高いため、中間層30のヤング率は、ダイヤフラム10のヤング率よりも低く、感応膜20のヤング率よりも高い材料により形成される。
なお、ダイヤフラム10のヤング率は、例えば、100GPa以上120GPa以下であればよい。また、感応膜20のヤング率は、例えば、0.1GPa以上10GPa以下であればよい。また、中間層30のヤング率は、例えば、5GPa以上100GPa以下であればよい。
中間層30は、円形状であってもよい。そして、中間層30の直径は、感応膜20の直径以上であってもよい。その結果、検出対象となる物質が感応膜20に吸着された際にダイヤフラム10の接触領域Dに生じる応力がさらに大きくなる。
また、中間層30の厚さは、感応膜20の厚さよりも小さく(薄く)てもよい。中間層30の厚さが小さいほど、製造時の加工がしやすいため、外縁31の形状を所望の形状に加工しやすくなる。なお、感応膜20の厚さは、例えば、1μm以上20μm以下であればよい。また、中間層30の厚さは、例えば、0.1μm以上2μm以下であればよい。
ピエゾ抵抗素子40〜43は、自身が受ける応力によって抵抗値が変化する。ピエゾ抵抗素子40〜43は、例えばp型Siである。ピエゾ抵抗素子40〜43は、ダイヤフラム10がn型Siである場合には、ボロン(B)を拡散させて形成したものであってもよい。ピエゾ抵抗素子40〜43は、ダイヤフラム10上に配置される。本明細書において、ダイヤフラム10上に配置されるとは、平板状のダイヤフラム10の上面に配置された状態と、図2に示すようにダイヤフラム10の上面側においてダイヤフラム10に埋め込まれた状態とを含む。ピエゾ抵抗素子40〜43は、ダイヤフラム10上の接触領域Dに位置する。本実施形態では、図1に示すように、4個のピエゾ抵抗素子40〜43は、上面視において中間層30の外縁31に沿って等間隔に配置されている。
また、ピエゾ抵抗素子40〜43は、ホイートストンブリッジ回路を構成する。応力センサ1は、ピエゾ抵抗素子40〜43で構成されたホイートストンブリッジ回路から、ピエゾ抵抗素子40〜43の抵抗値の変化を電気信号として検出することで、検出対象となる物質の感応膜20への吸着を検出できる。なお、ホイートストンブリッジ回路は、必ずしも4個のピエゾ抵抗素子40〜43の全てを用いて構成する必要はなく、ピエゾ抵抗素子40〜43の何れか1個、2個又は3個を用いて構成してもよい。また、ピエゾ抵抗素子40〜43の何れか1個、2個又は3個を用いてホイートストンブリッジ回路を構成する際には、応力センサ1は、ホイートストンブリッジ回路に用いられる個数のピエゾ抵抗素子を、ダイヤフラム10上に備えるようにしてもよい。
ピエゾ抵抗素子40〜43は、接触領域Dに位置している。また、ピエゾ抵抗素子40〜43は、中間層30の外側に位置する部分が、中間層30の内側に位置する部分よりも大きくてもよい。その結果、応力センサ1の検出精度を向上させることができる。また、ピエゾ抵抗素子40〜43は、例えば、帯状である。ピエゾ抵抗素子40〜43は、図1及び図2では、ダイヤフラム10の上面側に位置しているが、ダイヤフラム10の内部又は下面側に位置していてもよい。
また、本実施形態では、応力センサ1は4個のピエゾ抵抗素子40〜43を備えるが、応力センサ1が備えるピエゾ抵抗素子の個数は4個に限られない。応力センサ1は、検出対象となる物質を検出可能な任意の個数のピエゾ抵抗素子を備えていればよい。
また、ダイヤフラム10に生じる応力を検出する検出部として、ピエゾ抵抗素子の代わりに、他の圧電素子が用いられてもよい。
次に、ダイヤフラム10に生じる応力について、図4を参照して説明する。図4は、ガス分子2が感応膜20に吸着された際の図2に示す範囲Aの拡大図である。なお、ガス分子2は、応力センサ1を用いて検出する対象のガス分子を模式的に示すものである。
図4に示すように、ガス分子2が感応膜20に吸着されると、感応膜20が変形する。感応膜20の変形に伴い、中間層30が変形し、さらにダイヤフラム10において中間層30が配置された領域も変形する。ダイヤフラム10の変形により、接触領域Dに応力が生じる。
具体的には、ダイヤフラム10において中間層30が配置された領域Cは、円形の感応膜20の中心部が上側に盛り上がった凸形状に変形する。このとき、本実施形態におけるダイヤフラム10の接触領域Dには、中間層30を介して変形による応力が生じる。中間層30のヤング率は、感応膜20のヤング率よりも高いため、ダイヤフラム10に中間層30が配置されずに直接感応膜20が配置された場合と比較して、ダイヤフラム10の接触領域Dに生じる応力が高まる。すなわち、ダイヤフラム10に直接感応膜20が配置された場合には、感応膜20はヤング率が中間層30よりも低いため、ダイヤフラム10は、より緩やかな曲面を形成して変形する。これに対し、本実施形態のダイヤフラム10の接触領域Dには、感応膜20よりもヤング率が高い中間層30を介して変形させる力がかかるため、接触領域Dにおける変形が、より大きくなる。そのため、本実施形態のダイヤフラム10は、接触領域Dに生じる応力が高くなる。
以上のように、本実施形態に係る応力センサ1では、ダイヤフラム10に中間層30が配置されない場合と比較して、接触領域Dに生じる応力が高くなる。そのため、接触領域Dに位置するピエゾ抵抗素子40〜43の抵抗値の変化もより大きくなる。これにより、応力センサ1では、検出対象となる物質が感応膜20に吸着された際に、ダイヤフラム10に生じる応力の検出能力を向上させることができる。そのため、応力センサ1では、検出対象となる物質の検出能力を向上させることができる。従って、応力センサ1によれば、検出能力を向上できる。
(本実施形態に係る応力センサの製造工程)
次に、本実施形態に係る応力センサの製造工程の一例について、図5〜図11を参照して説明する。なお、図5〜図11に示す各構成要素において、同一の構成要素には同一符号を付す。
(1)SOI基板の準備
まず、応力センサの製造に用いるSOI基板を準備する。図5に、本実施形態に係る応力センサの製造に用いるSOI基板の概略構造を示す。図5に示すように、SOI基板100は、第1基板110と、SiO層111と、第2基板112とを備える。第1基板110および第2基板112は、Si基板である。第1基板110は、ダイヤフラムとして機能させるものであり、第2基板112よりも薄い。SOI基板100では、第2基板112上にSiO層111が配置され、SiO層111上に第1基板110が配置されている。SOI基板100は、例えばいわゆる貼り合わせ法によって製造される。なお、以下では、第1基板110はn型であるとする。
(2)拡散配線(高ドープ層)の形成
次に、図5に示すSOI基板100に、拡散配線を形成する。図6に示すように、第1基板110上にマスクパターン200を形成した後、イオン注入法によってマスクパターン200の開口部に高濃度のボロン(B)を注入し、拡散配線41a,41b,43a,43bを形成する。
(3)ピエゾ抵抗素子(低ドープ層)の形成
図6に示すマスクパターン200を除去した後、ピエゾ抵抗素子40〜43を形成する。図7に示すように、第1基板110上にマスクパターン201を形成した後、イオン注入法によってマスクパターン201の開口部に低濃度のボロン(B)を注入し、ピエゾ抵抗素子40〜43を形成する。
(4)金属配線の形成
図7に示すマスクパターン201を除去し、所定のパターンの絶縁層310a,310bを積層した後、アルミニウム等の金属配線を形成する。図8(a)に示すように、第1基板110上の全面にスパッタによって金属(例えばアルミニウム)を堆積させ、金属層300(例えばアルミニウム層)を形成する。次に、図8(b)に示すように、金属層300上にマスクパターン202を形成する。その後、図8(c)に示すように、マスクパターン202により保護されていない金属層300をエッチングすることにより、金属配線300a,300bを形成する。金属配線300a等及び拡散配線41a等による接続によって、ピエゾ抵抗素子40〜43は、ホイートストンブリッジ回路を構成する。
(5)中間層の形成
図8(c)に示すマスクパターン202を除去した後、中間層を形成する。中間層30は、図9に示すように、第1基板110上に所定の材料を塗布することにより、形成される。このとき、フォトリソグラフィにより、中間層30を所望の形状に成形してもよい。
(6)ダイヤフラムの形成
SOI基板100の上下を反転させた後、ダイヤフラムを形成する。図10(a)に示すように、第2基板112上にマスクパターン204を形成した後、マスクパターン204により保護されていない第2基板112を、ドライエッチングして凹部400を形成する。このとき、SiO層111がストップ層の役割を果たすように、予めドライエッチングの条件を設定する。その後、ドライエッチングの条件を変更し、図10(b)に示すように、SiO層111を除去してダイヤフラムを形成する。
(7)感応膜の形成
図10に示すマスクパターン204を除去し、さらにSOI基板100の上下を反転させた後、感応膜20を形成する。図11に示すように、感応膜材料を中間層30上に塗布した後、乾燥させて感応膜20を形成する。
なお、ここでは第1基板110がn型であるとして説明したが、例えば第1基板110がp型である場合には、上記(2)拡散配線(高ドープ層)の形成及び(3)ピエゾ抵抗素子(低ドープ層)の形成において、ボロン(B)に替えてリン(P)を注入する。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
1 応力センサ
2 ガス分子
10 ダイヤフラム
20 感応膜
30 中間層
31 外縁
40,41,42,43 ピエゾ抵抗素子(検出部)
41a,41b,43a,43b 拡散配線
100 SOI基板
110 第1基板
111 SiO
112 第2基板
200,201,202,204 マスクパターン
300 金属層
300a,300b 金属配線
310a,310b 絶縁層
400 凹部

Claims (4)

  1. ダイヤフラムと、
    前記ダイヤフラムの面上に配置される中間層と、
    前記中間層上に配置される感応膜と、
    前記ダイヤフラムにおいて前記中間層の外縁と接触する領域に位置する検出部と、を備え
    前記中間層のヤング率は、前記ダイヤフラムのヤング率よりも小さく、
    前記感応膜のヤング率は、前記中間層のヤング率よりも小さい、
    応力センサ。
  2. 前記中間層の厚さは、前記感応膜の厚さよりも小さい、請求項に記載の応力センサ。
  3. 前記検出部はピエゾ抵抗素子を含んで構成される、請求項1又は2に記載の応力センサ。
  4. 前記検出部は、前記外縁の外側に位置する部分が前記外縁の内側に位置する部分よりも大きい、請求項に記載の応力センサ。
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