JP6621696B2 - 工作機械及びその制御装置 - Google Patents
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Description
また、旋削加工された加工面に対して、異なる位相を有する旋削加工を行い、前記加工面に対して追加して加工を行う追加加工手段を備えている工作機械が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
工作機械100は、回転手段としての主軸110と、刃物台としての切削工具台130Aとを備えている。
主軸110の先端には、ワーク保持手段としてのチャック120が設けられている。
チャック120を介して主軸110にワークWが保持される。
主軸110は、主軸モータの動力によって回転駆動されるように主軸台110Aに支持されている。
主軸110は、主軸台110Aを介してZ軸方向送り機構160によって、Z軸方向に移動する。
Z軸方向送り機構160は、主軸110をZ軸方向に移動させる主軸移動機構を構成している。
Z軸方向ガイドレール162に、Z軸方向ガイド164を介してZ軸方向送りテーブル163がスライド自在に支持されている。
Z軸方向送りテーブル163側にリニアサーボモータ165の可動子165aが設けられ、ベース161側にリニアサーボモータ165の固定子165bが設けられている。
Z軸方向送りテーブル163の移動によって主軸台110AがZ軸方向に移動し、主軸110のZ軸方向への移動が行われる。
切削工具台130Aは、工作機械100のベッド側に、X軸方向送り機構150及び図示しないY軸方向送り機構によって、Z軸方向に直交するX軸方向と、Z軸方向及びX軸方向に直交するY軸方向とに移動自在に設けられている。
X軸方向送り機構150とY軸方向送り機構とによって、切削工具台130Aを主軸110に対してX軸方向及びY軸方向に移動させる刃物台移動機構が構成されている。
X軸方向ガイドレール152に、X軸方向ガイド154を介してX軸方向送りテーブル153がスライド自在に支持されている。
リニアサーボモータ155の駆動によってX軸方向送りテーブル153が、X軸方向に移動駆動される。
なお、Y軸方向送り機構は、X軸方向送り機構150をY軸方向に配置したものであり、X軸方向送り機構150と同様の構造であるため、構造についての詳細な説明は割愛する。
切削工具台130Aは、X軸方向送りテーブル153の移動駆動によってX軸方向に移動し、Y軸方向送り機構が、Y軸方向に対して、X軸方向送り機構150と同様の動作をすることによって、Y軸方向に移動する。
この場合、送り手段が、切削工具台130AをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させる刃物台移動機構から構成され、固定的に位置決めされて回転駆動される主軸110に対して、切削工具台130Aを移動させることによって、切削工具130をワークWに対して加工送り動作させることができる。
この場合、送り手段が、主軸台110AをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させる主軸台移動機構から構成され、固定的に位置決めされる切削工具台130Aに対して、主軸台110Aを移動させることによって、切削工具130をワークWに対して加工送り動作させることができる。
また、本実施例では、切削工具130に対してワークWを回転させる構成としたが、ワークWに対して切削工具130を回転させる構成としてもよい。
制御部181は、各送り機構を振動手段として、各々対応する移動方向に沿って往復振動させながら、主軸台110A又は切削工具台130Aを各々の方向に移動させるように制御している。
図4では、ワーク外周面の状態を分かり易く説明するため、グラフの縦軸を加工送り方向におけるワークWに対する切削工具130の位置、グラフの横軸をワークWの1回転、すなわち、主軸位相0°から360°とし、ワーク外周面を周方向に沿って展開したワーク外周面の切削工具130による振動切削加工の切削軌跡を示している。
なお、正弦曲線状の波形の谷を通過する仮想線(1点鎖線)において、主軸位相0°から360°まで変化したときの切削工具130の位置の変化量が、送り量を示す。
図4に示されるように、ワークWの1回転当たりの主軸台110A(主軸110)又は切削工具台130Aの振動数Nが、3.5回(振動数N=3.5)を例に説明する。
振動切削加工時にワークWから生じる切削屑は、空振り動作によって順次分断される。
工作機械100は、切削工具130の切削送り方向に沿った往復振動によって切削屑を分断しながら、ワークWの振動切削加工を円滑に行うことができる。
言い換えると、ワーク外周面のn+1回転目(nは1以上の整数)における復動時の切削工具130の切削軌跡が、ワーク外周面のn回転目における切削工具130の切削軌跡まで到達すればよい。
図4に示されるように、n+1回転目とn回転目のワークWにおける切削工具130により切削される形状の位相が一致(同位相)とならなければよく、必ずしも180°反転させる必要はない。
ワークWの1回転で1回より少ない振動(0<振動数N<1.0)を行うように設定することもできる。
この場合、1振動に対して1回転以上主軸110が回転する。
主軸台110A(主軸110)又は切削工具台130A(切削工具130)の往復振動は、指令時間単位に基づく所定の周波数で動作が可能となる。
例えば、制御部181によって1秒間に250回の指令を送ることが可能な工作機械100の場合、制御部181による動作指令は、1÷250=4(ms)周期(指令時間単位毎)で行われる。
図5は、図4と同様に、ワーク外周面を周方向に沿って展開した切削工具130による振動切削加工の切削軌跡を示し、各々の線が主軸110の各回転に伴う切削軌跡を表している。
切削軌跡の間には、刃先の形状に起因して凸状に切削残り(凸部)が発生する。
同一の主軸位相の位置に生成される各交差点CRの間の概ね中間位置(中間領域)に、切削残りの頂部Wtが形成される。
これにより、追加加工時の切削工具130が、各交差点CRの間の中間領域に生じたワーク表面の切削残りの頂部Wtを切削除去し、振動切削加工後のワークWの加工面に生じる凹凸状の表面に起因する表面粗さやワークWの真円度を向上させることができる。また追加加工の送り速度が振動切削加工の加工条件によっては速くなるため、ワークWの表面粗さや真円度の向上の効率化をはかることが可能となる。
これにより、振動切削加工後の追加加工時にワークWの表面粗さを抑えることができるとともにワークWの真円度を向上させることができる。
そのため、追加加工時の切削屑を分断するために、追加加工の往復振動の際に往動時の切削軌跡と復動時の切削軌跡とを重複させる必要が無い。
110 ・・・ 主軸(回転手段)
110A・・・ 主軸台
120 ・・・ チャック(ワーク保持手段)
130 ・・・ 切削工具
130A・・・ 切削工具台(刃物台)
131 ・・・ 刃先
150 ・・・ X軸方向送り機構(刃物台移動機構、送り手段、振動手段)
151 ・・・ ベース
152 ・・・ X軸方向ガイドレール
153 ・・・ X軸方向送りテーブル
154 ・・・ X軸方向ガイド
155 ・・・ リニアサーボモータ
155a・・・ 可動子
155b・・・ 固定子
160 ・・・ Z軸方向送り機構(主軸移動機構、送り手段、振動手段)
161 ・・・ ベース
162 ・・・ Z軸方向ガイドレール
163 ・・・ Z軸方向送りテーブル
164 ・・・ Z軸方向ガイド
165 ・・・ リニアサーボモータ
165a・・・ 可動子
165b・・・ 固定子
180 ・・・ 制御装置
181 ・・・ 制御部(切削制御手段)
W ・・・ ワーク
Wt・・・ (ワーク表面の起伏中央にある)頂部
CR・・・ 切削軌跡の交差点
Claims (5)
- ワークを切削加工する切削工具と、
該切削工具とワークとを相対的に回転させる回転手段と、
前記切削工具とワークとを所定の加工送り方向に送り動作させる送り手段と、
前記切削工具とワークとを加工送り方向に沿って相対的に往復振動させる振動手段とを設け、
前記切削工具とワークとを前記回転手段の回転に対して所定の位相を有する往復振動を伴って前記加工送り方向に送り動作させて、前記ワークの振動切削加工を行うように前記送り手段と前記振動手段とを連係させ、
前記振動切削加工の位相とは異なる位相を有し、前記振動切削加工に際して切削軌跡の相互間に生じるワーク表面の凸部を前記切削工具が選択的に通過する往復振動を伴って前記加工送り方向に前記切削工具とワークとを送り動作させるように前記送り手段と前記振動手段とを連係させて、前記ワークの振動切削加工部分に対して追加して加工を行う追加加工手段を備えていることを特徴とする工作機械。 - 前記振動切削加工が、前記往復振動の往動時における切削軌跡と復動時における切削軌跡とが交差する位相および振幅を備えたことを特徴とする請求項1記載の工作機械。
- 前記追加加工手段の実行による加工の切削軌跡が、前記振動切削加工によって相互に隣接して形成される前記往復振動の往動時及び復動時の切削軌跡の交差点の間を通過していることを特徴とする請求項2に記載の工作機械。
- 前記追加加工手段の実行による加工の切削軌跡が、前記振動切削加工の切削軌跡と交差することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の工作機械。
- ワークを切削加工する切削工具と、
該切削工具とワークとを相対的に回転させる回転手段と、
前記切削工具とワークとを所定の加工送り方向に送り動作させる送り手段と、
前記切削工具とワークとを加工送り方向に沿って相対的に往復振動させる振動手段とを設けている工作機械の制御装置であって、
前記切削工具とワークとを前記回転手段の回転に対して所定の位相を有する往復振動を伴って前記加工送り方向に送り動作させて、前記ワークの振動切削加工を行うように前記送り手段と前記振動手段とを連係させ、
前記振動切削加工の位相とは異なる位相を有し、前記振動切削加工に際して切削軌跡の相互間に生じるワーク表面の凸部を前記切削工具が選択的に通過する往復振動を伴って前記加工送り方向に前記切削工具とワークとを送り動作させるように前記送り手段と前記振動手段とを連係させて、前記ワークの振動切削加工部分に対して追加して加工を行う追加加工手段を備えていることを特徴とする工作機械の制御装置。
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