JP6517061B2 - 工作機械及びこの工作機械の制御装置 - Google Patents
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Description
この工作機械の制御装置は、前記回転手段と、前記送り手段と、前記振動手段とを駆動制御し、前記ワークと前記切削工具との相対回転と、前記ワークに対する前記切削工具の前記加工送り方向への前記往復振動を伴う送り動作とによって前記工作機械に、前記ワークの加工を実行させる。
そのためn回転目の往動時とn+1回転目の復動時で形成される切削加工部分の幅が変わり、ワークから生じる切屑が一定幅で分断されず、切削加工後のワークの外観不良が発生するという問題があった。
さらに、必ず前回転目(n回転目)の切削加工部分と次回転目(n+1回転目)の切削加工部分とが重なるため、未加工部分の発生を回避するとともに、切削部分の幅を均一化することができる。
さらに、往復振動の振幅を変更しても、切削部分の幅の均一性が保持されるため、ワーク加工面の切削部分の幅が不均一であることによって生じる外観不良を低減することができる。
請求項3に係る発明が奏する効果と同様の効果を得ることができる。
工作機械100は、回転手段としての主軸110と、刃物台としての切削工具台130Aとを備えている。
主軸110の先端にはワーク保持手段としてのチャック120が設けられている。
チャック120を介して主軸110にワークWが保持される。
主軸110は、図示しない主軸モータの動力によって回転駆動されるように主軸台110Aに支持されている。
主軸110は、主軸台110Aを介してZ軸方向送り機構160によって、前記Z軸方向に移動する。
Z軸方向送り機構160は、主軸110をZ軸方向に移動させる主軸移動機構を構成している。
Z軸方向ガイドレール162に、Z軸方向ガイド164を介してZ軸方向送りテーブル163がスライド自在に支持されている。
Z軸方向送りテーブル163側にリニアサーボモータ165の可動子165aが設けられ、ベース161側にリニアサーボモータ165の固定子165bが設けられている。
Z軸方向送りテーブル163の移動によって主軸台110AがZ軸方向に移動し、主軸110のZ軸方向への移動が行われる。
切削工具台130Aは、工作機械100のベッド側に、X軸方向送り機構150及び図示しないY軸方向送り機構によって、前記Z軸方向に直交するX軸方向と、前記Z軸方向及びX軸方向に直交するY軸方向とに移動自在に設けられている。
X軸方向送り機構150とY軸方向送り機構とによって、切削工具台130Aを主軸110に対して前記X軸方向及びY軸方向に移動させる刃物台移動機構が構成されている。
X軸方向ガイドレール152に、X軸方向ガイド154を介してX軸方向送りテーブル153がスライド自在に支持されている。
リニアサーボモータ155の駆動によってX軸方向送りテーブル153が、X軸方向に移動駆動される。
なお、Y軸方向送り機構は、X軸方向送り機構150をY軸方向に配置したものであり、X軸方向送り機構150と同様の構造であるため、構造についての詳細な説明は割愛する。
切削工具台130Aは、X軸方向送りテーブル153の移動駆動によってX軸方向に移動し、Y軸方向送り機構が、Y軸方向に対して、X軸方向送り機構150と同様の動作をすることによって、Y軸方向に移動する。
この場合、前記送り手段が、切削工具台130AをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させる刃物台移動機構から構成され、固定的に位置決めされて回転駆動される主軸110に対して、切削工具台130Aを移動させることによって、切削工具130をワークWに対して加工送り動作させることができる。
この場合、前記送り手段が、主軸台110AをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させる主軸台移動機構から構成され、固定的に位置決めされる切削工具台130Aに対して、主軸台110Aを移動させることによって、切削工具130をワークWに対して加工送り動作させることができる。
また、本実施例では、切削工具130に対してワークWを回転させる構成としたが、ワークWに対して切削工具130を回転させる構成としてもよい。
制御部C1は、各送り機構を振動手段として、各々対応する移動方向に沿って往復振動させながら、主軸台110A又は切削工具台130Aを各々の方向に移動させるように制御する振動制御手段を備えている。
工作機械100は、Z軸方向送り機構160、X軸方向送り機構150、Y軸方向送り機構により、切削工具130が加工送り方向に沿った往復振動しながら、主軸1回転分、すなわち、主軸位相0°から360°まで変化したときの前記進行量の合計を送り量として、加工送り方向に送られることによって、ワークWの加工を行う。
図3に示されるように、ワークWの1回転当たりの主軸台110A(主軸110)又は切削工具台130Aの振動数Nが、3.0回(振動数N=3.0)を例に、Z軸方向を加工送り方向として説明する。
なお切削工具130の先端軌跡の下端を通過する仮想線(1点鎖線)において、主軸位相0°から360°まで変化したときの位置の変化量(傾き)が、前記送り量を示す。
すなわち、切削工具130の振動一往復の往動時の移動経路P1と復動時の移動経路P2との間に、切削工具130の往動状態と復動状態とを反転させるループ状の反転経路P3を設け、両移動経路P1、P2が反転経路P3を介して互いに位置P4で交差するように、制御部C1が、切削工具130を振動させる。
なお、加工送り方向の復動から往動に切り替わる際には、主軸110の回転によるワーク外周の周速度より一瞬速くなるように制御される。
すなわち、n回転目(nは1以上の整数)の切削工具130の先端軌跡の位相と、n+1回転目(nは1以上の整数)の切削工具130の先端軌跡との位相をずらさなくても空振り動作が生じるため、切屑が分断される。
さらに、本実施例では、制御部C1が、切削工具130の加工送り方向に沿った前回の反転経路P3と次回の反転経路P3とを重ねるように振動制御している。
これにより、未加工部分の発生が回避されるとともに、切削部分の幅を均一化することができる。
これにより、点線で囲んだ箇所(網掛け箇所)で示す1回の切削部分(1振動で切削される部分)の送り方向の幅が均一になるため、ワーク加工面上に僅かに見える筋状の模様である外観不良を低減することができる。
さらに、本実施例では、制御部C1が、切削工具130の加工送り方向に沿った反転経路P3を主軸110の回転位相に同期した所定の位置に設けるように振動制御している。
これにより、切削部分の幅がさらに均一になる。
振幅設定手段は、主軸110のn回転目のときの切削工具130の先端軌跡と主軸110のn+1回転目の切削工具130の先端軌跡とが交差する、すなわち、n回転目の反転経路P3とn+1回転目の反転経路P3とが重なるように、振動制御手段と連係している。
これにより、必ずn回転目の切削加工部分とn+1回転目の切削加工部分とが重なる。
さらに、主軸110のn回転目の切削工具130の先端軌跡の位相と、主軸110のn+1回転目の切削工具130の先端軌跡の位相とが同位相である場合は、必ず1回の切削部分(1振動で切削される部分)の幅が均一になる。
なお、本実施例では、加工送り方向をZ軸方向としてZ軸方向およびY軸方向に振動させたが、加工送り方向をX軸方向(ワーク径方向)としてX軸方向およびY軸方向に振動させてもよい。
110 ・・・ 主軸
110A・・・ 主軸台
120 ・・・ チャック
130 ・・・ 切削工具
130A・・・ 切削工具台
150 ・・・ X軸方向送り機構
151 ・・・ ベース
152 ・・・ X軸方向ガイドレール
153 ・・・ X軸方向送りテーブル
154 ・・・ X軸方向ガイド
155 ・・・ リニアサーボモータ
155a・・・ 可動子
155b・・・ 固定子
160 ・・・ Z軸方向送り機構
161 ・・・ ベース
162 ・・・ Z軸方向ガイドレール
163 ・・・ Z軸方向送りテーブル
164 ・・・ Z軸方向ガイド
165 ・・・ リニアサーボモータ
165a・・・ 可動子
165b・・・ 固定子
C ・・・ 制御装置
C1 ・・・ 制御部
W ・・・ ワーク
Claims (5)
- ワークを保持するワーク保持手段と、前記ワークを切削加工する切削工具を保持する刃物台と、前記ワーク保持手段と前記刃物台とを所定の加工送り方向に沿って相対的に往復振動させる振動手段と、前記ワークと前記切削工具とを相対的に回転させる回転手段と、
前記振動手段による往復振動を制御する振動制御手段とを備え、
前記回転手段による前記ワークと前記切削工具との相対回転と、前記振動制御手段による、前記ワークに対する前記切削工具の前記加工送り方向に沿った往復振動によって、前記切削工具でワークを切削加工する工作機械であって、
前記切削工具の振動一往復の往動時の移動経路と復動時の移動経路との間に、前記切削工具の往動状態と復動状態とを反転させるループ状の反転経路を設け、前記両移動経路が前記反転経路を介して互いに交差するように、前記振動制御手段が、前記切削工具を前記切削工具の前記加工送り方向に沿った前回の前記反転経路と次回の前記反転経路とを重ねるように振動制御する構成とした工作機械。 - 前記振動制御手段が、前記切削工具の前記加工送り方向に沿った前記反転経路を前記相対回転の回転位相に同期した所定の位置に設けるように振動制御する構成とした請求項1に記載の工作機械。
- ワークを保持するワーク保持手段と、前記ワークを切削加工する切削工具を保持する刃物台と、前記ワーク保持手段と前記刃物台とを所定の加工送り方向に沿って相対的に往復振動させる振動手段と、前記ワークと前記切削工具とを相対的に回転させる回転手段と、
前記振動手段による往復振動を制御する振動制御手段とを備え、
前記回転手段による前記ワークと前記切削工具との相対回転と、前記振動制御手段による、前記ワークに対する前記切削工具の前記加工送り方向に沿った往復振動によって、前記切削工具でワークを切削加工する工作機械であって、
前記切削工具の振動一往復の往動時の移動経路と復動時の移動経路との間に、前記切削工具の往動状態と復動状態とを反転させるループ状の反転経路を設け、前記両移動経路が前記反転経路を介して互いに交差するように、前記振動制御手段が、前記切削工具を振動させる構成とし、
前記ワークに対する前記切削工具の送り量に比例して前記往復振動の振幅を設定する振幅設定手段が、前回の前記反転経路と次回の前記反転経路とが重なるように前記振動制御手段と連係している構成とした工作機械。 - ワークを保持するワーク保持手段と、前記ワークを切削加工する切削工具を保持する刃物台と、前記ワーク保持手段と前記刃物台とを所定の加工送り方向に沿って相対的に往復振動させる振動手段と、前記ワークと前記切削工具とを相対的に回転させる回転手段とを備えた工作機械に設けられ、
前記ワークに対する切削工具の加工送り方向への往復振動を伴う送り動作と、前記ワークと前記切削工具との相対回転とによって、前記工作機械にワークの加工を実行させる制御装置であって、
前記切削工具の振動一往復の往動時の移動経路と復動時の移動経路との間に、前記切削工具の往動状態と復動状態とを反転させるループ状の反転経路を設け、前記両移動経路が前記反転経路を介して互いに交差すると共に前記切削工具の前記加工送り方向に沿った前回の前記反転経路と次回の前記反転経路とを重ねるように、前記振動手段を制御する構成とした工作機械の制御装置。 - ワークを保持するワーク保持手段と、前記ワークを切削加工する切削工具を保持する刃物台と、前記ワーク保持手段と前記刃物台とを所定の加工送り方向に沿って相対的に往復振動させる振動手段と、前記ワークと前記切削工具とを相対的に回転させる回転手段とを備えた工作機械に設けられ、
前記ワークに対する切削工具の加工送り方向への往復振動を伴う送り動作と、前記ワークと前記切削工具との相対回転とによって、前記工作機械にワークの加工を実行させる制御装置であって、
前記切削工具の振動一往復の往動時の移動経路と復動時の移動経路との間に、前記切削工具の往動状態と復動状態とを反転させるループ状の反転経路を設け、前記両移動経路が前記反転経路を介して互いに交差するように、前記振動手段を制御する構成とし、
前記ワークに対する前記切削工具の送り量に比例して前記往復振動の振幅を設定する振幅設定手段が、前回の前記反転経路と次回の前記反転経路とが重なるように前記振動制御手段と連係している構成とした工作機械の制御装置。
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