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JP6610839B1 - スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子、磁気メモリ及びリザボア素子 - Google Patents

スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子、磁気メモリ及びリザボア素子 Download PDF

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JP6610839B1 JP2019528787A JP2019528787A JP6610839B1 JP 6610839 B1 JP6610839 B1 JP 6610839B1 JP 2019528787 A JP2019528787 A JP 2019528787A JP 2019528787 A JP2019528787 A JP 2019528787A JP 6610839 B1 JP6610839 B1 JP 6610839B1
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Abstract

本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子は、第1開口と第2開口とを有する第1絶縁層と、前記第1開口内に形成された第1導電部と、前記第2開口内に形成された第2導電部と、前記第1絶縁層の第1方向に位置し、前記第1方向から見て、前記第1導電部と前記第2導電部とに亘って第2方向に延びるスピン軌道トルク配線と、前記スピン軌道トルク配線の前記第1絶縁層と反対側に位置する第1強磁性層とを備え、前記第1導電部は、前記スピン軌道トルク配線に面する第1面と、前記第1面と対向し前記第1面より前記スピン軌道トルク配線から遠い位置にある第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ側面と、を有し、前記側面は、連続する主面と、前記主面に対して傾斜又は湾曲し前記主面に対して不連続な第3面と、を有する。

Description

本発明は、スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子、磁気メモリ及びリザボア素子に関するものである。
磁気抵抗効果素子は、磁気センサ、高周波部品、磁気ヘッド及び不揮発性ランダムアクセスメモリ(MRAM)への応用が期待されている。
磁気抵抗効果素子は、非磁性層を挟む二つの強磁性層の互いの磁化の向きの変化を素子の抵抗変化として出力する。磁気抵抗効果素子は、強磁性層の磁化の向きを制御して、データを記録する。磁化の向きを制御する方法として、電流が生み出す磁場を利用する方式、磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流した際に生ずるスピントランスファートルク(STT)を利用する方式が知られている。STTを利用する方式は、非磁性層を貫通する方向に電位差を与える必要があり、非磁性層にダメージを与える場合がある。
近年、磁化の向きを制御する新たな方式としてスピン軌道トルク(SOT)を利用する方式が検討されている(例えば、特許文献1)。SOTは、スピン軌道相互作用によって生じたスピン流又は異種材料の界面におけるラシュバ効果により強磁性層内に誘起される。強磁性層内の磁化にSOTが作用することで、磁化が反転する。スピン流及びラシュバ効果は、強磁性層の積層方向と交差する方向に電流が流れると生じる。SOTを利用する方式は、非磁性層及び強磁性層の積層方向に大きな書き込み電流を流すことを避けられ、非磁性層等へのダメージを抑制できる。
特開2017−216286号公報
磁気抵抗効果素子は、データを記録する記録領域であり、複数の磁気抵抗効果素子を集積した磁気メモリとして用いることが多い。磁気メモリ全体の小型化を図るためには、磁気抵抗効果素子の集積性を高まることが求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、集積性を高めることができるスピン軌道トルク型磁化回転素子及びスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子を提供することを目的とする。また集積性の高い磁気メモリ及びリザボア素子を提供することを目的とする。
磁気抵抗効果素子は、半導体素子と接続して用いられる。磁気抵抗効果素子と半導体素子を繋ぐ導電部の一部を除去し、傾斜面とすることで、集積性を高めることができることを見出した。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子は、第1開口と第2開口とを有する第1絶縁層と、前記第1開口内に形成された第1導電部と、前記第2開口内に形成された第2導電部と、前記第1絶縁層の第1方向に位置し、前記第1方向から見て、前記第1導電部と前記第2導電部とに亘って第2方向に延びるスピン軌道トルク配線と、前記スピン軌道トルク配線の前記第1絶縁層と反対側に位置する第1強磁性層とを備え、前記第1導電部は、前記スピン軌道トルク配線に面する第1面と、前記第1面と対向し前記第1面より前記スピン軌道トルク配線から遠い位置にある第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ側面と、を有し、前記側面は、連続する主面と、前記主面に対して傾斜又は湾曲し前記主面に対して不連続な第3面と、を有する。
(2)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第3面は、前記第1方向に対して傾斜又は湾曲していてもよい。
(3)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第3面は、前記第1方向に対して傾斜又は湾曲する第1部分と、前記第1部分に対して傾斜又は湾曲する第2部分とを有してもよい。
(4)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、前記第1側面は、前記第1導電部の前記第3面の少なくとも一部と連続してもよい。
(5)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第1導電部の前記側面は、前記主面及び前記第3面に対して傾斜又は湾曲し前記主面及び前記第3面に対して不連続な第4面及び第5面をさらに有してもよい。
(6)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向と交差する第3方向に、第3側面と第4側面とを有し、前記第3側面は、前記第4面の少なくとも一部と連続し、前記第4側面は、前記第5面の少なくとも一部と連続してもよい。
(7)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第1強磁性層は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、前記第1強磁性層の第1側面は、前記スピン軌道トルク配線の第1側面と連続し、前記第1強磁性層の第2側面は、前記スピン軌道トルク配線の第2側面と連続してもよい。
(8)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第1強磁性層は、前記第2方向と交差する第3方向に、第3側面と第4側面とを有し、前記第1強磁性層の第3側面は、前記スピン軌道トルク配線の第3側面と連続し、前記第1強磁性層の第4側面は、前記スピン軌道トルク配線の第4側面と連続してもよい。
(9)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、前記第2方向と交差する第3方向に第3側面と第4側面とを有し、前記第1側面の前記第1方向に対する傾斜角は、前記第3側面及び前記第4側面の前記第1方向に対する傾斜角より大きくてもよい。
(10)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、前記第1側面の前記第2方向に対する傾斜角が45°以上であってもよい。
(11)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記スピン軌道トルク配線と前記第1強磁性層との間に下地層をさらに有してもよい。
(12)第2の態様にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子は、上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子と、前記第1強磁性層の前記第1方向に位置する第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間に位置する非磁性層と、を有する。
(13)第3の態様にかかる磁気メモリは、複数の上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子と、複数のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子を繋ぐ配線と、を備える。
(14)第4の態様にかかるリザボア素子は、複数の上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子と、前記複数のスピン軌道トルク型磁化回転素子の前記第1強磁性層を繋ぐスピン伝導層と、を備える。
上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子及びスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子によれば、素子の集積性を高めることができる。また上記態様にかかる磁気メモリ及びリザボア素子は小型化が可能である。
第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の斜視図である。 第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。 第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の別の切断面における断面図である。 第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の平面図である。 第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子が複数ある場合における素子の配置を示す断面図である。 第1変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。 第2変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。 第3変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。 第4変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。 第5変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。 第6変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。 第7変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。 第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の断面図である。 第3実施形態にかかる磁気メモリの回路図である。 第4実施形態にかかるリザボア素子の斜視図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
まず方向について定義する。x方向及びy方向は、後述するスピン軌道トルク配線30と略平行な方向である。x方向は、後述するスピン軌道トルク配線30が延びる方向である。y方向は、x方向と直交する方向である。z方向は、x方向及びy方向と直交する方向である。z方向は第1方向の一例であり、x方向は第2方向の一例である。また本明細書で「x方向に延びる」とは、例えば、x方向、y方向、及びz方向の各寸法のうち最小の寸法よりもx方向の寸法が大きいことを意味する。他の方向に延びる場合も同様である。
「第1実施形態」
(スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子)
図1は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の斜視図である。図2は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。図3は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の別の切断面における断面図である。図4は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の別の切断面における平面図である。図2は、後述するスピン軌道トルク配線30のy方向の中央を通るxz平面(図4のA−A面)で切断した断面である。図3は、後述する素子部90と後述する第1導電部20Aとが重なる位置を通るyz平面(図4のB−B面)で切断した断面である。
スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100は、第1絶縁層10と、2つの導電部20と、スピン軌道トルク配線30と、第1強磁性層40と、非磁性層50と、第2強磁性層60と、キャップ層70と、第2絶縁層80とを有する。スピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70を、素子部90と称する。導電部20は、便宜上、一方を第1導電部20A、他方を第2導電部20Bと称する場合がある。
<第1絶縁層>
第1絶縁層10は、多層配線の配線間や素子間を絶縁する層間絶縁膜である。第1絶縁層10は、導電部20を除き、素子部90と半導体素子(例えば図5に示すトランジスタTr)とを電気的に分離する。第1絶縁層10は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)、窒化クロム(CrN)、炭窒化シリコン(SiCN)、酸窒化シリコン(SiON)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)等である。
第1絶縁層10は、第1開口H1と第2開口H2とを有する。第1開口H1及び第2開口H2は、z方向に延びる。第1開口H1及び第2開口H2は、例えば、z方向に第1絶縁層10を貫通する。
<導電部>
2つの導電部20は、第1絶縁層10内に位置する。2つの導電部20は、それぞれx方向に離間して配置する。第1導電部20Aは、第1絶縁層10の第1開口H1内に形成される。第2導電部20Bは、第1絶縁層10の第2開口H2内に形成される。2つの導電部20は、素子部90と半導体素子(例えば図5に示すトランジスタTr)とを電気的に接続する。
2つの導電部20はそれぞれ、第1面21と第2面22と側面23とを有する。第1面21は、他の面よりスピン軌道トルク配線30に近い位置でスピン軌道トルク配線30に面する面である。ここで「面する」とは、互いに向き合う関係を言い、2つの層が接触していても、間に他の層を有してもよい。第1面21は、例えば、スピン軌道トルク配線30に接続される。第2面22は、第1面21と反対側の面である。側面23は、第1面21と第2面22とを繋ぐ面である。
図1に示す導電部20の側面23は、主面23Aと第3面23Bと第4面23Cと第5面23D(図3、図4参照)とを有する。主面23Aは、z方向に連続する。第3面23B、第4面23C及び第5面23Dは、それぞれ主面23Aに対して傾斜又は湾曲し、主面23Aに対して不連続である。ここで「連続」とは、導電部20をxz平面又はyz平面で切断した切断面において、側面23に沿って引いた接線の傾きが連続的に変化することをいう。また「不連続」とは、導電部20をxz平面又はyz平面で切断した切断面において、側面23に沿って引いた接線の傾きが連続的に変化しないことを言う。例えば、2つの連続面間が変曲点を介して接続されている場合、「不連続」となる。主面23Aと第3面23B、第4面23C又は第5面23Dとの境界で、側面23は屈曲する。第3面23B、第4面23C及び第5面23Dは、例えば、導電部20の一部が除去されることで形成された部分である。
図2に示すxz切断面において、第3面23Bは、z方向に対してx方向に傾斜する。またxz切断面において、第3面23Bは、主面23Aに対してx方向に傾斜する。xz平面において、主面23Aと第3面23Bとの境界で、側面23は屈曲する。図3に示すyz切断面において、第4面23C及び第5面23Dは、z方向に対してy方向に傾斜する。またyz切断面において、第4面23C及び第5面23Dは、主面23Aに対してy方向に傾斜する。yz平面において、主面23Aと第4面23Cとの境界及び主面23Aと第5面23Dで、側面23は屈曲する。
導電部20の主面23Aはそれぞれ、図2に示すxz切断面において、第1側面23aと第2側面23bとを有する。第1側面23aは、xz切断面において異なる導電部20に近い位置にある。例えば、第1導電部20Aにおける第1側面23aは、第2導電部20Bに近い側の面である。第2側面23bは、第1側面23aと反対側にある。第1側面23aと第2側面23bとは、z方向の長さが異なる。第1側面23aと第2側面23b及び第3面23Bとは、導電部20のx方向の中心軸に対して線対称ではない。
導電部20は、導電性の高い材料を含む。導電部20は、例えば、銅、アルミニウム、銀、導電性を有する酸化膜、導電性を有する窒化膜等である。
第1絶縁層10と導電部20とのビッカース硬度差は3GPa以下であることが好ましい。スピン軌道トルク配線30は、第1絶縁層10及び導電部20上に積層される。第1絶縁層10及び導電部20のスピン軌道トルク配線30の積層面は、平坦であることが好ましい。第1絶縁層10と導電部20とのビッカース硬度差が3GPa以下であると、化学機械研磨(CMP)等により積層面を平坦化しやすい。
第1絶縁層10と導電部20とのビッカース硬度差が3GPa以下となる具体的な組み合わせとしては以下のような組合せが考えられる。
例えば、第1絶縁層10が酸化シリコンの場合は、導電部20に窒化バナジウムを用いることができる。
また例えば、第1絶縁層10が酸化ジルコニウムの場合は、導電部20にNb、V及びAlからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物を用いることができる。
また例えば、第1絶縁層10が窒化シリコンの場合は、導電部20にNb、Zr及びAlからなる群から選択されるいずれかを含む窒化物を用いることができる。
また例えば、第1絶縁層10に窒化クロム、単窒化珪素、酸化アルミニウムのいずれかの場合は、導電部20にTi又はZrを含む窒化物を用いることができる。
<スピン軌道トルク配線>
スピン軌道トルク配線30は、第1絶縁層10のz方向に位置する。スピン軌道トルク配線30は、z方向から見て、2つの導電部20に亘ってx方向に延びる。
スピン軌道トルク配線30の両端に電位差を与えると、スピン軌道トルク配線30に沿って電流Iが流れる。一方向に配向した第1スピンs1と、第1スピンs1と反対方向に配向した第2スピンs2とは、それぞれ電流と直交する方向に曲げられる。例えば、+y方向に配向した第1スピンs1が+z方向に曲げられ、−y方向に配向した第2スピンs2が−z方向に曲げられる。
通常のホール効果とスピンホール効果とは、運動(移動)する電荷(電子)が運動(移動)方向を曲げられる点で共通する。一方で、通常のホール効果は磁場中で運動する荷電粒子がローレンツ力を受けて運動方向を曲げられるのに対して、スピンホール効果は磁場が存在しなくても、電子が移動するだけ(電流が流れるだけ)でスピンの移動方向が曲げられる点が大きく異なる。
非磁性体(強磁性体ではない材料)は、スピンホール効果により生じる第1スピンs1の電子数と第2スピンs2の電子数とが等しい。図2において、+z方向に向かう第1スピンs1の電子数と−z方向に向かう第2スピンs2の電子数とは等しい。この場合、電荷の流れは互いに相殺され、電流量はゼロとなる。電流を伴わないスピン流は特に純スピン流と呼ばれる。
第1スピンs1の電子の流れをJ、第2スピンs2の電子の流れをJ、スピン流をJと表すと、J=J−Jで定義される。スピン流Jは、z方向に生じる。図1において、スピン軌道トルク配線30は第1強磁性層40に面する。スピンは、スピン軌道トルク配線30から第1強磁性層40に注入される。注入されたスピンは、スピン軌道トルク(SOT)を、第1強磁性層40の磁化にくわえる。第1強磁性層40の磁化は、スピン軌道トルク(SOT)により磁化反転する。
スピン軌道トルク配線30は、電流が流れる際のスピンホール効果によってスピン流を発生させる機能を有する金属、合金、金属間化合物、金属硼化物、金属炭化物、金属珪化物、金属燐化物のいずれかによって構成される。スピン軌道トルク配線30は、第1強磁性層40の磁化を反転できるだけのスピン軌道トルク(SOT)を第1強磁性層40に生み出す材料を含む。
スピン軌道トルク配線30の主構成は、非磁性の重金属であることが好ましい。重金属は、イットリウム以上の比重を有する金属を意味する。非磁性の重金属は、最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号39以上の原子番号が大きい非磁性金属であることが好ましい。非磁性の重金属は、スピンホール効果を生じさせるスピン軌道相互作用が大きい。
電子は、一般にそのスピンの向きに関わりなく、電流とは逆向きに動く。これに対し、最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号が大きい非磁性金属は、スピン軌道相互作用が大きく、スピンホール効果が強く生じる。z方向のスピンの流れは、z方向のスピンの偏在の程度に依存する。スピンホール効果が強く生じるとスピンが偏在しやすく、スピン流Jが発生しやすくなる。
スピン軌道トルク配線30は、磁性金属を含んでもよい。磁性金属は、強磁性金属又は反強磁性金属である。非磁性体に含まれる微量な磁性金属は、スピンの散乱因子となる。スピンが散乱するとスピン軌道相互作用が増強され、電流に対するスピン流の生成効率が高くなる。スピン軌道トルク配線30の主構成は、反強磁性金属だけからなってもよい。
一方で、磁性金属の添加量が増大し過ぎると、発生したスピン流が添加された磁性金属によって散乱され、結果としてスピン流が減少する場合がある。添加される磁性金属のモル比はスピン軌道トルク配線を構成する元素の総モル比よりも十分小さい方が好ましい。添加される磁性金属のモル比は、全体の3%以下であることが好ましい。
スピン軌道トルク配線30は、トポロジカル絶縁体を含んでもよい。トポロジカル絶縁体は、物質内部が絶縁体又は高抵抗体であるが、その表面にスピン偏極した金属状態が生じている物質である。トポロジカル絶縁体は、スピン軌道相互作用により内部磁場が生じる。トポロジカル絶縁体は、外部磁場が無くてもスピン軌道相互作用の効果で新たなトポロジカル相が発現する。トポロジカル絶縁体は、強いスピン軌道相互作用とエッジにおける反転対称性の破れにより純スピン流を高効率に生成できる。
トポロジカル絶縁体は、例えば、SnTe、Bi1.5Sb0.5Te1.7Se1.3、TlBiSe、BiTe、Bi1−xSb、(Bi1−xSbTeなどである。トポロジカル絶縁体は、高効率にスピン流を生成することが可能である。
スピン軌道トルク配線30は、x方向に第1側面31、第2側面32を有し、y方向に第3側面33、第4側面34を有する。第1側面31及び第2側面32は、例えば、z方向に対してx方向に傾斜角θ1で傾斜する。第3側面33及び第4側面34は、例えば、z方向に対してy方向に傾斜角θ2で傾斜する。傾斜角θ1は、例えば、傾斜角θ2より大きい。傾斜角θ1は、例えば、45°以上であり、好ましくは50°以上であり、より好ましくは60°以上である。傾斜角θ2は、例えば、10°以上であり、好ましくは20°以上であり、より好ましくは30°以上である。
第1側面31は、例えば、第1導電部20Aの第3面23Bと連続し、第2側面32は、例えば、第2導電部20Bの第3面23Bと連続する。第3側面33は、第1導電部20A及び第2導電部20Bの第4面23Cと連続する。第4側面34は、第1導電部20A及び第2導電部20Bの第5面23Dと連続する。
ここで「複数の面が連続する」とは、二つの面の間に、実質的なずれ(段差)が存在しないことを意味する。すなわち「連続する」とは、xz平面又はyz平面で切断した切断面において2つの面に沿う一つのフィッティング線(直線又は曲線)を描けることを意味する。例えば、スピン軌道トルク配線30の厚みの10%以下の凹凸は、誤差とみなされる。
<第1強磁性層>
第1強磁性層40は、スピン軌道トルク配線30の第1絶縁層10と反対側(+z方向)に位置する。
第1強磁性層40は、強磁性体、特に軟磁性体を含む。強磁性体は、例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属、これらの金属を1種以上含む合金、これらの金属とB、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とが含まれる合金等である。強磁性体は、例えば、Co−Fe、Co−Fe−B、Ni−Fe、Co−Ho合金、Sm−Fe合金、Fe−Pt合金、Co−Pt合金、CoCrPt合金である。
第1強磁性層40は、CoFeSi等のホイスラー合金を含んでもよい。ホイスラー合金は、XYZまたはXYZの化学組成をもつ金属間化合物を含む。Xは周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、YはMn、V、CrあるいはTi族の遷移金属又はXの元素種であり、ZはIII族からV族の典型元素である。ホイスラー合金は、例えば、CoFeSi、CoFeGe、CoFeGa、CoMnSi、CoMn1−aFeAlSi1−b、CoFeGe1−cGa等である。ホイスラー合金は高いスピン分極率を有する。
第1強磁性層40は、xy面内のいずれかの方向又はz方向に磁化容易軸を有する。第1強磁性層40がxy面内のいずれかの方向に磁化容易軸を有する場合、第1強磁性層40は面内磁化膜と言われる。第1強磁性層40がz方向に磁化容易軸を有する場合、第1強磁性層40は垂直磁化膜と言われる。
第1強磁性層40は、x方向に第1側面41、第2側面42を有し、y方向に第3側面43、第4側面44を有する。第1側面41は、第1側面31及び第3面23Bと連続する。第2側面42は、第2側面32及び第3面23Bと連続する。第3側面43は、第3側面33及び第4面23Cと連続する。第4側面44は、第4側面34及び第5面23Dと連続する。第1側面41及び第2側面42は、例えば、z方向に対してx方向に傾斜角θ1で傾斜する。第3側面43及び第4側面44は、例えば、z方向に対してy方向に傾斜角θ2で傾斜する。
第1強磁性層40は、例えば図4に示すように、z方向から見て、2つの導電部20と一部で重畳する。第1強磁性層40と導電部20とがz方向から見て重畳しない場合は、1つのスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100のために第1強磁性層40と導電部20のそれぞれの面積を足した分の面積が必要である。これに対して、導電部20と第1強磁性層40とがz方向から見て一部で重畳すると、1つの素子に必要な面積が、その重畳している面積分だけ小さくなる。すなわち、複数の素子をより効率的に集積できる。
<非磁性層>
非磁性層50は、第1強磁性層40のz方向に位置する。非磁性層50は、第1強磁性層40と第2強磁性層60に挟まれる。
非磁性層50は、非磁性の絶縁体、半導体又は金属からなる。非磁性の絶縁体は、例えば、Al、SiO、MgO、MgAl、およびこれらのAl、Si、Mgの一部がZn、Be等に置換された材料である。非磁性層50が非磁性の絶縁体からなる場合、非磁性層50はトンネルバリア層である。MgOやMgAlは、第1強磁性層40と第2強磁性層60との間にコヒーレントトンネルを実現しやすい。非磁性の金属は、例えば、Cu、Au、Ag等である。さらに、非磁性の半導体は、例えば、Si、Ge、CuInSe、CuGaSe、Cu(In,Ga)Se等である。
非磁性層50は、x方向に第1側面51、第2側面52を有し、y方向に第3側面53、第4側面54を有する。第1側面51は、第1側面31、41及び第3面23Bと連続する。第2側面52は、第2側面32、42及び第3面23Bと連続する。第3側面53は、第3側面33、43及び第4面23Cと連続する。第4側面54は、第4側面34、44及び第5面23Dと連続する。第1側面51及び第2側面52は、例えば、z方向に対してx方向に傾斜角θ1で傾斜する。第3側面53及び第4側面54は、例えば、z方向に対してy方向に傾斜角θ2で傾斜する。
<第2強磁性層>
第2強磁性層60は、非磁性層50の第1強磁性層40と反対側(+z方向)に位置する。第2強磁性層60は、強磁性体を含む。第2強磁性層60は、例えば、第1強磁性層40と同様の材料を用いることができる。第2強磁性層60の保磁力は、第1強磁性層40の保磁力より大きい。素子部90が保磁力差型(擬似スピンバルブ型;Pseudo spin valve 型)の磁気抵抗効果素子の場合は、第2強磁性層60の保磁力を第1強磁性層40の保磁力よりも大きくする。素子部90が交換バイアス型(スピンバルブ;spin valve型)の磁気抵抗効果素子の場合は、第2強磁性層60を層間反強磁性(SAF)結合にし、第2強磁性層60の磁化を第1強磁性層40に対して固定する。
第2強磁性層60は、x方向に第1側面61、第2側面62を有し、y方向に第3側面63、第4側面64を有する。第1側面61は、第1側面31、41、51及び第3面23Bと連続する。第2側面62は、第2側面32、42、52及び第3面23Bと連続する。第3側面63は、第3側面33、43、53及び第4面23Cと連続する。第4側面64は、第4側面34、44、54及び第5面23Dと連続する。第1側面61及び第2側面62は、例えば、z方向に対してx方向に傾斜角θ1で傾斜する。第3側面63及び第4側面64は、例えば、z方向に対してy方向に傾斜角θ2で傾斜する。
<キャップ層>
キャップ層70は、第2強磁性層60のz方向に位置する。キャップ層70は、第2強磁性層60から元素の拡散を抑制し、素子部90の各層の結晶配向性に影響を及ぼす。キャップ層70は、第1強磁性層40及び第2強磁性層60の磁化を安定化させる。
キャップ層70は、例えば、導電性に優れるRu、Ta、Cu、Ag、Au等を含む。
キャップ層70は、x方向に第1側面71、第2側面72を有し、y方向に第3側面73、第4側面74を有する。第1側面71は、第1側面31、41、51、61及び第3面23Bと連続する。第2側面72は、第2側面32、42、52、62及び第3面23Bと連続する。第3側面73は、第3側面33、43、53、63及び第4面23Cと連続する。第4側面74は、第4側面34、44、54、64及び第5面23Dと連続する。第1側面71及び第2側面72は、例えば、z方向に対してx方向に傾斜角θ1で傾斜する。第3側面73及び第4側面74は、例えば、z方向に対してy方向に傾斜角θ2で傾斜する。
<第2絶縁層>
第2絶縁層80は、導電部20の一部及び素子部90の周囲を覆う絶縁膜である。第2絶縁層80は、第1絶縁層10と同様の材料を含む。第2絶縁層80と第1絶縁層10とは同じ材料でもよい。
<製造方法>
スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100は、例えば、以下の手順で作製する。まず例えば、半導体基板上に第1絶縁層10を積層する。第1絶縁層10は、例えば、スパッタリング法、化学気相成長(CVD)法等を用いて積層する。
次いで、第1絶縁層10に第1開口H1と第2開口H2を形成する。第1開口H1及び第2開口H2の内部に導電体を充填し、導電部20が形成される。第1開口H1及び第2開口H2は、例えば、フォトリソグラフィー等を用いて形成する。次いで、第1絶縁層10及び導電部20の一面を、例えば、化学機械研磨(CMP)で平坦化する。
平坦化された第1絶縁層10及び導電部20の一面に、スピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70を順に積層する。
次いで、スピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70を所定の形状に加工する。これらの層の加工は、エッチング、イオンミリング等を用いて行う。スピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70を所定の形状に加工する際に、導電部20の一部が除去される。除去された部分が、導電部20の第3面23B、第4面23C及び第5面23Dとなる。所定の形状に加工されたスピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70は素子部90となる。
素子部90を加工する際に、例えば、導電部20やスピン軌道トルク配線30の一部が、第1強磁性層40及び第2強磁性層60の側壁に不純物として飛散する場合がある。不純物は、第1強磁性層40及び第2強磁性層60の磁気特性を劣化させ、第1強磁性層40と第2強磁性層60との間のリークの原因となる。
不純物は、側方(x方向又はy方向)からイオンビームを照射して除去できる。イオンビームは、xy平面と平行に近い角度から入射される。入射されるイオンビームとxy平面とのなす角は10°程度まで傾けることができる。第1強磁性層40及び第2強磁性層60の側面(第1側面41、61、第2側面42、62、第3側面43、63及び第4側面44、64)が傾斜していると、イオンビームを側面に照射しやすくなる。
また不純物を除去するためのイオンビーム自体が、不純物の発生源となる場合がある。例えば、スピン軌道トルク配線30にイオンビームが照射されると、スピン軌道トルク配線30の一部が飛散し、不純物となる。第1強磁性層40及び第2強磁性層60の側面が傾斜していると、イオンビームによって飛散した不純物の軌道を第1強磁性層40及び第2強磁性層60の側面が妨げることが避けられ、不純物の再付着を抑制できる。スピン軌道トルク配線30はx方向に延びるため、傾斜角θ1が傾斜角θ2より大きい場合に、不純物の再付着をより抑制できる。
最後に、加工後の素子部90及び導電部20の一部が除去されることで露出した部分の周囲を第2絶縁層80で覆い、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100が得られる。
第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100によれば、複数の素子を集積する際の集積性を高めることができる。図5は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100を複数有する場合におけるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100の配置の一例を示す断面図である。
導電部20は、トランジスタTrと素子部90とを繋ぐ。トランジスタTrは、例えば、ソースSとドレインDとがゲート絶縁膜81を介してゲート電極Gで制御される電界効果型トランジスタである。
導電部20のxy平面におけるサイズは、設計されており自由に変更することはできない。例えば、現状の半導体における最小加工寸法(feature size:F)は7nmと言われており、導電部20のx方向及びy方向の幅は最小で7nmである。換言すると、導電部20のx方向及びy方向の幅は、このサイズ以上に小さくすることは難しく、導電部20の面積を変えることで集積性を高めることは難しい。また導電部20を流れる電流が生み出す電界等による電気的な影響も無視できない。つまり導電部20は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100の集積性に影響を与える要素の一つである。
導電部20が第3面23Bを有する場合、導電部20の第1面21におけるx方向の幅は短くなる。導電部20のx方向の幅が短くなれば、構造状、その分だけ隣り合うスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100の距離を近づけることができる。また導電部20の電気的な影響を考慮した場合においても、隣り合うスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100の距離を近づけることができる。したがって、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100によれば、複数の素子を集積する際の集積性を高めることができる。
また第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100によれば、電流(書き込み電流)Iをスピン軌道トルク配線30に流しやすくなる。書き込み電流は、スピン軌道トルク配線30を介して2つの導電部20間を流れる。スピン軌道トルク配線30の電気抵抗Rは、R=ρL/Aで表記される。ρは電気抵抗率であり、Lはx方向の長さであり、Aはスピン軌道トルク配線30をyz平面で切断した断面の面積である。
スピン軌道トルク配線30の第1側面31及び第2側面32が傾斜すると、スピン軌道トルク配線30のyz平面における断面積が徐々に大きくなる。つまり、スピン軌道トルク配線30の電気抵抗Rはx方向に徐々に変化し、書き込み電流の流れがなだらかになる。またスピン軌道トルク配線30の第1側面31は、第1強磁性層40の第1側面41と連続し、スピン軌道トルク配線30の第2側面32は第1強磁性層40の第2側面42と連続する。書き込み電流の一部は、第1強磁性層40にも流れるため、x方向の側面が連続することで、書き込み電流の流れがスムーズになる。書き込み電流の流れがスムーズになると、スピン軌道トルク配線30の発熱が抑制される。
以上、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100の一例について詳述したが、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
(第1変形例)
図6は、第1変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。図6は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100Aのx方向の端部を拡大したものである。第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省く。
図6に示す導電部20の第3面23Baは、z方向に対してx方向に湾曲している。またスピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70の第1側面31、41、51、61、71も、z方向に対してx方向に湾曲している。第3面23Baと第1側面31、41、51、61、71とは連続している。
(第2変形例)
図7は、第2変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。図7は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100Bのx方向の端部を拡大したものである。第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省く。
図7に示す導電部20の第3面23Bbは、z方向に対してx方向に傾斜している。またスピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70の第1側面31、41、51、61、71も、z方向に対してx方向に傾斜している。第3面23Bbのz方向に対する傾斜角と、第1側面31、41、51、61、71のz方向に対する傾斜角と、は異なる。第3面23Baと第1側面31、41、51、61、71とは不連続である。素子部90と導電部20とのエッチングレートの違いにより、第3面23Bbのz方向に対する傾斜角と、第1側面31、41、51、61、71のz方向に対する傾斜角と、は異なる場合がある。
(第3変形例)
図8は、第3変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。図8は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100Cのx方向の端部を拡大したものである。第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省く。
図8に示す導電部20の第3面23Bcは、z方向に対してx方向に湾曲している。またスピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70の第1側面31、41、51、61、71も、z方向に対してx方向に傾斜している。第3面23Bcと、第1側面31、41、51、61、71と、は不連続である。導電部20が第1絶縁層10よりエッチングされやすい場合、導電部20の一部が素子部90の内側に向ってえぐれ、第3面23Bcが湾曲する場合がある。
(第4変形例)
図9は、第4変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。図9は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100Dのx方向の端部を拡大したものである。第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省く。
図9に示す導電部20の第3面23Bdは、第1部分p1と第2部分p2とを有する。第1部分p1は、z方向に対してx方向に傾斜する。第2部分p2は、第1部分p1に対してx方向に傾斜する。第1部分p1と第2部分p2との境界で、第3面23Bdは屈曲する。またスピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70の第1側面31、41、51、61、71は、z方向に対して傾斜している。第1部分p1と第1側面31、41、51、61、71とは連続し、第1部分p1と第2部分p2とは不連続である。
(第5変形例)
図10は、第5変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。図10は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100Eのx方向の端部を拡大したものである。第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省く。
図10に示す導電部20の第3面23Beは、第1部分p1と第2部分p2とを有する。第1部分p1は、z方向に対してx方向に湾曲する。第2部分p2は、第1部分p1に対してx方向に傾斜する。第1部分p1と第2部分p2との境界で、第3面23Beは屈曲する。またスピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70の第1側面31、41、51、61、71は、z方向に対して湾曲している。第1部分p1と第1側面31、41、51、61、71とは連続し、第1部分p1と第2部分p2とは不連続である。
(第6変形例)
図11は、第6変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。図11は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100Fのx方向の端部を拡大したものである。第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省く。
図11に示す導電部20の第3面23Bfは、第1部分p1と第2部分p2とを有する。第1部分p1は、z方向に対してx方向に湾曲する。第1部分p1は、z方向から見て、スピン軌道トルク配線30の内側に向ってえぐれている。第2部分p2は、第1部分に対してx方向に傾斜する。第1部分p1と第2部分p2との境界で、第3面23Bfは屈曲する。またスピン軌道トルク配線30、第1強磁性層40、非磁性層50、第2強磁性層60及びキャップ層70の第1側面31、41、51、61、71は、z方向に対して傾斜している。第1部分p1及び第2部分p2は、第1側面31、41、51、61、71と不連続である。
(第7変形例)
図12は、第7変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面図である。第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省く。
図12に示すスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100Gは、下地層Uを有する点が、図2に示すスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と異なる。下地層Uは、スピン軌道トルク配線30と第1強磁性層40との間に位置する。下地層Uの第1側面U1は、第1側面31、41、51、61、71及び第3面23Bと連続し、下地層Uの第2側面U2は、第2側面32、42、52、62、72及び第3面23Bと連続する。
下地層Uは、スピン軌道トルク配線30の結晶格子が第1強磁性層40の結晶成長に与える影響を緩和する層である。下地層Uを設けると、スピン軌道トルク配線30の結晶構造が第1強磁性層40に与える影響を低減でき、第1強磁性層40の結晶構造を設計しやすくなる。その結果、第1強磁性層40の磁化容易軸を任意の方向に設定しやすくなる。例えば、第1強磁性層40の磁化容易軸をz方向にすると、データの記録密度が高まる。また第1強磁性層40に磁化容易軸をxy面内のいずれかの方向にすると、データの書込み速度が速くなる。
下地層Uには、Ti、Cr、Cu、Zn、Mg、Al、Si、B、Cからなる群から選択される一つ以上の元素を含む金属又は合金を例えば用いることができる。下地層Uは、アモルファスであることが好ましい。
下地層Uは複数層でもよい。下地層Uは、例えば、第1強磁性層40の磁化方向を制御する磁化制御層を有してもよい。磁化制御層は、例えば、SmFe12である。
第1強磁性層40の結晶構造は、磁化制御層の影響を受け、磁化制御層の結晶構造と一致する。第1強磁性層40は磁化制御層との格子整合性を保つように積層される。結晶構造が正方晶の場合、磁化容易方向はc軸方向に配向しやすい。磁化制御層の結晶構造をc軸がxy面内に配向した正方晶とすると、磁化制御層は面内磁化膜となり、第1強磁性層40も面内磁化膜になる。c軸がxy面内に配向した正方晶構造は、xy面内方向に磁場を印加しながら磁化制御層を成長させることで作製できる。
第1変形例から第7変形例にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子は、いずれも導電部20の側面に不連続な第3面を有する。したがって、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と同様の効果が得られる。
ここまで2つの導電部20がそれぞれ、第3面23B、第4面23C、第5面23Dを有する例を基に説明を行ったが、一方の導電部20(第1導電部20A)のみが第3面23B、第4面23C、第5面23Dを有してもよい。また導電部20は、第4面23C及び第5面23Dを有さなくてもよい。
「第2実施形態」
(スピン軌道トルク型磁化回転素子)
図13は、第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の断面図である。図13に示すスピン軌道トルク型磁化回転素子120は、非磁性層50、第2強磁性層60、キャップ層70を有さない点が、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と異なる。
スピン軌道トルク型磁化回転素子120は、上述のように磁気抵抗効果素子として用いることができる。またスピン軌道トルク型磁化回転素子120は、単独でも異方性磁気センサ、磁気カー効果又は磁気ファラデー効果を利用した光学素子として利用できる。スピン流磁化回転素子は、磁化が反転する場合に、特にスピン流磁化反転素子と呼ぶことができる。
第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子120は、上述のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と同様に、集積する際の集積性を高めることができる。また第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子120は、書き込み電流の流れがスムーズであり、発熱を抑制できる。さらに、第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子120は、加工時の不純物の再付着を抑制でき、第1強磁性層40の磁気特性が安定化する。また第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子120は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100と同様の変形例を選択できる。
「第3実施形態」
(磁気メモリ)
図14は、第3実施形態にかかる磁気メモリの模式図である。磁気メモリ200は、複数のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100(図11参照)とこれらを接続する配線とを備える。
図14に示す磁気メモリ200は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100が3×3のマトリックス配置をしている。図14は、磁気メモリの一例であり、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100の数及び配置は任意である。
スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100には、それぞれ1本のワードラインWL1〜3と、1本のビットラインBL1〜3、1本のリードラインRL1〜3が接続されている。
電流を印加するワードラインWL1〜3及びビットラインBL1〜3を選択することで、任意のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100のスピン軌道トルク配線30に電流を流し、書き込み動作を行う。また電流を印加するリードラインRL1〜3及びビットラインBL1〜3を選択することで、任意のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100の積層方向に電流を流し、読み込み動作を行う。電流を印加するワードラインWL1〜3、ビットラインBL1〜3、及びリードラインRL1〜3はトランジスタ等により選択できる。すなわち、これらの複数のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100から任意の素子のデータを読み出すことで磁気メモリとしての活用ができる。
「第4実施形態」
(リザボア素子)
リザボア素子は、ニューロモルフィック素子の一つであるリザボアコンピュータに用いられる素子である。ニューロモルフィック素子は、ニューラルネットワークにより人間の脳を模倣した素子である。リザボア素子は、互いに相互作用する複数のチップからなる。複数のチップは、入力された信号によって、互いに相互作用し、信号を出力する。複数のチップを繋ぐ伝達手段は、重みが固定され、学習しない。リザボア素子はデータを圧縮する部分であり、圧縮されたデータは出力部で重み付けをされ、問題の正答率が向上する。リザボアコンピュータは、ニューロモルフィック素子の回路設計の簡素化及び消費電力の向上を可能にする手段の一つとして期待されている。
図15は、第4実施形態にかかるリザボア素子の斜視図である。リザボア素子300は、導電部20とスピン軌道トルク配線30と第1強磁性層40とスピン伝導層301とを備える。導電部20、スピン軌道トルク配線30及び第1強磁性層40との組み合わせは、第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子120に対応する。
スピン伝導層301は、例えば、複数の第1強磁性層40の間を繋ぐ。スピン伝導層301は、例えば、非磁性の導電体からなる。スピン伝導層301は、第1強磁性層40から染みだしたスピン流を伝播する。
スピン伝導層301は、例えば、金属又は半導体である。スピン伝導層301に用いられる金属は、例えば、Cu、Ag、Al、Mg、Znからなる群から選択されるいずれかの元素を含む金属又は合金である。スピン伝導層301に用いられる半導体は、例えば、Si、Ge、GaAs、Cからなる群から選択されるいずれかの元素の単体又は合金である。例えば、Si、Ge、Si−Ge化合物、GaAs、グラフェン等が挙げられる。
スピン軌道トルク配線30に電流Iが流れると、第1強磁性層40にスピンが注入され、第1強磁性層40の磁化にスピン軌道トルクが加わる。スピン軌道トルク配線30に高周波電流を印加すると、第1強磁性層40に注入されるスピンの向きが変化し、第1強磁性層40の磁化は振動する。
スピン流は、第1強磁性層40からスピン伝導層301に至る。第1強磁性層40の磁化は振動しているため、スピン伝導層301を流れるスピン流も磁化に対応して振動する。第1強磁性層40とスピン伝導層301との界面に蓄積されたスピンは、スピン流としてスピン伝導層301内を伝播する。
二つの第1強磁性層40の磁化がそれぞれ生み出すスピン流は、スピン伝導層301内で合流し、干渉する。スピン流の干渉は、それぞれの第1強磁性層40の磁化の振動に影響を及ぼし、二つの第1強磁性層40の磁化の振動が共振する。二つの磁化の振動の位相は、同期する又は半波長(π)ずれる。
スピン軌道トルク配線30への電流Iの印加が止まると、第1強磁性層40磁化の振動は止まる。共振後の第1強磁性層40の磁化は、平行又は反平行となる。2つの振動の位相が同期した場合、二つの磁化の向きが揃い平行となる。2つの振動の位相が半波長(π)ずれた場合は、2つの磁化の向きが逆向きになり、反平行となる。
2つの第1強磁性層40の磁化が平行な場合は、リザボア素子300の抵抗値は反平行な場合より小さくなる。リザボア素子300は、例えば、リザボア素子300の抵抗値が大きい場合(2つの磁化が反平行な場合)に“1”、小さい場合(2つの磁化が平行な場合)に“0”の情報を出力する。
スピン軌道トルク配線30に入力される電流Iは、様々な情報を有する。例えば、電流Iの周波数、電流密度、電流量等である。一方で、リザボア素子300は、抵抗値として、“1”、 “0”の情報を出力する。すなわち、第1実施形態にかかるリザボア素子300は、複数の第1強磁性層40の磁化の振動をスピン流に変換して、スピン伝導層301内で干渉することで、情報を圧縮する。
10 第1絶縁層
20 導電部
20A 第1導電部
20B 第2導電部
21 第1面
22 第2面
23 側面
23A 主面
23B、23Ba、23Bb、23Bc、23Bd、23Be、23Bf 第3面
23C 第4面
23D 第5面
30 スピン軌道トルク配線
40 第1強磁性層
50 非磁性層
60 第2強磁性層
70 キャップ層
31、41、51、61、71、U1 第1側面
32、42、52、62、72、U2 第2側面
33、43、53、63、73 第3側面
34、44、54、64、74 第4側面
80 第2絶縁層
81 ゲート絶縁膜
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子
120 スピン軌道トルク型磁化回転素子
200 磁気メモリ
300 リザボア素子
301 スピン伝導層
U 下地層

Claims (19)

  1. 第1開口と第2開口とを有する第1絶縁層と、
    前記第1開口内に形成された第1導電部と、
    前記第2開口内に形成された第2導電部と、
    前記第1絶縁層の第1方向に位置し、前記第1方向から見て、前記第1導電部と前記第2導電部とに亘って第2方向に延びるスピン軌道トルク配線と、
    前記スピン軌道トルク配線の前記第1絶縁層と反対側に位置する第1強磁性層とを備え、
    前記第1導電部は、前記スピン軌道トルク配線に面する第1面と、前記第1面と対向し前記第1面よりスピン軌道トルク配線から遠い位置にある第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ側面と、を有し、
    前記側面は、連続する主面と、前記主面に対して傾斜又は湾曲し前記主面に対して不連続な第3面と、を有し、
    前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、
    前記スピン軌道トルク配線の第1側面は、前記第1導電部の前記第3面の少なくとも一部と連続する、スピン軌道トルク型磁化回転素子。
  2. 第1開口と第2開口とを有する第1絶縁層と、
    前記第1開口内に形成された第1導電部と、
    前記第2開口内に形成された第2導電部と、
    前記第1絶縁層の第1方向に位置し、前記第1方向から見て、前記第1導電部と前記第2導電部とに亘って第2方向に延びるスピン軌道トルク配線と、
    前記スピン軌道トルク配線の前記第1絶縁層と反対側に位置する第1強磁性層とを備え、
    前記第1導電部は、前記スピン軌道トルク配線に面する第1面と、前記第1面と対向し前記第1面よりスピン軌道トルク配線から遠い位置にある第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ側面と、を有し、
    前記側面は、連続する主面と、前記スピン軌道トルク配線の前記第2方向の側面に接し前記主面に対して傾斜又は湾曲し前記主面に対して不連続な第3面と、前記主面及び前記第3面に対して傾斜又は湾曲し前記主面および前記第3面に対して不連続な第4面及び第5面と、を有し、
    前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向と交差する第3方向に、第3側面と第4側面とを有し、
    前記スピン軌道トルク配線の第3側面は、前記第4面の少なくとも一部と連続し、
    前記スピン軌道トルク配線の第4側面は、前記第5面の少なくとも一部と連続する、スピン軌道トルク型磁化回転素子。
  3. 第1開口と第2開口とを有する第1絶縁層と、
    前記第1開口内に形成された第1導電部と、
    前記第2開口内に形成された第2導電部と、
    前記第1絶縁層の第1方向に位置し、前記第1方向から見て、前記第1導電部と前記第2導電部とに亘って第2方向に延びるスピン軌道トルク配線と、
    前記スピン軌道トルク配線の前記第1絶縁層と反対側に位置する第1強磁性層とを備え、
    前記第1導電部は、前記スピン軌道トルク配線に面する第1面と、前記第1面と対向し前記第1面よりスピン軌道トルク配線から遠い位置にある第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ側面と、を有し、
    前記側面は、連続する主面と、前記スピン軌道トルク配線の前記第2方向の側面に接し前記主面に対して傾斜又は湾曲し前記主面に対して不連続な第3面と、を有し、
    前記第1強磁性層及び前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、
    前記第1強磁性層の第1側面は、前記スピン軌道トルク配線の第1側面と連続し、
    前記第1強磁性層の第2側面は、前記スピン軌道トルク配線の第2側面と連続する、スピン軌道トルク型磁化回転素子。
  4. 第1開口と第2開口とを有する第1絶縁層と、
    前記第1開口内に形成された第1導電部と、
    前記第2開口内に形成された第2導電部と、
    前記第1絶縁層の第1方向に位置し、前記第1方向から見て、前記第1導電部と前記第2導電部とに亘って第2方向に延びるスピン軌道トルク配線と、
    前記スピン軌道トルク配線の前記第1絶縁層と反対側に位置する第1強磁性層とを備え、
    前記第1導電部は、前記スピン軌道トルク配線に面する第1面と、前記第1面と対向し前記第1面よりスピン軌道トルク配線から遠い位置にある第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ側面と、を有し、
    前記側面は、連続する主面と、前記スピン軌道トルク配線の前記第2方向の側面に接し前記主面に対して傾斜又は湾曲し前記主面に対して不連続な第3面と、前記主面及び前記第3面に対して傾斜又は湾曲し前記主面及び前記第3面に対して不連続な第4面及び第5面と、を有し、
    前記第1強磁性層及び前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向と交差する第3方向に、第3側面と第4側面とを有し、
    前記第1強磁性層の第3側面は、前記スピン軌道トルク配線の第3側面と連続し、
    前記第1強磁性層の第4側面は、前記スピン軌道トルク配線の第4側面と連続する、スピン軌道トルク型磁化回転素子。
  5. 第1開口と第2開口とを有する第1絶縁層と、
    前記第1開口内に形成された第1導電部と、
    前記第2開口内に形成された第2導電部と、
    前記第1絶縁層の第1方向に位置し、前記第1方向から見て、前記第1導電部と前記第2導電部とに亘って第2方向に延びるスピン軌道トルク配線と、
    前記スピン軌道トルク配線の前記第1絶縁層と反対側に位置する第1強磁性層とを備え、
    前記第1導電部は、前記スピン軌道トルク配線に面する第1面と、前記第1面と対向し前記第1面よりスピン軌道トルク配線から遠い位置にある第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ側面と、を有し、
    前記側面は、連続する主面と、前記スピン軌道トルク配線の前記第2方向の側面に接し前記主面に対して傾斜又は湾曲し前記主面に対して不連続な第3面と、を有し、
    前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、前記第2方向と交差する第3方向に第3側面と第4側面とを有し、
    前記スピン軌道トルク配線の第1側面の前記第1方向に対する傾斜角は、
    前記スピン軌道トルク配線の第3側面及び前記スピン軌道トルク配線の第4側面の前記第1方向に対する傾斜角より大きい、スピン軌道トルク型磁化回転素子。
  6. 第1開口と第2開口とを有する第1絶縁層と、
    前記第1開口内に形成された第1導電部と、
    前記第2開口内に形成された第2導電部と、
    前記第1絶縁層の第1方向に位置し、前記第1方向から見て、前記第1導電部と前記第2導電部とに亘って第2方向に延びるスピン軌道トルク配線と、
    前記スピン軌道トルク配線の前記第1絶縁層と反対側に位置する第1強磁性層とを備え、
    前記第1導電部は、前記スピン軌道トルク配線に面する第1面と、前記第1面と対向し前記第1面よりスピン軌道トルク配線から遠い位置にある第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ側面と、を有し、
    前記側面は、連続する主面と、前記スピン軌道トルク配線の前記第2方向の側面に接し前記主面に対して傾斜又は湾曲し前記主面に対して不連続な第3面と、を有し、
    前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、
    前記スピン軌道トルク配線の第1側面の前記第2方向に対する傾斜角が45°以上である、スピン軌道トルク型磁化回転素子。
  7. 前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、
    前記スピン軌道トルク配線の第1側面は、前記第1導電部の前記第3面の少なくとも一部と連続する、請求項2〜6のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  8. 前記第1導電部の前記側面は、前記主面及び前記第3面に対して傾斜又は湾曲し前記主面及び前記第3面に対して不連続な第4面及び第5面をさらに有し、
    前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向と交差する第3方向に、第3側面と第4側面とを有し、
    前記スピン軌道トルク配線の第3側面は、前記第4面の少なくとも一部と連続し、
    前記スピン軌道トルク配線の第4側面は、前記第5面の少なくとも一部と連続する、請求項1、3〜7のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  9. 前記第1強磁性層及び前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、
    前記第1強磁性層の第1側面は、前記スピン軌道トルク配線の第1側面と連続し、
    前記第1強磁性層の第2側面は、前記スピン軌道トルク配線の第2側面と連続する、請求項1、2、4〜8のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  10. 前記第1強磁性層及び前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向と交差する第3方向に、第3側面と第4側面とを有し、
    前記第1強磁性層の第3側面は、前記スピン軌道トルク配線の第3側面と連続し、
    前記第1強磁性層の第4側面は、前記スピン軌道トルク配線の第4側面と連続する、請求項1、3、5〜9のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  11. 前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、前記第2方向と交差する第3方向に第3側面と第4側面とを有し、
    前記スピン軌道トルク配線の第1側面の前記第1方向に対する傾斜角は、
    前記スピン軌道トルク配線の第3側面及び前記スピン軌道トルク配線の第4側面の前記第1方向に対する傾斜角より大きい、請求項1〜4、6〜10のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  12. 前記スピン軌道トルク配線は、前記第2方向に、第1側面と第2側面とを有し、
    前記スピン軌道トルク配線の第1側面の前記第2方向に対する傾斜角が45°以上である、請求項1〜5、7〜11のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  13. 前記第3面は、前記第1方向に対して傾斜又は湾曲している、請求項1〜12のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  14. 前記第3面は、前記第1方向に対して傾斜又は湾曲する第1部分と、前記第1部分に対して傾斜又は湾曲する第2部分とを有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  15. 前記スピン軌道トルク配線と前記第1強磁性層との間に下地層をさらに有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子と、
    前記第1強磁性層の前記第1方向に位置する第2強磁性層と、
    前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間に位置する非磁性層と、を有する、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子。
  17. 複数の請求項16に記載のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子と、
    複数のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子を繋ぐ配線と、を備える、磁気メモリ。
  18. 複数の請求項1〜15のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子と、
    前記複数のスピン軌道トルク型磁化回転素子の前記第1強磁性層を繋ぐスピン伝導層と、を備える、リザボア素子。
  19. 第1開口と第2開口とを有する第1絶縁層と、
    前記第1開口内に形成された第1導電部と、
    前記第2開口内に形成された第2導電部と、
    前記第1絶縁層の第1方向に位置し、前記第1方向から見て、前記第1導電部と前記第2導電部とに亘って第2方向に延びるスピン軌道トルク配線と、
    前記スピン軌道トルク配線の前記第1絶縁層と反対側に位置する第1強磁性層とを備え、
    前記第1導電部は、前記スピン軌道トルク配線に面する第1面と、前記第1面と対向し前記第1面よりスピン軌道トルク配線から遠い位置にある第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ側面と、を有し、
    前記側面は、連続する主面と、前記スピン軌道トルク配線の前記第2方向の側面に接し前記主面に対して傾斜又は湾曲し前記主面に対して不連続な第3面と、を有する、スピン軌道トルク型磁化回転素子と、
    前記複数のスピン軌道トルク型磁化回転素子の前記第1強磁性層を繋ぐスピン伝導層と、を備える、リザボア素子。
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