JP6695112B2 - ポリイソシアネート組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種又は2種以上と、水酸基平均官能基数が4.0以上10以下である多価ヒドロキシ化合物とから得られるポリイソシアネートと、
下記式(I)で表わされる亜リン酸トリエステル化合物と、を含有するポリイソシアネ
ート組成物であって、
前記ポリイソシアネート組成物は、該ポリイソシアネート組成物の総量に対して、前記亜リン酸トリエステル化合物を10質量ppm以上10000質量ppm以下含有し、かつ下記(1)〜(4)を全て満たすポリイソシアネート組成物。
P(OR1)(OR2)(OR3) (I)
(式(I)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、炭素数1〜20個の直鎖状、分岐状、又は環状を含むアルキル基、又はアリール基を表わす。)
(1)イソシアネート平均官能基数が4.0以上20以下
(2)イソシアネート濃度が5.0質量%以上20重量%以下
(3)粘度が2000mPa・s/25℃以上200,000mPa.s/25℃以下
(4)イソシアネート環状3量体濃度が10質量%以下
[2]
前記ポリイソシアネートは、その構造中にアロファネート結合及びウレタン結合を有する、[1]に記載のポリイソシアネート組成物。
[3]
前記多価ヒドロキシ化合物は、プロピレンオキサイド付加物ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールからなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]又は[2]に記載のポリイソシアネート組成物。
[4]
脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種又は2種以上と、水酸基平均官能基数が4.0以上10以下である多価ヒドロキシ化合物とを反応させて、ポリイソシアネートを得る反応工程と、
前記ポリイソシアネートと下記式(I)で表わされる亜リン酸トリエステル化合物とを
混合し、ポリイソシアネート組成物を得る混合工程と、を有し、
前記ポリイソシアネート組成物は、該ポリイソシアネート組成物の総量に対して、前記亜リン酸トリエステル化合物を10質量ppm以上10000質量ppm以下含有し、かつ下記(1)〜(4)を全て満たす、ポリイソシアネート組成物の製造方法。
P(OR1)(OR2)(OR3) (I)
(式(I)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、炭素数1〜20個の直鎖状、分岐状、又は環状を含むアルキル基、又はアリール基を表わす。)
(1)イソシアネート平均官能基数が4.0以上20以下
(2)イソシアネート濃度が5.0質量%以上20重量%以下
(3)粘度が2000mPa・s/25℃以上200,000mPa.s/25℃以下
(4)イソシアネート環状3量体濃度が10質量%以下
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種又は2種以上と、水酸基平均官能基数が4.0以上10以下である多価ヒドロキシ化合物とから得られるポリイソシアネートと、下記式(I)で表される亜リン酸トリエステル化合物とを含有する。
P(OR1)(OR2)(OR3) (I)
式(I)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、炭素数1〜20個の直鎖状、分岐状、又は環状を含むアルキル基、又はアリール基を表わす。
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物は、該ポリイソシアネート組成物の総量に対して、上記亜リン酸トリエステル化合物を10質量ppm以上10000質量ppm以下含有し、かつ下記(1)〜(4)を全て満たす。
(1)イソシアネート平均官能基数が4.0以上20以下
(2)イソシアネート濃度が5.0質量%以上20質量%以下
(3)粘度が2000mPa・s/25℃以上200,000mPa.s/25℃以下
(4)イソシアネート環状3量体濃度が10質量%以下
本実施形態のポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環式ジイソシアネートのジイソシアネートと、特定のポリオール化合物とを原料として得られる。
上記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、炭素数4〜30の脂肪族ジイソシアネートが好ましい。炭素数4〜30の脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン(以下、「HDI」と略する)、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネートが挙げられる。この中でも、工業的入手のしやすさからHDIがより好ましい。脂肪族ジイソシアネートは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の多価ヒドロキシ化合物は、水酸基平均官能基数が4.0以上10以下であり、好ましくは4.0以上8.0以下である。水酸基平均官能基数とは、多価ヒドロキシ化合物1分子が統計的に有する水酸基の数である。特に多価ヒドロキシ化合物が重合体である場合には、多価ヒドロキシ化合物の数平均分子量と多価ヒドロキシ化合物1.0質量部に含まれる全水酸基質量部数(以下、「水酸基濃度」という)から下記一般式(1)で算出される。
本実施形態のポリイソアネート組成物は、貯蔵前後の粘度変化及びNCO含有率変化の低減の観点から、下記式(I)で表される亜リン酸トリエステル化合物を、該ポリイソシ
アネート組成物の総量に対して、10質量ppm以上10000質量ppm以下含有する。
P(OR1)(OR2)(OR3) (I)
式(I)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、炭素数1〜20個の直鎖状、分岐状、又は環状を含むアルキル基、又はアリール基を表わす。亜リン酸トリエステル化合物を上記範囲で含有することで、貯蔵前後における粘度変化、NCO含有率変化、及び色度変化を低減することができる。
状、又は環状を含むアルキル基、又はアリール基を表わす。R1、R2、及びR3の具体例としては、各々独立に、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ベンジル基が挙げられる。R1、R2、及びR3の炭素数の上限値は、各々独立に、貯蔵前後における色度変化、粘度変化、分子量変化を低減する観点から、20であり、好ましくは18である。R1、R2、及びR3は、各々独立に、好ましくは全て直鎖状若しくは分岐状である組み合わせ、又は直鎖状若しくは分岐状のものと環状のものとの組み合わせが、より貯蔵前後の色度変化を抑制する観点から好ましい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法は、反応工程と混合工程とを有する。反応工程は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種又は2種以上と、水酸基平均官能基数が4.0以上10以下である多価ヒドロキシ化合物とを反応させてポリイソシアネートを得る。
また、混合工程は、上記ポリイソシアネートと下記式(I)で表わされる亜リン酸トリ
エステル化合物とを混合し、ポリイソシアネート組成物を得る。ここで、得られたポリイソシアネート組成物は、該ポリイソシアネート組成物の総量に対して、上記亜リン酸トリエステル化合物を10質量ppm以上10000質量ppm以下含有し、かつ下記(1)〜(4)を全て満たす。
P(OR1)(OR2)(OR3) (I)
式(I)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、炭素数1〜20個の直鎖状、分岐状、又は環状を含むアルキル基、又はアリール基を表わす。
(1)イソシアネート平均官能基数が4.0以上20以下
(2)イソシアネート濃度が5.0質量%以上20重量%以下
(3)粘度が2000mPa・s/25℃以上200,000mPa.s/25℃以下
(4)イソシアネート環状3量体濃度が10質量%以下
本実施形態の反応工程は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種又は2種以上と、水酸基平均官能基数が4.0以上10以下である多価ヒドロキシ化合物とを反応させて上述したポリイソシアネートを得る工程であれば、特に限定されない。
本実施形態の混合工程は、上述したポリイソシアネートと下記式(I)で表わされる亜
リン酸トリエステル化合物とを混合し、ポリイソシアネート組成物を得る工程であれば、特に限定されない。ここで、得られたポリイソシアネート組成物は、該ポリイソシアネート組成物の総量に対して、上記亜リン酸トリエステル化合物を10質量ppm以上10000質量ppm以下含有し、かつ下記(1)〜(4)を全て満たす。
P(OR1)(OR2)(OR3) (I)
式(I)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、炭素数1〜20個の直鎖状、分岐状、又は環状を含むアルキル基、又はアリール基を表わす。
(1)イソシアネート平均官能基数が4.0以上20以下
(2)イソシアネート濃度が5.0質量%以上20重量%以下
(3)粘度が2000mPa・s/25℃以上200,000mPa.s/25℃以下
(4)イソシアネート環状3量体濃度が10質量%以下
本実施形態の塗料組成物又はコーティング組成物は、本実施形態のポリイソシアネート組成物をそれらの硬化剤等として含有する。また、塗料組成物は、主剤として樹脂成分を含有する。塗料組成物は、特に限定されないが、例えば、樹脂成分として活性水素を分子内に2個以上有する化合物を含有する樹脂又はその溶剤希釈物に、必要に応じて、他の樹脂、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を加え、本実施形態のポリイソシアネート組成物を硬化剤として添加し、必要に応じて更に溶剤を添加して粘度を調整した後、手攪拌、又はマゼラー等の攪拌機器により攪拌することによって得られる。
ポリイソシアネート組成物の数平均分子量は、下記の装置を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、単に「GPC」という)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量として求めた。
装置:東ソー社製の商品名「HLC−802A」
カラム:東ソー社製の商品名「G1000HXL」×1本、商品名「G2000HXL」×1本、商品名「G3000HXL」×1本
キャリアー:テトラヒドロフラン
検出方法:示差屈折率計
上記(物性1)のGPC測定で得られたジイソシアネート環状3量体相当の分子量(例えば、HDI環状3量体であれば分子量:504)のピークの濃度を、得られたピーク面積全体に対する面積パーセントとして求めた。
ポリイソシアネート組成物を試料として、ウレタン基及びアロファネート基に関する比率は、試料の1H−NMR測定を行うことによって求めた。測定は、具体的に次の測定条件であった。
1H−NMR装置:RESONANCE EC400(JEOL社製の商品名)
観測核(周波数):1H(400MHz)
溶剤(試料濃度):CDCL3(5質量/vol%)
積算回数:256回
測定温度:50℃
化学シフト基準:TMS 0ppm
上記の測定で得られた測定結果について以下のように、シグナルの積分値を測定している炭素の数で除してウレタン基及びアロファネート基のモル比を求め、その値からアロファネート結合濃度を求め、以下の基準で分類した。◎、○、×の順でアロファネート結合濃度が小さくなる。
ウレタン基のモル比:4.7ppm付近:積分値÷1
アロファネート基モル比:8.5ppm付近:積分値÷1
アロファネート結合濃度=[アロファネート基モル比/(アロファネート基モル比+ウレタン基モル比)]
◎:アロファネート結合濃度が0.9以上
○:アロファネート結合濃度が0.9未満0.1以上
×:アロファネート結合濃度が0.1未満
得られたポリイソシアネート組成物の粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下の通りとした。
100rpm ( 128mPa・s未満の場合)
50rpm ( 128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20rpm ( 256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10rpm ( 640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5.0rpm (1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
得られたポリイソシアネート組成物の色度を、着色度(ハーゼン色数)により測定した。ハーゼン色数は、JIS K0071−1に準じて測定した。
得られたポリイソシアネート組成物を試料として、NCO含有率(質量%)は、試料中のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。なお、後述する実施例及び比較例で作製したポリイソシアネート組成物の不揮発分を上述した方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した。
得られたポリイソシアネート組成物を試料として、最初に、20mLサンプル瓶をデジタル天秤に乗せ試料を約1g精秤した。次に、ニトロベンゼン(内部標準液)を0.03g〜0.04g加え精秤した。最後に、酢酸エチルを約9mL加えた後、蓋をしっかりして良く混合し、サンプルを調整した。調製した調整液を以下の装置及び条件で、ガスクロマトグラフィー分析し、HDIモノマー濃度を定量した。
装置:島津製作所社製商品名「GC−8A」
カラム:信和化工社製商品名「Silicone OV−17」
カラムオーブン温度:120℃
インジェクション/ディテクター温度:160℃
得られたポリイソシアネート組成物をサンプル瓶に添加し、50℃下で、30日間貯蔵し、貯蔵後の着色度(ハーゼン色数)を測定した。ハーゼン色数は、JIS K0071−1に準じて測定した。上記(物性5)において測定したハーゼン色数に対して、貯蔵後のハーゼン色数が増加した数値から、以下の基準で評価した。◎、○、△、×の順で貯蔵前後の色度変化が大きくなっていることを示す。
◎:増加した数値が50未満
○:増加した数値が50以上75未満
△:増加した数値が75以上100未満
×:増加した数値が100以上
得られたポリイソシアネート組成物をサンプル瓶に添加し、50℃下で、30日間貯蔵し、上記物性(4)と同様の測定条件により、貯蔵後の粘度を測定した。上記物性(4)において測定した粘度に対して、貯蔵後の粘度が変化した割合(%)から、以下の基準で評価した。◎、○、△、×の順で貯蔵前後の粘度変化が大きくなっていることを示す。
◎:変化した割合が7.5%未満
○:変化した割合が7.5%以上10.0%未満
△:変化した割合が10.0%以上15.0%未満
×:変化した割合が15.0%以上
得られたポリイソシアネート組成物をサンプル瓶に添加し、50℃下で、30日間貯蔵し、上記物性(6)と同様の測定条件により、貯蔵後のNCO含有率を測定した。上記物性(6)において測定したNCO含有率に対して、貯蔵後のNCO含有率が低下した割合(%)から、以下の基準で評価した。○、△、×の順で貯蔵前後のNCO含有率変化が大きくなっていることを示す。
○:低下した割合が0.10%未満
△:低下した割合が0.10%以上0.20%未満
×:低下した割合が0.20%以上
20℃で1日硬化させた後の塗装塗膜を、その質量を測定した後に、アセトンに20℃で24時間浸漬した。浸漬後に残った未溶解部分の質量を測定し、浸漬前の質量に対する割合を求め、以下の基準でゲル分率を評価した。○、×の順でゲル分率が小さくなっていることを示す。
○:80%以上
×:80%未満
なお、主剤にエポキシポリオールを用いた塗装塗膜の場合は、アセトンをメタノールに替えて用いた。
塗料溶液をエアースプレーガンで乾燥膜厚が100ミクロンになるように垂直面に塗装し、以下の基準でタレ性を評価した。
○:塗装面よりのタレが未発生
×:塗装面よりのタレが発生
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI600部、4価ヒドロキシル化合物であるポリエーテルポリオール(アデカ社の商品名「アデカニューポリオールWR−474」、表1中では単に「WR−474」)169部(イソシアネート基/水酸基(NCO/OH)の当量比5/1)を仕込み、撹拌下反応器内温度を120℃に3時間保持した。反応液温度を下げ、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の分子量をGPCで測定し、イソシアネート濃度を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートが生成していることを確認した。このポリイソシアネートに対し、アデカスタブHP1500(アデカ社製商品名)を500質量ppm添加し、窒素雰囲気下、50℃で1時間攪拌し、ポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物の25℃における粘度は20,000mPa・s、NCO含有率は13.2%、数平均分子量は1,690であり、イソシアネート平均官能基数は5.3、イソシアネート環状3量体濃度は1.7%であった。またこのポリイソシアネート組成物のアロファネート結合濃度は○の分類であった。
実施例2〜16、比較例1〜2、及び比較例4〜7について、実施例1と同様の装置を用いて、表1に示す反応条件で反応を行い、実施例1と同様の方法で未反応HDIを除去し、ポリイソシアネートを得た。得られたポリイソシアネートに表1記載の亜リン酸トリエステル化合物を所定量添加した以外は、実施例1と同様の方法でポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物の物性を表1に示す。表1中において、「SP−600」は6価ヒドロキシル化合物であるポリエーテルポリオール(アデカ社製の商品名「アデカニューポリオールSP−600」)、「SP−800」は8価ヒドロキシル化合物であるポリエーテルポリオール(アデカ社製の商品名「アデカニューポリオールSP−800」)、「HP−2000」は5価ヒドロキシル化合物であるポリエーテルポリオール(アデカ社製の商品名「アデカニューポリオールHP−2000」)、「HP−1030」は5価ヒドロキシル化合物であるポリエーテルポリオール(アデカ社製の商品名「アデカニューポリオールHP−1030」)、「P−400」は2価ヒドロキシル化合物であるポリエーテルポリオール(アデカ社製の商品名「アデカニューポリオールP−400」)、「G−400」は3価ヒドロキシル化合物であるポリエーテルポリオール(アデカ社製の商品名「アデカニューポリオールG−400」)の多価ヒドロキシ化合物を示す。また、表1中において、「SUMILIZER GP」(住友化学社製の商品名)は6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ゾジオキサホスフェピン、「アデカスタブHP10」(アデカ社製の商品名)は2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、「JP333E」(城北化学工業社製の商品名)はトリス(トリデシル)ホスファイト、「IRGAFOS168」(BASF社製の商品名)はトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトの亜リン酸トリエステル化合物を示す。
実施例1と同様の装置に、HDI600部と1,3−ブタンジオール11部を仕込み、窒素雰囲気、撹拌下反応器内温度を80℃に2時間保持した。その後、反応器内温度を60℃に4時間保持し、イソシアヌレート化反応触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が28%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートを得た。得られたポリイソシアネートに表1記載の亜リン酸トリエステル化合物を所定量添加した以外は、実施例1と同様の方法でポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物の物性を表1に示す。
硬化剤として実施例1で得られたポリイソシアネート組成物と、主剤としてアクリルポリオール(DIC社製商品名「アクリディックA801」、表2中では単に「A801」、樹脂分水酸基:100mgKOH/g)とを、イソシアネート/水酸基の当量比率が1.0になるように配合し、これにシンナーとして酢酸エチル/トルエン/酢酸ブチル/キシレン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの質量比30/30/20/15/5の混合液を加え、フォードカップ#4で20秒/20℃に調整した。得られた塗料溶液を用いて塗装面のタレ性を評価したところ、タレの発生はなく、タレ性は良好であった。塗装塗膜を20℃で1日乾燥後測定したゲル分率は○の評価であった。
実施例17において用いたアクリルポリオールに替えて、ポリエステルポリオール(バイエル社製商品名「デェスモフェン670」、表2中で単に「670」、水酸基濃度:3.4%)を用いた以外は、実施例17と同様にして、塗装を行い、評価した。タレの発生はなく、塗装塗膜のゲル分率は○の評価であった。
表2に示す主剤及び硬化剤を用いた以外は実施例17と同様に行った。得られた結果を表2に示す。
表2に示す硬化剤を用いた以外は実施例17と同様に行った。得られた結果を表2に示す。
Claims (4)
- 脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種又は2種以上と、水酸基平均官能基数が4.0以上10以下である多価ヒドロキシ化合物とから得られるポリイソシアネートと、
下記式(I)で表わされる亜リン酸トリエステル化合物と、を含有するポリイソシアネート組成物であって、
前記ポリイソシアネート組成物は、該ポリイソシアネート組成物の総量に対して、前記亜リン酸トリエステル化合物を10質量ppm以上10000質量ppm以下含有し、かつ下記(1)〜(4)を全て満たすポリイソシアネート組成物(ただし、フェノール系酸化防止剤を含有するものを除く。)。
P(OR1)(OR2)(OR3) (I)
(式(I)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、炭素数1〜20個の直鎖状、分岐状、又は環状を含むアルキル基、又はアリール基を表わす。)
(1)イソシアネート平均官能基数が4.0以上20以下
(2)イソシアネート濃度が5.0質量%以上20重量%以下
(3)粘度が2000mPa・s/25℃以上200,000mPa.s/25℃以下
(4)イソシアネート環状3量体濃度が10質量%以下 - 前記ポリイソシアネートは、その構造中にアロファネート結合及びウレタン結合を有する、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
- 前記多価ヒドロキシ化合物は、プロピレンオキサイド付加物ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
- 脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種又は2種以上と、水酸基平均官能基数が4.0以上10以下である多価ヒドロキシ化合物とを反応させて、ポリイソシアネートを得る反応工程と、
前記ポリイソシアネートと下記式(I)で表わされる亜リン酸トリエステル化合物とを混合し、ポリイソシアネート組成物を得る混合工程と、を有し、
前記ポリイソシアネート組成物は、該ポリイソシアネート組成物の総量に対して、前記亜リン酸トリエステル化合物を10質量ppm以上10000質量ppm以下含有し、かつ下記(1)〜(4)を全て満たす、ポリイソシアネート組成物(ただし、フェノール系酸化防止剤を含有するものを除く。)の製造方法。
P(OR1)(OR2)(OR3) (I)
(式(I)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、炭素数1〜20個の直鎖状、分岐状、又は環状を含むアルキル基、又はアリール基を表わす。)
(1)イソシアネート平均官能基数が4.0以上20以下
(2)イソシアネート濃度が5.0質量%以上20重量%以下
(3)粘度が2000mPa・s/25℃以上200,000mPa.s/25℃以下
(4)イソシアネート環状3量体濃度が10質量%以下
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