JP6437837B2 - ポリイソシアネート組成物、塗料組成物、及び塗膜 - Google Patents
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Description
[1]脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートと、モノアルコールと、から得られ、
前記脂肪族ジイソシアネートの構成単位の前記脂環族ジイソシアネートの構成単位に対するモル比が、75/25以上95/5以下であり、
前記モノアルコールは、炭素数3以上20以下のモノアルコールを2種以上含む、ポリイソシアネート組成物。
[2]前記モノアルコールは、炭素数3以上6以下のモノアルコールと、炭素数7以上20以下のモノアルコールと、を含む、[1]に記載のポリイソシアネート組成物。
[3]前記ポリイソシアネート組成物が有する、アロファネート基のイソシアヌレート基に対するモル比が、3/97以上40/60以下である、[1]又は[2]に記載のポリイソシアネート組成物。
[4]アニリン点が10℃以上70℃以下である低極性有機溶剤をさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物と、ポリオールと、を含む、塗料組成物。
[6][5]に記載の塗料組成物により形成される、塗膜。
本実施形態におけるポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートと、モノアルコールと、から得られる。また、当該脂肪族ジイソシアネートの構成単位の当該脂環族ジイソシアネートの構成単位に対するモル比は、75/25以上95/5以下である。さらに、当該モノアルコールは、炭素数3以上20以下のモノアルコールを2種以上含む。
本実施形態におけるポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートから誘導される。そのため、ポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネートの構成単位と、脂環族ジイソシアネートの構成単位と、を有する。以下、脂肪族ジイソシアネートと脂環族ジイソシアネートを総称してジイソシアネート又はジイソシアネートモノマーともいう。
本実施形態におけるモノアルコールは、炭素数3以上20以下のモノアルコールを2種以上含む。2種以上のモノアルコールを含むことで、ポリイソシアネート組成物を低極性有機溶剤に対して可溶とし、重ね塗り工程での塗膜縮みを防止する。
本実施形態における塗料組成物は、上述したポリイソシアネート組成物と、ポリオールと、を含む。ポリオールとしては、以下のものに限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素ポリオール類、含フッ素系ポリオール類、含ケイ素系ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、エポキシ樹脂類、アクリルポリオール類、及びアルキドポリオール類の中の1種類並びにその混合物が挙げられる。これらの中でも、低極性有機溶剤に溶解している主剤であるポリオール、又は分散しているいわゆるNAD系の主剤であるポリオールは、塗替え作業の際に旧塗膜を侵しにくい傾向にあるので好ましい。また、ポリオールを溶解させている低極性有機溶剤のアニリン点が、10℃以上70℃以下であれば、旧塗膜を一段と侵しにくい傾向にあるためより好ましく、PRTR対象物質を含有していない低極性有機溶剤であれば、環境へ与える影響が小さくなる傾向にあるためより好ましい。さらに、低極性有機溶剤に溶解あるいは分散しているポリオールの中でも、アクリルポリオール、含フッ素系ポリオール、含ケイ素系ポリオールは耐候性が優れる傾向にあるためにさらに好ましい。またさらに、含フッ素系ポリオールは、より耐候性が優れる傾向にあるため、よりさらに好ましい。主剤であるポリオールは、上記のポリオール単独で用いても、混合して用いてもよい。
本実施形態における塗膜は、本実施形態の塗料組成物により形成される。塗膜を形成する方法としては、本実施形態の塗料組成物を硬化することにより塗膜を得ることが好ましい。このように構成されているため、本実施形態の塗膜は、塗膜硬度が高く、重ね塗り工程で塗膜縮みが発生しにくい塗膜である。塗膜を形成される被塗物としては、以下のものに限定されないが、例えば、金属、木材、ガラス、石、セラミック材料、コンクリート、硬質及び可撓性プラスチック、繊維製品、皮革製品、紙が挙げられる。場合により、被塗物は、塗料組成物を用いて、塗装する前に通常のプライマーを備えてもよい。
後述する合成例1〜9中の反応液を試料として、屈折率計(商品名:RA−520 京都電子工業株式会社製)を用いて、30℃の屈折率の変化を測定した。
ポリイソシアネート組成物を試料として、イソシアネート基含有率の測定は、JIS K7301−1995(熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法)に記載の方法に従って実施した。以下に、より具体的なイソシアネート基含有率の測定方法を示す。
(1)試料1gを200mL三角フラスコに採取し、該フラスコにトルエン20mLを添加し、試料を溶解させた。
(2)その後、上記フラスコに2.0Nのジ−n−ブチルアミン・トルエン溶液20mLを添加し、15分間静置した。
(3)上記フラスコに2−プロパノール70mLを添加し、溶解させて溶液を得た。
(4)上記(3)で得られた溶液について、1.0Nの塩酸を用いて滴定を行い、試料滴定量を求めた。
(5)試料を添加しない場合にも、上記(1)〜(3)と同様の方法で測定を実施し、ブランク滴定量を求めた。
上記で求めた試料滴定量及びブランク滴定量から、イソシアネート基含有率を以下の計算方法により算出した。
イソシアネート基含有率(質量%)=(ブランク滴定量−試料滴定量)×42/[試料質量(g)×1,000]×100%。
ポリイソシアネート組成物を試料として、E型粘度計(商品名:RE−85R 東機産業株式会社製)を用いて25℃での粘度を測定した。標準ローター(1°34′×R24)を用い、回転数は以下の通りに設定した。
100r.p.m.( 128mPa.s未満の場合)
50r.p.m.( 128mPa.s〜 256mPa.sの場合)
20r.p.m.( 256mPa.s〜 640mPa.sの場合)
10r.p.m.( 640mPa.s〜 1280mPa.sの場合)
5r.p.m.( 1280mPa.s〜 2560mPa.sの場合)
2.5r.p.m.( 2560mPa.s〜 5120mPa.sの場合)
1.0r.p.m.( 5120mPa.s〜10240mPa.sの場合)
0.5r.p.m.(10240mPa.s〜20480mPa.sの場合)
13C−NMRの測定方法を用いて、次のように測定した。ポリイソシアネート組成物を重水素クロロホルムに20質量%の濃度で溶解した(溶解後に、ポリイソシアネート組成物に対して0.03質量%テトラメチルシランを添加)。化学シフト基準は、テトラメチルシランのメチル基の炭素のシグナルを0ppmとした。NNE法と呼ぶ定量モードで測定した。この測定条件では、IPDIの構成単位のシクロヘキサン環からでている2種類のメチル基の炭素のシグナルは、31.5〜32.5ppm付近と、27.0〜28.0ppm付近に観察された。HDIの構成単位のヘキサメチレン鎖の2〜5位の炭素は、26.0〜27.0ppm付近と27.0〜28.0ppm付近と29.0〜30.0ppm付近と31.0〜31.5ppm付近に観察された。従って、HDIの構成単位のIPDIの構成単位に対するモル比(HDI/IPDI)は、これらのシグナルから、以下の如く求めた。
1. 31.5〜32.5ppm付近のIPDIの構成単位由来のシグナルの面積を1.0とし、各シグナルの面積を変換した。
2. HDI/IPDIを以下の式で求めた。
HDI/IPDI=((26.0〜27.0ppm付近のシグナルの面積+27.0〜28.0ppm付近のシグナルの面積+29.0〜30.0ppm付近のシグナルの面積+31.0〜31.5ppm付近のシグナルの面積)/(27.0〜28.0ppm付近で観察されるIPDIの構成単位のシクロヘキサン環からでているメチル基のうちの1つの炭素のシグナルに相当する面積))/4
1H−NMRの測定方法を用いて、次のように測定した。ポリイソシアネート組成物を重水素クロロホルムに10質量%の濃度で溶解した(溶解後に、ポリイソシアネート組成物に対して0.03質量%テトラメチルシランを添加)。化学シフト基準は、テトラメチルシランの水素のシグナルを0ppmとした。1H−NMRにて測定し、8.5ppm付近のアロファネート基の窒素に結合した水素原子(アロファネート基1モルに対して、1モルの水素原子)のシグナルと、3.85ppm付近のイソシアヌレート基に隣接したメチレン基の水素原子(イソシアヌレート基1モルに対して、6モルの水素原子)のシグナル面積比を測定した。アロファネート基のイソシアヌレート基に対するモル比(アロファネート基/イソシアヌレート基)は以下の計算式により求めた。
アロファネート基/イソシアヌレート基=(8.5ppm付近のシグナル面積)/(3.85ppm付近のシグナル面積/6)
低極性有機溶剤への溶解性は、23℃の条件で、ポリイソシアネート組成物に対して、HAWSを撹拌しながら徐々に加えていき、濁り始めた時点の質量を測定して、以下の式で求めた。低極性有機溶剤への溶解性1000%以上である場合を「○」、800%以上1000%未満である場合を「△」、800%未満である場合を「×」と評価した。
低極性有機溶剤への溶解性(%)=((濁り始めた時点の低極性有機溶剤の質量(g))/(ポリイソシアネート化合物の質量(g))×100
塗膜の硬化初期のゲル分率の測定を行なうことにより、硬化性を評価した。塗料組成物を、ポリプロピレン板に膜厚が約50ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した後、23℃で2日間乾燥した場合のゲル分率を測定した。また、ゲル分率は、硬化性の指標であって、塗膜約0.1gをアセトン中に23℃で24時間浸漬し、塗膜取り出し後、80℃1時間乾燥した塗膜の質量から求めた。ゲル分率が80%以上である場合を「○」、70%以上80%未満である場合を「△」、70%未満である場合を「×」と評価した。なお、(評価1)で「×」と評価したポリイソシアネート組成物は、これを用いて塗膜を作製しなかったため、「未評価」とした。
乾燥性の指標として、塗膜のガーゼ乾燥性の測定を実施した。ガラス板に膜厚が約50ミクロンになるようにバーコーターを用いて、塗料組成物を塗布した後、23℃で4時間乾燥した場合の乾燥性を測定した。塗膜上に日本局方ガーゼを5枚重ね、その上に100gの分銅を60秒間置いた。その後、分銅とガーゼを取り除き、塗膜上に残ったガーゼ跡を観察する。跡なしの場合を「○」、跡が僅かに残る場合を「△」、跡がはっきり残る場合を「×」と評価した。なお、(評価1)で「×」と評価したポリイソシアネート組成物は、これを用いて塗膜を作製しなかったため、「未評価」とした。
JIS K 5600−5−4:引っかき硬度(鉛筆法)に基づき、塗膜に対して試験を実施した。ガラス板に膜厚が約50ミクロンになるようにバーコーターを用いて、塗料組成物を塗布した後、23℃で7日間乾燥した場合の鉛筆硬度を測定した。F以上である場合を「◎」、HBである場合を「○」、Bである場合を「△」、2B以下である場合を「×」とした。なお、(評価1)で「×」と評価したポリイソシアネート組成物は、これを用いて塗膜を作製しなかったため、「未評価」とした。
ガラス板に膜厚が約50ミクロンになるようにバーコーターを用いて、塗料組成物を塗膜の1層目として塗布した後、23℃で8時間乾燥した条件下、同じ処方の塗料組成物で2層目を同様に重ね塗りした際の塗膜外観を観察した。塗膜縮みがない場合を「○、塗膜縮みがある場合を「×」とした。なお、(評価1)で「×」と評価したポリイソシアネート組成物は、これを用いて塗膜を作製しなかったため、「未評価」とした。
撹拌器、温度計、冷却管を取り付けた四ッ口フラスコの内部を窒素置換し、HDI700gとIPDI300g、イソブタノール0.95gと2−エチル−1−ヘキサノール20gを仕込んだ。撹拌下反応器内温度を昇温させ、80℃に到達した時点で触媒としてカプリン酸カリウムを0.05g加え、ウレタン化、アロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行ない、反応液の屈折率の変化が0.0125になった時点でリン酸85%水溶液を0.11g加えて、反応を停止した。その後、反応液を90℃に昇温させて、90℃で1時間保持して触媒を完全に失活させた。反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIとIPDIを除去した。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、NCO含有率23.6質量%、粘度3100mPa.sであった。NMRを測定した結果、HDIとIPDIのモル比は81.4/18.6で、アロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比は22.6/77.4であった。得られたポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物P1(単に、「P1」ともいう。)とする。
実施例1と同様の装置に、HDI700gとIPDI300g、イソブタノール0.95gとラウリルアルコール10gを仕込んだ。撹拌下反応器内温度を昇温させ、90℃に到達した時点で触媒としてN,N,N−トリメチル−N−ベンジルアンモニウムヒドロキシドを0.05g加え、ウレタン化、アロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行ない、反応液の屈折率の変化が0.011になった時点でリン酸85%水溶液を0.14g加え、反応を停止した。その後、反応液を90℃で1時間保持して触媒を完全に失活させた。反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIとIPDIを除去した。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、NCO含有率22.5質量%、粘度1800mPa.sであった。NMRを測定した結果、HDIとIPDIのモル比は81.4/18.6で、アロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比は9.8/90.2であった。得られたポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物P2(単に、「P2」ともいう。)とする。
実施例1と同様の装置に、HDI1000g、イソブタノール0.9gと2−エチル−1−ヘキサノール30gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃で1時間ウレタン化反応を行なった。その後、触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを0.05g加え、アロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行ない、反応液の屈折率の変化が0.011になった時点でリン酸85%水溶液を0.09g加え、反応を停止した。その後、反応液を90℃に昇温させて、90℃で1時間保持して触媒を完全に失活させた。反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去したポリイソシアネート組成物90gに対して、市販のIPDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名:T1890/100 デグサジャパン株式会社製、NCO含有率17.2質量%)10gを120℃で2時間加温することで溶融させた。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、NCO含有率20.3質量%、粘度1100mPa.sであった。NMRを測定した結果、HDIとIPDIのモル比は91.5/8.5で、アロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比は29.1/70.9であった。得られたポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物P3(単に、「P3」ともいう。)とする。
実施例1と同様の装置に、HDI1000g、イソブタノール0.9gと2−エチル−1−ヘキサノール30gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃で1時間ウレタン化反応を行なった。その後、触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを0.05g加え、アロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行ない、反応液の屈折率の変化が0.011になった時点でリン酸85%水溶液を0.09g加え、反応を停止した。その後、反応液を90℃に昇温させて、90℃で1時間保持して触媒を完全に失活させた。反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去したポリイソシアネート組成物80gに対して、市販のIPDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名:T1890/100 デグサジャパン株式会社製、NCO含有率17.2質量%)20gを120℃で2時間加温することで溶融させた。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、NCO含有率19.9質量%、粘度3700mPa.sであった。NMRを測定した結果、HDIとIPDIのモル比は82.8/17.2で、アロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比は25.8/74.2であった。得られたポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物P4(単に、「P4」ともいう。)とする。
実施例1と同様の装置に、HDI1000g、イソブタノール0.9gと2−エチル−1−ヘキサノール30gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃で1時間ウレタン化反応を行なった。その後、触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを0.05g加え、アロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行ない、反応液の屈折率の変化が0.011になった時点でリン酸85%水溶液を0.09g加え、反応を停止した。その後、反応液を90℃に昇温させて、90℃で1時間保持して触媒を完全に失活させた。反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、NCO含有率20.6質量%、粘度500mPa.sであった。NMRを測定した結果、HDIとIPDIのモル比は100/0で、アロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比は32.3/67.7であった。得られたポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物P5(単に、「P5」ともいう。)とする。
実施例1と同様の装置に、HDI1000g、イソブタノール0.9gと2−エチル−1−ヘキサノール100gを仕込み、撹拌下反応器内温度を昇温させ、80℃に到達した時点で触媒としてカプリン酸カリウムを0.05g加え、ウレタン化、アロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行ない、反応液の屈折率の変化が0.014になった時点でリン酸85%水溶液を0.11g加えて、反応を停止した。その後、反応液を90℃に昇温させて、90℃で1時間保持して触媒を完全に失活させた。反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、NCO含有率17.6質量%、粘度420mPa.sであった。NMRを測定した結果、HDIとIPDIのモル比は100/0で、アロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比は72.7/27.3であった。得られたポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物P6(単に、「P6」ともいう。)とする。
実施例1と同様の装置に、HDI1000g、イソブタノール0.9gを仕込んだ。撹拌下反応器内温度を昇温させ、70℃に到達した時点で触媒としてカプリン酸カリウムを0.05g加え、ウレタン化、アロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行ない、反応液の屈折率の変化が0.022になった時点でリン酸85%水溶液を0.11g加え、反応を停止した。その後、反応液を90℃に昇温させて、90℃で1時間保持して触媒を完全に失活させた。反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、NCO含有率23.1質量%、粘度1400mPa.sであった。NMRを測定した結果、HDIとIPDIのモル比は100/0で、アロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比は2.3/97.7であった。得られたポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物P7(単に、「P7」ともいう。)とする。
実施例1と同様の装置に、HDI1000g、イソブタノール0.9gと2−エチル−1−ヘキサノール30gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃で1時間ウレタン化反応を行なった。その後、触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを0.05g加え、アロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行ない、反応液の屈折率の変化が0.011になった時点でリン酸85%水溶液を0.09g加え、反応を停止した。その後、反応液を90℃に昇温させて、90℃で1時間保持して触媒を完全に失活させた。反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去したポリイソシアネート組成物70gに対して、市販のIPDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名:T1890/100 デグサジャパン株式会社製、NCO含有率17.2質量%)30gを120℃で2時間加温することで溶融させた。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、NCO含有率19.6質量%、粘度4900mPa.sであった。NMRを測定した結果、HDIとIPDIのモル比は73.7/26.3で、アロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比は22.6/77.4であった。得られたポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物P8(単に、「P8」ともいう。)とする。
実施例1と同様の装置に、HDI1000g、イソブタノール9gと12−ヒドロキシステアリルアルコール(商品名:ソバモール912 コグニスジャパン株式会社製)75gを仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃で1時間、130℃に昇温して更に1時間ウレタン化反応を行なった。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液を0.65g加え、アロファネート化及びイソシアヌレート化反応を行ない、反応液の屈折率の変化が0.0035になった時点でJP−508(商品名 城北化学工業株式会社製、リン酸オクチルエステル)を0.37g加え、反応を停止した。反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去したポリイソシアネート組成物80gに対して、市販のIPDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名:T1890/100 デグサジャパン株式会社製、NCO含有率17.2質量%)20gを120℃で2時間加温することで溶融させた。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、NCO含有率16.9質量%、粘度5300mPa.sであった。NMRを測定した結果、HDIとIPDIのモル比は79.0/21.0で、アロファネート基とイソシアヌレート基とのモル比は77.6/22.4であった。得られたポリイソシアネート組成物をポリイソシアネート組成物P9(単に、「P9」ともいう。)とする。
上記の各々のポリイソシアネート組成物P1〜P9について、低極性有機溶剤への溶解性の(評価1)を評価した。表2に結果を示す。
Claims (5)
- (a)脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートを含むイソシアネート成分、並びに
(b)モノアルコール成分、
を反応させてなるポリイソシアネート組成物であって、
前記ポリイソシアネート組成物における、前記脂肪族ジイソシアネートに由来する構成単位と、前記脂環族ジイソシアネートに由来する構成単位とのモル比が、(脂肪族ジイソシアネートに由来する構成単位):(脂環族ジイソシアネートに由来する構成単位)=75:25〜95:5であり、
前記(b)モノアルコール成分は、(b−1)炭素数3以上6以下のモノアルコール及び(b−2)炭素数7以上20以下のモノアルコールを含むモノアルコールの混合物である、ポリイソシアネート組成物。 - 前記ポリイソシアネート組成物は、アロファネート基及びイソシアヌレート基を有し、
前記ポリイソシアネート組成物における、前記アロファネート基と、前記イソシアヌレート基とのモル比が、(アロファネート基):(イソシアヌレート基)=3:97〜40:60である、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。 - アニリン点が10℃以上70℃以下である低極性有機溶剤をさらに含む、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイソシアネート組成物と、ポリオールと、を含む、塗料組成物。
- 請求項4に記載の塗料組成物により形成される、塗膜。
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