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JP6673033B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP6673033B2
JP6673033B2 JP2016112525A JP2016112525A JP6673033B2 JP 6673033 B2 JP6673033 B2 JP 6673033B2 JP 2016112525 A JP2016112525 A JP 2016112525A JP 2016112525 A JP2016112525 A JP 2016112525A JP 6673033 B2 JP6673033 B2 JP 6673033B2
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Description

本発明は、定着装置及び定着装置を備える画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらのうちの少なくとも2つの機能を有する複合機などの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化、高速化についての市場要求が強くなってきており、画像形成装置のなかでも定着装置は消費電力量が多く、省エネルギー化の余地が大きいため、様々な提案がなされている。
また、画像形成装置における画像形成では様々なサイズの記録材を対象とするが、トナーを用いた画像形成においても、使用頻度はごく少ないものの規格上の用紙サイズいっぱいで画像形成を行う場合もある。その際、用紙規格サイズよりも一回り大きな記録材が用いられ(例えばA3サイズよりも一回り大きなA3ノビサイズ)、あるいは13インチサイズのものが使用される。そこで、これら特殊サイズの記録材に対応するために、更なる改善も望まれた。
そのような問題に対して、特許文献1では、無端状のベルトの内側に、ベルトの幅方向(用紙幅方向)で配光分布が異なる複数のハロゲンヒータを設けると共に、ベルト部材の長手方向両端部であって、ベルトの回転方向におけるニップの上流側の位置に、端部ヒータをベルトの内面又は外面に接して設けることが提案された。
しかしながら、特許文献1に開示された定着装置において、端部ヒータから定着ベルトへの伝熱効率を高めるため、定着ベルトに対する端部ヒータの接触圧を大きくすると、端部ヒータと定着ベルトとの間の摩擦力が大きくなる。これは定着ベルトの走行不良につながるおそれがあり、信頼性の低下となる。一方、定着ベルトの走行不良を避けるため、定着ベルトに対する端部ヒータの接触圧を小さくすると、定着ベルトへの伝熱不足となる。これは端部ヒータの過昇温につながるおそれがあり、信頼性の低下となる。
そこで本出願人は、定着に用いる複数の輻射型熱源の加熱効率を向上すると共に、A3ノビなどの特殊サイズの記録材にも信頼性と品質を損なわずに対応できる定着装置を考案し、まだ公開されていないが提案した。即ち、可撓性を有する無端状のベルトの内側に設けられ、長手方向に異なる配光分布を有し、ステー部材によって仕切られた複数の輻射型熱源と、前記ベルトの内側に設けられたニップ形成部材のそれぞれの端部に設けられ、前記ベルトの長手方向端部をそれぞれ加熱する複数の接触伝熱型熱源と、前記ニップ形成部材及び前記複数の接触伝熱型熱源の、前記ベルトに対向するそれぞれの面を覆い、前記ベルトの長手方向に熱を移動する熱移動補助部材とを有する、定着装置である。
本発明は、定着に用いる複数の輻射型熱源の加熱効率を向上すると共に、A3ノビなどの特殊サイズの記録材にも信頼性と品質を損なわずに対応できる定着装置において、各熱源の定格電力の和が定着装置に供給可能な最大電力よりも大きい場合に、許容される消費電力の範囲内で必要な熱源に優先的に電力を使って、温度落ち込みなどによる定着不良を防止することを課題とする。
前記課題は、可撓性を有する無端状のベルトと、前記ベルトの外側で前記ベルトに対向する加圧部材と、前記ベルトの内側に設けられ、ステー部材によって互いに仕切られ、前記ベルトの長手方向中央範囲と長手方向両側部をそれぞれ加熱する第1、第2の輻射型熱源と、前記ベルトの内側に設けられ、前記ベルトと前記加圧部材との間に定着ニップを形成するニップ形成部材と、前記ニップ形成部材のそれぞれの端部に設けられ、前記ベルトの長手方向端部をそれぞれ加熱する複数の接触伝熱型熱源と、前記ニップ形成部材及び前記複数の接触伝熱型熱源の、前記ベルトに対向するそれぞれの面を覆い、前記ベルトの長手方向に熱を移動する熱移動補助部材と、を有する定着装置であって、前記輻射型熱源によって加熱される前記ベルトの領域の温度を検知する少なくとも1つの温度検知手段と、前記接触伝熱型熱源によって加熱される前記ベルトの領域の温度を検知する別の温度検知手段とを備えており、前記輻射型熱源と前記接触伝熱型熱源の定格電力の総和が定着装置に供給可能な最大電力よりも大きくて、前記輻射型熱源と前記接触伝熱型熱源のそれぞれの最大点灯率を、前記輻射型熱源と前記接触伝熱型熱源へのそれぞれの投入電力の和が前記最大電力よりも大きくならないように、動作状態に応じて変更することによって解決される。
本発明の定着装置は、ステー部材により複数の輻射型熱源を相互に仕切ることで熱干渉を防止して加熱効率を向上でき、ニップ形成部材のそれぞれの端部に、ベルトの長手方向端部を加熱する複数の接触伝熱型熱源を備えるので、特殊サイズの記録材にも信頼性と品質を損なわずに対応できるだけでなく、輻射型熱源と接触伝熱型熱源の定格電力の総和が定着装置に供給可能な最大電力よりも大きく設定されている場合に、前記輻射型熱源と前記接触伝熱型熱源のそれぞれの最大点灯率を、輻射型熱源と接触伝熱型熱源へのそれぞれの投入電力の和が前記最大電力よりも大きくならないように、動作状態に応じて変更するので、許容される消費電力の範囲内で必要な熱源に優先的に電力を使って、温度落ち込みなどによる定着不良を防止できる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。 定着装置の一実施形態を示す概略的な断面構成図である。 ニップ形成ユニットの基本構成を示す斜視図である。 ハロゲンヒータ及び端部ヒータの発熱部の配置を示す模式図である。 ハロゲンヒータ及び端部ヒータの各発熱部の位置関係を示す模式図である。 端部ヒータのために設けられる温度検知部の位置を説明する図である。 本実施形態でのヒータ構成における経時的な温度上昇を説明するグラフである。 本実施形態でのヒータ構成におけるリロード前後の各ヒータの点灯率と温度変化を示す図で、8aは印刷対象がA3超サイズのもの、8bは印刷対象がA3以下のものの場合である。 本実施形態でのヒータ構成における前ジョブに応じてA3超サイズ印刷時に変更する各ヒータの点灯率と温度変化を示す図で、9aは前ジョブの印刷対象が小サイズのもの、9bは前ジョブの印刷対象が大サイズのものの場合である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。この画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、そのプリンタ本体の中央には、中間転写ベルト30の展張方向に沿って4つの作像部4Y、4C、4M、4Kが並置して設けられている。各作像部4Y、4C、4M、4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の現像剤を収容する以外は、同じ構成である。
具体的に、それぞれ画像ステーションを構成する各作像部4Y、4C、4M、4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備えている。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみを参照符号で指し示し、その他の作像部4Y、4C、4Mにおいては符号を省略している。
作像部4Y、4C、4M、4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
作像部4Y、4C、4M、4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36とを備える。更に、転写装置3は中間転写ベルト30を張架する二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34や、ベルトクリーニング装置35を備えている。中間転写ベルト30は、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、プリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にもプリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には補給用のトナーを収容した4つのトナーボトル2Y、2C、2M、2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y、2C、2M、2Kと各現像装置7との間には、周知のように補給路が設けられ、この補給路を介して各トナーボトル2Y、2C、2M、2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録材としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11などが設けられている。ここで、記録材には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙など)、トレーシングペーパ、OHPシートなどが含まれる。また、周知のように、手差し給紙機構が設けられていてもよい。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ用紙Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ12が配設されている。また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。更に、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。そして、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けられている。
なお、本実施形態に係るプリンタの基本的動作は従来からよく知られており、当業者であれば、上記した基本的な構成の説明によって直ちに理解できるものであるので、説明を省略する。
図2は、定着装置20の一実施形態を示す概略的な断面構成図である。定着装置20は、薄肉で可撓性を有する筒状体を形成する無端状のベルトである定着ベルト21と、この定着ベルト21の外周側から当接する加圧部材である加圧ローラ22とを有している。定着ベルト21は、その内側(ループ内)に配された複数の定着熱源としてのハロゲンヒータ23A、23B(以下、第1ハロゲンヒータ23A、第2ハロゲンヒータ23Bともいう)の輻射熱によって加熱される。なお、ハロゲンヒータは、主たる熱源である定着熱源としての、輻射型熱源を代表するものである。
更に定着ベルト21の内側には、定着ベルト21を介して加圧ローラ22とで定着ニップNを形成するニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持するステー部材25(支持部材)とが配されている。定着ベルト21の幅方向に渡って配されたニップ形成部材24が、ステー部材25によって固定支持されることで、加圧ローラ22からの圧力によってニップ形成部材24に撓みが生じることを防止し、加圧ローラ22の軸方向(長手方向)に渡って均一なニップ幅が得られるようになっている。なお、ニップ形成部材24は、機械的強度が高く耐熱温度200℃以上の耐熱性部材、特に耐熱性樹脂、例えばポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、それらをガラス繊維で強化したもので構成されている。これにより、トナー定着温度域で、熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定した定着ニップの状態を確保し、出力画質の安定化を図っている。また、ステー部材25やハロゲンヒータ23A、23Bは、その長手方向両端を、定着装置20の側板あるいは別途設けられたホルダに固定保持されている。ニップ形成部材24の長手方向両端部には、主たる熱源(定着熱源)とは別の端部熱源としての端部ヒータ26a、26bが一体に取り付けられている。端部ヒータとしては、一般的に、セラミックセータのような抵抗発熱体である接触伝熱型熱源が用いられる。
定着ベルトの長手方向における熱移動を容易にする均熱部材とも称される熱移動補助部材27が、ニップ形成部材24と端部ヒータ26それぞれの定着ベルト21の内周面に対向する各面を覆うように配されており、小サイズ紙通紙時や端部ヒータ26点灯時に定着ベルト21の端部領域に熱が留まることを防止して、積極的に定着ベルト21の幅方向、即ち、熱移動補助部材27の長手方向に熱を移動させて、長手方向の温度不均一を解消させる。そのため、熱移動補助部材27は短時間で熱移動が可能となる熱伝導率の高い材料、例えば銅(398W/mk)やアルミニウム(236W/mk)などで形成されている。図2の描写では、熱移動補助部材27の定着ベルト21の内周面に対向する面が定着ベルト21に直接接触する面であり、ニップ形成面となっており、平坦状に形成されているが、凹形状やその他の形状であってもよい。凹形状のニップ形成面であると、用紙先端の排出方向が加圧ローラ寄りになり、分離性が向上してジャムの発生が抑制される。
周知のように、定着ベルト21の外周側の適切な位置、例えば定着ニップのベルト回転方向上流側には、ハロゲンヒータ23A、23Bによって加熱されるベルトのそれぞれの領域の温度を検知する温度検出手段たる温度センサ29(本例の場合にはハロゲンヒータ23A、23B配光分布に合わせて2個)が設けられており、定着装置20の用紙搬送方向下流側には、定着ベルト21から用紙Pを分離する分離部材41が配されている。更に、加圧ローラ22を定着ベルト21へ加圧する解除可能な加圧手段も設けられている。
低熱容量化を図るため、フィルムのように薄肉で小径化した無端状の定着ベルト21は、ニッケルやSUSなどの金属材料やポリイミドなどの樹脂材料で形成された内周側の基材と、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。基材と離型層の間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴムなどのゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。この弾性層の厚さを100μm程度にすれば、未定着トナーを押し潰して定着させるときに弾性層の弾性変形により、ベルト表面の微小な凹凸を吸収でき、光沢ムラの発生を回避できる。低熱容量化の観点から、定着ベルト21は、全体として厚さ1mm以下に、直径20〜40mmに設定されている。そして、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さは、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定されている。更に低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、更に望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよく、直径は30mm以下とするのが望ましい。
断面T字状のステー部材25は定着ニップN側と反対側が起立した起立部25aを有しており、主たる熱源としてのハロゲンヒータ23A、23Bが起立部25aによって隔てられるように配置されている。ハロゲンヒータ23A、23Bは、一方が小サイズ紙に対応した長手方向中央部に発熱部を有するものであり、他方が大サイズ紙に対応して長手方向両側部に発熱部を有するものである。ハロゲンヒータ23A、23Bは、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、定着ベルト21の外周に設けられた温度センサ29によるベルト表面のそれぞれの領域での温度検知結果(検知状態)に基づいて行われる。このようなヒータの出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。
また、ステー部材25とハロゲンヒータ23A、23Bの間には反射部材28A、28Bが配されている。これにより、ハロゲンヒータ23A、23Bの定着ベルト21に対する加熱効率を上げると共に、ハロゲンヒータ23A、23Bからの輻射熱によりステー部材25が加熱されることによる無駄なエネルギー消費を抑制できる。反射部材28A、28Bを備える代わりに、ステー部材25表面に断熱若しくは鏡面処理を行っても同様の効果を得ることができる。
加圧ローラ22は、芯金と、芯金の表面に設けられた発泡性シリコーンゴムやフッ素ゴムなどから成る弾性層と、弾性層の表面に設けられたPFAやPTFEなどから成る離型層によって構成されている。バネなどの加圧手段により加圧ローラ22が定着ベルト21に押し付けられ定着ベルト21と圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層が押し潰されることで、所定幅の定着ニップNが形成される。加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられたモータなどの駆動源によって回転駆動する。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力が定着ニップNで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転する。定着ベルト21は定着ニップNで挟み込まれて回転し、定着ニップN以外では両端部に配された側板フランジにガイドされ、走行する。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータなどの熱源を配設してもよい。弾性層はソリッドゴムでもよいが、加圧ローラの内部に熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。
図3は、ニップ形成ユニットの基本構成を示す斜視図である。図3に示すように、ニップ形成ユニットは、ニップ形成部材24、ステー部材25、熱移動補助部材27、端部ヒータ26a、26bによって構成される。ニップ形成ユニットでは、ニップ形成部材24の、定着ニップN側と反対側の面が、ステー部材25の定着ニップN側の平面と一体化される。この際、それぞれの面にボスとピンのような凹凸形状を形成させて、これらを形状拘束的に嵌め合わせるようにしてもよい。熱移動補助部材27は略直方体状のニップ形成部材24の、定着ベルト21の内周面に対向する面を覆うように嵌め合わされて一体化される。熱移動補助部材27とニップ形成部材24の一体構成は爪などを設けて噛み合わせればよいが、接着などを用いてもよい。ニップ形成部材24の長手方向の両端部には、段差部としての凹部24a、24bが形成され、これらの箇所には端部ヒータ26a、26bが収容され、固定されている。これら端部ヒータ26a、26bとハロゲンヒータ23A、23Bの位置関係については、後述する。
熱移動補助部材27の定着ベルト21の内周面に対向する面はベルト摺接面27aとして構成されるが、機械的強度上、実質的にニップ形成面となるのはニップ形成部材24の加圧ローラ22に対向する面24cである。
このように、本実施形態では、端部ヒータ26a、26bを、定着ニップを形成するために必要なニップ形成部材24に一体に設ける構成としたので、端部ヒータ26a、26bを定着ベルト21の内側に省スペースで配置できる。
また、端部ヒータ26a、26bの定着ベルト21の内面に対向する面と、ニップ形成部材24の定着ベルト21に対向する面とは同一高さ(同一平面上)に位置するので、加圧ローラによる十分な加圧力が熱移動補助部材27を介して与えられる。これにより、定着ベルト21は、端部ヒータ26a、26bと間接的に密着した状態であるので、安定したベルト走行ができる。また、定着ベルト21と端部ヒータ26a、26bは、十分な接触圧で接しており、良好な加熱が維持される。これらの構成より、定着装置20の信頼性が向上する。更に、端部ヒータ26a、26bによる定着ベルト21の加熱部位は、ニップ領域内ある。そのため、定着ニップNとは異なる部位で加熱することによる未転写トナーの再溶融の問題(品質低下)を生じない。
次に、A3ノビなどの特殊サイズの記録材に対応できる熱源の配置構成について説明する。図4は、ハロゲンヒータ及び端部ヒータの発熱部の配置を示す模式図である。図4に示すように、長手方向における中央部の配光分布が密である第1ハロゲンヒータ23Aと、長手方向における両側部の配光分布が密である第2ハロゲンヒータ23Bが、配置されている。すなわち、第1ハロゲンヒータ23Aは、定着ベルト21の中央範囲を加熱し、第2ハロゲンヒータ23Bは、定着ベルト21の側部範囲を加熱する。
第1ハロゲンヒータ23Aの発熱部40Aは、例えばA4タテサイズなどの小サイズの記録材に対応し、第2ハロゲンヒータ23Bの発熱部40Bは、第1ハロゲンヒータ23AでカバーできないA3タテサイズなどの使用可能な最大定形サイズの記録材の側部範囲をカバーする。すなわち、両ハロゲンヒータの発熱部40A、40Bからなる発熱部40は、最大定形サイズの紙幅に対応し、最大定形サイズより大きいノビサイズの紙幅をカバーしていない。
一方、端部ヒータ26a、26bは、第2ハロゲンヒータ23Bの長手方向両端部に対応する位置にあり、最大定形サイズより大きいノビサイズ紙幅の両端部を加熱する発熱部42a、42bを有する。また、端部ヒータ26a、26bの発熱部42a、42bの一部は、ハロゲンヒータ23Bの発熱部40Bと重なる。これにより、定着装置20は、最大定形サイズより大きいノビサイズ紙幅の両端にも対応できる。なお、端部ヒータ26a、26bの電力密度は第1ハロゲンヒータ23Aや第2ハロゲンヒータ23Bの電力密度よりも大きくすることができる。
ここで、ハロゲンヒータ及び端部ヒータの実際に出力する熱量(加熱出力)について説明する。図5は、第2ハロゲンヒータ23B及び端部ヒータ26bの各発熱部の位置関係と各ヒータの加熱出力の様子を示す模式図である。図5の上部は、第2ハロゲンヒータ23Bの発熱部の右側端部の状態を、図5の下部は、端部ヒータ26bの発熱部の左側の状態を示している。
一般に、ハロゲンヒータは、発熱部(フィラメントを螺旋状に巻いた部分)の長手方向端部において加熱出力が低下する。これは、フィラメントの巻き密度によっても変わり、巻く密度が疎であるとより低下しやすい。図5の上部に示すように、第2ハロゲンヒータ23Bの発熱部40Bは、所定の加熱出力を100(%)出力する部分から、熱量のダレが生じて加熱出力が50%になる部分までと定義するのが一般的である。
また、端部ヒータ26bも、図5の下部に示すように、発熱部42b(発熱パターン37が設けられた部分)の長手方向端部において加熱出力が低下する。すわなち、端部において所定の加熱出力に対して100%の出力がされず、加熱出力のダレが生じる。
このため、第2ハロゲンヒータ23B及び端部ヒータ26bの端部で加熱出力の落ち込み(ダレ)が生じると、特に最大定形サイズよりも大きいノビサイズの記録材の端部で、良好な定着が行われないおそれがある。
そこで本実施形態では、図5に示すように、第2ハロゲンヒータ23Bの発熱部40Bにおける加熱出力が低減し始める境界Bhと、端部ヒータ26bの発熱部42bにおける加熱出力が低減し始める境界Bcとを合致させている。実際の装置では、第2ハロゲンヒータ23Bと端部ヒータ26bは、空間上離れて配置されているので、投影する状態で、長手方向において互いの境界Bh、Bcが合致することである。なお、もう一方の端部ヒータ26aも同様である。
これにより、ハロゲンヒータ23Bと両端部ヒータ26a、26bの重なる領域において、加熱出力が低下せず、所定の加熱出力の100%を維持できる。したがって、特に最大定形サイズよりも大きいノビサイズの記録材の両端部においても、良好な定着が保証できる。
このように本実施形態では、第2ハロゲンヒータ23Bの境界Bhと、端部ヒータ26bの境界Bcが合致することとしている。しかし、上述したように、ニップ形成ユニットは熱伝導率のよい熱移動補助部材27を有するので、ある程度の加熱出力の落ち込みを均すことができる。そのため、両端部ヒータ26a、26bの加熱出力が低減し始める境界の配置に所定の許容範囲を設けてもよい。
次に、端部ヒータ26の温度を検知する、図2で示した温度センサ29とは別の温度検知手段について説明する。定着ベルト21の温度検知に接触方式のセンサ(例えば、サーミスタなど)を用いることは、安価で高精度という利点があるが、接触位置に微細な摺接跡が発生したり、対応する位置の画像に微小な光沢ムラなどが発生したりするおそれがある。そのため、特にカラー画像出力機においては、定型サイズの紙幅内には接触式センサを用いないことが主流になっている。しかし、ノビサイズの記録材では、ノビ部は、最大定形サイズの紙端部直前まで作像する場合の耳部や、印刷位置合わせに使われるトンボと呼ばれる線画像、又は色確認のための小面積のベタパッチが作像される部分として使われ、最終的には切断されることが多いため、接触式の温度検知手段によって接触跡が発生したとしても、微小な光沢ムラなどは異常画像として顕在化しないといえる。そこで、本実施形態では、図6に示すように、端部ヒータ26a、26bの温度を検知する温度検知手段45a、45b(45aは反対側端部に設けられるので、描写を省略する)として、接触式サーミスタを、定着ベルト21の外側であって、かつ、定着ベルト21の長手方向において、最大定形サイズの紙幅より外側で、最大定形サイズよりも大きいノビサイズの紙幅より内側に設ける。これにより、微小な光沢ムラなどの異常画像を顕在化することなく、安価で精度良く温度検知できる。これら温度検知手段45a、45bはそれぞれ、端部ヒータ26a、26bの各々の温度を検知し、それぞれの検知状態に応じて、端部ヒータ26a、26bは互いに道立して制御される。端部ヒータ26a、26bそれぞれに温度検知手段を設けず、定着ベルト21の一方の端部だけに温度検知手段を設けて、その検知状態に応じて、両方の端部ヒータ26a、26bを制御するようにしてもよい。
以上のような実施形態の構成において、端部ヒータ26は熱移動補助部材27を介して定着ベルト21を加熱するため、図7に示すように、直接輻射熱で定着ベルト21を加熱するハロゲンヒータ23A、23Bと比べて、ベルト温度を上げるのに時間がかかる。そのため、A3ノビ部のベルト領域は、第2ハロゲンヒータ23Bから定着ベルト21、熱移動補助部材27を経た熱移動が幾らかあるにせよ、端部ヒータ26による加熱が遅く、定着可能な温度に到達するまでに時間がかかる。A3ノビ部のベルト領域の昇温速度を速めるために、端部ヒータ26の定格電力を大きくすることは可能である。しかしながら、定着装置20、あるいは画像形成装置1で使用可能な電力(供給可能な最大電力)は限られており、端部ヒータ26の定格電力を大きくするだけでは第1ハロゲンヒータ23A、第2ハロゲンヒータ23Bの定格電力を下げる必要が生じ、使用頻度の圧倒的に小さなノビサイズの用紙のために、ウォームアップ時間の低下をもたらしてしまう。
そこで端部ヒータ26の定格電力を大きくしながら、この端部ヒータ26や主たる定着熱源であるハロゲンヒータ23A、23Bの電力を制御することによって、ウォームアップ時間の低下を防止する。
表1に、各ヒータの定格電力と、各動作状態における最大点灯率、及び、そのときの最大電力を示す。動作状態である「リロード前」、「リロード後」とは、電源投入時など、常温状態から印刷可能な所定温度(リロード温度:一般に主たる熱源によって加熱されるベルト領域で認識される温度)に到達する前後のことである。リロード後印刷準備を経て、動作状態としての印刷動作/印字動作を行い、定着装置で画像を用紙に定着させる。
Figure 0006673033
表1に示すように各ヒータの定格電力の総和は、定着装置20において使用可能な最大電力である1300Wを200W超えた1500Wとなっており、各ヒータを常温状態からリロード温度まで最大点灯率100%で加熱することはできない。そこで、リロード温度に到達するまでは、端部ヒータ26の最大点灯率を制限し、投入電力、したがって電力使用量を抑える。この間、定着ベルト21の長手方向中央範囲を加熱する第1ハロゲンヒータ23A、長手方向両側部を加熱する第2ハロゲンヒータ23Bはフル点灯でき(最大点灯率100%)、リロード温度まで素早くベルト温度を引き上げることができる。なお、このとき端部ヒータ26を点灯しないと、第2ハロゲンヒータ23Bが加熱しているベルト領域から、端部ヒータ26に対応する非加熱領域に熱が移動し、第2ハロゲンヒータ23Bに対応するベルト領域の温度上昇が遅くなる。そこで、各ヒータの投入電力の和が使用可能な最大電力の範囲内に収まるように、端部ヒータ26も電力を抑えた形で点灯させ(最大点灯率30%)、温度上昇速度の低下を抑えることが望ましい。
続いて、リロード後の点灯制御について説明する。図8aに示すように、印刷対象の用紙サイズがA3超であれば、リロード前に最大点灯率100%であった第1ハロゲンヒータ23A、第2ハロゲンヒータ23Bの点灯率を、リロード後の時点で規制する(変更する)一方、端部ヒータ26の点灯率を100%(ジョブ確定後は90%)に上げる。ハロゲンヒータ23A、23Bは一定以上の温度(リロード温度以上)となっており、100%の点灯率での加熱は必要ない。その分、温度が未達の端部ノビ部の温度を上げるために、端部ヒータ26の点灯率を引き上げるのである。
一方、印刷対象の用紙サイズがA3以下であれば、図8bのように、リロード後から印刷動作開始前の期間で、所定の温度に到達するまで、端部ヒータ26は表1に記載したリロード後の設定(最大点灯率100%)で加熱を行い、印刷動作開始から点灯率を下げて加熱を行う(最大点灯率40%)。このとき、第2ハロゲンヒータ23Bに対応する領域から端部ノビ部へ熱が移動し、通紙領域端部の温度が低くならないように、規定された最大点灯率の範囲で目標温度に追従するように温度制御される。
次に、ウォームアップ動作以外での動作条件での制御を説明する。加熱開始時の各ベルト領域の温度が図9上側のそれぞれのグラフの縦軸上(時間ゼロ)であるような場合を考える。図9aのように例えば前ジョブが小サイズ通紙であった場合、端部ヒータでの加熱は不要であり、ノビ部では中央域や側部域と比べてベルト温度が低い。そのため、この状態(前ジョブが小サイズ通紙)でA3超の用紙を通紙すると、ノビ部の定着ベルト温度が低く、定着不良が発生する虞がある。そこで、表2に示すように、第2ハロゲンヒータで加熱される側部の温度と印刷準備時の目標温度の差分値と、側部温度と端部ヒータで加熱されるノビ部の温度の差分値を印刷準備開始時点で判定し、必要に応じて、端部ヒータ(ノビヒータ)の点灯率を引き上げ、定着不良を防止する。
Figure 0006673033
一方、例えば前ジョブが大サイズ通紙の場合、ベルト側部をカバーする第2ハロゲンヒータも高い点灯率で加熱され、熱移動補助部材を介した熱移動が相応にあるため、図9bに示すようにノビ部の温度は小サイズ通紙時よりも中央域や側部域の温度と近い温度となっており、小サイズの場合と比較しても少ない熱量で温度を上昇させることができる。この場合(前ジョブが大サイズ通紙でA3超用紙の通紙)、ノビ部の点灯率を下げて側部ヒータである第2ハロゲンヒータの点灯を優先させる(このとき、側部ヒータからの熱が、熱移動補助部材を介してノビ部まで移動するため、ノビ部の点灯率は高くする必要性が低い)。
なお、印刷動作時は、表1に示すように用紙サイズに応じて、各ヒータの最大点灯率を規定して動作させる。
1 画像形成装置
2 ボトル収容部
2C、2K、2M、2Y トナーボトル
3 転写装置
4C、4K、4M、4Y 作像部
5 感光体
6 帯電装置
7 現像装置
8 クリーニング装置
9 露光装置
10 給紙トレイ
11 給紙ローラ
12 レジストローラ
13 排紙ローラ
14 排紙トレイ
20 定着装置
21、60 定着ベルト
22 加圧ローラ
23A、23B、50A、50B ハロゲンヒータ
24 ニップ形成部材
24a、24b 凹部
24c 面
25 ステー部材
25A 第1部材
25B 第2部材
25a 起立部
26a、26b 端部ヒータ
27 熱移動補助部材
27a ニップ形成面
28A、28B、70 反射部材
29 温度センサ
30 中間転写ベルト
31 一次転写ローラ
32 二次転写バックアップローラ
33 クリーニングバックアップローラ
34 テンションローラ
35 ベルトクリーニング装置
36 二次転写ローラ
37 発熱パターン
41 分離部材
40A、40B、42a、42b 発熱部
45a、45b 温度検知手段(接触式サーミスタ)
Bc、Bh 境界
N 定着ニップ
P 用紙
α、β 照射角
特開2014−178370号公報

Claims (6)

  1. 可撓性を有する無端状のベルトと、前記ベルトの外側で前記ベルトに対向する加圧部材と、前記ベルトの内側に設けられ、ステー部材によって互いに仕切られ、前記ベルトの長手方向中央範囲と長手方向両側部をそれぞれ加熱する第1、第2の輻射型熱源と、前記ベルトの内側に設けられ、前記ベルトと前記加圧部材との間に定着ニップを形成するニップ形成部材と、前記ニップ形成部材のそれぞれの端部に設けられ、前記ベルトの長手方向端部をそれぞれ加熱する複数の接触伝熱型熱源と、前記ニップ形成部材及び前記複数の接触伝熱型熱源の、前記ベルトに対向するそれぞれの面を覆い、前記ベルトの長手方向に熱を移動する熱移動補助部材と、を有する定着装置であって、前記輻射型熱源によって加熱される前記ベルトの領域の温度を検知する少なくとも1つの温度検知手段と、前記接触伝熱型熱源によって加熱される前記ベルトの領域の温度を検知する別の温度検知手段とを備えており、前記輻射型熱源と前記接触伝熱型熱源の定格電力の総和が定着装置に供給可能な最大電力よりも大きくなっていて、前記輻射型熱源と前記接触伝熱型熱源のそれぞれの最大点灯率を、前記輻射型熱源と前記接触伝熱型熱源へのそれぞれの投入電力の和が前記最大電力よりも大きくならないように、動作状態に応じて変更することを特徴とする定着装置。
  2. 前記第2の輻射型熱源によって加熱される前記ベルトの領域の温度を検知する前記温度検知手段と前記接触伝熱型熱源によって加熱される前記ベルトの領域の温度を検知する前記別の温度検知手段のそれぞれの検知状態に応じて、前記接触伝熱型熱源の最大点灯率を変更することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記接触伝熱型熱源の電力密度が前記第1、第2の輻射型熱源の電力密度よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記ニップ形成部材のそれぞれの端部に設けられた前記接触伝熱型熱源が、前記ベルトの一方の端部に設けられた前記別の温度検知手段の検知状態に応じて、制御されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記ニップ形成部材のそれぞれの端部に設けられた前記接触伝熱型熱源が、前記ベルトのそれぞれの端部に設けられた前記別の温度検知手段のそれぞれの検知状態に応じて、互いに独立して制御されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置。
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