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JP6651312B2 - 装着ヘッドの検査装置 - Google Patents

装着ヘッドの検査装置 Download PDF

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JP6651312B2
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Description

本発明は、装着ヘッドの検査装置に関するものである。
装着ヘッドは、電子回路製品を生産する部品実装機に用いられる。装着ヘッドは、吸着ノズルを取り付けられるノズル軸を昇降可能に且つ回転可能に保持する。吸着ノズルは、装着ヘッドの内部に形成されたエア通路を介して供給される負圧エアにより電子部品を吸着する。そのため、吸着ノズルの先端などから粉塵がエア通路に吸引されることがある。装着ヘッドのエア通路は、例えば特許文献1に開示された洗浄装置を用いて洗浄される。
国際公開2013/153598号
装着ヘッドの内部に粉塵などが付着したり、吸着ノズルの動作機構に経年劣化が生じたりすると、装着ヘッドの動作に影響が及ぶことがある。そのため、洗浄装置による装着ヘッドの洗浄や消耗部品の交換などのメンテナンスが必要となる。このような装着ヘッドのメンテナンスの要否の判断には、装着ヘッドを対象とした動作の検査結果が用いられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、装着ヘッドの動作を高精度に検査することが可能な装着ヘッドの検査装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る装着ヘッドの検査装置は、部品を保持する保持部材と、前記保持部材を着脱可能に取り付けられる動作軸と、を有し、前記動作軸を昇降可能に且つ回転可能に保持する装着ヘッドを対象として、当該装着ヘッドの動作を検査する。前記装着ヘッドは、前記動作軸に取り付けられた前記保持部材の昇降動作および回転動作をフィードバック制御される。
前記検査装置は、前記保持部材を規定の昇降位置または規定の回転角度とする規定動作において、当該規定動作のフィードバック制御における指令値とフィードバックされた検出値との偏差を取得する偏差取得部と、取得された前記偏差に基づいて、前記装着ヘッドの前記規定動作に伴う負荷を測定する負荷測定部と、を備える。前記偏差取得部は、異なる複数の制御ゲインを用いて、前記装着ヘッドが前記規定動作をフィードバック制御された場合における各前記偏差を取得する。前記負荷測定部は、各前記偏差の差分に基づいて、前記装着ヘッドの前記規定動作に伴う負荷を測定する。
請求項に係る装着ヘッドの検査装置は、部品を保持する保持部材と、前記保持部材を着脱可能に取り付けられる動作軸と、を有し、前記動作軸を昇降可能に且つ回転可能に保持する装着ヘッドを対象として、当該装着ヘッドの動作を検査する。前記装着ヘッドは、前記動作軸に取り付けられた前記保持部材の昇降動作および回転動作をフィードバック制御される。
前記検査装置は、異なる複数の制御ゲインを用いて、前記装着ヘッドが前記保持部材を規定の昇降位置または規定の回転角度とする規定動作をフィードバック制御された場合において、前記装着ヘッドの動作時間をそれぞれ計測する時間計測部と、計測された各前記動作時間の差分に基づいて、前記装着ヘッドの前記規定動作に伴う負荷を測定する負荷測定部と、を備える。
請求項に係る装着ヘッドの検査装置は、部品を保持する保持部材と、前記保持部材を着脱可能に取り付けられる動作軸と、を有し、前記動作軸を昇降可能に且つ回転可能に保持する装着ヘッドを対象として、当該装着ヘッドの動作を検査する。前記装着ヘッドは、前記動作軸に取り付けられた前記保持部材の昇降動作および回転動作をフィードバック制御される。
前記検査装置は、異なる複数の制御ゲインを用いて、前記装着ヘッドが前記保持部材を規定の昇降位置または規定の回転角度とする規定動作をフィードバック制御された場合において、前記装着ヘッド側への供給電力をそれぞれ計測する電力計測部と、計測された各前記供給電力の差分に基づいて、前記装着ヘッドの前記規定動作に伴う負荷を測定する負荷測定部と、を備える。
請求項1に係る発明の構成によると、フィードバック制御の偏差に基づく装着ヘッドの動作に伴う負荷を測定できる。これにより、装着ヘッドの動作を高精度に検査することができる。また、ロードセルなどを用いた動作負荷の検出装置を用いる場合と比較して、検査装置の構成を簡易にでき、設備コストを低減できる。
請求項に係る発明の構成によると、装着ヘッドの動作負荷が大きくなるに従って、動作時間の差分が大きくなることを利用し、上記のような構成により、装着ヘッドの動作に伴う負荷を測定できる
請求項に係る発明の構成によると、装着ヘッドの動作負荷が大きくなるに従って、供給電力の差分も大きくなることを利用し、上記のような構成により、装着ヘッドの動作に伴う負荷を測定できる。これにより、装着ヘッドの動作を高精度に検査することができる。
装着ヘッドを備える部品実装機を示す全体図である。 図1における装着ヘッドを示す図である。 装着ヘッドのエア通路を示す断面図である。 部品実装機の制御装置を示すブロック図である。 図5の制御装置による制御ブロック図である。 検査処理を示すフローチャートである。 吸着ノズルの位置に対する速度および偏差の関係を示すグラフである。
以下、本発明の装着ヘッドの検査装置を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。装着ヘッドの検査装置は、電子回路製品を生産する部品実装機に用いられる装着ヘッドを対象として、当該装着ヘッドの動作を検査する。
部品実装機は、回路基板上に複数の電子部品を装着する装置である。回路基板は、例えばスクリーン印刷機により電子部品の装着位置にクリームハンダが塗布され、複数の部品実装機を順に搬送されて電子部品が装着される。その後に、電子部品が装着された回路基板は、リフロー炉に搬送されてハンダ付けされることにより回路基板製品となる。
<実施形態>
(1.部品実装機1の構成)
部品実装機1は、図1および図4に示すように、基板搬送装置10と、部品供給装置20と、部品移載装置30と、部品カメラ71と、基板カメラ72と、制御装置80とを備えて構成される。以下の説明において、部品実装機1の水平幅方向(図1の左上から右下に向かう方向)をX軸方向、部品実装機1の水平長手方向(図1の左下から右上に向かう方向)をY軸方向、鉛直高さ方向(図1の上下方向)をZ軸方向とする。
(1−1.基板搬送装置10)
基板搬送装置10は、回路基板BdをX軸方向に搬送するとともに、回路基板Bdを所定の位置に位置決めする。基板搬送装置10は、基台2にY軸方向に並設された複数の搬送機構11により構成される。搬送機構11は、図略のコンベアベルトに載置されて搬送される回路基板Bdを案内する一対のガイドレール12,13を有する。搬送機構11は、電子部品の装着処理に際して、回路基板Bdを所定のX軸方向位置まで搬入して、クランプ装置により回路基板Bdをクランプする。そして、搬送機構11は、回路基板Bdに電子部品が装着されると、回路基板Bdをアンクランプして、部品実装機1の機外に回路基板Bdを搬出する。
(1−2.部品供給装置20)
部品供給装置20は、回路基板Bdに実装される電子部品を供給する装置である。部品供給装置20は、部品実装機1のY軸方向の前部側(図1の左下側)に配置されている。この部品供給装置20は、本実施形態において、複数のカセット式のフィーダ21を用いたフィーダ方式としている。フィーダ21は、基台2に対して着脱可能に取り付けられるフィーダ本体部21aとフィーダ本体部21aの後端側に設けられたリール収容部21bとを有する。フィーダ21は、リール収容部21bにより部品包装テープが巻回された供給リール22を保持している。
上記の部品包装テープは、電子部品が所定ピッチで収納されたキャリアテープと、このキャリアテープの上面に接着されて電子部品を覆うトップテープとにより構成される。フィーダ21は、図略のピッチ送り機構により供給リール22から引き出された部品包装テープをピッチ送りする。そして、フィーダ21は、キャリアテープからトップテープを剥離して電子部品を露出させている。これにより、フィーダ21は、フィーダ本体部21aの前端側に位置する供給位置において、部品移載装置30の吸着ノズル46が電子部品を吸着可能となるように電子部品の供給を行っている。
(1−3.部品移載装置30)
部品移載装置30は、供給位置に供給された電子部品を保持して、回路基板Bd上の装着位置まで電子部品を移載する。本実施形態において、部品移載装置30は、基板搬送装置10および部品供給装置20の上方に配置された直交座標型としている。この部品移載装置30は、Y軸方向に延在する一対のY軸レール31にY軸方向に移動可能にY軸スライド32が設けられている。
Y軸スライド32は、ボールねじ機構を介してY軸モータ33の動作により制御される。また、Y軸スライド32には、移動台34がX軸方向に移動可能に設けられている。移動台34は、図略のボールねじ機構を介してX軸モータ35の動作により制御される。Y軸スライド32および移動台34は、上記の構成の他に、例えばリニアモータを用いた直動機構に設けられ、当該リニアモータの動作により制御される構成としてもよい。
部品移載装置30の移動台34には、装着ヘッド40が着脱可能に取り付けられている。装着ヘッド40は、図2に示すように、移動台34にクランプされるヘッド本体41を有する。ヘッド本体41には、R軸モータ42によって所定の角度ごとに回転角度を割り出されるインデックス軸43が回転可能に支持されている。このインデックス軸43の下端には、ロータリヘッド44が固定されている。
ロータリヘッド44は、R軸と同心の円周上において周方向に等間隔に複数(例えば、12本)のノズル軸45(本発明の「動作軸」に相当する)をZ軸方向に摺動可能に且つ回転可能に保持する(図3を参照)。ノズル軸45は、図略のスプリングの弾性力によりロータリヘッド44に対して上方に付勢されている。これにより、ノズル軸45は、外力を付与されていない通常状態では、上昇端に位置している。
ノズル軸45の下端部には、吸着ノズル46が着脱可能に取り付けられる。吸着ノズル46は、図略の負圧エア供給装置からエア通路60(図3を参照)を介して供給される負圧エアにより部品を吸着して保持する保持部材である。エア通路60の詳細については後述する。複数の吸着ノズル46は、R軸モータ42の駆動に伴ってロータリヘッド44がインデックス軸43を介して回転することにより、R軸周りの所定の角度位置(例えば、ノズル軸45の昇降位置)に順次割り出される。
従動ギヤ47およびθ軸ギヤ48を一体的に形成された回転体49は、インデックス軸43に対して相対回転可能にインデックス軸43の外周側に配置されている。ヘッド本体41には、θ軸モータ51が固定されている。θ軸モータ51の出力軸に固定された駆動ギヤ52は、従動ギヤ47に噛合している。θ軸ギヤ48は、回転体49の軸線方向(R軸方向)に所定の長さの歯幅となるように形成されている。
ノズル軸45の上端部には、ノズルギヤ53が形成されている。ノズルギヤ53は、インデックス軸43の外周側に相対回転可能に支持されたθ軸ギヤ48とR軸方向に摺動可能に噛合している。従動ギヤ47、θ軸ギヤ48、θ軸モータ51、駆動ギヤ52、およびノズルギヤ53は、装着ヘッド40における回転機構を構成する。ノズル軸45および吸着ノズル46は、上記の回転機構の動作によりθ軸周りに一体的に回転(自転)し、回転角度や回転速度を制御される。
また、ヘッド本体41には、ノズル作動部材54が設けられている。ノズル作動部材54は、ガイドバー55によって上下方向(Z軸方向)に摺動可能に案内される。ヘッド本体41に固定されたZ軸モータ56は、ボールねじ機構57を駆動させる。ノズル作動部材54は、ボールねじ機構57の駆動によりZ軸方向に昇降される。
ノズル作動部材54は、複数のノズル軸45のうち上記の昇降位置に割り出されたノズル軸45の上端部に当接するノズルレバー58を有する。ノズルレバー58は、ノズル作動部材54のZ軸方向下方への移動に伴って下降し、当接するノズル軸45をZ軸方向下方へと押圧する。ノズル作動部材54、ガイドバー55、Z軸モータ56、ボールねじ機構57、およびノズルレバー58は、装着ヘッド40における昇降機構を構成する。ノズル軸45および吸着ノズル46は、上記の昇降機構の動作によりZ軸方向に一体的に昇降し、Z方向位置や移動速度を制御される。
上記のように、装着ヘッド40の内部には、部品実装機1の負圧エア供給装置(図示しない)が発生させる負圧エアを吸着ノズル46まで供給するエア通路60が形成されている。エア通路60は、図3に示すように、軸内通路61と、ヘッド内通路62とを有する。軸内通路61は、ノズル軸45の中心部において軸方向に延在する管路と、ノズル軸45の外周側に形成された環状溝とを連結して構成される。
ヘッド内通路62は、ロータリヘッド44に供給される負圧エアを各ノズル軸45に分配可能に、ロータリヘッド44の内部に形成されている。ヘッド内通路62は、軸内通路61のうち上記の環状溝との間で負圧エアなどを流通可能に接続されている。
また、エア通路60を介したノズル軸45への負圧エアは、メカバルブ65により供給および遮断が切り替えられる。メカバルブ65は、ロータリヘッド44に上下方向に摺動可能に嵌合して保持されている。メカバルブ65は、図示しないステッピングモータの駆動により昇降し、ロータリヘッド44に対する上下方向位置を制御される。
(1−4.部品カメラ71および基板カメラ72)
部品カメラ71および基板カメラ72は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有するデジタル式の撮像装置である。部品カメラ71および基板カメラ72は、通信可能に接続された制御装置80による制御信号に基づいてカメラ視野に収まる範囲の撮像を行い、当該撮像により取得した画像データを制御装置80に送出する。
部品カメラ71は、光軸が鉛直方向(Z軸方向)の上向きとなるように部品実装機1の基台2に固定され、部品移載装置30の下方から撮像可能に構成される。より具体的には、部品カメラ71は、吸着ノズル46に保持された状態の電子部品の下面を撮像可能に構成される。基板カメラ72は、光軸が鉛直方向(Z軸方向)の下向きとなるように部品移載装置30の移動台34に設けられる。基板カメラ72は、回路基板Bdを撮像可能に構成されている。
(1−5.制御装置80)
制御装置80は、主として、CPUや各種メモリ、制御回路により構成され、部品実装機1を動作させるための制御プログラム、部品カメラ71および基板カメラ72の撮像により取得した画像データに基づいて、回路基板Bdへの電子部品の装着処理を制御する。この制御装置80は、図4に示すように、実装制御部81、画像処理部82、偏差取得部83、負荷測定部84、判定部85、および記憶装置86に、バスを介して入出力インターフェース87が接続されている。入出力インターフェース87には、モータ制御回路88および撮像制御回路89が接続されている。
実装制御部81は、モータ制御回路88を介して装着ヘッド40の位置や吸着機構の動作を制御する。より詳細には、実装制御部81は、部品実装機1に複数設けられた各種センサから出力される情報、各種の認識処理の結果を入力する。そして、実装制御部81は、記憶装置86に記憶されている制御プログラム、後述する制御情報、各種センサによる情報、画像処理や認識処理の結果に基づいて、モータ制御回路88に制御信号を送出する。これにより、装着ヘッド40に支持された吸着ノズル46の位置および回転角度が制御される。
画像処理部82は、撮像制御回路89を介して部品カメラ71および基板カメラ72の撮像による画像データを取得して、用途に応じた画像処理を実行する。この画像処理には、例えば、画像データの二値化、フィルタリング、色相抽出、超解像処理などが含まれ得る。偏差取得部83、負荷測定部84、および判定部85は、装着ヘッド40の動作を対象とした検査に用いられ、後述する検査装置を構成する。
記憶装置86は、ハードディスク装置などの光学ドライブ装置、またはフラッシュメモリなどにより構成される。この記憶装置86には、制御プログラム、制御情報、画像データ、画像処理部82による処理の一時データなどが記憶される。
入出力インターフェース87は、CPUや記憶装置86と各制御回路88,89との間に介在し、データ形式の変換や信号強度を調整する。モータ制御回路88は、実装制御部81による制御信号に基づいて、部品移載装置30に設けられた各推進軸(XYZ軸)モータおよび各回転軸(Rθ軸)モータの駆動をフィードバック制御する。
撮像制御回路89は、制御装置80のCPUなどによる撮像の制御信号に基づいて、部品カメラ71および基板カメラ72による撮像を制御する。また、撮像制御回路89は、部品カメラ71および基板カメラ72の撮像による画像データを取得して、入出力インターフェース87を介して記憶装置86に上記の画像データを記憶させる。
上記のような構成からなる制御装置80は、部品カメラ71の撮像により取得した画像データを画像処理して、吸着ノズル46による電子部品の保持状態を認識する。また、制御装置80は、基板カメラ72の撮像により取得した画像データを画像処理して、基板搬送装置10による回路基板Bdの位置決め状態を認識する。そして、制御装置80は、電子部品の保持状態および回路基板Bdの位置決め状態に応じて、吸着ノズル46の位置を補正して、電子部品の装着を行うように装着処理を制御する。
(2.モータ制御回路88の詳細構成)
制御装置80のモータ制御回路88は、上記のように各推進軸(XYZ軸)モータおよび各回転軸(Rθ軸)モータの駆動をフィードバック制御する。ここでは、モータ制御回路88の動作制御のうち吸着ノズル46のZ軸方向の制御に関する部分について説明する。モータ制御回路88は、図5に示すように、プロファイル生成部91と、位置制御部92と、速度制御部93と、電流制御部94と、微分器95とを有する。
プロファイル生成部91は、実装制御部81からの指令に基づいて、Z軸モータ56の位置指令を演算して、指令用のプロファイルを生成する。実装制御部81からの指令には、例えば制御対象の移動指令、加速度指令、減速度指令、および速度指令などが含まれる。プロファイル生成部91は、下位側の位置制御部92に対して、位置指令としての指令パルスを送出する。
位置制御部92は、プロファイル生成部91からの位置指令(指令値)と、Z軸モータ56の位置を検出する位置検出器75からフィードバックされた位置情報(検出値)との偏差を入力する。位置制御部92は、入力した偏差に位置制御用の制御ゲインを乗じて、速度指令を生成する。位置制御部92は、下位側の速度制御部93に対して、速度指令としての指令パルスを送出する。
速度制御部93は、位置制御部92からの速度指令(指令値)と、微分器95により算出されてフィードバックされたZ軸モータ56の速度情報(検出値)との偏差を入力する。速度制御部93は、入力した偏差に速度制御用の制御ゲインを乗じて、電流指令(トルク指令)を生成する。速度制御部93は、下位側の電流制御部94に対して、電流指令としての指令パルスを送出する。
電流制御部94は、速度制御部93からの電流指令(指令値)と、Z軸モータ56のモータ電流を検出する電流検出器76からフィードバックされた電流情報(検出値)との偏差を入力する。電流制御部94は、入力した偏差に電流制御用の制御ゲインを乗じて、図示しない電力変換器の駆動信号を生成する。この電力変換器は、例えばインバータであって、各種の演算結果に基づくモータ電流をZ軸モータ56に供給して、Z軸モータ56を駆動する。
微分器95は、Z軸モータ56の位置検出器75により検出されたZ軸モータ56の回転角の微分値、即ちZ軸モータ56の回転角速度を速度情報(検出値)として算出する。その他に、Z軸モータ56の速度情報は、図示しない速度検出器により直接的にZ軸モータ56の速度を検出される構成を採用し得る。
上記のような構成からなるモータ制御回路88は、位置制御ループ、速度制御ループおよび電流制御ループの3重の制御ループがカスケード接続されている。モータ制御回路88における位置制御、速度制御、および電流制御は、PID制御などのフィードバック制御が用いられる。このような構成により、装着ヘッド40は、ノズル軸45に保持された吸着ノズル46の昇降動作をフィードバック制御される。
(3.装着ヘッド40の検査装置の構成)
上記のように、装着ヘッド40は、制御装置80の制御によって各軸の動作を制御される。ここで、装着ヘッド40において、ノズル軸45に取り付けられた吸着ノズル46の昇降動作または回転動作がなされると、ロータリヘッド44に対してノズル軸45が摺動する。この摺動部にエア通路60など介して吸引された粉塵が付着すると、摺動部における摺動抵抗が増加して、吸着ノズル46の昇降動作や回転動作に影響が及ぶことがある。
また、装着ヘッド40の動作は、摺動部の潤滑状態や、ロータリヘッド44に対してノズル軸45を上方に付勢するスプリングの劣化状態などに影響を受ける。そのため、装着ヘッド40に対しては、上記の摺動部やエア通路60の洗浄、消耗部品や劣化部品の交換などのメンテナンスが必要とされる。このような装着ヘッド40のメンテナンスの要否の判断には、装着ヘッド40を対象とした動作の検査処理の結果が用いられる。
上記の検査処理は、本実施形態において、部品実装機1の制御装置80に適用された検査装置により実行される。以下では、制御装置80を検査装置80とも称する。この検査装置80は、部品移載装置30の装着ヘッド40を対象として、当該装着ヘッド40の動作を検査する。検査装置80は、図4および図5に示すように、偏差取得部83、負荷測定部84、および判定部85を備えて構成される。偏差取得部83は、吸着ノズル46を規定の昇降位置または規定の回転角度とする規定動作において、当該規定動作のフィードバック制御における指令値とフィードバックされた検出値との偏差を取得する。
上記の規定動作は、吸着ノズル46の昇降動作においては、吸着ノズル46を規定の昇降位置とする動作であって、例えば吸着ノズル46の上昇端から下降端まで移動させる動作や、これらの位置を往復する動作などを設定される。また、規定動作は、吸着ノズル46の回転動作においては、吸着ノズル46を規定の回転角度とする動作であって、例えば現在の回転角度から360°回転させる動作などを設定される。
偏差取得部83は、モータ制御回路88によるフィードバック制御における偏差を取得する。この偏差は、上記の位置制御ループ、速度制御ループ、および電流制御ループの制御ループに用いられるものであり、各制御部92〜94が入力する偏差の何れかである。偏差取得部83は、本実施形態において、位置制御部92に入力される偏差を取得する。
また、偏差取得部83に取得される偏差は、上位側からの指令値(入力パルス)の周波数、および下位側からの検出値(フィードバックパルス)の周波数などに応じたタイミングで偏差取得部83に入力される。つまり、偏差取得部83には、規定動作をフィードバック制御されている期間において、複数のパルス偏差が入力される。そこで、偏差取得部83は、装着ヘッド40の動作の検査に際して、当該検査に適したパルス偏差を取得するための処理を実行する。
具体的には、偏差取得部83は、先ずZ軸モータ56の回転角速度を取得して、吸着ノズル46の移動速度を算出する。次に、偏差取得部83は、吸着ノズル46の動作が所定速度に達してから減速を開始するまでの期間における偏差を有効であるものとして取得する。そして、偏差取得部83は、上記の期間に取得した複数の偏差について、例えば平均値や中央値、最大値などを当該規定動作に対応する偏差として取得する。
負荷測定部84は、取得された偏差に基づいて、装着ヘッド40の規定動作に伴う負荷を測定する。ここで、例えばロータリヘッド44とノズル軸45との摺動部における摺動抵抗が粉塵の付着などの要因により増加したとする。そうすると、所定の制御ゲインを用いたフィードバック制御においては、制御対象の追従性が低下して偏差が増大する。このように、負荷測定部84は、負荷と偏差に相関関係があることを利用して、例えば偏差と負荷の関係を示すテーブルに基づいて負荷を測定する。
また、フィードバック制御では、追従性の低下(移動指令に対する移動動作の遅れ)に対応して、移動動作の遅れを補うように電力が供給されるなどして、偏差の増大は一時的なものとなることがある。そこで、本実施形態において、検査装置80は、複数の制御ゲインを用いて取得された複数の偏差の差分に基づいて、規定動作に伴う負荷を測定する検査方法を採用する。
具体的には、偏差取得部83は、異なる複数の制御ゲインを用いて、装着ヘッド40が規定動作をフィードバック制御された場合における各偏差を取得する。これにより、同一の規定動作、即ち同一のプロファイルに基づく指令を入力してフィードバック制御が実行される。異なる複数の制御ゲインは、例えば一方は通常の装着処理に用いられる値に設定され、他方はこの値よりも低下させた値に設定される。これにより、通常と比較して対象の追従性が意図的に低下された状態となる。
ここで、通常よりも低下された制御ゲインを用いたフィードバック制御では、摺動抵抗が十分に小さい(動作負荷が小さい)場合には、偏差は、追従性が低下した状態でも通常と比較して大きくならない。一方で、摺動抵抗が大きい(動作負荷が大きい)場合には、偏差は、追従性が低下しているため通常と比較して大きくなる。このような特性を利用して、負荷測定部84は、各偏差の差分に基づいて、装着ヘッド40の規定動作に伴う負荷を測定する構成としている。
判定部85は、測定された規定動作に伴う負荷に基づいて、装着ヘッド40のロータリヘッド44(本発明の「本体部」に相当する)とノズル軸45との間の洗浄の要否を判定する。判定部85は、動作負荷が一定以上であることから、摺動部の摺動抵抗が粉塵の付着などにより増加しているものとし、洗浄する必要があることを判定する。検査装置80は、当該検査の結果を作業者に対して報知して、メンテナンスの実行を促すことができる。
(4.装着ヘッド40の検査処理)
上記の装着ヘッド40の検査装置80による検査処理について説明する。なお、本実施形態においては、装着ヘッド40の昇降動作および回転動作のうちZ軸方向に吸着ノズル46を昇降させる昇降動作の負荷を検査する態様を例示する。以下において、モータ制御回路88の動作制御のうち吸着ノズル46のZ軸方向の制御に関する部分(図5を参照)を、単に「モータ制御回路88」と称する。
検査装置80は、先ず、図6に示すように、第一の制御ゲインの設定を行う(ステップ11(以下、「ステップ」を「S」と表記する))。具体的には、検査装置80は、モータ制御回路88の位置制御部92に対して、位置制御用の制御ゲインとして第一の制御ゲインを設定する。この第一の制御ゲインは、例えば通常の装着処理に用いられる値であり、発振を防止しつつ追従性が高くなるように調整されている。
次に、検査装置80は、モータ制御回路88に対して位置指令を送出する(S12)。この位置指令は、吸着ノズル46を下降端とする指令である。つまり、当該指令によって吸着ノズル46は、現在位置する上昇端から下降端まで移動される。この吸着ノズル46を上昇端から下降端まで移動させる動作は、本発明の「規定動作」に相当する。
モータ制御回路88のプロファイル生成部91は、規定動作に対応する指令用のプロファイルを生成する(S13)。プロファイル生成部91は、プロファイルに従って位置指令としての指令パルスを位置制御部92に送出する。位置制御部92は、設定された位置制御用の制御ゲインを用いて速度指令を生成して、指令パルスを速度制御部93に送出する。これにより、モータ制御回路88によるフィードバック制御が開始され、Z軸モータ56の駆動によって吸着ノズル46が下降を始める。
上記のようなフィードバック制御において、偏差取得部83は、位置制御部92に入力される偏差、および吸着ノズル46の移動速度を取得する(S14)。吸着ノズル46の移動速度は、Z軸モータ56の回転角速度に基づいて算出されたものである。偏差取得部83は、取得した複数の偏差に吸着ノズル46の移動速度を関連付けて記憶装置86に記憶する。
検査装置80は、規定動作のフィードバック制御が終了したか否かを判定する(S15)。フィードバック制御の終了は、吸着ノズル46の位置、速度、または供給電流などに基づいて判定される。フィードバック制御が終了していない場合には(S15:No)、偏差取得部83による偏差および移動速度の取得(S14)が繰り返される。フィードバック制御が終了した場合(S15:Yes)、検査装置80は、全ての制御ゲインを用いた規定動作のフィードバック制御が実行されたか否かを判定する(S16)。
本実施形態において、異なる2つの制御ゲインを用いてフィードバック制御を実行する。ここでは、第一の制御ゲインを用いたフィードバック制御のみが終了したとして(S16:No)、検査装置80は、第二の制御ゲインの設定を行う(S11)。具体的には、検査装置80は、モータ制御回路88の位置制御部92に対して、第二の制御ゲインを設定する。この第二の制御ゲインは、例えば第一の制御ゲインよりも低い値に設定される。
そして、吸着ノズル46が上昇端に戻された後に上記の各処理(S12〜S15)が再度実行されて、全ての制御ゲインを用いた規定動作のフィードバック制御が実行される。これにより、記憶装置86には、異なる2つの制御ゲインを用いたフィードバック制御において偏差取得部83により取得された複数の偏差、および当該偏差に関連付けられた吸着ノズル46の速度がそれぞれ記憶される。
上記のように、全ての制御ゲインを用いて規定動作のフィードバック制御が実行されると(S16:Yes)、負荷測定部84による規定動作に伴う負荷の測定処理が実行される(S17)。詳細には、負荷測定部84は、先ず、第一の制御ゲインおよび第二の制御ゲインのそれぞれに対応する偏差を取得する。ここで、負荷測定部84は、規定動作のフィードバック制御においては、吸着ノズル46が所定速度に達してから減速を開始するまでの期間における偏差を有効であるものとして取得する。
具体的には、図7上段の破線Ldに示すように指令パルスが送出されると、第一の制御ゲインによるフィードバック制御においては、図7上段の細実線L1で示すように、位置P1にて吸着ノズル46の速度が所定速度Vsに達する。そして、位置P3にて吸着ノズル46が減速を開始する。負荷測定部84は、この位置P1〜P3を吸着ノズル46が移動する期間における偏差(図7下段の太実線D1)の平均値Av1を算出する。
同様に、図7上段の破線Ldに示すように指令パルスが送出されると、第二の制御ゲインによるフィードバック制御においては、図7上段の太実線L2で示すように、位置P2にて吸着ノズル46の速度が所定速度Vsに達する。そして、位置P3にて吸着ノズル46が減速を開始する。負荷測定部84は、この位置P2〜P3を吸着ノズル46が移動する期間における偏差(図7下段の太実線D2)の平均値Av2を算出する。
そして、負荷測定部84は、各偏差の差分として、それぞれの平均値Av1,Av2の差分(Av2−Av1)を算出する。この差分(Av2−Av1)は、吸着ノズル46の昇降動作に伴う負荷に比例して大きくなるという特性を有する。負荷測定部84は、当該差分(Av2−Av1)と負荷の関係を示すテーブルに基づいて負荷を測定する。
続いて、判定部85は、負荷測定部84により測定された負荷に基づいて、装着ヘッド40のロータリヘッド44とノズル軸45との間の洗浄の要否を判定する(S18)。判定部85は、上記の判定の結果とともに、当該判定にて認識される摺動部の汚れの度合いを併せて、例えば作業者が視認可能な表示部に表示するなどして報知する。上記のように、検査装置80は、装着ヘッド40における動作負荷を測定する(S17)とともに、洗浄の要否を判定して(S18)、装着ヘッド40を対象とした検査処理を終了する。
(5.実施形態の構成による効果)
検査装置80は、部品を保持する保持部材(吸着ノズル46)と、保持部材(吸着ノズル46)を着脱可能に取り付けられる動作軸(ノズル軸45)と、を有し、動作軸(ノズル軸45)を昇降可能に且つ回転可能に保持する装着ヘッド40を対象として、当該装着ヘッド40の動作を検査する。装着ヘッド40は、動作軸(ノズル軸45)に取り付けられた保持部材(吸着ノズル46)の昇降動作および回転動作をフィードバック制御される。
検査装置80は、保持部材(吸着ノズル46)を規定の昇降位置または規定の回転角度とする規定動作において、当該規定動作のフィードバック制御における指令値とフィードバックされた検出値との偏差を取得する偏差取得部83と、取得された偏差に基づいて、装着ヘッド40の規定動作に伴う負荷を測定する負荷測定部84と、を備える。
装着ヘッド40は、吸着ノズル46の昇降動作および回転動作がフィードバック制御される。そのため、装着ヘッド40が初期状態と比較して動作負荷が増大した状態にあっても、動作負荷に対応して制御される。つまり、摺動抵抗が大きくなって動作速度が低減する場合には、例えばこれを補うように移動速度が増速されて目標時間内に目標位置に到達するように制御されるので、動作時間に負荷による影響が少なく検出が容易でない。
フィードバック制御の偏差は、装着ヘッド40の動作負荷により通常と比較して吸着ノズル46の移動速度が低減すると大きくなる。そこで、上記のような構成によって、偏差に基づく装着ヘッド40の動作に伴う負荷を測定できる。これにより、装着ヘッド40の動作を高精度に検査することができる。また、ロードセルなどを用いた動作負荷の検出装置を用いる場合と比較して、検査装置80の構成を簡易にでき、設備コストを低減できる。
また、偏差取得部83は、異なる複数の制御ゲインを用いて、装着ヘッド40が規定動作をフィードバック制御された場合における各偏差を取得する(S14)。負荷測定部84は、各偏差の差分(Av2−Av1)に基づいて、装着ヘッド40の規定動作に伴う負荷を測定する(S17)。
制御ゲインは、フィードバック制御を実行する制御装置に用いられ、入力指令に対する追従性を示す値である。装着ヘッド40は、偏差およびフィードバック制御の制御ゲインにより生成される指令パルスに基づいて動作する。そのため、制御ゲインを低下させると、制御ゲインの変更後の偏差は、変更前の偏差と比較して大きくなる。
そこで、異なる複数の制御ゲインを用いて同一の規定動作をフィードバック制御し、それぞれの制御における各偏差の差分を算出する。このとき、装着ヘッド40の動作負荷が大きくなるに従って、この偏差の差分も大きくなる。よって、上記のような構成により、装着ヘッド40の動作負荷を確実に測定することができる。
また、偏差取得部83は、規定動作のフィードバック制御において、保持部材(吸着ノズル46)の動作が所定速度に達してから減速を開始するまでの期間における偏差を有効であるものとして取得する。
フィードバック制御の偏差は、制御対象の動作によって吸着ノズル46が加速状態の場合には増加し、等速状態の場合には一定となり、減速状態の場合には減少する。また、吸着ノズル46の加速状態および減速状態における偏差には、外乱などによる影響を受けやすい。そこで、上記のような構成により、装着ヘッド40の動作負荷を安定的に示す期間の偏差に基づいて装着ヘッド40の動作が検査されるので、検査精度を向上できる。
また、装着ヘッド40の規定動作は、保持部材(吸着ノズル46)を規定の昇降位置とする動作である。
このような構成によると、装着ヘッド40における吸着ノズル46の昇降動作の負荷を測定できる。装着ヘッド40において吸着ノズル46の昇降動作に不良があると、部品実装機による実装制御への影響が大きい。そのため、昇降動作の負荷を測定して、装着ヘッド40の不良を早期に発見することは特に有用である。
また、動作軸(ノズル軸45)は、装着ヘッド40における保持部材(吸着ノズル46)の昇降動作および回転動作に伴って装着ヘッド40の本体部(ロータリヘッド44)に対して摺動する。検査装置80は、測定された規定動作に伴う負荷に基づいて、装着ヘッド40の本体部(ロータリヘッド44)と動作軸(ノズル軸45)との間の洗浄の要否を判定する判定部85をさらに備える。
このような構成によると、装着ヘッド40の本体部(ロータリヘッド44)とノズル軸45の摺動部について、装着ヘッド40の動作負荷を測定して、メンテナンスの一種である洗浄の要否を判定できる。これにより、作業者は、装着ヘッド40の状態を認識して、メンテナンスを適宜行うことができる。
<実施形態の変形態様>
(制御ゲインおよび偏差について)
実施形態において、異なる2つの制御ゲインを用いたフィードバック制御を実行するものとし、第一の制御ゲインが通常の装着処理に用いられる値に設定され、第二の制御ゲインが第一の制御ゲインよりも低い値に設定されるものとした。これに対して、複数の制御ゲインについては、互いに異なる値であれば偏差の差分が生じるため、これらを適宜設定することができる。
また、測定処理に用いられる制御ゲインとしては、1または互いに異なる3以上としてもよい。1つの制御ゲインのみを用いる測定処理においては、フィードバック制御の実行中に取得される偏差に基づいて、例えば偏差と負荷の関係を示すテーブルに基づいて負荷を直接的に求めるようにしてもよい。このような構成によると、簡易に装着ヘッド40の動作負荷を測定できるので、処理負荷を軽減できる。
また、実施形態において、偏差は、所定期間における平均値Av1,Av2とした。これに対して、偏差取得部83は、上記の所定期間における平均値の他に、中央値や最頻値、最大値を偏差として取得してもよい。また、実施形態において、偏差取得部83は、位置制御ループに用いられる偏差を取得するものとした。これに対して、偏差取得部83は、速度制御ループや電流制御ループに用いられる偏差を取得してもよいし、これらを重複して取得してもよい。
(検査方法について)
実施形態において、検査装置80の検査処理により、装着ヘッド40の昇降動作および回転動作のうちZ軸方向に吸着ノズル46を昇降させる昇降動作の負荷を検査するものとした。これに対して、検査装置80は、装着ヘッド40の回転動作、即ちθ軸を中心にノズル軸45を自転させる回転動作、またはR軸を中心にノズル軸45を公転させるロータリヘッド44の回転動作の負荷を検査するものとしてもよい。
上記のような回転動作の負荷を検査する場合において、吸着ノズル46がθ軸またはR軸周りに現在の角度から規定の角度回転させる動作を規定動作として検査処理が実行される。このような回転動作においても同様にフィードバック制御がなされ、偏差取得部83は、当該フィードバック制御における偏差を取得することが可能である。
これにより、負荷測定部84は、取得された偏差に基づいて回転動作に伴う負荷を測定することができる。装着ヘッド40において吸着ノズル46の回転動作に不良があると、回転方向の角度決めに誤差が生じたり動作に通常より長い時間を要したりするおそれがある。そのため、回転動作の負荷を測定して、装着ヘッド40の不良を早期に発見することは特に有用である。
また、検査装置80は、昇降動作の負荷を測定する際に吸着ノズル46の回転動作を付加した状態としてもよい。つまり、装着ヘッド40は、昇降機構の規定動作をフィードバック制御される場合に、吸着ノズル46を所定の回転方向および回転数で回転動作させる。このような構成によると、吸着ノズル46は、規定動作として昇降動作をフィードバック制御される場合に、同時に回転動作する。これにより、実際の実装制御における吸着ノズル46の状態に近付けることになる。よって、実装時を想定した吸着ノズル46の昇降動作の負荷を測定することができる。
また、検査装置80は、回転動作の負荷を測定する際に吸着ノズル46の昇降動作を付加した状態としてもよい。つまり、装着ヘッド40は、回転機構の規定動作をフィードバック制御される場合に、吸着ノズル46を所定のZ軸方向および移動速度で昇降動作させる。このような構成によると、吸着ノズル46は、規定動作として回転動作をフィードバック制御される場合に、同時に昇降動作する。これにより、実際の実装制御における吸着ノズル46の状態に近付けることになる。よって、実装時を想定した吸着ノズル46の回転動作の負荷を測定することができる。
また、検査装置80は、装着ヘッド40の昇降動作または回転動作の負荷を検査する際に、吸着ノズル46に負圧エアを供給した状態としてもよい。つまり、装着ヘッド40は、検査処理の実行中において規定動作をフィードバック制御される場合に、吸着ノズル46に負圧エアを供給する。
このような構成によると、吸着ノズル46は、規定動作をフィードバック制御される場合に、同時に負圧エアを供給される。これにより、実際の実装制御における吸着ノズル46の状態に近付けることになる。よって、実装時を想定した吸着ノズル46の規定動作の負荷を測定することができる。
実施形態において、検査装置80は、偏差取得部83によりフィードバック制御における偏差を取得し、当該偏差に基づいて規定動作に伴う負荷を測定するものとした。これに対して、検査装置80は、実施形態と同様に異なる複数の制御ゲインを用いたフィードバック制御を実行することを前提として、それぞれのフィードバック制御における装着ヘッド40の動作時間を計測し、当該動作時間に基づいて規定動作に伴う負荷を測定する構成としてもよい。
具体的には、検査装置は、異なる複数の制御ゲインを用いて、装着ヘッド40が保持部材(吸着ノズル46)を規定の昇降位置または規定の回転角度とする規定動作をフィードバック制御された場合において、装着ヘッド40の動作時間を測定する時間計測部と、計測された各動作時間の差分に基づいて、装着ヘッド40の規定動作に伴う負荷を測定する負荷測定部とを備える。
ここで、装着ヘッド40は、上記のように、偏差およびフィードバック制御の制御ゲインにより生成される指令パルスに基づいて動作する。そのため、制御ゲインを低下させると、制御ゲインの変更後における装着ヘッド40の動作時間は、変更前の動作時間と比較して長くなる。そこで、上記の構成により、異なる複数の制御ゲインを用いて同一の規定動作をフィードバック制御し、それぞれの制御における各動作時間の差分を算出する。
このとき、装着ヘッド40の動作負荷が大きくなるに従って、この動作時間の差分も大きくなる。よって、上記のような構成により、装着ヘッド40の動作に伴う負荷を測定できる。これにより、装着ヘッド40の動作を高精度に検査することができる。また、ロードセルなどを用いた動作負荷の検出装置を用いる場合と比較して、検査装置80の構成を簡易にでき、設備コストを低減できる。
さらに、検査装置80は、実施形態と同様に異なる複数の制御ゲインを用いたフィードバック制御を実行することを前提として、それぞれのフィードバック制御における装着ヘッド40側への供給電力を計測し、当該供給電力に基づいて規定動作に伴う負荷を測定する構成としてもよい。
具体的には、検査装置は、異なる複数の制御ゲインを用いて、装着ヘッド40が吸着ノズル46を規定の昇降位置または規定の回転角度とする規定動作をフィードバック制御された場合において、装着ヘッド40側への供給電力をそれぞれ計測する電力計測部と、計測された各供給電力の差分に基づいて、装着ヘッド40の規定動作に伴う負荷を測定する負荷測定部とを備える。
ここで、装着ヘッド40は、上記のように、偏差およびフィードバック制御の制御ゲインにより生成される指令パルスに基づいて動作する。そのため、制御ゲインを低下させると、制御ゲインの変更後における装着ヘッド40への供給電力は、変更前の供給電力に対して変動する。そこで、異なる複数の制御ゲインを用いて同一の規定動作をフィードバック制御し、それぞれの制御における各供給電力の差分を算出する。
このとき、装着ヘッド40の動作負荷が大きくなるに従って、この供給電力の差分も大きくなる。よって、上記のような構成により、装着ヘッド40の動作に伴う負荷を測定できる。これにより、装着ヘッド40の動作を高精度に検査することができる。また、ロードセルなどを用いた動作負荷の検出装置を用いる場合と比較して、検査装置80の構成を簡易にでき、設備コストを低減できる。
(その他)
実施形態において、部品を保持する保持部材は、供給される負圧エアにより部品を吸着する吸着ノズル46であるものとした。これに対して、保持部材は、複数の爪部材を相対移動させて部品を把持するチャックとしてもよい。チャックは、装着ヘッドに保持される動作軸に着脱可能に取り付けられる。このような構成においても、実施形態と同様の効果を奏する。
また、実施形態において、装着ヘッド40の検査装置80は、部品実装機1に適用されるものとした。これに対して、装着ヘッド40の検査装置は、装着ヘッド40を着脱可能に保持し且つフィードバック制御する制御装置を有する装置に適用することが可能である。また、検査装置は、装着ヘッド40を対象とする検査専用装置としてもよい。このような構成においても、実施形態と同様の効果を奏する。
1:部品実装機、 2:基台
10:基板搬送装置、 11:搬送機構、 12,13:ガイドレール
20:部品供給装置
21:フィーダ、 21a:フィーダ本体部、 21b:リール収容部
22:供給リール
30:部品移載装置
31:Y軸レール、 32:Y軸スライド、 33:Y軸モータ
34:移動台、 35:X軸モータ
40:装着ヘッド
41:ヘッド本体、 42:R軸モータ、 43:インデックス軸
44:ロータリヘッド、 45:ノズル軸(動作軸)
46:吸着ノズル(保持部材)、 47:従動ギヤ、 48:θ軸ギヤ
49:回転体、 51:θ軸モータ、 52:駆動ギヤ、 53:ノズルギヤ
54:ノズル作動部材、 55:ガイドバー、 56:Z軸モータ
57:ボールねじ機構、 58:ノズルレバー
60:エア通路、 61:軸内通路、 62:ヘッド内通路
65:メカバルブ
71:部品カメラ、 72:基板カメラ、 75:位置検出器、 76:電流検出器
80:制御装置(検査装置)
81:実装制御部、 82:画像処理部、 83:偏差取得部
84:負荷測定部、 85:判定部、 86:記憶装置
87:入出力インターフェース、 88:モータ制御回路、 89:撮像制御回路
91:プロファイル生成部、 92:位置制御部、 93:速度制御部
94:電流制御部、 95:微分器
Bd:回路基板

Claims (9)

  1. 部品を保持する保持部材と、前記保持部材を着脱可能に取り付けられる動作軸と、を有し、前記動作軸を昇降可能に且つ回転可能に保持する装着ヘッドを対象として、当該装着ヘッドの動作を検査する検査装置であって、
    前記装着ヘッドは、前記動作軸に取り付けられた前記保持部材の昇降動作および回転動作をフィードバック制御され、
    前記検査装置は、
    前記保持部材を規定の昇降位置または規定の回転角度とする規定動作において、当該規定動作のフィードバック制御における指令値とフィードバックされた検出値との偏差を取得する偏差取得部と、
    取得された前記偏差に基づいて、前記装着ヘッドの前記規定動作に伴う負荷を測定する負荷測定部と、
    を備え
    前記偏差取得部は、異なる複数の制御ゲインを用いて、前記装着ヘッドが前記規定動作をフィードバック制御された場合における各前記偏差を取得し、
    前記負荷測定部は、各前記偏差の差分に基づいて、前記装着ヘッドの前記規定動作に伴う負荷を測定する装着ヘッドの検査装置。
  2. 前記偏差取得部は、前記規定動作のフィードバック制御において、前記保持部材の動作が所定速度に達してから減速を開始するまでの期間における前記偏差を有効であるものとして取得する、請求項1に記載の装着ヘッドの検査装置。
  3. 部品を保持する保持部材と、前記保持部材を着脱可能に取り付けられる動作軸と、を有し、前記動作軸を昇降可能に且つ回転可能に保持する装着ヘッドを対象として、当該装着ヘッドの動作を検査する検査装置であって、
    前記装着ヘッドは、前記動作軸に取り付けられた前記保持部材の昇降動作および回転動作をフィードバック制御され、
    前記検査装置は、
    異なる複数の制御ゲインを用いて、前記装着ヘッドが前記保持部材を規定の昇降位置または規定の回転角度とする規定動作をフィードバック制御された場合において、前記装着ヘッドの動作時間をそれぞれ計測する時間計測部と、
    計測された各前記動作時間の差分に基づいて、前記装着ヘッドの前記規定動作に伴う負荷を測定する負荷測定部と、
    を備える装着ヘッドの検査装置。
  4. 部品を保持する保持部材と、前記保持部材を着脱可能に取り付けられる動作軸と、を有し、前記動作軸を昇降可能に且つ回転可能に保持する装着ヘッドを対象として、当該装着ヘッドの動作を検査する検査装置であって、
    前記装着ヘッドは、前記動作軸に取り付けられた前記保持部材の昇降動作および回転動作をフィードバック制御され、
    前記検査装置は、
    異なる複数の制御ゲインを用いて、前記装着ヘッドが前記保持部材を規定の昇降位置または規定の回転角度とする規定動作をフィードバック制御された場合において、前記装着ヘッド側への供給電力をそれぞれ計測する電力計測部と、
    計測された各前記供給電力の差分に基づいて、前記装着ヘッドの前記規定動作に伴う負荷を測定する負荷測定部と、
    を備える装着ヘッドの検査装置。
  5. 前記装着ヘッドの前記規定動作は、前記保持部材を規定の昇降位置とする動作である、請求項1−の何れか一項に記載の装着ヘッドの検査装置。
  6. 前記装着ヘッドは、前記規定動作をフィードバック制御される場合に、前記保持部材を所定の回転方向および回転数で回転動作させる、請求項に記載の装着ヘッドの検査装置。
  7. 前記装着ヘッドの前記規定動作は、前記保持部材を規定の回転角度とする動作である、請求項1−の何れか一項に記載の装着ヘッドの検査装置。
  8. 前記保持部材は、供給される負圧エアにより前記部品を吸着する吸着ノズルであり、
    前記装着ヘッドは、前記規定動作をフィードバック制御される場合に、前記吸着ノズルに前記負圧エアを供給する、請求項1−の何れか一項に記載の装着ヘッドの検査装置。
  9. 前記動作軸は、前記装着ヘッドにおける前記保持部材の昇降動作および回転動作に伴って前記装着ヘッドの本体部に対して摺動し、
    前記検査装置は、測定された前記規定動作に伴う前記負荷に基づいて、前記装着ヘッドの前記本体部と前記動作軸との間の洗浄の要否を判定する判定部をさらに備える、請求項1−の何れか一項に記載の装着ヘッドの検査装置。
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