Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP6538321B2 - 経口組成物 - Google Patents

経口組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6538321B2
JP6538321B2 JP2014191626A JP2014191626A JP6538321B2 JP 6538321 B2 JP6538321 B2 JP 6538321B2 JP 2014191626 A JP2014191626 A JP 2014191626A JP 2014191626 A JP2014191626 A JP 2014191626A JP 6538321 B2 JP6538321 B2 JP 6538321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl acetal
methacrylate copolymer
manufactured
ibuprofen
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014191626A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016060731A (ja
Inventor
瑞穂 大澤
瑞穂 大澤
海野 真
真 海野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SSP Co Ltd
Original Assignee
SSP Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SSP Co Ltd filed Critical SSP Co Ltd
Priority to JP2014191626A priority Critical patent/JP6538321B2/ja
Publication of JP2016060731A publication Critical patent/JP2016060731A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6538321B2 publication Critical patent/JP6538321B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

本発明は、薬物の不快な味を隠蔽した経口組成物に関し、更に詳細には、薬物の有する苦味や収斂味等の不快味を有効に隠蔽した経口組成物に関する。
従来より、医薬品に使用される有効成分の中には、服用時に口腔内で苦味や収斂味などの不快味を生じるものがあることが知られており、このような不快味の存在は、患者の服用感を低下させるという問題があった。そのため、こうした不快な味をマスキングする方法として、これまで、以下のような手法が取られてきた。
例えば、イブプロフェンは、舌を麻痺させるような刺激的な苦味や収斂味が強く、不快な味を有する薬物の一つであるが、この苦味や収斂味を隠蔽して服用感を改善する方法として、イブプロフェンに甘味料であるスクラロース、香料及び糖アルコールを添加して造粒する手法が知られている(特許文献1)。また、イブプロフェンを含有する核粒子を製造し、この核粒子にヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性高分子を何層もコーティングする手法や(特許文献2)、ゼラチンとアルギン酸塩の混合物をゲル化して得た膜物質に、イブプロフェンを被覆させて、カプセル状にする手法など、イブプロフェンを直接口腔内に触れさせないような物理的な手段も知られている(特許文献3)。
しかし、これら従来の隠蔽方法のうち、甘味料を添加する方法では、糖尿病のような糖分の摂取を制限されている患者には適用しにくいという問題があった。また、イブプロフェンの核粒子を製造し、その後、コーティングやカプセル状にするという技術は、製造するうえで手間のかかる手法であり、更には、イブプロフェンの溶出性の問題もあった。
特開2011−26310号公報 特開2010−37326号公報 特開2005−187416号公報
従って、本発明の課題は、上記技術とは異なる手法を用いて、不快な味を有する薬物の刺激的な苦味や収斂味を低減させ、服用時に不快感を与えないような経口組成物を提供することである。
本発明者らは、不快な味を有する薬物の苦味や収斂味を防ぐ方法を開発すべく、種々の材料のマスキング作用を検索していたところ、不快な味を有する薬物を特定の高分子化合物と共に造粒することにより、薬物を高濃度に含有しても不快な苦味や収斂味が抑制され、服用感に優れた経口組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、不快な味を有する薬物と、ポリビニルアセタール系高分子、水不溶性アクリル系高分子及び水不溶性セルロース系高分子から選ばれる高分子化合物とを含有することを特徴とする経口組成物である。
また、本発明は不快な味を有する薬物に、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーRSよりなる群から選ばれる高分子化合物を加えて、高速撹拌造粒法又は流動層造粒法により造粒することを特徴とする経口組成物の製造方法である。
本発明の経口組成物は、配合される高分子化合物の作用により、不快な味を有する薬物に起因する舌を麻痺させるような強烈な苦味や収斂味を防止することができる。従って本発明によれば、服用性に優れた薬剤を患者に提供することができる。
本発明の経口組成物(以下、「本発明組成物」という)における不快な味を有する薬物とは、服用時に服用者が不快感や違和感等を感じる薬物である。本発明ではこのような薬物を特に制限無く対象とすることができるが、好ましくは、イブプロフェン、カフェイン、無水カフェイン、アセトアミノフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アルミノプロフェン、ナプロキセン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩であり、特に好ましくは、イブプロフェンである。また、これら薬物を1種又は2種以上混合したものであってもよい。
本発明組成物において、不快な味を有する薬物(以下、「薬物」という)の含有量は、特に制限されるものではなく各薬物の経口投与での許容投与量等に応じて適宜決定することができる。例えば、薬剤がイブプロフェンである場合、製剤中における薬物は、10〜98質量%(以下、単に「%」という)含有させることが好ましく、さらに15〜90%含有させることがより好ましい。
一方、本発明組成物において薬物の苦味や収斂味等の不快味のマスキング剤として使用される高分子化合物は、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーRSから選ばれる高分子化合物(以下、「高分子化合物」という)である。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
例えば、2種の高分子化合物を組み合わせて使用する場合は、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(A)と、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE又はアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー(B)の組み合わせが好ましく、これらの質量比は、1:20〜20:1であることが好ましく、さらに1:10〜20:1であることが好ましく、特に1:10〜10:1であることが好ましい。
本発明組成物における高分子化合物の含有量は、高分子化合物の種類によっても異なるが、通常、薬物100質量部に対し、0.5〜2000質量部配合することが好ましく、さらに、0.5〜1000質量部配合することが好ましく、特に1〜20質量部配合することが好ましい。
本発明組成物は、常法に従い、上記必須成分である薬物と高分子化合物とを製剤化することにより調製されるが、上記必須成分のほかに通常の経口医薬品に使用される成分を適宜その目的に応じて配合してもよい。
通常の経口医薬品に使用される成分としては、賦形剤、可塑剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤、流動改善剤、甘味剤、コーティング剤等の添加剤が挙げられる。これら添加剤は、薬食審査発 1204第1号(薬事行政法令)、医薬品添加物辞典2007(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社)及び第8版食品添加物公定書(日本食品添加物協会)に記載されている。
賦形剤としては、結晶セルロース、乳糖水和物、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルファー化でんぷん、部分アルファー化でんぷん、エリスリトール、マンニトール、キシリトールなどが好ましい。
可塑剤としては、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ポリソルベート、PEG4000などが好ましい。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム末、プルラン、デキストリンなどが好ましい。
また、崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、バレイショデンプン、アルファー化デンプンなどが好ましい。
更に、滑沢剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステルなどが好ましい。
また、更に、矯味剤としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などが好ましい。
本発明組成物の具体的な製造方法の例としては、薬物および必要に応じて任意成分を混合し、この混合物に、水又は低級アルコール及び両者の混合水溶液等適切な溶媒で溶解した高分子化合物を添加し、これを高速撹拌造粒法、流動層造粒法等の公知の造粒方法に従って造粒する方法を挙げることができる。なお、低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等のCの第1級アルコールを使用することができる。複数の高分子を用いる場合は、これらを併せて溶媒に溶解させ造粒してもよく、または、各高分子をそれぞれ単独で溶媒に溶解させ、複数回に分けて造粒を行ってもよい。
このようにして得られた造粒物は、必要に応じて解砕し、篩分けにより整粒して顆粒とすることができる。この顆粒の粒子径は、平均粒子径が20〜1000μm程度であり、好ましくは50〜700μmである。なお、顆粒の平均粒子径は、質量・体積分布により測定した値である。
また、本発明組成物は、必要に応じて、上記造粒方法によって得られた顆粒を、常法に従って打錠することにより錠剤として調製することができる。錠剤を調製する際には充填粉末成分を加えることもでき、この例としては、前記の賦形剤、可塑剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤、流動化剤、甘味剤等の添加剤が挙げられる。
錠剤は、上記で造粒された顆粒および必要により加えた充填粉末成分を、単発式打錠機、ロータリー式打錠機等を用いて圧縮成型することにより製造される。このときの圧縮成型時の圧力は、1〜110KNが好ましく、より好ましくは2〜90KNである。また、打錠後の錠剤は、その直径が、約7〜15mm程度の丸型錠剤の服用しやすいものとすることが好ましい。
このようにして製造された本発明組成物を含有する顆粒や錠剤は、製造コストも低く、加工し易いものであり、さらには、不快な味を有する薬物を含有するものの、これと組み合わせて配合される高分子化合物のために、苦味や収斂味が抑制され、服用感に優れたものである。
以上説明した本発明組成物の特に好ましい態様としては、下記に示す組成物を挙げることができる。
イブプロフェン 15〜90 質量%
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 0.5〜50 質量%
アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー 0.01〜25 質量%
次に、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
1回の造粒による顆粒の製造(一回造粒):
以下の方法に従い、発明品1〜5及び比較品1〜3を得た。なお、発明品1〜5及び比較品1〜3における各成分の質量比をそれぞれ表1及び表2に示す。
発明品1:
イブプロフェン150g(BASF社製)と結晶セルロース30g(セオラスKG‐802,旭化成ケミカルズ社製)を高速攪拌式混合造粒機(ハイフレックスグラルHF−GS−2,深江パウテック社製)を用いて混合した。この混合物にポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート4.8g(AEA,三菱化学フーズ社製)を60%エタノール25gに溶解させた混合水溶液を添加し、造粒した。続いて、造粒物を棚型乾燥機(パーフェクトオーブンPH−200,タバイエスペック社製)を用いて乾燥し、整粒機(クワドロコーミルU−10、パウレック社製)を用いて整粒し、顆粒を得た。
発明品2:
イブプロフェン150g(BASF社製)と結晶セルロース30g(セオラスKG‐802,旭化成ケミカルズ社製)を高速攪拌式混合造粒機(ハイフレックスグラルHF−GS−2,深江パウテック社製)を用いて混合した。この混合物に、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液45g(オイドラギットNE30D,デグサジャパン社製)を添加し、造粒した。続いて、造粒物を棚型乾燥機(パーフェクトオーブンPH−200,タバイエスペック社製)を用いて乾燥し、整粒機(クワドロコーミルU−10、パウレック社製)を用いて整粒し、顆粒を得た。
発明品3:
イブプロフェン150g(BASF社製)と結晶セルロース30g(セオラスKG‐802,旭化成ケミカルズ社製)を高速攪拌式混合造粒機(ハイフレックスグラルHF−GS−2,深江パウテック社製)を用いて混合した。この混合物に、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート2.4g(AEA,三菱化学フーズ社製)を60%エタノール38g及びアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液0.9g(オイドラギットNE30D,デグサジャパン社製)に溶解した混合水溶液を添加し、造粒した。続いて、造粒物を棚型乾燥機(パーフェクトオーブンPH−200,タバイエスペック社製)を用いて乾燥し、整粒機(クワドロコーミルU−10、パウレック社製)を用いて整粒し、顆粒を得た。
発明品4:
イブプロフェン150g(BASF社製)と結晶セルロース30g(セオラスKG‐802,旭化成ケミカルズ社製)を高速攪拌式混合造粒機(ハイフレックスグラルHF−GS−2,深江パウテック社製)を用いて混合した。この混合物に、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート5.76g(AEA,三菱化学フーズ社製)を60%エタノール32g及びアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液2.16g(オイドラギットNE30D,デグサジャパン社製)に溶解した混合水溶液を添加し、造粒した。続いて、造粒物を棚型乾燥機(パーフェクトオーブンPH−200,タバイエスペック社製)を用いて乾燥し、整粒機(クワドロコーミルU−10、パウレック社製)を用いて整粒し、顆粒を得た。
発明品5:
イブプロフェン150g(BASF社製)と結晶セルロース30g(セオラスKG‐802,旭化成ケミカルズ社製)を高速攪拌式混合造粒機(ハイフレックスグラルHF−GS−2,深江パウテック社製)を用いて混合した。この混合物に、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート5.76g(AEA,三菱化学フーズ社製)を60%エタノール28g及びアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液6.48g(オイドラギットNE30D,デグサジャパン社製)に溶解した混合水溶液を添加し、造粒した。続いて、造粒物を棚型乾燥機(パーフェクトオーブンPH−200,タバイエスペック社製)を用いて乾燥し、整粒機(クワドロコーミルU−10、パウレック社製)を用いて整粒し、顆粒を得た。
比較品1:
イブプロフェン150g(BASF社製)と結晶セルロース30g(セオラスKG‐802,旭化成ケミカルズ社製)を高速攪拌式混合造粒機(ハイフレックスグラルHF−GS−2,深江パウテック社製)を用いて混合した。この混合物に、ヒドロキシプロピルセルロース4.8g(HPC−L,日本曹達社製)を60%エタノール35gに溶解した混合水溶液を添加し、造粒した。続いて、造粒物を棚型乾燥機(パーフェクトオーブンPH−200,タバイエスペック社製)を用いて乾燥し、整粒機(クワドロコーミルU−10、パウレック社製)を用いて整粒し、顆粒を得た。
比較品2:
イブプロフェン150g(BASF社製)と結晶セルロース30g(セオラスKG‐802,旭化成ケミカルズ社製)を高速攪拌式混合造粒機(ハイフレックスグラルHF−GS−2,深江パウテック社製)を用いて混合した。この混合物に、ポリビニルピロリドン4.8g(コリドンK90,BASF社製)を60%エタノール35gに溶解した混合水溶液を添加し、造粒した。続いて、造粒物を棚型乾燥機(パーフェクトオーブンPH−200,タバイエスペック社製)を用いて乾燥し、整粒機(クワドロコーミルU−10、パウレック社製)を用いて整粒し、顆粒を得た。
比較品3:
イブプロフェン150g(BASF社製)と結晶セルロース30g(セオラスKG‐802,旭化成ケミカルズ社製)を高速攪拌式混合造粒機(ハイフレックスグラルHF−GS−2,深江パウテック社製)を用いて混合した。この混合物に、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体4.8g(POVACOAT,大同化成工業社製)を精製水35gに溶解した水溶液を添加し、造粒した。続いて、造粒物を棚型乾燥機(パーフェクトオーブンPH−200,タバイエスペック社製)を用いて乾燥し、整粒機(クワドロコーミルU−10、パウレック社製)を用いて整粒し、顆粒を得た。
得られた各顆粒について、被験者5名を用い、苦味及び収斂味の官能試験をそれぞれ下記マスキング評価基準に従って行った。それぞれの平均結果を併せて表1及び表2に示す。
<マスキング評価基準>
(評点) (内容)
4点 : マスキング効果が非常にある
3点 : マスキング効果がある
2点 : マスキング効果が少しある
1点 : マスキング効果が僅かにある
0点 : マスキング効果が全く無い
Figure 0006538321
Figure 0006538321
表1の発明品1〜5及び表2の比較品1〜3の結果より、高分子化合物としてポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートとアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーをそれぞれ単独または混合して配合することにより、苦味だけでなく、収斂味も改善することが分かった。
実 施 例 2
顆粒の製造(複数回造粒):
以下の方法に従い、発明品6を得た。なお、発明品6における成分の質量比を表3に示す。
発明品6:
イブプロフェン150g(BASF社製)と結晶セルロース30g(セオラスKG‐802,旭化成ケミカルズ社製)を高速攪拌式混合造粒機(ハイフレックスグラルHF−GS−2,深江パウテック社製)を用いて混合した。この混合物にポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート2.4g(AEA,三菱化学フーズ社製)を60%エタノール38gに溶解した混合水溶液を添加し、造粒した。この造粒物を棚型乾燥機(パーフェクトオーブンPH−200,タバイエスペック社製)を用いて乾燥し、整粒機(クワドロコーミルU−10、パウレック社製)を用いて整粒した。さらに、得られた整粒末にアミノアルキルメタクリレートコポリマーE2.4g(オイドラギットEPO,デグサジャパン社製)を60%エタノール38gに溶解した混合水溶液を添加し、高速攪拌式混合造粒機にて造粒した。造粒物は棚型乾燥機を用いて乾燥し、整粒機を用いて整粒した後、顆粒を得た。
得られた顆粒を上記同様の評価基準に従い、苦味及び収斂味の官能試験を行った。平均結果を併せて表3に示す。
Figure 0006538321
表3の発明品6より、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートとアミノアルキルメタクリレートコポリマーEを2回に分けて造粒することにより、苦味及び収斂味は改善されることが分かった。
実 施 例 3
錠剤の製造:
以下の方法に従い、発明品7〜9を得た。
発明品7:
上記発明品3の顆粒121.78gに、エリスリトール、結晶セルロール、トウモロコシデンプン、クロスポピドン、リンゴ酸、甘味料、滑沢剤からなる添加剤178.22gを添加し、常法により打錠末を製し、圧縮成型により1錠あたりの質量を300mgになるように打錠(単発打錠機:TK−TB20KN 特殊計測社製)し、直径9.5mm、厚さ3.8mmの錠剤を得た。
発明品8:
上記発明品4の顆粒124.272gに、エリスリトール、結晶セルロール、トウモロコシデンプン、クロスポピドン、リンゴ酸、甘味料、滑沢剤からなる添加剤175.728gを添加し、常法により打錠末を製し、圧縮成型により1錠あたりの質量を300mgになるように打錠(単発打錠機:TK−TB20KN 特殊計測社製)し、直径9.5mm、厚さ3.8mmの錠剤を得た。
発明品9:
上記発明品5の顆粒125.136gに、エリスリトール、結晶セルロール、トウモロコシデンプン、クロスポピドン、リンゴ酸、甘味料、滑沢剤からなる添加剤174.864gを添加し、常法により打錠末を製し、圧縮成型により1錠あたりの質量を300mgになるように打錠(単発打錠機:TK−TB20KN 特殊計測社製)し、直径9.5mm、厚さ3.8mmの錠剤を得た。
得られた錠剤について、上記同様の評価基準により、苦味及び収斂味の官能試験を行った。それぞれの平均結果を併せて表4に示す。
Figure 0006538321
錠剤においても、顆粒と同様に、イブプロフェンの苦味や収斂味のマスキングを維持できることが分かった。
本発明の経口組成物は、不快な味を有する薬物の苦味や収斂味が防止され、服用感に優れているので不快な味を有する薬物を有効成分とする各種薬剤等に好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. イブプロフェンと、ポリビニルアセタール系高分子及び水不溶性アクリル系高分子を含有し、イブプロフェン100質量部に対して、前記ポリビニルアセタール系高分子と水溶性アクリル系高分子をそれらの合計量で1〜20質量部含有する経口組成物であって、
    前記ポリビニルアセタール系高分子がポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートであり、
    前記水不溶性アクリル系高分子がアミノアルキルメタクリレートコポリマーE又はアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーであり、
    ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートと、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE又はアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーとの質量比が、1:10〜10:1である
    ことを特徴とする経口組成物。
  2. 前記ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートと、前記アミノアルキルメタクリレートコポリマーE又はアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーとが混合状態ある請求項1記載の経口組成物。
  3. イブプロフェンに、ポリビニルアセタール系高分子及び水不溶性アクリル系高分子を、イブプロフェン100質量部に対して、前記ポリビニルアセタール系高分子と水溶性アクリル系高分子をそれらの合計量で1〜20質量部となる量で加え、高速撹拌造粒法又は流動層造粒法により造粒する経口組成物の製造方法であって、
    前記ポリビニルアセタール系高分子がポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートであり、
    前記水不溶性アクリル系高分子がアミノアルキルメタクリレートコポリマーE又はアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーであり、
    ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートと、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE又はアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーとの質量比が、1:10〜10:1である
    ことを特徴とする経口組成物の製造方法。
  4. 前記ポリビニルアセタール系高分子と水溶性アクリル系高分子を混合状態で加える請求項3記載の経口組成物の製造方法。
  5. イブプロフェンが予め賦形剤と混合されたものである請求項3ないし4記載の経口組成物の製造方法。
JP2014191626A 2014-09-19 2014-09-19 経口組成物 Active JP6538321B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014191626A JP6538321B2 (ja) 2014-09-19 2014-09-19 経口組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014191626A JP6538321B2 (ja) 2014-09-19 2014-09-19 経口組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016060731A JP2016060731A (ja) 2016-04-25
JP6538321B2 true JP6538321B2 (ja) 2019-07-03

Family

ID=55795727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014191626A Active JP6538321B2 (ja) 2014-09-19 2014-09-19 経口組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6538321B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITUA20163981A1 (it) * 2016-05-31 2017-12-01 Zambon Spa Composizioni farmaceutiche comprendenti safinamide
JP6877923B2 (ja) * 2016-09-06 2021-05-26 ライオン株式会社 内服用半固形製剤及びその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2879905B2 (ja) * 1989-08-28 1999-04-05 武田薬品工業株式会社 イブプロフェン含有経口投与用組成物
JP2005060310A (ja) * 2003-08-13 2005-03-10 Towa Yakuhin Kk 不快な味をマスキングする経口投与用製剤
JP4731941B2 (ja) * 2005-02-14 2011-07-27 大正薬品工業株式会社 経口製剤用粒子
JP5141115B2 (ja) * 2006-07-11 2013-02-13 大正製薬株式会社 不快味を呈する薬物含有製剤粒子
CA2658549A1 (en) * 2006-08-08 2008-02-14 Kissei Pharmaceutical Co., Ltd. Oral disintegrating tablet having masked bitter taste and method for production thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016060731A (ja) 2016-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6545839B2 (ja) 口腔内崩壊錠及びその製造方法
JP5421945B2 (ja) イルベサルタンとアムロジピンまたはその塩を含有する医薬組成物
JP6062168B2 (ja) 生薬由来成分を含有する製剤及びその製造方法
KR20190089892A (ko) 디아민 유도체를 함유하는 구강내 붕괴정
WO2020090970A1 (ja) 抗腫瘍剤を含む医薬組成物
EP3437645B1 (en) Film-coated tablet having high chemical stability of active ingredient
JP6538321B2 (ja) 経口組成物
KR20180098282A (ko) 압축 성형 제제
JP5275815B2 (ja) リスペリドンを含有する口腔内崩壊錠剤および苦味抑制製剤
JP5201837B2 (ja) 口腔内速崩壊錠
JP2013023463A (ja) 生理活性物質含有粒子の製造方法
JP2006022039A (ja) 高い安定性を有するシンバスタチン固形製剤
CN105407875A (zh) 包含异烟肼颗粒和利福喷汀颗粒的呈包衣片剂形式的抗结核病的稳定的药物组合物及其制备方法
JP7148319B2 (ja) プラスグレルを含む口腔内崩壊錠
TWI767923B (zh) 口腔內崩解錠添加用組成物及其製造方法以及口腔內崩解錠
JP2011037840A (ja) 口腔内崩壊錠及びその製造方法
JP2005139086A (ja) 速崩壊製剤
JP6812104B2 (ja) 経口固形組成物
WO2019221215A1 (ja) ルビプロストン含有粒子状医薬組成物
JP6407085B2 (ja) 錠剤およびその製造方法
JP7023186B2 (ja) 認知症治療薬を含有する口腔内崩壊性錠剤
JP6838632B2 (ja) 固形製剤
JP6618595B1 (ja) カフェインおよびヒヨスチアミン含有医薬組成物およびその製造方法
JP2017210435A (ja) イルベサルタン及びアムロジピンベシル酸塩配合錠の製造方法
JP6150564B2 (ja) 口腔内速崩壊性錠剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180612

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6538321

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250