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JP4731941B2 - 経口製剤用粒子 - Google Patents

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Description

本発明は経口製剤用粒子に関し、さらに詳しくは有効成分として不快な味を有する薬物を含有する経口製剤用粒子に関する。
不快な味を有する薬物については、苦味や渋味などの不快な味をマスキングしたり、良好な生物学的利用能を持たせるために製剤上の工夫が種々なされている。
例えば、特許文献1には、不快な味を有する薬物(エリスロマイシンなど)、融点が40℃〜120℃の噴霧凝固造粒用担体(グリセリン脂肪酸エステル、硬化油など)および腸溶性もしくは胃溶性高分子(オイドラギットE,カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートなど)からなる成分を噴霧凝固造粒することによって得られる、平均粒子径160μm以下の経口製剤用粒子が開示されている。
また、特許文献2には、不快な味を有する薬物(エリスロマイシン)、グリセリン脂肪酸エステル、オイドラギットEからなる成分を噴霧凝固造粒して得た平均粒子径80μmの複合体にマンニトール、酸化マグネシウムおよびデンプンを加え、さらに甘味料を混合した経口製剤用粒子が開示されている。
しかしながら、これらの経口製剤用粒子は、用時懸濁して経口服用した場合、粒子径が160μm以下と小さいため、歯の隙間などに残り、不快な味が残存するという難点があった。
特開2000−169364号公報 特開2002−128705号公報
本発明の目的は、有効成分として不快な味を有する薬物を含有する経口製剤用粒子であって、用時懸濁させて服用した場合、歯の隙間などに残ることによる不快な味の残存がなく、かつザラツキ感を示さない経口製剤用粒子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、有効成分として不快な味を有する薬物を含有する素粒を異なる胃溶性コーティング剤により2層に被覆した、平均粒子径が200〜800μmである有効成分含有粒子と、平均粒子径が200〜800μmである甘味成分含有粒子との混合物からなる経口製剤用粒子が、用時懸濁させて服用した場合、不快な味を呈さず、しかもザラツキ感を示さないことを見出した。その後、更に研究を重ねて本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、
[1] 有効成分含有粒子(A)と甘味剤含有粒子(B)とからなる経口製剤用粒子であって、該有効成分含有粒子(A)は不快な味を有する薬物を含有する素粒(a1)の表面が異なる胃溶性コーティング剤により第1被覆層(b1)と第2被覆層(b2)からなる2層に被覆された平均粒子径200〜800μmの粒子であり、該甘味剤含有粒子(B)は甘味剤を含有する平均粒子径200〜800μmである粒子であることを特徴とする経口製剤用粒子、
[2] 素粒(a1)がさらにD−マンニトール、結晶性セルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを含有している前記[1]記載の経口製剤用粒子、
[3] 胃溶性コーティング剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアセタールエチルアミノアセテート、メタアクリル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルコポリマー、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマー、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーおよびこれらの2種以上の組み合わせから選ばれる前記[1]または[2]に記載の経口製剤用粒子、
[4] 素粒(a1)の表面がポリビニルアセタールジエチルアミノエチルアミノアセテートを含む第1被覆層(b1)で被覆されており、該第1被覆層(b1)がさらにメタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを含む第2被覆層(b2)で被覆されている前記[1]〜[3]のいずれかに記載の経口製剤用粒子、
[5] 有効成分含有粒子(A)と甘味剤含有粒子(B)との重量比が1:9〜9:1である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の経口製剤用粒子、
[6] 甘味剤が糖質甘味剤と高甘味度甘味料との組み合わせであるである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の経口製剤用粒子、
[7] 甘味剤がキシリトール、エリスリトール、トレハロース、D−マンニトール、キシリトール、ラクチトール、還元パラチノースから選択される糖質甘味剤とサッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、スクラロースから選択される高甘味度甘味剤との組み合わせである前記[1]〜[6]のいずれかに記載の経口製剤用粒子、
[8] 不快な味を有する薬物がクラリスロマイシンである前記[1]〜[7]のいずれかに記載の経口製剤用粒子、および
[9] ドライシロップ剤用粒子である前記[8]記載の経口製剤用粒子、
に関する。
本発明の経口製剤用粒子は、用時懸濁して服用した場合、不快な味の残存がなく、かつザラツキ感がないという優れた効果を有し、特にドライシロップ剤用粒子として優れている。
本発明は、有効成分含有粒子(A)と甘味剤含有粒子(B)とからなる経口製剤用粒子であって、該有効成分含有粒子(A)は不快な味を有する薬物を含有する素粒(a1)の表面が異なる胃溶性コーティング剤により第1被覆層(b1)と第2被覆層(b2)からなる2層に被覆された平均粒子径200〜800μmの粒子であり、該甘味剤含有粒子(B)は甘味剤を含有する平均粒子径200〜800μmの粒子である経口製剤用粒子である。
本発明において、不快な味を有する薬物における「不快な味」とは、口腔内、咽頭部で感ずる苦味、渋味を含む不快な違和感を総称するものである。かかる不快な味を有する薬物としては、マクロライド系抗生物質(例えば、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、タキサマイシン、ジョサマイシン、ミデカマイシン、ロキシスタマイシン、アジスロマイシンなど)、β−ラクタム系抗生物質(例えば、ペニシリン誘導体、セファロスポリン誘導体など)、テトラサイクリン系抗生物質(例えば、テトラサイクリンなど)、精神神経用剤(例えば、クロルプロマジンなど)、強心剤(例えば、ジギトキシンなど)、解熱剤(例えば、スルピリンなど)、抗潰瘍剤(例えば、シメチジンなど)などが挙げられる。
有効成分含有粒子(A)の素粒(a1)に含まれる成分は、有効成分である不快な味を有する薬物のほかにさらに賦形剤、結合剤などを含めることができ、例えばD−マンニトール、結晶性セルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを好適に含めることができる。これら成分の配合割合は、薬物の種類によっても若干変動するが、不快な味を有する薬物がクラリスロマイシンの場合、クラリスロマイシン1重量部に対して、D−マンニトール1〜10重量部、結晶セルロース1〜10重量部、ヒドロキシプロピルセルロース0.1〜1重量部であるのが好ましい。
素粒(a1)を被覆する胃溶性コーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアセタールエチルアミノアセテート、メタアクリル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルコポリマー、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマー、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー(一般名:アミノアルキルメタクリレートコポリマーE;商品名:オイドラギットE)、またはこれらの2種以上の組み合わせなどが挙げられる。これら胃溶性コーティング剤のうち異なる2種でまたは異なる組み合わせで、素粒(a1)の表面が第1被覆層(b1)と第2被覆層(b2)の2層で被覆されている。素粒(a1)の表面に第1被覆層(b1)を設けるために用いるコーティング剤としては、とりわけポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートが好ましい。第1被覆層(b1)の表面にさらに第2被覆層(b2)を形成するために用いるコーティング剤としては、とりわけメタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーが好ましい。これらコーティング剤は、付着防止剤、滑沢剤、流動化剤、着色剤などと併用することもできる。具体的には、例えば、タルク、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウムなどと併用することができる。
第1被覆層(b1)および第2被覆層(b2)の被覆量は、素粒(a1)1重量部に対して、第1被覆層(b1)0.05〜0.5重量部、第2被覆層(b2)0.1〜1.0重量部であるのが好ましい。
有効成分含有粒子(A)、すなわち素粒(a1)の表面を第1被覆層(b1)および第2被覆層(b2)の2層で被覆された粒子の平均粒子径は200〜800μmである。平均粒子径が200μm未満である場合は、歯の隙間などに粒子が残りやすく、不快な味を呈するので好ましくない。また、800μmを超えると、服用するときにザラツキ感を呈するので好ましくない。
本発明の経口製剤用粒子を構成するもう一方の粒子である甘味剤含有粒子(B)は、甘味剤を含む粒子であるが、甘味剤としては、例えばエリスリトール、トレハロース、D−マンニトール、キシリトール、ラクチトール、還元パラチノースなどの糖質甘味剤や、例えばサッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、スクラロースなどの高甘味度甘味料が挙げられ、とりわけ糖質甘味剤と高甘味度甘味料との組み合わせ(例えば、キシリトールとサッカリンナトリウムとの組み合わせ)が好ましい。甘味剤含有粒子(B)は、さらに他の成分(例えば賦形剤や結合剤など)を含んでいてもよく、そのようなものとして、例えば結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、炭酸マグネシウム、カルメロースナトリウムなどが挙げられる。甘味剤含有粒子(B)の平均粒子径は、有効成分含有粒子(A)の平均粒子径と合わせるのが好ましい。
有効成分含有粒子(A)と甘味剤含有粒子(B)との重量比は1:9〜9:1、とりわけ3:7〜7:3であるのが好ましい。
両者の混合粒には、必要により香料や流動化剤(例えば、軽質無水ケイ酸)などが配合されていてもよい。
本発明の経口製剤用粒子は、それ自体公知の方法により製造することができる。例えば、有効成分含有粒子(A)の素粒(a1)は、不快な味を有する薬物およびその他の成分(D−マンニトール、結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)の混合物を練合し、練合物を造粒機(例えば、押し出し造粒機)で造粒後、マルメライザーで整粒し、ついで乾燥することにより製造できる。粒子の平均粒子径を200〜800μmにするには、例えば押し出し造粒機に装着するスクリーン(篩)の目開きを調節することにより行うことができる。
かくして得られた素粒(a1)は、ついでコーティング剤を用いて2層に被覆する。被覆は常法に従って行うことができる。例えば、素粒((a1)の表面を、まずポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートとタルクの混合物を用い、流動性コーティング機により第1被覆層(b1)を形成させ、ついで、例えばメタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを用い、流動性コーティング機により第2被覆層(b2)を形成させることにより有効成分含有粒子(A)を製造することができる。
一方、甘味剤含有粒子(B)は、甘味剤およびその他の成分の混合物を、素粒(a1)と同様にして、練合し、練合物を造粒機(例えば、押し出し造粒機)で造粒後、マルメライザーで整粒し、ついで乾燥することにより製造できる。
上記で得られた有効成分含有粒子(A)と甘味剤含有粒子(B)とを常法により混合することにより経口製剤用粒子が得られる。
かくして得られる経口製剤用粒子は、そのままあるいは必要に応じて香料や流動化剤を添加してドライシロップ剤などの経口用固形製剤とすることができる。
(実施例1)
クラリスロマイシン50g、結晶セルロース125g、D−マンニトール55g、ヒドロキシプロピルセルロース20gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.4mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し乾燥する。ポリビニルアセタールジエチルアミノエチルアミノアセテート5%とエタノール(95)95%の組成のコーティング液にて、粒に対して5.0%コーティングした。さらにこの粒に対して、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE15%、ステアリン酸マグネシウム2%、エタノール(95)66.4%、精製水16.6%の組成のコーティング液にて、粒に対して4.0%コーティングし、コーティング粒(平均粒子径:400μm)とした。
別に、キシリトール190g、結晶セルロース33g、結晶セルロース・カルメロースナトリウム10g、炭酸マグネシウム10g、サッカリンナトリウム5g、カルメロースナトリウム2gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.4mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し、乾燥して甘味粒(平均粒子径:400μm)とした。
クラリスロマイシンが10%となるようにコーティング粒と甘味粒とを混合し、ドライシロップ剤とした。
(実施例2)
クラリスロマイシン50g、結晶セルロース125g、D−マンニトール55g、ヒドロキシプロピルセルロース20gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.6mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し乾燥する。ポリビニルアセタールジエチルアミノエチルアミノアセテート5%とエタノール(95)95%の組成のコーティング液にて、粒に対して3.0%コーティングした。さらにこの粒に対して、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE15%、ステアリン酸マグネシウム2%、酸化チタン1%、エタノール(95)66.4%、精製水15.6%の組成のコーティング液にて、粒に対して4.0%コーティングし、コーティング粒(平均粒子径:600μm)とした。
別に、キシリトール190g、結晶セルロース33g、結晶セルロース・カルメロースナトリウム10g、炭酸マグネシウム10g、サッカリンナトリウム5g、カルメロースナトリウム2gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.6mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し、乾燥して甘味粒(平均粒子径:600μm)とした。
クラリスロマイシンが10%となるようにコーティング粒と甘味粒とを混合し、ドライシロップ剤とした。
(実施例3)
クラリスロマイシン50g、結晶セルロース125g、D−マンニトール55g、ヒドロキシプロピルセルロース20gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.2mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し乾燥する。ポリビニルアセタールジエチルアミノエチルアミノアセテート5%とエタノール(95)95%の組成のコーティング液にて、粒に対して4.4%コーティングした。さらにこの粒に対して、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE15%、ステアリン酸マグネシウム2%、酸化チタン1%、エタノール(95)66.4%、精製水15.6%の組成のコーティング液にて、粒に対して8.0%コーティングし、コーティング粒(平均粒子径:200μm)とした。
別に、キシリトール190g、結晶セルロース33g、結晶セルロース・カルメロースナトリウム10g、炭酸マグネシウム10g、サッカリンナトリウム5g、カルメロースナトリウム2gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.2mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し、乾燥して甘味粒(平均粒子径:200μm)とした。
クラリスロマイシンが10%となるようにコーティング粒と甘味粒とを混合し、ドライシロップ剤とした。
(比較例1)
クラリスロマイシン50g、結晶セルロース150g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース25g、ヒドロキシプロピルセルロース25gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.4mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し乾燥する。エチルセルロース3%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2%、タルク1%、クエン酸トリエチル0.5%、エタノール(95)74.7%、精製水18.8%の組成のコーティング液にて、粒に対して6.8%コーティングし、コーティング粒(平均粒子径:400μm)とした。
別に、キシリトール190g、結晶セルロース33g、結晶セルロース・カルメロースナトリウム10g、炭酸マグネシウム10g、サッカリンナトリウム5g、カルメロースナトリウム2gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.4mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し、乾燥して甘味粒(平均粒子径:400μm)とした。
クラリスロマイシンが10%となるようにコーティング粒と甘味粒とを混合し、ドライシロップ剤とした。
(比較例2)
クラリスロマイシン50g、結晶セルロース125g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース50g、ヒドロキシプロピルセルロース25gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.4mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し乾燥する。アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE10%、酸化マグネシウム5%、ステアリン酸マグネシウム2%、エタノール(95)66.4%、精製水16.6%の組成のコーティング液にて、粒に対して8.8%コーティングし、コーティング粒(平均粒子径:400μm)とした。
別に、キシリトール190g、結晶セルロース33g、結晶セルロース・カルメロースナトリウム10g、炭酸マグネシウム10g、サッカリンナトリウム5g、カルメロースナトリウム2gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.4mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し、乾燥して甘味粒(平均粒子径:400μm)とした。
クラリスロマイシンが10%となるようにコーティング粒と甘味粒とを混合し、ドライシロップ剤とした。
(比較例3)
クラリスロマイシン50g、結晶セルロース125g、D−マンニトール55g、ヒドロキシプロピルセルロース20gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.6mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し乾燥する。ポリビニルアセタールジエチルアミノエチルアミノアセテート5%、エタノール(95)95%の組成のコーティング液にて、粒に対して3.0%コーティングし、コーティング粒(平均粒子径:600μm)とした。
別に、キシリトール190g、結晶セルロース33g、結晶セルロース・カルメロースナトリウム10g、炭酸マグネシウム10g、サッカリンナトリウム5g、カルメロースナトリウム2gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(0.6mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し、乾燥して甘味粒(平均粒子径:600μm)とした。
クラリスロマイシンが10%となるようにコーティング粒と甘味粒とを混合し、ドライシロップ剤とした。
(比較例4)
クラリスロマイシン50g、結晶セルロース125g、D−マンニトール55g、ヒドロキシプロピルセルロース20gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(1.0mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し乾燥する。ポリビニルアセタールジエチルアミノエチルアミノアセテート5%、エタノール(95)95%の組成のコーティング液にて、粒に対して2.8%コーティングした。さらにこの粒に対して、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE15%、ステアリン酸マグネシウム2%、酸化チタン1%。エタノール(95)66.4%、精製水15.6%の組成のコーティング液にて、粒に対して5.0%コーティングし、コーティング粒(平均粒子径:1000μm)とした。
別に、キシリトール190g、結晶セルロース33g、結晶セルロース・カルメロースナトリウム10g、炭酸マグネシウム10g、サッカリンナトリウム5g、カルメロースナトリウム2gを混合後、練合する。練合物をスクリーン(1.0mm)を装着した押し出し造粒機により造粒後、マルメライザーで整粒し、乾燥して甘味粒(平均粒子径:1000μm)とした。
クラリスロマイシンが10%となるようにコーティング粒と甘味粒とを混合し、ドライシロップ剤とした。
(試験例)官能評価試験
実施例1〜3および比較例1〜4のドライシロップ剤1gを水10mlに懸濁させた。各パネラーが懸濁液を口に含み、口内のザラツキ感および1分後の苦味を評価した。その後、液を吐き出し、30分経過後、味を評価し、歯の隙間などに残ることによる苦味の残存の評価をした。結果は下記表1〜3の通りである。
なお、ザラツキ感、ならびに1分後および30分後の苦味は、下記の基準により5段階で評価した。
ザラツキ感の評価:
全くザラツキ感を感じない・・・・・5
ほとんどザラツキ感を感じない・・・4
少しザラツキ感を感じる・・・・・・3
ザラツキ感を感じる・・・・・・・・2
ザラツキ感を強く感じる・・・・・・1
1分後および30分後の苦味の評価:
全く苦味を感じない・・・・・・・・5
ほとんど苦味を感じない・・・・・・4
少し苦味を感じる・・・・・・・・・3
苦味を感じる・・・・・・・・・・・2
強い苦味を感じる・・・・・・・・・1
Figure 0004731941
Figure 0004731941
Figure 0004731941
上記表1〜3の実験結果から、本発明の製剤(実施例1〜3の製剤)は、ザラツキ感ならびに1分後および30分後の苦味のいずれの点においても高い評価点を得ており、比較例1〜4の製剤に較べて顕著に優れていることがわかる。
本発明の経口製剤用粒子は、用時懸濁させて服用した場合、歯の隙間などに残ることによる不快な味の残存がなく、かつザラツキ感を呈さない優れた粒子であり、医薬品産業および医療の分野で利用することができる。

Claims (7)

  1. 有効成分含有粒子(A)と甘味剤含有粒子(B)とからなる経口製剤用粒子であって、該有効成分含有粒子(A)はクラリスロマイシンを含有する素粒(a1)の表面が、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートを含む第1被覆層(b1)で被覆されており、該第1被覆層(b1)がさらにメタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを含む第2被覆層(b2)被覆された平均粒子径200〜800μmの粒子であり、該甘味剤含有粒子(B)は甘味剤を含有する平均粒子径200〜800μmの粒子であることを特徴とする経口製剤用粒子。
  2. 素粒(a1)がさらにD−マンニトール、結晶性セルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを含有している請求項1記載の経口製剤用粒子。
  3. 有効成分含有粒子(A)と甘味剤含有粒子(B)との重量比が1:9〜9:1である請求項1又は2に記載の経口製剤用粒子。
  4. 甘味剤が糖質甘味剤と高甘味度甘味料との組み合わせである請求項1〜のいずれかに記載の経口製剤用粒子。
  5. 甘味剤がキシリトール、エリスリトール、トレハロース、D−マンニトール、キシリトール、ラクチトール、還元パラチノースから選択される糖質甘味剤とサッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、スクロースから選択される高甘味度甘味剤との組み合わせである請求項1〜のいずれかに記載の経口製剤用粒子。
  6. ドライシロップ剤用粒子である請求項1〜5のいずれかに記載の経口製剤用粒子。
  7. 該第1被覆層(b1)及び第2被覆層(b2)の被覆量が、素粒(a1)1重量部に対して、該第1被覆層(b1)0.05〜0.5重量部、第2被覆層(b2)0.1〜1.0重量部である請求項1〜6のいずれかに記載の経口製剤用粒子。
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