以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目の標準試料や被検試料等の試料と各検査項目の試薬との混合液を測定して標準データや被検データを生成する分析部24を備えている。また、分析部24の測定に関る各分析ユニットを駆動する駆動部26と、駆動部26を制御して分析部24の各分析ユニットを作動させる分析制御部27とを備えている。
また、自動分析装置100は、分析部24で生成された標準データに基づいて検量データを生成し、検量データ及び分析部24で生成された被検データに基づいて分析データを生成するデータ処理部50を備えている。また、データ処理部50で生成された検量データや分析データを印刷出力や表示出力する出力部60を備えている。また、分析部24で試料及び試薬の分注並びに混合液の測定を行わせる分析パラメータの入力、各検査項目の試薬の情報の入力、被検試料のIDや検査項目の入力等を行う操作部70を備えている。
更に、自動分析装置100は、操作部70から入力された各検査項目の試薬に関する試薬情報を保存する試薬情報記憶部30と、試薬情報記憶部30に保存された各検査項目の複数の試薬情報に基づいて分析部24で分注させる試薬を組み合せる試薬組合部40とを備えている。また、操作部70から入力された入力情報に基づいて分析制御部27、データ処理部50、出力部60、試薬情報記憶部30及び試薬組合部40を制御するシステム制御部80とを備えている。
図2は、分析部24の構成を示した斜視図である。この分析部24は、各検査項目の標準試料や被検試料等の試料を収容する試料容器17と、試料容器17を移動可能に保持するサンプルディスク5と、試料に含まれる検査項目の成分と反応する成分を含有する1試薬系又は2試薬系の第1試薬が収容された第1試薬容器6とを備えている。
そして、第1試薬容器6には、検査項目を示す検査項目番号、第1試薬が製造されたロットを示すロット番号、容器番号、開封前の第1試薬の使用可能な期限を例えば年月日で示した使用期限、及び開封後の第1試薬の有効期間等の、第1試薬容器6を識別可能な第1識別情報が例えばバーコードで記されている。
また、第1試薬容器6を移動可能に保持する試薬ラック1aと、試薬ラック1aに保持された第1試薬容器6に記されたバーコードから第1識別情報を読み取るリーダ18とを備えている。また、試薬ラック1aに保持された第1試薬容器6を保冷する試薬庫1と、2試薬系の第1試薬容器6と対をなす第2試薬が収容された第2試薬容器7とを備えている。
そして、第2試薬容器7には、検査項目を示す検査項目番号、第2試薬が製造されたロットを示すロット番号、容器番号、開封前の第2試薬の使用可能な期限を年月日で示した使用期限、及び開封後の第2試薬の有効期間等の、第2試薬容器7を識別可能な第2識別情報が例えばバーコードで記されている。
また、第2試薬容器7を移動可能に保持する試薬ラック2aと、試薬ラック2aに保持された第2試薬容器7に記されたバーコードから第2識別情報を読み取るリーダ19と、試薬ラック2aに保持された第2試薬容器7を保冷する試薬庫2とを備えている。また、円周上に配置された複数の反応容器3と、各反応容器3を移動可能に保持する反応ディスク4とを備えている。
また、サンプルディスク5に保持された試料容器17内の試料を吸引して反応容器3内へ吐出する分注を行うサンプル分注プローブ16と、サンプル分注プローブ16を移動可能に保持するサンプル分注アーム10とを備えている。また、リーダ18に第1識別情報が読み取られて試薬組合部40に組み合わされる第1試薬容器6内の第1試薬を吸引して試料が分注された反応容器3内に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ14を備えている。
また、第1試薬容器6内の第1試薬をこの第1試薬と第1試薬分注プローブ14との接触により検出する液面検出器14aと、第1試薬分注プローブ14を移動可能に保持する第1試薬分注アーム8とを備えている。また、リーダ19により第2識別情報が読み取られて試薬組合部40に組み合わされる第1試薬容器6と対をなす第2試薬容器7内の第2試薬を吸引して、第1試薬が吐出された反応容器3内に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ15を備えている。
また、第2試薬容器7内の第2試薬をこの第2試薬と第2試薬分注プローブ15との接触により検出する液面検出器15aと、第2試薬分注プローブ15を移動可能に保持する第2試薬分注アーム9とを備えている。また、反応容器3に光を照射して混合液を測定する測定部13と、測定部13で測定を終了した反応容器3内を洗浄する洗浄ノズル12とを備えている。
そして、測定部13は、回転移動して測定位置を通過するタイミングで反応容器3に光を照射し、反応容器3内の各試料及び第1試薬の混合液や、試料並びに第1及び第2試薬の混合液を透過した光を検出する。そして、標準試料を含む混合液や被検試料を含む混合液の透過光を検出した信号を処理して例えば吸光度で表される各検査項目の標準データや被検データを生成する。
図1の駆動部26は、サンプルディスク5、試薬ラック1a及び試薬ラック2aをそれぞれ回動駆動して、試料容器17、第1試薬容器6及び第2試薬容器7を移動する。また、反応ディスク4を回転駆動して各反応容器3を回転移動する。また、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8及び第2試薬分注アーム9をそれぞれ回動及び上下駆動して、サンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15を水平方向及び上下方向に移動する。
分析制御部27は、分析部24のリーダ18,19により読み取られた第1及び第2識別情報を試薬情報記憶部30に保存する。また、同じ第1及び第2試薬容器6,7内の第1及び第2試薬の分注回数を数え、数えた分注実施回数の情報を試薬情報記憶部30に保存する。また、試薬組合部40で組み合わされた各検査項目の第1試薬容器6及びこの第1試薬容器6と対をなす第2の試薬容器7の試薬情報等に基づいて、各検査項目の第1及び第2試薬の分注を行わせる。
そして、第1試薬の分注では、第1試薬分注プローブ14を第1試薬容器6上方の上停止位置まで移動させた後、上停止位置から下へ移動させ、液面検出器14aにより第1試薬容器6内の第1試薬が検出される検出位置で停止させる。そして、検出位置で第1試薬の吸引を行った第1試薬分注プローブ14を反応容器3まで移動させ、反応容器3内に第1試薬を吐出させる。
また、第1試薬容器6の上停止位置から検出位置までの移動に要した例えば駆動パルスの情報に基づいて、第1試薬分注プローブ14の上停止位置と検出位置間の移動距離を算出する。そして、算出した移動距離が予め設定された限界値より小さいとき、複数回分注可能な量の第1試薬が第1試薬容器6に収容されていると判定する。また、算出した移動距離が限界値に達したとき、1回分注可能な量の第1試薬が第1試薬容器6に収容されていると判定し、次回の分注では、同じ第1試薬容器6内の第1試薬が不足するため、試薬組合部40により組み合わされた次の第1試薬容器6内の第1試薬を分注させる。
また、第2試薬の分注では、第2試薬分注プローブ15を第2試薬容器7上方の上停止位置まで移動させた後、上停止位置から下へ移動させ、液面検出器15aにより第2試薬容器7内の第2試薬が検出される検出位置で停止させる。そして、検出位置で第2試薬の吸引を行った第2試薬分注プローブ15を反応容器3まで移動させ、反応容器3内に第2試薬を吐出させる。
また、第2試薬容器7の上停止位置から検出位置までの移動に要した駆動パルスの情報に基づいて、第2試薬分注プローブ15の上停止位置と検出位置間の移動距離を算出する。そして、算出した移動距離が予め設定された限界値より小さいとき、複数回分注可能な量の第2試薬が第2試薬容器7に収容されていると判定する。また、算出した移動距離が限界値に達したとき、1回分注可能な量の第2試薬が第2試薬容器7に収容されていると判定し、次回の分注では、同じ第2試薬容器7内の第2試薬が不足するため、試薬組合部40により組み合わされた次の第2試薬容器7内の第2試薬を分注させる。
データ処理部50は、分析部24の測定部13で生成された標準データや被検データから検量データや分析データを生成する演算部51及び演算部51で生成された標準データや分析データを保存するデータ記憶部52を備えている。
演算部51は、測定部13で生成された各検査項目の標準データと標準試料に予め設定された標準値との関係を示す検量データを生成してデータ記憶部52及び出力部60に出力する。また、測定部13で生成された被検データ及びこの被検データに対応する検査項目の検量データに基づいて、濃度値や酵素の活性値として表される分析データを生成する。そして、生成した分析データをデータ記憶部52及び出力部60に出力する。
データ記憶部52は、ハードディスク等のメモリデバイスを備え、演算部51から出力された検量データを検査項目毎に保存する。また、演算部51から出力された分析データを被検試料毎に保存する。
出力部60は、データ処理部50の演算部51で生成された検量データや分析データを印刷出力する印刷部61及び表示出力する表示部62を備えている。そして、印刷部61は、プリンタなどを備え、演算部51からの検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷する。
表示部62は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、演算部51で生成された検量データや分析データを表示する。また、検査項目毎に反応容器3に吐出させる試料の量、第1試薬の量、第2試薬の量等の分析パラメータを設定するための分析パラメータ設定画面を表示する。また、第1又は第2試薬容器6,7内の一方の試薬が不足するタイミングで、分注可能な量の一方の試薬が収容された試薬容器から一方の試薬を分注する第1及び第2の試薬渡りを行わせる検査項目を設定するための第1及び第2試薬渡り画面を表示する。
操作部70は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、各検査項目の分析パラメータを設定するための入力を行う。また、第1及び第2の試薬渡りを行わせる検査項目を設定するための入力を行う。また、分析パラメータとして設定された第1及び第2試薬の量に基づいて第1及び第2の試薬渡りを行わせる使用開始前の第1及び第2試薬容器6,7内の第1及び第2試薬を反応容器3に分注することができる回数(分注回数)を設定するための入力を行う。
なお、リーダ18,19により第1及び第2識別情報が初めて読み取られた第1及び第2試薬容器6,7内に第1及び第2試薬分注プローブ14,15を移動させ、第1及び第2試薬容器6,7の上停止位置と液面検出器14a,15aにより第1及び第2試薬が検出される検出位置間の移動距離及び分析パラメータとして設定された第1及び第2試薬の量に基づいて、使用開始前の第1及び第2試薬容器6,7の分注回数を設定するように実施してもよい。
試薬情報記憶部30は、分析部24のリーダ18により読み取られた第1識別情報、この第1識別情報で識別される第1試薬容器6の使用期限及び操作部70から入力された分注回数を含む第1の試薬情報を保存する。また、リーダ19により読み取られた第2識別情報、この第2識別情報で識別される第2試薬容器7の使用期限及び操作部70から入力された分注回数を含む第2の試薬情報を保存する。
試薬組合部40は、分析部24のリーダ18,19により読み取られた第1及び第2識別情報で識別される第1及び第2試薬容器6,7の使用期限を設定する。ここでは、リーダ18,19により第1及び第2識別情報が初めて読み取られた日をその第1及び第2識別情報で識別される第1及び第2試薬容器6,7の開封日とし、開封日から有効期間経過した日を開封後の使用期限とする。そして、開封前又は開封後の使用期限の早い方の期限を第1及び第2試薬容器6,7の使用期限として設定する。また、第1及び第2識別情報に有効期間が含まれていない場合には開封前の使用期限を第1及び第2試薬容器6,7の使用期限として設定する。そして設定した第1及び第2試薬容器6,7の使用期限を第1及び第2の試薬情報として試薬情報記憶部30に保存する。
また、試薬組合部40は、試薬情報記憶部30に保存される第1及び第2の試薬渡りが設定された検査項目の第1及び第2の試薬情報に基づいて、第1試薬容器6及びこの第1試薬容器6と対をなす第2試薬容器7をn番目(nは1以上の整数)に組み合わせ、n番目に組み合わせた第1又は第2試薬容器6,7の先に試薬が不足する一方の試薬容器を予測し、他方の試薬容器及びこの試薬容器と対をなす分注可能な量の試薬が収容された試薬容器を(n+1)番目に組み合わせる。
ここでは、第1の試薬渡りが設定された検査項目の第1及び第2試薬容器6,7である場合、第1又は第2の試薬情報の一方の試薬情報に、他方の試薬情報に含まれる検査項目番号と同じ検査項目番号の情報が含まれていると、第1の試薬情報で識別される第1試薬容器6と第2の試薬情報で識別される第2試薬容器7とが互いに対をなす。
また、第2の試薬渡りが設定された検査項目の第1及び第2試薬容器6,7である場合、第1又は第2の試薬情報の一方の試薬情報に、他方の試薬情報に含まれる検査項目番号と同じ検査項目番号の情報が含まれ、且つ、他方の試薬情報に含まれるロット番号に関連するロット番号の情報が含まれていると、第1の試薬情報で識別される第1試薬容器6と第2の試薬情報で識別される第2試薬容器7とが、互いに対をなす。
システム制御部80は、CPU及び記憶回路を備え、操作部70から入力された各検査項目の分析パラメータ、被検試料のID及び検査項目等の入力情報に基づいて、分析制御部27、データ処理部50、出力部60、試薬情報記憶部30及び試薬組合部40を統括してシステム全体を制御する。
以下、自動分析装置100の動作の一例について説明する。
図3は、自動分析装置100の動作を示したフローチャートである。
分析部24の試薬ラック1a,2aに保持された第1の試薬渡りを行わせる検査項目Aの第1及び第2試薬容器6,7並びに第2の試薬渡りを行わせる検査項目Bの第1及び第2試薬容器6,7における最新の第1及び第2の試薬情報を得るための入力が操作部70から行われると、自動分析装置100は、動作を開始する(図3のステップS1)。
試薬ラック1a,2aは回動する。リーダ18,19は、試薬ラック1a,2aに保持された検査項目Aの第1及び第2試薬容器6,7並びに検査項目Bの第1及び第2試薬容器6,7の第1及び第2識別情報を読み取る。試薬情報記憶部30は、リーダ18,19に読み取られた第1及び第2識別情報に基づいて、第1及び第2の試薬情報を保存する(図3のステップS2)。
出力部60の表示部62に検査項目Aの第1の試薬渡り画面を表示させる入力が操作部70から行われると、表示部62は、第1の試薬渡り画面を表示する。
図4は、表示部62に表示された第1の試薬渡り画面の一例を示した図である。この第1の試薬渡り画面63は、「項目名」の欄と、「R1」及び「R2」の欄と、「1」、「2」、「3」及び「4」等の欄とにより構成される。
「項目名」の欄には、第1の試薬渡りを行わせる検査項目Aを選択することにより設定された検査項目Aの略称名である「A」が表示されている。また、「R1」及び「R2」の欄には、試薬情報記憶部30に保存された検査項目Aの第1及び第2の試薬情報が表示されている。
「R1」の欄は、試薬組合部40により設定された使用期限及びロット番号等を含む第1の試薬情報を表示するための「試薬情報」の欄と、「試薬情報」の欄に表示された第1の試薬情報で識別可能な第1試薬容器6内の第1試薬を反応容器3に分注することができる分注回数を表示するための「テスト数」の欄とにより構成される。そして、「1」乃至「3」の欄に、第1の試薬情報が表示されている。
「1」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限A11及びロット番号L11を含む第1の試薬情報を示す「A11・・・Lot11」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「50」が表示されている。ここでは、使用開始前の第1試薬容器6の分注回数として、例えば500が設定された後、設定された500から分析制御部27より取得した分注実施回数の450を減算した数が「テスト数」の欄に表示されている。
「2」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限A11及びロット番号L12を含む第1の試薬情報を示す「A11・・・Lot12」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「500」が表示されている。また、「3」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限A11よりも遅い期限である第2の使用期限A12及びロット番号L12を含む第1の試薬情報を示す「A12・・・Lot12」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「500」が表示されている。
各「2」及び「3」の欄には、使用開始前の第1試薬容器6の分注回数として、500が設定された後、分注が行われていないため、設定された回数が「テスト数」の欄に表示されている。
「R2」の欄は、試薬組合部40により設定された使用期限及びロット番号を含む第2の試薬情報を表示するための「試薬情報」の欄と、この「試薬情報」の欄に表示された第2の試薬情報で識別される第2試薬容器7内の第2試薬を反応容器3に分注することができる分注回数を表示するための「テスト数」の欄とにより構成される。そして、「1」乃至「3」の欄に、第2の試薬情報が表示されている。
「1」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限A21及びロット番号L21を含む第2の試薬情報を示す「A21・・・Lot21」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「100」が表示されている。ここでは、使用開始前の第2試薬容器7の分注回数として例えば200が設定された後、設定された200から分析制御部27より取得した分注実施回数の100を減算した数が「テスト数」の欄に表示されている。
「2」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限A21よりも遅い期限である第2の使用期限A22及びロット番号L21を含む第2の試薬情報を示す「A22・・・Lot21」が表示されている。また、「テスト数」の欄に、分注回数を示す「200」が表示されている。
「3」の欄の「試薬情報」の欄には、第2の使用期限A22よりも遅い期限である第3の使用期限A23及びロット番号L22を含む第2の試薬情報を示す「A23・・・Lot22」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「200」が表示されている。
各「2」及び「3」の欄には、使用開始前の第2試薬容器7の分注回数として、200が設定された後、分注が行われていないため、設定された回数が「テスト数」の欄に表示されている。
次に、表示部62に第2の試薬渡りを行わせる検査項目Bの第2の試薬渡り画面を表示させる入力操作が操作部70から行われると、表示部62は第2の試薬渡り画面を表示する。
図5は、表示部62に表示された第2の試薬渡り画面の一例を示した図である。この第2の試薬渡り画面64は、「項目名」の欄と、「R1」及び「R2」の欄と、「R1」及び「R2」の欄に表示された「1」、「2」、「3」、「4」、「5」及び「6」等の欄とにより構成される。
「項目名」の欄には、第2の試薬渡りを行わせる検査項目Bを選択することにより設定された検査項目Bの略称名である「B」が表示されている。また、「R1」及び「R2」の欄には、試薬情報記憶部30に保存された検査項目Bの第1及び第2試薬情報が表示されている。
「R1」の欄は、試薬組合部40により設定された使用期限及びロット番号を含む第1の試薬情報を表示するための「試薬情報」の欄と、この「試薬情報」の欄に表示された第1の試薬情報で識別される第1試薬容器6における第1試薬の分注回数を表示するための「テスト数」の欄とによりより構成される。そして、「1」乃至「5」の欄に、第1の試薬情報が表示されている。
「1」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限B11及びロット番号L14を含む第1の試薬情報である「B11・・・Lot14」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「50」が表示されている。ここでは、使用開始前の第1試薬容器6の分注回数として例えば500が設定された後、設定された500から分析制御部27より取得した分注実施回数の450を減算した数が「テスト数」の欄に表示されている。
「2」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限B11よりも遅い期限である第2の使用期限B12と、「1」の欄に表示された第1の試薬情報で識別される第1試薬と同じロットで製造されたことを示すロット番号L14とを含む第1の試薬情報を示す「B12・・・Lot14」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「500」が表示されている。
「3」の欄の「試薬情報」の欄には、第2の使用期限B12よりも遅い期限である第3の使用期限B13及びロット番号L14を含む第1の試薬情報を示す「B13・・・Lot14」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「500」が表示されている。
「4」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限B11と、「1」の欄に表示された第1の試薬情報に含まれるロット番号L14とは異なるロット番号L15とを含む第1の試薬情報を示す「B11・・・Lot15」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「500」が表示されている。
「5」の欄の「試薬情報」の欄には、第2の使用期限B12及びロット番号L15を含む第1の試薬情報を示す「B12・・・Lot15」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「500」が表示されている。
各「2」乃至「5」の欄には、使用開始前の第1試薬容器6の分注回数として500が設定された後、分注が行われていないため、設定された回数が「テスト数」の欄に表示されている。
「R2」の欄は、試薬組合部40により設定された使用期限及びロット番号を含む第2の試薬情報を表示するための「試薬情報」の欄と、この「試薬情報」の欄に表示された第2の試薬情報で識別される第2試薬容器7における第2試薬の分注回数を表示するための「テスト数」の欄とにより構成される。
「1」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限B21と、「R1」の欄に表示されたるロット番号L14に関連するロット番号L24とを含む第2の試薬情報を示す「B21・・・Lot24」が表示されている。このロット番号L24の第2試薬容器7は、ロット番号L14の第1試薬容器6と対をなす。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「50」が表示されている。
ここでは、使用開始前の第2試薬容器7の分注回数として例えば200が設定された後、設定された200から分析制御部27より取得した分注実施回数の100を減算した数が「テスト数」の欄に表示されている。
「2」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限B21よりも遅い期限である第2の使用期限B22及びロット番号L24を含む第1の試薬情報を示す「B22・・・Lot24」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「200」が表示されている。
「3」の欄の「試薬情報」の欄には、第1の使用期限B21及び「R1」の欄に表示されたロット番号L15に関連するロット番号L25を含む第2の試薬情報を示す「B21・・・Lot25」が表示されている。このロット番号L25の第2試薬容器7は、ロット番号L15の第1試薬容器6と対をなす。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「200」が表示されている。
「4」の欄の「試薬情報」の欄には、第2の使用期限B22及びロット番号L25を含む第2の試薬情報を示す「B22・・・Lot25」が表示されている。また、「テスト数」の欄には、分注回数を示す「200」が表示されている。
各「2」乃至「4」の欄には、使用開始前の第2試薬容器7の分注回数として200が設定された後、分注が行われていないため、設定された回数が「テスト数」の欄に表示されている。
試薬組合部40は、試薬情報記憶部30に保存された検査項目Aの第1及び第2の試薬情報に基づいて、検査項目Aの第1の試薬渡りを行わせる第1及び第2試薬容器6,7を組み合わせる(図3のステップS3)。
このように、試薬組合部40を設けることにより、第1の試薬渡りを行わせる第1及び第2試薬容器6,7を組み合わる手間を削減することができる。
図6は、検査項目Aの第1の試薬渡りを行わせる第1及び第2試薬容器6,7の組み合せの一例を示した図である。
試薬組合部40は、試薬情報記憶30に保存された検査項目Aの第1の試薬渡りの試薬情報に基づいて、第1の試薬渡りを行わせる検査項目Aの3個の第1試薬容器6と3個の第2試薬容器7とを組み合わせる。ここでは、3個の第1試薬容器6と3個の第2試薬容器7がそれぞれ互いに対をなすため、最大で9通りの組み合わせがある。
先ず、6個の第1及び第2試薬容器6,7の中から分注回数が最も少ない量の試薬が収容された試薬容器を選び出す。そして、選び出した試薬容器と、この試薬容器と対をなす試薬容器のうち、分注回数が最も少ない量の試薬が収容された試薬容器とを1番目に組み合せる。
ここでは、分注回数が最も少ない50回分の量の第1試薬が収容された「A11・・・Lot11」の第1試薬容器6と、この第1試薬容器6と対をなす3個の第2試薬容器7のうち、分注回数が最も少ない100回分の量の第2試薬が収容された「A21・・・Lot21」の第2試薬容器7とを1番目に組み合わせる。
このように、分注回数が最も少ない量の第1試薬が収容された第1試薬容器6とこの第1試薬容器6と対をなす分注回数が最も少ない量の第2試薬が収容された第2試薬容器7とを1番目の組み合わせにすることにより、第1及び第2試薬の無駄を低減することができる。
なお、「A11・・・Lot11」の第1試薬容器6に分注回数が例えば500回分の量の第1試薬が収容されていると、3個の第1試薬容器6の分注回数は同じになるため、早い使用期限の第1試薬容器6を「A21・・・Lot21」の第2試薬容器7と組み合わせる。しかしながら、早い使用期限の第1試薬容器6には、同じ使用期限となる2個の「A11・・・Lot11」及び「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6がある。この場合、第1試薬容器6を保持する試薬ラック1aの保持位置の優先順位を予め設定し、「A11・・・Lot11」及び「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6が試薬ラック1aに保持された保持位置の優先順位が高い方の位置の第1試薬容器6を1番目に組み合わせる。
次に、1番目に組み合わせた第1又は第2試薬容器6,7の先に試薬が不足する一方の試薬容器を予測する。そして、他方の試薬容器と、この試薬容器と対をなす分注可能な量の試薬が収容された試薬容器のうち、分注回数が最も少ない量の試薬が収容された試薬容器とを2番目に組み合わせる。
1番目の組み合せでの第1及び第2試薬の分注回数は、第2試薬よりも分注回数が少ない第1試薬の分注回数に依存し、50回となる。そして、分注が51回目になると「A11・・・Lot11」の第1試薬容器6内の第1試薬が先に不足することが予測され、「A21・・・Lot11」の第2試薬容器7における第2試薬の分注回数は、減算されて50回となる。
従って、1番目の組み合わせで分注回数が50回に減算された「A21・・・Lot21」の第2試薬容器7と、この第2試薬容器7と対をなす分注可能な量の第1試薬が収容された2個の第1試薬容器6のうち、分注回数が少ない方の第1試薬容器6とを組み合わせる。しかしながら、2個の第1試薬容器6の分注回数は同じであるため、早い使用期限の「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6と、「A21・・・Lot21」の第2試薬容器7とを2番目に組み合わせる。
このように、2番目の組み合わせる候補として2つの第1試薬容器6があり、2つの第1試薬容器6の分注回数が同じである場合、使用期限が早い方の第1試薬容器6と組み合わせることにより、無駄となる第1試薬を低減することができる。
次に、2番目に組み合わせた第1又は第2試薬容器6,7の先に試薬が不足する一方の試薬容器を予測する。そして、他方の試薬容器と、この試薬容器と対をなす分注可能な量の試薬が収容された試薬容器のうち、分注回数が最も少ない試薬容器とを3番目に組み合わせる。
2番目の組み合せでの第1及び第2試薬の分注回数は、第1試薬よりも分注回数が少ない第2試薬の分注回数に依存し、50回となる。そして、分注が51回目になると「A21・・・Lot21」の第2試薬容器7内の第2試薬が先に不足することが予測され、「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6の分注回数は、減算されて450回となる。
従って、2番目の組み合わせで分注回数が450回に減算された「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6と、この第1試薬容器6と対をなす分注可能な量の第2試薬が収容された2個の第2試薬容器7のうち、分注回数が少ない方の第2試薬容器7とを組み合わせる。しかしながら、2個の第2試薬容器7の分注回数は同じであるため、早い使用期限の「A22・・・Lot21」の第2試薬容器7と、「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6とを3番目に組み合わせる。
このように、3番目の組み合わせの候補として2つの第2試薬容器7があり、2つの第1試薬容器6の分注回数が同じである場合、使用期限が早い方の第2試薬容器7を組み合わせることにより、無駄となる第2試薬を低減することができる。
次に、3番目に組み合わせた第1又は第2試薬容器6,7の先に試薬が不足する一方の試薬容器を予測する。そして、他方の試薬容器と、この試薬容器と対をなす分注可能な量の試薬が収容された試薬容器のうち、分注回数が最も少ない試薬容器とを4番目に組み合わせる。
3番目の組み合せでの第1及び第2試薬の分注回数は、第1試薬よりも分注回数が少ない第2試薬の分注回数に依存し、200回となる。そして、分注が201回目になると「A22・・・Lot21」の第2試薬容器7内の第2試薬が先に不足することが予測され、「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6における第1試薬の分注回数は、減算されて250回となる。
従って、3番目の組み合わせで分注回数が250回に減算された「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6と、この第1試薬容器6と対をなす分注可能な量の第2試薬が収容された「A23・・・Lot22」の第2試薬容器7とを4番目に組み合わせる。
4番目の組み合せでの第1及び第2試薬の分注回数は、第1試薬よりも分注回数が少ない第2試薬の分注回数に依存し、200回となる。そして、分注が201回目になると「A21・・・Lot22」の第2試薬容器7内の第2試薬が先に不足することが予測され、「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6における第1試薬の分注回数は、減算されて50回となる。
4番目に組み合わせでは第2試薬容器7が先に試薬が不足し、分注可能な量の第2試薬を収容する第2試薬容器7が他にないため、1番目乃至4番目の4通りの組みあわせで第1の試薬渡りを行わせることになる。
このように、第1の試薬渡りにおいて、組み合わせ可能な3個の第1試薬容器6とこの第1試薬容器6と対をなす3個の第2試薬容器7との分注回数及び使用期限の情報に基づいて組み合わせることにより、最大で9通りある組み合わせのうち、不要となる5通りの組み合わせを削減することができる。これにより、キャリブレーションにかかる時間、並びにキャリブレーションに必要な標準試料、第1試薬及び第2試薬を低減することができる。
試薬情報記憶部30は、試薬組合部40により組み合わされた検査項目Aの4通りの第1の試薬渡りの組み合わせ情報を保存する(図3のステップS4)。
試薬組合部40は、試薬情報記憶部30に保存された検査項目Bの第1及び第2の試薬情報に基づいて、検査項目Bの第2の試薬渡りを行わせる第1及び第2試薬容器6,7を組み合わせる(図3のステップS5)。
このように、試薬組合部40を設けることにより、第2の試薬渡りを行わせる第1及び第2試薬容器6,7を組み合わる手間を削減することができる。
図7は、検査項目Bの第2の試薬渡りを行わせる第1及び第2試薬容器6,7の組み合せの一例を示した図である。
試薬組合部40は、試薬情報記憶部30に保存された検査項目Bの第1及び第2の試薬情報に基づいて、第2の試薬渡りを行わせる検査項目Bの5個の第1試薬容器6と4個の第2試薬容器7を組み合わせる。ここでは、ロット番号14の第1試薬容器6は3個あり、この第1試薬容器6と対をなすロット番号14に関連するロット番号24の第2試薬容器7は2個であるため、6通りの組み合わせがある。また、ロット番号15の第1試薬容器6は2個あり、この第1試薬容器6と対をなすロット番号15に関連するロット番号25の第2試薬容器7は2個であるため、最大で4通りの組み合わせがある。従って、最大で6通りと4通りを合計した10通りの組み合わせがある。
先ず、9個の第1及び第2試薬容器6,7の中から分注回数が最も少ない量の試薬が収容された試薬容器を選び出す。そして、選び出した試薬容器と、この試薬容器と対をなす試薬容器のうち、分注回数が最も少ない量の試薬が収容された試薬容器とを1番目に組み合せる。
ここでは、分注回数が最も少ない50回分の量の第1試薬が収容された「B11・・・Lot14」の第1試薬容器6と、この第1試薬容器6と対をなす2個の第2試薬容器7のうち、分注回数が少ない100回分の量の第2試薬が収容された「B21・・・Lot24」の第2試薬容器7とを1番目に組み合わせる。
このように、分注回数が最も少ない量の第1試薬が収容された第1試薬容器6とこの第1試薬容器6と対をなす分注回数が最も少ない量の第2試薬が収容された第2試薬容器7とを1番目の組み合わせにすることにより、第1及び第2試薬の無駄を低減することができる。
次に、1番目に組み合わせた第1又は第2試薬容器6,7の先に試薬が不足する一方の試薬容器を予測する。そして、他方の試薬容器と、この試薬容器と対をなす分注可能な量の試薬が収容された試薬容器のうち、分注回数が最も少ない量の試薬が収容された試薬容器とを2番目に組み合わせる。
1番目の組み合せでの第1及び第2試薬の分注回数は、第2試薬よりも分注回数が少ない第1試薬の分注回数に依存し、50回となる。そして、分注が51回目になると「B11・・・Lot14」の第1試薬容器6内の第1試薬が先に不足することが予測され、「B21・・・Lot24」の第2試薬容器7における第2試薬の分注回数は、減算されて50回となる。
従って、1番目の組み合わせで分注回数が50回に減算された「B21・・・Lot24」の第2試薬容器7と、この第2試薬容器7と対をなす分注可能な量の第1試薬が収容された2個の第1試薬容器6のうち、分注回数が少ない方の第1試薬容器6とを組み合わせる。しかしながら、2個の第1試薬容器6の分注回数は同じであるため、早い使用期限の「B12・・・Lot14」の第1試薬容器6を2番目に組み合わせる。
このように、2番目に組み合わせる候補として2つの第1試薬容器6がある場合、使用期限が早い方の第1試薬容器6を組み合わせることにより、無駄となる第1試薬を低減することができる。
次に、2番目に組み合わせた第1又は第2試薬容器6,7の先に試薬が不足する一方の試薬容器を予測する。そして、他方の試薬容器と、この試薬容器と対をなす分注可能な量の試薬が収容された試薬容器のうち、分注回数が最も少ない試薬容器とを3番目に組み合わせる。
2番目の組み合せでの第1及び第2試薬の分注回数は、第1試薬よりも分注回数が少ない第2試薬の分注回数に依存し、50回となる。そして、分注が51回目になると「B21・・・Lot24」の第2試薬容器7内の第2試薬が先に不足することが予測され、「B12・・・Lot14」の第1試薬容器6における第1試薬の分注回数は、減算されて450回となる。
従って、2番目の組み合わせで分注回数が450回に減算された「B12・・・Lot14」の第1試薬容器6と、この第1試薬容器6と対をなす分注可能な量の第2試薬が収容された「B22・・・Lot24」の第2試薬容器7とを3番目に組み合わせる。
次に、3番目に組み合わせた第1又は第2試薬容器6,7の先に試薬が不足する一方の試薬容器を予測する。そして、他方の試薬容器と、この試薬容器と対をなす分注可能な量の試薬が収容された試薬容器とを4番目に組み合わせる。
3番目の組み合せでの第1及び第2試薬の分注回数は、第1試薬よりも分注回数が少ない第2試薬の分注回数に依存し、200回となる。そして、分注が201回目になると「B22・・・Lot24」の第2試薬容器7内の第2試薬が先に不足することが予測され、「B12・・・Lot14」の第1試薬容器6における第1試薬の分注回数は、減算されて250回となる。
従って、3番目の組み合わせで分注回数が250回に減算された「B12・・・Lot14」の第1試薬容器6と、この第1試薬容器6と対をなす分注可能な量の第2試薬が収容された第2試薬容器7とを4番目に組み合わせる。しかしながら、「B12・・・Lot14」の第1試薬容器6と対をなす分注可能な量の第2試薬が収容された第2試薬容器7がない。
この場合、「B12・・・Lot14」のロット番号14と異なるロット番号15の第1試薬容器6とこのロット番号15に関連する2個のロット番号25の第2試薬容器7の中から、分注回数が最も少ない量の第2試薬が収容された「B21・・・Lot25」の第2試薬容器7を選び出す。そして、選び出した第2試薬容器7と対をなす2個の第1試薬容器6のうち、分注回数が少ない方の第1試薬容器6とを組み合わせる。しかしながら、2個の第1試薬容器6の分注回数は同じであるため、早い使用期限の「B11・・・Lot15」の第1試薬容器6と「B21・・・Lot25」の第2試薬容器7とを4番目に組み合わせる。
このように、分注回数が最も少ない量の第2試薬が収容された第2試薬容器7と、候補として2つの第1試薬容器6がある場合の使用期限の早い方の第1試薬容器6とを4番目の組み合わせにすることにより、第1及び第2試薬の無駄を低減することができる。
4番目の組み合せでの第1及び第2試薬の分注回数は、第1試薬よりも分注回数が少ない第2試薬の分注回数に依存し、200回となる。そして、分注が201回目になると「B21・・・Lot15」の第2試薬容器7内の第2試薬が先に不足することが予測され、「B11・・・Lot15」の第1試薬容器6における第1試薬の分注回数は、減算されて300回となる。
従って、4番目の組み合わせで分注回数が300回に減算される「B11・・・Lot15」の第1試薬容器6と、この第1試薬容器6と対をなす分注可能な量の第2試薬が収容された「B22・・・Lot25」の第2試薬容器7とを5番目に組み合わせる。
5番目の組み合せでの第1及び第2試薬の分注回数は、第1試薬よりも分注回数が少ない第2試薬の分注回数に依存し、200回となる。そして、分注が201回目になると「B21・・・Lot25」の第2試薬容器7内の第2試薬が先に不足することが予測され、「B11・・・Lot15」の第1試薬容器6の第1試薬の分注回数は、減算されて100回となる。
6番目に分注を行わせる第1及び第2試薬容器6,7として、5番目に組み合わせた第2試薬容器7を先に試薬が不足する試薬容器として予測し、次の候補としての第2試薬が収容された第2試薬容器7が他にないため、1番目乃至5番目の5通りの組みあわせで第2の試薬渡りを行わせることになる。
このように、第2の試薬渡りにおいて、組み合わせ可能な3個の第1試薬容器6とこの第1試薬容器6と対をなす2個の第2試薬容器7、及び組み合わせ可能な2個の第1試薬容器6とこの第1試薬容器6と対をなす2個の第2試薬容器7の分注回数及び使用期限の情報に基づいて組み合わせることにより、最大で10通りある組み合わせのうち、不要となる5通りの組み合わせを削減することができる。これにより、キャリブレーションにかかる時間、並びにキャリブレーションに必要な標準試料、第1試薬及び第2試薬を低減することができる。
試薬情報記憶部30は、試薬組合部40により組み合わせた検査項目Bの第2の試薬渡りの組み合わせ情報を保存する(図3のステップS6)。
次に、操作部70から検査項目A,Bのキャリブレーション開始の入力が行われると、分析制御部27は、試薬情報記憶部30に保存された検査項目Aの第1の試薬渡りの組み合わせ情報及び検査項目Bの第2の試薬渡りの組み合わせ情報に基づいて、キャリブレーションを実行させる。データ処理部50の演算部51は、分析部24での測定により得られる標準データに基づいて検査項目A,Bの各組み合わせに対応する検量データを生成する(図3のステップS7)。
分析部24は、検査項目Aの標準試料と各1番目乃至4番目の組み合わせによる第1及び第2試薬容器6,7内の第1及び第2試薬を分注させて各1番目乃至4番目の組み合わせによる標準データを生成する。また、検査項目Bの標準試料と各1番目乃至5番目の組み合わせによる第1及び第2試薬容器6,7内の第1及び第2試薬を分注させて各1番目乃至5番目の組み合わせによる標準データを生成する。
演算部51は分析部24で生成された検査項目Aの各1番目乃至4番目の組み合わせによる標準データに基づいて各1番目乃至4番目の組み合わせによる検量データを生成する。また、分析部24で生成された検査項目Bの各1番目乃至5番目の組み合わせによる標準データに基づいて各1番目乃至5番目の組み合わせによる検量データを生成する。
ここで、検査項目Aのキャリブレーションでは、1番目における「A11・・・Lot11」の第1試薬容器6及び「A21・・・Lot21」の第2試薬容器7の組み合わせによる1番目の検量データを生成する。また、2番目における「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6及び「A21・・・Lot21」の第2試薬容器7の組み合わせによる2番目の検量データを生成する。また、3番目における「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6及び「A22・・・Lot21」の第2試薬容器7の組み合わせによる3番目の検量データを生成する。また、4番目における「A11・・・Lot12」の第1試薬容器6及び「A21・・・Lot22」の第2試薬容器7の組み合わせによる4番目の検量データを生成する。
また、検査項目Bのキャリブレーションでは、1番目における「B11・・・Lot14」の第1試薬容器6及び「B21・・・Lot24」の第2試薬容器7の組み合わせによる1番目の検量データを生成する。また、2番目における「B12・・・Lot14」の第1試薬容器6及び「B21・・・Lot24」の第2試薬容器7の組み合わせによる2番目の検量データを生成する。また、3番目における「B12・・・Lot14」の第1試薬容器6及び「B22・・・Lot24」の第2試薬容器7の組み合わせによる3番目の検量データを生成する。また、4番目における「B11・・・Lot15」の第1試薬容器6及び「B21・・・Lot25」の第2試薬容器7の組み合わせによる4番目の検量データを生成する。また、5番目における「B11・・・Lot15」の第1試薬容器6及び「B22・・・Lot25」の第2試薬容器7の組み合わせによる5番目の検量データを生成する。
図3のステップS7の後、出力部60から全ての検量データが出力されると、システム制御部80が、分析制御部27、データ処理部50、出力部60、試薬情報記憶部30及び試薬組合部40に、検査の停止を指示することにより、自動分析装置100は動作を終了する(図3のステップS8)。
このように、検査が行われる前に、n番目及び(n+1)番目に組み合わせた第1及び第2試薬容器6,7を用いてn番目及び(n+1)番目の検量データを生成することにより、検査対象の被検試料が複数ある場合、検査中に、n番目に組み合わせた第1又は第2試薬容器6,7の一方の試薬容器内の試薬が不足するタイミングで、(n+1)番目の組み合わせの第1及び第2試薬容器6,7及びこの組み合わせにより生成された検量データを用いて分析データを生成することができる。これにより、検査を中断させることなく、迅速に行うことができる。
なお、図6に示した4通りの組み合わせや図7に示した5通りの組み合わせを示す各組み合わせの第1及び第2試薬容器6,7の第1及び第2試薬情報を表示部62に表示させ、更には各組み合わせにおける分注回数を表示させるように実施してもよい。これにより、1回の検査で、必要な分注回数に応じた通りの組み合わせによる第1及び第2試薬容器6,7でキャリブレーションを行うことができるため、キャリブレーションによる標準試料、第1及び第2試薬の無駄を削減することができる。
以上述べた実施形態によれば、第1の試薬容器6の第1の試薬情報を及び第2試薬容器7の第2の試薬情報を保存可能な試薬情報記憶部30及び試薬情報記憶部30に保存された第1及び第2の試薬情報に基づいて第1試薬容器6及びこの第1試薬容器6と対をなす第2試薬容器7を組み合わせる試薬組合部40を設けることにより、第1及び第2試薬容器6,7を組み合わる手間を削減することができる。
そして、第1試薬容器6及びこの第1試薬容器6と対をなす第2試薬容器7をn番目(nは1以上の整数)に組み合わせ、n番目に組み合わせた第1又は第2試薬容器6,7の先に試薬が不足する一方の試薬容器を予測し、他方の試薬容器及びこの試薬容器と対をなす分注可能な量の試薬が収容された試薬容器を(n+1)番目に組み合わせることができる。
そして、第1試薬容器6及びこの第1の試薬容器6と対をなす第2試薬容器7が複数ある場合、複数の第1及び前記第2の試薬容器6,7のうちの分注回数が最も少ない量の試薬が収容された試薬容器及びこの試薬容器と対をなす試薬容器のうちの分注回数が最も少ない量の試薬が収容された試薬容器を1番目に組み合わせることができる。また、n番目に組み合わせた他方の試薬容器と対をなす分注可能な量の試薬が収容された試薬容器が複数ある場合、複数の試薬容器のうち、分注回数が最も少ない量の試薬が収容された試薬容器と、他方の試薬容器とを(n+1)番目に組み合わせることができる。また、n番目に組み合わせた他方の試薬容器と対をなす分注可能な量の試薬が収容された試薬容器が複数あり、且つ、複数の試薬容器の分注回数が同じである場合、複数の試薬容器のうち、最も使用期限が早い試薬容器と、他方の試薬容器とを、(n+1)番目に組み合わせることができる。
これにより、不要となる組み合わせを削減することができるため、キャリブレーションにかかる時間、並びにキャリブレーションに必要な標準試料、第1試薬及び第2試薬を低減することができる。
また、検査前に、n番目及び(n+1)番目に組み合わせた第1及び第2試薬容器6,7を用いてn番目及び(n+1)番目の検量データを生成することにより、検査中に、n番目に組み合わせた第1及び第2試薬容器6,7及びn番目の検量データを用いて分析データを生成し、n番目に組み合わせた第1又は第2試薬容器6,7の一方の試薬容器内の試薬が不足するタイミングで、(n+1)番目に組み合わせた第1及び第2試薬容器6,7及び(n+1)番目の検量データを用いて分析データを生成することができる。れにより、検査を中断させることなく、迅速に行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。