Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP6501616B2 - 電力供給装置、プリンタ及び制御方法 - Google Patents

電力供給装置、プリンタ及び制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6501616B2
JP6501616B2 JP2015107868A JP2015107868A JP6501616B2 JP 6501616 B2 JP6501616 B2 JP 6501616B2 JP 2015107868 A JP2015107868 A JP 2015107868A JP 2015107868 A JP2015107868 A JP 2015107868A JP 6501616 B2 JP6501616 B2 JP 6501616B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power supply
current value
charging
capacitor
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015107868A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016221714A (ja
Inventor
孝 酒井
孝 酒井
石川 真也
真也 石川
大鹿 亨
亨 大鹿
寿夫 沖田
寿夫 沖田
靖史 小笠原
靖史 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015107868A priority Critical patent/JP6501616B2/ja
Publication of JP2016221714A publication Critical patent/JP2016221714A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6501616B2 publication Critical patent/JP6501616B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、電力供給装置、プリンタ及び制御方法に関し、特に、負荷への電力供給を制御する手段を備える電力供給装置、プリンタ及び制御方法に関する。
近年のインクジェット記録装置(以下、記録装置ともいう)は、印刷速度の向上や印刷解像度の向上のために、インクを吐出するノズルの数が増大してきている。例えば、サーマル方式の記録装置の場合には、インク吐出口付近にヒータを設け、このヒータに電力を供給する事によりインクを瞬時に発泡させ、発泡の運動エネルギによってインクを吐出させる。
このような記録装置において、画像形成時に消費される電力は、画像の濃淡によって変化する。濃度の高い画像を形成する際には、多量のインクを紙面上に吐出するために多数のノズル駆動用ヒータが瞬間的にオンされ、ノズルを備えるヘッドに短い時間で大きな電流を流す。
瞬間的な大電流を流す際には、電源のインピーダンスを下げる必要があり、等価直列抵抗値が小さく且つ容量が大きい電解コンデンサを、記録ヘッド近くの電源ラインに接続するプリンタが知られている(特許文献1参照)。特許文献1では、電解コンデンサに対して電荷を充電あるいは放電する際に突入電流が発生するのを防ぐために電流に制限をかけたプッシュプル回路を設けている。
特開2009−286096号公報
ところで、電源回路に容量の大きな電解コンデンサを接続した場合、この電解コンデンサの充電時間が長くなる。そこで、電解コンデンサの充電時間を短縮させるために電源回路に流す電流値を大きくすると、電源回路やヘッドを備えるデバイスに短絡等により異常が発生した際に検出しにくくなってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑み、電解コンデンサの充電時間を短くしつつ、電力供給回路や負荷に異常が発生した際に異常をより精度よく特定することができる電力供給装置、プリンタ及び制御方法を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するために本発明の電力供給装置は、電力負荷に電力供給ラインを介して電力を供給する電源部と、前記電源部と前記電力負荷とを接続する前記電力供給ラインに接続されたコンデンサと、前記電源部から供給される電力の電流値を制限して前記コンデンサを充電する充電回路と、前記コンデンサの電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された電圧値が所定の閾値以上か判定する判定手段と、前記コンデンサの充電の完了後に前記充電回路の電流値を前記コンデンサの充電が完了する前の電流値よりも小さな第1電流値に切り替え、前記コンデンサの充電の完了後に前記検出手段により検出された電圧値が所定の電圧値未満であった場合、前記充電回路が供給する電流値を前記第1電流値よりも高い電流値に切り替えるように制御する制御手段と、前記コンデンサの充電が完了した後で且つ電力負荷の動作が終了する前における前記充電回路が供給する電流値を上昇させた回数を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された回数に基づいて、エラー処理を実行する実行手段と、を有する。
本発明によれば、電解コンデンサの充電時間を短くしつつ、電力供給回路や負荷に異常が発生した際に異常をより精度よく特定することができる。
実施形態1に係るプリンタの制御回路構成を示すブロック図である。 実施形態1に係る記録ヘッドへの電力供給動作を示すフローチャートである。 電解コンデンサへの充電および放電を示すタイミングチャートである。 参考例に係るリーク電流に異常が発生した際の電解コンデンサ電圧、ヘッド充電電流、リーク電流を示すタイミングチャートである。 実施形態1に係るリーク電流に異常が発生した際の電解コンデンサ電圧、ヘッド充電電流、リーク電流を示すタイミングチャートである。 瞬断が発生した場合の電圧及び電流値を示すタイミングチャートである。 リーク異常が発生した場合の電圧及び電流値を示すタイミングチャートである。 比較的小さいリーク異常が発生した場合の電圧及び電流値を示すタイミングチャートである。 実施形態1に係る制御のフローを示したステート遷移図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る電力供給装置の一例であるプリンタの制御回路の主要構成を示すブロック図である。なお、図1では、印刷機能を有するプリンタを例に挙げて説明するが、プリンタは、これに限定されるものではなく、例えば、印刷機能及び読取機能を有する複合プリンタであってもよい。また、電力供給装置は、プリンタに限定されるものではなく、印刷機能を有していなくてもよく、負荷に対して電力を供給する装置であればよい。
図1に示すプリンタは、電源回路101と、ヘッド電源制御ブロック102と、プリンタ制御用CPU123と、RAM125と、ROM124と、充電回路106と、放電回路107と、プリントヘッド3と、電解コンデンサ105と、を有する。また、電解効果トランジスタ(FET)103及びトランジスタ104を有する。なお、本実施形態において、「電源の供給電力」とは、電源回路101からプリントヘッド3に供給される電力を指す。
電源回路101は、いわゆる電源部であり、図示しないAC電源からヘッドを駆動するDC電圧を生成するAC/DCコンバータである。図1では、ヘッド電源を駆動するためのDC電圧の出力をVMと表記している。
プリンタ制御用CPU123は記録装置全体を制御する中央演算処理部であり、プログラムの実行やハードウェアの起動によりプリンタ全体の動作を制御する。
ROM124は、プリンタ全体を制御するプログラムや設定パラメータを格納する。RAM125は、外部から受信した印刷ジョブを印刷用データへ変換したり、プログラムを展開したりするためのワークエリアとして用いられたり、パラメータや画像データを一時保存したりする。
ヘッド電源制御ブロック102は、ヘッド電源制御シーケンサ122と、ヘッドの電源電圧を検出する回路121と、カウンタ131を有し、ヘッドに供給する電力を制御する。
電圧検出回路121は、プリントヘッドに電力を供給する電力供給ラインの電圧値(ヘッド電源電圧値)を検出する。なお、以下、ヘッド電源電圧は、「電解コンデンサ電圧」ともいう。これは、電解コンデンサ105の電圧は、ヘッド電源電圧と同じとなるためである。電圧検出回路121は、AD変換器であってもよいし、複数のコンパレータを並べて複数のしきい値を持たせた回路でもよい。ヘッド電源電圧は、抵抗111と112で分圧され、入力端子PI1から電圧検出回路121に入力される。ヘッド電源制御シーケンサ122は、PO1から信号を出力することにより、トランジスタ104のオン・オフを制御する。また、充電回路106及び放電回路107の電流値を制御する。また、ヘッド電源制御シーケンサ122は、PO2から信号を出力することにより、充電回路106が供給する電流値を制御し、PO3から信号を出力することにより、充電回路107が放電する電流値を制御する。カウンタ131は、電解コンデンサ105の充電が完了し且つ電解コンデンサ105が放電を開始する前に、充電回路106が供給する電流値が切り替わった回数を数えるカウンタである。
CPU123とヘッド電源制御ブロック102は、同一の集積回路としてLSIに実装されても良いし、別のLSIとして実装されていてもよい。
プリントヘッド3は、電力負荷であり、プリント動作を行う部分である。なお、本実施形態では、プリントヘッド3は、各色のインクタンクを有し、被記録媒体(例えば、紙)にインク液滴を吐出して記録を行う。なお、プリントヘッド3は、ヘッドキャリッジを支えるシャフトに沿って搬送方向と直交する方向に移動しながらインクを吐出するものであってもよいし、搬送方向に沿って各色のノズル列を有するラインヘッドを有するものであってもよい。また、本実施形態に係るプリンタは、サーマル方式でプリントをするものであり、インク吐出口の付近に複数のヒータが設けられている。そして、インクを吐出する際には、ヒータに電力を供給する事によりインクを瞬時に発泡させ、発泡の運動エネルギによってインクを吐出させる。
電解コンデンサ105は、プリントヘッド3に電源を供給する電解コンデンサであり、インクの吐出状況によって変化する負荷変動を吸収する役割も兼ねている。この電解コンデンサ105は、電力供給ライン(電力供給線)に対して記録ヘッド3と並列に接続されている。本実施形態では、電解コンデンサ105は、等価直列抵抗値が小さく且つ容量が大きいコンデンサである。容量が大きい電解コンデンサ105とすることにより、濃度の高い画像を形成する際に、電解コンデンサ105に蓄積された大きな電荷が瞬時的な電力として供給される。これにより、瞬間的に大きな電流が流れる状況においてもヒータ駆動電圧の降下を防ぎ、安定したインク吐出を実現することができる。
FET103は、プリントヘッド3が印刷動作を行うために大きな電力を必要とする時にオンされる。本実施形態では、PMOSでトランジスタ104をオン・オフすることにより、ゲートが開閉する構成とする。トランジスタ104は、ヘッド電源制御ブロック102の出力端子PO1に接続され、ヘッド電源制御シーケンサ122が出力する信号のHigh/Lowによってオン・オフされる。なお、本実施形態では、充電回路106により電解コンデンサ105を充電する際には、FET103はオフした状態とする。
充電回路106は、電解コンデンサ105を充電するための回路であり、放電回路107は、電解コンデンサ105を放電するための回路である。
充電回路106は、電源回路101から供給される電力の電流値を制限して電解コンデンサ105を充電する。充電回路106は、カレントミラー構成の定電流回路となっており、FET及び定電流源108を有し、定電流源108により基準電流を生成する。定電流源108は、ヘッド電源制御ブロック102の出力端子PO2によって制御され、電流値の複数段階の切り替えが可能である。本実施形態では、充電回路106が供給する電流を切り替えることにより、充電時間を短縮することができる。より具体的には、電解コンデンサ105を充電する際には、充電回路106が供給する電流は高い電流値とし、電解コンデンサ105の充電願完了した後は、充電回路106が供給する電流は低い電流値とする。なお、定電流源108の電流値の切り替えの詳細については後述する。
放電回路107も、充電回路106と同様に、カレントミラー構成の定電流回路であり、FET及び定電流源109を有し、定電流源109が基準電流を生成する。また、定電流源109は、ヘッド電源制御ブロック102の出力端子PO3に接続され、定電流源108と同様に、電流値の複数段階の切り替えが可能である。
図1〜図3を用いて、本実施形態に係るヘッド電源の制御シーケンスを説明する。図2のフローチャートは、プリントヘッドへの電力供給動作を示すフローチャートである。また、図3は、電解コンデンサへの充電及び放電を示すタイミングチャートであり、図2のフローの一部をタイミングチャートに示したものである。
図2に示すフローチャートは、例えば、CPU123がROM124に格納されたプログラムをRAM125に読み出して実行することにより実現される。具体的には、プリンタが印刷指令を受けて、ヘッド3に電源が投入されていない状態から、ヘッドに電源を投入して、印刷動作を行う流れを示している。
プリンタが印刷指令を受けると、電源電圧の制御を開始し(S201)、電解コンデンサ105に充電を行う(S202〜S207)。ここで、図2及び図3に示すIchg1、Ichg2、Ichg3は、それぞれ充電回路106が出力する充電電流であり、電解コンデンサの電圧状態に応じて切り替えられる。具体的には、電圧検出回路121がモニタしている電解コンデンサの電圧が予め設定した各電圧しきい値(Vth1、Vth2)を超えると、充電電流値を所定値(Ichg2、Ichg3)まで上げる。このように、本実施形態では、充電電流値を切り替えることにより、充電回路106のFETの熱的制限を満足しつつ、可能な限り素早く充電を完了させることができる。本実施形態では、充電回路106のFETのソース・ドレイン間の電位差と、充電回路106が出力する電流の積で計算される熱が、充電回路106のFETの許容損失を満足する様に設定する。例えば、ソース・ドレイン間の電位差がVM−Vth1、電流がIchg1の場合、充電回路106に発生する熱量は(VM−Vth1)×Ichg1と表わされる。同様に、ソース・ドレイン間の電位差がVM−Vth2、電流値がIchg2の場合、充電回路106に発生する熱量は(VM−Vth2)×Ichg2と表わされる。また、ソース・ドレイン間の電位差がVM−Vth3、電流値がIchg3の場合、充電回路106に発生する熱量は(VM−Vth3)×Ichg3と表わされる。(VM−Vth1)×Ichg1、(VM−Vth2)×Ichg2、(VM−Vth3)×Ichg3のいずれも、一定の許容損失以下になるように設定する。したがって、VMとの電位差が大きいVth1以下の時の電流値Ichg1は比較的小さく、VMとの電位差が小さいVth3以上の時のIchg3は比較的大きくする。本実施形態では、電流値の切り替えを3段階で示しているが、これに限定されず、電流値の切替数は、3より多くてもよいし、3より少なくてもよい。 まず、ヘッド電源制御シーケンサ122は、充電回路106の充電電流値としてIchg1を選択するように、出力端子PO2から信号を出力する(S202)。そして、電圧検出回路121により検出した電解コンデンサの電圧がVth1以上(第1閾値以上)か判定する(S203)。電解コンデンサの電圧がVht1以上と判定すると(S203でYes)、ヘッド電源制御シーケンサ122は、充電回路106の充電電流値としてIchg2を選択するように、出力端子PO2から信号を出力する(S204)。すなわち、充電回路106の充電電流値は、Ichg1からIchg2に切り替えられる。そして、電圧検出回路121により検出した電解コンデンサの電圧がVth2以上(第2閾値以上)か判定する(S205)。
電解コンデンサの電圧がVht2以上と判定すると(S205でYes)、Tcntをリセットし(S206)、電流設定値をIchg3とする(S207)。なお、S206とS207の順は逆であってもよい。S206では、Ichg3が切り替わるごとにカウントアップされるカウンタTcntがリセットされてカウンタ値が0になる。なお、本実施形態では、詳細は後述するが、カウンタTcntがあらかじめ設定された回数に達するとエラーと判定される。また、S207では、ヘッド電源制御シーケンサ122は、充電回路106の充電電流値としてIchg3を選択するように、出力端子PO2から信号を出力する。すなわち、充電回路106の充電電流値は、Ichg2からIchg3に切り替えられる。図3(a)は、電圧検出回路121がモニタしている電解コンデンサ105の電圧のタイミングチャートである。また、図3(b)は、電解コンデンサへの充電電流および放電電流を示すタイミングチャートであり、図3(c)は、PO1の電圧レベルを示すタイミングチャートである。
電解コンデンサ105を充電している期間310は、電圧上昇のカーブが急峻になる。これは図3(b)に示すように、電解コンデンサ電圧がVth1のしきい値以上となるタイミング301で、充電電流値をIchg1からIchg2に充電電流値切り替えているためである。
Ichg3が選択された後は、電圧検出回路121により検出した電解コンデンサの電圧がVth3以上(第3閾値以上)か判定する(S208)。電解コンデンサの電圧がVht3以上と判定すると(S208でYes)、ヘッド電源制御シーケンサ122は、充電回路106の充電電流値として電圧保持用電流値Ikeepを選択するように、出力端子PO2から信号を出力する(S209)。すなわち、充電回路106の充電電流値は、Ichg1からIkeepに切り替えられる。電流値Ikeepは、電解コンデンサ105の電圧を保持しつつ、リークの増加の検出することができる電流値である。したがって、Ikeep電流値は、充電電流値を上昇させたときの値(例えば、Ichg3)よりも低い値とする。本実施形態では、Ikeep電流値は、Ichg1よりも低い値、すなわち、充電時に充電回路106が供給する電流値よりも低い値とする。
Ikeepに切り替えた後、エラー検知無効期間を決めるカウンタToffに値をセットし(S210)、電解コンデンサの電圧がVth_error未満(エラー電圧値未満)か判定する(S211)。カウンタToffはダウンカウンタである。Toffカウンタの設定値は、瞬断による電圧低下からVth_errorよりも高い値まで復帰可能な時間よりも長い時間を設定する。ここで、瞬断とは、外的要因によりごく短時間、一時的に電源回路101による電圧の印加がされないことを指す。
電解コンデンサの電圧がVth_error以上であり(S211でYes)、電解コンデンサ105の充電が完了し、印刷用データも準備が完了していれば、印刷動作を開始する(S212)。まず、S213で、ヘッド電源制御シーケンサ122のPO1をHighにする(図3(c)のタイミング304参照)。これにより、FET103がオンする。なお、FET103をオンしない場合、充電回路106が電力供給ラインに供給する電流はIkeepの状態のため、ヘッドが印刷の為に消費する電力を十分に確保することができない。S212の記録ヘッド3による印刷動作を実行し(S214)、印刷動作が完了すると、S215でPO1の電圧レベルをLowにする(図3(c)のタイミング305参照)。これにより、図1のFET103がオフする。ここでいう印刷動作の完了としては、例えば、シリアルプリンタの1スキャンの完了が挙げられる。シリアルプリンタは、ヘッド3を第1方向に移動させながら被記録媒体である用紙に印刷をした後、第1方向とは反対の第2方向に移動させながら用紙に印刷をする。本実施形態では、このいずれか一方向に移動させて1ライン又は複数ライン幅の印刷を完了した際を印刷動作の完了とする。
そして、ヘッド電源制御シーケンサ122は、充電回路106の充電電流値としてIkeepを選択するように、出力端子PO2から信号を出力する(S216)。すなわち、ヘッドへの供給電流はIkeepに戻る。
S217で、印刷が終了したか判定する。印刷が終了したと判定されると(S217でYes)、ヘッド電源用コンデンサを放電する制御に移る(S226〜S231)。電解コンデンサ105は、放電回路107を使用し、電流を制限しながら放電を行う。ここで、電解コンデンサ105の放電時も充電時と同様に、放電回路107のFETの熱的制限を満たすように設定する。
まず、ヘッド電源制御シーケンサ122は、放電回路107の放電電流値としてIdis3を選択するように、出力端子PO3から信号を出力する(S226)。ここで、放電回路107のFETのソース・ドレイン間電位差はGNDからヘッド電源電圧の差になるため、ヘッド電源電位が高いほど電位差は大きい。したがって、図3(b)のタイミング306から307では、放電電流Idis3を小さい値に設定する。
そして、電圧検出回路121により検出した電解コンデンサの電圧がVth2未満か判定する(S227)。電圧検出回路121が検出した電解コンデンサの電圧がVth2未満となると(S227でYes)、ヘッド電源制御シーケンサ122は、放電回路107の放電電流値としてIdis2を選択するように、出力端子PO3から信号を出力する(S228)。すなわち、タイミング307からは放電電流をIdis3からIdis2に切り替える。ここで、Idis2は、Idis3よりもやや大きい値を設定する。そして、電圧検出回路121により検出した電解コンデンサの電圧がVth1未満か判定する(S229)。電圧検出回路121が検出した電解コンデンサの電圧がVth1未満となると(S229でYes)、ヘッド電源制御シーケンサ122は、放電回路107の放電電流値としてIdis1を選択するように、出力端子PO3から信号を出力する(S230)。すなわち、タイミング308からは放電電流をIdis2からIdis1に切り替える。そして図3(b)の309のタイミングで放電が完了する。
ここで、S211でコンデンサ電圧がVth_error未満となった場合について説明する。電解コンデンサ電圧がエラーしきい値Vth error以下になると(S221でYes)、Toffカウンタがダウンカウント動作を開始する(S218)。そして、コンデンサ電圧がVth4未満か判定する(S219)。
コンデンサ電圧がVth4未満である場合(S219でNo)、コンデンサ電圧がVth3以上か判定する(S220)。コンデンサ電圧がVth3以上でなければ(S220でNo)、S219へ戻り、コンデンサ電圧がVth3以上であれば(S220でYes)S210へ戻る。
コンデンサ電圧がVth4未満である場合(S219でYes)、電流値にIchg3を設定する(S221)。具体的には、ヘッド電源制御シーケンサ122は、充電回路106の充電電流値としてIchrg3を選択するように、出力端子PO2から信号を出力する(S221)。このとき、Ichg3に切り替わったことで、Tcntが一段階インクリメントし(S222)、Tcntが設定値か判定する(S223)。本実施形態では、設定値を5とする。
Tcntが設定値ではない場合(S223でNo)、Toffカウンタが0か判定する(S224)。Toffカウンタが0となると(S224でYes)、コンデンサ電圧がVth error未満か判定する(S225)。
コンデンサ電圧がVth error未満ではない、すなわち、Vth error以上と判定すると(S225でNo)、S208へ戻る。ここで、上述した通り、Toff設定値は、瞬断から復帰するために必要な時間よりも長く取っているので、瞬断が原因の場合には、ダウンカウントが0になるより前にコンデンサ電圧がVth errorを超える。また、S208で、コンデンサ電圧がVth3以上であれば、Ikeep電流に切り替えられる(S209)。
Tcntが設定値である場合(S223でYes)、エラーであるとしてエラー処理をして終了する。このように、本実施形態では、切り替わった回数が予め設定した所定数以上であれば、エラー処理を実行する。エラー処理とは、電力供給ラインを介したヘッド3への電力供給を終了させる処理である。具体的には、図1のFET103をオフし、充電回路106をオフする。さらに、電源回路101の電源をオフする。また、さらに、放電回路107をオンして積極的に放電を行うなどの制御をしてもよい。
このように、本実施形態では、コンデンサ電圧の電圧値がVth error未満かの判定結果及び充電回路106の電流値を上昇させる切り替えた回数に基づいて、エラー処理を実行するか否かを決定する。
ここで、ヘッド電源制御ブロック102について説明する。図9は、ヘッド電源制御シーケンサ122内の状態管理図である。図9(a)では、ヘッド3の電源がオフされている状態をスタンバイ701とする。印刷のジョブが投入されると、ヘッド3の電源をオンにするために、充電ステート702に遷移する。図9(b)は、充電ステート702を詳細に示した状態遷移図である。図9(b)に示すように、充電ステート702において電解コンデンサの電圧に基づいて充電電流を切り替えることにより、充電ステートの状態は遷移する。電解コンデンサの電圧がVth1以上となると、充電1ステート702_1から充電2ステート702_2に遷移する。このとき、充電電流をIchg1からIchg2に切り替える。同様に、電解コンデンサの電圧がVth2以上となると、充電2ステート702_2から充電3ステート702_3に遷移すると、充電電流をIchg2からIchg3に切り替える。
電解コンデンサの電圧がVth3以上となり充電が完了すると、図9(a)の保持ステート703に移行する。これに伴い、充電電流をIkeepに切り替える。印刷動作中が開始すると、印刷動作ステート704に遷移する。印刷ジョブが完了するまで、保持ステート703と印刷動作704のステート間を行き来する。なお、本実施形態では、充電ステート702の後に保持ステート703に遷移するものとしたが、印刷動作を急ぐ場合には、充電ステート702の後に印刷動作ステート704に直接遷移してもよい。
印刷動作が終了すると、放電ステート705に遷移する。また、ヘッド電源電圧モニタにより異常を検出した場合も、放電ステート1005に遷移させる。ヘッド電源電圧のモニタによる異常検出は、特に保持ステート1003において検出され易いが、印刷動作ステート704で検出された場合は、即時に放電ステート705に遷移させるようにしてもよい。なお、印刷動作ステート704において、ヘッド電源電圧モニタにより異常が検出された場合、保持ステート703に遷移させてから、放電ステート705に遷移させてもよい。
図9(c)は、放電ステート705を詳細に示したステート遷移図である。図9(c)に示すように、放電状態を遷移させる際に、電解コンデンサの電圧に基づいて電流値を切り替えることにより、放電ステートの状態は遷移する。具体的には、放電1ステート705_1から、放電2ステート705_2、放電3ステート705_3のへと遷移し、その都度Idis3、Idis2、Idis1と放電電流も切り替わる。そして、放電が完了すると、スタンバイ701に遷移する。なお、保持ステート703中にしきい値を下回ると、充電ステート702に移行し、充電回路106が供給する電流は、電圧に従ってIchg1、Ichg2、又はIchg3のいずれかに切り替わり、再度充電動作に入る。
CPU123は、以下に示す通り、プリント制御全体の管理と、ヘッド電源が正常に動作していることの管理を行う。
CPU123は、プリンタに接続された外部装置やプリンタの指示部から印刷指令を受けると、印刷ジョブデータから印刷用データの準備を開始するのと並行して、ヘッド電源制御ブロック102にヘッド電源オン指令を出す。ヘッド電源オン指令を受けてヘッド電源制御ブロック102は、図2のフローを開始する(S201)。
(1) CPU123は、印刷ジョブデータから印刷用データの準備を行うのと並行して、ヘッド電源制御シーケンサ122のステートを監視し、充電3ステート又は保持ステートとなったか判定する。本実施形態では、ヘッド電源制御シーケンサのステートを監視するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、電圧検出回路121の出力値や、抵抗111と抵抗112の間の分圧電圧を直接入力してAD変換した値からヘッド電源電圧がVth3以上であるか否かの判断をしてもよい。ステートが充電3ステート又は保持ステートとなったと判定すると、CPU123は、電圧検出回路121の出力値、抵抗111と抵抗112の間の分圧電圧を直接入力しAD変換した値を定期的に監視し続ける。すなわち、プリントヘッドの動作の停止中の電圧値を定期的に監視し続ける。その値が「ヘッド電源電圧がVth_error以下である状態」に相当する値になった場合、異常状態であると判定しエラー処理を行う。
(2) エラー状態ではない状態で印刷用データの準備ができた場合、印刷開始可能と判定し、ヘッド電源制御ブロック102に印刷動作の開始指令を出す。印刷動作の開始指令を受けてヘッド電源制御ブロック102は、S213の処理を行う。その後、CPU123は、ヘッドへ印刷用データを送信し印刷動作を行う。
(3) 印刷動作が完了すると、CPU123はヘッド電源制御ブロック102に印刷動作の終了指令を出す。印刷動作の終了指令を受けて、ヘッド電源制御ブロック102はS215の処理を行う。
(4) 続けて印刷ジョブデータがある場合は、(2)→(3)を繰り返す。
(5) 印刷ジョブデータがない場合は、CPU123はヘッド電源制御ブロック102にヘッド電源のオフ指令を出す。ヘッド電源のオフ指令を受けて、ヘッド電源制御ブロック102はS226の処理を行う。
次に、図6を用いて、瞬断による電圧低下が発生した場合の動作について説明する。まず、充電が開始されて、ヘッド電源電圧がVth3以上となると、電流設定値をIchg3とする。Ichg3に切り替わるごとにカウントアップされるカウンタTcntがリセットされてカウンタ値が0になる。なお、本実施形態では、カウンタTcntがあらかじめ設定された回数に達するとエラーと判定される。ヘッド電圧がさらに上昇し、充電電完了する(図6(a)のタイミングチャートの401の箇所参照)。そして、充電が完了すると、電流値はIchg3よりも小さいlkeepに切り替え、エラー検知無効期間を決めるカウンタToffに値がセットされる。カウンタToffはダウンカウンタであり、セットされた時間が経過してカウンタ値が0になるまでは、ヘッド電源電圧がエラーしきい値(Vth_error)以下となっても、エラーとは判定しない。図6(a)に示すように、Toffカウンタの設定値は、瞬断による電圧低下からVth_errorよりも高い値まで復帰可能な時間よりも長い時間を設定する。これにより、瞬断による電圧の低下をリークによるエラーと誤検知することを抑制することができる。図6(a)に示すように、瞬断が発生すると(図6(a)の402参照)、電源回路101から出力されるVM電圧が低下するため、同時に電解コンデンサ電圧も低下する。電解コンデンサ電圧がエラーしきい値Vth error以下になると(図6(a)の403参照)、Toffカウンタがダウンカウント動作を開始する。さらに瞬断による電圧低下が継続して、コンデンサ電圧がVth4以下となった場合(図6(a)の404参照)、電流値にIchg3を設定する(図6(b)404参照)。このとき、Ichg3に切り替わったことで、Tcntが一段階インクリメントされるが、Ichg3への切り替わりは一回目でありエラーとはならない。この間もToffカウンタは、ダウンカウント動作を続けており、カウントが0になるとヘッド電圧のモニタを有効にしてVth errorしきい値未満であるかどうかを判定する。上述した通り、Toff設定値は、瞬断から復帰するために必要な時間よりも長く取っているので、瞬断が原因の場合には、ダウンカウントが0になるより前にコンデンサ電圧がVth error以上となる。そして、コンデンサ電圧がVth3より高くなることで充電完了となる(図6(a)の405参照)。
次に、図7を用いて、リークが発生した場合について説明する。なお、ここでいうリークは、自然放電によるリークではなく、電力供給回路や電力負荷側に短絡等が発生することにより生じるリークである。図7の406に示すように、リークが発生すると、コンデンサ電圧は降下を始め、Vth error未満となる(図7(a)の407参照)。ここでは、Toff期間であるためエラー判定はしない。さらにコンデンサ電圧が降下を続け、図6の場合と同様に、Vth4未満となった時点で、充電回路106が供給する電流をIchg3に戻したとしても、電圧は上昇しない。したがって、Toffカウンタが0となった時点においてもコンデンサ電圧はVth error未満となるため(図7(a)の408参照)、エラーとして検出される。
さらに、図8を用いて、リーク電流がIchg3よりも小さい場合の動作について説明する。なお、ここでいうリークは、自然放電によるリークではなく、電力供給回路や電力負荷側に短絡等が発生することにより生じるリークである。コンデンサ電圧が充電完了し、Ikeep電流に切り変えた後、図8(a)のタイミング409において、リーク電流が上昇し、lkeep電流よりも高いリーク電流が発生すると、電解コンデンサ電圧は、降下を始める。そして、Vth error未満となり(図8(a)のタイミング410参照)、やがてVth4未満となる(図8(a)のタイミング411参照)。コンデンサ電圧がVth4未満となると充電回路106が供給する電流値をIchg3に切り替えるように制御する。充電回路106が供給する電流値Ichg3は、リーク電流よりも大きいので電解コンデンサ電圧は上昇し始める(図8(a)のタイミング411〜412)。なお、充電回路106が供給する電流値をIchg3に切り替えると同時に、図8(b)に示すようにIchg3への切り替わりをカウントするカウンタTcntが一段階インクリメントされる。充電回路106が供給する電流値をIchg3に切り替えると、電解コンデンサ電圧は上昇を続け、Toffが0になる時点では、すでに電解コンデンサ電圧は、Vth error以上となる。したがって、エラーとは認識されずに、電解コンデンサがVth3以上となったタイミングで充電が完了する。電解コンデンサ105の充電が完了した後は、充電回路106が供給する電流値としてlkeepが選択されるが、リーク電流が充電回路106から供給される電流(Ikeep電流)を上回る状態になる。したがって、電解コンデンサ電圧は、再度降下をし始める(図8のタイミング412以降を参照)。しかしながら、図8に示すように、Ichg3よりも高いリーク電流が発生し続けている場合、Tcntカウンタをインクリメントしながら、上述した動作が繰り返される。これらの動作を繰り返すたびに、Ichg3への切り替わりカウンタ値Tcntがカウントアップする。そして、カウンタ値があらかじめ設定した値以上となると、リーク電流の増加によるエラーと判定する。
また、図3(b)のタイミング303以降の充電電流となっているIkeep電流の電流値について説明する。ヘッド電源回路は、ヘッドの電解コンデンサ105に充電を完了した後に、電力供給回路や電力負荷を有するデバイスに異常が生じていない場合であっても、様々な理由で電荷が抜け、自然に放電することがある。自然放電の理由としては、例えば、図1の電圧検出用の抵抗111、112に流れる電流、あるいはヘッド自身が半導体プロセスで製造されているため自然発生するリーク電流などが挙げられる。これらの現象によるヘッド電源電圧の低下を防ぐことで、充電動作からしばらく時間が経過した後でも、プリント動作を即座に開始することができる。したがって、Ikeep電流値は、これらの自然な放電電流よりも大きな値を設定する。なお、自然な放電電流は、電力供給回路の構成及び負荷を含むデバイスの構成により、予め想定することができる。Ikeep電流値は、想定される自然な放電電流よりも大きい値とすればよい。 図4を用いて、Ikeep電流の下限値についてより詳細に説明する。図4は、電圧保持用に設定した電流値が自然な放電電流よりも低い場合のヘッド電源電圧、ヘッド充電電流、リーク電流を示すタイミングチャートである。より具体的には、自然な放電電流よりも小さな値に設定した場合のタイミングチャートを示したものである。図4(a)は、電解コンデンサ105の電圧の様子を示している。また、図4(b)は、充電中の電流値と自然放電の電流値のタイミングチャートであり、破線で示されるILeakは、ヘッド電源回路の自然放電の電流値である。図4(b)では、IkeepがILeakよりも小さな値である。したがって、図4(a)に示すように、充電回路106の電流値をIkeep電流に切り替えたタイミング603から電解コンデンサ105の電圧を維持徐々に電圧が降下していき、一定時間経過後にVth_errorしきい値に到達してしまう。ここで、Vth_errorは、電解コンデンサ105の充電完了後にヘッド電源電圧を監視し、異常を判断するためのしきい値である。電力供給ラインの電圧の監視は、電圧検出回路121により図1におけるPI1の電圧をモニタすることにより実行される。このように、Ikeepが自然放電の電流値以下に設定すると、ヘッドの異常を正確に判断することができなくなってしまう。したがって、Ikeepとして自然放電の際のILeakよりも大きな値を設定する。
上述した通り、電解コンデンサの電圧のモニタは、印刷動作を行っていない期間に実行される。具体的には、電解コンデンサの電圧のモニタは、図2のS209とS210の間でループしており、充電完了後であって印刷動作開始前は常に電解コンデンサの電圧が監視される。図2のフローチャートでは、印刷動作が終了するまで常に電解コンデンサの電圧が監視される。なお、S216では、電流値をIkeepに選択し直しているが、図1の106における充電回路をオフしない場合はS216で電流値を選択し直さなくてもよい。
次に、図5を用いて、Ikeepの上限値について説明する。図5(a)は、電解コンデンサを充電する際の電圧の様子を示している。また図5(b)は、電解コンデンサを充電中の充電回路106が供給する電流値とヘッド電源回路の放電の電流値を示しており、破線で示されるILeakは放電の電流値である。図5(b)では、タイミング504までのILeakは通常の自然放電の電流値である。このILeakは、Ichg1、Ichg2、Ichg3やIkeepのいずれの電流値よりも小さく、図4で説明したように電圧が降下する現象は発生しない。
ここで、自然放電以外のリークが発生した場合、すなわち、何らかの理由でヘッドの端子が短絡、またはヘッドのリークが増加した場合、図5(b)のタイミング504に示すように、ILeakが上昇する。ILeakがIkeepの値を超えるタイミング505から、図5(a)に示されるように、電解コンデンサの電圧は徐々に降下し、タイミング506ではVth_errorを下回り、異常が発生したと検出される。異常を検出したプリンタでは、図1のFET103をオフ、106の充電回路をオフし、107の放電回路をオンして積極的に放電を行うなどの制御を行う事が可能である。
したがって、本実施形態では、Ikeepは、異常時のILeakには適切なタイミングで異常を検出できるように、特定の値以下に設定する。例えば、ILeakの挙動が予想可能な場合は、∫{ILeak(t)×V(t)}dtを期間508で積分した結果が所望の熱量以下になるようにIkeepを設定する。またIkeep以下の場合は電圧降下による異常検出は困難であるため、VM×Ikeepの熱量が許容可能な範囲に収まる様にIkeepを設定してもよい。
本実施形態は、上述した通り、電流値を切り替え可能な充電回路と、電力供給回路の電圧を特定する電圧検出回路を有しており、充電が完了した後は異常を検出する感度を維持するために電流値を小さく設定する。そして、瞬断による電圧降下に基づく誤ったエラー判定を抑制したり、瞬断による電圧降下の復帰時間を短縮したりすることを目的として、コンデンサ電圧が所定のしきい値以下となった場合に、電流値を上昇させる。このとき、電流値を上昇させる回数が所定の回数以上となった場合は、エラーであると判定する。これにより、電力供給回路やヘッドに異常が発生した場合に、より精度よくエラーであると判定することができる。したがって、記録ヘッドへの電力供給を停止して、プリンタの安全性を確保することができる。異常により発生するリーク電流値は、一定ではなく、あらかじめ想定した想定値よりも低い場合もある。この場合、電圧が低下するたびに電流値を高く切り替えていると、切り替えるたびにエラーしきい値を超えて復帰してしまうことがある。これに対し、本実施形態では、自然放電以外のエラー、具体的には、電力供給回路やヘッドに異常が発生した場合に、エラーをより精度よく検知することができる。
また、本実施形態では、充電完了後の電流値を充電時の電流値よりも低くすることにより、電力供給回路やヘッドの異常の発生を適切に特定することができる。すなわち、記録ヘッドが異常なリーク電流を流していた際にはそのリーク電流をすみやかに検知し、記録ヘッドへの電力供給を停止することが可能である。
したがって、電解コンデンサの充電時間を短縮しつつ、ヘッドのリーク電流に異常が発生した際にも速やかにこれを検出することができる。また、電源回路の瞬断が原因で電解コンデンサの電圧低下が発生した場合にも、速やかに所望の電圧を回復することができる。さらに、比較的小さい値でリークが発生した際にもエラーを検出することができる。すなわち、本実施形態によれば、プリンタの性能と安全性を両立することができる。
また、大容量の電解コンデンサの充電時間を短縮させるためにIchgの値を大きくする場合、許容損失の大きなFETを選択する必要があり、コストアップにつながる可能性がある。これに対し、本実施形態では、充電回路106のFETの許容損失に応じた電流切り替えを行うことにより、電解コンデンサへの充電時間を記録装置の目標性能を達する程度に短くしつつ、FET103のコスト増を防ぐことができる。
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、電流値を切り替えた回数に基づいてエラー判定を行っているが、エラー判定の方法はこれに限定されるものではない。例えば、コンデンサ電圧が低下したり、上昇したりを繰り返した回数そのものをカウントするようにしてもよい。この場合は、カウンタ131は、電圧検出回路121の出力からコンデンサ電圧が所定の閾値を超えた回数をカウントすればよい。
また、上述した実施形態では、電力供給装置は、電力負荷としてヘッドを備えるものとしたが、これに限定されず、電力負荷を備えないものであってもよい。すなわち、電力負荷に接続可能であり、電力負荷に対して電力を供給できるものであってもよい。
また、上述した実施形態では、電解コンデンサ105を充電する際に、充電回路106が供給する電流値を切り替えるものとしたが、これに限定されず、充電回路106が供給する電流値は、一定の電流値としてもよい。
また、上述した実施形態では、電解コンデンサ105を充電する際に、充電回路106が供給する電流値を切り替えるものとしたが、徐々に電流値を上昇させるようにしてもよい。
また、電流制限値が切り替わる回路の遷移状態を表すステートマシンを有し、前記ステートマシンの状態を監視することで回路異常を検出するようにしてもよい。

Claims (12)

  1. 電力負荷に電力供給ラインを介して電力を供給する電源部と、
    前記電源部と前記電力負荷とを接続する前記電力供給ラインに接続されたコンデンサと、
    前記電源部から供給される電力の電流値を制限して前記コンデンサを充電する充電回路と、
    前記コンデンサの電圧値を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された電圧値が所定の閾値以上か判定する判定手段と、
    前記コンデンサの充電の完了後に前記充電回路の電流値を前記コンデンサの充電が完了する前の電流値よりも小さな第1電流値に切り替え、前記コンデンサの充電の完了後に前記検出手段により検出された電圧値が所定の電圧値未満であった場合、前記充電回路が供給する電流値を前記第1電流値よりも高い電流値に切り替えるように制御する制御手段と、
    前記コンデンサの充電が完了した後で且つ電力負荷の動作が終了する前における前記充電回路が供給する電流値を上昇させた回数を特定する特定手段と、
    前記特定手段により特定された回数に基づいて、エラー処理を実行する実行手段と、
    を有することを特徴とする電力供給装置。
  2. 前記エラー処理は、前記特定手段により特定された回数が所定数以上である場合、エラー処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
  3. 前記特定手段は、前記充電回路が供給する電流値を切り替えた回数により、前記充電回路が供給する電流値を上昇させた回数を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力供給装置。
  4. 前記特定手段は、前記検出手段により検出した電圧値が上昇した回数により、前記充電回路が供給する電流値を上昇させた回数を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力供給装置。
  5. 前記エラー処理は、前記電力供給ラインを介した前記電力負荷への電力供給を終了させる処理であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力供給装置。
  6. 前記実行手段は、前記電源部の電源をオフすることを特徴とする請求項5に記載の電力供給装置。
  7. 前記判定手段は、前記電力負荷の動作の停止中に実行することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力供給装置。
  8. 前記第1電流値は、自然放電の電流値よりも大きい値であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力供給装置。
  9. 前記電力負荷は、プリントヘッドであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電力供給装置。
  10. 前記電力負荷を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電力供給装置。
  11. プリントヘッドに電力供給ラインを介して電力を供給する電源部と、
    前記電源部と前記プリントヘッドとを接続する前記電力供給ラインに接続されたコンデンサと、
    前記電源部から供給される電力の電流値を制限して前記コンデンサを充電する充電回路と、
    前記コンデンサの電圧値を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された電圧値が所定の閾値以上か判定する判定手段と、
    前記コンデンサの充電の完了後に前記充電回路の電流値を前記コンデンサの充電が完了する前の電流値よりも小さな第1電流値に切り替え、前記コンデンサの充電の完了後に前記検出手段により検出された電圧値が所定の電圧値未満であった場合、前記充電回路が供給する電流値を前記第1電流値よりも高い電流値に切り替えるように制御する制御手段と、
    前記コンデンサの充電が完了した後で且つプリントヘッドの動作が終了する前における前記充電回路が供給する電流値を上昇させた回数を特定する特定手段と、
    前記特定手段により特定された回数に基づいて、エラー処理を実行する実行手段と、
    を有することを特徴とするプリンタ。
  12. 電力負荷に電力供給ラインを介して電力を供給する電源部と、
    前記電源部と前記電力負荷とを接続する前記電力供給ラインに接続されたコンデンサと、
    前記電源部から供給される電力の電流値を制限して前記コンデンサを充電する充電回路と、
    を有する電力供給装置の制御方法であって、
    前記コンデンサの充電の完了後に前記充電回路の電流値を前記コンデンサの充電が完了する前の電流値よりも小さな第1電流値に切り替える第1切替工程と、
    前記コンデンサの電圧値を検出する検出工程と、
    前記検出工程により検出された電圧値が所定の閾値以上か判定する判定工程と、
    前記コンデンサの充電の完了後に前記検出工程において検出された電圧値が所定の電圧値未満であった場合、前記充電回路が供給する電流値を前記第1電流値よりも高い電流値に切り替える第2切替工程と、
    前記コンデンサの充電が完了した後で且つ電力負荷の動作が終了する前における前記充電回路が供給する電流値を上昇させた回数を特定する特定工程と、
    前記特定工程において特定された回数に基づいて、エラー処理を実行する実行工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
JP2015107868A 2015-05-27 2015-05-27 電力供給装置、プリンタ及び制御方法 Active JP6501616B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015107868A JP6501616B2 (ja) 2015-05-27 2015-05-27 電力供給装置、プリンタ及び制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015107868A JP6501616B2 (ja) 2015-05-27 2015-05-27 電力供給装置、プリンタ及び制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016221714A JP2016221714A (ja) 2016-12-28
JP6501616B2 true JP6501616B2 (ja) 2019-04-17

Family

ID=57746836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015107868A Active JP6501616B2 (ja) 2015-05-27 2015-05-27 電力供給装置、プリンタ及び制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6501616B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6908183B2 (en) * 2002-10-31 2005-06-21 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Fluid ejecting methods and related circuits
KR100727982B1 (ko) * 2005-09-21 2007-06-13 삼성전자주식회사 프린트 헤드의 이상 검사 방법
JP2007259633A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Nec Personal Products Co Ltd 充電回路及び充電制御方法
JP5094564B2 (ja) * 2008-06-02 2012-12-12 キヤノン株式会社 記録装置
JP2014000743A (ja) * 2012-06-19 2014-01-09 Canon Inc 記録装置
JP5884690B2 (ja) * 2012-09-13 2016-03-15 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置および車両
JP6060804B2 (ja) * 2013-05-08 2017-01-18 株式会社デンソー 組電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016221714A (ja) 2016-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6452548B2 (ja) 電力供給装置及び制御方法
JP5623994B2 (ja) 電力変換装置
JP2012050208A (ja) 電力供給回路及び該回路を備えた機器
JP7353849B2 (ja) 記録装置及びその制御方法
JP6419025B2 (ja) 電力供給装置、プリンタ及び制御方法
JP6501616B2 (ja) 電力供給装置、プリンタ及び制御方法
TWI661631B (zh) 電池保護裝置與其操作方法
JP6576103B2 (ja) 電力供給装置、プリンタ及び制御方法
JP2007062264A (ja) 記録装置
JP6548453B2 (ja) 制御装置およびその制御方法
JP2014000743A (ja) 記録装置
JP3773696B2 (ja) 放電加工機の電力供給装置
JP6115112B2 (ja) 液滴吐出装置、その制御方法、及びプログラム
US8664799B2 (en) Apparatus including power supply circuit
JP5291527B2 (ja) 充電回路
JP2005331462A (ja) ラインプリンタにおける減電圧検出方法および装置
JP3991015B2 (ja) プリンタのインク排出量検出装置,プリンタのインク排出量検出方法,プリンタのメンテナンス制御方法,およびインク吐出量制御装置
JP2023117026A (ja) 駆動装置、駆動装置の駆動方法、画像形成装置および電力消費装置
JP2008140233A (ja) 電子機器
JP2023129917A (ja) 電源制御ic、及び電源制御システム
JP2020163607A (ja) 印刷装置及び印刷装置の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190319

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6501616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151