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JP6500196B2 - 表示装置および電子機器 - Google Patents

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Description

本開示は、有機電界発光装置などの表示装置およびそのような表示装置を備えた電子機器に関する。
近年、有機電界発光(EL:Electroluminescence)素子を用いた表示装置(有機ELディスプレイ)の開発が進んでいる。この表示装置は、上面発光方式(トップエミッション方式)のものと、下面発光方式(ボトムエミッション方式)のものとに大別される。
トップエミッション型の有機ELディスプレイでは、光を取り出す側の電極(上部電極)として、酸化インジウム錫(ITO)などの金属酸化膜よりなる透明導電膜を用いることが一般的である。また、この上部電極を外部の回路等に接続するために、いわゆるカソードコンタクトとして、画素回路を有する駆動基板の所定の領域に配線接続部(接続部)が設けられる。上部電極は、この接続部に層間接続されるように形成され、駆動基板には、接続部と外部の回路等とを接続するための引き出し配線が設けられる。
ところが、上記のような透明導電膜は、スパッタ法などの物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)法を用いて成膜することが一般的である。このため、成膜中の酸素あるいは酸素プラズマによって、接続部が酸化され易い。したがって、接続部には、酸化物が絶縁性を示す金属を用いることができない。具体的には、アルミニウム(Al)あるいはアルミニウムとネオジム(Nd)との合金(Al−Nd合金)などを用いた場合、酸化によって接触抵抗が高くなり、電極として機能しにくい。
そこで、接続部としては、Al−Nd合金(またはアルミニウム)の表面にモリブデンあるいはチタンなどの金属膜を積層したものが用いられている。チタンおよびモリブデンは、酸化した場合にも導電性を示すことから、上部電極との電気的接続を確保することができる。ところが、他の電極等のエッチングの際に、接続部が侵食されてしまい、十分な電気的接続を確保できないことがある。また、基板サイズが大型化すると、あるいはエッチング加工の面内均一性が悪くなると、電気的接続を確保できなくなる場合もある。これは、ディスプレイの点灯状態に大きな影響を与える。
上記を鑑み、例えば特許文献1には、金属配線と上部電極(透明導電膜)を接触させたのちに、加熱処理を行うことで、上部電極を低抵抗化する手法が提案されている。これにより、上部電極と接続部との間の接触抵抗を低減し、電気的接続を得ることができる。
特開2004−235078号公報
しかしながら、トップエミッション型の有機ELディスプレイでは、新たな電極取り出し構造として、金属膜などのエッチングの影響を受けにくく、接続部と上部電極との間で良好な電気的接続を確保することが可能な構造を実現することが望まれている。
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、配線接続部において良好な電気的接続を確保することが可能な表示装置および電子機器を提供することにある。
本開示の表示装置は、薄膜トランジスタを含む駆動基板と、駆動基板上に設けられ、各々が第1電極と発光層を含む有機層と第2電極とをこの順に有する複数の画素を有する画素部と、画素部の周辺領域において、駆動基板内に設けられると共に、第2電極と電気的に接続された接続部とを備える。接続部は、表面側の少なくとも一部に他の部分よりも電気抵抗の低い低抵抗領域を含む酸化物半導体層を有し、第2電極は、酸化物半導体よりなる透明導電膜であり、接続部には、酸化物半導体層の低抵抗領域と透明導電膜とが接する領域と、酸化物半導体層の低抵抗領域と引き出し配線とが接する領域とが設けられている


本開示の電子機器は、上記本開示の表示装置を備えたものである。
本開示の表示装置および電子機器では、駆動基板内に設けられた接続部が、酸化物半導体層を有することにより、接続部が金属により構成される場合に比べ、その後の工程における金属膜の加工の際にダメージを受けにくい。また、金属の酸化による(金属酸化物による)接触抵抗の増大も生じない。このような接続部が、表面側の少なくとも一部に低抵抗領域を含むことにより、第2電極と接続部との間の接触抵抗が低減される。
本開示の表示装置および電子機器では、駆動基板内に設けられた接続部が、酸化物半導体層を有するようにしたので、接続部が金属により構成される場合に比べ、製造過程におけるダメージを低減すると共に、接触抵抗の増大を防ぐことができる。また、接続部が表面側の少なくとも一部に低抵抗領域を含むようにしたので、第2電極と接続部との間の接触抵抗を低減することができる。接続部を介して例えば外部回路との良好な電気的接続が可能となる。よって、配線接続部において良好な電気的接続を確保することが可能となる。
尚、上記内容は本開示の一例である。本開示の効果は、上述したものに限らず、他の異なる効果であってもよいし、更に他の効果を含んでいてもよい。
本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す図である。 図1に示した画素回路の一例を表す回路図である。 図1に示した表示装置の要部構成を表す断面図である。 図2に示した表示装置の製造方法を説明するための断面図である。 図3Aに続く工程を表す断面図である。 図3Bに続く工程を表す断面図である。 図3Cに続く工程を表す断面図である。 図3Dに続く工程を表す断面図である。 図4Aに続く工程を表す断面図である。 図4Bに続く工程を表す断面図である。 図5に続く工程を表す断面図である。 図6Aに続く工程を表す断面図である。 図6Bに続く工程を表す断面図である。 図7に続く工程を表す断面図である。 図8Aに続く工程を表す断面図である。 図8Bに続く工程を表す断面図である。 図9に続く工程を表す断面図である。 図10に続く工程を表す断面図である。 比較例に係る素子構造の配線接続部分を表す断面図である。 テレビジョン装置の構成を表す斜視図である。 透明ディスプレイの構成を表す正面図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(接続部に、低抵抗領域を含む酸化物半導体層を用いた表示装置の例)
2.適用例(電子機器の例)
<実施の形態>
[構成]
図1Aは、本開示の一実施の形態に係る表示装置(表示装置1)の構成を表すものである。この表示装置1は、有機ELディスプレイであり、基板11上の表示領域110Aには、それぞれが有機EL素子10を含む複数の画素10R,10G,10Bがマトリクス状に配置されている。各画素10R,10G,10Bは、それぞれ赤色の光(波長620nm〜750nm),緑色の光(波長495nm〜570nm),青色の光(波長450nm〜495nm)を発生する。画素10R,10G,10Bはサブピクセル(R画素,G画素,B画素)に相当するものであり、例えばこれらのR画素,G画素,B画素の組を1つのピクセルとして画像表示がなされる。表示領域110Aの周辺には、映像表示用の信号線駆動回路120および走査線駆動回路130が設けられている。
表示領域110A内には、例えばアクティブ型の駆動回路(画素回路140)が設けられている。画素回路140は、図1Bに示したように駆動用のトランジスタTr1および書き込み用のトランジスタTr2を有し、これらのトランジスタTr1,Tr2の間には保持容量Csが設けられている。第1の電源ライン(Vcc)と第2の電源ライン(GND)との間において、有機EL素子10がトランジスタTr1に直列に接続されている。信号線駆動回路120は、列方向に配置された複数の信号線120Aを通じてトランジスタTr2のソース電極に画像信号を供給する。走査線駆動回路130は、行方向に配置された複数の走査線130Aを通じてトランジスタTr2のゲート電極に走査信号を順次供給する。
図2は図1Aに示した表示装置1の要部断面構成を表したものである。尚、図2では、各々が有機EL素子10を含む複数の画素を有する画素部1A(図1の表示領域110Aに対応)と、その周辺領域1Bとの境界付近の構成について示している。有機EL素子10は、駆動基板11A上に、第1電極14、有機層16および第2電極17をこの順に有している。この有機EL素子10の上には、図示しない保護層および接着層を介して封止基板が貼り合わせられている。この表示装置1は、例えば有機層16で発生した光が第2電極17側から取り出される、いわゆるトップエミッション方式(上面発光方式)の有機ELディスプレイである。
駆動基板11Aは、基板11上の画素部1Aに、TFT12(例えば図1BのトランジスタTr1に相当)を含む画素回路140が形成されたものである。駆動基板11Aの周辺領域1Bには、いわゆるカソードコンタクトとして接続部13が設けられている。駆動基板11Aの表面は、平坦化膜127によって覆われている。
基板11は、例えばガラス,シリコン(Si)ウェハ、樹脂あるいは導電性基板などにより構成されている。導電性基板としては、例えば表面を酸化シリコン(SiO2)や樹脂等により絶縁化したものが用いられる。
TFT12は、いわゆるトップゲート型の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)であり、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)により構成されている。このTFT12は、基板11上の所定の領域に、例えば活性層(チャネル)を形成する酸化物半導体層121Aを有する。TFT12では、この酸化物半導体層121A上の選択的な領域にゲート絶縁膜122を介してゲート電極123が設けられている。酸化物半導体層121Aはゲート電極123と非対向の領域(ソース・ドレイン電極126Aと対向する領域)に低抵抗領域121A1を有している。この酸化物半導体層121A上に、層間絶縁膜125が形成されている。層間絶縁膜125は、低抵抗領域121A1に対向してコンタクトホールH1を有しており、この層間絶縁膜125上に、ソース・ドレイン電極126AがコンタクトホールH1を埋め込むように形成されている。これにより、ソース・ドレイン電極126Aは、コンタクトホールH1を通じて酸化物半導体層121Aに電気的に接続されている(低抵抗領域121A1と接触している)。ソース・ドレイン電極126Aは、ソース電極またはドレイン電極として機能するものであり、一方(例えばドレイン電極)が有機EL素子10の第1電極14と電気的に接続されている。尚、TFT12は、このようなトップゲート型に限らず、ボトムゲート型のものであってもよい。また、酸化物半導体を用いたものに限られず、他の半導体、例えば、多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンなどから構成されていても構わない。
接続部13は、有機EL素子10の第2電極17と電気的に接続されており、第2電極17と駆動基板11A内に形成された配線層126Bとを層間接続するための配線接続部である。層間絶縁膜125、平坦化膜127および絶縁膜15の接続部13に対応する領域には、コンタクトホールH2が形成されている。
配線層126Bは、外部回路に接続するための引き出し配線である。この配線層126Bは、例えばモリブデン(Mo),チタン(Ti)またはアルミニウム(Al)などの金属を含んで構成され、例えばこれらの金属の積層膜(Mo/Al/Ti)よりなる。MoあるいはTiが表面に形成されることで、酸化による絶縁化(抵抗増加)を抑制することができる。この配線層126Bは、例えばTFT12のソース・ドレイン電極126Aと同一材料により構成されており、ソース・ドレイン電極126Aと同一の工程で一括形成することができる。配線層126Bは、接続部13の一部に積層される(一部に接する)と共に、外部回路と接続可能な領域まで延在形成されている(引き出されている)。この配線層126Bは、平坦化膜127によって被覆され、その上に形成される金属膜(例えば後述の金属膜126)などの加工時にはウェットエッチャントに曝されにくい。
この接続部13は、酸化物半導体層121Bを有している。酸化物半導体層121Bは、その表面側の少なくとも一部に、他の部分よりも電気抵抗の低い低抵抗領域121B1を含む。この低抵抗領域121Bは、後述するように金属膜124aの接触と、加熱処理とによって形成されたものである。酸化物半導体層121Bは、例えばTFT12の酸化物半導体層121Aと同一の材料(後述)により構成されており、これらの酸化物半導体層121A,121Bは、基板11上に同一工程において一括して形成することができる。また、低抵抗領域121B1と、酸化物半導体層121Aの低抵抗領域121A1とは、同一の工程で一括形成することができる。
酸化物半導体層121A,121Bは、例えばインジウム(In),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga),錫(Sn),チタン(Ti)およびアルミニウム(Al)などのうちの少なくとも1種の金属と酸素(O)とを含んで構成されている。但し、酸化物半導体層121A,121Bは、これらの酸化物半導体層121A,121Bよりも上層に形成された金属膜(電極や配線など(例えば、後述の金属膜126))を加工するためのエッチャントに対して耐性をもつ材料から構成されることが望ましい。例えば、アルミニウムやモリブデンを加工するためのエッチャント(例えばリン硝酢酸(リン酸,硝酸,酢酸を混合した溶液))に対して耐性をもつ酸化物半導体として、例えばITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化インジウム亜鉛)あるいはITZO(インジウム,錫,亜鉛および酸素を含む化合物)などが挙げられる。このように、接続部13に酸化物半導体が用いられることにより、第2電極17の構成材料と組成が近くなり、接続部13と第2電極17との間の接触抵抗を低減することができる。なお、本実施の形態では、これらの酸化物半導体層121A,121Bが互いに同一材料から構成される場合を例に挙げて説明するが、酸化物半導体層121Aと酸化物半導体層121Bとは、異なる酸化物半導体から構成されていても構わない。
これらのTFT12の一部および接続部13の一部を覆って、金属酸化膜124が形成されている。具体的には、金属酸化膜124は、酸化物半導体層121Aの一部と、ゲート絶縁膜122の側面と、ゲート電極123の側面および上面と、酸化物半導体層121Bの一部とを覆っている。また、金属酸化膜124は、酸化物半導体層121Bのうちの第2電極17と非接触の部分(ここでは、酸化物半導体層121Bの側面近傍の部分)を覆って形成されている。この金属酸化膜124は、低抵抗領域121A1,121B1を形成するために用いられる金属膜(後述の金属膜124a)が酸化したものである。金属酸化膜124は、例えばアルミニウム(Al),チタン(Ti),モリブデン(Mo)またはインジウム(In)の酸化物により構成されている。望ましくは、金属酸化膜124は、酸化アルミニウム(Al23)を含んで構成される。即ち、製造プロセスにおいて、低抵抗領域121A1,121B1を形成するための金属膜として、アルミニウムが用いられることが望ましい。
金属酸化膜124は、絶縁性を有することが望ましい。例えば、金属酸化膜124は、酸化アルミニウムにより構成されている場合、絶縁性を示すことから、酸化物半導体層121Aの上面のうちのコンタクトホールH1に対応する領域では選択的に除去されている。また、酸化物半導体層121Bの上面のうちのコンタクトホールH2と配線層126Bの接触部分とを含む領域において選択的に除去されている。金属酸化膜124が導電性を示す場合には、該金属酸化膜124は、酸化物半導体層121A,121Bの上面の全てを覆っていても構わない。但し、この場合には、ソース・ドレイン電極126Aとゲート電極123とが電気的に接続されてしまう。このため、これらのソース・ドレイン電極126Aとゲート電極123とを電気的に分離するために、金属酸化膜124の一部を選択的に除去するプロセスを行うとよい。
第1電極14は、画素毎に設けられると共に、有機層16に例えば正孔を注入する電極として機能するものである。第1電極14は、光反射性を有しており、できるだけ高い反射率を有することが発光効率を高める上で望ましい。このような第1電極14の構成材料としては、例えば銀(Ag)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)およびクロム(Cr)などの金属元素の単体または合金が挙げられる。また、第1電極14は、上述した金属の単体または合金を含む単層膜であってもよいし積層膜であってもよい。
有機層16は、発光層(有機EL層)を含むと共に、この他にも例えば正孔輸送層(HTL:Hole Transport Layer)、正孔注入層(HIL:Hole Injection Layer)および電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)などを含んでいてもよい。この有機層16は、基板11の表示領域110Aの全域にわたって(画素10R,10G,10Bに共通して)形成され、複数の発光ユニットを積層した構造(タンデム構造)を有している。タンデム構造の一例としては、青色発光層と黄色発光層とを積層したもの、あるいは赤色発光層と緑色発光層と青色発光層とを積層したものなどが挙げられる。この場合、各有機EL素子10から発せられた白色光が、図示しない封止基板に設けられたカラーフィルタを通過することにより、赤色光,緑色光あるいは青色光などとして出射するようになっている。但し、有機層16は、画素毎に異なる色の発光層(単色発光層)を含んでいてもよい(発光層が画素毎に塗り分けられていてもよい)。
第2電極17は、光透過性を有し、例えば画素10R,10G,10Bの全てに共通して、表示領域110Aの全面にわたって形成されている。第2電極17は、例えばITOまたはIZOなどの酸化物半導体よりなる透明導電膜である。また、第2電極17には、上記の酸化物半導体層121A,121Bの構成材料と同じものが用いられていてもよいし、異なるものが用いられていてもよい。また、第2電極17には、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)および銀(Ag)などの金属元素の単体または合金が用いられてもよい。この第2電極17は、例えば周辺領域1Bにおいて、接続部13に電気的に接続されている。具体的には、第2電極17は、周辺領域1Bに設けられたコンタクトホールH2を通じて接続部13と接触して形成されている。
[製造方法]
上記のような表示装置1は、例えば次のようにして製造することができる。図3A〜図11は、本実施の形態の表示装置1の製造方法を説明するための模式図である。
(駆動基板11Aの形成)
まず、TFT12を含む駆動基板11Aを形成する。具体的には、まず、図3Aに示したように、基板11上に、上述した材料よりなる酸化物半導体層121を成膜する。成膜手法としては、例えばスパッタ法、蒸着法またはパルスレーザーデポジション(PLD)法などの物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)法が挙げられる。また、この他にも、例えばスプレーコート法またはスリットコート法などのウェットコート法が用いられてもよい。こののち、図3Bに示したように、酸化物半導体層121を、例えばフォトリソグラフィ法を用いたウェットエッチングまたはドライエッチングによりパターニングし、酸化物半導体層121A,121Bを形成する。このように、TFT12の酸化物半導体層121Aと、接続部13の酸化物半導体層121Bとは、例えば同一工程において一括して形成することができる。
続いて、図3Cに示したように、基板11の全面にわたって、ゲート絶縁膜122およびゲート電極123をこの順に成膜する。この後、図3Dに示したように、ゲート絶縁膜122およびゲート電極123を、例えばフォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより、それぞれパターニングする。具体的には、酸化物半導体層121A上の選択的な領域にゲート絶縁膜122とゲート電極123とを残すようにパターニングを行う。
次に、酸化物半導体層121A,121Bに低抵抗領域121A1,121B1をそれぞれ形成する。具体的には、まず、図4Aに示したように、酸化物半導体層121A,121Bとゲート絶縁膜122およびゲート電極123とを覆って、例えばアルミニウムなどからなる金属膜124aを、例えばスパッタ法または蒸着法等により成膜する。続いて、図4Bに示したように、熱処理を施す。このように、酸化物半導体層121A,121Bの表面に金属膜124aを接触させた状態で熱処理を施すことにより、酸化物半導体層121A,121Bのうちの金属膜124aとの接触面近傍の領域が低抵抗化され(低抵抗領域121A1,121B1が形成されるとともに、金属膜124aが酸化される(金属酸化膜124が形成される)。周辺領域1Bに、接続部13が形成される。
そののち、図5に示したように、層間絶縁膜125を形成する。この際、酸化物半導体層121A上の選択的な領域にコンタクトホールH1を、酸化物半導体層121B上の選択的な領域にコンタクトホールH2aを、それぞれ形成する。なお、この後、図示はしないが、金属酸化膜124のコンタクトホールH1,H2aに対応する部分を選択的にエッチングすることで、低抵抗領域121A1,121B1を露出させる。
続いて、ソース・ドレイン電極126Aおよび配線層126Bを形成する。具体的には、まず図6Aに示したように、上述した積層膜(Mo/Ti/Alなど)よりなる金属膜126を基板11の全面にわたって形成する。こののち、図6Bに示したように、例えばフォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより、金属膜126をパターニングし、ソース・ドレイン電極126Aと配線層126Bとを形成する。この際、酸化物半導体層121Bが、金属膜126のエッチャントに対して耐性のある材料から構成されていることにより、金属膜126の加工時(ソース・ドレイン電極126A,配線層126Bの形成時)に、低抵抗領域121B1がダメージを受けにくく、第2電極17との接触抵抗の増大を抑制することができる。
次に、図7に示したように、平坦化膜127を形成する。この際、一対のソース・ドレイン電極126Aの一方のソース・ドレイン電極126A上に、コンタクトホールH3を形成する。また、接続部13上も開口してコンタクトホールH2bを形成する。このようにして駆動基板11Aを形成する。
こののち、第1電極14を形成する。具体的には、まず図8Aに示したように、駆動基板11Aの平坦化膜127上に、基板11の全面にわたって、上述した材料よりなる第1電極14を、例えば蒸着法またはスパッタ法などにより成膜する。その後、図8Bに示したように、例えばフォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより、画素毎にパターニングする。このようにして第1電極14を形成する。この第1電極14はコンタクトホールH3を介してTFT12と電気的に接続される。
続いて、図9に示したように、絶縁膜15を形成する。この際、第1電極14に対向して開口H4を形成すると共に、接続部13上を選択的に除去することによりコンタクトホールH2を形成する。
次に、図10に示したように、有機層16を形成する。具体的には、所定のマスクを用いて画素部1Aに、例えば真空蒸着法により有機材料を連続的に成膜する(堆積させる)。
こののち、図11に示したように、例えばスパッタ法または蒸着法を用いて、上述した材料よりなる第2電極17を形成する。これにより、周辺領域1Bでは、第2電極17が、コンタクトホールH2を通じて接続部13に接触して形成される。接続部13が酸化物半導体層121Bを有すると共に、その表面側の少なくとも一部に低抵抗領域121B1を含むことにより、第2電極17と接続部13との間の接触抵抗が小さくなり、良好な電気的接続が得られる。
最後に、図示は省略するが、第2電極17上に保護層および接着層を介して封止基板を貼り合わせる。以上により、図2に示した表示装置1が完成する。
[作用,効果]
表示装置1では、図1Aおよび図1Bに示したように、走査線駆動回路130から各画素10R,10G,10BのトランジスタTr2のゲートに走査信号が供給されると共に、信号線駆動回路120からは画像信号が、トランジスタTr2を介して保持容量Csに供給され、保持される。この保持容量Csに保持された信号に応じてトランジスタTr1(TFT12)がオンオフ制御され、これによって、各画素10R,10G,10Bの有機EL素子10に駆動電流Idが注入される。この駆動電流Idが、第1電極14および第2電極17を通じて有機層16の発光層に注入されることにより、正孔と電子とが再結合し、発光が起こる。
各有機EL素子10から例えば白色光が発生すると、これらの各白色光は、第2電極17等を透過した後、図示しないカラーフィルタを通過したのち表示光として上方へ出射する。このようにして、表示装置1では、上面発光方式による画像表示が行われる。
ここで、第2電極17は、周辺領域1Bにおいて、駆動基板11A内の接続部13に層間接続され、この接続部13を介して配線層126Bに電気的に接続されている。上面発光方式の場合、第2電極17としては光透過性を有する透明導電膜が用いられる。
図12に、比較例に係る配線接続部分の素子構造を示す。この比較例では、ガラスなどの基板101上に、接続部102が形成され、この接続部102の上に平坦化膜103を介して第2電極104が形成されている。接続部102は、例えばTFT(図12には図示せず)のゲート電極あるいはソース・ドレイン電極(例えばソース・ドレイン電極)と同一の工程において形成された積層膜(チタン層102a、アルミニウム層102bおよびモリブデン層102c)となっている。
接続部102では、モリブデン層102cまたはチタン層102aにおいて第2電極104との良好な電気的接続を得ることができる。これは以下のような理由による。即ち、第2電極104は、スパッタ法などのPVD法を用いて成膜することが一般的であることから、成膜中の酸素あるいは酸素プラズマによって、接続部102が酸化され易い。したがって、接続部102の最表面には、酸化しても導電性を示す金属(ここではモリブデン層102c)が用いられる。
ところが、このような接続部102を用いた場合にも、他の金属膜等のウェットエッチング加工の際に、最表面のモリブデン層102cが侵食により消失し、また、アルミニウム層102bもかなり浸食されてしまう。接続部102には、大きな窪み(X1)が出来てしまい、第2電極104が分断され易くなる。また、本来コンタクトを期待するモリブデン層102cでは、エッジ部分のみが第2電極104と接触し(C100)、電気的接続が不十分となる。また、基板サイズが大型化すると、あるいはエッチング加工の面内均一性が悪くなると、電気的接続を確保できなくなる場合もある。これは、ディスプレイの点灯状態に大きな影響を与える。


これに対し、本実施の形態では、駆動基板11A内に設けられた接続部13が、酸化物半導体層121Bを有することにより、上記比較例(接続部102が金属により構成される場合)に比べ、他の金属膜(例えば金属膜126など)の加工の際にダメージを受けにくい。また、比較例では、接続部102の侵食と酸化とによって接触抵抗の増大が生じ得るのに対し、本実施の形態の接続部13では、そのような侵食や酸化に起因する接触抵抗の増大は生じにくい。また、第2電極17と接続部13との組成が近くなることから、この点においても接触抵抗の増大を抑制できる。例えば、第2電極17としてIZO、接続部13の酸化物半導体層121BとしてITZOを用いた場合、どちらも亜鉛を含む金属酸化物であることから、比較例よりも良好な電気的接続を確保できる。加えて、接続部13が、表面側の少なくとも一部に低抵抗領域121B1を含むことにより、第2電極17と接続部13との間の接触抵抗がより低減される。
以上のように本実施の形態では、駆動基板11A内に設けられた接続部13が、酸化物半導体層121Bを有するようにしたので、接続部が金属により構成される場合に比べ、製造過程におけるダメージを低減すると共に、接触抵抗の増大を防ぐことができる。また、接続部13が表面側の少なくとも一部に低抵抗領域121B1を含むようにしたので、第2電極17と接続部13との間の接触抵抗を低減することができる。接続部13を介して例えば外部回路との良好な電気的接続が可能となる(安定した電極取り出し構造を実現できる)。よって、例えば画素部周辺の配線接続部において良好な電気的接続を確保することが可能となる。
<適用例>
上記実施の形態において説明した表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、映像として表示するあらゆる分野の電子機器に用いることができる。特に、中型から大型の電子機器に好適に用いることができる。以下にその一例を示す。
図13は、テレビジョン装置250の外観を表したものである。このテレビジョン装置250は、例えば、本体部251とスタンド252とを有している。本体部251に、上記実施の形態の表示装置1が搭載されている。
図14は、透明ディスプレイ300の外観を表したものである。透明ディスプレイ300は、例えば表示部310と、操作部311と、筐体312とを有している。表示部310が上記実施の形態の表示装置により構成されている。この透明ディスプレイ300では、表示部310の背景を透過しつつ、画像や文字情報を表示することが可能である。
以上、実施の形態を挙げて説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。また、上記実施の形態等に記載した各層の材料および厚みは列挙したものに限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよい。また、表示装置では、上述した全ての層を備えている必要はなく、あるいは上述した各層に加えて更に他の層を備えていてもよい。
さらに、上記実施の形態等において説明した効果は一例であり、本開示の効果は、他の効果であってもよいし、更に他の効果を含んでいてもよい。
なお、本開示は以下のような構成であってもよい。
(1)
薄膜トランジスタを含む駆動基板と、
前記駆動基板上に設けられ、各々が第1電極と発光層を含む有機層と第2電極とをこの順に有する複数の画素を有する画素部と、
前記画素部の周辺領域において、前記駆動基板内に設けられると共に、前記第2電極と電気的に接続された接続部と
を備え、
前記接続部は、表面側の少なくとも一部に他の部分よりも電気抵抗の低い低抵抗領域を含む酸化物半導体層を有する
表示装置。
(2)
前記薄膜トランジスタは、
半導体層と、
前記半導体層にゲート絶縁膜を介して対向配置されたゲート電極と、
前記半導体層に電気的に接続されたソース電極およびドレイン電極と
を有し、
前記半導体層は、前記接続部の前記酸化物半導体層と同一の材料を含んで構成されている
上記(1)に記載の表示装置。
(3)
前記半導体層は、前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する各部分に、前記低抵抗領域を含む
上記(2)に記載の表示装置。
(4)
前記酸化物半導体層は、前記酸化物半導体層よりも上層に形成された金属膜のエッチャントに対してエッチング耐性をもつ材料から構成されている
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の表示装置。
(5)
前記接続部の少なくとも一部に積層されると共に、金属から構成された配線層を更に備えた
上記(1)〜(4)のいずれかに記載の表示装置。
(6)
前記接続部のうち少なくとも前記第2電極と非接触の部分を覆って、金属の酸化物よりなる金属酸化膜が形成されている
上記(1)〜(5)のいずれかに記載の表示装置。
(7)
前記低抵抗領域は、前記酸化物半導体層の前記金属との接触反応および加熱処理により形成されたものである
上記(6)に記載の表示装置。
(8)
前記金属はアルミニウムである
上記(6)または(7)に記載の表示装置。
(9)
前記金属酸化膜は、前記薄膜トランジスタの一部を覆って形成されている
上記(6)〜(8)のいずれかに記載の表示装置。
(10)
前記第2電極は、酸化物半導体よりなる透明導電膜である
上記(1)〜(9)のいずれかに記載の表示装置。
(11)
薄膜トランジスタを含む駆動基板と、
前記駆動基板上に設けられ、各々が第1電極と発光層を含む有機層と第2電極とをこの順に有する複数の画素を有する画素部と、
前記画素部の周辺領域において、前記駆動基板内に設けられると共に、前記第2電極と電気的に接続された接続部と
を備え、
前記接続部は、表面側の少なくとも一部に他の部分よりも電気抵抗の低い低抵抗領域を含む酸化物半導体層を有する
表示装置を備えた電子機器。
1…表示装置、10…有機EL素子、10R,10G,10B…画素、11A…駆動基板、11…基板、12…TFT、13…接続部、14…第1電極、15…絶縁膜、16…有機層、17…第2電極、121A,121B…酸化物半導体層、121A1,121B1…低抵抗領域、122…ゲート絶縁膜、123…ゲート電極、124…金属酸化膜、125…層間絶縁膜、126A…ソース・ドレイン電極、126B…配線層、127…平坦化膜、H1〜H3…コンタクトホール、H4…開口。

Claims (11)

  1. 薄膜トランジスタを含む駆動基板と、
    前記駆動基板上に設けられ、各々が第1電極と発光層を含む有機層と第2電極とをこの順に有する複数の画素を有する画素部と、
    前記画素部の周辺領域において、前記駆動基板内に設けられると共に、前記第2電極と電気的に接続された接続部と
    を備え、
    前記接続部は、表面側の少なくとも一部に他の部分よりも電気抵抗の低い低抵抗領域を含む酸化物半導体層を有し、
    前記第2電極は、酸化物半導体よりなる透明導電膜であり、
    前記接続部には、前記酸化物半導体層の前記低抵抗領域と前記透明導電膜とが接する領域と、前記酸化物半導体層の前記低抵抗領域と引き出し配線とが接する領域とが設けられている
    表示装置。
  2. 前記薄膜トランジスタは、
    半導体層と、
    前記半導体層にゲート絶縁膜を介して対向配置されたゲート電極と、
    前記半導体層に電気的に接続されたソース電極およびドレイン電極と
    を有し、
    前記半導体層は、前記接続部の前記酸化物半導体層と同一の材料を含んで構成されている
    請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記半導体層は、前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する各部分に、前記低抵抗領域を含む
    請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記駆動基板は、基板と、前記基板上に設けられた前記薄膜トランジスタとを含み、
    前記薄膜トランジスタは、前記基板上に、前記半導体層および前記ゲート電極をこの順に有する
    請求項2または請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記酸化物半導体層は、前記酸化物半導体層よりも上層に形成された金属膜のエッチャントに対してエッチング耐性をもつ材料から構成されている
    請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の表示装置。
  6. 前記接続部の少なくとも一部に積層されると共に、金属から構成された配線層を更に備えた
    請求項1ないし請求項5のうちいずれか1項に記載の表示装置。
  7. 前記接続部のうち少なくとも前記第2電極と非接触の部分を覆って、金属の酸化物よりなる金属酸化膜が形成されている
    請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項に記載の表示装置。
  8. 前記低抵抗領域は、前記酸化物半導体層の前記金属との接触反応および加熱処理により形成されたものである
    請求項7に記載の表示装置。
  9. 前記金属はアルミニウムである
    請求項7または請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記金属酸化膜は、前記薄膜トランジスタの一部を覆って形成されている
    請求項7ないし請求項9のうちいずれか1項に記載の表示装置。
  11. 薄膜トランジスタを含む駆動基板と、
    前記駆動基板上に設けられ、各々が第1電極と発光層を含む有機層と第2電極とをこの順に有する複数の画素を有する画素部と、
    前記画素部の周辺領域において、前記駆動基板内に設けられると共に、前記第2電極と電気的に接続された接続部と
    を備え、
    前記接続部は、表面側の少なくとも一部に他の部分よりも電気抵抗の低い低抵抗領域を含む酸化物半導体層を有し、
    前記第2電極は、酸化物半導体よりなる透明導電膜であり、
    前記接続部には、前記酸化物半導体層の前記低抵抗領域と前記透明導電膜とが接する領域と、前記酸化物半導体層の前記低抵抗領域と引き出し配線とが接する領域とが設けられている
    表示装置を備えた電子機器。
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