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JP6593458B2 - 分離部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

分離部材、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、分離部材定着装置及び画像形成装置に関する。
2つのローラによって形成されたニップ部を記録媒体が通過することによって、記録媒体上に担持されたトナーを溶融・加圧して、記録媒体上に画像を定着する定着装置が知られている。
この種の定着装置においては、ニップ部を通過した記録媒体がそのままローラに巻き付くことを確実に防止しなければならない。
かかる問題を解決するために、分離爪や分離板を備えた分離部材がニップ部の出口近傍に配置され、記録媒体の先端部分を定着部材から引き離すような構成が知られている(例えば特許文献1、2等参照)。
また、可視像形成のためにトナーを用いる画像形成装置においては、トナー画像を転写紙等の記録媒体に永久画像として定着するために定着装置が備えられている。
定着装置では、加熱されて回転する定着ローラや定着ベルトと、それに圧接・回転する加圧ローラや加圧ベルト等とによって形成された圧接部(定着ニップ部)を記録媒体が通過することによって、記録媒体上に担持されたトナーが溶融され記録媒体上にトナー画像が定着される。
分離爪や分離板を備えた用紙分離装置を定着ローラや定着ベルトの近傍に付設することで、溶融したトナーにより定着ローラや定着ベルトに巻き付こうとする記録媒体を強制的に分離することが行われている。
しかしながら、定着ローラや定着ベルトから強制的に記録媒体を分離する際、記録媒体上のトナー画像が、分離爪や分離板の搬送面に接触するため、筋画像の発生や記録媒体の搬送抵抗が増加する問題がある。
特許文献3には、分離爪の搬送面側の形状を記録媒体の幅方向の端部と中央位置で異なる形状とし、端部側を搬送面側に突出させ、中央側を搬送面側から引っ込める構成の提案がなされ、筋画像の発生を回避する試みがなされている。
特許第5332310公報 特開2014−157215号公報 特開2006−189688号公報
しかしながら、単に分離部材を設けるだけでは、記録媒体上のトナーが定着工程の熱を持ったまま、半溶融の状態で分離部材に接触し、擦れることで画像不良を発生させるおそれがあった。
また、定着ローラや定着ベルトから強制的に記録媒体を分離する際、記録媒体上のトナー画像が、分離爪や分離板の搬送面に接触するため、筋画像の発生や記録媒体の搬送抵抗が増加する問題がある。
また、コート紙のように剛性が弱い記録媒体の場合、特許文献1に記載の構成では、分離爪にかかる接触力が端部側に集中するため、より強い筋画像となってしまう懸念がある。
一方、分離爪や分離板の搬送面にトナーが接触することによって、トナーが分離爪や分離板に固着してしまう問題もある。トナーが固着してしまうと、記録媒体の搬送抵抗となるとともに、固着トナーによるトナー画像の引っ掻きが生じて筋画像となることもある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、ニップ部から被搬送体を剥離する際の画像不良の発生を抑制する分離部材の提供を目的とする。
また、剛性の低い記録媒体であっても筋画像の発生を抑制できる分離装置の提供を、目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の分離部材は、互いに当接する2つの回転体により形成されたニップ部から送り出される被搬送体を、前記2つの回転体から分離する分離部材であって、前記2つの回転体の中心線の垂線に対して所定の角度で傾斜して前記ニップ部に向けて取り付けられ、前記被搬送体の搬送方向と幅方向とにおいて前記被搬送体と当該分離部材とが当接しうる当接領域を占める波状部を有し、前記波状部は、前記搬送方向と前記幅方向とに対して傾斜する方向に延びた互いに平行な複数の凹部を有し、記凹部は、前記被搬送体の搬送方向と幅方向とにおいて前記被搬送体と当該分離部材とが当接しうる当接領域全域において前記搬送方向に少なくとも2つが重複するように形成される。
また、上述した課題を解決するため、本発明の分離装置は、互いに接する2つの回転体によって形成された定着ニップ部の記録媒体搬送方向下流側に配置され、前記2つの回転体のうち一方の回転体から記録媒体を分離するための分離部材本体と、前記分離部材本体の記録媒体が接触する摺擦面に設けられた表面層と、を備え、前記表面層は、前記摺擦面の記録媒体が実際に接触する面積を減じる形状を有している。
本発明の分離部材によれば、ニップ部から被搬送体を剥離する際の画像不良の発生を抑制することが可能である。
また、剛性の低い記録媒体であっても筋画像の発生を抑制できる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。 図1に示した定着装置の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る分離装置の全体構成の一例を示す図である。 図3に示した分離装置の構成の一例を説明するための斜視図である。 図3に示した分離装置の分離部材の構成の一例を示す図である。 分離部材と定着ベルトとの間の間隔の一例を示す図である。 分離部材と定着ベルトとの間の間隔の他の一例を示す図である。 分離部材が用紙を剥離するときの動作の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る用紙の剥離の態様の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る用紙の剥離の態様の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る用紙の剥離の態様の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る用紙の剥離の態様の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る波状部の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る波状部の断面構成の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る分離装置の全体構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る波状部の構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る波状部の断面構成の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る波状部の断面構成の一例を示す断面図である。 本発明における溝部の形成方法の一例について示す図である。 本発明における溝部の表面状態の一例を示す図である。 本発明に対する従来例を示す図である。 本発明に対する従来例を示す図である。 本発明に対する溝部の比較例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。 定着装置と分離装置の概要断面図である。 定着ベルトに対する分離部材の位置決め状態を示す図である。 分離部材の斜視図である。 定着ベルトに対する分離部材の位置調整構成を示す図である。 分離部材の構成を示す拡大断面図である。 分離部材の摺擦面の凸部の形状を示す拡大側面図である。 分離部材の摺擦面の凸部の形状を示す拡大断面図である。 分離部材の摺擦面の凸部の配置状態を示す斜視図である。 分離部材の摺擦面の凸部の変形例を示す斜視図である。 分離部材の摺擦面の凸部の加工方法を示す図である。 分離部材の摺擦面の凸部の加工方法を示す図である。 分離部材の摺擦面の凸部の別の加工方法を示す図である。 図30で示した凸部の加工後の表面粗さを測定したグラフである。
[第1の実施形態]
本発明の実施形態の一例として、図1に示す電子写真方式のカラープリンタである画像形成装置100について説明する。
なお、図1では、画像形成装置100の鉛直上方をZ方向、Z方向に垂直な2つの方向のうち、紙面に対して垂直な方向をY方向、Z方向とY方向とに垂直な方向をX方向とした。
画像形成装置100は、タンデム型中間転写式のプリンタである。
画像形成装置100は、無端ベルト状の転写体たる中間転写ベルト10と、中間転写ベルト10に像を形成するための画像形成部1と、画像形成装置100の下部に配置されて記録媒体たる用紙Pを供給する給紙部40と、を有している。
画像形成装置100は、用紙Pに画像を形成するための4つの作像ユニット1Y、1C、1M、1Kを有する画像形成部1と、画像形成部1の上方に位置する露光手段としての光書込みユニットたる露光装置4とを有している。
画像形成装置100はまた、用紙Pを搬送し、中間転写ベルト10に担持されているトナー像を、中間転写ベルト10とのニップ部である2次転写位置Nで用紙Pに転写する2次転写手段である2次転写装置5を有している。
画像形成装置100はまた、2次転写後の残留する残留トナーを除去する、言い換えると中間転写ベルト10を清掃するクリーニング装置17を有している。
画像形成装置100はまた、給紙部40から供給された用紙Pを所定のタイミングで2次転写位置Nに送り出すレジストローラ対145を有している。
画像形成装置100はまた、2次転写位置Nを通過してトナー像を担持し、2次転写装置5によって搬送されてきた用紙Pを加熱・押圧してトナー像を定着する定着装置6を有している。
画像形成装置100はまた、定着装置6を通過してトナー像を定着された用紙Pを外部に排出する排紙部7を有している。
画像形成装置100はまた、CPU並びに不揮発性メモリおよび揮発性メモリを搭載した、上記各部の動作を制御する制御手段としての画像形成制御部93を有している。
中間転写ベルト10は、複数の支持ローラ14、15、15'と2次転写対向ローラ16に巻きかけられて図中A方向に示すように、時計回りに回転可能なように支持されている。2次転写対向ローラ16は中間転写ベルト10を支持する支持ローラのうちの1つとして機能する。
本実施形態では、特に支持ローラ14が中間転写ベルト10を回転駆動する駆動ローラとしての機能を有している。
4つの作像ユニット1Y、1M、1C、1Kは、支持ローラ14、15間に張り渡された中間転写ベルト10上に、A方向として示す中間転写ベルト10の搬送方向に沿って、並んで配置され、タンデム型の画像形成部1を構成する。なお、各符号の添え字Y、M、C、Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色をそれぞれ示し、各作像ユニット1Y、1M、1C、1Kは、各色のトナー画像を担持する像担持体としての感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kを有している。
感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの周囲には、露光装置4によって形成された静電潜像を各色のトナーで現像するための現像装置が設けられている。なお、これら現像装置についての詳細な説明は省略する。
感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kから中間転写ベルト10にトナー画像を転写する一次転写位置には、中間転写ベルト10を挟んで各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに対向するように一次転写ローラ6Y、6M、6C、6Kが設けられている。
作像ユニット1Y、1M、1C、1Kは、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kをそれぞれ中間転写ベルト10と当接あるいは離間させることで、任意の色のトナー像を中間転写ベルト10上に形成することができる。
露光装置4は、それぞれ2つの作像ユニット1Y、1Mと、作像ユニット1C、1Kと、に対応した各2系統の走査光を用いて静電潜像を作成する光走査装置である。
露光装置4は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報に応じて各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに露光を行い、静電潜像を形成する。
なお、本実施形態では、画像形成装置100は、2系統の走査光を用いる2つの露光装置4によって、4つの感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに露光を行うとしたが、かかる構成に限定されるものではない。例えば、露光装置4は、4系統の走査光を用いた光走査装置であっても良いし、1系統の走査光を用いてそれぞれの感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに露光を行う4つの光走査装置としても良い。
2次転写装置5は、中間転写ベルト10を挟んで画像形成部1と反対側に設けられている。2次転写装置5は、中間転写ベルト10を支持する支持ローラのうちの1つである2次転写対向ローラ16に、2次転写ローラ16'を押し当てて転写電界を印加して、中間転写ベルト10上の画像を記録媒体である用紙Pに転写する。
言い換えると、2次転写装置5は、2次転写位置Nにおいて、2次転写ローラ16'との間に中間転写ベルト10を用紙Pとともに挟みこみ、2次転写バイアスをかけて中間転写ベルト10表面のトナー像を用紙Pに転写する。
このとき2次転写バイアスとしては、中間転写ベルト10の表面に帯電されている静電荷とは逆の電荷を付与する。
2次転写装置5は、2次転写位置Nにおいて2次転写を行った後の用紙Pを定着装置6まで搬送する。
2次転写装置5の搬送方向の下流側には、用紙P上の転写画像を定着する定着装置6が設けられている。
定着装置6は、図2に示すように、熱源たるヒータ34を内部に有する加熱ローラ30と、加熱ローラ30に巻き掛けられた回転体たる定着ベルト26と、加熱ローラ30とともに定着ベルト26を巻き掛けた定着ローラ32と、を有している。
定着装置6はまた、定着ローラ32との間で定着ベルト26に圧接し圧接部であるニップ部としての定着ニップN2を形成する回転体たる加圧ローラ27を有している。加熱ローラ30と、定着ベルト26と、定着ローラ32とは、定着ベルト26が無端移動するベルトユニットを構成する回転体である。
本実施形態においては、回転体たる定着ローラ32の回転中心と、加圧ローラ27の回転中心と、の間を結ぶ中心線の垂線が、XY平面と平行になるように配置されている。
定着装置6は、定着ニップN2よりも搬送方向下流側に設けられた分離装置60を有している。
定着装置6は、トナー像を担持した用紙Pを定着ニップN2に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を用紙Pの表面に定着する。
定着ベルト26は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂からなる層厚90μmのベース層に、シリコーンゴム等の弾性層、離型層が順次積層された多層構造の無端ベルトである。
定着ベルト26の弾性層は、層厚が200μm〜500μm程度であって、シリコーンゴム、フッ素ゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。
定着ベルト26の離型層は、層厚が20μm程度であって、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)等で形成されている。
定着ベルト26の表層に離型層を設けることにより、トナー(トナー像)に対する離型性(剥離性)が確保される。
加熱ローラ30は例えばアルミニウム等の金属製の薄肉円筒体であり、円筒内部に配設された発熱器としてのハロゲンヒータであるヒータ34を有している。
定着ローラ32と加圧ローラ27とは、金属製の芯金上にフッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性層が形成された円筒体である。
加熱ローラ30によって、定着ベルト26が加熱され、用紙Pが定着ニップN2を通過する際に用紙P上の未定着トナー像に熱が加えられ、トナー像が用紙Pの画像形成側の表面に定着する。
定着ニップN2の搬送方向下流側には、分離装置60が定着ローラ32側に配設されている。
定着ニップN2を通過した用紙Pは、分離装置60に備えられ、図3に示して後述する分離部材36によって、用紙P先端が定着ベルト26から剥離され、排紙部7に搬送される。このとき用紙Pは、記録媒体であると共に被搬送体でもある。
あるいは、用紙Pは、両面に画像を形成するために表裏が反転されてレジストローラ対145まで搬送するシート反転装置28に送り出される。
なお、分離装置60は、用紙Pの画像形成側すなわち定着ローラ32側に設けることが望ましいが、加圧ローラ27側に配置されていてもよい。
排紙部7は、対向して配設された1対の排紙ローラ171を有している。
画像形成制御部93は、CPU(Central Processing Unit)、メインメモリ(MEM−P)、ノースブリッジ(NB)、サウスブリッジ(SB)を有している。
画像形成制御部93はまた、AGP(Accelerated Graphics Port)バス、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ローカルメモリ(MEM−C)を有している。
画像形成制御部93はまた、HD(Hard Disk)、HDD(Hard Disk Drive)、PCIバス、ネットワークI/Fを有している。
CPUは、メインメモリに記憶されたプログラムに従って、データを加工・演算したり、上述した各部の動作を制御したりするものである。メインメモリは画像形成制御部93の記憶領域としてはたらき、画像形成制御部93の各機能を実現させるプログラムやデータを記憶する。あるいはこのプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、FD、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
ローカルメモリ(MEM−C)は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いる。HDは、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HDDは、CPUの制御にしたがってHDに対するデータの読み出し又は書き込みを制御する。ネットワークI/Fは、通信ネットワークを介して情報処理装置等の外部機器と情報を送受信する。
画像形成制御部93は、通信ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御するための通信制御手段として動作する。
画像形成制御部93はまた、上位装置からの画像データを露光装置4に送る画像データ処理手段としても動作する。
2次転写装置5で画像が転写された用紙Pは、2つのローラ23に支持された搬送ベルト24により定着装置6へと送り出される。もちろん、搬送ベルト24の部分は、固定されたガイド部材でも良く、また、搬送ローラや搬送コロ等でも良い。
なお、図示例では、2次転写装置5及び定着装置6の下に、画像形成部1と平行に、両面印刷のために用紙Pの裏面に画像を記録すべく、用紙Pを反転して搬送するシート反転装置28が備えられている。
以上のような構成の画像形成装置100において、定着装置6に付設される分離装置60について図3、図4を用いてさらに詳しく説明する。
分離装置60は、画像形成装置100の本体部分に固定された支持部材たるステー62と、ステー62にネジ68によって取り付けられた分離部材36と、ステー62との距離を調整して分離部材36のZ方向の位置決めを行うためのバネ66と、を有している。
ステー62は、図4に示すように、用紙PのY方向の両端部にカシメられて形成された位置決めピン70を有している。ステー62は、位置決めピン70が画像形成装置100の本体部分に嵌め合い固定されることで固定される。
ネジ68とバネ66とは、分離部材36のY方向に並んで複数配列されており、ステー62と分離部材36との間のZ方向の距離を調整する位置調整部としての機能を有している。
分離部材36は、本実施形態では図5に示すように、Y方向に長い単一の平板状の部材であり、+Z方向側に突出した複数の凸部64と、−Z方向側の面において、用紙Pと当接しうる部分を占めるように形成された波状部39と、を有している。
分離部材36は、用紙Pとの均等な接触を可能とするために、搬送方向に直交するY方向に一体形状となる単一の平板状の部材で形成されることが望ましい。
分離部材36は、定着ベルト26の幅方向と一致するY方向において、用紙Pの最大画像領域以上の長さを有している。最大画像領域とは、具体的には用紙Pに画像が形成されうる領域のうち最大の部分を示している。
なお、分離部材36は、複数の幅狭分離爪を平行にY方向に並べた構成としても良い。
分離部材36の本体部分は、耐熱プラスチック板若しくはSUS等の金属板で構成され、定着ニップN2との間隔をより詰めることができるように、−X方向側の先端部たるエッジ部37は厚さ0.4mmの薄いシート状であることが望ましい。
また、図4に示すように、ステー62の±Y方向の端部であって、分離部材36の両側端部の外、より具体的には通紙領域Qよりも外側の位置には、突き当て板72が形成されている。
なお、以降の説明において、分離部材36の−Z方向側の面のうち、分離部材36と用紙Pとが当接しうる部分を通紙領域Qと表記する。
突き当て板72は、突き当て先端部72aが定着ベルト26の±Y方向の両端部に接触することで、分離部材36の位置決めを行う。
ところで、Y方向中央を基準として用紙Pを搬送する画像形成装置100においては、図6に示すように、エッジ部37と定着ベルト26との間隔G1、G2が、分離部材36のY方向の中央部よりも、Y方向の端部の方が広がるように調整されることが望ましい。
言い換えると、分離部材36のY方向中央部におけるエッジ部37と定着ベルト26の間隔G1は、分離部材36のY方向端部におけるエッジ部37と定着ベルト26の間隔G2よりも狭い。なお、図6においては、説明のため、実際の縮尺とは異なり、誇張して図示している。
定着ローラ32は、加熱される際の熱膨張によって外形が変化する。用紙PのY方向中央を基準として搬送する場合、定着ローラ32の中央部を基準として分離部材36のエッジ部37が熱膨張したときに定着ローラ32に対して平行になるよう、保持されることが望ましい。
すなわち、用紙Pを搬送するときの基準となる部分が最も狭い間隔となることが望ましい。
なお、用紙Pの−Y方向端部を基準とする端部基準搬送の場合は、熱膨張が定着ローラ32の−Y方向端部を基準とすることになるので、図7に示すように、エッジ部37が定着ローラ32の軸線すなわちY方向に対して傾いて保持されることになる。
分離部材36は、定着ニップN2に隣接する側の先端部すなわちエッジ部37が、図3に示すように、XY平面に対して角度θで傾斜するように配置されている。
一般に、定着ローラ32と加圧ローラ27により形成される定着ニップN2の搬送方向Bは、用紙Pを定着ベルト26から分離しやすくするために、非画像形成面側すなわち加圧ローラ27側たる−Z方向側を向くように形成されることが望ましい。
本実施形態では定着ローラ32よりも加圧ローラ27を固くする構成とすることで、用紙Pの搬送方向たるB方向が、XY平面に対して加圧ローラ27側に傾斜した方向を向くように設計されている。
しかしながら、例えば薄い用紙Pの先端部にベタ画像が形成された場合には、図8に例示するように、用紙Pが定着ベルト26に巻き付き、定着ベルト26へ貼り付いて搬送されることがある。
また、用紙Pが厚い場合には、用紙P表面のトナーによる定着ベルト26への貼り付き力よりも用紙Pのこしが勝り、用紙Pは図9Bに示すように、定着ニップN2の向き、すなわちB方向に排出される。
このような場合にも、分離部材36のエッジ部37が、XY平面に対して角度θで傾斜するように配置されることで、分離部材36との過剰な接触を防いで、画像異常の発生を抑制する。
かかる角度θは、定着ニップN2を形成する2つの回転体の中心線の垂線に対し、非画像形成面側の方向へ、言い換えると加圧ローラ27側に傾斜する方向に、0度から10度以内の角度で傾斜することが望ましい。
言い換えると、分離部材36の取り付け角度θは、用紙Pの搬送方向Bと平行に取り付けられることが望ましい。
このように角度θを定着ニップN2の方向と一致させることで、用紙Pの搬送方向Bに沿って分離部材36が配置されるので、分離部材36との過剰な接触による異常画像の発生が抑制される。
さらに、かかる分離部材36の配置により、用紙Pが定着ベルト26に巻き付きながら搬送される場合にも、エッジ部37により用紙Pが定着ベルト26から剥離しやすくなる。
その他、用紙P上に形成される画像の状態や、用紙Pの種類などによって、図9A〜図9Dに示すように、種々の搬送状態がありうるが、どのような状態においても、図9A〜図9Dに示すように、分離部材36により用紙Pは定着ベルト26から剥離される。このとき、それぞれの場合において分離部材36と用紙Pとが当接する領域が異なるため、それぞれの場合の通紙領域Qを図示している。
なお、既に述べたように波状部39は、かかる通紙領域Qを含んで形成されることが望ましく、種々の搬送状態がありうる場合には、最も広い通紙領域Qを含んで形成されることがより望ましい。
さて、このような分離部材36において、分離部材36は用紙Pと当接することで用紙Pを定着ベルト26から剥離する。
しかしながら、定着ニップN2を通過した直後の用紙P上のトナーは、加熱・加圧された直後であるから、柔らかく、変形しやすい状態である。
このようなトナーに対して、分離部材36が通紙領域Qにおいて当接すると、トナーが変形してしまい、画像不良の原因となってしまうおそれがある。
図17Aに比較例として、分離部材36の表面に局所的な凸部が見られるような場合のZ方向の表面状態のグラフを示す。なお、図17Aに示した表面状態の対応する部分を、図17Bに破線で囲った領域Cとして示している。
かかる画像不良の問題は、特に図17Aに示したように分離部材36の表面状態が荒れているときには、図17Bに例示する用紙P上のベタ画像に対する光沢スジなどの画像不良の原因となりやすいことが知られている。
かかる問題を改善するために、例えば分離部材36の表面を平滑にする方法も考えられるが、平滑にすることで分離部材36と用紙Pとの間の密着性が向上して、用紙Pの搬送に悪影響を生じる懸念もあった。
そこで、本実施形態では、分離部材36は、図10に示すように、B方向とY方向とに対して傾斜する方向に延びた互いに平行な複数の凹部39aを備えた波状部39を有している。
かかる波状部39について詳しく説明する。
波状部39は、図10、図11に示すように、B方向とY方向とに対して傾斜した方向に平行に延びた複数の凹部たる溝部39aと、溝部39aの間に形成される突出部39bと、を有している。
溝部39aは、図11にその断面を模式的に示すように、互いに間隔Y1だけ離れて形成された微小な凹形状である。
突出部39bは、溝部39aの間に、滑らかな曲面状に盛り上がった態様で形成されることが望ましい。
また、溝部39aは、B方向に少なくとも2つが重複するように形成されている。
ここで、溝部39aが「重複する」とは、分離部材36をB方向に沿ってみたときに、図10に示すように、少なくとも2つ以上の溝部39aが重なって見えることを指す。
つまり、波状部39において、B方向に沿って仮想的な直線を引いたとき、その直線は溝部39aと2つ以上の交点を有する、と言い換えても良い。
さらに言い換えると、図10に示すように、波状部39の溝部39aの延長線あるいは延在線たる直線Dは、B方向に対し斜めであるように、即ち、傾斜方向に延び、隣り合う溝部39aの互いの延長線は、B方向に直交する向きに関して重なる部分を有している。
なお、延在線とは、分離装置60のエッジ部37に形成される溝部39aによって分離部材36の表面に現れるラインのことである。
B方向に対して溝部39aの延在線が斜めであることによって、溝部39aの延在線の間の複数の突出部39bが用紙P上の同じ位置に一様に当接することになるから、図17Bに示したようなピッチ状のスジが発生することを防ぐことができる。
B方向に対する傾き度合は、30度、45度、60度などの様々な角度で良く、隣り合う溝部39aがB方向に重複する部分を有する範囲であれば良いが、B方向に対して45度の傾きであれば、B方向にも、B方向に直交する方向にも重複するため最も好ましい。
溝部39aが形成されるB方向での長さは、2mmであっても、5mm以上であっても良いが、用紙Pと分離部材36とが当接しうる範囲すなわち通紙領域Qを占めるように形成されることが最も望ましい。
図10に示した波状部39は、単純な斜線で形成された場合について示したが、例えば楔形でも、>形でも、XやCのような文字形状であってもよい。
かかる構成について説明するために、比較例として図16に示すように、互いに平行な溝部390が複数、搬送方向たるB方向と平行に配置された分離部材360について述べる。
このとき、用紙Pが分離部材360と擦れながらB方向に移動すると、用紙P上のトナーは、溝部390の間に形成された突出部391の部分でのみ変形してしまい、スジ状の光沢ムラなどの原因となってしまうおそれがある。
本実施形態のように、溝部39aが、B方向に少なくとも2つが重複するように形成されることで、通過する用紙Pの表面は、一様に溝部39aと突出部39bとに当接しながら搬送されるので、搬送方向へのスジの形成が抑制される。
さらに、溝部39aがあることで、用紙Pと分離部材36との間の接触面積が少なくなるので、用紙Pと分離部材36との間の密着性が抑えられて、用紙Pの搬送を妨げない。
またさらに、突出部39bが滑らかな曲面状に盛り上がった態様で形成されることで、理想的には用紙Pとの接触が点接触となるために、用紙Pと分離部材36との間の密着性が抑えられて、用紙Pの搬送を妨げない。
ところで、波状部39と用紙Pとの接触面積を決定する必要最低深さは、用紙Pの種類及び分離部材36の材質が決まると、用紙Pと分離部材36との接触圧で決まる。
本実施形態のように分離部材36の設置される角度θが、搬送方向Bに沿って加圧ローラ27側に0度から10度に傾斜した場合には、分離部材36の角度θが定着ローラ32側に向いている場合よりも接触圧が高くなるため、溝部39aの深さはより深く設定されることが望ましい。
具体的には、分離部材36の設置される角度θを0度から10度にした場合には、溝部39aの深さは、7.3μm以上であることが望ましい。
このように、溝部39aの深さを7.3μm以上とすることにより、用紙Pと分離部材36との間の接触抵抗が低減され、用紙詰まりが抑制される。
また、溝部39aの深さを際限なく深くしてしまうと、接触圧が上昇した場合には凹形状ピッチの画像光沢ムラが顕在化しやすくなることが懸念される。
この点について、接触圧が低く抑えられるように分離部材36の角度θが定着ローラ32側に向いている場合には、溝部39aの深さが50μm以上であっても光沢ムラが検知されなかった。
しかしながら、本実施形態のように、角度θを搬送方向Bに沿って加圧ローラ27側に0度から10度傾けた場合は、溝部39aの深さ38μm以下とすることで光沢ムラの発生が抑制されることが確認された。
このように、分離部材36の取り付け角度θは、図12に示すようにエッジ部37が定着ローラ32側に向かうように配置されても良いし、加圧ローラ27側に傾斜しても良い。なお、「エッジ部37が定着ローラ32側に向かう」とは、「分離部材36を搬送方向Bに沿って加圧ローラ27側に傾ける」ことを指していることはいうまでもない。同様に、「エッジ部37が加圧ローラ27側に向かう」とは、「分離部材36を搬送方向Bに沿って定着ローラ32側に傾ける」ことを指す。
ところで、分離部材36のエッジ部37は、XY平面において加圧ローラ27側に傾斜した場合には、用紙Pの搬送状態によっては用紙Pとの接触圧が大きくなる懸念がある。
エッジ部37が用紙Pと当接するときには、分離部材36の平板状の部分と接触するよりも接触圧が高くなるので、上述した光沢ムラが発生しやすい。
そこで、波状部39のうち、エッジ部37に形成される部分は、光沢ムラを防止するために、深さ3μm以下であることが望ましい。
ただし、エッジ部37は、接触圧が高く用紙Pと分離部材36との間で貼り付いてしまう懸念も大きいため、かかる深さ3μm以下の深さの部分は、1mm程度に留めることが望ましい。
以上のような波状部39により、定着ニップN2から用紙Pを剥離する際の画像不良の発生が抑制される。
このように、本実施形態では、分離部材36の、通紙領域Qを占める位置に、波状部39を有している。
波状部39は、B方向とY方向とに対して傾斜する方向に延びた互いに平行な複数の溝部39aを有し、溝部39aは、B方向に少なくとも2つが重複するように形成される。
かかる構成により、ニップ部から記録媒体を剥離する際の画像不良の発生が抑制される。
また本実施形態では、分離部材36のY方向中央部におけるエッジ部37と定着ベルト26の間隔G1は、分離部材36のY方向端部におけるエッジ部37と定着ベルト26の間隔G2よりも狭い。
このように分離部材36と定着ベルト26との間隔G1、G2がY方向中央部よりもY方向端部の方が広がるように配置されることで、定着ローラ32が熱膨張したときにも、精度よく分離部材36と定着ベルト26との間隔を制御して、用紙Pの剥離が容易である。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態として、図12に示すような分離装置60について説明する。
なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する部分については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態において、分離部材36は、分離部材36の本体を構成する本体部36aと、分離部材36の定着ニップN2側に向いたエッジ部37を含む表面に形成され、本体部36aよりも摺動性の高い表層部材たるテープ部材36bと、を有している。
本体部36aは、耐熱プラスチック板若しくはSUSのような金属板で構成されている。また、定着ニップN2との間隔をより詰めることができるように、−X方向側の先端部たるエッジ部37は厚さ0.4mmの薄いシート状であることが望ましい。
テープ部材36bは、本体部36aの−Z方向側の面を覆うように取り付けられ、かつ、−X方向側の端部たるエッジ部37で折り返され、+Z方向側の面の一部も覆うように、貼り付けられている。
テープ部材36bは、摺動性の高い良離型性材料、例えばテフロン(登録商標)のようなフッ素樹脂を材料とするテープ部材である。
テープ部材36bは、当該テープ部材36bとエッジ部37とを合わせた厚みが0.6mm程度に抑えられ、定着ニップN2との間隔を詰めることが阻害されないように構成されることが望ましい。
テープ部材36bは、図13に示すように、通紙領域Qを占めるように、互いに平行な複数の溝部39aが間隔Y2だけ離れて形成された波状部39を有している。
さらに、本実施形態において、溝部39aは、エッジ部37側の所定の長さ、ここでは先端1mmの範囲内で、その他の部分よりも溝の深さが浅い浅溝部39cを有している。
すなわち波状部39は、−X方向側先端が浅く、他が深い窪み領域を形成している。
かかる波状部39により、用紙Pが定着ニップN2から排出される際に、用紙Pと分離部材36との間の接触抵抗を低減して、画像不良の発生が抑制される。
なお、波状部39は本実施形態においては、通紙領域Qを占めるように形成されるとしたが、テープ部材36b全体の表面を覆うように形成されるとしても良い。
用紙Pと、分離部材36との間の接触状態は、用紙Pの種類や、形成される画像などによって大きく変化する。
そこで、どのような条件においても用紙Pと分離部材36との間の接触抵抗を低減するように、通紙領域Qを占めるように形成されることが最も望ましい。
テープ部材36bの波状部39は、本実施形態では隣り合う溝部39a間の間隔Y2を1.2mmとした。かかる間隔Y2は、0.8〜1.2mm程度にすることが好ましいが、0.5mmなど、その他のピッチ幅であっても良い。
波状部39の断面の凹凸すなわち溝部39aと突出部39bとのDuty比は、図14Aに示すように、凹部分が0.6mm、凸部分が0.6mmの等間隔としたが、図14Bに示すように、凹部分が0.3mm、凸部分が0.9mmであってもよい。
また、エッジ部37の先端1mmを除く溝部39aの深さは、第1の実施形態と同様に7.3μm以上であることが望ましい。
なお、ここに示した間隔・寸法は一例であり、各種設計事項に合わせて適宜変更して良い。
波状部39をテープ部材36bの上に形成する方法について説明する。
図15に示すように、テープ部材36bを分離部材36に貼り付ける前に、予め専用工具80でテープ部材36bの一方の面に面押しすることにより、専用工具80の表面に形成された凹凸形状を転写させる。
このように面押しによって波状部39を形成することで、テープ部材36bを分離部材36に貼り付ける際に特異的に凸となる部分を発生させず、且つ加工が最も容易である。
専用工具80は、具体的には、円筒体に対して斜歯状に傾斜した凸部を外周表面上に規則的に設けた金属工具であり、例えばローレット形状を加工するための市販されているローレット駒等を用いる。
なお、専用工具80の幅は波状部39の幅Lと一致させる必要は必ずしもない。
専用工具80の幅が波状部39の幅Lよりも狭い場合は、面押しを複数回実施して、必要な幅Lの範囲に凹形状たる溝部39aを形成すれば良い。
専用工具80の幅が波状部39の幅Lと同等、または広い場合は1回の加工で波状部39が形成されるため、より効率よく波状部39を形成することができる。
また、必要なテープ部材36bの幅よりも予め大きな幅で溝部39aを形成し、その後必要幅に切り取ってテープ加工することも可能である。
波状部39をテープ部材36bの全面に施すことで、分離部材36に貼り付ける際、溝部39aの開始位置、終了位置の位置精度が問われず、製造が簡素化される。
本実施形態において、分離部材36は、Y方向に延びた板状の本体部36aと、本体部36aの定着ニップN2側に向いたエッジ部37の表面に形成され、本体部36aよりも摺動製の高い表層部材たるテープ部材36bを有している。
テープ部材36bには、波状部39が形成されている。
かかる構成により、定着ニップN2から用紙Pを剥離する際の画像不良の発生が抑制される。
また、本実施形態において、表層部材は、フッ素樹脂を用いたテープ部材である。
かかる構成により、製造が簡素化されるとともに、離型性が向上して、用紙Pの搬送を妨げることなく、画像不良の発生が抑制される。
このようなローレット加工によって形成されたテープ部材36bの表面状態のプロファイルを図16に示す。図17Aと比較して、特異的な凸部が生じておらず、用紙Pにベタ画像を印刷したときにも、光沢スジの発生が抑制されることが確認できた。
なお、エッジ部37から2mm〜2.5mmにおいては、凹凸の深さたるZ1=20μm〜45μmと設定し、2.5mm〜12mmにおいては3μm〜45μmとするように、エッジ部37からの距離に応じて溝部39aの深さを変更しても良い。
特にエッジ部37の先端2mm〜2.5mmの位置においては、他の部分に比べ用紙Pと分離部材36との接触圧が強く張り付きやすいため、溝部39aの深さは、下限の値を20μmとし、他の箇所とくらべ大きくすることが望ましい。
このように複数の溝部39aを、エッジ部37からの距離に応じて深さが変化するように設定することにより、用紙Pが定着ニップN2から排出され、分離部材36によって分離される際に、用紙Pと分離部材36との接触抵抗を低減して、搬送品質が向上される。
なお、本実施形態における凹凸量たる溝部39aの深さZ1に関して、上限は45μm程度であることが望ましい。深さZ1が45μm以上に大きくなると、加工上、テープ部材36bに切断などの破損が生じてしまった場合に凹凸の位置に該当する箇所で光沢スジが発生する懸念があるためである。
また、隣り合う溝部39a間のピッチが大きくなると、光沢スジが発生しやすくなる傾向があるが、分離部材36と定着ニップN2の出口位置とのギャップである間隔G1、G2を大きくすることにより、用紙Pと分離部材36との接触圧が低減できる。このように、分離部材36に設ける溝部39aのピッチは、用紙Pと分離部材36との間隔によって適宜設定されるとして良い。かかる構成により、接触圧を低減して光沢スジを低減することができる。
本発明によれば、定着ニップN2から排出された用紙Pが分離部材36へ当接しながら搬送されるようなときにも、少なくとも通紙領域Qを含む範囲にわたって、複数の溝部39aが搬送方向に対して傾斜する方向に形成されている。かかる構成により、分離の際に用紙Pと分離部材36との接触圧を減らしながらも、搬送における摩擦抵抗を抑制するから、用紙Pの詰まりや画像に光沢スジが発生することを抑制することができる。
また、溝部39aが、B方向に対し傾斜しているから、用紙P上の画像に部分的な凹凸跡がつくことを防ぐことができる。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、定着装置のニップ部における場合のみを説明したが、二次転写位置など、その他のニップ部で、搬送される記録媒体の剥離に用いても良い。
また、上記実施形態においては、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置について述べたが、例えば、シート状の被搬送体を搬送する搬送装置など、その他の構成であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態を図を参照して説明する。
本発明の実施形態を説明する前に、従来構成とその問題点について詳細に説明する。
主に樹脂で構成されているトナーは圧接部で溶融し、定着ローラや定着ベルトに粘着する性質がある。このため、トナーにワックス成分を付加したり、定着ローラや定着ベルトの表面を離型性の材料で被覆したり、定着ローラや定着ベルトの表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布する等の様々なやり方を用いて、定着ローラや定着ベルトとトナーとが粘着することを防止している。
分離爪や分離板は、上記圧接部に接したり近接して配置されるため、圧接部を通過した直後の冷えていないトナー、すなわち溶融状態の残るトナーが分離爪や分離板の搬送面に接触する。
この際、分離爪や分離板の搬送面の表面性状が粗いと、溶融トナーが引っ掻かれ、筋画像となって出力されることとなる。
逆に、分離爪や分離板の搬送面の表面性状が平滑だと、溶融トナーとの密着性が高まって搬送抵抗となり、記録媒体の搬送品質が低下する。
また、分離爪や分離板の搬送面の表面性状を適正にして、筋画像が発生せず、且つ搬送品質問題が生じない条件を初期的に実現したとしても、通紙を繰り返すことによって、経時的に分離爪や分離板の表面性状は、記録媒体によって研磨され、平滑化することがある。
分離爪や分離板の表面性状が平滑になると、溶融トナーとの密着性が高まり、記録媒体の搬送品質が低下する。
また、例えば定着ローラや定着ベルトと微小なギャップを設けて分離爪や分離板等の分離部材を配置する分離構成の場合、分離部材の厚みとギャップ寸法を考慮すると、定着ニップ部の下流から離れた位置に分離部材を配置せざるを得ない。
定着ニップ部の下流から離れた位置では、記録媒体が定着ローラや定着ベルトに巻き付いた状態で上がり始める位置であるので、記録媒体の搬送方向に対して垂直方向の分力が強くなる。
したがって、分離部材への記録媒体上のトナーの接触力が増し、筋画像に対して不利となる。
上記のような問題は、近年、需要の高まっているコート紙と称される、表面に樹脂層をコーティングした記録媒体で顕著となる。コート紙は、通常の紙繊維の上に樹脂層をコーティングした記録媒体であり、定着装置にて加熱されると剛性(こし)が弱くなる。そのため、定着ローラや定着ベルトとトナーとの間の粘着力に対抗する記録媒体の剛性が弱く、分離爪や分離板へのトナーの接触力が強くなる。
これにより、上記の問題が顕著となる。
図19は、本発明の一実施形態に係る定着装置を有する画像形成装置の概要図である。画像形成装置全体の機構としては、従来知られている構成と基本的に同じである。すなわち、像担持体としての感光体ドラムの周囲に、画像を形成するために必要な所定の装置、例えば帯電手段、露光手段(書き込みユニット)、現像手段等が設けられている。
簡単に説明すると、給紙ユニット131によって、記録媒体としての用紙が転写部へ搬送される。一方、書き込みユニット132によって、原稿読み取りのスキャナによる信号や外部PC(パーソナルコンピュータ)による信号に基づいて、作像ユニット133内の感光体ドラム上に露光が行われ、潜像が形成される。
感光体ドラム上に形成された潜像は、作像ユニット133によってトナーにより可視像化され、中間転写ベルトに一次転写される。中間転写ベルトに一次転写されたトナー像は転写ユニット134によって、搬送されてきた用紙に二次転写される。
用紙に転写された未定着のトナー像は定着装置135で定着され、分離装置107によって定着装置135の定着ベルトから剥離され、機外へ排出される。両面画像形成の場合には、両面ユニット136で用紙が反転され、再び二次転写部へ搬送された後に、定着装置135、分離装置107を経て排紙される。
図20は、定着装置135、分離装置107を示す図で、定着ローラ及び加圧ローラの回転軸に対して垂直な方向の断面で表示している。
定着装置135の定着ベルト3内には定着ローラ102と加熱ローラ104とが備えられ、回転体としての定着ベルト103を介して定着ローラ102に対し他方の回転体としての加圧ローラ105が加圧されて定着ニップ部Nが形成されている。
加熱ローラ104と加圧ローラ105の内部には熱源であるハロゲンヒータ106が内蔵され、図の右側から搬送されて来る未定着トナー像を担持した用紙109を、定着ニップ部Nで挟持・加熱し、定着する構成である。
定着ベルト103は、例えば内径75mmで厚み90μmのポリイミド樹脂で形成された基体表層に、厚み200μmのシリコーンゴム、更に最外層には厚さ20μmのPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)コートが施されている。
定着ベルト103は、外径52mmで厚み14mmの発泡シリコーンゴム層を有する定着ローラ102と、外径35mmで厚み0.6mmのアルミニウム製の中空円筒から成る加熱ローラ104間に巻き掛けられている。
加圧ローラ105は、鋼製で厚み1mmの中空芯金の外周に厚み1.5mmのシリコーンゴムが被覆され、最外層にはPFAチューブを備えた外径50mmの構成である。
加圧ローラ105は定着ベルト103を介して定着ローラ102に対して3mm食い込み、およそ用紙搬送方向に14mmのニップ幅を形成している。
定着ニップ部の記録媒体搬送方向下流側で定着ベルト103の側には、用紙109を定着ベルト103から分離(剥離)するための分離装置107が備えられている。分離装置107は、先端が定着ニップ部側へ突出する平板状の分離部材101を有している。分離部材101は、分離対象である用紙の幅方向(回転体の軸方向)の最大幅に連続して平行に延びる平板状に形成されている。換言すれば、分離部材101は、定着ベルト103の回転軸方向において、最大画像領域以上の長さを有する。
分離部材101の形状を爪状とみなした場合、分離爪と称することもできる。
分離部材101により定着ベルト103から分離された用紙109は、その後、定着側ガイド板160と加圧側ガイド板161(図20参照)の案内によって排紙部へ搬送されることになる。
分離部材101は、図21に示すように、スライド用のピン156によってステー153に取り付けられ、図中上下方向に移動可能であるが、用紙搬送方向(通紙方向)には動かないように構成されている。
上記の位置調整機構で支持された分離部材101は、スライド用のピン156で位置決めされ、ステー153に装着されている。分離部材101とステー153との位置は、用紙搬送方向と直交する上下方向に調整可能となっている。
図22に示すように、ステー153の長手方向で両側端部の通紙領域外となる位置には、突き当て板155が備えられている。突き当て板155の先端が定着ベルト103に接触して摺動することで、定着ベルト103に対する分離部材101の位置決めがなされる。
分離装置107は長手方向両端に設けられた軸ピン154を介して定着装置135の側板に支持される。
これにより、図23に示すように、分離部材101の先端と定着ベルト103とのギャップGの管理を精度良くできる。
分離部材101は、可動ステー152に支持されており、ステー153と可動ステー152との間に配置されたコイルバネ158の付勢力下で調整ネジ157を回すことで定着ベルト103とのギャップGを微調整することができる。
分離部材101の定着ニップ部側の先端部は、0.2±0.1mmと薄くしてある。そのため、分離部材101の先端部を定着ニップ部Nにおける用紙搬送方向の下流端に近付けることができる。
これにより、定着ニップ部Nの出口(用紙搬送方向下流端)から出た用紙109を定着ベルト103から早く分離でき、画像に余分な熱量を与えることを防止できる。
図24に示すように、分離部材101は、剛性を有する金属製の板からなる分離部材本体110と、分離部材本体110の用紙109が接触する摺擦面110aに設けられた表面層としてのテープ状部材111とを有している。摺擦面110aは、定着ベルト103から分離された用紙109の画像形成面が擦りながら移動していく通紙ガイド面である。
テープ状部材111は、分離部材本体110の摺擦面110aだけでなく、分離部材本体110の先端部を経て摺擦面110aの反対側の面の一部を覆うように設けられている。
テープ状部材111は、用紙109との接触抵抗を減じるために離型性を有する材料、例えばフッ素樹脂(ここでは、テフロン(登録商標))で形成され、分離部材本体110に貼り付けて固定されている。
分離部材101の先端部の厚みは、テープ状部材111の厚みを含めて、0.5mm以下としている。このため、テープ状部材111を貼り付けた構成でも、分離部材101の先端部を定着ニップ部Nの出口に近付けることができる。これにより、分離部材101に対する用紙109の離型性の向上を図ることができると共に、定着ニップ部Nの出口から出てきた用紙109を定着ベルト103から早く引き剥がすことができる。その結果、用紙上の溶融トナーの冷却を早めることができ、画像に余分な熱量を与えることを防止することができる。
テープ状部材111は、摺擦面110aの用紙が実際に接触する面積を減じる形状を有している。具体的には、テープ状部材111の表面に複数の凸形状(凸部)が施され、凸形状のみに用紙が接触することにより摺擦面積を減じている。
図25は、テープ状部材111の表面に存在する凸部112を示す模式図である。凸部112の高さhは10μm以上であることが好ましい。
凸部112の下側の先端のみが用紙109と接触することで摺擦面積を減じることが可能であるが、用紙が剛体でないため凸部112の先端形状、高さ、間隔の設定により用紙との摺擦面積が変化する。
例えば凸部112の用紙搬送方向の間隔が広く高さが低い場合、用紙はテープ状部材111の凸部112間の凹部とも接することになり、摺擦面積を減じる効果が得られない場合がある。
凸部112の形状によりその数値は異なるが、概ね凸部間隔は3mm以下が好ましい。
凸部112の形状が球形状であっても、テープ状部材111、用紙109が剛体でないためその接触は接点のみとはならない。図26に示すように、接点から高さ10μm以内の範囲mは接触範囲と見なされる。図26において、符号w1は凸面の範囲を、w2は凹面の範囲を、w3は凸部112の間隔(ピッチ)を示している。
上記のように用紙が凸部112のみに接触する条件を満たした範囲で、摺擦面110aに対する用紙の実際の摺擦面積を減らした効果が確認されており、特に用紙搬送に対する効果が顕在化するためには用紙の実際の接触面積が、摺擦面110aの面積全体の70%以下に低減される場合である。但し、接触面積が70%以上だからといって効果が得られていないことではない。
図24は、テープ状部材111の表面に形成した凸部112の配置状態を示す模式的斜視図である。凸部112の形状は先端が球形状の円錐形状である。凸部112の形状の詳細は、前述のように高さ10μm以上、間隔は3mm以下、円錐形状の頂点から高さ10μm以内の摺擦面積が凸部加工前の面積に対して70%以下である。
このような凸部112の分布によって、用紙上のトナー画像が分離部材101に接触する面積を低減することができ、凸部112の形状において用紙搬送方向に平行な稜線もないのでトナー面を引っ掻くことによる筋画像の発生を抑制できる。
凸部112の円錐形状における底辺形状は円形に限らず、楕円形やその他の形状でも構わない。
凸部112の配置形態は、用紙のトナー画像面と分離部材101との主走査方向における接触面積が均一となるように、例えば千鳥状配置がより好ましい。
図28に凸部の変形例を示す。本例における凸部113は、楕円状に盛り上がった形状を有し、その長軸が用紙搬送方向DPに対して角度θになるように配置され、且つ分離部材101の中央を基準に矢印N3で示す主走査方向(分離部材101の長手方向)に亘って線対称に分布している。
換言すれば、凸部113は、用紙搬送方向に対して該搬送方向と直交する用紙の幅方向への傾き角θ1を有し、前記幅方向中央部を中心にして対称に且つ前記搬送方向下流側に向かって広がるように配置されている。
このように凸部を形成することによって、用紙上のトナー画像が分離部材に接触する面積を低減することができ、用紙搬送方向に平行な稜線もないのでトナー面を引っ掻くことによる筋画像の発生を抑制できる。
次にテープ状部材111への凸部112の加工方法について述べる。
凸部112の加工は、加工したい凸形状を予め施された押圧部材をテープ状部材111に押し付けることで変形させる押圧加工を採用している。
加工は、分離部材本体110へテープ状部材111を貼り付ける前後とも可能である。まず貼り付け後の加工の場合について述べる。
前述のようにテープ状部材111は柔らかいフッ素樹脂であり、分離部材本体110は剛体である。そのため、貼り付け後の加工の場合、フッ素樹脂を塑性変形させて凹凸形状を付与することとなる。この場合、テープ厚さが大きく変化する変形を含む。
薄肉のテープ状部材111(図29A参照)を、その裏面が剛体である分離部材本体110で支持された状態で塑性変形させ、かつ凹凸高さを稼ぐのは困難であり、凹凸高さの確保と必要ピッチの両立が難しいため、図29Bに示すように、加工の自由度は低くなる。
次に貼り付け前に加工する場合について述べる。凹凸加工する場合に、図30に示すように、押圧部材20と対向する受け部材が必要となるが、受け部材を剛体とする場合は前述の貼り付け後の加工の場合と同様で加工の自由度が小さくなる。
ここでは対向する受け部材が変形可能であり、押圧部材の加圧に対し変形が見込める部材を用いる。例えば、ゴム、スポンジ状の発泡部材等を採用できる。
この場合もテープ状部材111は塑性変形を伴うが、テープ厚さがあまり変化しないような塑性変形となる。そのため剛体に押し付ける場合よりも大きな凹凸を形成することが可能である。
押し型としての押圧部材20は、円周上に凸部を設けた円形状のものを回転させながら押し付けるのが一般的である。ここでは説明の簡易化のため平板上に凸部を設けた模式図にて説明する。
押圧部材20で押し付ける場合、適正な凹凸を形成するために押し込める幅の比率(凸部20aの幅P1の比率)は30%程度となる。比率を高くするとテープ状部材111全体を押し潰す結果となり、適正な凹凸が得られない。
しかし、押し込む比率が30%程度の場合、加工されたテープ状部材111上では画像摺擦面積は70%程度となり、摺擦面積の低減による効果が得られる限界の数値である。押し付け後に凸部112に平面部114が残るからである。
図30において、符号P2は凸部20aのピッチを示している。
押圧部材20により押し込まれたテープ状部材111の反対面111Rを見ると、押圧部材20の凸部20aが30%の比率で押し込まれているため、面積比率が低く、押し込みによりテープ状部材111が塑性変形しているため平面部が少ない。
この反対側の面111Rを用紙摺擦面とすることで、摺擦面積率の低いテープ面が得られる。
図31は、実際に加工されたテープ状部材111の表面粗さを接触式の表面粗さ計で測定した結果を示しており、押し込み面の反対側の面111Rが摺擦面積が小さくなっていることが分かる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
本願は、日本特許庁に2016年1月15日に出願された基礎出願2016-006528号、及び日本特許庁に2016年6月10日に出願された基礎出願2016-116321号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
6 定着装置
26 回転体(定着ベルト)
27 回転体(加圧ローラ)
36 分離部材
36a 分離部材の本体部
36b 表層部材(テープ部材)
37 先端部(エッジ部)
39 波状部
39a 凹部(溝部)
39b 凸部(突出部)
60 分離装置
100 画像形成装置
B 搬送方向
N 定着ニップ部(2次転写位置)
N2 ニップ部(定着ニップ)
P 被搬送体(記録媒体)(用紙)
Q 通紙領域
Y 幅方向
101 分離部材
103 回転体としての定着ベルト
105 回転体としての加圧ローラ
107 分離装置
109 記録媒体としての用紙
110 分離部材本体
111 表面層としてのテープ状部材
112 凸形状としての凸部
135 定着装置

Claims (18)

  1. 互いに当接する2つの回転体により形成されたニップ部から送り出される被搬送体を、前記2つの回転体から分離する分離部材であって、
    前記2つの回転体の中心線の垂線に対して所定の角度で傾斜して前記ニップ部に向けて取り付けられ、
    前記被搬送体の搬送方向と幅方向とにおいて前記被搬送体と当該分離部材とが当接しうる当接領域を占める波状部を有し、
    前記波状部は、前記搬送方向と前記幅方向とに対して傾斜する方向に延びた互いに平行な複数の凹部を有し、
    記凹部は、前記被搬送体の搬送方向と幅方向とにおいて前記被搬送体と当該分離部材とが当接しうる当接領域全域において前記搬送方向に少なくとも2つが重複するように形成される分離部材。
  2. 請求項1に記載の分離部材であって、
    前記分離部材の前記ニップ部の側に向いた先端部の表面に形成され、分離部材本体よりも摺動性の高い表層部材を有し、
    前記表層部材が前記波状部を形成することを特徴とする分離部材。
  3. 請求項2に記載の分離部材であって、
    前記表層部材がフッ素樹脂のテープ部材であることを特徴とする分離部材。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つに記載の分離部材であって、
    前記波状部は、隣り合う前記凹部が、前記搬送方向に直交する向きにおいて重複する部分を有していることを特徴とする分離部材。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載の分離部材であって、
    前記凹部は、前記当接領域の範囲内において、互いに隣り合う当該凹部が前記搬送方向で重複するように形成されることを特徴とする分離部材。
  6. 請求項1に記載の分離部材であって、
    前記幅方向に延びる単一の平板で構成されることを特徴とする分離部材。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つに記載の分離部材であって、
    前記所定の角度は、前記被搬送体に画像が形成される側とは反対方向に、前記垂線と10度以内の範囲であることを特徴とする分離部材。
  8. 請求項1乃至7の何れか1つに記載の分離部材であって、
    前記所定の角度は、前記ニップ部の搬送方向に対して平行であることを特徴とする分離部材。
  9. 請求項7又は8の何れか1つに記載の分離部材であって、
    前記凹部の深さが7.3μm以上であることを特徴とする分離部材。
  10. 請求項乃至9の何れか1つに記載の分離部材であって、
    前記凹部の深さが38μm以下であることを特徴とする分離部材。
  11. 前記分離部材の前記ニップと対向する側を分離部材上流部、前記分離部材上流と反対側を分離部材下流部、前記分離部材上流部と前記分離部材上流部の間を分離部材中流部としたとき、前記分離部材上流部に、前記凹部の深さが前記分離部材中流部より浅い浅溝部を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1つに記載の分離部材。
  12. 請求項11に記載の分離部材であって、
    前記浅溝部の深さが3μm以下であることを特徴とする分離部材。
  13. 請求項1乃至12の何れか1つに記載の分離部材であって、
    隣り合う前記凹部の間隔が1.2mm以下であることを特徴とする分離部材。
  14. 請求項に記載の分離部材であって、
    前記凹部が面押し加工により形成されることを特徴とする分離部材。
  15. 前記ニップ部を形成する前記2つの回転体と、前記ニップ部の前記搬送方向の下流側に設けられた請求項1乃至14のいずれか一項に記載の分離部材と、を有する定着装置。
  16. 前記2つの回転体と前記分離部材とは、前記2つの回転体と前記分離部材との間隔が、前記分離部材の前記幅方向の中央部よりも前記幅方向の端部の方が広がるように配置されることを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
  17. 請求項1乃至14の何れか1つに記載の分離部材と、前記ニップ部を形成する2つの前記2つの回転体と、を有し、前記被搬送体を記録媒体として画像を形成する画像形成装置。
  18. 請求項15または16に記載の定着装置を有する画像形成装置。
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