JP6436519B2 - ヘッドホン及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このようなヘッドホン40によれば、前記イヤーパッド4で使用者の耳51を囲むことによって音響的にヘッドホンユニット10から発生した音波が耳に加えられることになる。
前記背面開放型の場合、前記ハウジング20に音波が通り抜けるための開口が設けられる。また、半開放型の場合には、ハウジング20に網等の音響抵抗を用い、背面開放型と背面密閉型との間の性能で動作することになる。
そのため、ハウジング20の振動を抑える技術が求められるが、一般的に樹脂や強度の高い金属(アルミニウムやチタンなど)により形成されたハウジング20の振動を抑制することは困難であるという課題があった。また、振動を抑制するためにハウジング20の剛性を高くすることは、ヘッドホンの重量を増加させる原因となっていた。そのため、快適な装着感が犠牲になっていた。
尚、前記ハウジングの基材は、その外側表面に塗膜が形成されていることが望ましい。
また、前記金属繊維はアルミニウム繊維であることが望ましい。
このようにハウジングを金属繊維(アルミニウム繊維)から形成された基材で構成するため、製造時にアルミニウムの量や圧縮度を調整することにより、ハウジングに所望の音響抵抗値を持たせることができる。また、基材の表面に塗膜を形成し、塗膜の厚さによっても音響抵抗値を調整することもできる。
即ち、ハウジングが所望の音響抵抗値を有するヘッドホンを得ることができる。また、前記金属繊維(アルミニウム繊維)からなる基材を有するハウジングは、防振性に優れるため、ハウジングの振動に起因する異音の発生を防止することができる。
尚、前記基材の表面に塗料を塗装し、所定膜厚の塗膜が成膜されたハウジングを形成するステップにおいて、成膜する膜厚を調整することにより前記ハウジングの音響抵抗値を設定することが望ましい。
或いは、前記板部材を成型し、ハウジング形状の基材を作製するステップにおいて、前記基材の金属繊維の圧縮率を調整することにより前記ハウジングの音響抵抗値を設定するようにしてもよい。
このような方法によれば、製造時に塗膜の厚さを調整する、或いは基材の金属繊維の圧縮率を調整することにより、ハウジングに所望の音響抵抗値を持たせることができる。
即ち、ハウジングが所望の音響抵抗値を有する半開放型のヘッドホンを得ることができる。また、前記金属繊維(アルミニウム繊維)からなる基材を有するハウジングは、防振性に優れるため、ハウジングの振動に起因する異音の発生を防止することができる。
尚、本実施の形態においては、ボイスコイルの振動により振動板を駆動させるダイナミックヘッドホンを例に説明するが、それに限らず、その他の駆動方式、例えばコンデンサ型のヘッドホンにも適用することができる。
また、以下の説明においては、既に図5に示した従来のヘッドホンが有する部材と同様の部材については、同じ符号を用いるものとする。
前記ハウジング6は、その周縁がバッフル板2の周縁上に配置された円環状の枠部材3と、バッフル板2とによって狭持され、バッフル板2上に螺子5によって固定されている。
また、前記基材7は、アルミニウム繊維から形成されているため防振性を有する。それによりハウジング6は、不要な振動を抑制する効果を有する。
即ち、ハウジング6が所望の音響抵抗値を有するヘッドホン1を得ることができ、同じ素材のハウジング6によって、開放型、半開放型、密閉型のヘッドホン実現できるため、生産性も向上する。また、前記アルミニウム繊維からなる基材7を有するハウジング6は、防振性に優れるため、ハウジング6の振動に起因する異音の発生を防止することができる。また、軽量な基材によってハウジング6が構成されるため、装着感の良い軽量なヘッドホンが実現できる。
2 バッフル板
4 イヤーパッド
4a 表皮
4b 詰め部材
6 ハウジング
7 基材
8 塗膜
10 ヘッドホンユニット
50 頭部
51 耳
Claims (6)
- 音声信号を放音するヘッドホンユニットと、
前記ヘッドホンユニットを支持する開口部を有する環状のバッフル板と、
前記バッフル板の一方の面側に設けられ、聴者の耳部に宛がわれるイヤーパッドと、
前記バッフル板の他方の面側において前記ヘッドホンユニットと前記バッフル板とを覆うように設けられ、その周縁が前記バッフル板の周縁部に取り付けられたハウジングとを備え、
前記ハウジングは、金属繊維とエキスパンドメタルとにより形成された基材を有し、
前記ハウジングは、前記金属繊維の量、または圧縮率によって音響抵抗が設定されることを特徴とするヘッドホン。 - 前記ハウジングの基材は、その外側表面に塗膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたヘッドホン。
- 前記金属繊維はアルミニウム繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載されたヘッドホン。
- 金属繊維からなる板部材を成型し、ハウジング形状の基材を作製するステップと、
前記基材の表面に塗料を塗装し、所定膜厚の塗膜が成膜されたハウジングを形成するステップと、
音声信号を放音するヘッドホンユニットを支持する環状のバッフル板に対し、その一方の面側に、聴者の耳に宛がわれるイヤーパッドを接合するステップと、
前記バッフル板の他方の面側において該バッフル板と前記ヘッドホンユニットとを覆うように前記ハウジングの周縁を前記バッフル板の周縁部に取り付けるステップと、
を含むことを特徴とするヘッドホンの製造方法。 - 前記基材の表面に塗料を塗装し、所定膜厚の塗膜が成膜されたハウジングを形成するステップにおいて、
成膜する膜厚を調整することにより前記ハウジングの音響抵抗値を設定することを特徴とする請求項4に記載されたヘッドホンの製造方法。 - 前記板部材を成型し、ハウジング形状の基材を作製するステップにおいて、
前記基材の金属繊維の圧縮率を調整することにより前記ハウジングの音響抵抗値を設定することを特徴とする請求項4又は5に記載されたヘッドホンの製造方法。
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