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JP6425871B2 - 印刷装置、印刷方法、及び車両用のサンバイザの製造方法 - Google Patents

印刷装置、印刷方法、及び車両用のサンバイザの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷装置、印刷方法、及び車両用のサンバイザの製造方法に関する。
近年、様々な製品等への印刷にインクジェットプリンタを用いることが検討されている。例えば、従来、車両用のサンバイザの製造にインクジェットプリンタを用いることが考えられている(例えば、特許文献1、参照。)。また、特許文献1には、インクジェットプリンタを利用することにより、サンバイザの在庫管理負担を軽減できること等が開示されている。
特開2012−240490号公報
車両用の部品には、通常、長期間の使用や温度変化等に耐える耐久性等について、極めて高い品質が求められる。しかし、車両用のサンバイザを製造する場合において、単にインクジェットプリンタで印刷を行うのみでは、十分な耐久性が得られないおそれもある。そのため、車両用のサンバイザへの印刷を行う場合には、単にインクジェットプリンタで印刷を行うのみではなく、より高い耐久性等が得られる方法で印刷を行うこと等が望まれる。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷装置、印刷方法、及び車両用のサンバイザの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)車両用のサンバイザの組立完成体の外表面へインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、組立完成体の外表面に着色層を形成するためのインクである着色用インクのインク滴を吐出する着色用インクジェットヘッドと、着色層を覆う透光性の層であるオーバーコート層を形成するためのインクであるオーバーコート用インクのインク滴を吐出するオーバーコート用インクジェットヘッドと、組立完成体の外表面上へ所定の色の下地層を形成するためのインクである下地用インクのインク滴を吐出する下地用インクジェットヘッドとを備え、着色用インクジェットヘッドは、下地層上に着色層を形成し、着色用インク及びオーバーコート用インクは、紫外線硬化型インクであり、オーバーコート用インクは、硬化後に120%以上伸びるインクであり、組立完成体の外表面は、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、又は布地のいずれかで形成されており、下地用インクは、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、及び布地の全てに対して印刷が可能な白色のインクであり、着色層は、コーションマークを示すインクの層であり、下地層上においてコーションマークを示すために必要な部分に形成される。
着色層とは、例えば文字又は図柄等のデザインが描画されるインクの層である。着色用インクは、例えば、YMCKインク等のカラーインクである。着色用インクは、例えば、サンバイザのコーションマーク等を印刷するためにインクであってよい。オーバーコート用インクは、例えばクリアインクである。また、車両用のサンバイザの組立完成体とは、例えば、コーションマーク等が印刷される外表面を構成する表皮部材により板状の芯材を被覆する状態にまで組み立てを完成させた物である。
車両の室内は、冬季には屋外同様の低温になり、夏期には屋外以上の高温となる。また、車両用のサンバイザは、使用時において、強い直射日光に曝される場合がある。そのため、車両用のサンバイザには、このような激しい温度変化等に耐え得る耐候性が求められる。また、車両用のサンバイザは、ドライバ等の乗員の操作により手が触れる部品であるため、印刷した文字等について、高い耐擦過性が求められる。
これに対し、本願の発明者は、鋭意研究により、車両用のサンバイザの組立完成体へ単に着色層を形成するのみでは、十分な耐候性及び耐擦過性が得られないおそれがあることを見出した。また、更なる鋭意研究により、着色層上にオーバーコート層を形成することで、車両用のサンバイザに求められる十分な品質を達成し得ることを見出した。
そのため、このように構成すれば、例えば、車両用のサンバイザに対し、インクジェット方式での印刷を適切に行うことができる。また、これにより、インクジェットプリンタを用いた車両用のサンバイザの製造を適切に行うことができる。
(構成2)オーバーコート用インクは、硬化後に可撓性樹脂となる紫外線硬化型インクである。硬化後に可撓性樹脂となるインクとは、例えば、硬化後の状態が柔軟性を有し、伸びるインクである。オーバーコート用インクは、硬化後に120%以上伸びるインクであることが好ましい。
本願の発明者は、鋭意研究により、柔軟性の低いオーバーコート層を着色層上に設けた場合、例えばサンバイザの組立完成体の外表面の材質等によっては、使用時に欠損やひび割れが生じるおそれがあることを見出した。例えば、外表面の材質が布地の場合、布地の柔軟な動きの影響等により、オーバーコート層に欠損やひび割れが生じる場合があることを見出した。これに対し、このように構成すれば、オーバーコート層について、欠損やひび割れを適切に防ぐことができる。
尚、オーバーコート用インクについて、例えば硬化後の柔軟性が不十分な場合、オーバーコート層が脆くなることが考えられる。一方で、オーバーコート用インクの硬化後の柔軟性が高すぎる場合、オーバーコート層の耐摩耗性が低下するおそれもある。そのため、そのため、オーバーコート用インクは、例えば120〜250%伸びるインクであることが好ましい。また、オーバーコート用インクは、例えば140〜200%程度伸びるインクであることがより好ましい。このように構成すれば、例えば、オーバーコート層について、必要な柔軟性と、耐摩耗性とを適切に両立できる。このようなオーバーコート用インクとしては、例えばスリップ材を添加したインクを好適に用いることができる。
(構成3)着色用インク及びオーバーコート用インクは、紫外線硬化型インクである。この場合、印刷装置は、例えば、紫外線照射部を更に備える。このように構成すれば、例えば、着色層及びオーバーコート層を適切に形成できる。
(構成4)組立完成体の外表面上へ所定の色の下地層を形成するためのインクである下地用インクのインク滴を吐出する下地用インクジェットヘッドを更に備え、着色用インクジェットヘッドは、下地層上に着色層を形成する。下地用インクとしては、例えば白色のインクを好適に用いることができる。下地用インクは、例えば白以外の淡色のインクであってもよい。
車両用のサンバイザの組立完成体について、印刷前の外表面の色は一律に決まっておらず、様々な色のものが使用される可能性がある。そのため、組立完成体の外表面の色によっては、着色層インクで印刷した内容が視認し難くなることも考えられる。例えば、組立完成体の外表面の色が濃色の場合、単に着色層インクで印刷を行うのみでは、着色層インクで印刷した内容(コーションマーク等)が視認し難くなることも考えられる。
これに対し、このように構成すれば、例えば、所定の色の下地層上に着色層を形成することにより、組立完成体の外表面における印刷前の色の影響を適切に抑えることができる。また、これにより、着色用インクジェットヘッドにより、コーションマーク等をより適切に印刷できる。
(構成5)組立完成体の外表面は、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、又は布地のいずれかで形成されており、下地用インクは、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、及び布地の全てに対して印刷が可能なインクである。
車両のサンバイザの外表面は、例えば車種やグレード等に応じて、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、又は布地等の様々な素材で形成される。また、サンバイザの組立完成体の外表面への印刷は、外表面の素材に合わせたインクで行うことが好ましい。しかし、外表面の素材に合わせてのインクの変更が必要になると、多品種のサンバイザを効率的に製造することが困難になるおそれがある。
これに対し、このように構成すれば、下地用インクとして、組立完成体の外表面の素材によらず、同じインクを使用できる。また、着色用インクについても、同じ下地用インクの上へ印刷することになるため、組立完成体の外表面の素材によらず、同じインクを使用できる。そのため、このように構成すれば、例えば、多品種のサンバイザをより効率的に製造することができる。
(構成6)着色用インクジェットヘッドは、組立完成体の外表面において予め設定された描画領域の中に、着色層を形成し、印刷装置は、完成したサンバイザの地の色となる地色用インクのインク滴を吐出する地色用インクジェットヘッドを更に備え、地色用インクジェットヘッドは、組立完成体の外表面における描画領域以外の領域を、地色用インクで塗りつぶす。組立完成体について、印刷前の外表面の色は、例えば白色とすることが好ましい。印刷前の外表面の色は、例えば白以外の淡色であってもよい。
このように構成した場合、着色用インクジェットヘッドは、印刷前の外表面の色(白色等)のままである描画領域に対し、着色層インクによる印刷を行う。そのため、このように構成すれば、例えば、完成後のサンバイザにおける地の色によらず、着色層インクにより印刷される内容の視認性を保つことができる。また、印刷後のサンバイザにおいて、描画領域以外の部分は、所定の地色用インクで塗りつぶされる。そのため、このように構成すれば、更に、完成後のサンバイザの地の色を、所望の色にすることができる。また、これにより、例えば、着色用インクジェットヘッドにより、コーションマーク等をより適切に印刷できる。
(構成7)着色用インクは、組立完成体の外表面に着弾した後に溶媒を蒸発させることが必要なインクであり、オーバーコート用インクは、紫外線硬化型インクであり、印刷装置は、オーバーコート用インクを硬化させるための紫外線を発生する紫外線照射部を更に備え、かつ、紫外線照射部は、紫外線の照射に伴って発生する熱により、組立完成体の外表面に着弾した着色用インクを加熱する。着色用インクは、例えば、ソルベントインク、ソルベントUVインク、又はラテックスインクのいずれかであってよい。
溶媒を乾燥させる必要があるインクを用いる場合、インクの滲み等を防いで適切に印刷を行うためには、通常、何らかの方法で加熱を行う必要がある。そのため、例えば紙やフィルム等の媒体に対してインクジェットプリンタで印刷を行う場合、通常、媒体の裏面側に設けたヒータ等により、媒体を加熱する。
しかし、車両用のサンバイザの組立完成体の外表面への印刷を行う場合、例えば紙やフィルム等と比べて厚みが大きいため、このような一般的なヒータを用いることが難しい場合もある。これに対し、上記のように構成すれば、組立完成体の外表面に着弾した着色用インクに対し、適切に加熱を行うことができる。また、これにより、着色用インクを組立完成体の外表面に適切に定着させることができる。更には、着色用インクとして、例えば必要な要求品質等に合わせ、様々なインクを使用することも可能となる。
(構成8)車両用のサンバイザの組立完成体の外表面へインクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、組立完成体の外表面に着色層を形成するためのインクである着色用インクのインク滴を吐出する着色用インクジェットヘッドと、着色層を覆う透光性の層であるオーバーコート層を形成するためのインクであるオーバーコート用インクのインク滴を吐出するオーバーコート用インクジェットヘッドとを用いて印刷を行う。このように構成すれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。
(構成9)車両用のサンバイザの製造方法であって、サンバイザの組立完成体を準備し、組立完成体に対し、組立完成体の外表面に着色層を形成するためのインクである着色用インクのインク滴を吐出する着色用インクジェットヘッドと、着色層を覆う透光性の層であるオーバーコート層を形成するためのインクであるオーバーコート用インクのインク滴を吐出するオーバーコート用インクジェットヘッドとを用いて印刷を行う。このように構成すれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、例えば、車両用のサンバイザに対し、インクジェット方式での印刷を適切に行うことができる。また、これにより、インクジェットプリンタを用いた車両用のサンバイザの製造を適切に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る印刷装置を用いて製造されるサンバイザ100の構成の一例を示す図である。図1(a)は、完成状態のサンバイザ100の構成の一例を示す。図1(b)は、印刷装置による印刷対象となるサンバイザ100の本体部102の構成の一例を示す。図1(c)は、印刷装置により形成されるインクの層の構成の一例を示す。 下地層302、着色層304、及びオーバーコート層306を形成する方法の一例を示す図である。図2(a)は、サンバイザ100の本体部102への印刷を行う印刷装置10の構成の一例を示す。図2(b)は、本例の印刷装置10による印刷の動作の一例を示すフローチャートである。 サンバイザ100の情報印刷領域への印刷の第1変形例を示す図である。図3(a)は、第1変形例における完成状態のサンバイザ100の構成の一例を示す。図3(b)は、第1変形例において印刷装置により形成されるインクの層の構成の一例を示す。 サンバイザ100の情報印刷領域への印刷の第2変形例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置を用いて製造されるサンバイザ100の構成の一例を示す。図1(a)は、完成状態のサンバイザ100の構成の一例を示す。図1(b)は、印刷装置による印刷対象となるサンバイザ100の本体部102の構成の一例を示す。図1(c)は、印刷装置により形成されるインクの層の構成の一例を示す。
本例において、サンバイザ100は、車両用のサンバイザであり、本体部102における所定の情報印刷領域104に印刷装置により印刷を行うことで製造される。本体部102は、サンバイザ100の本体部分の構成であり、図1(b)に示すように、芯材202と表皮部材204とを有する。芯材202は、板状の発泡芯材であり、サンバイザ100の略全体形状を形成すべく、平面視略長方形状に形成されている。また、芯材202は、例えば、発泡ビーズ(例えばポリプロピレン)等を用いて発泡成形される。表皮部材204は、芯材202を被覆してサンバイザ100の外表面を構成する袋状体である。本例において、表皮部材204は、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、又は布地のいずれかで形成される。また、表皮部材204の素材に応じて、本体部102の外表面は、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、又は布地のいずれかで形成される。
尚、本体部102の構成は、例えば従来公知サンバイザにおける本体部と同一又は同様であってよい。また、本例において、本体部102は、情報印刷領域104への印刷を行う前に組み立てられる。そのため、情報印刷領域104への印刷を行う時点において、本体部102は、その時点におけるサンバイザ100の組立完成体に相当する。
また、情報印刷領域104は、例えば注意事項を示すコーションマーク等の情報をサンバイザ100に表示する領域である。情報印刷領域104は、例えば、従来のサンバイザの構成においてコーションラベルが貼付されていた領域と同一又は同様の領域であってよい。また、サンバイザ100は、図1(a)に示した面と反対側の面にも情報印刷領域104を有してよい。また、本例において、情報印刷領域104には、インクジェット方式で印刷を行う印刷装置(インクジェットプリンタ)により、紫外線硬化型インク(UVインク)を用いて、下地層302、着色層304、及びオーバーコート層306の少なくとも三層のインク層が形成される。
下地層302は、着色層304の下地となるインクの層(アンダーコート層)であり、本体部102の外表面上へ、所定の色の下地用インクで形成される。本例において、下地用インクは、白色のインクである。下地用インクとしては、例えば、酸化チタンを顔料とする紫外線硬化型インクを好適に用いることができる。また、このインクは、例えば、アクリル酸エステルを40〜60%、二アクリル酸ヘキサメチレンを20〜30%、開始剤(例えば、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィン=オキシド)を10〜15%含むインクであってよい。また、更に必要な各種添加材を含んでよい。また、下地用インクは、例えば白以外の淡色のインクであってもよい。
着色層304は、着色用インクにより情報印刷領域104において示す情報等の印刷がされるインクの層であり、印刷すべき内容に応じて、下地層302上において必要な部分に形成される。着色用インクとしては、カラー印刷用の紫外線硬化型インクを好適に用いることができる。本例において、着色用インクは、YMCKの各色の紫外線硬化型インクである。YMCKの各色の着色用インクは、公知の各種着色剤を含む紫外線硬化型インクであってよい。例えば、Y(イエロー)色の着色剤としては、ニッケル化合物等を好適に用いることができる。M(マゼンタ)色の着色剤としては、キナクリドンマゼンタ等を好適に用いることができる。C(シアン)色の着色剤としては、銅フタロシアニン化合物等を好適に用いることができる。これらの各色のインクは、例えば、アクリル酸エステルを40〜60%、二アクリル酸ヘキサメチレンを30〜35%、開始剤を10〜15%含むインクであってよい。また、更に必要な各種添加材を含んでよい。
オーバーコート層306は、着色層304を覆う透光性のインクの層であり、オーバーコート用インクにより、少なくとも着色層304が形成されている領域を覆うように形成される。また、これにより、オーバーコート層306は、着色層304を保護する。オーバーコート用インクは、例えば公知の透明のクリアインクであってよい。例えば、オーバーコート用インクは、アクリル酸エステルを50〜60%、二アクリル酸ヘキサメチレンを30〜35%、開始剤(例えば、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィン=オキシド)を10〜15%含むインクであってよい。また、更に必要な各種添加材を含んでよい。
また、オーバーコート用インクは、硬化後に可撓性樹脂となる紫外線硬化型インクであることが、より好ましい。硬化後に可撓性樹脂となるインクとは、例えば、硬化後の状態が柔軟性を有し、伸びるインクである。オーバーコート用インクは、硬化後に120%以上伸びるインクであることが好ましい。このように構成すれば、例えば、サンバイザ100の使用条件がより厳しい場合においても、オーバーコート層に欠損やひび割れが生じることをより適切に防ぐことができる。
ここで、オーバーコート用インクについて、例えば硬化後の柔軟性が不十分な場合、オーバーコート層306が脆くなることが考えられる。一方で、オーバーコート用インクの硬化後の柔軟性が高すぎる場合、オーバーコート層306の耐摩耗性が低下するおそれもある。そのため、そのため、オーバーコート用インクは、例えば120〜250%伸びるインクであることが好ましい。また、オーバーコート用インクは、例えば140〜200%程度伸びるインクであることがより好ましい。
このように構成すれば、オーバーコート用インクの必要な性能をより適切に得ることができる。オーバーコート用インクの必要な性能とは、例えば、車両用のサンバイザ100として十分な耐候性及び耐擦過性が得られることである。また、表面が低摩擦係数であること、洗剤等に対する耐薬品性が高いこと、色移りしないこと、オーバーコート層306の黄変等が生じないこと等も望まれる。
尚、オーバーコート用インクについて、例えば140%程度伸びるインクとするためには、例えば、アクリル酸エステルの含有量を55〜65%、二アクリル酸ヘキサメチレンを20〜30%とするクリアインクを用いることが考えられる。より具体的に、このようなオーバーコート用インクとしては、例えばミマキエンジニアリング社製のLF−140型のクリアインクを好適に用いることができる。
また、オーバーコート用インクについて、例えば200%程度伸びるインクとするためには、例えば、イソボニルアクリレート、アミン変性アクリル酸オリゴマー、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、及びアクリルエステルを含むクリアインクを用いることが考えられる。より具体的に、このようなオーバーコート用インクとしては、例えばミマキエンジニアリング社製のLF−200型のクリアインクを好適に用いることができる。このように構成すれば、例えば、オーバーコート層306について、必要な柔軟性と、耐摩耗性とをより適切に両立できる。
また、オーバーコート用インクは、例えば、硬化後に滑り性を有するインクであることがより好ましい。このようなオーバーコート用インクとしては、例えばスリップ材を添加したインクを好適に用いることができる。また、その他にも、オーバーコート用インクとして、必要な性能を満たす公知の各種の伸びる性質のクリアインクを用いることが考えられる。
続いて、下地層302、着色層304、及びオーバーコート層306を形成する方法について、更に詳しく説明をする。図2は、下地層302、着色層304、及びオーバーコート層306を形成する方法の一例を示す。図2(a)は、サンバイザ100の本体部102への印刷を行う印刷装置10の構成の一例を示す。尚、以下に説明する事項以外の点について、本例の印刷装置10の各部は、公知のインクジェットプリンタの各部と同一又は同様であってよい。また、印刷装置10は、印刷に必要な各種構成として、公知のインクジェットプリンタと同一又は同様の構成を更に備えてもよい。
本例において、印刷装置10は、インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであり、複数のインクジェットヘッド12w、12y、12m、12c、12k、12CL、紫外線照射部14、キャリッジ16、ガイドレール18、及びテーブル20を備える。
複数のインクジェットヘッド12w、12y、12m、12c、12k、12CL(以下、インクジェットヘッド12w〜CLとする)は、紫外線硬化型インクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。本例において、複数のインクジェットヘッド12w〜CLは、例えば、600dpi以上の解像度(例えば720×900dpi等)で印刷を行うインクジェットヘッドであり、印刷装置10において予め設定された主走査方向(Y方向)へ並べて配設される。
インクジェットヘッド12wは、下地用インクジェットヘッドの一例であり、下地用インクとして用いる白色インクのインク滴を吐出する。また、これにより、インクジェットヘッド12wは、サンバイザ100の本体部102における情報印刷領域(以下、サンバイザ100の情報印刷領域という)に、下地層302(図1参照)を形成する。
インクジェットヘッド12y、12m、12c、12k(以下、インクジェットヘッド12y〜kとする)は、着色用インクジェットヘッドの一例であり、着色用インクとして用いるYMCKの各色のインクのインク滴を、下地層302上に吐出する。これにより、インクジェットヘッド12y〜kは、下地層302上に着色層304(図1参照)を形成する。
インクジェットヘッド12CLは、オーバーコート用インクジェットヘッドの一例であり、オーバーコート用インクとして用いるクリアインクのインク滴を、着色層304上に吐出する。これにより、インクジェットヘッド12CLは、着色層304上にオーバーコート層306(図1参照)を形成する。
紫外線照射部14は、紫外線硬化型インクを硬化させるための紫外線を発生する光源部であり、例えばUVLED又はメタルハライドランプ等により紫外線を発生し、本体部102上へ着弾した紫外線硬化型インクに紫外線を照射することにより、本体部102上のインクを硬化させる。また、本例において、紫外線照射部14は、複数のインクジェットヘッド12w〜CLの並びにおけるY方向の一方側及び他方側にそれぞれ配設される。
キャリッジ16は、サンバイザ100の情報印刷領域と対向させて複数のインクジェットヘッド12w〜CLを保持する部材である。また、本例において、キャリッジ16は、複数のインクジェットヘッド12w〜CLの並びの両端に、紫外線照射部14を更に保持する。ガイドレール18は、Y方向へ移動可能にキャリッジ16を支持するレール部材である。テーブル20は、印刷対象の媒体(メディア)であるサンバイザ100の本体部102を上面に載置する台状部材である。テーブル20は、例えばサンバイザ100の形状に合わせたアタッチメント部材を用いて、サンバイザ100の本体部102を保持してもよい。
以上の構成により、印刷装置10は、主走査動作及び副走査動作を行って、サンバイザ100の本体部102の情報印刷領域への印刷を行う。主走査動作とは、複数のインクジェットヘッド12w〜CLの一部又は全てがインク滴を吐出しつつY方向へ移動する印刷の動作である。本例において、印刷装置10は、ガイドレール18に沿ってキャリッジ16を移動させることにより、主走査動作を行う。
また、副走査動作とは、Y方向と直交するX方向へ、印刷対象の媒体に対して相対的に、インクジェットヘッド12w〜CLを移動させる動作である。本例において、印刷装置10は、例えば、主走査動作の合間にガイドレール18をX方向へ移動させることにより、副走査動作を行う。また、副走査動作においては、例えば、インクジェットヘッド12w〜CLの位置を固定して、印刷対象の媒体の側を移動させてもよい。この場合、印刷装置10は、例えば、テーブル20を移動させることにより、テーブル20に載置されているサンバイザ100の本体部102を移動させる。
本例によれば、サンバイザ100の情報印刷領域に対し、インクジェットヘッド12w〜CLにより、必要な印刷を適切に行うことができる。続いて、情報印刷領域への印刷の動作について、更に詳しく説明をする。図2(b)は、本例の印刷装置10による印刷の動作の一例を示すフローチャートであり、情報印刷領域の各部に対してインクジェットヘッド12w〜CLのそれぞれによりインクを吐出するタイミング、及び、インクを硬化させるタイミングの一例を示す。
本例において、印刷装置10は、下地用インク、着色用インク、及びオーバーコート層インクのそれぞれがサンバイザ100の本体部102に着弾する毎に、上層のインクが着弾する前に、1回の紫外線照射によりインクを硬化させる。より具体的に、印刷装置10は、情報印刷領域における各位置に対し、先ず、インクジェットヘッド12wにより、下地用インクである白色インクのインク滴を吐出し(S102)、着弾した白色インクに紫外線照射部14で紫外線を照射することにより、白色インクを硬化させる(S104)。
この動作において、白色インクのインク滴の吐出と、白色インクに対する紫外線の照射硬化は、例えば、1回の主走査動作の中で同時に行うことができる。この場合、インクジェットヘッド12w以外のインクジェットヘッドは、インク滴を吐出しない状態で、インクジェットヘッド12wと共にY方向へ移動する。このように構成すれば、例えば、主走査動作においてインクジェットヘッド12w及び紫外線照射部14が通過した領域に対し、下地層302を適切に形成できる。
続いて、下地層302が形成された領域に対し、印刷装置10は、インクジェットヘッド12y〜kにより、着色用インクであるYMCKインクのインク滴を吐出し(S106)、着弾したYMCKインクに紫外線照射部14で紫外線を照射することにより、YMCKインクを硬化させる(S108)。YMCKインクのインク滴の吐出と、YMCKインクに対する紫外線の照射硬化は、例えば、1回の主走査動作の中で同時に行うことができる。また、この場合、インクジェットヘッド12y〜k以外のインクジェットヘッドは、インク滴を吐出しない状態で、インクジェットヘッド12y〜kと共にY方向へ移動する。このように構成すれば、例えば、主走査動作においてインクジェットヘッド12y〜k及び紫外線照射部14が通過した領域に対し、下地層302上に着色層304を適切に形成できる。
続いて、下地層302及び着色層304が形成された領域に対し、印刷装置10は、インクジェットヘッド12CLにより、オーバーコート用インクであるクリアインクのインク滴を吐出し(S110)、着弾したクリアインクに紫外線照射部14で紫外線を照射することにより、クリアインクを硬化させる(S112)。クリアインクのインク滴の吐出と、クリアインクに対する紫外線の照射硬化は、例えば、1回の主走査動作の中で同時に行うことができる。また、この場合、インクジェットヘッド12CL以外のインクジェットヘッドは、インク滴を吐出しない状態で、インクジェットヘッドCLと共にY方向へ移動する。このように構成すれば、例えば、主走査動作においてインクジェットヘッド12CL及び紫外線照射部14が通過した領域に対し、着色層304上にオーバーコート層306を適切に形成できる。
尚、本例において、上記の動作(S102〜S112)は、インクジェットヘッド12w〜CLと対向する一の主走査領域へ下地層302、着色層304、及びオーバーコート層306を形成する動作である。主走査領域とは、印刷媒体の被印刷面において、1回の主走査動作よってその上をインクジェットヘッド12w〜CLが通過する領域である。また、印刷装置10は、一の主走査領域に対して上記のS102〜S112の動作を順次行う毎に、副走査動作を行い、インクジェットヘッド12w〜CLと次の主走査領域とを対向させる。
本例によれば、サンバイザ100の情報印刷領域に対し、インクジェット方式での印刷を適切に行うことができる。また、これにより、車両用のサンバイザ100の製造工程において、インクジェットプリンタによるコーションマーク等の印刷を適切に行うことができる。
また、本例においては、所定の色の下地層302の上に着色層304を形成するため、サンバイザ100の本体部102における印刷前の外表面の色によらず、着色層304において印刷がされた情報の視認性を適切に高めることができり。そのため、本例によれば、サンバイザ100に対し、視認性の高いコーションマーク等を適切に印刷できる。また、着色層304上にオーバーコート層306を形成することにより、耐候性及び耐擦過性等を適切に高めることができる。また、これにより、印刷により形成されるコーションマーク等について、車両用のサンバイザ100に求められる品質を適切に満たすことができる。
続いて、本例の印刷装置10について、より好ましい構成及び変形例等について、説明をする。車両のサンバイザ100において、外表面を構成する表皮部材204(図1参照)は、例えば車種やグレード等に応じて、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、又は布地等の様々な素材で形成される。そのため、下地用インクとしては、例えば、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、及び布地の全てに対して印刷が可能なインクを用いることが好ましい。このように構成すれば、例えば、サンバイザ100の外表面の素材によらず、同じインクを使用できる。また、これにより、例えば、多品種のサンバイザ100をより効率的に製造することができる。
また、サンバイザ100の両面への印刷を行う場合、印刷装置10は、例えば、一方の面への印刷が終わった後にサンバイザ100の本体部102の表裏を反転させることにより、他方の面への印刷を行う。また、印刷装置10のテーブル20上へのサンバイザ100の設置や本体部102の表裏の反転等は、例えば搬送用ロボット等を用いて自動的に行うことが好ましい。
また、本例においては、紫外線硬化型インクを用いて印刷を行うことにより、揮発性有機化合物の使用を適切に抑えた低VOCの環境を適切に実現できる。しかし、例えばサンバイザ100の表皮部材204として布地の部材を用いた場合、下地層302の形成時において、下地用インクに含まれるモノマー等が、布目の内部に侵入することも考えられる。そして、この場合、紫外線を照射しても硬化しない未硬化の残留モノマーが残存するおそれもある。そのため、布地の表皮部材204等を用いる場合等には、残留モノマーをより適切に低減することが望ましい。
そして、そのためには、例えば、下地層302の形成時において、例えばインクの着弾直後にインクを硬化させること等により、布目の内部にモノマー成分が侵入する前に下地用インクを硬化させることが好ましい。このように構成すれば、例えば、残留モノマーをより適切に低減することができる。
また、残留モノマーの発生を防ぐためには、下地層302の形成を、紫外線硬化型インク以外のインクで行うことも考えられる。例えば、下地用インクとして、安全性のより高い水性インク等を用いることも考えられる。また、この場合も、下地層302及び着色層304の上にオーバーコート層306を形成することにより、必要な耐候性等を適切に確保できる。
また、印刷装置10において、インクジェットヘッド12w〜CL、及び紫外線照射部14の配置等は、図2(a)に示した構成と異ならせることも考えられる。この場合、下地層302、着色層304、及びオーバーコート層306の形成の仕方は、インクジェットヘッド12w〜CL、及び紫外線照射部14の配置等に合わせて適宜変更することが好ましい。
例えば、図2(a)に示した構成に対し、インクジェットヘッド12wとインクジェットヘッド12y〜kとの間や、インクジェットヘッド12y〜kとインクジェットヘッド12CLとの間に、更に紫外線照射部14を配設すること等も考えられる。このように構成すれば、例えば、1回の主走査動作により、その主走査動作と対応する主走査領域に対し、下地層302、着色層304、及びオーバーコート層306のうち、複数の層を同時の形成することができる。また、これにより、情報印刷領域への印刷を、より効率的に行うことができる。
また、インクジェットヘッド12wとインクジェットヘッド12y〜kのX方向における位置をずらすことや、インクジェットヘッド12y〜kとインクジェットヘッド12CLとのX方向の位置をずらすこと等も考えられる。この場合、紫外線照射部14は、例えば、X方向の位置がずれた各インクジェットヘッドに対応する位置にそれぞれ配設される。このように構成した場合も、例えば、1回の主走査動作により、下地層302、着色層304、及びオーバーコート層306のうち、複数の層を同時の形成することができる。また、これにより、情報印刷領域への印刷を、より効率的に行うことができる。
また、サンバイザ100の情報印刷領域への印刷は、更に他の方法で行うことも考えられる。そこで、以下、情報印刷領域への印刷について、更なる変形例(以下、第1変形例、及び、第2変形例とする)を説明する。
図3は、サンバイザ100の情報印刷領域への印刷の第1変形例を示す。図3(a)は、第1変形例における完成状態のサンバイザ100の構成の一例を示す。図3(b)は、第1変形例において印刷装置により形成されるインクの層の構成の一例を示す。尚、以下に説明する点を除き、図3において、図1及び図2と同じ符号を付した構成は、図1及び図2における構成と同一又は同様の特徴を有する。
本変形例において、サンバイザ100の本体部102における被印刷面(以下、サンバイザ100の被印刷面という)は、描画領域402と地色領域404とに分けられる。このうち、描画領域402は、コーションマーク等が印刷される情報印刷領域104を含む領域である。描画領域402は、例えば、情報印刷領域104よりもやや広く、情報印刷領域104を囲む領域であってよい。描画領域402は、情報印刷領域104と同一の領域であってもよい。また、地色領域404は、サンバイザ100の被印刷面における描画領域402以外の領域である。
また、本変形例においては、印刷前において外表面の色が白色、又は白以外の淡色の本体部102を用いる。また、例えば、使用する印刷装置は、例えば、図2(a)に示した印刷装置10に対し、インクジェットヘッド12wに代えて、地色用インクジェットヘッドを備える。地色用インクジェットヘッドは、完成したサンバイザ100の地の色となる地色用インクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。
尚、地色用インクの色は、例えば、灰色である。また、地色用インクの色は、サンバイザ100が取り付けられる車両の車種や仕様に応じて決定される。また、例えばCMYKインクを地色用インクとして用いることも考えられる。この場合、例えば、インクジェットヘッド12y〜kを地色用インクジェットヘッドとして兼用してもよい。
また、サンバイザ100の本体部102への印刷時において、印刷装置は、インクジェットヘッド12y〜k(図2参照)により、本体部102の描画領域402に対して、下地層を形成することなく、着色層304を形成する。また、着色層304の上に、インクジェットヘッド12CL(図2参照)により、オーバーコート層306を形成する。
また、印刷装置は、本体部102の地色領域404を、地色用インクジェットヘッドにより、地色用インクで塗りつぶす。これにより、地色用インクの層である地色層308を地色領域404に形成し、本体部102の被印刷面における描画領域402以外の領域の色を、完成したサンバイザ100の地の色にする。
尚、地色用インクジェットヘッドによる印刷は、例えば、インクジェットヘッド12y〜k又はインクジェットヘッド12CLの印刷と同時に行ってもよい。また、地色領域404において、印刷装置は、オーバーコート層306を、地色インクの層の上にも形成してもよい。
このように構成した場合、着色層304の背景色は、印刷前の本体部102の外表面の色である白又は淡色となる。そのため、着色層304の下に下地層を形成しなくても、描画領域402に印刷された内容の視認性を適切に確保できる。また、所望の色のインクを地色用インクとして用い、地色領域404を塗りつぶすことにより、完成したサンバイザ100の地の色を、所望の色とすることができる。そのため、このように構成した場合も、車両用のサンバイザ100の製造工程において、インクジェットプリンタによるコーションマーク等の印刷を適切に行うことができる。
ここで、図1等を用いて説明をした構成においては、白色等の下地層の上に印刷を行うことにより、情報印刷領域104に印刷された内容の視認性を高めている。しかし、白色のインクは、例えば用いる顔料等の影響により、サンバイザ100の外表面を構成する素材によっては、適切に印刷を行うことが困難な場合もある。これに対し、本変形例によれば、例えば、白色等のインクを用いることなく、情報印刷領域104に印刷された内容の視認性を適切に高めることができる。また、これにより、サンバイザ100の表皮部材204(図1参照)として、より様々な素材の部材を用いることが可能となる
また、本変形例においては、着色用インク及び地色用インクとして、紫外線硬化型インク以外のインクを用いることも考えられる。例えば、着色用インク及び地色用インクの一方又は両方として、ソルベントインク、ソルベントUVインク、又はラテックスインク等を用いることも考えられる。ソルベントインクとは、例えば、溶媒として有機溶剤を用いるインクのことである。また、ソルベントUVインクとは、例えば、紫外線硬化型のモノマー又はオリゴマーと、溶媒である有機溶剤とを含むインクである。ソルベントUVインクは、紫外線硬化型インクを有機溶剤で希釈したインクであってよい。また、ラテックスインクとは、例えば、ポリマー素材と溶媒とを含むインクである。
続いて、第2変形例について、説明をする。図4は、サンバイザ100の情報印刷領域への印刷の第2変形例を示すフローチャートである。尚、以下に説明する点を除き、本変形例における印刷の動作は、図1及び図2を用いて説明をした印刷の動作と同一又は同様である。
本変形例においては、着色用インクとして、紫外線の照射のみで印刷対象の媒体に定着する紫外線硬化型インクではなく、媒体に着弾した後に溶媒を蒸発させることが必要なインクを用いる。より具体的に、着色用インクとしては、例えば、ソルベントインク、ソルベントUVインク、又はラテックスインクを好適に用いることができる。また、本変形例において使用する印刷装置は、例えば、図2(a)に示した印刷装置10に対し、インクジェットヘッド12y〜kで用いる着色用インクをソルベントインク、ソルベントUVインク、又はラテックスインク等に変更した構成を有する。
この場合、例えば、着色用インクを定着させるステップ以外は図2(b)を用いて説明をしたフローチャートと同様にして、下地層302、着色層304、及びオーバーコート層306(図1参照)の各層を形成することができる。より具体的に、本変形例において、印刷装置は、例えば、図2(b)のフローチャートのステップS102及びS104と同様の動作を行うことにより、下地層302を形成する(S202、204)。また、続いて、印刷装置は、図2(b)のフローチャートのステップS106と同様にして、下地層302上にインクジェットヘッド12y〜k(図2参照)により、着色用インクであるYMCKインクのインク滴を吐出する(S206)。
そして、本変形例において、印刷装置10は、図2(b)のフローチャートのステップS208とは異なる動作により、着色用インクを定着させる動作を行う(S208)。この動作において、印刷装置10は、紫外線の照射に伴って紫外線照射部14(図2参照)が発生する熱を利用して、下地層302上に着弾した着色用インクを乾燥させる。より具体的に、紫外線照射部14は、例えば、着色用インクが着弾した位置へ向けて紫外線を照射することにより、この紫外線の照射に伴って発生する熱で、着色用インクを乾燥させる。これにより、印刷装置10は、インクジェットヘッド12y〜kにより、情報印刷領域に、コーションマーク等を印刷する。
尚、着色用インクとしてソルベントUVインクを用いる場合、紫外線照射部14は、例えば、着色用インクが着弾した位置へ向けて紫外線を照射することにより、着色用インクへの加熱と紫外線の照射とを同時に行う。また、紫外線照射部14は、着色用インクへの加熱を行った後に、着色用インクへの紫外線の照射を行ってもよい。この場合、紫外線照射部14は、例えば、着弾直後の着色用インク上以外へ向けた紫外線の照射により生じた熱により、着色用インクを加熱する。
また、その後、印刷装置10は、例えば、図2(b)のフローチャートのステップS110及びS112と同様の動作を行うことにより、着色層304上にオーバーコート層306を形成する(S210、212)。
本変形例によっても、車両用のサンバイザ100の製造工程において、インクジェットプリンタによるコーションマーク等の印刷を適切に行うことができる。また、本変形例においては、オーバーコート層306の形成時等に使用する紫外線照射部14を兼用することにより、着色用インクを適切に乾燥させることができる。また、これにより、ヒータ等の加熱手段を別途設けることなく、着色用インクとして、溶媒を蒸発させることが必要なインクを適切に用いることができる。そのため、本変形例によれば、着色用インクとして、必要な要求品質等に合わせ、例えば様々なインクを使用することも可能となる。
また、本変形例のようにして着色用インクを加熱する場合、紫外線照射部14は、キャリッジ16に保持された状態でインクジェットヘッド12w〜CLと共に移動するキャリッジヒータとして機能する。そのため、本変形例によれば、紫外線照射部14により、必要な箇所だけ局所的に加熱することができる。また、これにより、例えば、着弾直後のインクを適切に加熱し、インクの滲み等が発生することを適切に防ぐことができる。更には、サンバイザ100に必要以上の熱を加えること等を適切に防ぐことができる。
尚、本変形例のように紫外線照射部14を用いる場合、紫外線照射部14としては、例えば、メタルハライドランプ等を好適に用いることができる。このように構成すれば、紫外線照射部14をヒータとしてより適切に用いることができる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えば印刷装置に好適に利用できる。
10・・・印刷装置、12w、12y、12m、12c、12k、12CL・・・インクジェットヘッド、14・・・紫外線照射部、16・・・キャリッジ、18・・・ガイドレール、20・・・テーブル、100・・・サンバイザ、102・・・本体部、104・・・情報印刷領域、202・・・芯材、204・・・表皮部材、302・・・下地層、304・・・着色層、306・・・オーバーコート層、308・・・地色層、402・・・描画領域、404・・・地色領域

Claims (4)

  1. 車両用のサンバイザの組立完成体の外表面へインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、
    前記組立完成体の外表面に着色層を形成するためのインクである着色用インクのインク滴を吐出する着色用インクジェットヘッドと、
    前記着色層を覆う透光性の層であるオーバーコート層を形成するためのインクであるオーバーコート用インクのインク滴を吐出するオーバーコート用インクジェットヘッドと、
    前記組立完成体の外表面上へ所定の色の下地層を形成するためのインクである下地用インクのインク滴を吐出する下地用インクジェットヘッドと
    を備え、
    前記着色用インクジェットヘッドは、前記下地層上に前記着色層を形成し、
    前記着色用インク及び前記オーバーコート用インクは、紫外線硬化型インクであり、
    前記オーバーコート用インクは、硬化後に120%以上伸びるインクであり、
    前記組立完成体の外表面は、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、又は布地のいずれかで形成されており、
    前記下地用インクは、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、及び布地の全てに対して印刷が可能な白色のインクであり、
    前記着色層は、コーションマークを示すインクの層であり、前記下地層上において前記コーションマークを示すために必要な部分に形成されることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記下地用インクは、酸化チタンを顔料とする紫外線硬化型インクであり、アクリル酸エステルを40〜60%、二アクリル酸ヘキサメチレンを20〜30%、開始剤を10〜15%含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 車両用のサンバイザの組立完成体の外表面へインクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、
    前記組立完成体の外表面に着色層を形成するためのインクである着色用インクのインク滴を吐出する着色用インクジェットヘッドと、
    前記着色層を覆う透光性の層であるオーバーコート層を形成するためのインクであるオーバーコート用インクのインク滴を吐出するオーバーコート用インクジェットヘッドと、
    前記組立完成体の外表面上へ所定の色の下地層を形成するためのインクである下地用インクのインク滴を吐出する下地用インクジェットヘッドと
    を用いて印刷を行い、
    前記着色用インクジェットヘッドにより、前記下地層上に前記着色層を形成し、
    前記着色用インク及び前記オーバーコート用インクは、紫外線硬化型インクであり、
    前記オーバーコート用インクは、硬化後に120%以上伸びるインクであり、
    前記組立完成体の外表面は、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、又は布地のいずれかで形成されており、
    前記下地用インクは、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、及び布地の全てに対して印刷が可能な白色のインクであり、
    前記着色層は、コーションマークを示すインクの層であり、前記下地層上において前記コーションマークを示すために必要な部分に形成されることを特徴とする印刷方法。
  4. 車両用のサンバイザの製造方法であって、
    前記サンバイザの組立完成体を準備し、
    前記組立完成体に対し、
    前記組立完成体の外表面に着色層を形成するためのインクである着色用インクのインク滴を吐出する着色用インクジェットヘッドと、
    前記着色層を覆う透光性の層であるオーバーコート層を形成するためのインクであるオーバーコート用インクのインク滴を吐出するオーバーコート用インクジェットヘッドと、
    前記組立完成体の外表面上へ所定の色の下地層を形成するためのインクである下地用インクのインク滴を吐出する下地用インクジェットヘッドと
    を用いて印刷を行い、
    前記着色用インクジェットヘッドにより、前記下地層上に前記着色層を形成し、
    前記着色用インク及び前記オーバーコート用インクは、紫外線硬化型インクであり、
    前記オーバーコート用インクは、硬化後に120%以上伸びるインクであり、
    前記組立完成体の外表面は、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、又は布地のいずれかで形成されており、
    前記下地用インクは、塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、及び布地の全てに対して印刷が可能な白色のインクであり、
    前記着色層は、コーションマークを示すインクの層であり、前記下地層上において前記コーションマークを示すために必要な部分に形成されることを特徴とする車両用のサンバイザの製造方法。
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