JP6400174B1 - 走行装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前輪と後輪とを左右一対づつ持つ走行装置において、該走行装置の前側に、前輪と同じ方向に回転可能な左右一対の回転部を持ち、回転部は、回転軸から伸びる少なくとも2つのアームであり、該アームの端部には補助輪を持ち、走行面の段差を検出する段差検知部を持ち、該段差検知部の検知内容に応じて回転部を回転させるという構成を採用した。
【選択図】図1
Description
一般的な道路では、そのような段差はありえないが、災害時等に緊急に走行する必要がある場合に、大きな段差、言い換えれば、駆動車輪の直径を超えるような段差を乗り越えられる車両が必要である。
即ち、車両において、段差を乗り越える技術が開示されている。しかしながら、この技術においては、段差検出後に、段差の高さに応じて、駆動輪の高さを変える作業が必要であり、高さを変えている間は、走行を停止しなければならない。そのため、段差を乗り越える際も含めて、スムーズに高速に走行可能とすることについての問題の解決には至っていない。
即ち、車両において、段差を乗り越える技術が開示されている。しかしながら、この技術においては、主の車輪に付随する回転部とベルトで段差を乗り越えることから、主の車輪と回転部との位置を極端に離すことは出来ない。そのため、車輪の直径を超えるような段差を乗り越えることは困難であり、前記問題の解決には至っていない。
なお、本実施例で示される走行装置の全体形状及び各部の形状は、下記に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で、適宜変更することができるものである。
車体100は、シャーシ200の上部に設置され、外観と内装、電気部品等からなる。人が乗る場合は座席等も設置される。本発明の主要な構成は、制御部110と計測部120と段差検知部130とからなる。
制御部110は、走行装置1の全体の動きを制御する部分である。走行装置1の一般的な走行のために前輪220、後輪230の駆動、停止、駆動量の調整を行う。前輪220、後輪230とも左右とも独立して駆動量を調整出来る。左右で駆動量を変えることで、進行方向を変えることも出来る。段差を登る際は、登る段階に応じて、前輪220、後輪230の駆動量を調整する。段差を認識するために、計測部120から段差との距離、段差の高さの情報を得る。また、回転部300から、アーム310の回転角度の情報を得る。車体100に対する、アーム310の角度を把握するためである。また、計測部120から、車体100の傾き角度の情報を得る。段差を登る過程において、車体100の角度が重要であるからである。
回転部300に対して、アーム310の回転の駆動、停止、駆動量の調整を指示する。補助輪340の駆動、停止、駆動量の調整を指示する。これらを総合的に行うことに段差の乗り越えを行う。
シャーシ200は、車台とも言われ、車の主に駆動部分であり、比較的通常の車両の構成に近いものである。主に前後輪駆動部210と前輪220、後輪230から構成されている。
前後輪駆動部210は、前輪220、後輪230を回転駆動する。駆動源は、エンジンでもいいし、電気モーターでも良い。前輪220、後輪230とも前方向、後ろ方向に左右独立して駆動することが出来る。個別に制御可能とするのは、段差を乗り越える際に前後左右で駆動量を調整する必要があるからである。また、方向転換は、左右の駆動量を変えることで行う。
前輪220、後輪230は走行装置1を通常状態で支え、通常の走行時には、走行輪として機能する。そのため、高速性能や安定性も備えたほうが望ましい。また、段差を乗り越える際は、段差に対して、クリップ力が必要であるので、接地面の摩擦抵抗値の大きい形状が好適である。また、通常の走行と異なり、車体100が大きく傾くこともあることから、1つの車輪で走行装置1全体を支えられる強度が必要である。
前輪220は、後輪230に対して、内側に配置されている。後輪230と補助輪340の位置を合わせるため、言い換えれば、後輪230と補助輪340の幅の中心線を合わせるためである。前輪220を後輪230と同じ位置に配置してしまうと、補助輪340と前輪220がぶつかってしまうからである。
回転部300は、本発明で最も重要な部分である。回転部300を段差に応じて制御することで、通常乗り越え困難な段差を乗り越えることが出来る。回転部300は、走行装置1の前部分、シャーシ200の上面に配置されている。左右にそれぞれ2本のアーム310を持ち、アーム310の端部に補助輪340を持ち、補助輪340は前輪220、後輪230と同様に前後方向に回転する。段差の乗り越え動作は、大まかには、アーム310の端部の補助輪340を段差の上面g2に接地させ、そこを起点として、アーム310を回転させ、走行装置1全体を引き上げる構成である。
アーム310を回転駆動するアーム駆動部320は、車体100の前部分に配置されている。段差を乗り越える駆動を行う部分であるので、大出力の駆動を行う部分である。また、アーム駆動部320はアーム310の角度を制御部110に送信する。アーム駆動部320から左右方向に回転軸部330が伸び、その端部にアーム310が配置される。回転軸部330の回転を支持するために軸受360が左右に配置されている。
次に、制御の流れを図3(a)のブロック図、図3(b)の例に沿って、説明する。制御部110と計測部120とアーム駆動部320と補助輪駆動部350と前後輪駆動部210から構成される。段差検知部130の内部には計測部120を含む。
制御部110は、計測部120からの計測データから段差の状態を推定する。また、通常走行時には前後輪駆動部210に対して、走行のための駆動を指示する。段差を乗り越える際は、前後輪駆動部210に加えて、アーム駆動部320、補助輪駆動部350に対して、駆動タイミング、駆動方向、駆動量の指示を行う。また、アーム駆動部320からアーム310の角度情報を取得する。
段差を乗り越える際は、制御部110から、アーム駆動部320、補助輪駆動部350、前後輪駆動部210に対して、連携した制御指示がされる。また、計測部120から走行装置1の傾き値を取得する。段差を乗り越える動作は、アーム駆動部320、補助輪駆動部350、前後輪駆動部210の一連の連携した動作が必要であるし、その際、走行装置1の傾き値も把握する必要があるからである。
低速での乗り越え動作について、図4に沿って説明する。段差検知部130の情報によって、段差の位置、高さを把握し、アーム310の端部が段差の上面g2よりも高くなるように調整する。補助輪340を段差上面g2に接近させる(図4(a))。
次に、アーム310を前方下げる方向に回転させ、補助輪340を段差上面g2に接地させる。さらに、そのまま、アーム310を回転させ、走行装置1の前側を浮かせる(図4(b))。アーム310の回転を続け、走行装置1の前側をさらに浮かせる。その際、後輪230をゆっくり駆動し、段差上面g2と補助輪340との間に、ずれが生じないようにする(図4(c)、図4(d))。
さらに、アーム310を回転させる。後輪230は、段差側面g1を登る駆動を行う。制御部110は、走行装置1の傾き値とアーム310の回転角から、後輪230の適正な駆動量を算出し、前後輪駆動部210に指示する(図4(e)、図4(f))。後輪230が段差上面g2に達したと判断した時点で、アーム310を回転しつつ、補助輪340を前方向に駆動し、後輪230も駆動する。(図4(g))。その後、アーム310位置を調整し、前輪220、後輪230のみで走行できるようにする。
高速での乗り越え動作について、図5に沿って説明する。段差検知部130の情報によって、段差の位置、高さを把握し、アーム310の端部が段差の上面g2よりも高くなるように調整する。補助輪340を段差上面g2に接近させる。その際、走行装置1は、ある程度の速度を維持したまま、接近する(図5(a))。
制御部110は、アーム310を高速に回転させ、補助輪340で段差上面g2を強打する(図5(b))。すると、その反動で、走行装置1全体が跳ねあげられる(図5(c))。その状態を維持したまま、アーム310を回転させることで、一気に、走行装置1を段差上面g2に引き上げる(図5(d)、図5(e)、図5(f))。
実施例1では、アーム310を回転軸部330に対して対称の位置に配置する例を説明したが、2つのアーム310が独立して回転する構造でも良い。制御は複雑になるが、2つのアーム310が協調して段差を乗り越えることも出来る。
次に、一方のアーム310を前方向に回転させ、補助輪340を段差上面g2に接地させる。さらに、そのまま、一方のアーム310を回転させ、走行装置1の前側を浮かせる(図6(b))。アーム310の回転を続け、走行装置1の前側をさらに浮かせる。その際、後輪230をゆっくり駆動し、段差上面g2と補助輪340との間に、ずれが生じないようにする(図4(c))。
さらに、一方のアーム310を回転させる。他方のアーム310は、段差側面g1を登る駆動を行う。制御部110は、走行装置1の傾き値とアーム310の回転角から、他方のアーム310の適正な回転角と適正な駆動量を算出し、他方の補助輪340に指示する(図6(d))。他方の補助輪340が段差上面g2に達したと判断した時点で、前後の補助輪340を駆動し前進する(図6(g))。その後、アーム310位置を調整し、前輪220、後輪230のみで走行できるようにする。
次に、補助輪340が段差側面g1に接した状態でアーム310を前方向に回転させる(図7(b))。アーム310の回転を続け、走行装置1の前側を浮かせる。その際、後輪230をゆっくり駆動する(図7(c))。
さらに、一方のアーム310を回転させる。もう一つのアーム310の補助輪340を段差上面g2に接地させ、そこを基準として走行装置1を引き上げる(図7(d)、図7(e)、図7(f))。その後、アーム310位置を調整し、前輪220、後輪230のみで走行できるようにする。
100 車体
110 制御部
120 計測部
130 段差検知部
200 シャーシ
210 前後輪駆動部
220 前輪
230 後輪
300 回転部
310 アーム
320 アーム駆動部
330 回転軸部
340 補助輪
350 補助輪駆動部
360 軸受
g1 段差の側面
g2 段差の上面
Claims (4)
- 前輪と後輪とを左右一対づつ持つ走行装置において、
該走行装置の前側に、該前輪と同じ方向に回転可能な左右一対の回転部を持ち、
該回転部は、回転軸から伸びる少なくとも2つのアームを持ち、該アームの端部には補助輪を持ち、隣接する各アーム間の間隔又はアームの長さは任意に変更可能となっており、
走行面の段差を検出する段差検知部を持ち、
該段差検知部の検知内容に応じて該回転部を回転させることを特徴とする走行装置。 - 前記段差検知部は、段差との距離、段差の高さを検知すること特徴とする請求項1に記載の走行装置。
- 前輪と後輪とを左右一対づつ持つ走行装置において、
該走行装置の前側に、該前輪と同じ方向に回転可能な左右一対の回転部を持ち、
該回転部は、回転軸から伸びる少なくとも2つのアームを持ち、該アームの端部には補助輪を持ち、隣接する各アーム間の間隔又はアームの長さは任意に変更可能となっており、
走行面の段差を検出する段差検知部を持ち、
該段差検知部が段差を検知した際、該補助輪が段差の上面に接地するようにアームを回転させ、補助輪が段差の上面に接地後、該補助輪、該前輪、該後輪を駆動しつつ、該アームを徐々に回転させ、段差を登る走行方法。 - 前輪と後輪とを左右一対づつ持つ走行装置において、
該走行装置の前側に、前輪と同じ方向に回転可能な左右一対の回転部を持ち、
該回転部は、回転軸から伸びる少なくとも2つのアームを持ち、該アームの端部には補助輪を持ち、隣接する各アーム間の間隔又はアームの長さは任意に変更可能となっており、
走行面の段差を検出する段差検知部を持ち、
該段差検知部が段差を検知した際、補助輪が段差の上面を強打するように該アームを回転させ、強打後、連続して該アームを回転させ、該走行装置を跳躍させ、段差を登る走行方法。
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