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JP6492673B2 - 頭部装着型表示装置、頭部装着型表示装置を制御する方法、コンピュータープログラム - Google Patents

頭部装着型表示装置、頭部装着型表示装置を制御する方法、コンピュータープログラム Download PDF

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Description

本発明は、頭部装着型表示装置に関する。
利用者の頭部に装着されて使用され、利用者の視野領域に虚像を形成する頭部装着型表示装置が知られている。この頭部装着型表示装置は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)とも呼ばれる。近年、このようなHMDにおいて、現実世界に実在する実オブジェクトに対して利用者の注目を促すために、拡張現実感(AR、Augmented Reality)の技術が利用されている。
HMDにおいてARを実現するために、HMDは、例えばカメラで外景を撮像し、撮像により得られた画像を画像認識し、仮想オブジェクトを生成または取得する。HMDを装着した状態において利用者の視界が遮断されない透過型のHMDでは、仮想オブジェクトを含む虚像のみを利用者に視認させる。利用者は、現実世界の実オブジェクトと、虚像によって表されている仮想オブジェクトと、の両方を見ることで、ARを体感することができる。特許文献1には、HMDにおいて、現実世界に実在する実オブジェクトである作業対象物の位置と、利用者の現在の位置とに応じて、利用者が次に移動すべき方位を表す矢印の画像を表示させる技術が記載されている。
特開2014−71756号公報 特開2002−159019号公報
HMDの虚像は、利用者の視野領域に形成される。このため、特許文献1に記載された技術では、虚像(画像)として表示される情報の量が増えれば増えるほど、利用者の視野を狭める、換言すれば、現実世界の視認性が低下するという課題があった。このように、現実世界に実在する実オブジェクトに対して利用者の注目を促すためにARを利用する技術には、現実世界の視認性の確保という改善の余地があった。特許文献2に記載された技術では、現実世界に実在する実オブジェクトに対して利用者の注目を促すことについては、何ら考慮されていない。
このため、現実世界の視認性を確保しつつ、現実世界に実在する実オブジェクトに対して利用者の注目を促すことが可能な頭部装着型表示装置が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、利用者が虚像を視認可能な頭部装着型表示装置が提供される。この頭部装着型表示装置は;前記利用者に前記虚像を視認させる画像表示部と;前記頭部装着型表示装置を装着した状態における前記利用者の視界方向の外景画像を取得する画像取得部と;現実世界に実在すると共に、取得された前記外景画像に含まれる少なくとも1つの実オブジェクトであって、前記利用者に対して注目を促す実オブジェクトである注目オブジェクトに対する案内を、音により行う案内部と、を備える。
この形態の頭部装着型表示装置によれば、案内部は、現実世界に実在すると共に、取得された外景画像に含まれる少なくとも1つの実オブジェクトであって、利用者に対して注目を促す実オブジェクトである注目オブジェクトに対する案内を、音により行うことができる。音を用いた案内は、利用者の視野領域に形成される虚像を用いた案内と比較して、利用者の視野を狭める虞、換言すれば、現実世界の視認性が低下する虞を低くすることができる。この結果、現実世界の視認性を確保しつつ、現実世界に実在する実オブジェクトに対して利用者の注目を促すことが可能な頭部装着型表示装置を提供することができる。
(2)上記形態の頭部装着型表示装置では、さらに;前記頭部装着型表示装置を装着した状態における前記利用者の視線の方向を検出する視線検出部を備え;前記案内部は;前記注目オブジェクトが、検出された前記視線の方向にないと推定される場合は、前記音により前記案内を行い;前記注目オブジェクトが、検出された前記視線の方向にある推定される場合は、前記音に加えてさらに、前記注目オブジェクトに付加的に表示するための仮想オブジェクトを含んだ前記虚像を前記画像表示部に形成させることで、前記案内を行ってもよい。
この形態の頭部装着型表示装置によれば、案内部は、注目オブジェクトが利用者の視線の方向にないと推定される場合は、音により案内を行う。このため、案内部は、視線の方向にない注目オブジェクトに対する案内のために、利用者の視野領域に虚像が形成されることを抑制することができ、現実世界の視認性を確保することができる。一方、案内部は、注目オブジェクトが利用者の視線の方向にあると推定される場合は、音に加えてさらに、注目オブジェクトに付加的に表示するための仮想オブジェクトを含んだ虚像を形成させることで案内を行う。このため、案内部は、視線の方向にある注目オブジェクトに対する案内を、音と、虚像と、の両方の手段を用いて手厚く行うことができる。すなわち、利用者は、自身の視線の方向にある注目オブジェクトについては、視覚と聴覚とを介した案内を享受することができる。これらの結果、現実世界の視認性を確保しつつ、現実世界に実在する実オブジェクトに対して利用者の注目を促すことが可能な頭部装着型表示装置において、さらに、利用者の利便性を向上させることができる。
(3)上記形態の頭部装着型表示装置において;前記案内は;前記注目オブジェクトに対する前記利用者の注意喚起のための案内と;前記注目オブジェクトに関する情報の案内と;前記注目オブジェクトの位置に関する案内と;予め用意された手順情報に基づく、前記注目オブジェクトに対する前記利用者の作業内容の案内と;のうちの少なくともいずれか1つを含んでもよい。
この形態の頭部装着型表示装置によれば、案内部による案内を、種々の態様で実現することができる。例えば、注目オブジェクトに対する利用者の注意喚起のための案内を行う場合、案内部は、利用者に対する危険回避のための案内を行うことができる。注目オブジェクトに関する情報の案内を行う場合、案内部は、利用者に対する情報提供のための案内を行うことができる。注目オブジェクトの位置に関する案内を行う場合、案内部は、利用者に対する動作補助のための案内を行うことができる。注目オブジェクトに対する利用者の作業内容の案内を行う場合、案内部は、利用者に対する作業支援のための案内を行うことができる。
(4)上記形態の頭部装着型表示装置において;前記画像取得部は、前記外景画像を繰り返し取得し;前記案内部は、さらに;取得された複数の前記外景画像をそれぞれ画像認識し;前記複数の外景画像に含まれる実オブジェクトであって、経時的な変化が大きい実オブジェクトを、前記注目オブジェクトとしてもよい。
この形態の頭部装着型表示装置によれば、案内部は、取得された外景画像から自動的に注目オブジェクトを特定することができる。また、案内部は、繰り返し取得された複数の外景画像において、経時的な変化が大きい実オブジェクトを注目オブジェクトとするため、例えば、移動量が大きい、移動速度が速い、等の実オブジェクトを注目オブジェクトとすることができる。このようにして特定された注目オブジェクトは、特に、危険回避のための案内に適している。
(5)上記形態の頭部装着型表示装置において;前記案内部は、さらに;取得された前記外景画像を画像認識し;前記外景画像に含まれる実オブジェクトであって、所定の特徴を有する実オブジェクトを、前記注目オブジェクトとしてもよい。
この形態の頭部装着型表示装置によれば、案内部は、取得された外景画像から自動的に注目オブジェクトを特定することができる。また、案内部は、外景画像において、所定の特徴を有する実オブジェクトを注目オブジェクトとするため、例えば、「所定の特徴」を予め用意しておくことによって、様々な実オブジェクトを注目オブジェクトとすることができる。このようにして特定された注目オブジェクトは、危険回避、情報提供、動作補助、作業支援といった、全てのタイプの案内に適している。
(6)上記形態の頭部装着型表示装置では、さらに;前記頭部装着型表示装置を装着した状態における前記利用者の視線の方向を検出する視線検出部を備え;前記画像取得部は、前記外景画像を繰り返し取得し;前記視線検出部は、前記視線の方向を繰り返し検出し;前記案内部は、さらに;取得された複数の前記外景画像と、複数回にわたり検出された前記視線の方向と、を照合し;前記複数の外景画像に含まれる実オブジェクトであって、前記視線の先にある割合が多いと推定される実オブジェクトを、前記注目オブジェクトとしてもよい。
この形態の頭部装着型表示装置によれば、案内部は、取得された外景画像と、検出された視線の方向と、から自動的に注目オブジェクトを特定することができる。また、案内部は、繰り返し取得された複数の外景画像と視線の方向とにおいて、視線の先にある割合が多いと推定される実オブジェクトを注目オブジェクトとするため、例えば、利用者がよく見る実オブジェクトを注目オブジェクトとすることができる。このようにして特定された注目オブジェクトは、特に、情報提供、動作補助、作業支援といったタイプの案内に適している。
(7)上記形態の頭部装着型表示装置では、さらに;前記利用者からの操作入力を取得する入力情報取得部を備え;前記案内部は、さらに;取得された前記外景画像と、取得された前記操作入力と、を照合し;前記外景画像に含まれる実オブジェクトであって、前記利用者により指定された実オブジェクトを、前記注目オブジェクトとしてもよい。
この形態の頭部装着型表示装置によれば、案内部は、取得された外景画像と、取得された操作入力と、から自動的に注目オブジェクトを特定することができる。また、案内部は、利用者により指定された実オブジェクトを注目オブジェクトとするため、利用者による意図を反映して注目オブジェクトを特定することができる。このようにして特定された注目オブジェクトは、危険回避、情報提供、動作補助、作業支援といった、全てのタイプの案内に適している。
(8)上記形態の頭部装着型表示装置において;前記画像取得部は、前記外景画像を繰り返し取得し;前記案内部は;取得された複数の前記外景画像内における前記注目オブジェクトの経時的な変化に伴って、前記案内を繰り返し行ってもよい。
この形態の頭部装着型表示装置によれば、案内部は、繰り返し取得された複数の外景画像における注目オブジェクトの経時的な変化に伴って、案内を繰り返し行う。この結果、案内部は、注目オブジェクトの最新の状態に対応した案内を随時行うことができる、換言すれば、案内部は、注目オブジェクトを追跡しつつ案内を行うことができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素は全てが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
例えば、本発明の一形態は、画像表示部と、画像取得部と、案内部と、の3つの要素のうちの一部または全部の要素を備えた装置として実現可能である。すなわち、この装置は、画像表示部を有していてもよく、有していなくてもよい。また、この装置は、画像取得部を有していてもよく、有していなくてもよい。また、この装置は、案内部を有していてもよく、有していなくてもよい。こうした装置は、例えば頭部装着型表示装置として実現できるが、頭部装着型表示装置以外の他の装置としても実現可能である。前述した頭部装着型表示装置の各形態の技術的特徴の一部または全部は、いずれもこの装置に適用することが可能である。例えば、本発明の一形態としての装置は、現実世界の視認性を確保しつつ、現実世界に実在する実オブジェクトに対して利用者の注目を促すことを課題としている。しかし、この装置には、他にも、装置の小型化、利便性の向上、装置製造の際の低コスト化、省資源化、製造の容易化、等が望まれている。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、頭部装着型表示装置、頭部装着型表示装置の制御方法、頭部装着型表示装置を含むシステム、これらの方法、装置、システムの機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを配布するためのサーバー装置、そのコンピュータープログラムを記憶した記憶媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態における頭部装着型表示装置の概略構成を示す説明図である。 HMD100の構成を機能的に示すブロック図である。 利用者に視認される虚像の一例を示す説明図である。 案内処理の手順を示すフローチャートである。 案内用情報122の一例を示す図である。 案内処理の第1の具体例について説明する図である。 案内処理の第1の具体例について説明する図である。 案内処理の第1の具体例について説明する図である。 案内処理の第2の具体例について説明する図である。 案内処理の第2の具体例について説明する図である。 案内処理の第2の具体例について説明する図である。 変形例におけるHMDの外観の構成を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.頭部装着型表示装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態における頭部装着型表示装置の概略構成を示す説明図である。本実施形態の頭部装着型表示装置100は、頭部に装着する表示装置であり、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、HMD)とも呼ばれる。HMD100は、利用者が、虚像を視認すると同時に外景も直接視認可能な光学透過型のヘッドマウントディスプレイである。
本実施形態のHMD100は、後述の案内処理を行うことで、注目オブジェクトに対する案内を「音声のみ」または「音声と拡張現実感(AR、Augmented Reality)処理との組み合わせ」により実施する。具体的には、HMD100は、利用者の視線の方向を検出し、注目オブジェクトが視線の方向にないと推定される場合は、音声のみによる案内を行い、注目オブジェクトが視線の方向にあると推定される場合は音声と拡張現実感処理との組み合わせによる案内を行う。案内処理の詳細は後述する。なお、本実施形態において、「音声」は「音」として機能する。
「注目オブジェクト」とは、現実世界に実在するオブジェクトである実オブジェクトの中から特定された少なくとも1つの実オブジェクトであって、利用者に対して注目を促す実オブジェクトを意味する。実オブジェクトとは、任意の人、任意の動植物、任意の物(人工物、自然物等を含む)等を意味する。実オブジェクトは、利用者が関心を寄せている(例えば視線を向けている)オブジェクトである「実関心オブジェクト」と、利用者の関心外の(例えば視界に入っているものの視線を向けていない)オブジェクトである「実背景オブジェクト」との両方を含みうる。すなわち、案内処理は、実関心オブジェクトと、実背景オブジェクトと、の両方を含む実オブジェクトの全体が処理対象となり得る。注目オブジェクトの特定方法は後述する。
「拡張現実感処理」とは、実オブジェクトに対して、HMD100により情報を付加する処理である。拡張現実感処理において、実オブジェクトに対して付加的に表示される情報を「仮想オブジェクト」と呼ぶ。「付加的」とは、以下の全てを含む意味である。実オブジェクトと、実オブジェクトに付加的に表示される仮想オブジェクトとは、関連があってもよいし、なくてもよい。
・仮想オブジェクトを用いて実オブジェクトに情報を付加すること。
・仮想オブジェクトを用いて実オブジェクトを強調すること。
・実オブジェクトが持つ情報(色、形等)を、仮想オブジェクトを用いて削除および減衰させること。
・上述した、付加、強調、削除、減衰の任意の2つ以上の組み合わせ。
HMD100は、利用者の頭部に装着された状態において利用者に虚像を視認させる画像表示部20と、画像表示部20を制御する制御部(コントローラー)10とを備えている。なお、以降の説明において、HMD100によって利用者が視認する虚像を便宜的に「表示画像」とも呼ぶ。また、HMD100が画像データーに基づいて生成された画像光を射出することを「画像を表示する」ともいう。
A−1−1.画像表示部の構成:
図2は、HMD100の構成を機能的に示すブロック図である。画像表示部20は、利用者の頭部に装着される装着体であり、本実施形態では眼鏡形状である(図1)。画像表示部20は、右保持部21と、右表示駆動部22と、左保持部23と、左表示駆動部24と、右光学像表示部26と、左光学像表示部28と、カメラ61と、視線検出部62と、マイク63と、9軸センサー66と、を備えている。以降、利用者が画像表示部20を装着した状態における、画像表示部20の各部の位置関係と機能について説明する。
図1に示すように、右光学像表示部26および左光学像表示部28は、利用者の右の眼前と、左の眼前とにそれぞれ位置するように配置されている。右光学像表示部26の一端と左光学像表示部28の一端とは、利用者の眉間に対応する位置で接続されている。図2に示すように、右光学像表示部26は、右導光板261と、調光板(図示省略)と、を備えている。右導光板261は、光透過性の樹脂材料等によって形成され、右表示駆動部22から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ利用者の右眼REに導く。調光板は、薄板状の光学素子であり、画像表示部20の表側(利用者の眼の側とは反対の側)を覆うように配置されている。調光板は、導光板261を保護し、損傷や汚れの付着等を抑制する。また、調光板の光透過率を調整することによって、利用者の眼に入る外光量を調整して虚像の視認のしやすさを調整することができる。調光板は省略可能である。
左光学像表示部28は、左導光板262と、調光板(図示省略)とを備えている。これらの詳細は、右光学像表示部26と同様である。右光学像表示部26および左光学像表示部28を総称して単に「光学像表示部」とも呼ぶ。光学像表示部は、画像光を用いて利用者の眼前に虚像を形成する限りにおいて任意の方式を用いることができ、例えば、回折格子を用いて実現されてもよいし、半透過反射膜を用いて実現されてもよい。
図1に示すように、右保持部21は、右光学像表示部26の他端ERから利用者の側頭部に対応する位置にかけて延伸して設けられている。左保持部23は、左光学像表示部28の他端ELから利用者の側頭部に対応する位置にかけて、延伸して設けられている。右保持部21および左保持部23は、眼鏡のテンプル(つる)のようにして、利用者の頭部に画像表示部20を保持する。右保持部21および左保持部23を総称して単に「保持部」とも呼ぶ。
図1に示すように、右表示駆動部22は、右保持部21の内側(利用者の頭部に対向する側)に配置されている。左表示駆動部24は、左保持部23の内側に配置されている。図2に示すように、右表示駆動部22は、受信部(Rx)53と、光源として機能する右バックライト(BL)制御部201および右バックライト(BL)221と、表示素子として機能する右LCD(液晶ディスプレイ、Liquid Crystal Display)制御部211および右LCD241と、右投写光学系251とを備えている。右バックライト制御部201と、右LCD制御部211と、右バックライト221と、右LCD241とを総称して「画像光生成部」とも呼ぶ。
受信部53は、制御部10と画像表示部20との間におけるシリアル伝送のためのレシーバーとして機能する。右バックライト制御部201は、入力された制御信号に基づいて右バックライト221を駆動する。右バックライト221は、例えばLED(Light Emitting Diode)やエレクトロルミネセンス(EL)等の発光体である。右LCD制御部211は、受信部53を介して入力されたクロック信号PCLKと、垂直同期信号VSyncと、水平同期信号HSyncと、右眼用の画像データーDataとに基づいて、右LCD241を駆動する。右LCD241は、複数の画素をマトリクス状に配置した透過型液晶パネルである。右投写光学系251は、右LCD241から射出された画像光を並行状態の光束にするコリメートレンズである。
左表示駆動部24は、受信部(Rx)54と、光源として機能する左バックライト(BL)制御部202および左バックライト(BL)222と、表示素子として機能する左LCD制御部212および左LCD242と、左投写光学系252とを備えている。これらの詳細は、右表示駆動部22と同様である。右表示駆動部22および左表示駆動部24を総称して単に「表示駆動部」とも呼ぶ。
図1に示すように、カメラ61は、利用者の左右の目尻の上方に対応する位置にそれぞれ配置されているステレオカメラである。左右のカメラ61は、画像表示部20の表側方向、換言すれば、HMD100を装着した状態における利用者の視界方向の外景(外部の景色)をそれぞれ撮像し、左右に対応した2枚の外景画像を取得する。カメラ61はいわゆる可視光カメラであり、カメラ61により取得される外景画像は、物体から放射される可視光から物体の形状を表す画像である。本実施形態におけるカメラ61はステレオカメラであるが、単眼カメラとしてもよい。カメラ61は「画像取得部」として機能する。
図1に示すように、視線検出部62は、利用者の左右の目尻の下方に対応する位置にそれぞれ配置されている。左右の視線検出部62は、図示しない赤外線発光部と赤外線受光部とをそれぞれ備える。右側の視線検出部62は、赤外線発光部から射出されて、利用者の右眼に当たり反射した赤外線を受光する。制御部10のCPU140は、右側の視線検出部62が受光した赤外線の強さに基づいて、利用者の右眼の視線の動きを取得する。同様に、左側の視線検出部62は、赤外線発光部から射出されて、利用者の左眼に当たり反射した赤外線を受光する。CPU140は、左側の視線検出部62が受光した赤外線の強さに基づいて、利用者の左眼の視線を検出する。赤外線の反射率は、赤外線が虹彩(黒目)に当たった場合と、赤外線がまぶたに当たった場合と、赤外線が白目に当たった場合と、でそれぞれ異なる。このため、CPU140は、視線検出部62が受光した赤外線の強さによって、利用者の視線の動きを取得することができる。この場合、視線検出部62とCPU140とは、利用者の視線の方向を検出する「視線検出部」として機能する。本実施形態における視線検出部62は左右それぞれに設けられるとしたが、左右いずれか一方でもよい。
図1に示すように、マイク63は、利用者の鼻の上方に対応する位置に配置されているマイクである。マイク62は、外部の音声を取得する。「音声」とは、人の声のみでなく、機械音等を含む広義の音を意味する。
図1に示すように、9軸センサー66は、利用者の右側のこめかみに対応する位置に配置されている。9軸センサー66は、加速度(3軸)、角速度(3軸)、地磁気(3軸)を検出するモーションセンサーである。9軸センサー66は、画像表示部20に設けられているため、画像表示部20が利用者の頭部に装着されているときには、ヘッドマウントディスプレイ100の利用者の頭部の動きを検出する動き検出部として機能する。ここで、頭部の動きとは、頭部の速度・加速度・角速度・向き・向きの変化を含む。
図1に示すように、画像表示部20は、画像表示部20と制御部10とを接続するための接続部40を備えている。接続部40は、制御部10に接続される本体コード48と、本体コード48が分岐した右コード42および左コード44と、分岐点に設けられた連結部材46と、を含んでいる。連結部材46には、イヤホンプラグ30を接続するためのジャックが設けられている。イヤホンプラグ30からは、右イヤホン32および左イヤホン34が延伸している。画像表示部20と制御部10とは、接続部40を介して各種信号の伝送を行う。接続部40の各コードには、例えば、金属ケーブルや光ファイバーを採用することができる。
A−1−2.制御部の構成:
制御部10はHMD100を制御するための装置である。図1に示すように、制御部10は、決定キー11と、点灯部12と、表示切替キー13と、トラックパッド14と、輝度切替キー15と、方向キー16と、メニューキー17と、電源スイッチ18と、を備えている。決定キー11は、押下操作を検出して、制御部10において操作された内容を決定するための信号を出力する。点灯部12は、例えばLEDによって実現され、HMD100の動作状態(例えば電源のON/OFF等)を発光状態によって通知する。表示切替キー13は、押下操作を検出して、例えばコンテンツ動画の表示モードを3Dと2Dとに切り替える信号を出力する。
トラックパッド14は、トラックパッド14の操作面上における利用者の指の操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。トラックパッド14としては、静電式や圧力検出式、光学式といった種々の方式を採用できる。輝度切替キー15は、押下操作を検出して、画像表示部20の輝度を増減する信号を出力する。方向キー16は、上下左右方向に対応するキーへの押下操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。電源スイッチ18は、スイッチのスライド操作を検出することで、HMD100の電源投入状態を切り替える。
図2に示すように、制御部10は、入力情報取得部110と、記憶部120と、電源130と、無線通信部132と、GPSモジュール134と、CPU140と、インターフェイス180と、送信部(Tx)51および52とを備え、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。
入力情報取得部110は、決定キー11、表示切替キー13、トラックパッド14、輝度切替キー15、方向キー16、メニューキー17、および、電源スイッチ18に対する操作入力に応じた信号を取得する。入力情報取得部110は、上記以外の種々の方法を用いた操作入力を取得することができる。例えば、カメラ61を用いて利用者のジェスチャーを検知し、ジェスチャーに対応付けられたコマンドによる操作入力を取得してもよい。ジェスチャー検知の際は、利用者の指先や、利用者の手に付けられた指輪や、利用者の手にする医療器具等を動き検出のための目印にすることができる。例えば、視線検出部62によって検出された利用者の視線や、目の動きに対応付けられたコマンドによる操作入力を取得してもよい。このコマンドは利用者によって追加可能に設定されていてもよい。例えば、マイク63によって取得された音声を音声認識することによる操作入力を取得してもよい。例えば、図示しないフットスイッチ(利用者の足により操作するスイッチ)による操作入力を取得してもよい。これらの方法による操作入力を取得可能とすれば、利用者が手を離すことが困難である作業においても、入力情報取得部110は、利用者からの操作入力を取得することができる。
記憶部120は、ROM、RAM、DRAM、ハードディスク等によって構成されている。記憶部120には、オペレーティングシステム(ОS)をはじめとする種々のコンピュータープログラムが格納されている。また、記憶部120には、案内用情報122と、案内モード124と、が記憶されている。案内用情報122は、案内処理において用いられる情報である。詳細は後述する。
案内モード124は、案内処理における案内の方法を指定するための情報である。案内処理における案内の方法には「追尾ありモード」と、「追尾なしモード」とがある。追尾なしモードでは、案内部144は、注目オブジェクトに対する案内を1度だけ実施する。追尾ありモードでは、案内部144は、注目オブジェクトの経時的な変化に伴って、注目オブジェクトに対する案内を繰り返し実施する。案内モード124には、追尾なしモード、追尾ありモードのいずれか一方を表す情報が記憶されている。利用者は、案内モード124の内容を、入力情報取得部110による操作入力によって変更することができる。
電源130は、HMD100の各部に電力を供給する。電源130としては、例えば二次電池を用いることができる。無線通信部132は、所定の無線通信規格に則って、外部装置との間で無線通信を行う。所定の無線通信規格とは、例えば、赤外線、Bluetooth(登録商標)に例示される近距離無線通信、IEEE802.11に例示される無線LAN等である。GPSモジュール134は、GPS衛星からの信号を受信することにより、HMD100の利用者の現在位置を検出し、利用者の現在位置情報を表す現在位置情報を生成する。現在位置情報は、例えば緯度経度を表す座標によって実現することができる。
CPU140は、記憶部120に格納されているコンピュータープログラムを読み出して実行することにより、拡張現実感処理部142、案内部144、オペレーティングシステム(OS)150、画像処理部160、音声処理部170、表示制御部190として機能する。
拡張現実感処理部142は、案内処理において「音声と拡張現実感処理との組み合わせ」による案内を行う場合に、拡張現実感処理を実行する。拡張現実感処理において拡張現実感処理部142は、注目オブジェクト(実オブジェクト)に対して、仮想オブジェクトを付加して表示させる。詳細は後述する。案内部144は、案内処理を実行することで、注目オブジェクトに対する案内を「音声のみ」または「音声と拡張現実感処理との組み合わせ」により実施する。詳細は後述する。
画像処理部160は、画像表示のための信号処理を行う。具体的には、画像処理部160は、インターフェイス180や無線通信部132を介してコンテンツ(映像)が入力されている場合、コンテンツに基づく画像データーDataを生成する。画像処理部160は、HMD100の他の機能部から画像データーを受信した場合、受信したデーターを画像データーDataとする。画像処理部160は、画像データーDataに対して、解像度変換処理、輝度や彩度の調整といった種々の色調補正処理、キーストーン補正処理等の画像処理を実行してもよい。画像処理部160は、上述の画像データーDataと、クロック信号PCLKと、垂直同期信号VSyncと、水平同期信号HSyncと、を、送信部51、52を介して、画像表示部20へ送信する。送信部51を介して送信される画像データーDataを「右眼用画像データーData1」とも呼び、送信部52を介して送信される画像データーDataを「左眼用画像データーData2」とも呼ぶ。
表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24を制御する制御信号を生成する。具体的には、表示制御部190は、制御信号により、左右のLCD制御部211、212による左右のLCD241、242の駆動ON/OFFや、左右のバックライト制御部201、202による左右のバックライト221、222の駆動ON/OFFを個別に制御することにより、右表示駆動部22および左表示駆動部24のそれぞれによる画像光の生成および射出を制御する。表示制御部190は、これらの制御信号を、送信部51、52を介して画像表示部20へ送信する。
音声処理部170は、コンテンツに含まれる音声信号を取得し、取得した音声信号を増幅して、右イヤホン32の図示しないスピーカーと、左イヤホン34の図示しないスピーカーとに対して供給する。
インターフェイス180は、所定の有線通信規格に則って、外部装置OAとの間で通信を行う。所定の有線通信規格としては、例えば、MicroUSB(Universal Serial Bus)、USB、HDMI(High Definition Multimedia Interface、HDMIは登録商標)、DVI(Digital Visual Interface)、VGA(Video Graphics Array)、コンポジット、RS−232C(Recommended Standard 232)、IEEE802.3に例示される有線LAN等である。外部機器ОAとしては、例えば、パーソナルコンピューターPCや携帯電話端末、ゲーム端末等を利用することができる。
図3は、利用者に視認される虚像の一例を示す説明図である。図3(A)は、拡張現実感処理を実行していない場合の利用者の視野VRを例示している。上述のようにして、HMD100の利用者の両眼に導かれた画像光が利用者の網膜に結像することにより、利用者は虚像VIを視認する。図3(A)の例では、虚像VIは、HMD100のOS150の待ち受け画面である。利用者は、右光学像表示部26および左光学像表示部28を透過して外景SCを視認する。このように、本実施形態のHMD100の利用者は、視野VRのうち虚像VIが表示された部分については、虚像VIと、虚像VIの背後に外景SCとを見ることができる。また、視野VRのうち虚像VIが表示されていない部分については、光学像表示部を透過して、外景SCを直接見ることができる。
図3(B)は、拡張現実感処理を実行している場合の利用者の視野VRを例示している。拡張現実感処理を実行することによって、利用者は、仮想オブジェクトVOを含んだ虚像VIを視認する。仮想オブジェクトVOは、外景SCの山の麓に重畳するように配置されたリンゴの画像である。このように、利用者は、虚像VIに含まれる仮想オブジェクトVOと、虚像VIの背後に透過して見える外景SC内の実オブジェクトと、の両方を見ることで、拡張現実感を体感することができる。
A−2.案内処理:
図4は、案内処理の手順を示すフローチャートである。案内処理は、注目オブジェクトに対する案内を「音声のみ」または「音声と拡張現実感処理との組み合わせ」により実施する処理である。案内処理の開始トリガーは任意に定めることができる。例えば、HMD100の電源ONを開始トリガーとしてもよく、HMD100のOS150や特定のアプリケーションからの処理開始要求を開始トリガーとしてもよい。
ステップS102において案内部144は、カメラ61に外景画像を取得させる。
ステップS104において案内部144は、ステップS102で取得された外景画像に含まれる実オブジェクトの中から、少なくとも1つの実オブジェクトを、利用者に対して注目を促すべき注目オブジェクトとして特定する。具体的には、案内部144は、次に示すa1〜a4のいずれかの方法を用いて、注目オブジェクトを特定する。方法a1〜a4は、単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
(a1)実オブジェクトの経時的な変化を利用する方法:
・案内部144は、ステップS102において取得された外景画像を画像認識して、予め記憶部120等に記憶されている様々なオブジェクト(例えば、グラス、ボトル、人体、車、木等)のモデルと、パターンマッチングや統計的識別法による比較を行うことで、外景画像に含まれる全ての実オブジェクトを認識する(手順a11)。手順a11では、全ての実オブジェクトを認識することに代えて、主要な実オブジェクトのみを認識してもよい。手順a11では、外景画像を複数の領域に分けて画像認識してもよい。複数の領域とは、例えば、外景画像を水平方向および鉛直方向にそれぞれ2等分した4つの領域であってもよいし、外景画像を水平方向および鉛直方向にそれぞれ3等分した9つの領域であってもよい。
・案内部144は、外景画像の取得(ステップS102)と、取得された最新の外景画像に対する実オブジェクトの認識(手順a11)と、を複数回繰り返す(手順a12)。
・案内部144は、手順a12の結果から、繰り返し取得された複数の外景画像において、経時的な変化が大きい実オブジェクトを、注目オブジェクトとして特定する(手順a13)。経時的な変化が大きいとは、経時的な移動量が大きい場合と、経時的な移動速度が速い場合と、の両方を含む。ここで特定される注目オブジェクトの数は、1つでもいいし、複数でもいい。
方法a1によれば、案内部144は、取得された外景画像から自動的に注目オブジェクトを特定することができる。また、案内部144は、繰り返し取得された複数の外景画像において、経時的な変化が大きい実オブジェクトを注目オブジェクトとするため、例えば、移動量が大きい、移動速度が速い、等の実オブジェクトを注目オブジェクトとすることができる。このようにして特定された注目オブジェクトは、特に、危険回避のための案内に適している。
(a2)実オブジェクトの特徴を利用する方法:
・案内部144は、ステップS102において取得された外景画像を画像認識して、予め記憶部120等に記憶されている特徴(例えば、色の特徴、形の特徴、大きさの特徴等。この特徴は「所定の特徴」として機能する。)と、パターンマッチングや統計的識別法による比較を行う(手順a21)。
・案内部144は、外景画像において、手順a21の比較の結果が一致した実オブジェクトを、注目オブジェクトとして特定する(手順a22)。ここで特定される注目オブジェクトの数は、1つでもいいし、複数でもいい。
方法a2によれば、案内部144は、取得された外景画像から自動的に注目オブジェクトを特定することができる。また、案内部144は、外景画像において、所定の特徴を有する実オブジェクトを注目オブジェクトとするため、例えば、上述のように「所定の特徴」を予め用意しておくことによって、様々な実オブジェクトを注目オブジェクトとすることができる。このようにして特定された注目オブジェクトは、危険回避、情報提供、動作補助、作業支援といった、全てのタイプの案内に適している。
(a3)利用者の視線を利用する方法:
・案内部144は、ステップS102において取得された外景画像を画像認識して、外景画像に含まれる全て(または主要な)実オブジェクトを認識する(手順a31)。詳細は手順a11と同様である。
・案内部144は、視線検出部62に利用者の視線の方向を検出させる。案内部144は、手順a31で認識された実オブジェクトと、検出された視線の方向と、を照合し、視線の方向の先にあると推定される実オブジェクトを抽出する(手順a32)。
・案内部144は、外景画像の取得(ステップS102)と、取得された最新の外景画像に対する実オブジェクトの認識(手順a31)と、視線の方向の先にあると推定される実オブジェクトの抽出(手順a32)と、を複数回繰り返す(手順a33)。
・案内部144は、手順a33の結果から、繰り返し取得された複数の外景画像と視線の方向とにおいて、視線の方向の先にある割合が多いと推定される実オブジェクトを、注目オブジェクトとして特定する(手順a34)。ここで特定される注目オブジェクトの数は、1つでもいいし、複数でもいい。
方法a3によれば、案内部144は、取得された外景画像と、検出された視線の方向と、から自動的に注目オブジェクトを特定することができる。また、案内部144は、繰り返し取得された複数の外景画像と視線の方向とにおいて、視線の先にある割合が多いと推定される実オブジェクトを注目オブジェクトとするため、例えば、利用者がよく見る実オブジェクトを注目オブジェクトとすることができる。このようにして特定された注目オブジェクトは、特に、情報提供、動作補助、作業支援といったタイプの案内に適している。
(a4)利用者の指定を利用する方法:
・案内部144は、ステップS102において取得された外景画像を画像認識して、外景画像に含まれる全て(または主要な)実オブジェクトを認識する(手順a41)。詳細は手順a11と同様である。
・案内部144は、入力情報取得部110により取得された利用者からの操作入力を取得する。案内部144は、手順a41で認識された実オブジェクトと、取得された操作入力と、を照合し、利用者により指定された実オブジェクトを、注目オブジェクトとして特定する(手順a42)。ここで特定される注目オブジェクトの数は、1つでもいいし、複数でもいい。上述の通り、入力情報取得部110を介した利用者からの操作入力は、例えば、ジェスチャーを用いた入力であってもよく、目の動きを用いた入力であってもよく、音声を用いた入力であってもよく、フットスイッチを用いた入力であってもよい。
方法a4によれば、案内部144は、取得された外景画像と、取得された操作入力と、から自動的に注目オブジェクトを特定することができる。また、案内部144は、利用者により指定された実オブジェクトを注目オブジェクトとするため、利用者による意図を反映して注目オブジェクトを特定することができる。このようにして特定された注目オブジェクトは、危険回避、情報提供、動作補助、作業支援といった、全てのタイプの案内に適している。
図4のステップS106において案内部144は、ステップS104で特定された注目オブジェクトに対して、利用者に案内すべき内容(以降「案内内容」とも呼ぶ。)を取得する。具体的には、案内部144は、注目オブジェクトの名称、特徴、モデル等を用いて案内用情報122を検索することで、案内内容を取得する。
図5は、案内用情報122の一例を示す図である。案内用情報122は、オブジェクト1と、オブジェクト2と、案内内容と、を含んでいる。
「オブジェクト1」および「オブジェクト2」には、注目オブジェクトの名称、特徴、モデル等を用いた照合のための情報が記憶されている。図5の例では、オブジェクト1およびオブジェクト2には、注目オブジェクトの名称が記憶されている。このため、図5に例示した案内用情報122を用いる場合、案内処理のステップS106(図4)では、注目オブジェクトの名称を用いた検索が実施される。案内処理のステップS106において注目オブジェクトの特徴を用いた検索が実施される場合、オブジェクト1およびオブジェクト2には、注目オブジェクトの特徴を表す情報が記憶される。案内処理のステップS106において注目オブジェクトのモデルを用いた検索が実施される場合、オブジェクト1およびオブジェクト2には、注目オブジェクトのモデルを表す情報が記憶される。
「案内内容」には、利用者に案内すべき内容を表す情報が記憶されている。図5の例では、案内内容には、利用者に案内すべき内容を表す文字列が1つまたは2つ記憶されている。図5において、文字列の末尾に「(*)」表記がないものは、追尾なしモードでの案内と、追尾ありモードでの案内と、の両方で使用される案内情報を表す。文字列の末尾に「(*)」表記があるものは、追尾ありモードでの案内にのみ使用される案内情報を表す。案内内容は、例示したように文字列で記憶されていてもよく、図形や画像により記憶されていてもよく、案内部144において実行されるプログラムデーターにより記憶されていてもよい。
「案内内容」には、次に示すb1〜b4の情報を含み得る。
(b1)注目オブジェクトに対する利用者の注意喚起のための案内:情報b1によれば、案内部144は、利用者に対する危険回避のための案内を実施できる。
(b2)注目オブジェクトに関する情報の案内:情報b2によれば、案内部144は、利用者に対する情報提供のための案内を実施できる。
(b3)注目オブジェクトの位置に関する案内:情報b3によれば、案内部144は、利用者に対する動作補助のための案内を実施できる。
(b4)注目オブジェクトに対する利用者の作業内容の案内:情報b4によれば、案内部144は、利用者に対する作業支援のための案内を実施できる。
具体的には、図5のエントリーE1の例では、オブジェクト1が「ボトル」であり、オブジェクト2が「グラス」である場合に、追尾なしモードと追尾ありモードの両方において「ボトルの口をグラスの中央に案内(情報b3に相当)」することと、追尾ありモードにおいて「グラス内の液体の量を案内(情報b2に相当)」することが記憶されている。また、エントリーE5の例では、オブジェクト1が「車」である場合に、追尾なしモードと追尾ありモードの両方において「車に対する注意喚起の案内(情報b1に相当)」をすることと、追尾ありモードにおいて「車との距離を案内(情報b2に相当)」することが記憶されている。このように、オブジェクト2にはデーターが格納されていなくてもよい。
図4のステップS108において案内部144は、視線検出部62に利用者の視線の方向を検出させる。
ステップS110において案内部144は、ステップS104で特定された注目オブジェクトの外景画像内における位置と、検出された視線の方向と、を照合し、注目オブジェクトが視線の方向にあるか否かを推定する。
注目オブジェクトが視線の方向にないと推定した場合(ステップS110:視線の方向になし)、ステップS112において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容に基づく案内を、音声のみによって実施する。具体的には、案内部144は、案内のための音声データーを生成または取得し、音声処理部170へ送信する。音声処理部170は、受信した音声データーに基づく音声を、右イヤホン32内のスピーカーと左イヤホン34内のスピーカーとから出力させる。
注目オブジェクトが視線の方向にあると推定した場合(ステップS110:視線の方向にあり)、ステップS114において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容に基づく案内を、音声と拡張現実感処理との組み合わせによって実施する。音声による案内の具体的な方法は、ステップS112と同様である。拡張現実感処理による案内の具体的な方法は、次の手順c1〜c5に示す通りである。
(c1)案内部144は、ステップS104で特定された注目オブジェクトを特定するための情報(注目オブジェクトの名称、特徴、モデル等)と、ステップS106で取得された案内内容と、を拡張現実感処理部142へ送信する。
(c2)拡張現実感処理部142は、カメラ61に外景画像を取得させる。拡張現実感処理部142は、手順c1で取得した注目オブジェクトを特定するための情報を用いて、取得された外景画像内における注目オブジェクトの位置を取得する。「位置」とは、利用者からの距離、および、利用者の視界内における水平方向および鉛直方向の位置を含む。この際、拡張現実感処理部142は、ステレオカメラであるカメラ61によって取得された2枚以上の外景画像を用いて、注目オブジェクトの位置を算出してもよい。また、拡張現実感処理部142は、カメラ61により取得された1枚以上の外景画像と、図示しない各種のセンサー(例えば、深度センサー、測距センサー等)とを併用して、注目オブジェクトの位置を算出してもよい。
(c3)拡張現実感処理部142は、手順c1で取得した案内内容のうち、末尾に「(*)」表記がないものの内容に応じて、注目オブジェクトに付加的に表示するための仮想オブジェクトを表す画像、文字、図形記号等を取得または生成する。仮想オブジェクトを表す画像、文字、図形記号等の一例は、例えば、矢印、線、スケール、目盛り、ポインター、ショートカット、メニュー、ラジオボタン、選択ボタン、ソフトキーボード等である。拡張現実感処理部142は、記憶部120に予め記憶された仮想オブジェクトを取得してもよいし、HMD100にネットワーク接続されている他の装置に予め記憶された仮想オブジェクトを取得してもよい。
(c4)拡張現実感処理部142は、手順c2で取得した注目オブジェクトの位置に合わせて、手順c3で取得または生成した仮想オブジェクトを配置し、他の部分に黒色を配置した付加画像データーを生成する。位置合わせの際、拡張現実感処理部142は、注目オブジェクトの特徴部(エッジ等)を利用してもよいし、注目オブジェクトに付されたマーカー等の目印を利用してもよい。位置合わせの際、拡張現実感処理部142は、予め記憶部120に記憶されている注目オブジェクトのモデル(または画像)を用いた画像認識を利用してもよい。位置合わせの際、拡張現実感処理部142は、利用者による指示に基づいてもよい。また、拡張現実感処理部142は、仮想オブジェクトを配置する際に、仮想オブジェクトに対して拡大、縮小、回転、色変換等の画像処理を施してもよい。
(c5)拡張現実感処理部142は、生成した付加画像データーに基づく画像を、画像処理部160へ送信し、画像表示部20の光学像表示部26、28に表示させる。
図4のステップS112またはステップS114が終了した後、案内部144は、案内モード124に記憶されている内容を取得する。案内モード124の内容が「追尾なしモード」である場合、案内部144は、案内処理を終了させる。案内モード124の内容が「追尾ありモード」である場合、案内部144は、任意の所定時間待機した後、ステップS102の処理と、ステップS108〜S114の処理と、を繰り返す。2回目以降のステップS108〜S114の処理において、案内部144は、1回目のステップS104で特定された注目オブジェクトと、1回目のステップS106で取得された案内内容のうち、末尾に「(*)」表記があるものの内容と、を利用する。すなわち、2回目以降、ステップS104と、ステップS106とは実行されない。
A−3.案内処理の具体例:
A−3−1.第1の具体例:
図6〜8は、案内処理の第1の具体例について説明する図である。第1の具体例では、利用者がボトルからグラスに対して液体を注ごうとしている場面での案内処理について説明する。第1の具体例は、動作補助および情報提供の一例である。案内処理(図4)のステップS102において案内部144は、外景画像を取得する。図6は、ステップS102において取得された外景画像の一例である。外景画像IM1には、実オブジェクトであるOB11〜OB13が含まれている。
案内処理のステップS104において案内部144は、実オブジェクトOB11〜OB13から、上述した方法a1〜a4のいずれかを用いて、注目オブジェクトを特定する。例えば、グラスOB12と、ボトルOB11とが、注目オブジェクトとして特定されたとする。案内処理のステップS106において案内部144は、グラスOB12とボトルOB11とを用いて、案内用情報122を検索し、エントリーE1の案内内容「ボトルの口をグラスの中央に案内」と「グラス内の液体の量を案内(*)」とを取得する。
案内処理のステップS108において案内部144は、利用者の視線の方向を検出する。グラスOB12とボトルOB11との両方が視線の方向にない場合(ステップS110:視線の方向になし)、ステップS112において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容「ボトルの口をグラスの中央に案内」に基づく案内を、音声のみによって実施する。この結果、左右イヤホン32、34内のスピーカーからは「ボトルの口を左に移動させてください」という案内音声SO11(図7)のみが再生され、仮想オブジェクトVO11を含む虚像VIは表示されない。
グラスOB12とボトルOB11との少なくともいずれか一方が視線の方向にある場合(ステップS110:視線の方向にあり)、ステップS114において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容「ボトルの口をグラスの中央に案内」に基づく案内を、音声と拡張現実感処理との組み合わせによって実施する。この結果、図7に示すように、左右イヤホン32、34内のスピーカーからは「ボトルの口を左に移動させてください」という案内音声SO11が再生されると共に、グラスOB12の中心線を表した仮想オブジェクトVO11を含む虚像VIが表示される。
案内モード124に記憶されている内容が「追尾なしモード」である場合、案内部144は、以上により処理を終了させる。案内モード124に記憶されている内容が「追尾ありモード」である場合、案内部144は、所定時間待機する。2回目の案内処理のステップS102において案内部144は、外景画像を取得する。
2回目の案内処理のステップS108において案内部144は、利用者の視線の方向を検出する。グラスOB12とボトルOB11との両方が視線の方向にない場合(ステップS110:視線の方向になし)、2回目のステップS112において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容「グラス内の液体の量を案内(*)」に基づく案内を、音声のみによって実施する。この結果、左右イヤホン32、34内のスピーカーからは「もうすぐ満水です」という案内音声SO12(図8)のみが再生され、仮想オブジェクトVO12を含む虚像VIは形成されない。
グラスOB12とボトルOB11との少なくともいずれか一方が視線の方向にある場合(ステップS110:視線の方向にあり)、2回目のステップS114において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容「グラス内の液体の量を案内(*)」に基づく案内を、音声と拡張現実感処理との組み合わせによって実施する。この結果、図8に示すように、左右イヤホン32、34内のスピーカーからは「もうすぐ満水です」という案内音声SO12が再生されると共に、グラスOB12の中心線を表した仮想オブジェクトVO11と、現在の液体量を矢印で示した仮想オブジェクトVO12と、を含む虚像VIが表示される。
A−3−2.第2の具体例:
図9〜11は、案内処理の第2の具体例について説明する図である。第2の具体例では、利用者が車を運転している場面での案内処理について説明する。第2の具体例は、危険回避および情報提供の一例である。案内処理(図4)のステップS102において案内部144は、外景画像を取得する。図9は、ステップS102において取得された外景画像の一例である。外景画像IM2には、実オブジェクトであるOB21〜OB26が含まれている。
案内処理のステップS104において案内部144は、実オブジェクトOB21〜OB26から、上述した方法a1〜a4のいずれかを用いて、注目オブジェクトを特定する。例えば、看板OB21と、車OB23とが、注目オブジェクトとして特定されたとする。案内処理のステップS106において案内部144は、看板OB21と車OB23とを用いて、案内用情報122を検索し、エントリーE8の案内内容「看板に対する注意喚起の案内」および「看板の内容を案内」と、エントリーE5の案内内容「車に対する注意喚起の案内」および「車との距離を案内(*)」と、を取得する。
案内処理のステップS108において案内部144は、利用者の視線の方向を検出する。看板OB21が視線の方向にない場合(ステップS110:視線の方向になし)、ステップS112において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容「看板に対する注意喚起の案内」および「看板の内容を案内」に基づく案内を、音声のみによって実施する。この結果、左右イヤホン32、34内のスピーカーからは「追突に注意してください」という案内音声SO21(図10)のみが再生され、仮想オブジェクトVO21を含む虚像VIは表示されない。車OB23が視線の方向にない場合(ステップS110:視線の方向になし)、ステップS112において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容「車に対する注意喚起の案内」に基づく案内を、音声のみによって実施する。この結果、左右イヤホン32、34内のスピーカーからは「前方の車に注意してください」という案内音声SO22(図10)のみが再生され、仮想オブジェクトVO22を含む虚像VIは表示されない。
看板OB21が視線の方向にある場合(ステップS110:視線の方向にあり)、ステップS114において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容「看板に対する注意喚起の案内」および「看板の内容を案内」に基づく案内を、音声と拡張現実感処理との組み合わせによって実施する。この結果、図10に示すように、左右イヤホン32、34内のスピーカーからは「追突に注意してください」という案内音声SO21が再生されると共に、看板OB21を強調するための仮想オブジェクトVO21を含む虚像VIが表示される。車OB23が視線の方向にある場合(ステップS110:視線の方向にあり)、ステップS114において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容「車に対する注意喚起の案内」に基づく案内を、音声と拡張現実感処理との組み合わせによって実施する。この結果、図10に示すように、左右イヤホン32、34内のスピーカーからは「前方の車に注意してください」という案内音声SO22が再生されると共に、車OB23を強調するための仮想オブジェクトVO22を含む虚像VIが表示される。
案内モード124に記憶されている内容が「追尾なしモード」である場合、案内部144は、以上により処理を終了させる。案内モード124に記憶されている内容が「追尾ありモード」である場合、案内部144は、所定時間待機する。2回目の案内処理のステップS102において案内部144は、外景画像を取得する。取得された外景画像には看板OBが含まれていないため、案内部144は、2回目の処理において、注目オブジェクトから看板OB21を除外する。
2回目の案内処理のステップS108において案内部144は、利用者の視線の方向を検出する。車OB23が視線の方向にない場合(ステップS110:視線の方向になし)、2回目のステップS112において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容「車との距離を案内(*)」に基づく案内を、音声のみによって実施する。この結果、左右イヤホン32、34内のスピーカーからは「5m前方車両が近接しています」という案内音声SO23(図10)のみが再生され、仮想オブジェクトVO21を含む虚像VIは表示されない。
車OB23が視線の方向にある場合(ステップS110:視線の方向にあり)、2回目のステップS114において案内部144は、ステップS106で取得された案内内容「車との距離を案内(*)」に基づく案内を、音声と拡張現実感処理との組み合わせによって実施する。この結果、図10に示すように、左右イヤホン32、34内のスピーカーからは「5m前方車両が近接しています」という案内音声SO23が再生されると共に、車OB23を強調するための仮想オブジェクトVO22と、利用者と車OB23との間の距離を示した仮想オブジェクトVO23と、を含む虚像VIが表示される。
以上のように、上記実施形態の案内処理によれば、案内部144は、現実世界に実在すると共に、ステップS102により取得された外景画像に含まれる少なくとも1つの実オブジェクトであって、利用者に対して注目を促す実オブジェクトである注目オブジェクトに対する案内を、少なくとも音声SO11〜SO23により実施することができる(ステップS112、S114)。音声SO11〜SO23を用いた案内は、利用者の視野領域に形成される虚像VIを用いた案内と比較して、利用者の視野を狭める虞、換言すれば、現実世界の視認性が低下する虞を低くすることができる。この結果、現実世界の視認性を確保しつつ、現実世界に実在する実オブジェクトに対して利用者の注目を促すことが可能な頭部装着型表示装置(HMD100)を提供することができる。
さらに、上記実施形態の案内処理によれば、案内部144は、注目オブジェクトが利用者の視線の方向にないと推定される場合(ステップS110:視線の方向になし)は、音声SO11〜SO23のみにより案内を実施する(ステップS112)。このため、案内部144は、視線の方向にない注目オブジェクトに対する案内のために、利用者の視野領域に虚像VIが形成されることを抑制することができ、現実世界の視認性を確保することができる。一方、案内部144は、注目オブジェクトが利用者の視線の方向にあると推定される場合(ステップS110:視線の方向にあり)は、音声SO11〜SO23に加えてさらに、注目オブジェクトに付加的に表示するための仮想オブジェクトVO11〜VO23を含んだ虚像VIを形成させることで案内を実施する(ステップS114)。このため、案内部144は、視線の方向にある注目オブジェクトに対する案内を、音声SO11〜SO23と、虚像VIと、の両方の手段を用いて手厚く行うことができる。すなわち、利用者は、自身の視線の方向にある注目オブジェクトについては、視覚と聴覚とを介した案内を享受することができる。これらの結果、現実世界の視認性を確保しつつ、現実世界に実在する実オブジェクトに対して利用者の注目を促すことが可能な頭部装着型表示装置(HMD100)において、さらに、利用者の利便性を向上させることができる。
さらに、上記実施形態の案内処理によれば、案内モード124が「追尾ありモード」である場合、案内部144は、ステップS102において繰り返し取得された複数の外景画像における注目オブジェクトの経時的な変化に伴って、ステップS112またはステップS114の案内を繰り返し実施する。この結果、案内部144は、注目オブジェクトの最新の状態に対応した案内を随時行うことができる、換言すれば、案内部144は、注目オブジェクトを追跡しつつ案内を行うことができる。
B.変形例:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。その他、以下のような変形も可能である。
・変形例1:
上記実施形態では、HMDの構成について例示した。しかし、HMDの構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に定めることが可能であり、例えば、各構成部の追加・削除・変換等を行うことができる。
上記実施形態における制御部と画像表示部とに対する構成要素の割り振りは、あくまで一例であり、種々の態様を採用可能である。例えば、以下のような態様としてもよい。
(i)制御部にCPUやメモリー等の処理機能を搭載し、画像表示部には表示機能のみを搭載する態様
(ii)制御部と画像表示部との両方にCPUやメモリー等の処理機能を搭載する態様
(iii)制御部と画像表示部とを一体化した態様(例えば、画像表示部に制御部が含まれ眼鏡型のウェアラブルコンピューターとして機能する態様)
(iv)制御部の代わりにスマートフォンや携帯型ゲーム機を使用する態様
(v)制御部と画像表示部とを無線LANや赤外線通信やBluetooth等の無線の信号伝送路を介した接続により接続し、接続部(コード)を廃した態様。なお、この場合において、制御部または画像表示部に対する給電をワイヤレスにより実施してもよい。
例えば、上記実施形態で例示した制御部の構成は任意に変更することができる。具体的には、例えば、制御部の送信部(Tx)および画像表示部の受信部(Rx)は、いずれも、双方向通信が可能な機能を備えており送受信部として機能してもよい。例えば、制御部が備えるとした操作用インターフェイス(各種キーやトラックパッド等)の一部を省略してもよい。例えば、制御部に操作用スティック等の他の操作用インターフェイスを備えてもよい。例えば、制御部にはキーボードやマウス等のデバイスを接続可能な構成として、キーボードやマウスから入力を受け付けるものとしてもよい。例えば、制御部が備えるとした各処理部(例えば画像処理部、表示制御部、拡張現実感処理部等)は、当該機能を実現するために設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を用いて構成されてもよい。例えば、制御部には、電源として二次電池が搭載されることとしたが、電源としては二次電池に限らず、種々の電池を使用することができる。例えば、一次電池や、燃料電池、太陽電池、熱電池等を使用してもよい。
例えば、上記実施形態で例示した画像表示部の構成は任意に変更することができる。具体的には、例えば、画像表示部の画像光生成部は、上述した構成部(バックライト、バックライト制御部、LCD、LCD制御部)と共に、または、上述した構成部に代えて、他の方式を実現するための構成部を備えていても良い。例えば、画像光生成部は、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)のディスプレイと、有機EL制御部とを備えていてもよい。例えば、画像生成部は、LCDに代えてデジタル・マイクロミラー・デバイス等を備えていてもよい。例えば、レーザー網膜投影型の頭部装着型表示装置に対して本発明を適用することも可能である。例えば、イヤホンに代えて、または、イヤホンと共に、骨伝導スピーカーを備えていてもよい。骨伝導スピーカーを利用した音の再生によれば、雑音の多い環境(例えば工場内)においても、利用者にはっきりと音を伝えることができる。
図12は、変形例におけるHMDの外観の構成を示す説明図である。図10(A)の画像表示部20xは、右光学像表示部26xおよび左光学像表示部28xを備えている。これらは上記実施形態の光学部材よりも小さく形成され、HMDの装着時における利用者の左右の眼の斜め上にそれぞれ配置されている。図10(B)の画像表示部20yは、右光学像表示部26yおよび左光学像表示部28yを備えている。これらは上記実施形態の光学部材よりも小さく形成され、HMDの装着時における利用者の左右の眼の斜め下にそれぞれ配置されている。このように、光学像表示部は利用者の眼の近傍に配置されていれば足りる。光学像表示部を形成する光学部材の大きさは任意であり、光学像表示部が利用者の眼の一部分のみを覆う態様、換言すれば、光学像表示部が利用者の眼を完全に覆わない態様でもよい。
例えば、HMDは、両眼タイプの透過型HMDであるものとしたが、単眼タイプのHMDとしてもよい。例えば、利用者がHMDを装着した状態において外景の透過が遮断される非透過型HMDとして構成してもよいし、非透過型HMDにカメラを搭載したビデオシースルーとして構成してもよい。例えば、イヤホンは耳掛け型やヘッドバンド型を採用してもよく、省略しても良い。例えば、眼鏡のように装着する画像表示部に代えて、通常の平面型ディスプレイ装置(液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置等)を採用してもよい。この場合も、制御部と画像表示部との間の接続は、有線、無線どちらでもよい。このようにすれば、制御部を、通常の平面型ディスプレイ装置のリモコンとして利用することができる。例えば、眼鏡のように装着する画像表示部に代えて、例えば帽子のように装着する画像表示部や、ヘルメット等の身体防護具に内蔵された画像表示部といった、他の態様の画像表示部を採用してもよい。例えば、自動車や飛行機等の車両、またはその他の交通手段に搭載されるヘッドアップディスプレイ(HUD、Head-Up Display)として構成されてもよい。
・変形例2:
上記実施形態では、案内処理の一例を示した。しかし、上記実施形態において示した処理の手順はあくまで一例であり、種々の変形が可能である。例えば、一部のステップを省略してもよいし、更なる他のステップを追加してもよい。実行されるステップの順序を変更してもよい。
例えば、案内部は、視線方向の検出(ステップS108)を省略してもよい。この場合、案内部は、利用者の視線の方向にかかわらず、注目オブジェクトに対する案内を音声のみで実施すればよい(ステップS112)。
例えば、案内部は、案内内容の取得(ステップS106)に代えて、または、案内内容の取得と共に、DSSS(Driving Safety Support Systems)により提供される情報を取得して、ステップS112またはステップS114による案内を実施してもよい。また、案内部は、DSSS以外の他の「車両・歩行者等の支援システム」により提供される情報を取得して、ステップS112またはステップS114による案内を実施してもよい。
例えば、案内部は、案内処理(ステップS112、S114)において、追尾ありモードの案内と、追尾なしモードの案内と、のうちのどちらか一方のみを実施してもよい。この場合、記憶部の案内モードは省略してよい。また、例えば、案内部は、原則として追尾なしモードの案内を実施することとし、所定の条件を満たした場合に限って追尾ありモードの案内を実施してもよい。所定の条件とは、例えば、注目オブジェクトの経時的な変化が所定量以上か否か(詳細な判定方法は上述した方法a1と同様)、注目オブジェクトの特徴が所定の特徴と一致するか否か(詳細な判定方法は上述した方法a2と同様)、注目オブジェクトに利用者の視線が向いたか否か(詳細な判定方法は上述した方法a3と同様)、注目オブジェクトに利用者の指定があったか否か(詳細な判定方法は上述した方法a4と同様)を採用することができる。
例えば、案内部は、案内処理(ステップS112、S114)において、所定の数以上の案内音声を用いた案内を実施する場合に、案内音声の内容を短縮化してもよい。具体的には、図10の例において案内部は、「追突に注意してください」との案内音声を「追突注意」のように短縮化してもよく、「前方の車に注意してください」との案内音声を「前方注意」のように短縮化してもよい。所定の数は、2以上でもよいし、3以上でもよいし、利用者が設定可能であってもよい。このようにすれば、複数の案内音声を用いた案内に要する時間を短縮することができる。
例えば、案内部は、案内処理(ステップS112、S114)において、複数の案内音声を用いた案内を実施する場合に、案内音声に対応する注目オブジェクトの重要度に応じて、案内を実施する順序を決定してもよい。注目オブジェクトの重要度の決定に際しては、上述した方法a1〜a4を利用し、例えば、方法a4により特定された注目オブジェクトは優先順位が1番、方法a1により特定された注目オブジェクトは優先順位が2番、等とすることができる。また、注目オブジェクトの特定方法と優先順位との対応関係を、利用者が変更可能であってもよい。このようにすれば、優先順位の高い注目オブジェクトについての案内音声を先ず案内することができるため、利便性を向上させることができる。
例えば、案内部は、案内処理(ステップS112、S114)において、注目オブジェクトと利用者との位置関係に応じて、右イヤホン内のスピーカーと、左イヤホン内のスピーカーと、のうちのいずれか一方から案内音声を出力させてもよい。具体的には、例えば、案内部は、注目オブジェクトが利用者の右側に位置する場合には、右イヤホン内のスピーカーから案内音声を出力させ、注目オブジェクトが利用者の左側に位置する場合には、左イヤホン内のスピーカーから案内音声を出力させてもよい。また、例えば、頭部装着型表示装置に広い周波数応答特性と指向性を持ったスピーカーを備える場合には、Dolby(登録商標)等の音声処理システムを利用することができる。この場合、案内部は、注目オブジェクトが存在する位置から案内音声が再生されるような音声データーを生成し、音声処理システムへ供給し、出力させることができる。このようにすれば、案内音声を聞いた利用者は、自身と注目オブジェクトとの位置関係を直観的に知ることができる。
例えば、案内部は、案内処理(ステップS112、S114)において、案内音声に代えて、ブザー等の警告音、アラーム等の注意喚起音、メロディー等を再生してもよい。
例えば、案内部は、案内処理(ステップS112、S114)において、音(音波)に代えて、または、音と共に、振動によって注目オブジェクトに対する案内を行ってもよい。この場合、例えば、頭部装着型表示装置に振動モーター等を内蔵した振動部を備える構成とし、案内部は、案内音声の再生に代えて、または音声の再生と共に、振動モーターの駆動を行えばよい。この場合も、案内部は、注目オブジェクトと利用者との位置関係に応じて、例えば右保持部に内蔵されている振動モーターと、左保持部に内蔵されている振動モーターと、のうちのいずれか一方を駆動させてもよい。
例えば、案内部は、案内処理(ステップS114)において表示させる仮想オブジェクトに視差を付してもよい。
例えば、上述した案内処理と共に、次のような案内処理を実施してもよい。頭部装着型表示装置は、利用者と注目オブジェクトとの間の距離を取得する距離取得部を備える構成とする。案内部は、利用者と注目オブジェクトとの間の距離が所定の距離(例えば20m)以内となった場合に、案内音声を再生させる。案内音声は、警告音や注意喚起音やメロディーであってもよい。案内部は、所定の距離を、利用者の移動速度に応じて変化(例えば、時速50km以上の場合は20m等)させてもよい。なお、距離取得部は、例えば、図2に示したステレオカメラを利用したステレオカメラ方式で距離を取得してもよいし、単眼カメラと単眼カメラの移動距離を利用した単眼カメラ方式で距離を取得してもよい。距離取得部は、赤外線(または超音波)受発光部を利用したパターン照射方式で距離を取得してもよいし、赤外線(または超音波)受発光部を利用したToF(Time of Flight)方式で距離を取得してもよい。
例えば、上述した案内処理の前処理として、または、案内処理のステップS114の前処理として、次のような調整処理を実施してもよい。頭部装着型表示装置は、IMU(Inertial Measurement Unit、慣性計測装置)を備える構成とする。CPUは、IMUを用いて、利用者の視界方向の領域(例えばカメラの撮像領域)と、画像表示部における虚像の表示領域と、の対応付けを行う。このようにすれば、拡張現実感処理部は、案内処理のステップS114において表示する仮想オブジェクトと、実オブジェクト(注目オブジェクト)と、の位置合わせの精度を向上させることができる。また、利用者の頭部の細かなぶれに起因する仮想オブジェクトの表示のぶれを抑制できる。また、拡張現実感処理において不要画像のマスク処理を実施する場合、マスク処理の速度を向上させることができる。
例えば、複数の頭部装着型表示装置の利用者が存在する環境下において、案内処理では、各利用者の相対位置関係を利用して処理を実施してもよい。具体的には、例えば、注目オブジェクトの特定(ステップS104)において、HMD100xの案内部は、HMD100xの利用者と所定の相対位置関係を有する他のHMD100y、100z等の利用者を、注目オブジェクトとしてもよい。例えば、案内(ステップS112、S114)において、HMD100xの案内部は、HMD100xの利用者と他のHMD100y、100z等の利用者との相対位置関係に応じて、右イヤホン内のスピーカーと、左イヤホン内のスピーカーと、のうちのいずれか一方から案内音声を出力させてもよく、仮想オブジェクトを表示させる位置を調整してもよい。このようにすれば、複数の頭部装着型表示装置の利用者が存在する環境下(例えば、工場内、学校内等)において、各利用者の相対位置関係に基づく案内を実現することができる。
・変形例3:
上記実施形態では、案内用情報の一例を示した。しかし、上記実施形態において示した案内用情報の構成および内容はあくまで一例であり、種々の変形が可能である。例えば、一部の構成を省略してもよいし、更なる他の構成を追加してもよい。案内用情報に格納されているデーターを変更してもよい。
例えば、注目オブジェクトの名称等を用いた照合のための情報である「オブジェクト」欄は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
例えば、案内内容に代えて、または、案内内容と共に、手順情報が記憶されていてもよい。「手順情報」とは、HMDの利用者に対して、一連の動作手順を教示するために用いられる情報である。動作手順には、種々のカテゴリーの動作の手順が広く含まれる。例えば、料理や裁縫における製作者の動作の手順、工場作業における作業員の動作の手順、テニス等のスポーツにおける競技者の動作の手順等が含まれる。また、動作手順には、思考プロセスのような思考の手順、学習プロセスにおける思考の手順といった、利用者の体の動きを伴わない思考動作の手順をも含む。これらの動作の手順は、連続的であってもよいし、一定間隔をおいて不連続的であってもよい。
・変形例4:
上記実施形態では、案内処理の具体例を示した。しかし、上記実施形態において示した具体例はあくまで一例であり、種々の変形が可能である。例えば、例示した音声による案内の態様や、拡張現実感処理における仮想オブジェクトの態様は、任意に変更することができる。
例えば、第1、2の具体例では、実オブジェクトは1つの「もの」単位であるとして説明した。しかし、案内部は、1つの「もの」の中に複数の実オブジェクトが存在するとして案内処理を実施してもよい。具体的には、「車」という1つのものの中に、ボディー、バンパー、タイヤ、テールランプといった、複数の実オブジェクトが存在するとして案内処理を実施してもよい。
例えば、第1の具体例において、案内部は、グラスの近傍に、利用者に対して液体量を案内するための目盛りを表す仮想オブジェクトを表示させてもよい。同様に、案内部は、グラスの任意の地点に、液体の注入を停止すべき位置を案内するための目印を表す仮想オブジェクトを表示させてもよい。同様に、案内部は、グラスの近傍(好ましくは下部)に、利用者に対して重量を案内するためのスケールを表示させてもよい。案内部は、画像認識により推定された液体量等に応じてスケールの値を変化させてもよい。
例えば、第2の具体例において、案内部は、前方の車との距離に応じて、当該車を強調するための仮想オブジェクトの態様を変化させてもよい。具体的には、案内部は、前方の車との距離が近ければ近いほど仮想オブジェクトを目立ちやすく(大きく、濃く)することができる。
・変形例5:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…制御部
11…決定キー
12…点灯部
13…表示切替キー
14…トラックパッド
15…輝度切替キー
16…方向キー
17…メニューキー
18…電源スイッチ
20…画像表示部
21…右保持部
22…右表示駆動部
23…左保持部
24…左表示駆動部
26…右光学像表示部
28…左光学像表示部
30…イヤホンプラグ
32…右イヤホン
34…左イヤホン
40…接続部
42…右コード
44…左コード
46…連結部材
48…本体コード
51…送信部
53…受信部
61…カメラ
62…視線検出部
63…マイク
66…9軸センサー
100…ヘッドマウントディスプレイ(頭部装着型表示装置)
110…入力情報取得部
120…記憶部
122…案内用情報
124…案内モード
130…電源
132…無線通信部
134…GPSモジュール
140…CPU
142…拡張現実感処理部
144…案内部
150…OS
160…画像処理部
170…音声処理部
180…インターフェイス
190…表示制御部
201…右バックライト制御部
202…左バックライト制御部
211…右LCD制御部
212…左LCD制御部
221…右バックライト
222…左バックライト
241…右LCD
242…左LCD
251…右投写光学系
252…左投写光学系
261…右導光板
262…左導光板
VSync…垂直同期信号
HSync…水平同期信号
Data…画像データー
OA…外部装置
PC…パーソナルコンピューター
VI…虚像
SC…外景
VR…視野
RE…右眼
LE…左眼
IM1、IM2…外景画像
OB11〜OB26…実オブジェクト
VO11〜VO23…仮想オブジェクト
SO11〜SO23…音声

Claims (12)

  1. 利用者が虚像を視認可能な頭部装着型表示装置であって、
    前記利用者に前記虚像を視認させる画像表示部と、
    前記頭部装着型表示装置を装着した状態における前記利用者の視界方向の外景画像を取得する画像取得部と、
    現実世界に実在すると共に、取得された前記外景画像に含まれる少なくとも1つの実オブジェクトである注目オブジェクトに対する案内を、音により行う案内部と、
    前記頭部装着型表示装置を装着した状態における前記利用者の視線の方向を検出する視線検出部と、
    を備え、
    前記案内部は、
    前記注目オブジェクトが、検出された前記視線の方向にないと推定される場合は、前記音のみによる前記案内を行い、
    前記注目オブジェクトが、検出された前記視線の方向にあると推定される場合は、前記音に加えてさらに、前記注目オブジェクトに付加的に表示するための仮想オブジェクトを含んだ前記虚像を前記画像表示部に形成させることで、前記案内を行う、頭部装着型表示装置。
  2. 利用者が虚像を視認可能な頭部装着型表示装置であって、
    前記利用者に前記虚像を視認させる画像表示部と、
    前記頭部装着型表示装置を装着した状態における前記利用者の視界方向の外景画像を取得する画像取得部と、
    現実世界に実在すると共に、取得された前記外景画像に含まれる少なくとも1つの実オブジェクトである注目オブジェクトに対する案内を、音により行う案内部と、
    を備え
    前記画像取得部は、前記外景画像を繰り返し取得し、
    前記案内部は、
    取得された複数の前記外景画像内における前記注目オブジェクトの経時的な変化に伴って、前記注目オブジェクトの最新の状態に対応した前記案内を繰り返し行う、頭部装着型表示装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記案内は、
    前記注目オブジェクトに対する前記利用者の注意喚起のための案内と、
    前記注目オブジェクトに関する情報の案内と、
    前記注目オブジェクトの位置に関する案内と、
    予め用意された手順情報に基づく、前記注目オブジェクトに対する前記利用者の作業内容の案内と、
    のうちの少なくともいずれか1つを含む、頭部装着型表示装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記画像取得部は、前記外景画像を繰り返し取得し、
    前記案内部は、さらに、
    取得された複数の前記外景画像をそれぞれ画像認識し、
    前記複数の外景画像に含まれる実オブジェクトであって、経時的な変化が大きい実オブジェクトを、前記注目オブジェクトとする、頭部装着型表示装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記案内部は、さらに、
    取得された前記外景画像を画像認識し、
    前記外景画像に含まれる実オブジェクトであって、所定の特徴を有する実オブジェクトを、前記注目オブジェクトとする、頭部装着型表示装置。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、さらに、
    前記頭部装着型表示装置を装着した状態における前記利用者の視線の方向を検出する視線検出部を備え、
    前記画像取得部は、前記外景画像を繰り返し取得し、
    前記視線検出部は、前記視線の方向を繰り返し検出し、
    前記案内部は、さらに、
    取得された複数の前記外景画像と、複数回にわたり検出された前記視線の方向と、を照合し、
    前記複数の外景画像に含まれる実オブジェクトであって、前記視線の先にある割合が多いと推定される実オブジェクトを、前記注目オブジェクトとする、頭部装着型表示装置。
  7. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、さらに、
    前記利用者からの操作入力を取得する入力情報取得部を備え、
    前記案内部は、さらに、
    取得された前記外景画像と、取得された前記操作入力と、を照合し、
    前記外景画像に含まれる実オブジェクトであって、前記利用者により指定された実オブジェクトを、前記注目オブジェクトとする、頭部装着型表示装置。
  8. 請求項に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記画像取得部は、前記外景画像を繰り返し取得し、
    前記案内部は、
    取得された複数の前記外景画像内における前記注目オブジェクトの経時的な変化に伴って、前記案内を繰り返し行う、頭部装着型表示装置。
  9. 利用者が虚像を視認可能な頭部装着型表示装置を制御する方法であって、
    (a)前記頭部装着型表示装置を装着した状態における利用者の視界方向の外景画像を取得する画像取得工程と、
    (b)現実世界に実在すると共に、取得された前記外景画像に含まれる少なくとも1つの実オブジェクトであって、前記利用者に対して注目を促す実オブジェクトである注目オブジェクトに対する案内を、音により行う案内工程と、
    前記頭部装着型表示装置を装着した状態における前記利用者の視線の方向を検出する視線検出工程と、
    を備え、
    前記案内工程では、
    前記注目オブジェクトが、検出された前記視線の方向にないと推定される場合は、前記音のみによる前記案内を行い、
    前記注目オブジェクトが、検出された前記視線の方向にあると推定される場合は、前記音に加えてさらに、前記注目オブジェクトに付加的に表示するための仮想オブジェクトを含んだ前記虚像を前記頭部装着型表示装置に形成させることで、前記案内を行う、方法。
  10. コンピュータープログラムであって、
    利用者が虚像を視認可能な頭部装着型表示装置を装着した状態における利用者の視界方向の外景画像を取得する画像取得機能と、
    現実世界に実在すると共に、取得された前記外景画像に含まれる少なくとも1つの実オブジェクトであって、前記利用者に対して注目を促す実オブジェクトである注目オブジェクトに対する案内を、音により行う案内機能と、
    前記頭部装着型表示装置を装着した状態における前記利用者の視線の方向を検出する視線機能と、
    をコンピューターに実現させるための、コンピュータープログラムであって、
    前記案内機能は、
    前記注目オブジェクトが、検出された前記視線の方向にないと推定される場合は、前記音のみによる前記案内を行い、
    前記注目オブジェクトが、検出された前記視線の方向にあると推定される場合は、前記音に加えてさらに、前記注目オブジェクトに付加的に表示するための仮想オブジェクトを含んだ前記虚像を前記頭部装着型表示装置に形成させることで、前記案内を行う機能である、コンピュータープログラム。
  11. 頭部装着型表示装置を制御する方法であって、
    (a)前記頭部装着型表示装置を装着した状態における利用者の視界方向の外景画像を取得する画像取得工程と、
    (b)現実世界に実在すると共に、取得された前記外景画像に含まれる少なくとも1つの実オブジェクトであって、前記利用者に対して注目を促す実オブジェクトである注目オブジェクトに対する案内を、音により行う案内工程と、
    を備え、
    前記画像取得工程では、前記外景画像を繰り返し取得し、
    前記案内工程では、
    取得された複数の前記外景画像内における前記注目オブジェクトの経時的な変化に伴って、前記注目オブジェクトの最新の状態に対応した前記案内を繰り返し行う、方法。
  12. コンピュータープログラムであって、
    頭部装着型表示装置を装着した状態における利用者の視界方向の外景画像を取得する画像取得機能と、
    現実世界に実在すると共に、取得された前記外景画像に含まれる少なくとも1つの実オブジェクトであって、前記利用者に対して注目を促す実オブジェクトである注目オブジェクトに対する案内を、音により行う案内機能と、
    をコンピューターに実現させるための、コンピュータープログラムであって、
    前記画像取得機能は、前記外景画像を繰り返し取得する機能であり、
    前記案内機能は、
    取得された複数の前記外景画像内における前記注目オブジェクトの経時的な変化に伴って、前記注目オブジェクトの最新の状態に対応した前記案内を繰り返し行う機能である、コンピュータープログラム。
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