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JP6471070B2 - 分析用電池 - Google Patents

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Description

本発明は、分析機器にて電極反応等を分析すること等に適した分析用電池に関する。
電池を構成する負極活物質及び正極活物質では、周知の通り、充放電時に電極反応が生じる。近時、この電極反応等を、充放電を行っている最中に分析機器によって分析することが試みられている。例えば、特許文献1には、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することが可能な分析用電池と、該分析用電池を保持するホルダとが提案されている。
この分析用電池は、一組の基板が重畳された重畳部の内部に負極活物質及び正極活物質(以下、総称して電極活物質ともいう)が設けられて構成される。また、基板の面方向における重畳部の略中央には、電極活物質での電極反応等を観察可能とするべく、該重畳部の重畳方向に沿って電子線を透過させる観察窓が形成されている。具体的には、一組の基板の各々に貫通孔が設けられ、電子線を透過させる透過膜により、該貫通孔が重畳部の内方側から覆われている。この透過膜を介して対向する貫通孔同士の間に観察窓が形成される。
また、上記の分析用電池では、基板同士の間のうち、観察窓から離れた重畳部の端部にスペーサが配置されることで、該基板同士が所定の間隔をおいて離間する。重畳部内では、観察窓の透過膜同士の間に、電極活物質の少なくとも一方が配置される。電極活物質の各々は、重畳部内において、負極集電体又は正極集電体(以下、総称して集電体ともいう)の一端側とそれぞれ電気的に接続されている。集電体の他端側は、重畳部の外部に露出するため、該集電体を介して電極活物質の各々を、重畳部の外部の充放電装置等と電気的に接続することができる。
すなわち、分析用電池を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察する場合、先ず、重畳部内に電解液を流通させるための流路が形成されたホルダの先端部に分析用電池を収容する。そして、ホルダの流路を経由して、重畳部内に電解液を流通させるとともに、ホルダの電気経路を介して、集電体と充放電試験装置等とを電気的に接続することで、電極活物質で電極反応を生じさせることができる。この際、観察窓に電子線を透過させてTEM観察を行うことで、上記の電極反応を分析することが可能になる。
特表2013−535795号公報
ところで、分析用電池のTEM観察を行う場合、観察窓に電子線を透過させるが、該電子線の透過は電解液によって阻害され易い。従って、分析用電池の観察結果として得られる像の解像度を向上させて観察結果を高精度に得るためには、電子線が観察窓内の電解液を透過する距離を小さくすること、換言すると、観察窓の透過膜同士の距離を小さくする必要がある。
一方、観察窓の透過膜同士の距離を過剰に小さくすると、該透過膜同士の間で、電極活物質等の構成要素が押圧されて破損し易くなり、分析用電池の耐久性が低下する。そこで、分析用電池の耐久性が低下しない範囲で観察精度を向上させるべく、透過膜の少なくとも何れか一方と、前記構成要素との間に僅かに間隔が形成されるように観察窓の透過膜同士の距離を高精度に調整することが望ましい。
しかしながら、上記の分析用電池では、観察窓と離れた重畳部の端部に配置されるスペーサの厚さによって、基板同士の距離が調整されるのみであるため、観察窓の透過膜同士の距離を高精度に調整することは困難である。
また、スペーサと観察窓との距離が大きいため、分析用電池に外力が付加されること等により、観察窓の透過膜同士の距離が容易に変動してしまう。つまり、観察窓の透過膜同士の距離を調整しても、調整後の距離を維持することが困難であるため、結局、前記構成要素が透過膜同士の間で押圧されて破損することを回避できない懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、観察窓の透過膜同士の距離を高精度に調整でき、且つ該距離の変動を抑制できることで、耐久性を低下させることなく観察精度を向上させることが可能な分析用電池を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、基板同士が重畳された重畳部の内部に負極活物質及び正極活物質が電解液と個別に接触するように設けられ、且つ前記重畳部の重畳方向に電子線を透過させるための観察窓が形成された分析用電池であって、前記基板には、該基板を厚さ方向に貫通する貫通孔がそれぞれ形成され、前記貫通孔は、前記基板の厚さ方向両側の主面のうち、前記重畳部の外方に臨む側の外面から、前記重畳部の内方に臨む側の内面に向かって縮小する形状であり、且つ前記内面側から電子透過性の透過膜に覆われ、前記透過膜を介して対向する前記貫通孔同士の間に前記観察窓が形成され、該観察窓の前記透過膜同士の間に前記負極活物質及び前記正極活物質の少なくとも一方が配設され、前記重畳部の内部には、前記外面側の前記貫通孔の縁部同士が前記重畳方向に沿って対向する第1位置と、前記内面側の前記貫通孔の縁部同士が前記重畳方向に沿って対向する第2位置との間に、前記観察窓の前記透過膜同士の間隔を維持する少なくとも一つのピラーが設けられ、且つ前記第1位置よりも前記重畳部の周縁部側に前記基板同士の間隔を維持する少なくとも一つのスペーサが設けられ、前記重畳部の内部から延在して外部に露出する負極集電体及び正極集電体が、前記重畳部の内部で前記負極活物質及び前記正極活物質のそれぞれと電気的に接続されることを特徴とする。
本発明に係る分析用電池の重畳部では、基板同士の間隔がスペーサにより維持されるとともに、観察窓の透過膜同士の間隔がピラーによって維持される。このピラーは、重畳部内における第1位置と第2位置の間に配置されるため、観察窓に近接して設けられる。従って、重畳部の基板同士の距離、特に、観察窓の透過膜同士の距離を高精度に調整できる。また、分析用電池に外力が付加された場合等であっても、透過膜同士の距離が変動することを効果的に抑制できる。
以上から、この分析用電池では、観察窓の透過膜同士の間に配置される構成要素(負極活物質及び正極活物質の少なくとも一方等)と、該透過膜の少なくとも一方との間に僅かに間隔が形成される程度まで、透過膜同士の距離を小さく調整して、維持することができる。すなわち、TEM観察等によって良好な解像度が得られるように、観察窓の透過膜同士の距離を小さくしつつ、前記構成要素が透過膜同士の間で押圧されることを回避できる。その結果、分析用電池の耐久性を低下させることなく、観察精度を向上させることが可能となる。
上記の分析用電池において、前記ピラーは、同一直線上にない3個を少なくとも含むことが好ましい。この場合、観察窓の透過膜同士の距離が変動することを一層効果的に抑制できる。
上記の分析用電池において、前記ピラーは、前記観察窓を介して対向する一組を含むことが好ましい。この場合、観察窓の透過膜同士の距離が変動することを一層効果的に抑制できる。
上記の分析用電池において、前記ピラーは、前記重畳部内で、互いに対向する前記負極活物質及び前記正極活物質の間の近傍に配置された一つを含むことが好ましい。この場合、ピラーによって、負極活物質及び正極活物質の近傍における透過膜同士の距離を良好に維持することができるため、該負極活物質及び正極活物質に透過膜が接触することを効果的に抑制できる。また、このピラーによって、重畳部内における負極活物質及び正極活物質の間に空間を確保することができる。これによって、分析用電池に外力が加えられた場合等であっても、負極活物質及び正極活物質の各々を電解液に接触させて、良好に電極反応を生じさせることができるため、観察精度を向上させることができる。
本発明に係る分析用電池では、観察窓の透過膜同士の距離を高精度に調整することができ、且つ該透過膜同士の距離が変動することを効果的に抑制できる。このため、TEM観察等によって良好な解像度が得られるように、観察窓の透過膜同士の距離を小さくしても、該透過膜同士の間で構成要素が押圧されることを回避できる。その結果、分析用電池の耐久性を低下させることなく、観察精度を向上させることが可能になる。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る分析用電池の平面図であり、図1Bは、図1AのIB−IB線矢視切断部端面図であり、図1Cは、図1AのIC−IC線矢視切断部端面図である。 図2Aは、図1AのIIAで示す観察窓近傍の拡大図であり、図2Bは、図2AのIIB−IIB線矢視切断部端面図である。 図3Aは、一方の面に透過膜を設け、他方の面に被膜を設けた第1基板の透過膜側の面を示す平面図であり、図3Bは、図3AのIIIB−IIIB線矢視断面図であり、図3Cは、図3AのIIIC−IIIC線矢視断面図である。 図4Aは、図3Aの第1基板の一方の面に負極集電体及び正極集電体と、第1基礎部と、第1スペーサ層とを設けた状態を示す平面図であり、図4Bは、図4AのIVB−IVB線矢視切断部端面図であり、図4Cは、図4AのIVC−IVC線矢視切断部端面図であり、図4Dは、図4AのIVDで示す第1基礎部近傍の拡大図である。 図5Aは、図4Aの負極集電体及び正極集電体の露出部及び接続部を除く部位に絶縁膜を設け、第1基礎部上に第2基礎部を設け、第1スペーサ層上に第2スペーサ層を設けた状態を示す平面図であり、図5Bは、図5AのVB−VB線矢視切断部端面図であり、図5Cは、図5AのVC−VC線矢視切断部端面図であり、図5Dは、図5AのVDで示す第2基礎部近傍の拡大図である。 図6Aは、図5Aの正極集電体の接続部に正極活物質を設けた状態を示す平面図であり、図6Bは、図6AのVIB−VIB線矢視切断部端面図であり、図6Cは、図6AのVIC−VIC線矢視切断部端面図である。 図7Aは、図6Aの負極集電体の接続部に負極活物質を設けた状態を示す平面図であり、図7Bは、図7AのVIIB−VIIB線矢視切断部端面図であり、図7Cは、図7AのVIIC−VIIC線矢視切断部端面図であり、図7Dは、図7AのVIIDで示す負極活物質近傍の拡大図である。 図8Aは、図7Aの第2基礎部上に第1ピラー前駆体を形成し、且つ第2スペーサ層上に第1スペーサ前駆体を形成した状態を示す平面図であり、図8Bは、図8AのVIIIB−VIIIB線矢視切断部端面図であり、図8Cは、図8AのVIIIC−VIIIC線矢視切断部端面図であり、図8Dは、図8AのVIIID−VIIID線矢視切断部端面図である。 図9Aは、図8Aの第1基板に貫通孔を形成した状態を示す平面図であり、図9Bは、図9AのIXB−IXB線矢視切断部端面図であり、図9Cは、図9AのIXC−IXC線矢視切断部端面図である。 図10Aは、図9AのXAで示す第1ピラー前駆体近傍の拡大図であり、図10Bは、図10AのXB−XB線矢視切断部端面図である。 図11Aは、一方の面に透過膜を設け、他方の面に被膜を設けた第2基板の透過膜側の面を示す平面図であり、図11Bは、図11AのXIB−XIB線矢視断面図であり、図11Cは、図11AのXIC−XIC線矢視断面図である。 図12Aは、図11Aの第2基板の一方の面に、第2ピラー前駆体及び第2スペーサ前駆体を設けた状態を示す平面図であり、図12Bは、図12AのXIIB−XIIB線矢視切断部端面図であり、図12Cは、図12AのXIIC−XIIC線矢視切断部端面図である。 図13Aは、図12Aの第2基板の注入口を形成すべき箇所の透過膜を除去した状態を示す平面図であり、図13Bは、図13AのXIIIB−XIIIB線矢視切断部端面図であり、図13Cは、図13AのXIIIC−XIIIC線矢視切断部端面図である。 図14Aは、図13Aの第2基板の貫通孔及び注入口を形成すべき箇所の被膜を除去した状態を示す平面図であり、図14Bは、図14AのXIVB−XIVB線矢視切断部端面図であり、図14Cは、図14AのXIVC−XIVC線矢視切断部端面図である。 図15Aは、図14Aの第2基板に貫通孔及び注入口を形成した状態を示す平面図であり、図15Bは、図15AのXVB−XVB線矢視切断部端面図であり、図15Cは、図15AのXVC−XVC線矢視切断部端面図である。 図16Aは、図15AのXVIAで示す第2ピラー前駆体近傍の拡大図であり、図16Bは、図16AのXVIB−XVIB線矢視切断部端面図である。 図17Aは、図9Aの第1基板及び図15Aの第2基板を重畳して重畳部を形成した状態を示す平面図であり、図17Bは、図17AのXVIIB−XVIIB線矢視切断部端面図であり、図17Cは、図17AのXVIIC−XVIIC線矢視切断部端面図であり、図17Dは、図17AのXVIID−XVIID線矢視切断部端面図である。 図18Aは、図17Aの重畳部のうち、スペーサによってシールされてない部位をシール部材によりシールした状態を示す平面図であり、図18Bは、図18AのXVIIIB−XVIIIB線矢視切断部端面図である。
以下、本発明に係る分析用電池につき好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
この分析用電池は、例えば、分析機器にて電子線を透過させて、負極活物質及び正極活物質での電極反応等を分析することに好適に用いられる。分析機器としては、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)が挙げられる。TEMを用いる場合、分析用電池は、ホルダの先端部に収容された状態で観察が行われる。また、分析用電池を構成可能な電池の種類としては、例えば、リチウム、ナトリウム等の金属イオン二次電池、ニッケル・水素電池、アルカリ・マンガン電池、及び金属イオン空気電池、金属イオン全固体電池等、又は固体高分子型等の燃料電池等が挙げられる。以下では、分析用電池がリチウムイオン二次電池である例を説明する。
図1A〜図1C、図2A及び図2Bを主に参照しつつ、本実施形態に係る分析用電池10について説明する。以降の説明では、発明の理解を容易にするため、図に示すX軸、Y軸、Z軸方向のうち、X軸方向を幅、Y軸方向を奥行き、Z軸方向を高さ(厚さ)とする。また、X軸、Y軸、Z軸方向の矢印の先端側を一端側、矢印の基端側を他端側ともいう。
分析用電池10は、互いに重畳されて重畳部12を形成する第1基板14及び第2基板16を有する。第1基板14は、例えば、ケイ素(Si)に窒化ケイ素(Si34)膜を形成したもの、SiにSiO2等の酸化被膜を形成したもの、ホウケイ酸ガラス、石英(SiO2)等からなる。また、図1Cに示すように、第1基板14の奥行き方向の中央から他端側に向かって僅かに偏倚した位置には、該第1基板14を厚さ方向に貫通する貫通孔18が形成されている。
また、第1基板14の一方の面には、貫通孔18を覆うように透過膜20が設けられ、他方の面には、貫通孔18を露出させるように被膜22が設けられている。貫通孔18は、第1基板14の被膜22が設けられた他方の面側から、透過膜20が設けられた一方の面側に向かって縮小する四角錐台状になっている。
すなわち、図2Bに拡大して示すように、第1基板14では、他方の面側の貫通孔18の縁部18aに比して、一方の面側の貫通孔18の縁部18bが、該貫通孔18の中央側に近接して配置される。
透過膜20は、例えば、窒化ケイ素(Si34)、炭化ケイ素(SiC)等の電子線に対して透過性を示す材料から形成される。被膜22も、透過膜20と同様の材料から形成することができる。
第1基板14の透過膜20上には、負極集電体24と、負極活物質26と、正極集電体28と、正極活物質30と、ピラー接合部32と、スペーサ接合部34とが配設されている。負極集電体24は、タングステン(W)、銅(Cu)、ステンレス鋼(SUS)、カーボン(C)等から好適に形成される。また、負極集電体24のうち、透過膜20を介して貫通孔18上に位置する接続部24aには、層状の負極活物質26が接触するように配設される。負極活物質26の材料としては、Li及びLi合金、Li4Ti512、Si、Ge、Sn及びSn合金、Al及びAl合金、Si酸化物、Sn酸化物、Al酸化物、カーボン(C)等が挙げられる。
また、接続部24a及び負極活物質26は、図5D及び図7Dに示す形状及び配置としてもよい。すなわち、図7Dに示すように、負極活物質26を3種の四角形と1種の円形とからなる互いに分離した6つから構成し、各々を接続部24a上や該接続部24aと透過膜20とに跨って延在するように配置してもよい。この場合、電極反応に伴う負極活物質26の変形挙動等を一層容易に観察することが可能となる。
正極集電体28は、金(Au)、白金(Pt)、カーボン(C)、アルミニウム(Al)等から好適に形成される。透過膜20上において、負極集電体24の接続部24aと対向する正極集電体28の接続部28aには、層状の正極活物質30が接触するように配設される。正極活物質30の材料としては、LiCoO2、LiMnO2、LiMn24、LiNiO2、LiFePO4、Li2FePO4F、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32、Li(LiNixMnyCoz)O2等が挙げられる。
上記の負極集電体24及び正極集電体28のうち、前記接続部24a、28aと、後述するように重畳部12から露出する露出部24b、28bとを除く部位は、端壁部も含めて電気絶縁性の絶縁膜36によって被覆されている。この場合、重畳部12内において、負極集電体24及び正極集電体28が、該重畳部12に内包される電解液38と接触することを絶縁膜36によって遮断できる。これによって、負極活物質26及び正極活物質30での電極反応とは異なる副反応が、負極集電体24及び正極集電体28で生じることを抑制できるため、分析対象となる電極反応を高精度に分析することが可能になる。
ピラー接合部32は、透過膜20上に、第1基礎部32a及び第2基礎部32bがこの順に積層されて構成されている。また、スペーサ接合部34は、透過膜20上に、第1スペーサ層34a及び第2スペーサ層34bがこの順に積層されて構成されている。第1スペーサ層34aの端壁部は、第2スペーサ層34bにより覆われている。第1基礎部32a及び第1スペーサ層34aの各々は、例えば、上記の負極集電体24及び正極集電体28と同様の材料から形成することができる。また、第2基礎部32b及び第2スペーサ層34bの各々は、上記の絶縁膜36と同様の材料から形成することができる。すなわち、図8Cに示すように、負極集電体24及び正極集電体28は部分的に第1スペーサ層34aとしての機能も併せ持ち、絶縁膜36は部分的に第2スペーサ層34bの機能も併せ持つ。
第2基板16は、第1基板14と同様の材料からなり、幅及び高さが第1基板14と略等しく、奥行きが第1基板14に比して小さい。この第2基板16の奥行き方向中央から他端側に向かって僅かに偏倚した位置には、第2基板16を厚さ方向に貫通する貫通孔40が、第1基板14の貫通孔18と同様の四角錐台状に形成されている。すなわち、図2A及び図2Bに拡大して示すように、第2基板16においても、他方の面側の貫通孔40の縁部40aに比して、一方の面側の貫通孔40の縁部40bが、該貫通孔40の中央側に近接して配置される。
また、第2基板16の貫通孔40よりも奥行き方向他端部側には、該第2基板16を厚さ方向に貫通する2つの注入口42が形成されている。この第2基板16の一方の面には、貫通孔40を覆い且つ注入口42を露出させるように透過膜20が設けられ、他方の面には、貫通孔40及び注入口42を露出させるように被膜22が設けられている。
注入口42は、後述するように、重畳部12内に電解液38を注入するために形成されるものであり、該電解液38の注入後にエポキシ樹脂等からなるシール部材44によって閉塞される。
上記の構成要素が設けられた第1基板14及び第2基板16(以下、総称して基板ともいう)は、互いの一方の面側が対向するように重畳されて重畳部12を形成する。つまり、基板14、16の厚さ方向両側の主面のうち、被膜22が設けられた他方の面が、重畳部12の外方に臨む側の外面となり、透過膜20が設けられた一方の面が、重畳部12の内方に臨む内面となる。
重畳部12の基板14、16同士の間には、後述するように形成されたピラー46及びスペーサ48が介在する。これによって、基板14、16は、互いの貫通孔18、40が透過膜20を介して対向するように位置決めされるとともに、互いの間隔がピラー46及びスペーサ48等の高さに応じた所定の大きさに維持された状態で一体化される。すなわち、重畳部12では、貫通孔18、40同士の間に透過膜20を介して電子線を透過させることが可能な観察窓50が形成され、該観察窓50の透過膜20同士の間に負極活物質26が配設される。
また、上記の通り、第1基板14に比して、第2基板16の奥行きが小さいため、第1基板14の奥行き方向両端側が重畳部12から露出する。この重畳部12から露出する第1基板14上に配設される負極集電体24及び正極集電体28の各々の部位が露出部24b、28bを構成する。すなわち、負極集電体24及び正極集電体28は、重畳部12の内部から延在して、露出部24b、28bが、該重畳部12から露出するように第1基板14の透過膜20上にそれぞれ設けられている。
ここで、図2Bに拡大して示すように、重畳部12内において、基板14、16の外面側の貫通孔18、40の縁部18a、40a同士が、該重畳部12の重畳方向(高さ方向)に沿って対向する位置を第1位置P1とする。また、重畳部12内において、基板14、16の内面側の貫通孔18、40の縁部18b、40b同士が、重畳方向に沿って対向する位置を第2位置P2とする。この場合、上記の通り、貫通孔18、40が、基板14、16の外面から内面に向かって縮小する形状であるため、第1位置P1に比して、第2位置P2が観察窓50の中央側に近接するように配置される。重畳部12内では、第1位置P1と第2位置P2との間(図2Bにおいて矢印で示される範囲)にピラー46が配設され、これによって、観察窓50の透過膜20同士の間隔が維持される。
ピラー46は、第1位置P1と第2位置P2との間に少なくとも一つ設けられていればよいが、例えば、図2Aに示す配置となるように3個のピラー46a、46b、46cを設けることが好ましい。これらのピラー46a、46b、46cは、基板16に対して、同一直線上にない3点、換言すると、平面を形成する3点で接触する。このうち、ピラー46aとピラー46bが観察窓50を介して対向し、且つピラー46cとピラー46bが観察窓50を介して対向する。また、図1Aに示すように、ピラー46cは、互いに対向する負極活物質26及び正極活物質30の間の部位の近傍に配置されている。
このように、ピラー46a〜46c(総称して、ピラー46ともいう)を配置することで、負極活物質26及び正極活物質30と電解液38との接触を妨げることなく、観察窓50の透過膜20同士の距離が変動することを効果的に抑制できる。なお、本実施形態では、基板16と接触するピラー46の接触面の形状を四角形としたが、これには限定されず、他の多角形又は円形としてもよい。また、ピラー46の前記接触面の最大長さは、例えば、40μm〜300μmとすることが好ましい。さらに、ピラー46と第2位置P2との離間距離は、50μm〜500μmとすることが好ましい。
ピラー46は、後述するように、第1基板14のピラー接合部32上に形成された第1ピラー前駆体52(図10A及び図10B等参照)と、第2基板16の透過膜20上に形成された第2ピラー前駆体54(図16A及び図16B等参照)とが固相接合されて形成されている。なお、本明細書における「固相接合」とは、JISZ3001−2「溶接用語−第2部:溶接方法 4.2.7固相接合 番号22701」に定義された「母材の融点以下の温度で行う溶接で、ろう材を用いないで行う加圧又は非加圧の状態で固相同士の溶接を行う方法の総称。」を意味する。
第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54の好適な材料としては、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の金属や、SiO2、Si等の無機材料を挙げることができる。なお、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54は、互いに同種の材料であってもよいし、異種の材料であってもよい。第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54が金属からなる場合の固相接合としては、熱間圧接、冷間圧接、拡散接合、摩擦圧接等の各種手法を採用することができる。また、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54が無機材料からなる場合の固相接合の一例としては、表面処理で活性化した接合表面同士を接触させることにより接合する手法が挙げられ、この際には、荷重を付加してもしなくてもよい。
スペーサ48は、重畳部12内において、前記第1位置P1に比して、重畳部12の周縁部P3(図1B参照)側に配設され、基板14、16同士の間隔を維持する。なお、本実施形態では、図1Aに示すように、スペーサ48は、重畳部12の奥行き方向他端側において幅方向に延在する辺(配線辺)を除いた3辺をシールするように、該重畳部12の内方側において、該3辺に沿って連続的に形成される。また、スペーサ48は、配線辺のうち、負極集電体24及び正極集電体28が重畳部12の内部から外部に露出するべく、該配線辺を横断する横断部近傍には形成されない。換言すると、配線辺のうち、前記横断部近傍を除く部位に沿ってスペーサ48が形成される。つまり、スペーサ48は横断部上にも形成される(図18A及び図18B参照)。
このスペーサ48は、後述するように、第1基板14のスペーサ接合部34上に形成された第1スペーサ前駆体56(図9A〜図9C等参照)と、第2基板16の透過膜20上に形成された第2スペーサ前駆体58(図15A〜図15C等参照)とが固相接合されて形成されている。第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58は、上記の第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54と同様の材料から好適に形成でき、これらを前記ピラー46と同様に固相接合することでスペーサ48が得られる。
重畳部12の配線辺のうち、スペーサ48によってシールされていない部位(前記横断部近傍)には、例えば、エポキシ樹脂等からなるシール部材60が設けられる。これによって、重畳部12内に電解液38を満たすための液密空間が形成される。つまり、分析用電池10では、重畳部12内に電解液38を流通させる必要がない。このため、基板14、16に対して作用する電解液38の圧力を小さくできる分、該基板14、16同士の離間距離を小さくでき、全体の小型化を図ることが可能である。
電解液38としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート(VC)等に1M程度のヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)等の支持塩を加えたものを好適に用いることができる。
基本的には、上記のように構成される分析用電池10では、重畳部12内において、負極集電体24及び正極集電体28の接続部24a、28a上に配設された負極活物質26及び正極活物質30が電解液38と個別に接触する。負極集電体24及び正極集電体28は、接続部24a、28aから配線辺を横断するように延在して、重畳部12の外部に露出部24b、28bが露出する。すなわち、負極活物質26及び正極活物質30は、負極集電体24及び正極集電体28を介して、重畳部12の外部と電気的に接続可能になっている。
この分析用電池10について、例えば、TEM観察を行う場合、先ず、TEMの電子線照射部に観察窓50が対向するように、ホルダ(不図示)に分析用電池10をセットする。そして、ホルダに設けられた電気経路(不図示)を介して、前記露出部24b、28bと充放電試験装置等とを電気的に接続することで、負極活物質26及び正極活物質30で観察対象となる電極反応を生じさせることができる。
分析用電池10は、従来公知の半導体プロセス(例えば、国際公開第2008/141147号パンフレット参照)によって作製することができる。以下、本実施形態に係る分析用電池10の製造方法につき、図3A〜図18Bをさらに参照しつつ説明する。勿論、分析用電池10の製造方法や、分析用電池10を製造する工程の順序は以下に示すものに限定されるものではない。なお、ここでは、第1基板14及び第2基板16と負極活物質26がケイ素、正極活物質30がコバルト酸リチウム(LiCoO2)、透過膜20、被膜22及び絶縁膜36が窒化ケイ素(Si34)、負極集電体24及び正極集電体28がタングステン(W)からなる場合を例に挙げて説明する
分析用電池10は、第1基板14及び第2基板16に対して上記の各構成要素をそれぞれ個別に設けた後、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54同士や、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58同士を固相接合して得ることができる。そこで、先ず、第1基板14に第1ピラー前駆体52及び第1スペーサ前駆体56を含む各構成要素を設ける工程について説明する。
はじめに、図3A〜図3Cに示すように、第1基板14の両面に対して研磨を行った後、化学気相成長(CVD)法を行い、該両面を窒化ケイ素で被覆する。これによって、第1基板14の一方の面に設けられた窒化ケイ素膜が透過膜20となり、他方の面に設けられた窒化ケイ素膜が被膜22となる。
次に、第1基板14の透過膜20を被覆するようにフォトレジスト(不図示)を成膜し、フォトリソグラフィ工程を行う。これにより、負極集電体24、正極集電体28、ピラー接合部32、スペーサ接合部34を形成すべき箇所のみ、フォトレジストを除去して露出させる。
次に、真空蒸着等の物理気相成長(PVD)法を行い、第1基板14の一方の面を被覆するようにタングステン膜を成膜した後、該フォトレジストを全て除去(リストオフ)する。これにより、図4A〜図4Cに示すように、第1基板14の透過膜20上に、タングステン膜からなる負極集電体24及び正極集電体28と、ピラー接合部32の第1基礎部32aと、スペーサ接合部34の第1スペーサ層34aとが形成される。この際、図4Dに示すように、第1基礎部32aの配置及び個数と、負極集電体24の接続部24aの形状を設定した。
次に、第1基板14の一方の面を被覆するようにCVD法を行い窒化ケイ素膜を成膜する。そして、この窒化ケイ素膜を被覆するようにフォトレジストを成膜した後、フォトリソグラフィ工程を行う。これによって、負極集電体24のうち接続部24a及び露出部24bを除く部位と、正極集電体28のうち接続部28a及び露出部28bを除く部位と、第1基礎部32aと、第1スペーサ層34aを被覆する窒化ケイ素膜上にのみフォトレジストを残留させる。なお、負極集電体24及び正極集電体28の前記部位の端壁部と、第1スペーサ層34aの端壁部とをそれぞれ被覆する窒化ケイ素膜上にもフォトレジストを残留させる。
次に、このフォトレジストをマスクとして、例えば、反応性イオンエッチング等のドライエッチングを施す。この際、上記のようにフォトレジストを残留させた部位を被覆する窒化ケイ素膜は保護される。その後、全てのフォトレジストを除去することによって、図5A〜図5Dに示すように、負極集電体24のうち接続部24a及び露出部24bを除く部位と、正極集電体28のうち接続部28a及び露出部28bを除く部位と、第1基礎部32aと、第1スペーサ層34aとを被覆する窒化ケイ素膜が形成される。もちろん、負極集電体24及び正極集電体28の前記部位の端壁部と、第1スペーサ層34aの端壁部も窒化ケイ素膜に被覆される。
このうち、負極集電体24及び正極集電体28を被覆する窒化ケイ素膜は絶縁膜36を構成し、第1基礎部32aを被覆する窒化ケイ素膜は第2基礎部32bとなり、第1スペーサ層34aを被覆する窒化ケイ素膜は第2スペーサ層34bとなる。すなわち、第1基礎部32a及び第2基礎部32bからピラー接合部32が構成され、第1スペーサ層34a及び第2スペーサ層34bからスペーサ接合部34が構成される。
次に、第1基板14の一方の面を被覆するようにフォトレジストを成膜し、フォトリソグラフィ工程を行うことで、正極活物質30を形成すべき箇所のフォトレジストを除去する。これにより、正極集電体28の接続部28aのうち正極活物質30を形成すべき箇所のみを露出させる。
次に、高周波スパッタリング(RFスパッタリング)法を行い、第1基板14の一方の面を被覆するようにコバルト酸リチウム膜を成膜した後、該フォトレジストを全て除去する。これにより、図6A〜図6Cに示すように、正極集電体28の接続部28a上に、コバルト酸リチウム膜からなる正極活物質30が形成される。なお、正極活物質30の活性向上を図るべく、正極活物質30の結晶性を高くするためのアニール処理を実施したり、また、正極活物質30の膜厚や形状パターンを変更したりしてもよい。
次に、第1基板14の一方の面を被覆するようにフォトレジストを成膜し、フォトリソグラフィ工程を行うことで、負極活物質26を形成すべき箇所のフォトレジストを除去する。これにより、負極集電体24の接続部24aのうち負極活物質26を形成すべき箇所のみを露出させる。
次に、RFスパッタリング法を行い、第1基板14の一方の面を被覆するようにケイ素膜を成膜した後、該フォトレジストを全て除去する。これにより、図7A〜図7Dに示すように、負極集電体24の接続部24a上に、ケイ素膜からなる負極活物質26が形成される。
次に、第1基板14の一方の面を被覆するようにフォトレジストを成膜し、フォトリソグラフィ工程を行うことで、第1ピラー前駆体52及び第1スペーサ前駆体56を形成すべき箇所のフォトレジストを除去する。これにより、第2基礎部32b及び第2スペーサ層34bと、負極集電体24及び正極集電体28の横断部のみを露出させる。この際、第1ピラー前駆体52及び第1スペーサ前駆体56の所望の高さに対して2倍〜10倍程度の高さとなるようにフォトレジストの厚さを設定すればよい。
次に、PVD法を行い、第1基板14の一方の面を被覆するようにクロム膜を成膜した後、さらに金膜を成膜する。成膜の際には、PVD装置に付属の成膜量測定装置により、成膜量(厚み)をin-situのモニタリングを行い、堆積膜厚を制御する。これにより、数nmオーダーでの膜厚制御が可能である。その後、フォトレジストを全て除去する。これにより、図8A〜図8Dに示すように、第1基板14の透過膜20上に、クロム膜及び金膜の積層体からなる第1ピラー前駆体52及び第1スペーサ前駆体56が形成される。なお、図10Aに拡大して示すように、第1ピラー前駆体52の高さ方向の一端側の面の面積は、ピラー接合部32に比して僅かに小さくなるように設定されてもよい。この場合、一層確実にピラー接合部32上に第1ピラー前駆体52を形成することが可能になる。
次に、第1基板14の他方の面側に対して、被膜22を被覆するようにフォトレジストを成膜し、フォトリソグラフィ工程を行う。これによって、第1基板14の貫通孔18を形成すべき箇所に設けられた被膜22を露出させるようにフォトレジストを除去する。
次に、フォトレジストをマスクとしてドライエッチングを施すことで、被膜22のうち、フォトレジストから露出する部位のみを第1基板14上から除去する。このようにして、第1基板14の貫通孔18を形成すべき箇所の被膜22を除去した後、全てのフォトレジストを除去する。
次に、図9A〜図9C、図10A及び図10Bに示すように、第1基板14に対して、他方の面側から、ウェットエッチング(貫通エッチング)を施すことで貫通孔18を形成する。これによって、第1基板14に、該第1基板14の一方の面側から透過膜20に覆われた貫通孔18が形成される。なお、ウェットエッチングを行う前に、第1基板14の一方の面側を不図示の耐アルカリ表面保護層で被覆するようにしてもよい。この場合、第1基板14の一方の面側を耐アルカリ表面保護層によって保護することができる。また、耐アルカリ表面保護層は、上記のようにして貫通孔18を形成した後に、ドライエッチングあるいは除去液によって除去すればよい。
図10A及び図10Bに拡大して示すように、第1基板14の他方の面側の貫通孔18の縁部18aと、一方の面側の貫通孔18の縁部18bとの間に第1ピラー前駆体52が配設される。また、第1基板14の面内方向において、貫通孔18の縁部18aよりも外方に第1スペーサ前駆体56が配設される。
図11A〜図11Cに示すように、第2基板16に対しても第1基板14と同様にして、透過膜20及び被膜22を設ける。次に、第2基板16の一方の面を被覆するようにフォトレジストを成膜し、フォトリソグラフィ工程を行うことで、第2ピラー前駆体54及び第2スペーサ前駆体58を形成すべき箇所のフォトレジストを除去して透過膜20を露出させる。この際、第2ピラー前駆体54及び第2スペーサ前駆体58の所望の高さに対して2倍〜10倍程度の高さとなるようにフォトレジストの厚さを設定すればよい。
次に、PVD法を行い、第2基板16の一方の面を被覆するようにクロム膜を成膜した後、さらに金膜を成膜する。成膜の際には、PVD装置に付属の成膜量測定装置により、成膜量(厚み)をin-situのモニタリングを行い、堆積膜厚を制御する。これにより、数nmオーダーでの膜厚制御が可能である。その後、フォトレジストを全て除去する。これにより、図12A〜図12Cに示すように、第2基板16の透過膜20上に、クロム膜及び金膜の積層体からなる第2ピラー前駆体54及び第2スペーサ前駆体58が形成される。
次に、第2基板16の一方の面側を被覆するようにフォトレジストを成膜し、フォトリソグラフィ工程を行う。これによって、第2基板16の注入口42を形成すべき箇所に設けられた透過膜20を露出させるようにフォトレジストを除去する。
次に、フォトレジストをマスクとしてドライエッチングを施すことで、透過膜20のうち、注入口42を形成すべき箇所の透過膜20を除去した後、全てのフォトレジストを除去する。これによって、図13A〜図13Cに示すように、第2基板16のうち、注入口42を形成すべき箇所の透過膜20のみを除去して露出させる。
次に、第2基板16の他方の面側に対して、被膜22を被覆するようにフォトレジストを成膜し、フォトリソグラフィ工程を行う。これによって、第2基板16の貫通孔40及び注入口42を形成すべき箇所に設けられた被膜22を露出させるようにフォトレジストを除去する。
次に、フォトレジストをマスクとしてドライエッチングを施すことで、被膜22のうち、貫通孔40及び注入口42を形成すべき箇所の被膜22を除去した後、全てのフォトレジストを除去する。これによって、図14A〜図14Cに示すように、第2基板16のうち、貫通孔40及び注入口42を形成すべき箇所についてのみ、被膜22を除去して露出させる。
次に、図15A〜図15C、図16A及び図16Bに示すように、第2基板16に対して、ウェットエッチング(貫通エッチング)を施すことで貫通孔40及び注入口42を形成する。これによって、第2基板16に、該第2基板16の一方の面側から透過膜20に覆われた貫通孔40が形成されるとともに、透過膜20及び被膜22から露出する注入口42が形成される。
図16A及び図16Bに拡大して示すように、第2基板16の他方の面側の貫通孔40の縁部40aと、一方の面側の貫通孔40の縁部40bとの間に第2ピラー前駆体54が配設される。また、第2基板16の面内方向において、貫通孔40の縁部40aよりも外方に第2スペーサ前駆体58が配設される。
なお、第1基板14及び第2基板16に対しては、ピラー46を配設すべき箇所に、互いに対応する一組の第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54をそれぞれ設ければよい。すなわち、本実施形態では、図10A及び図16A等に示すように三組の第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54を設けたが、特にこれに限定されるものではなく、少なくとも一組の第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54を設ければよい。
上記の工程を経て各種構成要素を設けた第1基板14及び第2基板16を重畳して、互いに対応する第1ピラー前駆体52と第2ピラー前駆体54とをそれぞれ当接させるとともに、第1スペーサ前駆体56と第2スペーサ前駆体58とを当接させる。この際、例えば、第1基板14及び第2基板16の一方の面側の貫通孔18、40の縁部18b、40b同士が平面視で重なるように調整する。これによって、貫通孔18、40同士が透過膜20を介して対向して観察窓50を形成するように第1基板14及び第2基板16を容易且つ高精度に位置決めすることができる。
なお、上記のようにして、第1スペーサ前駆体56と第2スペーサ前駆体58とを当接させた際の接触面積のばらつきを抑制するために、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58の各々の突出端面(接合表面)の短手方向の長さが互いに相違していることが好ましい。これにより、後述するように、第1スペーサ前駆体56と第2スペーサ前駆体58の当接部に荷重を付加する際に、圧力ばらつきが生じることを抑制でき、スペーサ48による接合の均一性を向上させることができる。
第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54の当接面(接合表面)と、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58の当接面(接合表面)との各々が金からなる本実施形態では、以下のようにして固相接合を行えばよい。すなわち、接合表面同士を当接させた第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54と、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58とのそれぞれに対して、例えば、300〜400℃、好ましくは300℃で15〜60分間、接合面積1mm2あたり0.2〜2.0kgf、好ましくは1.0kgfの荷重を付加すればよい。これによって、図17A〜図17Cに示すように、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54を強固に接合してピラー46を得ることができるとともに、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58を強固に接合してスペーサ48を得ることができる。
なお、上記の接合表面の各々がアルミニウムからなる場合は、400〜450℃、好ましくは400℃で上記と同様の時間、同様の荷重を負荷すればよく、銅からなる場合は、350〜450℃、好ましくは350℃で上記と同様の時間、同様の荷重を負荷すればよい。
さらに、上記の接合表面の各々が前記無機材料からなる場合には、重畳部12を形成する前に、該接合表面を活性化しておけばよい。このような接合表面の活性化は、例えば、三菱重工業株式会社製の常温ウェーハ接合装置「BOND MEISTER」(商品名)や、株式会社ピーエムティー社製の表面活性化ウェハー接合キット(型式:WP−100)等の既存の装置を用いて行うことが可能である。
具体的には、高真空に排気した常温の真空チャンバー内で、接合表面の各々に対して、イオンビームやプラズマ等によるスパッタエッチングを行えばよい。これによって、接合表面に形成されている酸化膜、水、有機物等からなる吸着膜を除去して結合手を持った原子を露出させること、すなわち、接合表面を活性化することができる。このように活性化された接合表面同士を接触させると、互いの間に接合力が生じる。これによって、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54を強固に接合してピラー46を得ることができるとともに、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58を強固に接合してスペーサ48を得ることができる。なお、この際の接合条件は、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54や、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58の材料や形状等に応じて適宜設定すればよい。
上記のようにしてピラー46及びスペーサ48を形成することで、基板14、16が重畳部12を形成した状態で一体化される。また、観察窓50の透過膜20同士の間がピラー46及びピラー接合部32の高さに応じた所定の間隔で離間した状態に維持される。さらに、基板14、16の透過膜20同士の間がスペーサ48及びスペーサ接合部34の高さに応じた所定の間隔で離間した状態に維持される。
このピラー46は、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54を溶融させることなく形成されるため、該ピラー46の高さは、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54の高さの合計値と略等しくなる。同様に、スペーサ48の高さは、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58の高さの合計値と略等しくなる。つまり、第1ピラー前駆体52、第2ピラー前駆体54、第1スペーサ前駆体56、第2スペーサ前駆体58の各々の高さを調整することにより、基板14、16の透過膜20同士の間隔を容易に設定することができる。
次に、図18A及び図18Bに示す注入口42から電解液38(図1A〜図1C参照)を注入して、第1基板14と第2基板16の間を電解液38で満たした後、第1基板14上の横断部近傍にシール部材60を設ける。すなわち、第1スペーサ前駆体56が形成されていない部位では、スペーサ48が形成されず、第2スペーサ前駆体58と第1基板14の透過膜20との間に空間が形成される。この空間にシール部材60を設けることで、重畳部12の外周をシールできる。
換言すると、上記の形状及び配置となるようにスペーサ48を設けることにより、該スペーサ48によって重畳部12の外周の大部分をシールすることができる。このため、シールされていない残余の部位にのみシール部材60を設け、さらに、注入口42をシール部材44により閉塞することにより、重畳部12内に液密空間を容易に形成することができる。その結果、観察窓50の透過膜20同士の間に配置された負極活物質26と、重畳部12内に配置された正極活物質30が電解液38と個別に接触してリチウムイオン電池を構成する。すなわち、簡素な工程により低コストで分析用電池10を得ることができる。
以上から、分析用電池10の重畳部12では、基板14、16同士の間隔がスペーサ48により維持されるとともに、観察窓50の透過膜20同士の間隔がピラー46によって維持される。ピラー46は、重畳部12内における第1位置P1と第2位置P2の間に配置されるため、観察窓50に近接して設けられる。これによって、重畳部12の基板14、16同士の距離、特に、観察窓50の透過膜20同士の距離を高精度に調整できる。また、分析用電池10に外力が付加された場合等であっても、透過膜20同士の距離が変動することを効果的に抑制できる。
従って、この分析用電池10では、観察窓50の透過膜20同士の間に配置される、負極活物質26等の構成要素と、第2基板16の透過膜20との間に僅かに間隔が形成される程度まで、透過膜20同士の距離を小さく調整して維持することができる。すなわち、TEM観察等によって良好な解像度が得られるように、観察窓50の透過膜20同士の距離を小さくしつつ、負極活物質26等が透過膜20同士の間で押圧されることを回避できる。その結果、分析用電池10の耐久性を低下させることなく、観察精度を向上させることが可能となる。
また、この分析用電池10では、ピラー46cが、重畳部12内において、互いに対向する負極活物質26及び正極活物質30の間の近傍に配置されている。これによって、負極活物質26及び正極活物質30の近傍における透過膜20同士の距離を良好に維持することができるため、該負極活物質26及び正極活物質30に透過膜20が接触することを効果的に抑制できる。また、分析用電池10に外力が加えられた場合等であっても、負極活物質26及び正極活物質30の各々と電解液38との接触を確保できるため、良好に電極反応を生じさせて、観察精度を向上させることができる。
また、固相接合により得られるピラー46及びスペーサ48が介在することで、基板14、16を強固に一体化することができる。このため、分析用電池10を前記ホルダに取り付ける際や、高真空雰囲気下で電子顕微鏡観察等を行う際においても基板14、16の位置ずれや、観察窓50の透過膜20同士の距離に変動が生じることを効果的に抑制できる。
本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態に係る分析用電池10では、第1ピラー前駆体52と第2ピラー前駆体54との固相接合体からピラー46を構成することで、観察窓50の透過膜20同士を強固に接合することとした。しかしながら、特にこれに限定されるものではなく、例えば、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54を当接させるのみの積層体からピラー46を構成し、容易且つ効率的に分析用電池10を得てもよい。
また、上記の実施形態に係る分析用電池10では、第1基板14の透過膜20上に形成したピラー接合部32上及びスペーサ接合部34上にそれぞれピラー46及びスペーサ48が形成されることとしたが、特にこれに限定されるものではない。ピラー接合部32は、第1基板14及び第2基板16の両方の透過膜20上に設けてもよいし、第1基板14に代えて第2基板16の透過膜20上にピラー接合部32を設けてもよい。また、重畳部12内に、ピラー接合部32を設けることなくピラー46を形成してもよい。スペーサ接合部34についても同様である。
また、上記の実施形態に係る分析用電池10では、負極活物質26及び正極活物質30のうち、負極活物質26のみが観察窓50の透過膜20同士の間に配設されることとしたが、特にこれに限定されるものではない。負極活物質26及び正極活物質30の両方、又は正極活物質30のみが観察窓50の透過膜20同士の間に配設されてもよい。この場合も上記の実施形態に係る分析用電池10と同様の作用効果が得られる。
上記の実施形態に係る分析用電池10等が、リチウムイオン二次電池に代えて、ニッケル・水素電池を構成する場合、例えば、正極として水酸化ニッケル、負極として各種の水素吸蔵合金、電解液として水酸化カリウム水溶液(KOH(aq))を用いればよい。また、分析用電池10がアルカリ・マンガン電池を構成する場合、例えば、正極として二酸化マンガン/黒鉛、負極として亜鉛、電解液としてKOH(aq)を用いればよい。
また、分析用電池10は、TEMのみならず、電子線を用いる分析機器全般で分析を行うことができる。
[実施例]
上記の工程を経て、実施例に係る分析用電池10の試験体を作製した。具体的には、第1基板14として、幅及び奥行きの各々が60μmの貫通孔18を形成した、幅及び奥行き4.0mm、厚さ200μmのケイ素板を選定した。また、透過膜20を厚さ80nmの窒化ケイ素膜とした。負極集電体24及び正極集電体28を厚さ120nmのタングステン膜とした。
負極集電体24の接続部24aを図5Dに示す形状とした。負極活物質26を図7Dの形状のケイ素とした。絶縁膜36を厚さ160nmの窒化ケイ素膜とした。第1ピラー前駆体52を図10Aに示す配置、個数及び形状とした。
ピラー接合部32は、負極集電体24及び正極集電体28と同様に形成したタングステン膜からなる第1基礎部32a(厚さ120nm)を、絶縁膜36と同様に形成した窒化ケイ素膜からなる第2基礎部32b(厚さ160nm)で被覆して形成した。つまり、ピラー接合部32の厚さを280nmとした。また、ピラー接合部32の高さ方向一端側の面を、一辺の長さが80μmの正方形とした。
第1ピラー前駆体52は、ピラー接合部32上に形成したクロム膜と、該クロム膜上に形成した金膜とからなる積層体とした。このクロム膜の厚さを50nmとし、金膜の厚さを200nmとすることで、第1ピラー前駆体52の高さを250nmとした。また、第1ピラー前駆体52の高さ方向一端側の面を一辺の長さが60μmの正方形とした。
スペーサ接合部34は、ピラー接合部32と同様に形成した。第1スペーサ前駆体56は、スペーサ接合部34上に第1ピラー前駆体52と同様に形成した。また、第1スペーサ前駆体56の奥行き方向及び幅方向の各々の辺の長さを3.75mmとし、第1スペーサ前駆体56の高さ方向一端側の面(接合表面)の短手方向の長さを0.1mmとした。すなわち、第1スペーサ前駆体56の接合表面の面積を1.25mm2とした。
また、第2基板16として、第1基板14の貫通孔18と同形状の貫通孔40と、幅及び奥行きの各々が500μmの注入口42とを形成した、幅及び奥行き4.0mm、厚さ200μmのケイ素板を選定した。第2ピラー前駆体54を図16Aに示す配置、個数及び形状とした。
第2ピラー前駆体54は、透過膜20上に形成したクロム膜と、該クロム膜上に形成した金膜とからなる積層体とした。このクロム膜の厚さを50nmとし、金膜の厚さを400nmとすることで、第2ピラー前駆体54の高さを450nmとした。また、第1ピラー前駆体52の高さ方向一端側の面(接合表面)を一辺の長さが60μmの正方形とした。
第2スペーサ前駆体58は、第2ピラー前駆体54と同様に形成した。また、第2スペーサ前駆体58の奥行き方向及び幅方向の各々の辺の長さを3.8mmとし、第2スペーサ前駆体58の高さ方向他端側の面(接合表面)の短手方向の長さを0.15mmとした。すなわち、第2スペーサ前駆体58の接合表面の面積を2.19mm2とした。
従って、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54を固相接合する際の接合面積は、60μm×60μm×3個=0.0108mm2である。また、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54の各々の高さの合計値が700nmであるため、ピラー46の高さの設定値は700nmである。
第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58を固相接合する際の接合面積は、1.25mm2である。また、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58の各々の高さの合計値が700nmであるため、スペーサ48の高さの設定値は700nmとなる。
すなわち、実施例の分析用電池10では、ピラー46(スペーサ48)と、ピラー接合部32(スペーサ接合部34)の高さの合計値である980nmを、基板14、16の透過膜20同士の間の距離の目標設定値としている。
次に、第1基板14及び第2基板16を重畳し、上記の通り位置決めすることで、第1ピラー前駆体52及び第2ピラー前駆体54の接合表面同士と、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58の接合表面同士をそれぞれ当接させた。そして、350℃で30分間、1000gの荷重を付加して固相接合を行うことにより、基板14、16を一体化して重畳部12を形成した。
この重畳部12では、基板14、16の透過膜20同士の間の距離が略1000nmであることが確認された。すなわち、上記のようにして重畳部12を得ることで、基板14、16の透過膜20同士の間の距離、特に、観察窓50の透過膜20同士の距離を略目標設定値とすることができた。
次に、ECとEMCとを3対7の割合で混合した溶液にLiPF6を1Mの濃度で溶解させて得た電解液38を、注入口42を介して重畳部12内に注入した。その後、重畳部12の横断部近傍をシールするべく、エポキシ樹脂からなるシール部材60を設けた。また、注入口42をエポキシ樹脂からなるシール部材44で閉塞した。これによって、重畳部12内において、負極活物質26及び正極活物質30の各々が電解液38に個別に接触してリチウムイオン電池を構成する実施例に係る分析用電池10の試験体が得られるに至った。
この分析用電池10の試験体では、観察窓50の透過膜20同士の間が1000nm前後であり、且つ透過膜20及び負極活物質26の何れにも破損が生じていないことが確認された。
[比較例]
ピラー46を形成しないことを除いて、実施例に係る分析用電池10の試験体と同様の工程を経て、比較例に係る分析用電池の試験体を作製した。比較例に係る分析用電池の試験体では、基板14、16を積層して、第1スペーサ前駆体56及び第2スペーサ前駆体58を固相接合するべく荷重を付加した際に、観察窓50の透過膜20に破損が生じたことが確認された。このため、固相接合を中止して、重畳した第1基板14及び第2基板16を分離し、各々の一方の面を光学顕微鏡で観察した。その結果、第1基板14の負極集電体24に、第2基板16から剥離した透過膜20の一部が付着し、且つ第2基板16の貫通孔40を覆っていた透過膜20の一部が消失していることが確認された。
以上から、本実施形態に係る分析用電池10は、ピラー46及びスペーサ48を備えることで、観察窓50の透過膜20同士の距離を高精度に調整して維持できる。また、透過膜20同士の間で構成要素が押圧されて破損することを回避できる。従って、分析用電池10の耐久性を低下させることなく、観察窓50の透過膜20同士の距離を小さくしてその観察精度を向上させることができる。
10…分析用電池 12…重畳部
14…第1基板 16…第2基板
18、40…貫通孔
18a、18b、40a、40b…縁部 20…透過膜
24…負極集電体 26…負極活物質
28…正極集電体 30…正極活物質
38…電解液
46、46a、46b、46c…ピラー 48…スペーサ
50…観察窓 P1…第1位置
P2…第2位置 P3…周縁部

Claims (3)

  1. 基板同士が重畳された重畳部の内部に負極活物質及び正極活物質が電解液と個別に接触するように設けられ、且つ前記重畳部の重畳方向に電子線を透過させるための観察窓が形成された分析用電池であって、
    前記基板には、該基板を厚さ方向に貫通する貫通孔がそれぞれ形成され、
    前記貫通孔は、前記基板の厚さ方向両側の主面のうち、前記重畳部の外方に臨む側の外面から、前記重畳部の内方に臨む側の内面に向かって縮小する形状であり、且つ前記内面側から電子透過性の透過膜に覆われ、
    前記透過膜を介して対向する前記貫通孔同士の間に前記観察窓が形成され、該観察窓の前記透過膜同士の間に前記負極活物質及び前記正極活物質の少なくとも一方が配設され、
    前記重畳部の内部には、前記外面側の前記貫通孔の縁部同士が前記重畳方向に沿って対向する第1位置と、前記内面側の前記貫通孔の縁部同士が前記重畳方向に沿って対向する第2位置との間に、前記観察窓の前記透過膜同士の間隔を維持する少なくとも一つのピラーが設けられ、且つ前記第1位置よりも前記重畳部の周縁部側に前記基板同士の間隔を維持する少なくとも一つのスペーサが設けられ、
    前記重畳部の内部から延在して外部に露出する負極集電体及び正極集電体が、前記重畳部の内部で前記負極活物質及び前記正極活物質のそれぞれと電気的に接続されることを特徴とする分析用電池。
  2. 請求項1記載の分析用電池において、
    前記ピラーは、同一直線上にない3個を少なくとも含むことを特徴とする分析用電池。
  3. 請求項1又は2記載の分析用電池において、
    前記ピラーは、前記観察窓を介して対向する一組を含むことを特徴とする分析用電池。
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