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JP6454458B2 - トウガラシ水性抽出物およびグレープフルーツ種子抽出物を含有する組成物 - Google Patents

トウガラシ水性抽出物およびグレープフルーツ種子抽出物を含有する組成物 Download PDF

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Description

本発明は、トウガラシ水性抽出物およびグレープフルーツ種子抽出物を含有する組成物に関する。
食品とくに清涼飲料水はほとんど水分であり、微生物が繁殖しやすい。微生物が繁殖することで、品質の低下の問題、異臭の問題、食中毒の問題などを引き起こし、また、製造者は、製品の回収などの措置を講じなければならなくなる。そのため、清涼飲料水における微生物の繁殖を制御することが重要となってくる。
そこで、微生物の増殖を制御するため、近年様々な保存料および日持ち向上剤が開発されてきている。
保存料とは、食品の腐敗や変性の原因となる微生物の繁殖を抑える添加物のことをいい、亜硫酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ナイシン、二酸化硫黄、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、酵素分解ハトムギ抽出物、しらこたん白抽出物、ツヤプリシン(抽出物)、ペクチン分解物、ε−ポリリシンなどが挙げられる。
一方、日持ち向上剤とは、短期間であるが日持ちを向上させることができる食品添加物のことをいい、グリセリン脂肪酸エステル、グリシン、氷酢酸、酢酸ナトリウムおよびチアミンラウリル硫酸塩、イチヂク葉抽出物、オレガノ抽出物、柑橘種子抽出物、シソ抽出物、シンナモン抽出物、ショウガ抽出物、タデ抽出物、茶抽出物、生大豆抽出物、ブドウ果皮抽出物、グレープフルーツ種子抽出物、ホッコシ抽出物、モウソウチク抽出物、モミガラ抽出物、リゾチーム、ニンニク抽出物、セージ抽出物、ピメンタ抽出物、ペッパー抽出物、ローズマリー抽出物、クローブ抽出物、トウガラシ水性抽出物、ユッカフォーム抽出物、カラシ抽出物、カンゾウ油性抽出物などが挙げられる。
特に清涼飲料水では微生物の繁殖を強く抑制することから、安息香酸またはその塩を添加してきた。しかし、安息香酸は、アスコルビン酸と共存すると発がん性物質であるベンゼンが生成することが知られるようになった。
また、指定添加物の保存料の多くは、対象品目および使用基準量に制限がある。また、安全性の観点や消費者の安全志向の高まりから、これら、保存料、日持ち向上剤の使用は受け入れられにくくなっており、使用するにおいてもできるだけ使用量を減らすことが求められている。
例えば、グレープフルーツ種子抽出物およびモウソウチク茎表皮抽出物(特許文献1)、唐辛子抽出物(特許文献2)などが微生物の繁殖を抑制することが知られているが、これらは効果を発揮するには高濃度で使用する必要があり、より低い濃度で微生物の繁殖を抑制することが望まれていた。
特開2005−6529号公報 特開2009−55900号公報
本発明は、低い濃度で微生物の繁殖を抑制する添加物を含有する組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、トウガラシ水性抽出物とグレープフルーツ種子抽出物とを混合することによって、低濃度でも微生物の繁殖を抑制する効果が発揮されるということを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によると、保存安定性および安全性の高い組成物を提供することができる。
本発明の組成物は、その開封前および一度開封した後でも微生物の繁殖が抑制される。また、特に清涼飲料水で多く用いられていた安息香酸またはその塩と同程度に微生物の繁殖を抑制する効果が認められる。
本発明の組成物は、トウガラシ水性抽出物およびグレープフルーツ種子抽出物を組み合わせて使用される。
トウガラシ水性抽出物とは、唐辛子(学名:Capsicum annuum L.およびCapsium frutescens L.)の果実を水又はエタノールなどのアルコール類、アセトンなどによって抽出されたものである。トウガラシ水性抽出物は、既存添加物で、品名(名称)「トウガラシ水性抽出物(トウガラシの果実から抽出して得られた、水溶性物質を主成分とするものをいう。)」、別名「ガプシカム水性抽出物、パプリカ水性抽出物」、起原・製法・本質「ナス科トウガラシ(Capsicum annuum LINNE)の果実より、室温時含水エタノールで抽出したもので、タンパク質、ペプチド、ビタミンCを含む。」と収載されている(食品添加物表示ポケットブック、日本食品添加物協会発行)。
本発明において用いられるトウガラシ水性抽出物は、上記のようにトウガラシの果実から水などの溶媒で抽出によって製造されたものでもよく、その抽出液を凍結乾燥し得られた粉末を用いてもいずれの形態でもよい。例えば、本発明において使用されるのに好適なトウガラシ水性抽出物として、アサマ化成株式会社からアジナンバー301Aとして市販されているものが挙げられるが、これに限定されるものではない。アジナンバー301Aの組成は、20%がトウガラシ水性抽出物、80%が醸造酢である。
本発明の組成物においてグレープフルーツ種子抽出物と組み合わせて使用されるトウガラシ水性抽出物の量は、組成物に添加した場合に微生物の繁殖を制御する作用を発揮し、さらに組成物の味を損なわない範囲であり、組成物中に含まれるトウガラシ水性抽出物の量は、組成物全体の重量を基準にして、好ましくは0.1重量%以上であり、より好ましくは0.16重量%以上である。但し、組成物の味を損なわないようにするため、組成物中に含まれるトウガラシ水性抽出物の量は、組成物全体の重量を基準にし、一般に、0.18重量%以下とするのが好ましい。0.18重量%より増えると、味に影響が出てくる。
他方、グレープフルーツ種子抽出物とは、グレープフルーツ(学名:Citrus paradisi Macfadyen(Rutaceae))の種子から水、エタノールなどのアルコール類などによって抽出されたものをいう。グレープフルーツ種子抽出物は、既存添加物で、品名(名称)「グレープフルーツ種子抽出物(グレープフルーツの種子から得られた、脂肪酸及びフラボノイドを主成分とするものをいう。)」、起原・製法・本質「ミカン科グレープフルーツ(Citrus paradisi MACF.)の種子より、水又はエタノールで抽出して得られたものである。主成分は脂肪酸及びフラボノイドである。」と収載されている(食品添加物表示ポケットブック、日本食品添加物協会発行)。
本発明において用いられるグレープフルーツ種子抽出物は、上記のようにグレープフルーツの種子から水などの溶媒で抽出によって製造されたものでもよく、その抽出液を凍結乾燥し得られた粉末を用いてもいずれの形態でもよい。例えば、本発明において使用されるのに好適なグレープフルーツ種子抽出物として、山東食品株式会社からグレーセまたは株式会社アデプトからDesfan−10として市販されているものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。グレーセ(山東食品株式会社)の組成は、10%がグレープフルーツ種子抽出物、90%が水である。
本発明の組成物においてトウガラシ水性抽出物と組み合わせて使用されるグレープフルーツ種子抽出物の量は、組成物に添加した場合に微生物の繁殖を制御する作用を発揮し、さらに組成物の味を損なわない範囲であり、組成物中に含まれるグレープフルーツ種子抽出物の量は、組成物全体の重量を基準にして、好ましくは0.005重量%以上であり、より好ましくは0.015重量%以上である。但し、組成物の味を損なわないようにするため、組成物中に含まれるグレープフルーツ種子抽出物の量は、組成物全体の重量を基準にして、一般に、0.02重量%以下とするのが好ましい。0.02重量%より増えると、味に影響が出てくる。
本発明に従えば、トウガラシ水性抽出物とグレープフルーツ種子抽出物とを組み合わせて使用することにより、それらの抽出物が少量であっても、微生物の繁殖を抑制することができ、且つ味も損なうことのない組成物を得ることができる。これに対して、トウガラシ水性抽出物(またはグレープフルーツ種子抽出物)を単独で用いた場合には、微生物の繁殖を抑制することができても、味覚の点から好ましくない組成物となってしまう。
本発明の組成物は、微生物の繁殖を制御する優れた効果を発揮し、従来の保存料や日持ち向上剤の代替物として好適に使用することができる。
本発明の組成物は食品が好ましく、その形態は液体または半固体であり、より好ましくは液体であり、さらに好ましくは清涼飲料水である。
本発明の組成物のpHは、任意の値を取り得るが、好ましくは6未満であり、より好ましくは5未満であり、さらに好ましくは4未満である。
本発明の食品の例としては、清涼飲料水(例えば、お茶、ジュース)、ゼリー、シロップ、はちみつ、ジャム、たれ、つゆ、ケチャップなどが挙げられる。より好ましくは清涼飲料水が挙げられる。
清涼飲料水とは一般的に薬でもなく、酒でもなく、乳関係の製品でもないすべての飲料のことである。法規(昭和32年9月18日付厚生省発衛第13号の2公衆衛生局長通知)では、「乳酸菌飲料、乳および乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料」と定義されている。
本発明の組成物は、トウガラシ水性抽出物およびグレープフルーツ種子抽出物に加えて、これら成分による微生物の繁殖を制御する作用を妨害しない限り、他の物質を含むことができる。その物質の例としては、甘味料、増粘剤、酸味料、酸化防止剤、着色料、添加物、香料などが挙げられる。甘味料として、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖、オリゴ糖、異性化液糖、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア抽出物などが挙げられる。増粘剤として、ペクチン、キサンタンガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アラビアガム、ジェランガム、ローカストビーンガムなどが挙げられる。酸味料として、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸などが挙げられる。酸化防止剤として、アスコルビン酸、カテキン、ケルセチンなどが挙げられる。着色料として、ウコン色素、カラメル色素などが挙げられる。添加物として、グリシン、ユッカフォーム抽出物、醸造酢、酢酸ナトリウム、プロポリス抽出物、ショウガ抽出物、シソ抽出物、茶抽出物、ブドウ果皮抽出物などが挙げられる。香料としては、レモンフレーバー、ピーチフレーバー、マンゴーフレーバーなどが挙げられる。
本発明の組成物において、トウガラシ水性抽出物およびグレープフルーツ種子抽出物の添加方法は、特に制限はなく、食品の混合物に直接添加してもよいし、あらかじめ混合したものを添加してもよく、他の成分と混合して添加してもよい。あるいは、組成物に他の成分を添加してもよい。添加時期についても特に制限はなく、食品の加熱前でも後でもよい。
本発明の実施例を以下に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
(落下菌の調整)
果糖ぶどう糖液糖(日本澱粉工業株式会社製、シロップF−55)(10重量%)、難消化性デキストリン(松谷化学工業株式会社製、ファイバーソル2)(6重量%)、プルーンエキス(輸入者豊田通商株式会社、サンスィートプルーンコンセントレート)(2重量%)、クエン酸(磐田化学工業株式会社、クエン酸(結晶))(0.05重量%)および水(81.5重量%)の割合で混合し、pHが3.5の清涼飲料水を調製した。この清涼飲料水を50ml用のガラスビンに50ml入れ、キャップを閉めて、85℃で30分加熱することにより殺菌を行った。冷却後、キャップを開けて、室内で7日間放置し、キャップを閉めて回収した。その後、ポテトデキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製、パールコアポテトデキストロース寒天培地)(組成は、1000mlあたり、バレイショ浸出液200g、ブドウ糖20g、寒天15g、pH5.6±0.2)を作成し、回収した清涼飲料水を0.1mlまき、25℃2〜7日間培養した。その後、生育したカビを既存の方法に従って単離した。その結果、カビを得た。
単離したカビについて、菌の同定を行ったところ、カビはPenicillium steckiiおよびPenicillium minioluteumであることが判明した。以下、Penicillium steckiiをカビA、Penicillium minioluteumをカビBとする。
単離したカビは、再度、上記の清涼飲料中に添加し、pH3.5でも生育、増殖できることを確認した。
(食品保存料の選定)
果糖ぶどう糖液糖(日本澱粉工業株式会社製、シロップF−55)(10重量%)、難消化性デキストリン(松谷化学工業株式会社製、ファイバーソル2)(6重量%)、プルーンエキス(輸入者豊田通商株式会社、サンスィートプルーンコンセントレート)(2重量%)、保存料(表1)、および水(50重量%)を加え、溶解する。さらに、クエン酸(磐田化学工業株式会社、クエン酸(結晶))で、pHを3.5に調整し、水を加え全体を100重量%とした。その後、50ml用のガラスビンに50ml入れ、キャップを閉めて、85℃で30分加熱殺菌、冷却し、清涼飲料水を調製した。
Figure 0006454458
上記のカビをポテトデキストロース寒天培地で25℃で培養し、濃度が10〜10CFU/mlとなるように菌液を調製した。上記で調製した食品保存料を添加した清涼飲料水にこの菌液を0.1ml添加し、25℃で保存した。それぞれについて、保存7日、14日、21日および28日後のカビの増殖を確認した。カビの増殖は、目視にて発育を観察した。その結果を表2と表3に示す。なお、表中に「+」は発育したことを示し、「−」は発育しなかったことを示す。
Figure 0006454458
Figure 0006454458
この結果より、保存料の単独使用で、カビAおよびBに対して、トウガラシ水性抽出物を0.2%添加で微生物の繁殖を制御する効果があることがわかった。ただ、添加量が多く、味の変化、コストの面で使用しづらいという問題が生じるため、保存料の組み合わせの検討を行った。
(保存料の組み合わせ)
果糖ぶどう糖液糖(日本澱粉工業株式会社製、シロップF−55)(10重量%)、難消化性デキストリン(松谷化学工業株式会社製、ファイバーソル2)(6重量%)、プルーンエキス(輸入者豊田通商株式会社、サンスィートプルーンコンセントレート)(2重量%)、保存料の組み合わせ(表4)、および水(50重量%)を加え、溶解する。さらに、クエン酸(磐田化学工業株式会社、クエン酸(結晶))で、pHを3.5に調整し、水を加え全体を100重量%とした。その後、50ml用のガラスビンに50ml入れ、キャップを閉めて、85℃で30分加熱殺菌、冷却し、清涼飲料水を調製した。
Figure 0006454458
カビをポテトデキストロース寒天培地で25℃で培養し、濃度が10〜10CFU/mlとなるように菌液を調製した。上記で調製した食品保存料を添加した清涼飲料水にこの菌液を0.1ml添加し、25℃で保存した。それぞれについて、保存7日、14日、21日および28日後のカビの増殖を確認した。カビの増殖は、目視にて発育を観察した。その結果を表5と表6に示す。なお、表中に「+」は発育したことを示し、「−」は発育しなかったことを示す。
Figure 0006454458
Figure 0006454458
その結果、グレープフルーツ種子抽出物とユッカフォーム抽出物の組み合わせについては、カビAおよびカビBに対して、微生物の繁殖を制御する効果が認められなかった。同様にトウガラシ水性抽出物とユッカフォーム抽出物の組み合わせについても、カビAおよびカビBに対して、微生物の繁殖を制御する効果は認められなかった。しかし、トウガラシ水性抽出物(アジナンバー301Aとして0.6%〜0.9%、トウガラシ水性抽出物として0.12%〜0.18%)およびグレープフルーツ種子抽出物(グレーセとして0.1%、グレープフルーツ種子抽出物として0.01%)の組み合わせについては、カビAおよびカビBに対して、相乗効果を発揮し、増殖を抑制することが明らかとなった。さらに、清涼飲料水で多く用いられていた安息香酸と同程度の増殖を抑制する効果が認められた。
上記の実験において、トウガラシ水性抽出物の単独での使用では、清涼飲料水に0.2%の添加が必要であるが、グレープフルーツ種子抽出物と組み合わせることで、添加量を減らして微生物の繁殖を制御する効果を持たせることができた。トウガラシ水性抽出物を0.12%かつグレープフルーツ種子抽出物を0.01%添加した時は、安息香酸ナトリウムを添加した時と同程度の微生物の繁殖を制御する効果を発揮する。次に、トウガラシ水性抽出物とグレープフルーツ種子抽出物の最適な量の検討を行った。
(トウガラシ水性抽出物とグレープフルーツ種子抽出物との組み合わせ)
果糖ぶどう糖液糖(日本澱粉工業株式会社製、シロップF−55)(10重量%)、難消化性デキストリン(松谷化学工業株式会社製、ファイバーソル2)(6重量%)、プルーンエキス(輸入者豊田通商株式会社、サンスィートプルーンコンセントレート)(2重量%)、保存料の組み合わせ(表5)、および水(50重量%)を加え、溶解する。さらに、クエン酸(磐田化学工業株式会社、クエン酸(結晶))で、pHを3.5に調整し、水を加え全体を100重量%とした。その後、50ml用のガラスビンに50ml入れ、キャップを閉めて、85℃で30分加熱殺菌、冷却し、清涼飲料水を調製した。
カビをポテトデキストロース寒天培地で25℃で培養し、濃度が10〜10CFU/mlとなるように菌液を調製した。上記で調製した食品保存料を添加した清涼飲料水にこの菌液を0.1ml添加し、25℃で保存した。それぞれについて、保存28日後のカビの増殖を確認した。カビの増殖は、目視にて発育を観察した。その結果を表7と表8に示す。なお、表中に「+」は発育したことを示し、「−」は発育しなかったことを示す。
Figure 0006454458
Figure 0006454458
その結果、表7と表8のようになり、カビAおよびカビBのいずれに対しても、トウガラシ水性抽出物を0.1重量%濃度以上かつグレープフルーツ種子抽出物を0.005重量%濃度以上の添加で、相乗効果を発揮し、カビの生育を抑制していることがわかる。
本実験により、トウガラシ水性抽出物とグレープフルーツ種子抽出物を組み合わせることで、添加する量を減らせて、単独で使用するよりも相乗効果を発揮し、微生物の繁殖を制御する作用が増強することが明らかとなった。
(官能検査)
上記実施例と同様に清涼飲料水を作成して、表9の配合で保存料を添加し、官能検査を行った。保存料を添加しない味を◎とし、保存料の添加で味にあまり影響がないものを○、保存料の添加で味に少し影響するものを△として評価した。
Figure 0006454458
結果を、表9に示す。保存料を添加していない比較例Iと比較して、比較例II、III、IVは、あまり味には影響がなかったが、比較例Vでは味に影響をおよぼした。味に関しては、トウガラシ水性抽出物の添加量が多いと、影響を及ぼし、配合は不適であると考えられた。
本発明により、真菌に対して、繁殖を制御する効果を発揮する組成物を提供することができる。本発明の組成物において使用されるトウガラシ水性抽出物とグレープフルーツ種子抽出物の組み合わせは、少量の添加で効力を発揮することから清涼飲料水に代表される組成物の味にあまり影響を与えることがなく、既存の保存料の代替物として使用することができる。また、トウガラシ水性抽出物およびグレープフルーツ種子抽出物は天然由来であるので安全性にも優れており、好適に用いることができる。

Claims (1)

  1. トウガラシ水性抽出物の量が0.1〜0.18重量%かつ、グレープフルーツ種子抽出物の量が0.005〜0.020重量%を含む清涼飲料水であって、法規(昭和32年9月18日付厚生省発衛第13号の2公衆衛生局長通知)において「乳酸菌飲料、乳および乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料」として規定されたことを特徴とする清涼飲料水。
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