以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。特に、本明細書中で用いる「円形状」は「真円の形状」に限定されるものではなく、所謂「真円ではない略円形状」も含むものとする。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態)
<回路構成について>
図1は、本実施の形態の電子装置を用いたモータ駆動システムを示す回路図である。
図1に示されるモータ駆動システムは、パワー系回路構成部PKと、制御系回路構成部SKと、を有しており、パワー系回路構成部PKは、後述のパワー用配線基板PB1およびその上に搭載された電子部品により構成され、制御系回路構成部SKは、後述の制御用配線基板PB2およびその上に搭載された電子部品により構成されている。
なお、図1において、点線で囲まれた領域内の回路構成が、パワー系回路構成部PKに対応し、一点鎖線で囲まれた領域内の回路構成が、制御系回路構成部SKに対応している。
制御系回路構成部SKは、レギュレータ(レギュレータ回路部、電圧生成回路部)REと、制御回路部CTと、ドライバ回路部(プリドライバ回路部、駆動回路部)DRとを含んでいる。パワー系回路構成部PKは、パワーMOSFET(パワートランジスタ)1,2,3,4,5,6と抵抗R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9とを含んでおり、インバータ回路を構成している。
なお、本願において、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)と言うときは、ゲート絶縁膜として酸化膜を用いる場合だけでなく、ゲート絶縁膜として酸化膜以外の絶縁膜を用いる場合も含むものとする。
パワー系回路構成部PK(インバータ回路)に供給された直流電力は、パワー系回路構成部PK(インバータ回路)で交流電力に変換されて、モータMOTに供給されるようになっている。モータMOTは、パワー系回路構成部PKから供給された交流電力によって駆動される。パワー系回路構成部PKは、制御系回路構成部SKによって制御される。
まず、パワー系回路構成部PKについて具体的に説明する。
パワー系回路構成部PKにおいては、パワーMOSFET1とパワーMOSFET2とが、電源電位(電源電圧)VINが供給される端子TE1とグランド電位(グランド電圧)GNDが供給される端子TE2との間に、直列に接続されている。グランド電位GNDは、基準電位(基準電圧)とみなすこともできる。パワーMOSFET1がハイサイド用MOSFETに対応し、パワーMOSFET2がロウサイド用MOSFETに対応している。パワーMOSFET1のドレインは、端子TE1(電源電位VIN)に接続され、パワーMOSFET1のソースは、パワーMOSFET2のドレインに接続され、パワーMOSFET2のソースは、抵抗(シャント抵抗)R1を介して、端子TE2(グランド電位GND)に接続されている。パワーMOSFET1とパワーMOSFET2との接続点は、モータMOT(より特定的にはモータMOTのU相コイルUC)に接続された端子TE3に接続されている。パワーMOSFET1のゲートは、抵抗R2を介して、制御系回路構成部SKのドライバ回路部DRに接続され、また、パワーMOSFET2のゲートは、抵抗R3を介して、制御系回路構成部SKのドライバ回路部DRに接続されている。
また、パワー系回路構成部PKにおいては、パワーMOSFET3とパワーMOSFET4とが、電源電位VINが供給される端子TE1とグランド電位GNDが供給される端子TE2との間に、直列に接続されている。パワーMOSFET3がハイサイド用MOSFETに対応し、パワーMOSFET4がロウサイド用MOSFETに対応している。パワーMOSFET3のドレインは、端子TE1(電源電位VIN)に接続され、パワーMOSFET3のソースは、パワーMOSFET4のドレインに接続され、パワーMOSFET4のソースは、抵抗(シャント抵抗)R4を介して、端子TE2(グランド電位GND)に接続されている。パワーMOSFET3とパワーMOSFET4との接続点は、モータMOT(より特定的にはモータMOTのV相コイルVC)に接続された端子TE3に接続されている。パワーMOSFET3のゲートは、抵抗R5を介して、制御系回路構成部SKのドライバ回路部DRに接続され、また、パワーMOSFET4のゲートは、抵抗R6を介して、制御系回路構成部SKのドライバ回路部DRに接続されている。
また、パワー系回路構成部PKにおいては、パワーMOSFET5とパワーMOSFET6とが、電源電位VINが供給される端子TE1とグランド電位GNDが供給される端子TE2との間に、直列に接続されている。パワーMOSFET5がハイサイド用MOSFETに対応し、パワーMOSFET6がロウサイド用MOSFETに対応している。パワーMOSFET5のドレインは、端子TE1(電源電位VIN)に接続され、パワーMOSFET5のソースは、パワーMOSFET6のドレインに接続され、パワーMOSFET6のソースは、抵抗(シャント抵抗)R7を介して、端子TE2(グランド電位GND)に接続されている。パワーMOSFET5とパワーMOSFET6との接続点は、モータMOT(より特定的にはモータMOTのW相コイルWC)に接続された端子TE3に接続されている。パワーMOSFET5のゲートは、抵抗R8を介して、制御系回路構成部SKのドライバ回路部DRに接続され、また、パワーMOSFET6のゲートは、抵抗R9を介して、制御系回路構成部SKのドライバ回路部DRに接続されている。
なお、端子TE1は、後述のパワー用配線基板PB1の孔HP1か、あるいは、孔HP1に挿通した後述の電源接続用ピンPN1に対応している。また、端子TE2は、後述のパワー用配線基板PB1の孔HP2か、あるいは、孔HP2に挿通した後述のグランド接続用ピンPN2に対応している。また、端子TE3は、後述のパワー用配線基板PB1の孔HM1か、あるいは、孔HM1に挿通した後述の接続ピンBB1に対応している。また、端子TE4は、後述のパワー用配線基板PB1の孔HM2か、あるいは、孔HM2に挿通した後述の接続ピンBB2に対応している。また、端子TE5は、後述のパワー用配線基板PB1の孔HM3か、あるいは、孔HM3に挿通した後述の接続ピンBB3に対応している。
モータMOTのU相コイルUC、V相コイルVCおよびW相コイルWCは、パワー系回路構成部PKの端子TE3,TE4,TE5にそれぞれ接続され、パワー系回路構成部PKの端子TE3,TE4,TE5から供給された交流電力によってモータMOTが駆動される。
なお、電源電位VINとグランド電位GNDとの間に直列に接続された一対のMOSFETのうち、電源電位VIN側(すなわち高電位側)のMOSFETが、ハイサイド用MOSFETに対応し、グランド電位GND側(すなわち低電位側)のMOSFETが、ロウサイド用MOSFETに対応する。ハイサイド用MOSFETは、ハイサイドスイッチ用の電界効果トランジスタであり、ロウサイド用MOSFETは、ロウサイドスイッチ用の電界効果トランジスタである。パワーMOSFET1,2,3,4,5,6は、それぞれ、スイッチング用のパワートランジスタとみなすことができる。
次に、制御系回路構成部SKについて説明する。
制御系回路構成部SKは、レギュレータREと、制御回路部CTと、ドライバ回路部DRとを含んでいる。レギュレータREは、外部から供給された電源電位(電源電圧)VINを電圧(電源電位、電源電圧)V1に変換し、変換されたその電圧V1を制御回路部CTに供給する電圧生成回路部である。制御回路部CTは、ドライバ回路部DRを制御する制御回路部である。ドライバ回路部DRは、パワー系回路構成部PKのパワーMOSFET1,2,3,4,5,6を駆動する駆動回路部である。以下、制御系回路構成部SKについて具体的に説明する。
電源電位VINとグランド電位GNDは、制御系回路構成部SKにも供給される。すなわち、電源電位VINが、端子TE6に供給され、グランド電位GNDが、端子TE7に供給される。端子TE6は、後述の制御用配線基板PB2における電源用ケーブルCB1の接続部に対応し、端子TE7は、後述の制御用配線基板PB2におけるグランド用ケーブルCB2の接続部に対応している。
電源電位VINが供給される端子TE6とグランド電位GNDが供給される端子TE7とに、レギュレータREが接続されている。また、電源電位VINが供給される端子TE6とグランド電位GNDが供給される端子TE7とに、ドライバ回路部DRが接続されている。また、グランド電位GNDが供給される端子TE7に、制御回路部CTが接続されている。このため、端子TE6に供給された電源電位VINは、レギュレータREとドライバ回路部DRとに供給され、端子TE7に供給されたグランド電位GNDは、レギュレータREと制御回路部CTとドライバ回路部DRとに供給される。
端子TE6に供給された電源電位VINは、レギュレータREに入力されてレギュレータREで所定の電圧(定電圧)V1に変換され、レギュレータREで生成された電圧V1が制御回路部CTおよびドライバ回路部DRに供給される。電圧V1は、例えば、電源電位(電源電圧)VINよりも低い定電圧である。レギュレータREから制御回路部CTに供給された電圧V1は、制御回路部CTの動作電圧として用いられる。すなわち、制御回路部CTは、レギュレータREから供給された電圧V1によって、動作することができる。
ドライバ回路部DRは、パワー系回路構成部PKのパワーMOSFET1,2,3,4,5,6を駆動する回路であり、制御回路部CTによって制御される。ドライバ回路部DRは、パワー系回路構成部PKのパワーMOSFET1,2,3,4,5,6の各ゲートにゲート信号(ゲート電圧)を供給する。制御回路部CTがドライバ回路部DRを制御し、ドライバ回路部DRからパワーMOSFET1,2,3,4,5,6の各ゲートに供給されるゲート信号によって、パワーMOSFET1,2,3,4,5,6のそれぞれのオン/オフを制御することができる。従って、制御系回路構成部SKは、パワー系回路構成部PKを制御することができる。
パワーMOSFET2のソースと端子TE2(グランド電位GND)との間には、抵抗R1が介在し、パワーMOSFET4のソースと端子TE2(グランド電位GND)との間には、抵抗R4が介在し、パワーMOSFET6のソースと端子TE2(グランド電位GND)との間には、抵抗R7が介在している。各抵抗R1,R4,R7の両端は、ドライバ回路部DR内の検出回路に接続されている。抵抗R1,R4,R7に印加される電圧をドライバ回路部DR内の検出回路で検知することにより、モータMOTのU相コイル、V相コイル、およびW相コイルにそれぞれ流れる電流を検出することができる。例えば、ドライバ回路部DRは、抵抗R1,R4,R7のそれぞれに流れる電流を検出し、その検出電流を利用して、パワー系回路構成部PKからモータMOTに供給される電力が所望の波形になるように、パワーMOSFET1,2,3,4,5,6を駆動(制御)することができる。
このように、図1に示されるモータ駆動システムにおいては、制御系回路構成部SKによってパワー系回路構成部PK(インバータ回路)を制御することにより、端子TE1,TE2からパワー系回路構成部PKに供給された直流電力を交流電力に変換して端子TE3,TE4,TE5からモータMOTに供給し、モータMOTを駆動することができる。
<全体構成について>
図2および図3は、本実施の形態の電子装置を用いたモータ駆動システム全体を示す模式図である。図2には、側面図が示され、図3には、斜視図が示されているが、図3では、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2との積層体をカバーする部材は、図示を省略している。なお、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2とは、いずれも配線基板であるが、パワー用配線基板PB1は、上記パワー系回路構成部PKを形成するための配線基板であり、制御用配線基板PB2は、上記制御系回路構成部SKを形成するための配線基板である。
図2および図3に示されるモータ駆動システムにおいては、モータMOTにパワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2とが取り付けられている。具体的には、モータMOTの上部(上面)に、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2とが、下から順に積み重なるようにして、取り付けられている。
モータMOTは、例えば、燃料ポンプ(後述の燃料ポンプPMに対応)用のモータであり、シャフトSFTとともに回転するインペラ(羽根車)IMPを有している。上述のように、パワー用配線基板PB1およびその上に搭載された電子部品(図2および図3では図示せず)により、上記パワー系回路構成部PKが形成され、制御用配線基板PB2およびその上に搭載された電子部品(図2および図3では図示せず)により、上記制御系回路構成部SKが形成される。上記パワー系回路構成部PKから供給された交流電力により、モータMOTのシャフトSFTが回転し、それによって、モータMOTのシャフトSFTに固定されたインペラIMPが回転するようになっている。
パワー用配線基板PB1および制御用配線基板PB2は、モータMOTの上部に、積み重なるように、取り付けられているため、パワー用配線基板PB1および制御用配線基板PB2のそれぞれの平面寸法は、モータMOTの平面寸法と同等以下であることが望ましい。但し、モータMOTの平面形状は、円形であるため、モータMOTの平面形状に合わせて、パワー用配線基板PB1および制御用配線基板PB2のそれぞれの平面形状も、同一平面寸法(直径または面積)の円形状とすれば、実装スペースに無駄が生じることなく空間を有効に活用することができるため、より好ましい。
また、モータMOTの上面には、インペラIMPの回転によって吸い上げた燃料を吐出する吐出口(管、配管)TKが設けられている。吐出口TKは、管状の部材であり、燃料が通過できるように構成されている。この吐出口TKが貫通するように、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2とにそれぞれ貫通孔が設けられている。このため、吐出口TKは、モータMOTの上面から、パワー用配線基板PB1および制御用配線基板PB2の各貫通孔を通って、モータMOTの上方に突出している。パワー用配線基板PB1における吐出口TKが通る貫通孔(後述の孔HT1に対応)と、制御用配線基板PB2における吐出口TKが通る貫通孔(後述の孔HT2に対応)とは、平面視において重なっている。
図2および図3では、インペラIMPの回転によって吸い上げられた燃料の流れGSFを、矢印で模式的に示してある。図2および図3において、矢印(GSF)で示されるように、インペラIMPの回転によって吸入口GKから吸い上げられた燃料は、モータMOT内における燃料が通過可能な空間(スペース)を通って、モータMOT内から吐出口TKに流れ、吐出口TKから、モータMOTの外部に送られる。吐出口TKには、燃料用の管(図示せず)などがつなげられており、インペラIMPの回転によって吸い上げられた燃料は、モータMOTから吐出口TKおよび燃料用の管などを通って、後述のエンジンENGに送られる。
図4および図5は、自動車の制御システムを示す説明図である。なお、図5が、燃料ポンプPMに上記図1〜図3のモータ駆動システムを適用した場合に対応している。また、図面を見やすくするために、燃料タンクGT内に貯えられた燃料GSについては、ハッチングを付してある。
図4および図5に示される自動車の制御システムにおいては、燃料タンクGT内に貯えられた燃料GSが、燃料ポンプPMによって吸い上げられてエンジンENGに供給されるようになっている。図4および図5では、燃料ポンプPMから燃料用の管などを通ってエンジンENGに送られる燃料GSの流れGSFを、矢印で模式的に示してある。エンジンENGは、エンジン制御用のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)11によって制御される。
図4の場合は、エンジン制御用のECU11が、燃料ポンプPMも直接制御する。すなわち、エンジン制御用のECU11が、モータ駆動用の電力を燃料ポンプPMに供給し、それによって、燃料ポンプPMのモータを駆動する。そして、エンジン制御用のECU11は、燃料ポンプPMに供給するモータ駆動用の電力を制御することによって、燃料ポンプPMのモータを制御し、それによって、燃料タンクGTから燃料ポンプPMによりエンジンENGに供給される燃料GSの量を制御する。
図5の場合は、燃料ポンプPMに取り付けられた燃料ポンプ制御用のECU12が、燃料ポンプPMを制御する。すなわち、燃料ポンプ制御用のECU12が、モータ駆動用の電力を燃料ポンプPMに供給し、それによって、燃料ポンプPMのモータを駆動する。そして、燃料ポンプ制御用のECU12は、燃料ポンプPMに供給するモータ駆動用の電力を制御することによって、燃料ポンプPMのモータを制御し、それによって、燃料タンクGTから燃料ポンプPMによりエンジンENGに供給される燃料GSの量を制御する。エンジン制御用のECU11と、燃料ポンプ制御用のECU12との間では、必要に応じて、エンジン制御用のECU11から燃料ポンプ制御用のECU12への指令信号(制御信号)や、燃料ポンプ制御用のECU12からエンジン制御用のECU11へのフィードバック信号が伝送される。
すなわち、図4の場合は、エンジン制御用のECU11が、燃料ポンプ制御用のECU12に相当するものも兼ねており、燃料ポンプPMには、燃料ポンプ制御用のECU12に相当するものは取り付けられていない。一方、図5の場合は、燃料ポンプ制御用のECU12が、エンジン制御用のECU11から分離され、燃料ポンプPMに取り付けられている。
図4の場合は、エンジン制御用のECU11が、燃料ポンプ制御用のECU12に相当するものも兼ねており、燃料ポンプPMから比較的離れた位置にあるエンジン制御用のECU11から燃料ポンプPMにモータ駆動用の電力が供給される。このため、電力損失が大きくなってしまう。また、自動車内の配線配置のための重量増加とそれに伴う燃費悪化、及び必要なスペース増加が発生する。
それに対して、図5の場合は、燃料ポンプ制御用のECU12が燃料ポンプPMに取り付けられており、燃料ポンプ制御用のECU12は、燃料ポンプPMに近接している。燃料ポンプPMに取り付けられたエンジン制御用のECU12から燃料ポンプPMにモータ駆動用の電力が供給されるため、電力損失を抑制することができる。また、自動車内の配線配置のための重量増加を削減し、必要なスペースも減らすことができる。
なお、図5の場合の燃料ポンプ制御用のECU12および燃料ポンプPMが、上記図1〜図3に示されるモータ駆動システムに対応している。すなわち、上記図1〜図3に示されるモータMOTは、燃料ポンプPMのモータに対応している。そして、燃料ポンプ制御用のECU12の回路構成は、上記図1に示される回路構成のうち、モータMOT以外の回路構成(上記パワー系回路構成部PKおよび上記制御系回路構成部SK)に対応している。このため、燃料ポンプ制御用のECU12は、上記図2および図3のパワー用配線基板PB1およびその上に搭載された電子部品(図2および図3では図示せず)と、制御用配線基板PB2およびその上に搭載された電子部品(図2および図3では図示せず)と、により、構成されている。
<電子装置の構成について>
図6は、モータMOTに取り付けられた本実施の形態の電子装置を示す説明図である。図6は、断面図に対応しているが、モータMOTの内部断面構造については、図示を省略している。また、図7および図8は、図6の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。このうち、図7には、パワー用配線基板PB1および制御用配線基板PB2と接続ピンPN(PN1,PN2,PN3)とを接続する構造が示され、図8には、パワー用配線基板PB1と接続ピンBB(BB1,BB2,BB3)とを接続する構造が示されている。
上記図2および図3を参照して説明したが、図6にも示されるように、モータMOTの上面(上部)に、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2とが、下から順に積み重なるようにして、取り付けられている。図6に示されるように、パワー用配線基板PB1および制御用配線基板PB2は、例えばネジ(固定用ネジ、固定部材)NG1によってモータMOTに取り付けられて固定されており、モータMOTとパワー用配線基板PB1との間と、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2との間には、所定の隙間が介在している。
具体的には、図6に示されるように、制御用配線基板PB2には、ネジNG1が挿通される孔(貫通孔)NH2が形成されており、また、パワー用配線基板PB1にも、ネジNG1が挿通される孔(貫通孔)NH1が形成されている。モータMOTの上部には、ネジNG1をネジ止めするためのネジ穴NH3が形成されている。なお、制御用配線基板PB2における孔NH2と、パワー用配線基板PB1における孔NH1と、モータMOTにおけるネジ穴NH3とは、平面視において重なっている。そして、ネジNG1が、制御用配線基板PB2の孔NH2と、制御用配線基板PB2とパワー用配線基板PB1との間に配置されたスペーサSP2と、パワー用配線基板PB1の孔NH1と、パワー用配線基板PB1とモータMOTの上面との間に配置されたスペーサSP1とを、挿通し、モータMOTのネジ穴NH3に螺合されている。スペーサSP1により、モータMOTとパワー用配線基板PB1との間に所定の間隔が確保され、スペーサSP2により、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2との間に所定の間隔が確保されるとともに、ネジNG1により、制御用配線基板PB2とパワー用配線基板PB1とがモータMOTの上面(上部)に取り付けられて固定されている。なお、図6にはネジNG1は代表して1本だけ示されているが、後述するように、制御用配線基板PB2とパワー用配線基板PB1とをモータMOTに固定するのに、ネジNG1を3本用いている。
また、図6に示されるように、モータMOTの上部に取り付けられたパワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2とを覆うように、保護用のカバー部材(ケース、筐体)CVを設けることもできる。このカバー部材CVは、モータMOTに固定されている。カバー部材CVは、モータMOTとは別部材としても、あるいは、モータMOTと一体的な部材としてもよい。
また、パワー用配線基板PB1(の配線)と制御用配線基板PB2(の配線)とは、複数の接続ピンPNにより電気的に接続されている。接続ピンPNは、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2とを電気的に接続する接続部材である。接続ピンPNは、ピン状の形状を有している。パワー用配線基板PB1(の配線)と制御用配線基板PB2(の配線)とを電気的に接続する接続ピンPNには、電源接続用ピンPN1とグランド接続用ピンPN2と信号用ピンPN3とがある。図6では、代表して2つの接続ピンPNが示され、そのうちの一方は、信号用ピンPN3であり、もう一方は、電源接続用ピンPN1またはグランド接続用ピンPN2である。
ここで、パワー用配線基板PB1(の配線)と制御用配線基板PB2(の配線)とを接続ピンPNを介して電気的に接続する構造について、図7を参照して説明する。
制御用配線基板PB2には、それぞれ接続ピンPNが挿通される複数の孔(貫通孔)HCが形成され、また、パワー用配線基板PB1には、それぞれ接続ピンPNが挿通される複数の孔(貫通孔)HPが形成されているが、図7には、代表して、一対の孔HC,HPとそれに挿通された1本の接続ピンPNとが示されている。なお、実際には、図6にも示されるように、信号用ピンPN3の直径は、電源接続用ピンPN1やグランド接続用ピンPN2の各直径よりも小さくなっている。
制御用配線基板PB2における孔HCと、パワー用配線基板PB1における孔HPとは、平面視において重なっており、図7に示されるように、各接続ピンPNの一方の端部側が制御用配線基板PB2の孔HCに挿通され、各接続ピンPNの他方の端部側がパワー用配線基板PB1の孔HPに挿通されている。接続ピンPNは導電体からなり、好ましくは金属材料からなる。
各接続ピンPNにおいて、制御用配線基板PB2の孔HC内に位置する部分は、孔HCの直径より若干小さな直径を有し、パワー用配線基板PB1の孔HP内に位置する部分は、孔HPの直径より若干小さな直径を有している。一方、各接続ピンPNにおいて、孔HC,HPの外部に位置し、かつ、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2との間に位置する部分は、孔HP,HCの各直径よりも大きな直径を有することもでき、それによって、接続ピンPNに対するパワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2との高さ位置を位置決めすることもできる。
制御用配線基板PB2およびパワー用配線基板PB1は、例えば樹脂基板である。制御用配線基板PB2は、絶縁性の基材層BS2と、基材層BS2の上面上に形成された配線パターン(導電膜CD2a)と、基材層BS2の下面上に形成された配線パターン(導電膜CD2b)と、基材層BS2の上面上に配線パターンを覆うように形成されたレジスト層RS2aと、基材層BS2の下面上に配線パターンを覆うように形成されたレジスト層RS2bと、を有している。また、パワー用配線基板PB1は、絶縁性の基材層BS1と、基材層BS1の上面上に形成された配線パターン(導電膜CD1a)と、基材層BS1の下面上に形成された配線パターン(導電膜CD1b)と、基材層BS1の上面上に配線パターンを覆うように形成されたレジスト層RS1aと、基材層BS1の下面上に配線パターンを覆うように形成されたレジスト層RS1bと、を有している。基材層BS1,BS2は、絶縁材料(絶縁層)からなり、例えばガラスエポキシ樹脂などからなる。制御用配線基板PB2の上面の配線パターンは、導電膜CD2aにより形成され、制御用配線基板PB2の下面の配線パターンは、導電膜CD2bにより形成され、パワー用配線基板PB1の上面の配線パターンは、導電膜CD1aにより形成され、パワー用配線基板PB1の下面の配線パターンは、導電膜CD1bにより形成される。レジスト層RS1a,RS1b,RS2a,RS2bのそれぞれは、絶縁材料(絶縁層)からなり、例えば半田レジスト層である。レジスト層RS1a,RS1b,RS2a,RS2bは、それぞれ保護膜とみなすこともできる。
制御用配線基板PB2において、孔HCの側面(内壁)には、導電膜CD2cが形成されており、また、パワー用配線基板PB1において、孔HPの側面(内壁)には、導電膜CD1cが形成されている。制御用配線基板PB2の孔HCの側面の導電膜CD2cは、その孔HCに挿通された接続ピンPNと電気的に接続され、また、パワー用配線基板PB1の孔HPの側面の導電膜CD1cは、その孔HCに挿通された接続ピンPNと電気的に接続されている。例えば、制御用配線基板PB2の孔HCの側面の導電膜CD2cと接続ピンPNとは、間に半田SLなどの導電性の接合材が介在し、その導電性接合材を介して電気的に接続され、また、パワー用配線基板PB1の孔HPの側面の導電膜CD1cと接続ピンPNは、間に半田SLなどの導電性の接合材が介在し、その導電性接合材を介して電気的に接続される。あるいは、制御用配線基板PB2の孔HCの側面の導電膜CD2cと接続ピンPNとが、互いに接することで電気的に接続される場合もあり得、また、パワー用配線基板PB1の孔HPの側面の導電膜CD1cと接続ピンPNとが、互いに接することで電気的に接続される場合もあり得る。
これにより、制御用配線基板PB2の孔HCの側面の導電膜CD2cと、パワー用配線基板PB1の孔HPの側面の導電膜CD1cとは、その孔HP,HCに挿通された接続ピンPNを介して電気的に接続される。なお、半田SLなどの導電性の接合材を用いて、接続ピンPNを制御用配線基板PB2およびパワー用配線基板PB1に固定することもできる。
パワー用配線基板PB1の孔HPの側面の導電膜CD1cは、パワー用配線基板PB1の上面において、孔HPの周囲に形成された導電膜CD1aと電気的に接続され、また、パワー用配線基板PB1の下面において、孔HPの周囲に形成された導電膜CD1bと電気的に接続されている。また、制御用配線基板PB2の孔HCの側面の導電膜CD2cは、制御用配線基板PB2の上面において、孔HCの周囲に形成された導電膜CD2aと電気的に接続され、また、制御用配線基板PB2の下面において、孔HCの周囲に形成された導電膜CD2bと電気的に接続されている。従って、図7において、パワー用配線基板PB1の導電膜CD1a,CD1b,CD1cと、制御用配線基板PB2の導電膜CD2a,CD2b,CD2cとを、接続ピンPNを介して電気的に接続することができる。
すなわち、制御用配線基板PB2の上面または下面に形成された配線パターン(導電膜CD2aまたは導電膜CD2bに対応)を、接続ピンPNに電気的に接続するためには、その配線パターンの一部を孔HCの周囲に設けるとともに、その配線パターンに電気的に接続された導電膜CD2cを、その孔HCの側面に形成しておき、その孔HCに接続ピンPNを挿通させる。そして、必要に応じて半田SLなどの導電性の接合材で接続ピンPNを制御用配線基板PB2に接合する。これにより、制御用配線基板PB2の上面または下面に形成された配線パターンを、接続ピンPNに電気的に接続することができる。
また、パワー用配線基板PB1の上面または下面に形成された配線パターン(導電膜CD1aまたは導電膜CD1bに対応)を、接続ピンPNに電気的に接続するためには、その配線パターンの一部を孔HPの周囲に設けるとともに、その配線パターンに電気的に接続された導電膜CD1cを、その孔HPの側面に形成しておき、その孔HPに接続ピンPNを挿通させる。そして、必要に応じて半田SLなどの導電性の接合材で接続ピンPNをパワー用配線基板PB1に接合する。これにより、パワー用配線基板PB1の上面または下面に形成された配線パターンを、接続ピンPNに電気的に接続することができる。
また、制御用配線基板PB2において、レジスト層RS2a,RS2bは、孔HCを平面視で内包するような開口部OP3,OP4を有していてもよい。ここで、開口部OP3は、制御用配線基板PB2の上面側のレジスト層RS2aの開口部であり、開口部OP2は、制御用配線基板PB2の下面側のレジスト層RS2bの開口部である。この場合、制御用配線基板PB2の孔HCの周囲でレジスト層RS2a,RS2bの開口部OP3,OP4から露出する導電膜CD2a,CD2bの一方または両方を、半田SLなどの導電性接合材を介して接続ピンPNに電気的に接続することもできる。また、パワー用配線基板PB1において、レジスト層RS1a,RS1bは、孔HPを平面視で内包するような開口部OP1,OP2を有していてもよい。ここで、開口部OP1は、パワー用配線基板PB1の上面側のレジスト層RS1aの開口部であり、開口部OP2は、パワー用配線基板PB1の下面側のレジスト層RS1bの開口部である。この場合、パワー用配線基板PB1の孔HPの周囲でレジスト層RS1a,RS1bの開口部OP1,OP2から露出する導電膜CD1a,CD1bの一方または両方を、半田SLなどの導電性接合材を介して接続ピンPNに電気的に接続することもできる。
このように、制御用配線基板PB2の上面または下面に形成された配線パターン(導電膜CD2aまたは導電膜CD2b)と、パワー用配線基板PB1の上面または下面に形成された配線パターン(導電膜CD1aまたは導電膜CD1b)とを、接続ピンPNを介して電気的に接続することができる。
次に、制御用配線基板PB2およびパワー用配線基板PB1への電源電位VINとグランド電位GNDとの供給の仕方について、図6を参照して説明する。
パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2との両方に、電源電位VINとグランド電位GNDとが供給される。図6の場合は、バッテリ(図示せず)などから制御用配線基板PB2にそれぞれケーブルCBを介して電源電位VINとグランド電位GNDとが供給され、制御用配線基板PB2に供給された電源電位VINとグランド電位GNDとが、それぞれ電源接続用ピンPN1およびグランド接続用ピンPN2を介してパワー用配線基板PB1に供給されるようになっている。電源接続用ピンPN1は、制御用配線基板PB2からパワー用配線基板PB1に電源電位VINを供給するために用いられている接続ピンPNである。また、グランド接続用ピンPN2は、制御用配線基板PB2からパワー用配線基板PB1にグランド電位GNDを供給するために用いられている接続ピンPNである。
なお、図6では、簡略化のために、ケーブルCBは1つだけ示してあるが、実際には、ケーブルCBは2つあり、一方は、電源電位VIN供給用のケーブルCBであり、他方は、グランド電位GND供給用のケーブルCBである。電源電位VIN供給用のケーブルCBと、グランド電位GND供給用のケーブルCBとは、電気的に接続されてはおらず、別々の部材である。以下では、電源電位VIN供給用のケーブルCBを、電源用ケーブルCB1と称し、グランド電位GND供給用のケーブルCBを、グランド用ケーブルCB2と称することとする。また、図6では、簡略化のために、電源接続用ピンPN1とグランド接続用ピンPN2とを代表して1つの接続ピンPNで示してあるが、実際には、1つの電源接続用ピンPN1と1つのグランド接続用ピンPN2とが存在しており、電源接続用ピンPN1とグランド接続用ピンPN2とは、電気的に接続されてはおらず、別々の部材である。
具体的に説明すると、図6に示されるように、電源用ケーブルCB1が、制御用配線基板PB2にネジ(固定用ネジ、固定部材)NG2aなどによって固定され、それによって、電源用ケーブルCB1が、制御用配線基板PB2の電源配線(後述の電源配線WV1,WV2に対応)に電気的に接続されている。これにより、電源用ケーブルCB1から、制御用配線基板PB2の電源配線(後述の電源配線WV1,WV2に対応)に、電源電位VINが供給される。また、グランド用ケーブルCB2が、制御用配線基板PB2にネジ(固定用ネジ、固定部材)NG2bなどによって固定され、それによって、グランド用ケーブルCB2が、制御用配線基板PB2のグランド配線(後述のグランド配線WG1,WG2に対応)に電気的に接続されている。これにより、グランド用ケーブルCB2から、制御用配線基板PB2のグランド配線(後述のグランド配線WG1,WG2に対応)に、グランド電位GNDが供給される。電源用ケーブルCB1を固定するネジNG2aは、制御用配線基板PB2に設けられた孔(ネジ穴)NH4aに挿入されて螺合され、グランド用ケーブルCB2を固定するネジNG2bは、制御用配線基板PB2に設けられた孔(ネジ穴)NH4bに挿入されて螺合されている。また、制御用配線基板PB2の下面側から突出する部分のネジNG2a,NG2bに、ナット(ネジ螺合部材、ここでは図示せず)などを螺合させることもでき、その場合は、孔NH4a,NH4bの側面にネジ山を形成しなくともよい。
そして、制御用配線基板PB2の電源配線(後述の電源配線WV1,WV2に対応)が、電源接続用ピンPN1を介して、パワー用配線基板PB1の電源配線(後述の電源配線WV3に対応)に電気的に接続されている。具体的には、制御用配線基板PB2は、電源接続用ピンPN1が挿通する孔(貫通孔)HC1を有し、パワー用配線基板PB1は、電源接続用ピンPN1が挿通する孔(貫通孔)HP1を有している。そして、制御用配線基板PB2の孔HC1とパワー用配線基板PB1の孔HP1とに挿通された電源接続用ピンPN1によって、制御用配線基板PB2の電源配線(後述の電源配線WV1,WV2)と、パワー用配線基板PB1の電源配線(後述の電源配線WV3)とが、電気的に接続されている。上記図7に当てはめると、図7における接続ピンPNが、電源接続用ピンPN1に対応し、図7における孔HCが、孔HC1に対応し、図7における孔HPが、孔HP1に対応する。そして、図7における導電膜CD2a,CD2bが制御用配線基板PB2の電源配線(後述の電源配線WV1,WV2)に対応し、図7における導電膜CD1a,CD1bがパワー用配線基板PB1の電源配線(後述の電源配線WV3)に対応する。
また、制御用配線基板PB2のグランド配線(後述のグランド配線WG1,WG2に対応)が、グランド接続用ピンPN2を介して、パワー用配線基板PB1のグランド配線に電気的に接続されている。すなわち、制御用配線基板PB2は、グランド接続用ピンPN2が挿通する孔(貫通孔)HC2を有し、パワー用配線基板PB1は、グランド接続用ピンPN2が挿通する孔(貫通孔)HP2を有している。そして、制御用配線基板PB2の孔HC2とパワー用配線基板PB1の孔HP2とに挿通されたグランド接続用ピンPN2によって、制御用配線基板PB2のグランド配線(後述のグランド配線WG1,WG2)と、パワー用配線基板PB1のグランド配線とが、電気的に接続されている。上記図7に当てはめると、図7における接続ピンPNが、グランド接続用ピンPN2に対応し、図7における孔HCが、孔HC2に対応し、図7における孔HPが、孔HP2に対応する。そして、図7における導電膜CD2a,CD2bが制御用配線基板PB2のグランド配線(後述のグランド配線WG1,WG2)に対応し、図7における導電膜CD1a,CD1bがパワー用配線基板PB1のグランド配線に対応する。
これにより、電源用ケーブルCB1を経由して、制御用配線基板PB2の電源配線(後述の電源配線WV1,WV2)に供給された電源電位VINは、電源接続用ピンPN1を介して、パワー用配線基板PB1の電源配線(後述の電源配線WV3)に供給される。また、グランド用ケーブルCB2を経由して、制御用配線基板PB2のグランド配線(後述のグランド配線WG1,WG2)に供給されたグランド電位GNDは、グランド接続用ピンPN2を介して、パワー用配線基板PB1のグランド配線に供給される。
次に、パワー用配線基板PB1(の信号用配線)と制御用配線基板PB2(の信号用配線)との信号用ピンPN3を介した接続について説明する。
パワー用配線基板PB1(の信号用配線)と制御用配線基板PB2(の信号用配線)とは、複数の信号用ピンPN3を介して電気的に接続されている。なお、信号用ピンPN3は、上記制御系回路構成部SK(より特定的にはドライバ回路部DR)と上記パワー系回路構成部PKとの間を電気的に接続するために用いられている接続ピンである(上記図1参照)。また、制御用配線基板PB2の信号用配線(後述の信号用配線WS1,WS2)と、パワー用配線基板PB1の信号用配線(後述の信号用配線WS3)とは、上記制御系回路構成部SK(より特定的にはドライバ回路部DR)と上記パワー系回路構成部PKとの間を電気的に接続するために用いられている配線である。また、制御用配線基板PB2の信号用配線(後述の信号用配線WS1,WS2)は、上記制御系回路構成部SK内の制御回路部CTとドライバ回路部DRとの間を接続する配線も含んでいる。このため、制御用配線基板PB2の信号用配線と、信号用ピンPN3と、パワー用配線基板PB1の信号用配線とを介して、上記制御系回路構成部SK(より特定的にはドライバ回路部DR)と上記パワー系回路構成部PKとの間で、信号などを伝送することができる。
具体的には、制御用配線基板PB2は、信号用ピンPN3が挿通する孔(貫通孔)HC3を有し、パワー用配線基板PB1は、信号用ピンPN3が挿通する孔(貫通孔)HP3を有している。そして、制御用配線基板PB2の孔HC3とパワー用配線基板PB1の孔HP3とに挿通された信号用ピンPN3によって、制御用配線基板PB2の信号用配線(後述の信号用配線WS1,WS2に対応)と、パワー用配線基板PB1の信号用配線(後述の信号用配線WS3に対応)とが、電気的に接続されている。上記図7に当てはめると、図7における接続ピンPNが、信号用ピンPN3に対応し、図7における孔HCが、孔HC3に対応し、図7における孔HPが、孔HP3に対応する。そして、図7における導電膜CD2a,CD2bが制御用配線基板PB2の信号用配線(後述の信号用配線WS1,WS2)に対応し、図7における導電膜CD1a,CD1bがパワー用配線基板PB1の信号用配線(後述の信号用配線WS3)に対応している。
信号用ピンPN3は、複数設けられている。具体的には、信号用ピンPN3は、上記抵抗R1の両端にそれぞれ接続された2つの信号用ピンPN3と、上記抵抗R4の両端にそれぞれ接続された2つの信号用ピンPN3と、上記抵抗R7の両端にそれぞれ接続された2つの信号用ピンPN3と、を含んでいる。信号用ピンPN3は、更に、上記パワーMOSFET1のゲートに上記抵抗R2を介して電気的に接続された信号用ピンPN3と、上記パワーMOSFET2のゲートに上記抵抗R3を介して電気的に接続された信号用ピンPN3と、上記パワーMOSFET3のゲートに上記抵抗R5を介して電気的に接続された信号用ピンPN3と、も含んでいる。信号用ピンPN3は、更に、上記パワーMOSFET4のゲートに上記抵抗R6を介して電気的に接続された信号用ピンPN3と、上記パワーMOSFET5のゲートに上記抵抗R8を介して電気的に接続された信号用ピンPN3と、上記パワーMOSFET6のゲートに上記抵抗R9を介して電気的に接続された信号用ピンPN3と、も含んでいる。また、信号用ピンPN3は、更に、上記パワーMOSFET1,2,3,4,5,6の各ソースにそれぞれ接続された6つの信号用ピンPN3を含んでいてもよい。また、制御用配線基板PB2側においては、いずれの信号用ピンPN3も、ドライバ回路部DR(従って後述の半導体装置PKG6)に接続されている。ドライバ回路部DRは、後述の半導体装置PKG6により構成されている。
このため、上記パワーMOSFET1,2,3,4,5,6の各ゲートは、パワー用配線基板PB1の信号用配線や抵抗素子(上記抵抗R2,R3,R5,R6,R8,R9のいずれかに対応する抵抗素子)を介して、信号用ピンPN3に電気的に接続され、更にその信号用ピンPN3と制御用配線基板PB2の信号用配線とを介して、後述の半導体装置PKG6に電気的に接続されている。また、上記抵抗R1,R4,R7のそれぞれの両端は、それぞれパワー用配線基板PB1の信号用配線を介して信号用ピンPN3に電気的に接続され、更にその信号用ピンPN3と制御用配線基板PB2の信号用配線とを介して、後述の半導体装置PKG6に電気的に接続されている。また、上記パワーMOSFET1,2,3,4,5,6の各ソースは、パワー用配線基板PB1の信号用配線を介して、信号用ピンPN3に電気的に接続され、更にその信号用ピンPN3と制御用配線基板PB2の信号用配線とを介して、後述の半導体装置PKG6に電気的に接続されている。従って、制御用配線基板PB2上に搭載された後述の半導体装置PKG6は、制御用配線基板PB2の信号用配線と、信号用ピンPN3と、パワー用配線基板PB1の信号用配線とを介して、パワー用配線基板PB1上に搭載された電子部品(後述の半導体装置PKG1,PKG2,PKG3およびチップ抵抗R1a〜R9aに対応)と電気的に接続されている。
次に、パワー用配線基板PB1とモータMOTとの接続ピンBB(BB1,BB2,BB3)を介した接続について、図6を参照して説明する。
パワー用配線基板PB1(の配線)とモータMOTとは、接続ピンBB(BB1,BB2,BB3)を介して電気的に接続されている。パワー用配線基板PB1(の配線)とモータMOTとを電気的に接続する接続ピン(バスバー)BBには、接続ピンBB1と接続ピンBB2と接続ピンBB3とがあるが、図6および図8では、代表して1つの接続ピンBBが示されている。接続ピンBB1と接続ピンBB2と接続ピンBB3とは、電気的に接続されてはおらず、別々の部材である。また、パワー用配線基板PB1には、それぞれ接続ピンBB1,BB2,BB3が挿通される孔(貫通孔)HM1,HM2,HM3が形成されているが、図6および図8には、代表して、孔HM1,HM2,HM3を代表する1つの孔HMと、それに挿通される1本の接続ピンBBとが示されている。図6および図8において、孔HMが、孔HM1の場合は、接続ピンBBは接続ピンBB1に対応し、孔HMが、孔HM2の場合は、接続ピンBBは接続ピンBB2に対応し、孔HMが、孔HM3の場合は、接続ピンBBは接続ピンBB3に対応する。
なお、上記接続ピンPNは、パワー用配線基板PB1(の配線)と制御用配線基板PB2(の配線)とを電気的に接続するものであったが、接続ピンBBは、上記接続ピンPNとは異なり、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2とを電気的に接続するものではなく、パワー用配線基板PB1(の配線)とモータMOT(のコイル)とを電気的に接続するものである。接続ピンPNと同様に、接続ピンBBも、導電体からなり、好ましくは金属材料からなる。
具体的に説明すると、パワー用配線基板PB1は、接続ピンBB1が挿通する孔(貫通孔)HM1と、接続ピンBB2が挿通する孔(貫通孔)HM2と、接続ピンBB3が挿通する孔(貫通孔)HM3と、を有している。そして、接続ピンBB1の一方の端部側がパワー用配線基板PB1の孔HM1に挿通され、その接続ピンBB1の他方の端部側がモータMOTの上部の孔に挿入されて固定されている。また、接続ピンBB2の一方の端部側がパワー用配線基板PB1の孔HM2に挿通され、その接続ピンBB2の他方の端部側がモータMOTの上部の孔に挿入されて固定されている。また、接続ピンBB3の一方の端部側がパワー用配線基板PB1の孔HM3に挿通され、その接続ピンBB3の他方の端部側がモータMOTの上部の孔に挿入されて固定されている。接続ピンBB1は、モータMOTの内部配線(図示せず)などを介して、モータMOT内のU相コイルに電気的に接続され、接続ピンBB2は、モータMOTの内部配線(図示せず)などを介して、モータMOT内のV相コイルに電気的に接続され、接続ピンBB3は、モータMOTの内部配線(図示せず)などを介して、モータMOT内のW相コイルに電気的に接続されている。
ここで、パワー用配線基板PB1とモータMOTとを接続ピンBB1,BB2,BB3を介して電気的に接続する構造について、図8を参照して説明する。
図8に示されるように、パワー用配線基板PB1において、孔HMの側面(内壁)には、導電膜CD1cが形成されており、この孔HMの側面の導電膜CD1cは、その孔HMに挿通された接続ピンBBと電気的に接続されている。例えば、パワー用配線基板PB1の孔HMの側面の導電膜CD1cと、その孔HMに挿通された接続ピンBBとは、間に半田SLなどの導電性の接合材が介在し、その接合材を介して電気的に接続される。あるいは、パワー用配線基板PB1の孔HMの側面の導電膜CD1cとその孔HMに挿通された接続ピンBBとが、互いに接することで電気的に接続される場合もあり得る。なお、半田SLなどの導電性の接合材を用いて、接続ピンBBをパワー用配線基板PB1に固定することもできる。
パワー用配線基板PB1の孔HMの側面の導電膜CD1cは、パワー用配線基板PB1の上面において、孔HMの周囲に形成された導電膜CD1aと電気的に接続され、また、パワー用配線基板PB1の下面において、孔HMの周囲に形成された導電膜CD1bと電気的に接続されている。従って、図8において、パワー用配線基板PB1の導電膜CD1a,CD1b,CD1cを、接続ピンBBに電気的に接続することができる。
このように、パワー用配線基板PB1の上面または下面に形成された配線パターン(導電膜CD1aまたは導電膜CD1b)を、接続ピンBBに電気的に接続することができる。
また、パワー用配線基板PB1において、レジスト層RS1a,RS1bは、孔HMを平面視で内包するような開口部OP1,OP2を有していてもよい。この場合、パワー用配線基板PB1の孔HMの周囲でレジスト層RS1a,RS1bの開口部OP1,OP2から露出する導電膜CD1a,CD1bの一方または両方を、半田SLなどの導電性接合材を介して接続ピンBBに電気的に接続することもできる。
このため、パワー用配線基板PB1上に搭載された後述の半導体装置PKG1のロウサイド用ドレイン端子(ダイパッドDP2)を、パワー用配線基板PB1の配線(出力配線)を介して接続ピンBB1に電気的に接続し、その接続ピンBB1およびモータMOTの内部配線(図示せず)を介して、モータMOT内のU相コイルに電気的に接続することができる。また、パワー用配線基板PB1上に搭載された後述の半導体装置PKG2のロウサイド用ドレイン端子(ダイパッドDP2)を、パワー用配線基板PB1の配線(出力配線)を介して接続ピンBB2に電気的に接続し、その接続ピンBB2およびモータMOTの内部配線(図示せず)を介して、モータMOT内のV相コイルに電気的に接続することができる。また、パワー用配線基板PB1上に搭載された後述の半導体装置PKG3のロウサイド用ドレイン端子(ダイパッドDP2)を、パワー用配線基板PB1の配線(出力配線)を介して接続ピンBB3に電気的に接続し、その接続ピンBB3およびモータMOTの内部配線(図示せず)を介して、モータMOT内のW相コイルに電気的に接続することができる。
また、図6に示されるように、モータMOTから突出する吐出口TKが、パワー用配線基板PB1の孔(貫通孔)HT1と制御用配線基板PB2の孔(貫通孔)HT2とを貫通している。モータMOTが吸い上げた燃料(図示せず)は、吐出口TKおよびそれにつなげられた燃料用の管(図6では図示されない)を通って、上記エンジンENG(図6では図示されない)に供給される。
<パワー用配線基板上の実装構造について>
図9は、パワー用配線基板PB1の上面図であり、図9には、パワー用配線基板PB1上に搭載された複数の電子部品も示されている。
パワー用配線基板PB1上には、上記パワー系回路構成部PKを形成するための複数の電子部品が搭載されている。具体的には、図9に示されるように、パワー用配線基板PB1の上面上に、半導体装置(半導体パッケージ)PKG1,PKG2,PKG3と、チップ抵抗R1a,R2a,R3a,R4a,R5a,R6a,R7a,R8a,R9aとが、搭載されている。なお、図6では、パワー用配線基板PB1に搭載されたそれらの半導体装置PKG1,PKG2,PKG3およびチップ抵抗R1a,R2a,R3a,R4a,R5a,R6a,R7a,R8a,R9aを代表して電子部品EC1として示している。
半導体装置PKG1は、上記パワーMOSFET1および上記パワーMOSFET2を構成する半導体装置であり、半導体装置PKG2は、上記パワーMOSFET3および上記パワーMOSFET4を構成する半導体装置であり、半導体装置PKG3は、上記パワーMOSFET5および上記パワーMOSFET6を構成する半導体装置である。チップ抵抗R1aは、上記抵抗R1を構成する抵抗素子であり、チップ抵抗R2aは、上記抵抗R2を構成する抵抗素子であり、チップ抵抗R3aは、上記抵抗R3を構成する抵抗素子であり、チップ抵抗R4aは、上記抵抗R4を構成する抵抗素子である。また、チップ抵抗R5aは、上記抵抗R5を構成する抵抗素子であり、チップ抵抗R6aは、上記抵抗R6を構成する抵抗素子であり、チップ抵抗R7aは、上記抵抗R7を構成する抵抗素子であり、チップ抵抗R8aは、上記抵抗R8を構成する抵抗素子であり、チップ抵抗R9aは、上記抵抗R9を構成する抵抗素子である。パワー用配線基板PB1に搭載された各半導体装置PKG1〜PKG3および各チップ抵抗R1a〜R9aは、パワー用配線基板PB1の配線に電気的に接続されている。また、パワー用配線基板PB1に搭載された各半導体装置PKG1,PKG2,PKG3は、上記電源接続用ピンPN1、上記グランド接続用ピンPN2、上記接続ピンBB1、上記接続ピンBB2、上記接続ピンBB3、あるいは上記信号用ピンPN3に、パワー用配線基板PB1の配線を介して必要に応じて電気的に接続されている。
パワー用配線基板PB1上に搭載された複数の電子部品のうち、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3は、動作時の発熱量が大きい。このため、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3のそれぞれと平面視で重なる位置において、すなわち、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3のそれぞれの直下の位置において、パワー用配線基板PB1の下面とモータMOTの上面との間に、放熱シートHS(図6参照)のような放熱用部材を介在(配置)させることもできる。そうすることにより、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3で生じた熱を、パワー用配線基板PB1および放熱シートHSを介してモータMOTへ効率的に伝導(放熱)させることができる。これにより、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の放熱特性を向上させ、それによって、電子装置の性能をより安定させ、且つ向上させることができる。
<制御用配線基板上の実装構造について>
図10は、制御用配線基板PB2の上面図であり、図11は、制御用配線基板PB2の下面図であり、図10および図11には、制御用配線基板PB2に搭載された複数の電子部品も示されている。
制御用配線基板PB2には、上記制御系回路構成部SKを形成するための複数の電子部品が搭載されている。具体的には、図6および図10に示されるように、制御用配線基板PB2の上面上に、上記レギュレータREを構成する半導体装置(半導体パッケージ)PKG4が搭載されている。また、図6および図11に示されるように、制御用配線基板PB2の下面上に、上記制御回路部CTを構成する半導体装置(半導体パッケージ)PKG5と、上記ドライバ回路部DRを構成する半導体装置(半導体パッケージ)PKG6とが、搭載されている。
なお、理解を簡単にするために、図10(上面図)においては、制御用配線基板PB2の下面側に搭載された半導体装置PKG5,PKG6の位置(平面位置)を、透視して点線で示し、図11(下面図)においては、制御用配線基板PB2の上面側に搭載された半導体装置PKG4の位置(平面位置)を、透視して点線で示してある。
制御用配線基板PB2に搭載された各半導体装置PKG4,PKG5,PKG6は、制御用配線基板PB2の配線に電気的に接続され、また、制御用配線基板PB2の配線によって必要に応じて互いに結線されている。また、制御用配線基板PB2に搭載された各半導体装置PKG4,PKG5,PKG6は、上記電源用ケーブルCB1、上記グランド用ケーブルCB2、上記電源接続用ピンPN1、上記グランド接続用ピンPN2、あるいは上記信号用ピンPN3に、制御用配線基板PB2の配線を介して必要に応じて電気的に接続されている。
また、制御用配線基板PB2の上面上や下面上に、単数または複数の受動部品(例えばチップ抵抗などのチップ部品)を更に搭載することもできるが、図10および図11では、制御用配線基板PB2の上面上および下面上に搭載された受動部品については、図示を省略している。
<半導体装置の構成について>
まず、パワー用配線基板PB1に搭載された半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の構成について説明する。
半導体装置PKG1の構成と、半導体装置PKG2の構成と、半導体装置PKG3の構成とは、基本的には同じであるので、ここでは、代表して半導体装置PKG1の構成について、図12〜図18を参照して説明する。
図12は、半導体装置PKG1の上面図であり、図13は、半導体装置PKG1の下面図である。図14は、半導体装置PKG1の平面透視図であり、封止部MR1を透視したときの半導体装置PKG1の上面側の平面透視図が示されている。図14では、封止部MR1の外周位置を、点線で示してある。図15〜図18は、半導体装置PKG1の断面図である。図15は、図14のA1−A1線の断面図にほぼ対応し、図16は、図14のA2−A2線の断面図にほぼ対応し、図17は、図14のA3−A3線の断面図にほぼ対応し、図18は、図14のA4−A4線の断面図にほぼ対応している。
図12〜図18に示されるように、半導体装置PKG1は、ダイパッド(チップ搭載部)DP1,DP2と、そのダイパッドDP1,DP2の各々の上面上に搭載された半導体チップCP1,CP2と、複数のボンディングワイヤ(以下、単にワイヤという)WA1と、複数のリードLD1と、これらを封止する封止部(封止樹脂部、封止体)MR1とを有している。
ダイパッドDP1,DP2およびリードLD1と、後述のダイパッドDP4,DP5,DP6およびリードLD4,LD5,LD6とは、いずれも導電体からなり、好ましくは銅(Cu)または銅合金などの金属材料からなる。また、封止部MR1と、後述の封止部MR4,MR5,MR6は、例えば熱硬化性樹脂材料などの樹脂材料などからなり、フィラーなどを含むこともできる。
ダイパッドDP1とダイパッドDP2とは、平面視において並んで配置されており、ダイパッドDP1上に半導体チップCP1が搭載され、ダイパッドDP2上に半導体チップCP2が搭載されている。
半導体チップCP1には、パワーMOSFETが形成されている。具体的には、半導体チップCP1を構成する半導体基板には、多数の単位トランジスタセルが形成されており、それら多数の単位トランジスタセルが並列に接続されることにより、パワーMOSFETが形成されている。単位トランジスタセルは、例えば、トレンチゲート型電界効果トランジスタにより構成される。半導体チップCP1の表面側には、パワーMOSFETのソースに接続されたソース用パッド(ソース用ボンディングパッド)PDSと、パワーMOSFETのゲートに接続されたゲート用パッド(ゲート用ボンディングパッド)PDGと、が形成されている。半導体チップCP1の裏面全体に、パワーMOSFETのドレインに接続された裏面電極(裏面ドレイン電極)BE1が形成されている。
半導体チップCP2の構成は、半導体チップCP1の構成と同様であるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
半導体チップCP1は、ハイサイドMOSFET(上記パワーMOSFET1,3,5のいずれか)を備えたハイサイド用の半導体チップであり、半導体チップCP2は、ロウサイドMOSFET(上記パワーMOSFET2,4,6のいずれか)を備えたロウサイド用の半導体チップである。
半導体チップCP1の裏面電極BE1は、ダイパッドDP1の上面に導電性の接合材BD1を介して接合され、それによって、ダイパッドDP1に電気的に接続されている。また、半導体チップCP2の裏面電極BE1は、ダイパッドDP2の上面に導電性の接合材BD2を介して接合され、それによって、ダイパッドDP2に電気的に接続されている。
半導体装置PKG1が有する複数のリードLD1は、ゲート用リードLD1a,LD1cとソース用リードLD1b,LD1dとドレイン用リードLD1e,LD1f,LD1g,LD1hとからなる。
ゲート用リードLD1aは、半導体チップCP1のゲート用パッドPDGとワイヤWA1を介して電気的に接続されている。ソース用リードLD1bは、半導体チップCP1のソース用パッドPDSとワイヤWA1を介して電気的に接続されている。ゲート用リードLD1cは、半導体チップCP2のゲート用パッドPDGとワイヤWA1を介して電気的に接続されている。ソース用リードLD1dは、半導体チップCP2のソース用パッドPDSとワイヤWA1を介して電気的に接続されている。
ドレイン用リードLD1eおよびドレイン用リードLD1fは、ゲート用リードLD1aおよびソース用リードLD1bが配置されている側とは逆側において、ダイパッドDP1と一体的に形成されている。また、ドレイン用リードLD1gおよびドレイン用リードLD1hは、ゲート用リードLD1cおよびソース用リードLD1dが配置されている側とは逆側において、ダイパッドDP2と一体的に形成されている。
ダイパッドDP1,DP2、ゲート用リードLD1a,LD1c、ソース用リードLD1b,LD1dおよびドレイン用リードLD1e,LD1f,LD1g,LD1hの各下面は、封止部MR1の下面から露出され、半導体装置PKG1の外部接続端子となっている。
半導体装置PKG2の構成および半導体装置PKG3の構成は、それぞれ半導体装置PKG1の構成と同様であるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。なお、半導体装置PKG1の場合は、半導体装置PKG1に内蔵された2つの半導体チップCP1,CP2のうち、半導体チップCP1が上記パワーMOSFET1を構成し、半導体チップCP2が上記パワーMOSFET2を構成している。また、半導体装置PKG2の場合は、半導体装置PKG2に内蔵された2つの半導体チップCP1,CP2のうち、半導体チップCP1が上記パワーMOSFET3を構成し、半導体チップCP2が上記パワーMOSFET4を構成している。また、半導体装置PKG3の場合は、半導体装置PKG3に内蔵された2つの半導体チップCP1,CP2のうち、半導体チップCP1が上記パワーMOSFET5を構成し、半導体チップCP2が上記パワーMOSFET6を構成している。
このため、半導体装置PKG1において、ゲート用リードLD1aは、パワーMOSFET1のゲートに接続されたゲート端子であり、ソース用リードLD1bは、パワーMOSFET1のソースに接続されたソース端子であり、ダイパッドDP1およびドレイン用リードLD1e,LD1fは、パワーMOSFET1のドレインに接続されたドレイン端子である。また、半導体装置PKG1において、ゲート用リードLD1cは、パワーMOSFET2のゲートに接続されたゲート端子であり、ソース用リードLD1dは、パワーMOSFET2のソースに接続されたソース端子であり、ダイパッドDP2およびドレイン用リードLD1g,LD1hは、パワーMOSFET2のドレインに接続されたドレイン端子である。
また、半導体装置PKG2において、ゲート用リードLD1aは、パワーMOSFET3のゲートに接続されたゲート端子であり、ソース用リードLD1bは、パワーMOSFET3のソースに接続されたソース端子であり、ダイパッドDP1およびドレイン用リードLD1e,LD1fは、パワーMOSFET3のドレインに接続されたドレイン端子である。また、半導体装置PKG2において、ゲート用リードLD1cは、パワーMOSFET4のゲートに接続されたゲート端子であり、ソース用リードLD1dは、パワーMOSFET4のソースに接続されたソース端子であり、ダイパッドDP2およびドレイン用リードLD1g,LD1hは、パワーMOSFET4のドレインに接続されたドレイン端子である。
また、半導体装置PKG3において、ゲート用リードLD1aは、パワーMOSFET5のゲートに接続されたゲート端子であり、ソース用リードLD1bは、パワーMOSFET5のソースに接続されたソース端子であり、ダイパッドDP1およびドレイン用リードLD1e,LD1fは、パワーMOSFET5のドレインに接続されたドレイン端子である。また、半導体装置PKG3において、ゲート用リードLD1cは、パワーMOSFET6のゲートに接続されたゲート端子であり、ソース用リードLD1dは、パワーMOSFET6のソースに接続されたソース端子であり、ダイパッドDP2およびドレイン用リードLD1g,LD1hは、パワーMOSFET6のドレインに接続されたドレイン端子である。
次に、制御用配線基板PB2に搭載された半導体装置PKG4の構成について、図19〜図23を参照して説明する。
図19は、半導体装置PKG4の上面図であり、図20は、半導体装置PKG4の下面図である。図21は、半導体装置PKG4の平面透視図であり、封止部MR4を透視したときの半導体装置PKG4の上面側の平面透視図が示されている。図21では、封止部MR4の外周位置を、点線で示してある。図22および図23は、半導体装置PKG4の断面図である。図22は、図21のB1−B1線の断面図にほぼ対応し、図23は、図21のB2−B2線の断面図にほぼ対応している。
図19〜図23に示されるように、半導体装置PKG4は、ダイパッド(チップ搭載部)DP4と、そのダイパッドDP4の上面上に搭載された半導体チップCP4と、複数のワイヤ(ボンディングワイヤ)WA4と、複数のリードLD4と、これらを封止する封止部(封止樹脂部、封止体)MR4とを有している。
半導体チップCP4は、上記レギュレータREを構成する半導体チップであり、半導体チップCP4内には、上記レギュレータREを構成する回路が形成されている。半導体チップCP4の表面側には、上記電源電位VINが入力されるパッド(ボンディングパッド)PD4aと、上記電圧V1が出力されるパッド(ボンディングパッド)PD4bとが形成されている。半導体チップCP4の裏面全体に、上記グランド電位GNDが供給される裏面電極BE4が形成されている。
半導体チップCP4の裏面電極BE4は、ダイパッドDP4の上面に導電性の接合材BD4を介して接合され、それによってダイパッドDP4に電気的に接続されている。
半導体装置PKG4が有する複数のリードLD4は、リードLD4aとリードLD4bとからなる。リードLD4aは、半導体チップCP4のパッドPD4aに、ワイヤWA4を介して電気的に接続されている。リードLD4bは、半導体チップCP4のパッドPD4bに、ワイヤWA4を介して電気的に接続されている。
ダイパッドDP4、リードLD4aおよびリードLD4bの各下面は、封止部MR4の下面から露出され、半導体装置PKG4の外部接続端子となっている。
次に、制御用配線基板PB2に搭載された半導体装置PKG5の構成について、図24〜図26を参照して説明する。
図24は、半導体装置PKG5の上面図であり、図25は、半導体装置PKG5の平面透視図である。図25には、封止部MR5を透視したときの半導体装置PKG5の上面側の平面透視図が示されており、封止部MR5の外周位置を、点線で示してある。図26は、半導体装置PKG5の断面図であり、図25のC1−C1線の断面図にほぼ対応している。
図24〜図26に示されるように、半導体装置PKG5は、ダイパッド(チップ搭載部)DP5と、そのダイパッドDP5の上面上に搭載された半導体チップCP5と、複数のワイヤ(ボンディングワイヤ)WA5と、複数のリードLD5と、これらを封止する封止部(封止樹脂部、封止体)MR5とを有している。
半導体チップCP5は、上記制御回路部CTを構成する半導体チップであり、半導体チップCP5内には、上記制御回路部CTを構成する回路が形成されている。半導体チップCP5の表面側には、複数のパッド(ボンディングパッド)PD5が形成されている。複数のパッドPD5は、半導体チップCP5の表面において、半導体チップCP5の外周に沿って、すなわち半導体チップCP5の表面の四辺に沿って、配列されている。半導体チップCP5の裏面は、ダイパッドDP5の上面に接合材BD5を介して接合されている。
半導体装置PKG5において、複数のリードLD5は、半導体チップCP5の周囲に配置され、従ってダイパッドDP5の周囲に配置されている。ダイパッドDP5の平面形状は、例えば矩形状である。複数のリードLD5のそれぞれは、一部が封止部MR5内に封止され、他の一部が封止部MR5の側面から封止部MR5の外部に突出している。以下では、リードのうちの封止部内に位置する部分をインナリード部と呼び、リードのうちの封止部外に位置する部分をアウタリード部と呼ぶものとする。
なお、本実施の形態の半導体装置PKG5および半導体装置PKG6は、各リードの一部(アウタリード部)が封止部の側面から突出した構造であり、以下ではこの構造に基づいて説明するが、この構造に限定されるものではない。例えば、半導体装置PKG5および半導体装置PKG6の一方または両方として、封止部の側面から各リードがほとんど突出せず、かつ封止部の下面で各リードの一部が露出した構成(QFN型の構成)などを採用することもできる。
封止部MR5の平面形状は、略矩形であり、その矩形の四辺を構成する封止部MR5の4つの側面から、複数のリードLD5のアウタリード部が突出している。各リードLD5のアウタリード部は、アウタリード部の端部近傍の下面が封止部MR5の下面とほぼ同一平面上に位置するように、折り曲げ加工されている。リードLD5のアウタリード部は、半導体装置PKG5の外部接続用端子部(外部端子)として機能する。また、ダイパッドDP5の平面形状を構成する矩形の四隅には、それぞれ吊りリードTL5が一体的に形成されている。
半導体装置PKG5が有する複数のリードLD5のインナリード部と、半導体チップCP5の複数のパッドPD5とが、複数のワイヤWA5を介してそれぞれ電気的に接続されている。各ワイヤWA5は、封止部MR5内に封止されており、封止部MR5から露出されない。
次に、制御用配線基板PB2に搭載された半導体装置PKG6の構成について、図27〜図29を参照して説明する。
図27は、半導体装置PKG6の上面図であり、図28は、半導体装置PKG6の平面透視図である。図28には、封止部MR6を透視したときの半導体装置PKG6の上面側の平面透視図が示されており、封止部MR6の外周位置を、点線で示してある。図29は、半導体装置PKG6の断面図であり、図28のD1−D1線の断面図にほぼ対応している。
図27〜図29に示されるように、半導体装置PKG6は、ダイパッド(チップ搭載部)DP6と、そのダイパッドDP6の上面上に搭載された半導体チップCP6と、複数のワイヤ(ボンディングワイヤ)WA6と、複数のリードLD6と、これらを封止する封止部(封止樹脂部、封止体)MR6とを有している。
半導体チップCP6は、上記ドライバ回路部DRを構成する半導体チップであり、半導体チップCP6内には、上記ドライバ回路部DRを構成する回路が形成されている。半導体チップCP6の表面側には、複数のパッド(ボンディングパッド)PD6が形成されている。複数のパッドPD6は、半導体チップCP6の表面において、半導体チップCP6の外周に沿って、すなわち半導体チップCP6の表面の四辺に沿って、配列されている。半導体チップCP6の裏面は、ダイパッドDP6の上面に接合材BD6を介して接合されている。
半導体装置PKG6において、複数のリードLD6は、半導体チップCP6の周囲に配置され、従ってダイパッドDP6の周囲に配置されている。ダイパッドDP6の平面形状は、例えば矩形状である。複数のリードLD6のそれぞれは、一部が封止部MR6内に封止され、他の一部が封止部MR6の側面から封止部MR6の外部に突出している。
封止部MR6の平面形状は、略矩形であり、その矩形の四辺を構成する封止部MR6の4つの側面から、複数のリードLD6のアウタリード部が突出している。各リードLD6のアウタリード部は、アウタリード部の端部近傍の下面が封止部MR6の下面とほぼ同一平面上に位置するように、折り曲げ加工されている。リードLD6のアウタリード部は、半導体装置PKG6の外部接続用端子部(外部端子)として機能する。また、ダイパッドDP6の平面形状を構成する矩形の四隅には、それぞれ吊りリードTL6が一体的に形成されている。
半導体装置PKG6が有する複数のリードLD6のインナリード部と、半導体チップCP6の複数のパッドPD6とが、複数のワイヤWA6を介してそれぞれ電気的に接続されている。各ワイヤWA6は、封止部MR6内に封止されており、封止部MR6から露出されない。
<制御用配線基板の配線パターンについて>
図30〜図37は、制御用配線基板PB2の平面図である。このうち、図30には、制御用配線基板PB2の上面側の平面透視図が示され、図34には、制御用配線基板PB2の下面側の平面透視図が示されている。すなわち、上記図10の制御用配線基板PB2から、制御用配線基板PB2の上面上に搭載されている半導体装置PKG4、ネジNG1,NG2a,NG2b、ケーブルCB1,CB2、電源接続用ピンPN1、グランド接続用ピンPN2および信号用ピンPN3を取り除き、かつ、制御用配線基板PB2の上面側のレジスト層RS2aを透視したものが、図30に対応している。また、上記図11の制御用配線基板PB2から、制御用配線基板PB2の下面上に搭載されている半導体装置PKG5,PKG6、ネジNG1,NG2a,NG2b、ケーブルCB1,CB2、電源接続用ピンPN1、グランド接続用ピンPN2および信号用ピンPN3を取り除き、かつ、制御用配線基板PB2の下面側のレジスト層RS2bを透視したものが、図34に対応している。従って、図30では、制御用配線基板PB2の上面側の配線パターン(基材層BS2の上面上の配線パターン、すなわち上記導電膜CD2aにより形成された配線パターン)が示され、図34では、制御用配線基板PB2の下面側の配線パターン(基材層BS2の下面上の配線パターン、すなわち上記導電膜CD2bにより形成された配線パターン)が示されている。
また、図30に示される配線パターンを理解し易くするために、図31〜図33を示し、図34に示される配線パターンを理解し易くするために、図35〜図37を示している。すなわち、図31は、図30に示される制御用配線基板PB2の上面側の配線パターンのうち、グランド配線WG1を示すとともに、それ以外の配線(WC1,WS1,WV1)については、図示を省略している。また、図32は、図30に示される制御用配線基板PB2の上面側の配線パターンのうち、電源配線WV1および電源配線WC1を示すとともに、それ以外の配線(WG1,WS1)については、図示を省略している。また、図33は、図30に示される制御用配線基板PB2の上面側の配線パターンのうち、信号用配線WS1を示すとともに、それ以外の配線(WC1,WG1,WV1)については、図示を省略している。また、図35は、図34に示される制御用配線基板PB2の下面側の配線パターンのうち、グランド配線WG2を示すとともに、それ以外の配線(WC2,WS2,WV2)については、図示を省略している。また、図36は、図34に示される制御用配線基板PB2の上面側の配線パターンのうち、電源配線WV2および電源配線WC2を示すとともに、それ以外の配線(WG2,WS2)については、図示を省略している。また、図37は、図34に示される制御用配線基板PB2の上面側の配線パターンのうち、信号用配線WS2を示すとともに、それ以外の配線(WC2,WG2,WV2)については、図示を省略している。また、図面を見やすくするために、平面図であるが、図31において、グランド配線WG1にハッチングを付し、図32において、電源配線WV1および電源配線WC1にハッチングを付し、図35において、グランド配線WG2にハッチングを付し、図36において、電源配線WV2および電源配線WC2にハッチングを付してある。
図30を図31〜図33と比べることで、図30に示される制御用配線基板PB2の上面側の配線パターンにおいて、グランド配線WG1、電源配線WV1、電源配線WC1および信号用配線WS1がそれぞれどれに対応するか、理解することができる。また、図34を図35〜図37と比べることで、図34に示される制御用配線基板PB2の下面側の配線パターンにおいて、グランド配線WG2、電源配線WV2、電源配線WC2および信号用配線WS2がそれぞれどれに対応するか、理解することができる。また、図30〜図37においては、半導体装置PKG4が搭載される平面位置を透視して一点鎖線で示し、半導体装置PKG5および半導体装置PKG6が搭載される平面位置を透視して点線で示してある。但し、上述のように、半導体装置PKG4は、制御用配線基板PB2の上面側に搭載され、半導体装置PKG5,PKG6は、制御用配線基板PB2の下面側に搭載される。
なお、パワー用配線基板PB1および制御用配線基板PB2のそれぞれにおいて、モータMOTに近い側の主面が下面に対応し、その下面とは反対側に位置する主面が、上面に対応している。このため、パワー用配線基板PB1において、モータMOTに対向する側の主面がパワー用配線基板PB1の下面に対応し、制御用配線基板PB2に対向する側の主面がパワー用配線基板PB1の上面に対応し、また、制御用配線基板PB2において、パワー用配線基板PB1に対向する側の主面が制御用配線基板PB2の下面に対応している。
上記図10、図11および図30〜図37に示されるように、制御用配線基板PB2は、平面形状が円形状である。制御用配線基板PB2の上面側と下面側とには、それぞれ配線パターンが形成されている。そして、制御用配線基板PB2の上面に、半導体装置PKG4が搭載され、制御用配線基板PB2の下面に、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とが、互いに異なる位置(平面位置)に搭載されている。
具体的には、制御用配線基板PB2の上面側には、電源配線(導体パターン、電源パターン)WV1と、グランド配線(導体パターン、グランドパターン)WG1と、電源配線(導体パターン、電源パターン)WC1と、信号用配線(導体パターン、配線パターン)WS1と、が形成されている。また、制御用配線基板PB2の下面側には、電源配線(導体パターン、電源パターン)WV2と、グランド配線(導体パターン、グランドパターン)WG2と、電源配線(導体パターン、電源パターン)WC2と、信号用配線(導体パターン、配線パターン)WS2と、が形成されている。制御用配線基板PB2の上面側の配線(WV1,WG1,WC1,WS1)は、制御用配線基板PB2を構成する上記基材層BS2の上面上に形成された導電膜(上記導電膜CD2aに対応)により形成されている。また、制御用配線基板PB2の下面側の配線(WV2,WG2,WC2,WS2)は、制御用配線基板PB2を構成する上記基材層BS2の下面上に形成された導電膜(上記導電膜CD2bに対応)により形成されている。
電源配線WV1および電源配線WV2は、電源電位VINが供給される配線である。電源配線WV1および電源配線WV2は、上記電源用ケーブルCB1と電気的に接続されており、上記電源用ケーブルCB1から電源配線WV1および電源配線WV2に電源電位VINが供給されるようになっている。
制御用配線基板PB2の上面側に形成された電源配線WV1と、制御用配線基板PB2の下面側に形成された電源配線WV2とは、制御用配線基板PB2において電源配線WV1,WV2の両方に平面視で重なる位置に設けられたビア部(VH)を介して、必要に応じて電気的に接続されている。
なお、制御用配線基板PB2のビア部(VH)は、制御用配線基板PB2の基材層BS2を貫通する孔と、その孔内に埋め込まれた導体部とにより構成されており、後述の図38〜図43などに示されている。制御用配線基板PB2のビア部(VH)は、制御用配線基板PB2の上面側の配線と制御用配線基板PB2の下面側の配線とを電気的に接続するための導体部(埋込導体部、ビア配線)として機能する。
グランド配線WG1およびグランド配線WG2は、グランド電位GNDが供給される配線である。グランド配線WG1およびグランド配線WG2は、上記グランド用ケーブルCB2と電気的に接続されており、上記グランド用ケーブルCB2からグランド配線WG1およびグランド配線WG2にグランド電位GNDが供給されるようになっている。
制御用配線基板PB2の上面側に形成されたグランド配線WG1と、制御用配線基板PB2の下面側に形成されたグランド配線WG2とは、制御用配線基板PB2においてグランド配線WG1,WG2の両方に平面視で重なる位置に設けられたビア部(VH)を介して、必要に応じて電気的に接続されている。
電源配線WC1および電源配線WC2は、上記レギュレータRE(すなわち半導体装置PKG4または半導体チップCP4)で生成された上記電圧V1が供給される配線である。電源配線WC1,WC2は、制御用配線基板PB2の上面上に搭載された半導体装置PKG4の上記リードLD4bに電気的に接続されている。このため、上記半導体チップCP4内に形成されたレギュレータ回路(RE)で生成された上記電圧V1は、半導体装置PKG4のリードLD4bから制御用配線基板PB2の電源配線WC1,WC2に出力される。
制御用配線基板PB2の上面側に形成された電源配線WC1と、制御用配線基板PB2の下面側に形成された電源配線WC2とは、制御用配線基板PB2において電源配線WC1,WC2の両方に平面視で重なる位置に設けられたビア部(VH)を介して、必要に応じて電気的に接続されている。
信号用配線WS1および信号用配線WS2は、主として、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを電気的に接続する配線と、半導体装置PKG6と複数の信号用ピンPN3とを電気的に接続する配線とからなる。
制御用配線基板PB2の上面側に形成された信号用配線WS1と、制御用配線基板PB2の下面側に形成された信号用配線WS2とは、制御用配線基板PB2において信号用配線WS1,WS2の両方に平面視で重なる位置に設けられたビア部(VH)を介して、必要に応じて電気的に接続されている。
次に、制御用配線基板PB2上への半導体装置PKG4,PKG5,PKG6の実装構造について、図10、図11、図30〜図43を参照して説明する。
図38および図39は、制御用配線基板PB2の上面上に半導体装置PKG4が搭載(実装)された構造の断面図であり、図40および図41は、制御用配線基板PB2の下面上に半導体装置PKG5が搭載(実装)された構造の断面図であり、図42および図43は、制御用配線基板PB2の下面上に半導体装置PKG6が搭載(実装)された構造の断面図である。なお、図38は、上記図22に相当する断面が示され、図39は、上記図23に相当する断面が示されている。また、図40および図41は、制御用配線基板PB2の下面上に搭載された半導体装置PKG5における互いに異なる断面が示され、図42および図43は、制御用配線基板PB2の下面上に搭載された半導体装置PKG6における互いに異なる断面が示されている。
制御用配線基板PB2において、上面側に形成された配線(WC1,WG1,WS1,WV1)は、レジスト層RS2aで覆われ、下面側に形成された配線(WC2,WG2,WS2,WV2)は、レジスト層RS2bで覆われている。しかしながら、制御用配線基板PB2において、配線(WC1,WG1,WS1,WV1,WC2,WG2,WS2,WV2)における電子部品(ここでは半導体装置PKG4,PKG5,PKG6)の端子との接続部は、レジスト層RS2a,RS2b(レジスト層RS2aの開口部OP3およびレジスト層RS2bの開口部OP3)から露出されている。これにより、制御用配線基板PB2に搭載する電子部品(ここでは半導体装置PKG4,PKG5,PKG6)の各端子を、制御用配線基板PB2の配線(WC1,WG1,WS1,WV1,WC2,WG2,WS2,WV2)に、導電性の接合材(例えば半田)を用いて電気的に接続することができる。
まず、半導体装置PKG4の実装構造について説明する。
図38および図39などからも分かるように、半導体装置PKG4のダイパッドDP4は、制御用配線基板PB2の上面側に形成されたグランド配線WG1と平面視において重なっており、そのグランド配線WG1と導電性の接合材SZを介して接合されて電気的に接続されている。導電性の接合材SZは、例えば半田を用いることができる。また、半導体装置PKG4のリードLD4aは、制御用配線基板PB2の上面側に形成された電源配線WV1と平面視において重なっており、その電源配線WV1と導電性の接合材SZを介して接合されて電気的に接続されている。また、半導体装置PKG4のリードLD4bは、制御用配線基板PB2の上面側に形成された電源配線WC1と平面視において重なっており、その電源配線WC1と導電性の接合材SZを介して接合されて電気的に接続されている。
このため、半導体装置PKG4に内蔵された半導体チップCP4の裏面電極BE4は、ダイパッドDP4および接合材SZを介してグランド配線WG1に電気的に接続される。これにより、上記グランド用ケーブルCB2から制御用配線基板PB2のグランド配線WG1,WG2に供給されたグランド電位GNDが、グランド配線WG1から半導体装置PKG4のダイパッドDP4に供給され、更に半導体装置PKG4内の半導体チップCP4の裏面電極BE4に供給されるようになっている。
また、半導体装置PKG4に内蔵された半導体チップCP4のパッドPD4aは、ワイヤWA4、リードLD4aおよび接合材SZを介して電源配線WV1に電気的に接続される。これにより、上記電源用ケーブルCB1から制御用配線基板PB2の電源配線WV1,WV2に供給された電源電位VINが、電源配線WV1から半導体装置PKG4のリードLD4aに供給され、更に半導体装置PKG4内の半導体チップCP4のパッドPD4aに入力されるようになっている。
また、半導体装置PKG4に内蔵された半導体チップCP4のパッドPD4bは、ワイヤWA4、リードLD4bおよび接合材SZを介して電源配線WC1に電気的に接続され、更に電源配線WC1,WC2を介して、半導体装置PKG5における電圧V1入力用のリード(LD5b)や、半導体装置PKG6における電圧V1入力用のリード(LD6b)に、電気的に接続されている。パッドPD4aから半導体チップCP4に入力された電源電位VINは、半導体チップCP4内に形成されたレギュレータ回路(RE)で上記電圧V1に変換され、変換された電圧V1が、半導体チップCP4のパッドPD4bから出力される。半導体チップCP4のパッドPD4bから出力された電圧V1は、リードLD4bから制御用配線基板PB2の電源配線WC1に出力され、電源配線WC1,WC2を介して、半導体装置PKG5,PKG6に供給される。
次に、半導体装置PKG5の実装構造について説明する。
図40および図41などからも分かるように、半導体装置PKG5の各リードLD5は、制御用配線基板PB2の下面側に形成された配線と平面視において重なっており、その配線と導電性の接合材SZ(例えば半田)を介して接合されて電気的に接続されている。半導体装置PKG5は、複数のリードLD5を有しているが、それら複数のリードLD5は、信号用配線WS2に接続されたリードLD5aと、電源配線WC2に接続されたリードLD5bと、グランド配線WG2に接続されたリードLD5cとを含んでおり、信号用配線WS2に接続されたリードLD5aの数が最も多い。また、半導体装置PKG5は、電源配線WV2に接続されたリードは有さなくともよい。
このため、半導体装置PKG5に内蔵された半導体チップCP5の各パッドPD5は、ワイヤWA5、リードLD5および接合材SZを介して、信号用配線WS2、電源配線WC2、またはグランド配線WG2のいずれかと電気的に接続される。
半導体装置PKG5のリードLD5aは、信号用配線WS1,WS2を介して、半導体装置PKG6のリードLD6(LD6a)と電気的に接続されている。このため、半導体装置PKG5(半導体チップCP5)と半導体装置PKG6(半導体チップCP6)との間で、信号用配線WS1,WS2を介して、信号が伝送される。また、半導体装置PKG5のリードLD5bは、電源配線WC1,WC2を介して、半導体装置PKG4のリードLD4bと電気的に接続されている。このため、半導体装置PKG4のリードLD4bから出力された上記電圧V1は、電源配線WC1,WC2を介して、半導体装置PKG5のリードLD5bに供給され、それによって半導体装置PKG5内の半導体チップCP5(制御回路部CT)に電圧V1が供給される。また、上記グランド用ケーブルCB2から、グランド配線WG1,WG2を介して、半導体装置PKG5のリードLD5cにグランド電位GNDが供給され、それによって、半導体装置PKG5内の半導体チップCP5にグランド電位GNDが供給される。
次に、半導体装置PKG6の実装構造について説明する。
図42および図43などからも分かるように、半導体装置PKG6の各リードLD6は、制御用配線基板PB2の下面側に形成された配線と平面視において重なっており、その配線と導電性の接合材SZを介して接合されて電気的に接続されている。半導体装置PKG6は、複数のリードLD6を有しているが、それら複数のリードLD6は、信号用配線WS2に接続されたリードLD6aと、電源配線WC2に接続されたリードLD6bと、グランド配線WG2に接続されたリードLD6cと、電源配線WV2に接続されたリードLD6dとを含んでおり、信号用配線WS2に接続されたリードLD6aの数が最も多い。
このため、半導体装置PKG6に内蔵された半導体チップCP6の各パッドPD6は、ワイヤWA6、リードLD6および接合材SZを介して、信号用配線WS2、電源配線WC2、グランド配線WG2、または電源配線WV2のいずれかと電気的に接続される。
半導体装置PKG6のリードLD6aは、信号用配線WS1,WS2を介して、半導体装置PKG5のリードLD5(LD5a)か、あるいは、信号用ピンPN3に、電気的に接続されている。このため、半導体装置PKG5(半導体チップCP5)と半導体装置PKG6(半導体チップCP6)との間、および半導体装置PKG6(半導体チップCP6)と信号用ピンPN3との間で、信号用配線WS1,WS2を介して、信号が伝送される。また、半導体装置PKG6のリードLD6bは、電源配線WC1,WC2を介して、半導体装置PKG4のリードLD4bと電気的に接続されている。このため、半導体装置PKG4のリードLD4bから出力された上記電圧V1は、電源配線WC1,WC2を介して、半導体装置PKG6のリードLD6bに供給され、それによって半導体装置PKG6内の半導体チップCP6(ドライバ回路部DR)に電圧V1が供給される。また、上記グランド用ケーブルCB2から、グランド配線WG1,WG2を介して、半導体装置PKG6のリードLD6cにグランド電位GNDが供給され、それによって、半導体装置PKG6内の半導体チップCP6にグランド電位GNDが供給される。また、上記電源用ケーブルCB1から、電源配線WV1,WV2を介して、半導体装置PKG6のリードLD6dに電源電位VINが供給され、それによって、半導体装置PKG6内の半導体チップCP6に電源電位VINが供給される。
<主要な特徴と効果について>
本実施の形態の電子装置は、パワー用配線基板PB1(第1配線基板)と、パワー用配線基板PB1に対向する制御用配線基板PB2(第2配線基板)と、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2との間を電気的に接続する接続部材と、を有している。パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2との間を電気的に接続する接続部材としては、信号用ピンPN3を好適に用いている。制御用配線基板PB2は、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2との間を電気的に接続する接続部材(ここでは信号用ピンPN3)がそれぞれ挿通する複数の孔HC3(第1孔部)を有している。
本実施の形態の電子装置は、更に、スイッチング用のパワートランジスタ(ここではパワーMOSFET)を有する半導体装置PKG1,PKG2,PKG3(第1半導体装置)と、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3を駆動するドライバ回路部DR(駆動回路)を有する半導体装置PKG6(第2半導体装置)と、を有している。本実施の形態の電子装置は、更に、外部から供給された電源電位VIN(第1電源電圧)を電圧V1(第2電源電圧)に変換するレギュレータRE(電圧生成回路)を有する半導体装置PKG4(第3半導体装置)を有している。本実施の形態の電子装置は、更に、半導体装置PKG4から供給された電圧V1(第2電源電圧)により動作し、半導体装置PKG6を制御する制御回路部CT(制御回路)を有する半導体装置PKG5(第4半導体装置)を有している。半導体装置PKG1,PKG2,PKG3は、パワー用配線基板PB1に搭載され、半導体装置PKG4,PKG5,PKG6は、制御用配線基板PB2に搭載されている。
本実施の形態の主要な特徴のうちの一つは、制御用配線基板PB2の互いに反対側に位置する2つの主面(第1主面および第2主面)のうち、一方の主面(第1主面)上に半導体装置PKG5,PKG6が搭載され、他方の主面(第2主面)上に半導体装置PKG4が搭載されていることである。
なお、上記図6、図10および図11には、制御用配線基板PB2の上面上に半導体装置PKG4が搭載され、制御用配線基板PB2の下面上に半導体装置PKG5,PKG6が搭載されている場合が示されており、ここではこの場合に基づいて説明する。
本実施の形態の主要な特徴のうちの他の一つは、次の点である。すなわち、制御用配線基板PB2の下面(第1主面)において、複数の孔HC3が配列する領域(第1領域)を介して互いに隣り合う領域RG1(第2領域)および領域RG2(第3領域)のうち、領域RG1に半導体装置PKG5および半導体装置PKG6が搭載されていることである。そして、制御用配線基板PB2の上面(第2主面)において、領域RG1の反対側に位置する領域RG3(第4領域)と領域RG2の反対側に位置する領域RG4(第5領域)のうち、領域RG4に半導体装置PKG4が搭載されていることである。
ここで、制御用配線基板PB2には、信号用ピンPN3を挿通する孔HC3が複数設けられている。それら複数の孔HC3は、平面視において、ほぼX方向に配列している(並んでいる)。好ましくは、複数の孔HC3は、ほぼX方向に一列に並んでいる。以下では、制御用配線基板PB2において、複数の孔HC3の配列全体を、「孔HC3の列」と称することとする。このため、孔HC3の列は、複数の孔HC3が配列している領域、あるいは、複数の孔HC3が形成されている領域にも対応している。
なお、各平面図において、X方向およびY方向を示しているが、それらX方向およびY方向は、各平面図同士で共通の方向である。また、X方向およびY方向は、パワー用配線基板PB1の主面に略平行な方向であり、また、制御用配線基板PB2の主面に略平行な方向である。また、Y方向は、X方向に交差する方向であり、好ましくは、Y方向は、X方向に直交する方向である。また、上記図10をX方向に反転させた場合が、図11に対応する。
制御用配線基板PB2の主面は、孔HC3の列により、2つの領域に分けられる(区画される)。制御用配線基板PB2の下面において、孔HC3の列の両側のうちの一方の側の領域が、領域RG1であり、もう一方の側の領域が、領域RG2である。また、制御用配線基板PB2の上面において、孔HC3の列の両側のうちの一方の側の領域が、領域RG3であり、もう一方の側の領域が、領域RG4である。領域RG1,RG2は上記図11で指し示されており、図11において、制御用配線基板PB2の下面のうち、孔HC3の列よりも下側の領域が、領域RG1に対応し、孔HC3の列よりも上側の領域が、領域RG2に対応している。半導体装置PKG5,PKG6は、領域RG1に搭載されている。また、領域RG3,RG4は上記図10に指し示されており、図10において、制御用配線基板PB2の上面のうち、孔HC3の列よりも下側の領域が、領域RG3に対応し、孔HC3の列よりも上側の領域が、領域RG4に対応している。半導体装置PKG4は、領域RG4に搭載されている。
制御用配線基板PB2の下面において、領域RG1と領域RG2とは、孔HC3の列を介して、隣り合っており、言い換えると、領域RG1と領域RG2とは、孔HC3の列を挟んで互いに反対側に位置している。つまり、制御用配線基板PB2の下面において、孔HC3の列を仮想的な境界とし、その境界で分けられた一方の領域が領域RG1であり、他方の領域が領域RG2である。また、制御用配線基板PB2の上面において、領域RG3と領域RG4とは、孔HC3の列を介して、隣り合っており、言い換えると、領域RG3と領域RG4とは、孔HC3の列を挟んで互いに反対側に位置している。つまり、制御用配線基板PB2の上面において、孔HC3の列を仮想的な境界とし、その境界で分けられた一方の領域が領域RG3であり、他方の領域が領域RG4である。制御用配線基板PB2の下面において、領域RG1と領域RG2との間に、孔HC3の列があり、制御用配線基板PB2の上面において、領域RG3と領域RG4との間に、孔HC3の列がある。
制御用配線基板PB2の下面の領域RG1と、制御用配線基板PB2の上面の領域RG3とは、互いに反対側に位置しており、平面視において、重なっている。また、制御用配線基板PB2の下面の領域RG2と、制御用配線基板PB2の上面の領域RG4とは、互いに反対側に位置しており、平面視において、重なっている。つまり、制御用配線基板PB2において、領域RG1の裏側(反対側)が領域RG3であり、領域RG3の裏側(反対側)が領域RG1であり、領域RG2の裏側(反対側)が領域RG4であり、領域RG4の裏側(反対側)が領域RG2である。言い換えると、領域RG1と領域RG3とは、平面視において重なっており、領域RG1と領域RG3の一方が表で、他方が裏の関係にあり、また、領域RG2と領域RG4とは、平面視において重なっており、領域RG2と領域RG4の一方が表で、他方が裏の関係にある。
本実施の形態では、制御用配線基板PB2の一方の主面上に半導体装置PKG4,PKG5,PKG6の全てを搭載するのではなく、制御用配線基板PB2の一方の主面(ここでは下面)上に半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを搭載し、制御用配線基板PB2の他方の主面(ここでは上面)上に半導体装置PKG4を搭載している。そして、半導体装置PKG5,PKG6搭載側の制御用配線基板PB2の主面(ここでは下面)においては、孔HC3の列で分けられた2つの領域RG1,RG2のうち、一方の領域RG1内に半導体装置PKG5と半導体装置PKG6の両方を搭載し、他方の領域RG2には、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6のどちらも搭載しないようにしている。そして、半導体装置PKG4搭載側の制御用配線基板PB2の主面(ここでは上面)においては、孔HC3の列で分けられた2つの領域RG3,RG4のうち、領域RG1の反対側に位置する領域RG3には、半導体装置PKG4は搭載せず、領域RG2の反対側に位置する領域RG4に、半導体装置PKG4を搭載するようにしている。その理由について、以下に説明する。
モータ駆動などに用いられる電子装置において、制御用配線基板に、機能が互いに異なる複数の半導体装置を搭載するが、半導体装置の機能に合わせて半導体装置の搭載位置や配線のレイアウトなどを工夫しないと、電子装置の性能が低下する虞がある。
そこで、本実施の形態では、半導体装置PKG4,PKG5,PKG6が制御用配線基板PB2に搭載されるが、各半導体装置PKG4,PKG5,PKG6の機能を考慮して、その搭載位置を工夫している。
すなわち、半導体装置PKG4,PKG5,PKG6のうち、最も発熱量が大きいのは、電源電位VIN(第1電源電圧)が入力されて電圧V1(第2電源電圧)に変換する電圧生成回路(レギュレータRE)を有する半導体装置PKG4である。また、半導体装置PKG4,PKG5,PKG6のうち、最もノイズ源となりやすいのも、電圧生成回路(レギュレータRE)を有する半導体装置PKG4である。つまり、半導体装置PKG4,PKG5,PKG6のうち、半導体装置PKG4は、発熱源およびノイズ源となりやすい。半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響を、半導体装置PKG5,PKG6が受けてしまうと、電子装置の性能が低下する虞がある。このため、制御用配線基板PB2に半導体装置PKG4,PKG5,PKG6を搭載した電子装置の性能向上のためには、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響が、半導体装置PKG5および半導体装置PKG6にできるだけ及ばないようにすることが、重要である。また、半導体装置PKG6と、半導体装置PKG6を制御する制御回路(CT)を有する半導体装置PKG5との間は、制御用配線基板PB2の多くの配線で接続する必要がある。このため、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とは、配線で接続しやすい位置に配置することが、望ましい。
そこで、本実施の形態では、制御用配線基板PB2の一方の主面(ここでは下面)において、孔HC3の列で分けられた2つの領域RG1,RG2のうち、一方の領域RG1内に半導体装置PKG5と半導体装置PKG6の両方を搭載している。
ここで、本実施の形態とは異なる場合と比較してみる。制御用配線基板PB2の一方の主面において、孔HC3の列で分けられた2つの領域RG1,RG2のうち、一方の領域RG1内に半導体装置PKG5を搭載し、他方の領域RG2内に半導体装置PKG6を搭載した場合を仮定する。この場合、複数の孔HC3が邪魔になって、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを配線で接続しにくくなる。それに対して、本実施の形態では、制御用配線基板PB2の一方の主面(ここでは下面)において、領域RG1内に半導体装置PKG5と半導体装置PKG6の両方を搭載しているため、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを配線で接続するのに、複数の孔HC3が邪魔にならずに済む。このため、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6との間を、配線で接続しやすくなる。
また、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズが、半導体装置PKG5および半導体装置PKG6にできるだけ影響を与えないようにするためには、平面視において、半導体装置PKG4を半導体装置PKG5および半導体装置PKG6からできるだけ離れた位置に配置することが望ましい。また、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響が、半導体装置PKG5および半導体装置PKG6にできるだけ影響を与えないようにするためには、制御用配線基板PB2において、半導体装置PKG5,PKG6を搭載した側の主面(ここでは下面)とは反対側の主面(ここでは上面)に、半導体装置PKG4を搭載することが望ましい。このため、本実施の形態では、制御用配線基板PB2の下面の領域RG1に半導体装置PKG5,PKG6を搭載し、制御用配線基板PB2の上面の領域RG4に半導体装置PKG4を搭載している。
本実施の形態とは異なり、制御用配線基板PB2の下面の領域RG1または制御用配線基板PB2の上面の領域RG3に半導体装置PKG4を配置してしまうと、半導体装置PKG4の配置位置が、半導体装置PKG5や半導体装置PKG6に近づいてしまい、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響を、半導体装置PKG5や半導体装置PKG6が受けやすくなってしまう。それに対して、本実施の形態では、半導体装置PKG5,PKG6を搭載した領域RG1ではなく、また、領域RG1の反対側の領域RG3でもなく、領域RGRG4に半導体装置PKG4を搭載したことにより、平面視において、半導体装置PKG4を半導体装置PKG5および半導体装置PKG6から離れた位置に配置することできる。これにより、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響を、半導体装置PKG5や半導体装置PKG6が受けるのを、抑制または防止することができる。
また、本実施の形態では、制御用配線基板PB2の下面の領域RG1に半導体装置PKG5,PKG6を配置しているため、平面視において、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6との間には、孔HC3の列は配置されていない。このため、半導体装置PKG5のリード(LD5a)と半導体装置PKG6のリード(LD6a)とを、制御用配線基板PB2の配線で接続しやすい。しかしながら、制御用配線基板PB2の下面の領域RG1に半導体装置PKG5,PKG6を配置し、制御用配線基板PB2の上面の領域RG4に半導体装置PKG4を配置しているため、平面視において、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間と、半導体装置PKG4と半導体装置PKG6との間とには、孔HC3の列が配置されることになる。しかしながら、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5とを接続する配線、および、半導体装置PKG4と半導体装置PKG6とを接続する配線は、半導体装置PKG4で生成した上記電圧V1を半導体装置PKG5,PKG6に供給するための上記電源配線WC1,WC2であり、半導体装置PKG5半導体装置PKG6との間を接続する配線に比べて、配線数が少ない。このため、平面視において、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間や、半導体装置PKG4と半導体装置PKG6との間に、孔HC3の列が配置されていても、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5とを接続する配線や、半導体装置PKG4と半導体装置PKG6とを接続する配線の引き回しには、問題は生じにくい。
また、制御用配線基板PB2において、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズは、主として制御用配線基板PB2に形成された導電膜(配線)を通って伝導する。このため、本実施の形態とは異なり、制御用配線基板PB2において、半導体装置PKG4を搭載した側の主面に、半導体装置PKG5や半導体装置PKG6も搭載してしまうと、その主面に形成された配線を介して、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズが半導体装置PKG5や半導体装置PKG6にも伝わりやすくなる。それに対して、本実施の形態では、制御用配線基板PB2において、半導体装置PKG4を搭載した側の主面(ここでは上面)とは反対側の主面(下面)に、半導体装置PKG5,PKG6を搭載しているため、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズは、制御用配線基板PB2に形成された配線を通って半導体装置PKG5や半導体装置PKG6に伝わりにくくなる。これにより、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響を、半導体装置PKG5や半導体装置PKG6が受けるのを、抑制または防止することができる。
このように、本実施の形態では、制御用配線基板PB2において、一方の主面(ここでは下面)の領域RG1に半導体装置PKG5,PKG6を搭載し、他方の主面(ここでは上面)の領域RG4に半導体装置PKG4を搭載していることで、半導体装置PKG4を半導体装置PKG5,PKG6から熱的および電気的に離すことができる。これにより、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響を、半導体装置PKG5や半導体装置PKG6が受けるのを、抑制または防止することができる。従って、制御用配線基板PB2に半導体装置PKG4,PKG5,PKG6を搭載した電子装置の性能を向上させることができる。また、制御用配線基板PB2の平面寸法を大きくしなくとも、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5,PKG6とを、熱的かつ電気的に離れさせることができるため、制御用配線基板PB2の小型化、ひいては電子装置の小型化を図ることができる。
また、本実施の形態の変形例として、制御用配線基板PB2の下面の領域RG1に半導体装置PKG5,PKG6を搭載し、制御用配線基板PB2の下面の領域RG2に半導体装置PKG4を搭載することも可能である。この場合、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6との間を配線で接続しやすくなるとともに、平面視において、半導体装置PKG4を半導体装置PKG5,PKG6から離れた位置に配置することできるため、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響を、半導体装置PKG5や半導体装置PKG6が受けるのを、抑制する効果を得られる。しかしながら、上述のように、制御用配線基板PB2において、半導体装置PKG4を搭載した側の主面に、半導体装置PKG5,PKG6も搭載してしまうと、その主面に形成された配線を介して、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズが半導体装置PKG5,PKG6にも伝わりやすくなる。このため、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響を、半導体装置PKG5,PKG6が受けるのを、できるだけ抑制する観点では、半導体装置PKG4は、制御用配線基板PB2の下面の領域RG2ではなく、本実施の形態のように、制御用配線基板PB2の上面の領域RG4に搭載することが好ましい。これにより、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響を、半導体装置PKG5や半導体装置PKG6が受けるのを、より的確に抑制または防止することができるようになる。
また、本実施の形態とは異なり、制御用配線基板PB2において、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを、互いに反対側の主面に搭載した場合には、半導体装置PKG5,PKG6のうちの一方と、半導体装置PKG4とが、制御用配線基板PB2の同じ主面に搭載されることになる。この場合、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響を、半導体装置PKG5,PKG6のうちの一方が受けやすくなる。それに対して、本実施の形態では、制御用配線基板PB2において、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを、同じ主面(ここでは下面)に搭載し、それとは反対側の主面(ここでは上面)に半導体装置PKG4を搭載している。これにより、半導体装置PKG5,PKG6の両方が、半導体装置PKG4で生じた熱やノイズの影響を受けにくくなる。このため、電子装置の性能を向上させることができる。
以下、本実施の形態の電子装置の更に他の特徴について説明する。
本実施の形態では、上記図6、図10および図11に示されるように、制御用配線基板PB2の上面上に半導体装置PKG4が搭載され、制御用配線基板PB2の下面上に半導体装置PKG5,PKG6が搭載されている。すなわち、制御用配線基板PB2における半導体装置PKG5,PKG6搭載側の主面(ここでは下面)が、パワー用配線基板PB1に対向している。他の形態として、制御用配線基板PB2の上下を反転させることもできる。その場合、電源配線WV2、電源配線WC2、グランド配線WG2および信号用配線WS2が形成され、かつ、半導体装置PKG5,PKG6が搭載された側の主面が、制御用配線基板PB2の上面となり、電源配線WV1、電源配線WC1、グランド配線WG1および信号用配線WS1が形成され、かつ、半導体装置PKG4が搭載された側の主面が、制御用配線基板PB2の下面となる。
但し、制御用配線基板PB2の下面上に半導体装置PKG5,PKG6が搭載され、制御用配線基板PB2の上面上に半導体装置PKG4が搭載されている場合よりも、本実施の形態のように、制御用配線基板PB2の上面上に半導体装置PKG4が搭載され、制御用配線基板PB2の下面上に半導体装置PKG5,PKG6が搭載されている場合の方が、次のような点で有利である。
すなわち、半導体装置PKG5,PKG6よりも、半導体装置PKG4の方が動作時の発熱量が大きい。このため、半導体装置PKG4を制御用配線基板PB2の下面上に搭載してしまうと、半導体装置PKG4の表面側がパワー用配線基板PB1で覆われた状態になり、半導体装置PKG4から空気中への放熱が、あまり期待できなくなる。それに対して、本実施の形態のように、半導体装置PKG4を制御用配線基板PB2の上面上に搭載すれば、半導体装置PKG4の表面側がパワー用配線基板PB1で覆われた状態にはならずに済むため、半導体装置PKG4から空気中への放熱も期待でき、半導体装置PKG4の発熱を抑える点で有利となる。また、半導体装置PKG5,PKG6のそれぞれの高さ(厚み方向の寸法)が、半導体装置PKG4の高さ(厚み方向の寸法)よりも小さい場合は、半導体装置PKG5,PKG6を、パワー用配線基板PB1に対向する側の制御用配線基板PB2の主面(ここでは下面)に搭載することにより、電子装置全体の高さを抑えることが可能になる。
また、本実施の形態では、制御用配線基板PB2とパワー用配線基板PB1とのうち、パワー用配線基板PB1を、モータMOTに近い側に配置している。他の形態として、制御用配線基板PB2とパワー用配線基板PB1との上下を入れ替え、制御用配線基板PB2をモータMOTに近い側に配置することもできる。但し、本実施の形態のように、制御用配線基板PB2とパワー用配線基板PB1とのうち、パワー用配線基板PB1がモータMOTに近い場合は、パワー用配線基板PB1からの出力電流をモータMOT(のコイル)に伝達しやすいため、より好ましい。
また、制御用配線基板PB2としては、基材層BS2の上面と下面に配線層を形成した配線基板を採用しており、制御用配線基板PB2における配線層は2層である。このため、制御用配線基板PB2の製造コストを低減することができる。
また、制御用配線基板PB2の平面形状は、円形状である。これにより、平面形状が円形状の装置(ここではモータMOT)に制御用配線基板PB2を取り付けたときに、無駄なスペースを生じずに済む。また、パワー用配線基板PB1の平面形状も、円形状である。これにより、平面形状が円形状の装置(ここではモータMOT)にパワー用配線基板PB1を取り付けたときに、無駄なスペースを生じずに済む。
また、平面視において、孔HP3の列は、円形状の制御用配線基板PB2の中央付近を通過するような位置、言い換えると、円形状の制御用配線基板PB2のほぼ直径を構成するような位置、に配置されていることが好ましい。これにより、制御用配線基板PB2の直径が同じ場合に、制御用配線基板PB2に設けることができる孔HP3の数を多くすることができる。このため、パワー用配線基板PB1と制御用配線基板PB2とを接続する信号用ピンPN3の数を効率的に増やすことができる。また、別の見方をすると、信号用ピンPN3の数を維持しながら、制御用配線基板PB2の小型化が可能になる。
また、制御用配線基板PB2の下面において、複数の孔HC3は、X方向に配列している(並んでいる)。そして、制御用配線基板PB2の下面において、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とは、X方向に並んで配置されている。すなわち、制御用配線基板PB2の下面において、孔HC3の列とY方向に隣り合うように、半導体装置PKG5,PKG6が配置されており、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とは、X方向に並んで配置されている。本実施の形態とは異なり、制御用配線基板PB2の下面において、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とをY方向に並べた場合には、制御用配線基板PB2の平面寸法を大きくしなければならなくなり、電子装置の小型化に不利となる。本実施の形態では、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを、X方向に並べたことにより、制御用配線基板PB2の平面寸法を大きくしなくとも、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを配置することができ、電子装置の小型化に有利となる。
また、制御用配線基板PB2は、複数の孔(HT2,HC1,HC2,HC3,NH2,NH4a,NH4b)を有しているが、孔HT2は、制御用配線基板PB2が有する孔(HT2,HC1,HC2,HC3,NH2,NH4a,NH4b)のうち、最も面積(平面寸法)が大きな孔であり、従って最も直径が大きな孔である。孔HT2は、燃料ポンプPMで吸い上げた燃料が通る管(ここでは吐出口TK)を通すための孔であり、燃料ポンプPMからエンジンENGへ燃料を効率よく運ぶためには、吐出口TKの直径をある程度大きくする必要がある。それゆえ、孔HT2の面積(直径)は、ある程度大きくする必要がある。
本実施の形態とは異なり、大面積の孔HT2を制御用配線基板PB2の領域RG1(RG3)に形成した場合には、孔HT2が邪魔になって、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6との間を配線で接続しにくくなる。このため、本実施の形態のように、制御用配線基板PB2において、孔HT2は、半導体装置PKG5,PKG6が搭載されている側の領域RG1(領域RG3)ではなく、半導体装置PKG4が搭載されている側の領域RG4(RG2)に形成することが好ましい。これにより、制御用配線基板PB2に大面積の孔HT2を設けても、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6との間を配線で容易かつ的確に接続することができる。
また、制御用配線基板PB2は、モータMOTに取り付けるため、固定用の孔NH2を設ける必要がある。この固定用の孔NH2は、制御用配線基板PB2に複数設けることが好ましく、安定した固定のためには3つ設けることがより好ましい。このため、制御用配線基板PB2において、固定用の孔NH2を設ける場合は、制御用配線基板PB2の下面において、領域RG1に設けた孔NH2の数よりも、領域RG2に設けた孔NH2の数を多くすることが好ましい。例えば、固定用の孔NH2を3つ設けた場合は、制御用配線基板PB2の下面において、領域RG1に孔NH1を1つ設け、領域RG2に孔NH1を2つ設けることが、望ましい。また、制御用配線基板PB2の下面において、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6との間の領域には、孔NH2は形成しないことが好ましい。これにより、制御用配線基板PB2に固定用の孔NH2を設けても、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6との間を配線で接続しやすくなる。
また、制御用配線基板PB2は、電源電位VINが供給される端子と、グランド電位GNDが供給される端子とを有している。ここで、電源電位VINが供給される端子は、電源用ケーブルCB1と制御用配線基板PB2の電源配線(WV1,WV2)との接続部、あるいは、電源用ケーブルCB1を制御用配線基板PB2に固定して電気的に接続するネジNG2aまたはそれが挿入される孔NH4aに対応している。また、グランド電位GNDが供給される端子は、グランド用ケーブルCB2と制御用配線基板PB2のグランド配線(WG1,WG2)との接続部、あるいは、グランド用ケーブルCB2を制御用配線基板PB2に固定して電気的に接続するネジNG2bまたはそれが挿入される孔NH4bに対応している。
制御用配線基板PB2において、平面視における、電源電位VINが供給される端子と半導体装置PKG6との間の距離は、電源電位VINが供給される端子と半導体装置PKG5との間の距離よりも小さいことが好ましい。すなわち、制御用配線基板PB2において、平面視における、孔NH4aと半導体装置PKG6との間の距離は、孔NH4aと半導体装置PKG5との間の距離よりも小さいことが好ましい。つまり、平面視において、半導体装置PKG5,PKG6のうち、半導体装置PKG6を孔NH4aに近い側に配置し、半導体装置PKG5を孔NH4aから遠い側に配置することが好ましい。その理由は、次のようなものである。
すなわち、半導体装置PKG6には、電源電位VINが供給されるため、電源電位VINが供給される端子に近い位置に配置することが好ましく、それにより、制御用配線基板PB2の電源配線(WV1,WV2)を介して半導体装置PKG6に電源電位VINを供給しやすくなる。一方、半導体装置PKG5には、電源電位VINを供給する必要が無いため、電源電位VINが供給される端子から遠い位置に半導体装置PKG5を配置しても、不具合は生じずに済む。
また、上記図10の場合は、制御用配線基板PB2において、グランド電位GNDが供給される端子と半導体装置PKG6との間の距離は、グランド電位GNDが供給される端子と半導体装置PKG5との間の距離よりも小さくなっている。すなわち、制御用配線基板PB2において、孔NH4bと半導体装置PKG6との間の距離は、孔NH4bと半導体装置PKG5との間の距離よりも小さくなっている。
また、図35にも示されるように、制御用配線基板PB2は、下面側に、グランド電位GNDが供給されるグランド配線WG2(第1グランドパターン)を有している。このグランド配線WG2は、制御用配線基板PB2の下面側において、領域RG1に形成され、かつ、半導体装置PKG5と電気的に接続されたグランド配線WG2b(第2グランドパターン)と、領域RG2に形成され、かつ、半導体装置PKG4と電気的に接続されたグランド配線WG2a(第3グランドパターン)と、を有している。このグランド配線WG2は、制御用配線基板PB2の下面側において、更に、グランド配線WG2aとグランド配線WG2bとをつなぐグランド配線WG2c(第4グランドパターン)も有している。なお、グランド配線WG2cは、領域RG1に形成されたグランド配線WG2bおよび領域RG2に形成されたグランド配線WG2aと、一体的に形成されている。
グランド配線WG2bは、制御用配線基板PB2の下面側において、領域RG1に形成され、かつ、半導体装置PKG5(リードLD5c)と電気的に接続されている。これにより、グランド配線WG2bから半導体装置PKG5(リードLD5c)にグランド電位GNDを供給することができる。また、制御用配線基板PB2の下面側の領域RG2に形成されたグランド配線WG2aは、制御用配線基板PB2のビア部(VH)を介して、制御用配線基板PB2の上面側の領域RG4に形成されたグランド配線WG1a(図31参照)と電気的に接続されている。制御用配線基板PB2の上面側の領域RG4に形成されたグランド配線WG1aは、半導体装置PKG4(ダイパッドDP4)と電気的に接続されている。
このため、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5とは、領域RG4に形成されたグランド配線WG1aと、グランド配線WG1a,WG2a間を接続するビア部VHと、領域RG2に形成されたグランド配線WG2aと、グランド配線WG2a,WG2b間をつなぐグランド配線WG2cと、領域RG1に形成されたグランド配線WG2bと、を介して電気的に接続された状態になっている。この場合、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間がグランド配線を介して低抵抗(低インピーダンス)で接続されていると、半導体装置PKG4で生じたノイズが、グランド配線を介して半導体装置PKG5に伝わりやすくなり、半導体装置PKG4で生じたノイズの影響を、半導体装置PKG5が受けやすくなってしまう。また、半導体装置PKG4で生じた熱も半導体装置PKG5に伝わりやすくなってしまう。
そこで、本実施の形態では、グランド配線WG2a,WG2b間をつなぐグランド配線WG2cを工夫することにより、半導体装置PKG4で生じたノイズや熱が、グランド配線を介して半導体装置PKG5に伝わるのを抑制または防止している。すなわち、制御用配線基板PB2の下面において、グランド配線WG2aとグランド配線WG2bとをつなぐグランド配線WG2cを、平面視において、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間以外の領域に形成している。
ここで、図44は、制御用配線基板PB2の下面図であり、上記図11と基本的には同じ図であるが、平面視における半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間の領域RG5を、ドットハッチングを付して示してある。平面視において、グランド配線WG2cを、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間以外の領域に形成しているということは、図44においてドットハッチングを付された領域RG5には、グランド配線WG2cを配置せずに、図44においてドットのハッチングを付された領域RG5以外の領域に、グランド配線WG2cを配置することに対応している。
本実施の形態とは異なり、平面視における半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間の領域RG5(図44参照)に、グランド配線WG2a,WG2b間をつなぐグランド配線WG2cを配置した場合を仮定する。この場合、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間を、グランド配線WG2b、グランド配線WG2c、グランド配線WG2a、ビア部VHおよびグランド配線WG1aを介して接続する経路の抵抗が小さくなる。このため、半導体装置PKG4で生じたノイズや熱が、グランド配線を経由して半導体装置PKG5に伝わりやすくなってしまう。
それに対して、本実施の形態では、図44および図35を参照すると分かるように、グランド配線WG2aとグランド配線WG2bとをつなぐグランド配線WG2cを、平面視において、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間以外の領域(図44に示される領域RG5以外の領域)に形成している。これにより、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間を、グランド配線WG2b、グランド配線WG2c、グランド配線WG2a、ビア部VHおよびグランド配線WG1aを介して接続する経路の抵抗(インピーダンス)を高めることができる。このため、半導体装置PKG4で生じたノイズや熱が、グランド配線を経由して半導体装置PKG5に伝わるのを、抑制または防止することができるようになる。従って、半導体装置PKG4で生じたノイズや熱の影響を、半導体装置PKG5が受けるのを抑制または防止することができる。
また、図35に示されるように、グランド配線WG2a,WG2b間をつなぐグランド配線WG2cは、複数の孔HC3のうち、隣り合う2つの孔HC3の間を通過していることが好ましい。グランド配線WG2cが、隣り合う2つの孔HCの間を通過していることで、グランド配線WG2a,WG2b間を的確につなぐことができるとともに、グランド配線WG2cの幅(X方向の寸法)が小さくなる。このため、グランド配線WG2cの抵抗成分が大きくなり、それによって、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間を、グランド配線WG2b、グランド配線WG2c、グランド配線WG2a、ビア部VHおよびグランド配線WG1aを介して接続する経路の抵抗を高めることができる。これにより、半導体装置PKG4で生じたノイズや熱が、グランド配線を経由して半導体装置PKG5に伝わるのを、更に抑制または防止することができるようになる。
また、図31に示されるように、制御用配線基板PB2は、上面側に、グランド電位GNDが供給されるグランド配線WG1(第5グランドパターン)を有している。このグランド配線WG1は、制御用配線基板PB2の上面側において、領域RG3に形成され、かつ、半導体装置PKG5と電気的に接続されたグランド配線WG1b(第6グランドパターン)と、領域RG4に形成され、かつ、半導体装置PKG4と電気的に接続されたグランド配線WG1a(第7グランドパターン)と、を有している。このグランド配線WG1は、制御用配線基板PB2の上面側において、更に、グランド配線WG1aとグランド配線WG1bとをつなぐグランド配線WG1c(第8グランドパターン)も有しているなお、グランド配線WG1cは、領域RG3に形成されたグランド配線WG1bおよび領域RG4に形成されたグランド配線WG1aと、一体的に形成されている。
グランド配線WG1aは、制御用配線基板PB2の上面側において、領域RG4に形成され、かつ、半導体装置PKG4(ダイパッドDP4)と電気的に接続されている。これにより、グランド配線WG1aから半導体装置PKG4(ダイパッドDP4)にグランド電位GNDを供給することができる。また、制御用配線基板PB2の上面側の領域RG3に形成されたグランド配線WG1bは、制御用配線基板PB2のビア部(VH)を介して、制御用配線基板PB2の下面側の領域RG1に形成されたグランド配線WG2bと電気的に接続されている。制御用配線基板PB2の下面側の領域RG1に形成されたグランド配線WG2bは、半導体装置PKG5(リードLD5c)と電気的に接続されている。このため、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5とは、領域RG4に形成されたグランド配線WG1aと、グランド配線WG1a,WG1b間をつなぐグランド配線WG1cと、領域RG3に形成されたグランド配線WG1bと、グランド配線WG1b,WG2b間を接続するビア部VHと、領域RG1に形成されたグランド配線WG2bと、を介して電気的に接続された状態になっている。
このため、本実施の形態では、図44および図31を参照すると分かるように、グランド配線WG1aとグランド配線WG1bとをつなぐグランド配線WG1cを、平面視において、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間以外の領域に形成している。すなわち、平面視において、図44においてドットのハッチングを付された領域RG5以外の領域に、制御用配線基板PB2の下面側のグランド配線WG2cだけでなく、制御用配線基板PB2の上面側のグランド配線WG1cも、配置している。これにより、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間を、グランド配線WG1a、グランド配線WG1c、グランド配線WG1b、ビア部VHおよびグランド配線WG2bを介して接続する経路の抵抗を高めることができる。このため、半導体装置PKG4で生じたノイズや熱が、グランド配線を経由して、半導体装置PKG5に伝わるのを、更に抑制または防止することができるようになる。
また、図31に示されるように、グランド配線WG1cは、複数の孔HC3のうち、隣り合う2つの孔HC3の間を通過していることが好ましい。グランド配線WG1cが隣り合う2つの孔HCの間を通過していることで、グランド配線WG1a,WG1b間を的確につなぐことができるとともに、グランド配線WG1cの幅(X方向の寸法)が小さくなる。このため、グランド配線WG1cの抵抗成分が大きくなり、それによって、半導体装置PKG4と半導体装置PKG5との間を、グランド配線WG1a、グランド配線WG1c、グランド配線WG1b、ビア部VHおよびグランド配線WG2bを介して接続する経路の抵抗を高めることができる。これにより、半導体装置PKG4で生じたノイズや熱が、グランド配線を経由して半導体装置PKG5に伝わるのを、更に抑制または防止することができるようになる。
図45〜図48は、本実施の形態の電子装置の一部を示す断面図である。図45には、半導体装置PKG5のリードLD5aと半導体装置PKG6のリードLD6a1とを、制御用配線基板PB2の信号用配線を介して電気的に接続する構造が示されている。また、図46〜図48には、制御用配線基板PB2に搭載した半導体装置PKG6とパワー用配線基板PB1に搭載した半導体装置PKG1,PKG2,PKG3とを、制御用配線基板PB2の信号用配線と、信号用ピンPN3と、パワー用配線基板PB1の配線とを介して電気的に接続する構造が示されている。但し、図45〜図48では、図面を見やすくするために、レジスト層RS2a,RS2bの図示を省略している。また、図49は、制御用配線基板PB2の下面側の平面透視図である。但し、図49では、上記図34に示される制御用配線基板PB2の下面側の配線パターンのうち、後述するゲート信号用配線WS2g1,WS2g2,WS2g3,WS2g4,WS2g5,WS2g6およびソース用配線WS2s1,WS2s2,WS2s3,WS2s4,WS2s5,WS2s6を示すとともに、それ以外の配線については、図示を省略している。また、図49には、一点鎖線で囲まれた領域RG10の配線パターン(ゲート信号用配線WS2g1,WS2g2,WS2g3,WS2g4,WS2g5,WS2g6およびソース用配線WS2s1,WS2s2,WS2s3,WS2s4,WS2s5,WS2s6)を拡大したものを、図49の下部に示してある。
半導体装置PKG6の複数のリードLD6は、それぞれ信号用配線WS2に接続された複数のリードLD6aを含んでいる。半導体装置PKG6の各リードLD6aは、制御用配線基板PB2の信号用配線を介して、半導体装置PKG5のリードLD5(LD5a)か、あるいは、信号用ピンPN3に、電気的に接続されている。ここで、半導体装置PKG6の複数のリードLD6aのうち、制御用配線基板PB2の信号用配線を介して半導体装置PKG5のリードLD5(LD5a)と電気的に接続されたリードLD6aを、符号LD6a1を付してリードLD6a1と称することとする。また、半導体装置PKG6の複数のリードLD6aのうち、制御用配線基板PB2の信号用配線を介して信号用ピンPN3と電気的に接続されたリードLD6aを、符号LD6a2を付してリードLD6a2と称することとする。半導体装置PKG6は、リードLD6a1とリードLD6a2とを、それぞれ複数有している。
まず、図45を参照して、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを、制御用配線基板PB2の信号用配線を介して電気的に接続する構造について説明する。
図45に示されるように、半導体装置PKG5のリードLD5aは、導電性の接合材SZを介して信号用配線WS2(WS2a)に接合され、また、半導体装置PKG6のリードLD6a1は、導電性の接合材SZを介して信号用配線WS2(WS2b)に接合されている。ここで、半導体装置PKG5のリードLD5aが接合された信号用配線WS2を、符号WS2aを付して信号用配線WS2aと称し、半導体装置PKG6のリードLD6a1が接合された信号用配線WS2を、符号WS2bを付して信号用配線WS2bと称することとする。
半導体装置PKG5のリードLD5aが接合された信号用配線WS2aは、制御用配線基板PB2のビア部VHを介して、制御用配線基板PB2の上面側の信号用配線WS1のうちの信号用配線WS1aと電気的に接続されている。この信号用配線WS1aは、制御用配線基板PB2のビア部VHを介して、信号用配線WS2bと電気的に接続され、その信号用配線WS2bに半導体装置PKG6のリードLD6a1が接合されている。このため、半導体装置PKG5のリードLD5aは、信号用配線WS2aと、信号用配線WS2a,WS1a間を接続するビア部VHと、信号用配線WS1aと、信号用配線WS1a,WS2b間を接続するビア部VHと、信号用配線WS2bとを介して、半導体装置PKG6のリードLD6a1に電気的に接続されている。
このように、本実施の形態においては、半導体装置PKG5(リードLD5a)と半導体装置PKG6(リードLD6a1)とは、制御用配線基板PB2の下面側に形成された配線(WS2a,WS2b)と、制御用配線基板PB2の上面側に形成された配線(WS1a)とを介して、電気的に接続されている。すなわち、制御用配線基板PB2の下面側の配線(WS2a,WS2b)だけでなく、制御用配線基板PB2の上面側の配線(WS1a)も用いて、半導体装置PKG5(リードLD5a)と半導体装置PKG6(リードLD6a1)とを電気的に接続している。つまり、半導体装置PKG5(リードLD5a)と半導体装置PKG6(リードLD6a1)とを、制御用配線基板PB2の下面側の配線層と、制御用配線基板PB2の上面側の配線層との、2層の配線層を用いて、電気的に接続している。これにより、半導体装置PKG6と信号用ピンPN3とを接続する信号用配線が邪魔にならずに、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを信号用配線(WS1,WS2)で電気的に接続することができるため、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6との接続が容易になる。
また、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを接続する信号用配線(WS2a,WS1a,WS2b)は、主としてX方向に延在させることで、半導体装置PKG5と半導体装置PKG6とを接続しやすくなる。また、半導体装置PKG6と信号用ピンPN3とを接続する信号用配線(後述のゲート信号用配線WS2g1〜WS2g6およびソース用配線WS2s1〜WS2s6など)は、複数の孔HC3の配列に近づくまでY方向に延在させることで、半導体装置PKG6と信号用ピンPN3とを接続しやすくなる。
次に、図46〜図48を参照して、制御用配線基板PB2に搭載した半導体装置PKG6とパワー用配線基板PB1に搭載した半導体装置PKG1,PKG2,PKG3とを、制御用配線基板PB2の信号用配線と、信号用ピンPN3と、パワー用配線基板PB1の配線とを介して電気的に接続する構造について説明する。
半導体装置PKG6は、上記ドライバ回路部を有し、半導体装置PKG1は、上記パワーMOSFET1,2を有し、半導体装置PKG2は、上記パワーMOSFET3,4を有し、半導体装置PKG3は、上記パワーMOSFET5,6を有している。このため、半導体装置PKG6から、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ゲート用リードLD1a,LD1cに、パワーMOSFET駆動用のゲート信号が伝送される。半導体装置PKG6は、制御用配線基板PB2の下面上に搭載され、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3は、パワー用配線基板PB1上に搭載されている。このため、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ゲート用リードLD1a,LD1cは、それぞれ、パワー用配線基板PB1の信号用配線(WS3)、信号用ピンPN3、および制御用配線基板PB2の信号用配線(WS2)を介して、半導体装置PKG6のいずれかのリードLD6a2と電気的に接続されている。
半導体装置PKG6内のドライバ回路部DRは、上記パワーMOSFET1,2,3,4,5,6を駆動するための回路であり、半導体装置PKG6から半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ゲート用リードLD1a,LD1cにそれぞれ送られるゲート信号は、信号品質をできるだけ高めることが望ましく、すなわち、できるだけノイズなどが混じらないようにすることが望ましい。
そこで、本実施の形態では、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ゲート用リードLD1a,LD1cと半導体装置PKG6のリードLD6との間の導電経路(ゲート信号の伝送経路)については、制御用配線基板PB2の下面側の信号用配線WS2は用いるが、制御用配線基板PB2の上面側の信号用配線WS1は用いないようにしている。すなわち、制御用配線基板PB2の下面側の信号用配線WS2は経由するが、制御用配線基板PB2の上面側の信号用配線WS1は経由させずに、半導体装置PKG6(ドライバ回路部DR)から半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ゲート用リードLD1a,LD1c(すなわちパワーMOSFET1,2,3,4,5,6の各ゲート)にゲート信号を伝送するようにしている。これにより、半導体装置PKG6から半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ゲート用リードLD1a,LD1cに伝送されるゲート信号が、制御用配線基板PB2のビア部(VH)を通過することがなくなるため、ビア部(VH)の通過時に信号品質が低下してしまう現象が生じないで済む。このため、半導体装置PKG6から半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ゲート用リードLD1a,LD1cに伝送されるゲート信号の信号品質を高めることができる。これにより、電子装置の性能や信頼性を、より向上させることができる。
以下、図46を参照して具体的な接続関係を説明する。
図46に示されるように、半導体装置PKG6のリードLD6g1,LD6g2,LD6g3,LD6g4,LD6g5,LD6g6のそれぞれは、制御用配線基板PB2の下面側の信号用配線WS2に導電性の接合材SZを介して接合され、その信号用配線WS2を介して信号用ピンPN3に電気的に接続されている。
ここで、半導体装置PKG1のゲート用リードLD1aにゲート信号を伝送するためのリードLD6を、リードLD6g1と称し、半導体装置PKG1のゲート用リードLD1cにゲート信号を伝送するためのリードLD6を、リードLD6g2と称することとする。また、半導体装置PKG2のゲート用リードLD1aにゲート信号を伝送するためのリードLD6を、リードLD6g3と称し、半導体装置PKG2のゲート用リードLD1cにゲート信号を伝送するためのリードLD6を、リードLD6g4と称することとする。また、半導体装置PKG3のゲート用リードLD1aにゲート信号を伝送するためのリードLD6を、リードLD6g5と称し、半導体装置PKG3のゲート用リードLD1cにゲート信号を伝送するためのリードLD6を、リードLD6g6と称することとする。リードLD6g1,LD6g2,LD6g3,LD6g4,LD6g5,LD6g6は、半導体装置PKG6が有する上述した複数のリードLD6a2に含まれる。
また、リードLD6g1が接続された信号用配線WS2を、ゲート信号用配線WS2g1と称し、リードLD6g2が接続された信号用配線WS2を、ゲート信号用配線WS2g2と称し、リードLD6g3が接続された信号用配線WS2を、ゲート信号用配線WS2g3と称することとする。また、リードLD6g4が接続された信号用配線WS2を、ゲート信号用配線WS2g4と称し、リードLD6g5が接続された信号用配線WS2を、ゲート信号用配線WS2g5と称し、リードLD6g6が接続された信号用配線WS2を、ゲート信号用配線WS2g6と称することとする。
また、ゲート信号用配線WS2g1を介してリードLD6g1に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3g1と称し、ゲート信号用配線WS2g2を介してリードLD6g2に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3g2と称することとする。また、ゲート信号用配線WS2g3を介してリードLD6g3に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3g3と称し、ゲート信号用配線WS2g4を介してリードLD6g4に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3g4と称することとする。また、ゲート信号用配線WS2g5を介してリードLD6g5に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3g5と称し、ゲート信号用配線WS2g6を介してリードLD6g6に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3g6と称することとする。
ゲート信号用配線WS2g1,WS2g2,WS2g3,WS2g4,WS2g5,WS2g6は、半導体装置PKG6(ドライバ回路部DR)からパワーMOSFET1,2,3,4,5,6の各ゲートへ入力するゲート信号を伝送する配線であり、制御用配線基板PB2の下面側に形成されており、その平面レイアウトについては、図49に示されている。
図46からも分かるように、半導体装置PKG6のリードLD6g1は、導電性の接合材SZを介してゲート信号用配線WS2g1に電気的に接続され、そのゲート信号用配線WS2g1を介して信号用ピンPN3g1と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3g1は、パワー用配線基板PB1の信号用配線WS3およびチップ抵抗R2aを介して、半導体装置PKG1のゲート用リードLD1aに電気的に接続されている。また、半導体装置PKG6のリードLD6g2は、導電性の接合材SZを介してゲート信号用配線WS2g2に電気的に接続され、そのゲート信号用配線WS2g2を介して信号用ピンPN3g2と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3g2は、パワー用配線基板PB1の信号用配線WS3およびチップ抵抗R3aを介して、半導体装置PKG1のゲート用リードLD1cに電気的に接続されている。また、半導体装置PKG6のリードLD6g3は、導電性の接合材SZを介してゲート信号用配線WS2g3に電気的に接続され、そのゲート信号用配線WS2g3を介して信号用ピンPN3g3と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3g3は、パワー用配線基板PB1の信号用配線WS3およびチップ抵抗R5aを介して、半導体装置PKG2のゲート用リードLD1aに電気的に接続されている。また、半導体装置PKG6のリードLD6g4は、導電性の接合材SZを介してゲート信号用配線WS2g4に電気的に接続され、そのゲート信号用配線WS2g4を介して信号用ピンPN3g4と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3g4は、パワー用配線基板PB1の信号用配線WS3およびチップ抵抗R6aを介して、半導体装置PKG2のゲート用リードLD1cに電気的に接続されている。また、半導体装置PKG6のリードLD6g5は、導電性の接合材SZを介してゲート信号用配線WS2g5に電気的に接続され、そのゲート信号用配線WS2g5を介して信号用ピンPN3g5と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3g5は、パワー用配線基板PB1の信号用配線WS3およびチップ抵抗R8aを介して、半導体装置PKG3のゲート用リードLD1aに電気的に接続されている。また、半導体装置PKG6のリードLD6g6は、導電性の接合材SZを介してゲート信号用配線WS2g6に電気的に接続され、そのゲート信号用配線WS2g6を介して信号用ピンPN3g6と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3g6は、パワー用配線基板PB1の信号用配線WS3およびチップ抵抗R9aを介して、半導体装置PKG3のゲート用リードLD1cに電気的に接続されている。
このように、パワーMOSFET1〜6の各ゲートへ入力するゲート信号は、半導体装置PKG6から、制御用配線基板PB2の下面側に形成されたゲート信号用配線WS2g1〜WS2g6を介して、信号用ピンPN3g1〜PN3g6に伝送される。信号用ピンPN3g1とリードLD6g1との間の導電経路、信号用ピンPN3g2とリードLD6g2との間の導電経路、および信号用ピンPN3g3とリードLD6g3との間の導電経路には、制御用配線基板PB2の下面側の信号用配線WS2が用いられており、制御用配線基板PB2の上面側の信号用配線WS1は用いられていない。また、信号用ピンPN3g4とリードLD6g4との間の導電経路、信号用ピンPN3g5とリードLD6g5との間の導電経路、および信号用ピンPN3g6とリードLD6g6との間の導電経路にも、制御用配線基板PB2の下面側の信号用配線WS2が用いられており、制御用配線基板PB2の上面側の信号用配線WS1は用いられていない。このため、半導体装置PKG6のリードLD6g1,LD6g2,LD6g3,LD6g4,LD6g5,LD6g6から半導体装置PKG1,PKG2,PKG3のゲート用リードLD1a,LD1cに伝送されるゲート信号が、制御用配線基板PB2のビア部(VH)を通過しないで済む。このため、半導体装置PKG6から半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ゲート用リードLD1a,LD1cに伝送されるゲート信号の信号品質を高めることができる。
また、図47に示されるように、半導体装置PKG6のリードLD6s1,LD6s2,LD6s3,LD6s4,LD6s5,LD6s6のそれぞれは、制御用配線基板PB2の下面側の信号用配線WS2に導電性の接合材SZを介して接合され、その信号用配線WS2を介して信号用ピンPN3に電気的に接続されている。
ここで、半導体装置PKG1のソース用リードLD1bに、配線(WS2,WS3)および信号用ピンPN3を介して電気的に接続されるリードLD6を、リードLD6s1と称し、半導体装置PKG1のソース用リードLD1dに、配線(WS2,WS3)および信号用ピンPN3を介して電気的に接続されるリードLD6を、リードLD6s2と称することとする。また、半導体装置PKG2のソース用リードLD1bに、配線(WS2,WS3)および信号用ピンPN3を介して電気的に接続されるリードLD6を、リードLD6s3と称し、半導体装置PKG2のソース用リードLD1dに、配線(WS2,WS3)および信号用ピンPN3を介して電気的に接続されるリードLD6を、リードLD6s4と称することとする。また、半導体装置PKG3のソース用リードLD1bに、配線(WS2,WS3)および信号用ピンPN3を介して電気的に接続されるリードLD6を、リードLD6s5と称し、半導体装置PKG3のソース用リードLD1dに、配線(WS2,WS3)および信号用ピンPN3を介して電気的に接続されるリードLD6を、リードLD6s6と称することとする。リードLD6s1,LD6s2,LD6s3,LD6s4,LD6s5,LD6s6は、半導体装置PKG6が有する上述した複数のリードLD6a2に含まれる。
また、リードLD6s1が接続された信号用配線WS2を、ソース用配線WS2s1と称し、リードLD6s2が接続された信号用配線WS2を、ソース用配線WS2s2と称し、リードLD6s3が接続された信号用配線WS2を、ソース用配線WS2s3と称することとする。また、リードLD6s4が接続された信号用配線WS2を、ソース用配線WS2s4と称し、リードLD6s5が接続された信号用配線WS2を、ソース用配線WS2s5と称し、リードLD6s6が接続された信号用配線WS2を、ソース用配線WS2s6と称することとする。
ソース用配線WS2s1,WS2s2,WS2s3,WS2s4,WS2s5,WS2s6は、それぞれパワーMOSFET1,2,3,4,5,6のソースに電気的に接続された配線であり、制御用配線基板PB2の下面側に形成されており、その平面レイアウトについては、図49に示されている。
また、ソース用配線WS2s1を介してリードLD6s1に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3s1と称し、ソース用配線WS2s2を介してリードLD6s2に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3s2と称し、ソース用配線WS2s3を介してリードLD6s3に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3s3と称することとする。また、ソース用配線WS2s4を介してリードLD6s4に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3s4と称し、ソース用配線WS2s5を介してリードLD6s5に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3s5と称し、ソース用配線WS2s6を介してリードLD6s6に電気的に接続された信号用ピンPN3を、信号用ピンPN3s6と称することとする。
図47からも分かるように、半導体装置PKG6のリードLD6s1は、導電性の接合材SZを介してソース用配線WS2s1に電気的に接続され、そのソース用配線WS2s1を介して信号用ピンPN3s1と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3s1は、パワー用配線基板PB1の信号用配線(WS3)を介して、半導体装置PKG1のソース用リードLD1bに電気的に接続されている。また、半導体装置PKG6のリードLD6s2は、導電性の接合材SZを介してソース用配線WS2s2に電気的に接続され、そのソース用配線WS2s2を介して信号用ピンPN3s2と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3s2は、パワー用配線基板PB1の信号用配線(WS3)を介して、半導体装置PKG1のソース用リードLD1dに電気的に接続されている。また、半導体装置PKG6のリードLD6s3は、導電性の接合材SZを介してソース用配線WS2s3に電気的に接続され、そのソース用配線WS2s3を介して信号用ピンPN3s3と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3s3は、パワー用配線基板PB1の信号用配線(WS3)を介して、半導体装置PKG2のソース用リードLD1bに電気的に接続されている。また、半導体装置PKG6のリードLD6s4は、導電性の接合材SZを介してソース用配線WS2s4に電気的に接続され、そのソース用配線WS2s4を介して信号用ピンPN3s4と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3s4は、パワー用配線基板PB1の信号用配線(WS3)を介して、半導体装置PKG2のソース用リードLD1dに電気的に接続されている。また、半導体装置PKG6のリードLD6s5は、導電性の接合材SZを介してソース用配線WS2s5に電気的に接続され、そのソース用配線WS2s5を介して信号用ピンPN3s5と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3s5は、パワー用配線基板PB1の信号用配線(WS3)を介して、半導体装置PKG3のソース用リードLD1bに電気的に接続されている。また、半導体装置PKG6のリードLD6s6は、導電性の接合材SZを介してソース用配線WS2s6に電気的に接続され、そのソース用配線WS2s6を介して信号用ピンPN3s6と電気的に接続されている。この信号用ピンPN3s6は、パワー用配線基板PB1の信号用配線(WS3)を介して、半導体装置PKG3のソース用リードLD1dに電気的に接続されている。
図49からも分かるように、制御用配線基板PB2の下面側において、パワーMOSFET1のソースに電気的に接続されたソース用配線WS2s1が、パワーMOSFET1のゲートに電気的に接続されたゲート信号用配線WS2g1に並走するように形成されている。すなわち、ゲート信号用配線WS2g1に沿うように、ソース用配線WS2s1が延在している。また、制御用配線基板PB2の下面側において、パワーMOSFET2のソースに電気的に接続されたソース用配線WS2s2が、パワーMOSFET2のゲートに電気的に接続されたゲート信号用配線WS2g2に並走するように形成されている。すなわち、ゲート信号用配線WS2g2に沿うように、ソース用配線WS2s2が延在している。また、制御用配線基板PB2の下面側において、パワーMOSFET3のソースに電気的に接続されたソース用配線WS2s3が、パワーMOSFET3のゲートに電気的に接続されたゲート信号用配線WS2g3に並走するように形成されている。すなわち、ゲート信号用配線WS2g3に沿うように、ソース用配線WS2s3が延在している。また、制御用配線基板PB2の下面側において、パワーMOSFET4のソースに電気的に接続されたソース用配線WS2s4が、パワーMOSFET4のゲートに電気的に接続されたゲート信号用配線WS2g4に並走するように形成されている。すなわち、ゲート信号用配線WS2g4に沿うように、ソース用配線WS2s4が延在している。また、制御用配線基板PB2の下面側において、パワーMOSFET5のソースに電気的に接続されたソース用配線WS2s5が、パワーMOSFET5のゲートに電気的に接続されたゲート信号用配線WS2g5に並走するように形成されている。すなわち、ゲート信号用配線WS2g5に沿うように、ソース用配線WS2s5が延在している。また、制御用配線基板PB2の下面側において、パワーMOSFET6のソースに電気的に接続されたソース用配線WS2s6が、パワーMOSFET6のゲートに電気的に接続されたゲート信号用配線WS2g6に並走するように形成されている。すなわち、ゲート信号用配線WS2g6に沿うように、ソース用配線WS2s6が延在している。
このように、パワーMOSFET1〜6のゲートに電気的に接続されたゲート信号用配線WS2g1〜WS2g6にそれぞれ隣接して並走するように、パワーMOSFET1〜6のソースに電気的に接続されたソース用配線WS2s1〜WS2s6を設けている。この際、同じパワーMOSFETのゲートとソースにそれぞれ電気的に接続されたゲート信号用配線とソース用配線とが、互いに隣り合って並走(延在)するようにしている。これにより、同じパワーMOSFETのゲートとソースにそれぞれ電気的に接続されたゲート信号用配線とソース用配線とが結合(カップリング)し、各ゲート信号用配線(WS2g1,WS2g2,WS2g3,WS2g4,WS2g5,WS2g6)が、それに隣り合って並走するソース用配線以外の配線の影響を受けにくくなる。このため、各ゲート信号用配線(WS2g1,WS2g2,WS2g3,WS2g4,WS2g5,WS2g6)が、そこを伝送されるべき信号(ゲート信号)以外の信号の影響を受けにくくなる。従って、ゲート信号用配線を伝送されるゲート信号の信号品質を高めることができ、電子装置の性能や信頼性を、より向上させることができる。
また、図49の場合は、ゲート信号用配線WS2g1とソース用配線WS2s1とゲート信号用配線WS2g2とソース用配線WS2s2とゲート信号用配線WS2g3とソース用配線WS2s3とゲート信号用配線WS2g4とソース用配線WS2s4とゲート信号用配線WS2g5とソース用配線WS2s5とゲート信号用配線WS2g6とソース用配線WS2s6とが、この順で並んでいる。
図49からも分かるように、ソース用配線WS2s1は、ゲート信号用配線WS2g1とゲート信号用配線WS2g2との間に配置されているが、ソース用配線WS2s1とゲート信号用配線WS2g1との間の間隔(W1)は、ソース用配線WS2s1とゲート信号用配線WS2g2との間の間隔(W2)よりも小さいことが好ましい(すなわちW1<W2)。これにより、同じパワーMOSFET1のゲートとソースにそれぞれ電気的に接続されたゲート信号用配線WS2g1とソース用配線WS2s1とが近づいて結合が強まるため、ゲート信号用配線WS2g1を伝送されるゲート信号の信号品質を、より向上させることができる。
同様に、ソース用配線WS2s2は、ゲート信号用配線WS2g2とゲート信号用配線WS2g3との間に配置されているが、ソース用配線WS2s2とゲート信号用配線WS2g2との間の間隔(W1)は、ソース用配線WS2s2とゲート信号用配線WS2g3との間の間隔(W2)よりも小さいことが好ましい。また、ソース用配線WS2s3は、ゲート信号用配線WS2g3とゲート信号用配線WS2g4との間に配置されているが、ソース用配線WS2s3とゲート信号用配線WS2g3との間の間隔(W1)は、ソース用配線WS2s3とゲート信号用配線WS2g4との間の間隔(W2)よりも小さいことが好ましい。また、ソース用配線WS2s4は、ゲート信号用配線WS2g4とゲート信号用配線WS2g5との間に配置されているが、ソース用配線WS2s4とゲート信号用配線WS2g4との間の間隔(W1)は、ソース用配線WS2s4とゲート信号用配線WS2g5との間の間隔(W2)よりも小さいことが好ましい。また、ソース用配線WS2s5は、ゲート信号用配線WS2g5とゲート信号用配線WS2g6との間に配置されているが、ソース用配線WS2s5とゲート信号用配線WS2g5との間の間隔(W1)は、ソース用配線WS2s5とゲート信号用配線WS2g6との間の間隔(W2)よりも小さいことが好ましい。これにより、同じパワーMOSFETのゲートとソースにそれぞれ電気的に接続されたゲート信号用配線とソース用配線とが近づいて結合が強まるため、各ゲート信号用配線を伝送されるゲート信号の信号品質を、より向上させることができる。
別の見方をすると、ゲート信号用配線WS2g2は、ソース用配線WS2s1とソース用配線WS2s2との間に配置されているが、ゲート信号用配線WS2g2とソース用配線WS2s2との間の間隔(W1)は、ゲート信号用配線WS2g2とソース用配線WS2s1との間の間隔(W2)よりも小さいことが好ましい。同様に、ゲート信号用配線WS2g3は、ソース用配線WS2s2とソース用配線WS2s3との間に配置されているが、ゲート信号用配線WS2g3とソース用配線WS2s3との間の間隔(W1)は、ゲート信号用配線WS2g3とソース用配線WS2s2の間の間隔(W2)よりも小さいことが好ましい。また、ゲート信号用配線WS2g4は、ソース用配線WS2s3とソース用配線WS2s4との間に配置されているが、ゲート信号用配線WS2g4とソース用配線WS2s4との間の間隔(W1)は、ゲート信号用配線WS2g4とソース用配線WS2s3の間の間隔(W2)よりも小さいことが好ましい。また、ゲート信号用配線WS2g5は、ソース用配線WS2s4とソース用配線WS2s5との間に配置されているが、ゲート信号用配線WS2g5とソース用配線WS2s5との間の間隔(W1)は、ゲート信号用配線WS2g5とソース用配線WS2s4の間の間隔(W2)よりも小さいことが好ましい。また、ゲート信号用配線WS2g6は、ソース用配線WS2s5とソース用配線WS2s6との間に配置されているが、ゲート信号用配線WS2g6とソース用配線WS2s6との間の間隔(W1)は、ゲート信号用配線WS2g6とソース用配線WS2s5の間の間隔(W2)よりも小さいことが好ましい。これにより、同じパワーMOSFETのゲートとソースにそれぞれ電気的に接続されたゲート信号用配線とソース用配線とが近づいて結合が強まるため、各ゲート信号用配線を伝送されるゲート信号の信号品質を、より向上させることができる。
つまり、図49において、間隔W1と間隔W2には、W1<W2の関係が成り立っていることが好ましい。
なお、図49には、ゲート信号用配線WS2g1とソース用配線WS2s1との間の間隔(W1)と、ゲート信号用配線WS2g2とソース用配線WS2s2との間の間隔(W1)と、ゲート信号用配線WS2g3とソース用配線WS2s3との間の間隔(W1)と、ゲート信号用配線WS2g4とソース用配線WS2s4との間の間隔(W1)と、ゲート信号用配線WS2g5とソース用配線WS2s5との間の間隔(W1)と、ゲート信号用配線WS2g6とソース用配線WS2s6との間の間隔(W1)とが、互いに同じである場合が示されているが、必ずしも同じである必要はない。
また、図49において、ゲート信号用配線とソース用配線との位置が入れ替わる場合もあり得る。その場合は、ソース用配線WS2s1とゲート信号用配線WS2g1とソース用配線WS2s2とゲート信号用配線WS2g2とソース用配線WS2s3とゲート信号用配線WS2g3とソース用配線WS2s4とゲート信号用配線WS2g4とソース用配線WS2s5とゲート信号用配線WS2g5とソース用配線WS2s6とゲート信号用配線WS2g6とが、この順で並ぶことになる。その場合は、ソース用配線WS2s2は、ゲート信号用配線WS2g1とゲート信号用配線WS2g2との間に配置されるが、ソース用配線WS2s2とゲート信号用配線WS2g2との間の間隔は、ソース用配線WS2s2とゲート信号用配線WS2g1との間の間隔よりも小さいことが好ましい。また、ソース用配線WS2s3は、ゲート信号用配線WS2g2とゲート信号用配線WS2g3との間に配置されるが、ソース用配線WS2s3とゲート信号用配線WS2g3との間の間隔は、ソース用配線WS2s3とゲート信号用配線WS2g2との間の間隔よりも小さいことが好ましい。ソース用配線WS2s4,WS2s5,WS2s6についても同様である。
次に、図48を参照して、制御用配線基板PB2に搭載した半導体装置PKG6とパワー用配線基板PB1に搭載したチップ抵抗R1a,R4a,R7aとを、制御用配線基板PB2の信号用配線と、信号用ピンPN3と、パワー用配線基板PB1の配線とを介して電気的に接続する構造について説明する。
上記図1を参照して説明したように、各抵抗R1,R4,R7の両端は、ドライバ回路部DR内の検出回路に接続されている。このため、図48にも示されるように、各チップ抵抗R1a,R4a,R7aの両電極は、それぞれ、パワー用配線基板PB1の信号用配線(WS3)、信号用ピンPN3、および制御用配線基板PB2の信号用配線(WS2,WS1)を介して、半導体装置PKG6のいずれかのリードLD6a2と電気的に接続されている。なお、各チップ抵抗R1a,R4a,R7aの両電極は、それぞれ、導電性の接合材SZを介して、パワー用配線基板PB1の信号用配線(WS3)に接合されて電気的に接続されている。
本実施の形態では、各チップ抵抗R1a,R4a,R7aの両電極と半導体装置PKG6のリードLD6との間を電気的に接続する導電経路のうち、制御用配線基板PB2の導電経路は、制御用配線基板PB2の下面側の信号用配線WS2と、制御用配線基板PB2の上面側の信号用配線WS1と、信号用配線WS1,WS2間を接続するビア部VHとが用いられている。すなわち、各チップ抵抗R1a,R4a,R7aの両電極は、それぞれ、パワー用配線基板PB1の信号用配線(WS3)と、信号用ピンPN3と、制御用配線基板PB2の上面側の信号用配線WS1と、信号用配線WS1,WS2間を接続するビア部VHと、制御用配線基板PB2の下面側の信号用配線WS2とを経由して、半導体装置PKG6のリードLD6と電気的に接続されている。
上記ゲート信号用配線WS2g1〜WS2g6および上記ソース用配線WS2s1〜WS2s6は、制御用配線基板PB2の下面側の信号用配線WS2により形成されており、制御用配線基板PB2の上面側の配線(WS1)は用いられていなかった。一方、各チップ抵抗R1a,R4a,R7aの両電極と半導体装置PKG6のリードLD6との間を電気的に接続する導電経路には、制御用配線基板PB2の下面側の信号用配線WS2だけでなく、制御用配線基板PB2の上面側の信号用配線WS1も用いている。これにより、上記ゲート信号用配線WS2g1〜WS2g6および上記ソース用配線WS2s1〜WS2s6が邪魔にならずに、制御用配線基板PB2の両面の配線(WS1,WS2)を用いて、各チップ抵抗R1a,R4a,R7aの両電極と半導体装置PKG6のリードLD6との間を電気的に接続することができる。また、上記ゲート信号用配線WS2g1〜WS2g6は、伝送されるゲート信号の信号品質を高めることが要求されるが、それに比べると、各チップ抵抗R1a,R4a,R7aの両電極と半導体装置PKG6のリードLD6との間を電気的に接続する導電経路は、それほど高い信号品質は要求されない。このため、パワーMOSFET1〜6へのゲート信号の伝送経路は、制御用配線基板PB2のビア部(VH)を経由しないようにしているが、各チップ抵抗R1a,R4a,R7aの両電極と半導体装置PKG6のリードLD6との間を電気的に接続する導電経路は、制御用配線基板PB2のビア部(VH)を経由しても、問題は生じずに済む。
次に、図46および図47を参照して、パワー用配線基板PB1上への半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の実装構造について、簡単に説明する。
図46からも分かるように、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ダイパッドDP1は、パワー用配線基板PB1の上面側に形成された電源配線WV3に、導電性の接合材SZ(例えば半田)を介して接合されて電気的に接続されている。半導体装置PKG1のダイパッドDP1が接続された電源配線WV3と、半導体装置PKG2のダイパッドDP1が接続された電源配線WV3と、半導体装置PKG3のダイパッドDP1が接続された電源配線WV3とは、互いにつながることで電気的に接続されている。また、電源配線WV3は、上記電源接続用ピンPN1に電気的に接続されている。これにより、電源接続用ピンPN1から電源配線WV3に供給された上記電源電位VINが、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ダイパッドDP1に供給され、更に半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各半導体チップCP1の裏面電極BE1(すなわち上記パワーMOSFET1,3,5の各ドレイン)に供給されるようになっている。
また、図47からも分かるように、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ダイパッドDP2は、パワー用配線基板PB1の上面側に形成された出力配線WD3に、導電性の接合材SZを介して接合されて電気的に接続されている。但し、半導体装置PKG1のダイパッドDP2が接続された出力配線WD3と、半導体装置PKG2のダイパッドDP2が接続された出力配線WD3と、半導体装置PKG3のダイパッドDP2が接続された出力配線WD3とは、互いに分離されており、電気的に接続されてはいない。半導体装置PKG1のダイパッドDP2が接続された出力配線WD3は、上記接続ピンBB1に電気的に接続され、半導体装置PKG2のダイパッドDP2が接続された出力配線WD3は、上記接続ピンBB2に電気的に接続され、半導体装置PKG3のダイパッドDP2が接続された出力配線WD3は、上記接続ピンBB3に電気的に接続されている。これにより、半導体装置PKG1のダイパッドDP2からの出力(出力電流または出力電圧)を、出力配線WD3および接続ピンBB1を経由してモータMOT(のU相コイル)に伝送(供給)することができる。また、半導体装置PKG2のダイパッドDP2からの出力(出力電流または出力電圧)を、出力配線WD3および接続ピンBB2を経由してモータMOT(のV相コイル)に伝送(供給)することができる。また、半導体装置PKG3のダイパッドDP2からの出力(出力電流または出力電圧)を、出力配線WD3および接続ピンBB3を経由してモータMOT(のW相コイル)に伝送(供給)することができる。すなわち、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ダイパッドDP2からの出力(出力電流または出力電圧)が、モータMOTに供給され、それによって、モータMOTを駆動することができる。
また、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ゲート用リードLD1a,LD1cは、パワー用配線基板PB1の上面側に形成された信号用配線WS3に導電性の接合材SZを介して接合されて電気的に接続され、その信号用配線WS3などを介して信号用ピンPN3(PN3g1,PN3g2,PN3g3,PN3g4,PN3g5,PN3g6)と電気的に接続されている。また、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ソース用リードLD1b,LD1dは、パワー用配線基板PB1の上面側に形成された信号用配線WS3に導電性の接合材SZを介して接合されて電気的に接続され、その信号用配線WS3などを介して信号用ピンPN3(PN3s1,PN3s2,PN3s3,PN3s4,PN3s5,PN3s6)と電気的に接続されている。
また、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ソース用リードLD1dは、パワー用配線基板PB1のグランド配線にも電気的に接続されている。パワー用配線基板PB1のグランド配線は、上記グランド接続用ピンPN2に電気的に接続されており、グランド接続用ピンPN2からパワー用配線基板PB1のグランド配線に供給されたグランド電位GNDが、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各ソース用リードLD1dに供給されるようになっている。これにより、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3の各半導体チップCP2のソース用パッドPDS(すなわち上記パワーMOSFET2,4,6の各ソース)にグランド電位GNDが供給される。また、半導体装置PKG1,PKG2,PKG3のそれぞれにおいて、ソース用リードLD1b(ハイサイドMOSFETのソース)と、ダイパッドDP2(ロウサイドMOSFETのドレイン)とは、パワー用配線基板PB1の配線などを介して電気的に接続されている。
また、本実施の形では、スイッチング用のパワートランジスタを有する半導体装置(ここでは半導体装置PKG1,PKG2,PKG3に対応)がパワー用配線基板PB1上に複数搭載されており、より特定的には、スイッチング用のパワートランジスタを有する半導体装置がパワー用配線基板PB1上に3つ搭載されている。これは、本実施の形態の電子装置の駆動対象が、三相モータであることを反映している。駆動対象が三相モータ以外の場合などには、パワー用配線基板PB1上に搭載する半導体装置(スイッチング用のパワートランジスタを有する半導体装置)の数は、3つ以外の場合もあり得る。例えば、スイッチング用のパワートランジスタを有する半導体装置がパワー用配線基板PB1上に1つ搭載されている場合もあり得、あるいは、スイッチング用のパワートランジスタを有する半導体装置がパワー用配線基板PB1上に複数搭載されている場合もあり得る。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。