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JP6441161B2 - 粒子状物質検出センサ - Google Patents

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Description

本発明は、粒子状物質検出センサに関する。
内燃機関の排気管には、排ガスに含まれる粒子状物質(Particulate Matter:PM)を捕集する排ガス浄化装置が設けられている。この排ガス浄化装置は、排ガスに含まれる粒子状物質の量を検出する粒子状物質検出センサを有する粒子状物質検出装置を備えており、この粒子状物質検出装置によって得られた情報を基に、排ガス浄化装置の故障検知が行われている。
排ガス浄化装置に用いられる粒子状物質検出センサとしては、例えば、特許文献1に示されたものがある。特許文献1の粒子状物質検出センサは、電気絶縁性を有する基板と、基板の表面に形成された検出電極とを有している。基板上には、検出電極を跨ぐように、複数の凸条部が形成されている。
独国特許出願公開第102006047927号明細書
しかしながら、特許文献1の粒子状物質検出センサには以下の課題がある。
特許文献1の粒子状物質検出センサにおいては、排ガスと共に流通する粒子状物質が、基板上に衝突した際に捕集されるが、粒子状物質の衝突速度が大きい場合、衝突した粒子状物質が跳ね返り捕集されない。特に、凸条部が形成された部位においては、凸条部の表面と検出電極との間の距離があるため、捕集電圧が作用しにくく、粒子状物質の跳ね返りが生じやすい。そのため、粒子状物質検出センサにおける捕集効率が低下し十分な検出感度が得られない。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、粒子状物質の検出感度を向上させることができる粒子状物質検出センサを提供しようとするものである。
本発明の第1の態様は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の量を検出する素子本体部と、
該素子本体部に形成され、上記粒子状物質の一部堆積する被堆積部と
該被堆積部に配置され、所定間隔をおいて互いに対向した、少なくとも一対の検出電極とを備え、
上記粒子状物質が上記被堆積部上に堆積することによる上記一対の検出電極間における電気特性の変化に応じて電気信号の出力を変化させるように構成されており、
上記被堆積部は、凹状に形成された捕集凹部を備え、
該捕集凹部は、該捕集凹部の深さ方向に直交する隣接方向において互いに隣り合う、第1検出面と第2検出面との一対の検出面を有し、個々の該検出面は、その法線ベクトルの、上記隣接方向における成分が互いに逆向きになっており、
上記深さ方向から見たときに、個々の上記検出電極は、上記第1検出面から上記第2検出面に渡って上記隣接方向に延出しており、上記一対の検出電極は、上記隣接方向と上記深さ方向との双方に直交する直交方向において、互いに対向するよう配されている、粒子状物質検出センサにある。
また、本発明の第2の態様は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の量を検出する素子本体部を備えており、
該素子本体部の端面の1つには、上記粒子状物質の一部を堆積させる被堆積部と、該被堆積部に配置された少なくとも一対の検出電極とを備え、
上記粒子状物質が上記被堆積部上に堆積することによる上記一対の検出電極間における電気特性の変化に応じて電気信号の出力を変化させるように構成されており、
上記被堆積部には、該被堆積部の形成された端面から窪んだ捕集凹部が形成されており、
複数の上記検出電極と電気絶縁性を有する複数の絶縁部材とを交互に積層した積層部を有しており、該積層部の端面に、上記被堆積部及び上記検出電極が形成されていることを特徴とする粒子状物質検出センサにある。
上記粒子状物質検出センサは、上記捕集凹部を備えている。そのため、上記被堆積部に衝突する上記粒子状物質を効率よく捕集することができる。
すなわち、上記捕集凹部内に入り込んだ上記粒子状物質が、上記捕集凹部の内周面に衝突し跳ね返ったとしても、上記捕集凹部は上記素子本体部の端面から窪むように形成されていることから、跳ね返った上記粒子状物質が再度、上記捕集部の内周面に衝突しやすい。このとき、上記粒子状物質の衝突速度は、最初に上記捕集凹部に衝突した際に減速する。そのため、跳ね返った上記粒子状物質が再度上記捕集凹部の内周面に衝突する際には、上記捕集凹部の内周面に付着しやすい。したがって、上記捕集凹部を設けることにより上記被堆積部における捕集効率を向上させることができる。
以上のごとく、本発明によれば、粒子状物質の検出感度を向上させることができる粒子状物質検出センサを提供することができる。
実施例1における、素子本体部の説明図。 実施例1における、素子本体部の構造を示す説明図。 実施例1における、予備本体部を示す説明図。 実施例1における、粒子状物質検出センサを示す説明図。 実施例2における、素子本体部の説明図。 実施例3における、素子本体部の説明図。
上記検出電極は、上記捕集凹部の外側に形成された外側電極部と、上記捕集凹部の内側に形成された内側電極部とを有しており、上記外側電極部と上記内側電極部とは、素子表面において電気的に接続されていることが好ましい。この場合には、上記捕集凹部の外側において、上記粒子状物質を検出すると共に、上記粒子状物質の捕集効率が高い上記捕集凹部内に上記内側電極部を形成することにより、被堆積部への粒子状物質の再衝突の確率を増加させ捕集効率を向上させることができる。これにより、上記粒子状物質検出センサにおける検出感度を向上させることができる。
また、上記被堆積部の周囲を覆う保護カバーを有しており、該保護カバーには、排ガスを導入するための導入孔が貫通形成されており、該導入孔を通じて排ガスを導入することにより、上記捕集凹部に向かう排ガスの流れを形成するよう構成されていることが好ましい。この場合には、上記被堆積部に上記粒子状物質を含む排ガスを効率良く供給することができる。また、排ガスの流通方向が決まるため、この流通方向に合わせて上記捕集凹部を形成することにより、さらに捕集効率を向上させることができる。
また、上記捕集凹部は、上記一対の検出電極の並び方向と直交する平面における断面形状が円弧状をなしていることが好ましい。円弧状断面を有する上記捕集凹部においては、その内周面の形成角度が徐々に変化していく。そのため、複数の方向から衝突する上記粒子状物質を効率良く捕集することができる。
また、上記被堆積部には、上記捕集凹部が複数形成されていることが好ましい。この場合には、複数の上記捕集凹部を形成することで捕集量を増大させることができる。これにより、上記粒子状物質検出センサにおける捕集効率を向上し、その検出感度をより向上させることができる。
(実施例1)
上記粒子状物質検出センサにかかる実施例について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すごとく、粒子状物質検出センサ1は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の量を検出する素子本体部10を備えている。素子本体部10の先端面には、粒子状物質の一部を堆積させる被堆積部13と、被堆積部13に配置された少なくとも一対の検出電極14とを備えている。粒子状物質検出センサ1は、粒子状物質が被堆積部13上に堆積することによる一対の検出電極14間における電気特性の変化に応じて電気信号の出力を変化させるように構成されている。被堆積部13には、被堆積部13の形成された端面から窪んだ捕集凹部131が形成されている。
以下、さらに詳細に説明する。
本例の粒子状物質検出センサ1は、自動車に搭載された内燃機関から、排気管を通じて排出される排ガスに含まれる粒子状物質を検出するためのものである。粒子状物質検出センサ1によって得られた情報を基に、排ガス浄化装置の故障検知を行う。
図4に示すごとく、粒子状物質検出センサ1は、素子本体部10と保護カバー2とこれらを保持するハウジング部材(図示略)とを有している。
図1及び図2に示すごとく、素子本体部10は、排ガス中の粒子状物質を堆積させる被堆積部13を先端面に備えた略棒状をなしている。被堆積部13は、絶縁性材料からなる9つの絶縁部材12と、絶縁部材12の間に配置された8つの検出電極14とを有している。
絶縁部材12と検出電極14の数は上記に限定されず、検出電極14は2以上であればよく、絶縁部材12は検出電極14の個数+1個であればよい。なお、検出電極14が複数対設けられている場合には、粒子状物質検出センサ1の出力電流は、各対の検出電極14間に流れる出力電流の総和となる。それゆえ、検出電極14の対が多いほど、検出感度が向上する。
図2及び図3に示すごとく、絶縁部材12は、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリアなどのセラミック材料を平板状に形成してなる。検出電極14は、焼成前の絶縁部材12の一面に白金ペースト、銅ペースト、銀ペースト等の導電性ペーストを用いたスクリーン印刷により形成されている。検出電極14の形成方法は上記に限定されず、グラビア印刷やインクジェット印刷など電極パターンを形成できる方法であればよい。この検出電極14が形成された絶縁部材12を積層した後、焼成することにより、絶縁部材12と検出電極14とを交互に積層した積層部11が形成される。
積層部11の作製方法は上記に限定されず、例えば、図2に示す絶縁部材12複数個分の大きさの絶縁部材の上に複数の検出電極14を形成し、この検出電極14が形成された絶縁部材を積層した後、切断加工により複数個のピースに分断し、各ピースを焼成することにより、積層部11を形成してもよい。これにより、粒子状物質検出センサ1を複数製造する場合の工程の数を省略することができる。
積層部11においては、正極と負極とが交互に配置されており、隣り合う検出電極14同士が一対の検出電極14を形成している。被堆積部13は、粒子状物質検出センサ1の軸方向における先端側に配置された先端面に、検出電極14の端部近傍を露出して形成されている。
また、被堆積部13が形成された先端面には、先端面から窪んだ捕集凹部131が形成されている。捕集凹部131は、積層部11の積層方向及び軸方向の両方と直交する幅方向において、両端部から中央に向かうにつれて、基端側に向かって傾斜した2つの傾斜面132によって形成されており、この2つの傾斜面132に検出電極14が露出している。図3に示すごとく、本例の捕集凹部131は、絶縁部材12を積層して焼成した後、先端面に切削加工を施して形成される。
また、捕集凹部131の形成方法は上記に限定されず、例えば、検出電極14が形成された積層前の絶縁部材12の状態で打ち抜きや切断加工によって形成してもよく、積層後、焼成前に切断加工あるいは切削加工等によって形成してもよい。
ただし、好ましくは焼成後に形成することで、絶縁部材12と検出電極14との焼成収縮差等によって生じる捕集凹部131のうねりや歪みなどを同時に補正することができる。
粒子状物質検出センサ1の被堆積部13において、検出電極14に捕集電圧を印加すると、検出電極14の周囲に電界が形成され、粒子状物質が検出電極14へと引き寄せられる。検出電極14に付着した粒子状物質は、検出電極14の表面を移動し、一対の検出電極14の間に堆積する。そして、被堆積部13に堆積した粒子状物質によって、被堆積部13に露出した一対の検出電極14が導通し、一対の検出電極14の間における電気抵抗値が低下する。検出電極14間の電気抵抗値の変化に伴い、検出電極14間を流れる電気信号としての電流量が変化する。これにより、粒子状物質検出センサ1から出力される電流値が変化する。つまり、粒子状物質検出センサ1から出力される電流値は、被堆積部13における粒子状物質の堆積量に応じて変化するものであり、粒子状物質の堆積量に関する情報を有するものである。この電流値を用いることで被堆積部13における粒子状物質の堆積量を検出することができる。本例において、素子本体部10において検出された電流は、シャント抵抗を備えたコントロールユニットへと出力され、コントロールユニットは、電流値とシャント抵抗の積で算出される電圧を出力する。この電圧が粒子状物質検出センサ1の出力となる。
図4に示すごとく、保護カバー2は、内側カバー21と、内側カバー21の外周側に配設された外側カバー22とを有している。
内側カバー21は、素子本体部10を囲む円筒状の内側壁部211と、内側壁部211の先端に形成された内側底部212とを有している。内側カバー21は、ハウジング部材の先端面にかしめて固定されている。
内側壁部211には、内側導入孔214が形成されている。内側導入孔214の内径は円形をなしており、軸方向から見たとき、内側壁部211の円周方向に等間隔となるように形成されている。また、内側導入孔214は、素子本体部10の被堆積部13よりも先端側の位置に形成されている。
内側底部212の中心には、軸方向に貫通形成された内側排出孔215が形成されている。
外側カバー22は、保護カバー2を囲む円筒状の外側壁部221と、外側壁部221の先端に形成された外側底部222とを有している。外側カバー22は、ハウジング部材の先端面に内側カバー21と共にかしめて固定されている。
外側壁部221には、外側導入孔224が形成されている。外側導入孔224の内径は円形をなしており、軸方向から見たとき、外側壁部221の円周方向に等間隔となるように形成されると共に、各外側導入孔224と各内側導入孔214とは、径方向に重なる位置に形成されている。また、外側導入孔224は、内側導入孔214よりも先端側の位置に形成されている。
外側底部222の中心には、軸方向に貫通形成された外側排出孔225が形成されている。
本例の粒子状物質検出センサ1においては、複数の外側導入孔224から導入された排ガスGは、導入方向を変化させた後、内側導入孔214から内側カバー21の内側に導入されるよう構成されている。すなわち、排気管内を流通する排ガスの流通方向に沿うように外側導入孔224から外側カバー22の内側へと流入した排ガスは、内側カバー21の内側壁部211に衝突することで、内側壁部211に沿うように導入方向を変化させる。そして、内側カバー21と外側カバー22との間の空隙を流通して、内側導入孔214から内側カバー21の内側へと流入する。このとき、内側カバー21内に流入する排ガスの流れの中に、被堆積部13を配置しており、被堆積部13に向かう排ガスの流れが形成されている。
次に本例の作用効果について説明する。
粒子状物質検出センサ1は、捕集凹部131を備えている。そのため、被堆積部13に衝突する粒子状物質を効率よく捕集することができる。
すなわち、捕集凹部131内に入り込んだ粒子状物質が、捕集凹部131の内周面に衝突し跳ね返ったとしても、捕集凹部131は素子本体部10の端面から窪むように形成されていることから、跳ね返った粒子状物質が再度、捕集部の内周面に衝突しやすい。このとき、粒子状物質の衝突速度は、最初に捕集凹部131に衝突した際に減速する。そのため、跳ね返った粒子状物質が再度捕集凹部131の内周面に衝突する際には、捕集凹部131の内周面に付着しやすい。したがって、捕集凹部131を設けることにより被堆積部13における捕集効率を向上させることができる。
また、被堆積部13の周囲を覆う保護カバー2を有しており、保護カバー2には、排ガスを導入するための導入孔が貫通形成されており、導入孔を通じて排ガスを導入することにより、捕集凹部131に向かう排ガスの流れを形成するよう構成されている。そのため、被堆積部13に粒子状物質を含む排ガスを効率良く供給することができる。また、排ガスの流通方向が決まるため、この流通方向に合わせて捕集凹部131を形成することにより、さらに捕集効率を向上させることができる。
また、複数の検出電極14と電気絶縁性を有する複数の絶縁部材12とを交互に積層した積層部11を有しており、積層部11の先端面に、被堆積部13及び検出電極14が形成されている。そのため、検出電極14間の距離を容易に短縮し、検出感度が優れた粒子状物質検出センサ1を容易に製造することができる。
以上のごとく、本例によれば、粒子状物質の検出感度を向上させることができる粒子状物質検出センサ1を提供することができる。
(実施例2)
本例は、図5に示すごとく、実施例1の粒子状物質検出センサ1における構造を一部変更した例を示すものである。
本例の粒子状物質検出センサ1において、被堆積部13に形成された捕集凹部131は、積層方向と直交する断面における断面形状が円弧形状となる曲面をなしている。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
捕集凹部131は、一対の検出電極14の並び方向と直交する平面における断面形状が円弧状をなしている。円弧状断面を有する捕集凹部131においては、その内周面の角度が徐々に変化していく。そのため、複数の方向から衝突する粒子状物質を効率良く捕集することができる。これにより、粒子状物質の検出感度を一層向上させることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図6に示すごとく、実施例1の粒子状物質検出センサ1における構造を一部変更した例を示すものである。
本例の粒子状物質検出センサ1において、被堆積部13には、3つの捕集凹部131が形成されている。各捕集凹部131は、先端面から基端側に窪んだ位置に形成された凹部底面133と、先端面と凹部底面133とを繋ぐように形成された一対の凹部側面134とを有している。
検出電極14は、捕集凹部131の内側に形成された内側電極部142と、捕集凹部131以外の被堆積部13に形成された外側電極部141とを有している。
本例において、内側電極部142は、素子本体部10の先端面(被堆積部13)に設けられた捕集凹部131の内側に形成されている。内側電極部142は、捕集凹部131の凹部底面133及び一対の凹部側面134に形成されている。
また、外側電極部141は、素子本体部10の先端面(被堆積部13)における、捕集凹部131を設けていない位置に形成されている。すなわち、外側電極部141は、3つの捕集凹部131のうち、隣り合う捕集凹部131の間、および、両端の捕集凹部131の外側に存在する、素子本体部10の先端面に形成されている。内側電極部142と外側電極部141とは電気的に接続されている。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例の粒子状物質検出センサ1は、捕集凹部131の外側において、粒子状物質を検出すると共に、粒子状物質の捕集効率が高い捕集凹部131内に内側電極部142を形成することにより、検出感度を向上させることができる。
また、被堆積部13に捕集凹部131を複数形成することで、粒子状物質における捕集効率を向上し、その捕集効率をより向上させることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
また、実施例1〜実施例3の粒子状物質検出センサ1において、捕集凹部131は、積層方向において一様な断面形状をなしているが、例えば、粒子状物質検出センサ1の中心軸を中心として、断面形状を回転させた略椀状の捕集凹部131を形成してもよい。
また、実施例1〜実施例3の粒子状物質検出センサ1において、捕集凹部131の端縁の外側角部、及び捕集凹部131内の内側角部に、R面、C面等の面取り加工を施すことが好ましい。例えば、外側角部又は内側角部にR面を設ける場合、その面取り寸法を、R0.01〜R1.0(すなわちR面取り寸法0.01mm〜1.0mm)とすることができる。また、例えば、外側角部又は内側角部にC面を設ける場合、その面取り寸法を、C0.01〜C1.0(すなわちC面取り寸法0.01mm〜1.0mm)とすることができる。
これにより、衝突物や急激な温度変化による応力への耐性を向上させることができる。また、望ましくは焼成前に上記の加工を行うことで、焼成時における割れ、欠け等を抑制することができる。
(比較試験)
本試験においては、実施例1〜実施例3の粒子状物質検出センサ1と、捕集凹部131が形成されていない従来の粒子状物質検出センサとの検出感度を比較した。
従来の粒子状物質検出センサとしては、実施例1において、捕集凹部131を形成する前の状態の粒子状物質検出センサ(図3参照)を用いている。すなわち、従来の粒子状物質検出センサは、被堆積部が軸方向に直交する平坦面によって形成されている。尚、従来の粒子状物質検出センサは、捕集凹部131が形成されていないことを除いて、実施例1の粒子状物質検出センサ1と同様の構造を有している。
比較試験の試験条件は、粒子状物質近傍における温度が200℃、粒子状物質濃度が3mg/m3の排ガスを、流速20m/s及び流速50m/sにて流通させた際の不感質量を計測した。尚、不感質量は、粒子状物質検出センサ1において、出力信号が変化するまでの間に排出される粒子状物質の総量を示すものである。
Figure 0006441161
表1は、比較試験の結果を示すものである。表1に示すごとく、従来の粒子状物質検出センサにおける不感質量は、流速20m/sにおいては34mgとなり、流速50m/sにおいては50mgであった。また、実施例1の粒子状物質検出センサ1における不感質量は、流速20m/sにおいては28mgとなり、流速50m/sにおいては35mgであった。このように、実施例1の粒子状物質検出センサ1は、排ガスの流速が20m/s及び50m/sのいずれにおいても、従来の粒子状物質検出センサよりも不感質量が少なくなることが確認された。また、実施例1の粒子状物質検出センサ1は、排ガスの流速を変化させた際の不感質量の変化量も従来の粒子状物質検出センサよりも小さいことが確認された。これにより、実施例1の粒子状物質検出センサ1においては、排ガスの流速が増大した場合にも、被堆積部13における粒子状物質の跳ね返りを防止し、捕集効率を向上させることができる。
また、表1に示すごとく、実施例2の粒子状物質検出センサ1における不感質量は、実施例1の粒子状物質検出センサ1における不感質量よりも少なく、実施例3の粒子状物質検出センサ1における不感質量は、実施例2の粒子状物質検出センサ1における不感質量よりも更に少ない。この傾向は、排ガスの流速が20m/sである場合においても50m/sである場合においても同様である。さらに、排ガスの流速を変化させた際の不感質量の変化量についても、実施例1よりも実施例2、実施例2よりも実施例3の方が小さい。
以上の結果から、実施例1〜3の粒子状物質検出センサ1は、従来の粒子状物質検出センサに比べて、検出感度に優れていることが分かる。そして、実施例1よりも実施例2の粒子状物質検出センサ1の方が、検出感度に優れ、さらに実施例2よりも実施例3の粒子状物質検出センサ1の方が、検出感度に優れていると考えられる。
1 粒子状物質検出センサ
10 素子本体部
13 被堆積部
131 捕集凹部
14 検出電極

Claims (9)

  1. 内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の量を検出する素子本体部(10)と、
    該素子本体部(10)に形成され、上記粒子状物質の一部堆積する被堆積部(13)と
    該被堆積部(13)に配置され、所定間隔をおいて互いに対向した、少なくとも一対の検出電極(14)とを備え、
    上記粒子状物質が上記被堆積部(13)上に堆積することによる上記一対の検出電極(14)間における電気特性の変化に応じて電気信号の出力を変化させるように構成されており、
    上記被堆積部(13)は、凹状に形成された捕集凹部(131)を備え、
    該捕集凹部(131)は、該捕集凹部(131)の深さ方向に直交する隣接方向において互いに隣り合う、第1検出面と第2検出面との一対の検出面を有し、個々の該検出面は、その法線ベクトルの、上記隣接方向における成分が互いに逆向きになっており、
    上記深さ方向から見たときに、個々の上記検出電極(14)は、上記第1検出面から上記第2検出面に渡って上記隣接方向に延出しており、上記一対の検出電極(14)は、上記隣接方向と上記深さ方向との双方に直交する直交方向において、互いに対向するよう配されている、粒子状物質検出センサ(1)。
  2. 上記第1検出面と上記第2検出面とは、それぞれ平面状に形成され、所定の角度で交差するよう構成されている、請求項1に記載の粒子状物質検出センサ(1)。
  3. 上記第1検出面と上記第2検出面とは、連結して一つの円弧状の曲面をなしている、請求項1に記載の粒子状物質検出センサ(1)。
  4. 上記第1検出面と上記第2検出面とは、それぞれ平面状に形成され、上記隣接方向に直交している、請求項1に記載の粒子状物質検出センサ(1)。
  5. 内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の量を検出する素子本体部(10)を備えており、
    該素子本体部(10)の端面の1つには、上記粒子状物質の一部を堆積させる被堆積部(13)と、該被堆積部(13)に配置された少なくとも一対の検出電極(14)とを備え、
    上記粒子状物質が上記被堆積部(13)上に堆積することによる上記一対の検出電極(14)間における電気特性の変化に応じて電気信号の出力を変化させるように構成されており、
    上記被堆積部(13)には、該被堆積部(13)の形成された端面から窪んだ捕集凹部(131)が形成されており、
    複数の上記検出電極(14)と電気絶縁性を有する複数の絶縁部材(12)とを交互に積層した積層部(11)を有しており、該積層部(11)の端面に、上記被堆積部(13)及び上記検出電極(14)が形成されていることを特徴とする粒子状物質検出センサ(1)。
  6. 上記検出電極(14)は、上記捕集凹部(131)の内側に形成された内側電極部(142)と、上記捕集凹部(131)以外の上記被堆積部(13)に形成された外側電極部(141)とを有しており、該外側電極部(141)と上記内側電極部(142)とは、電気的に接続されていることを特徴とする請求項に記載の粒子状物質検出センサ(1)。
  7. 上記被堆積部(13)の周囲を覆う保護カバー(2)を有しており、該保護カバー(2)には、排ガスを導入するための導入孔(214、224)が貫通形成されており、該導入孔(214、224)を通じて排ガスを導入することにより、上記捕集凹部(131)に向かう排ガスの流れを形成するよう構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の粒子状物質検出センサ(1)。
  8. 上記捕集凹部(131)は、円弧形状の曲面をなしていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の粒子状物質検出センサ(1)。
  9. 上記被堆積部(13)には、上記捕集凹部(131)が複数形成されていることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の粒子状物質検出センサ(1)。
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