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JP6339212B2 - 電子モジュール - Google Patents

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JP6339212B2
JP6339212B2 JP2016550084A JP2016550084A JP6339212B2 JP 6339212 B2 JP6339212 B2 JP 6339212B2 JP 2016550084 A JP2016550084 A JP 2016550084A JP 2016550084 A JP2016550084 A JP 2016550084A JP 6339212 B2 JP6339212 B2 JP 6339212B2
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Description

本発明は、実装電極が配置された溝部を側面に有する絶縁基板を含む電子モジュールに関するものである。
LD(半導体レーザーダイオード)、LED(発光ダイオード)、PD(フォトダイオード)、イメージセンサ等の光半導体素子を含む受発光素子等の電子部品を搭載する配線基板として、次のようなものが多用されている。
すなわち、四角板状等の絶縁基板と、絶縁基板の主面または側面等に設けられた、電子部品と回路基板とを電気的に接続するための実装電極を含む配線導体とを有するものが多用されている。
例えば、この絶縁基板の主面に設けられた搭載部に電子部品が搭載される。搭載された電子部品は、搭載部から実装電極にかけて設けられた配線導体の一部に接続され、配線導体を介して実装電極と電気的に接続される。また、電子部品と外部電子回路との間で双方向に光信号を送受信するためのレンズおよびコネクタ部を有する接合体が絶縁基板に接合される場合もある。そして、実装電極と回路基板上の接続回路部とがはんだ等の導電性の接合材によって互いに電気的に接続されれば、電子モジュール(光電変換モジュール等)となる。
特開2003−8066号公報 特開2001−77407号公報 特開平10−41540号公報
近年、電子部品の小型化に伴い、配線基板の小型化、高密度化が進んでおり、実装電極の面積が小さくなってきている。さらに、電子モジュールにおいては、絶縁基板の側面に実装電極を設けて、絶縁基板の側面を接続回路部が設けられた回路基板の主面に対向するように実装する、いわゆる側面実装が用いられる傾向がある。この際は、絶縁基板の側面の実装電極と回路基板の接続回路部とが互いに対向し合い、はんだ等の接合材を介して互いに接続される。
側面実装の例は、例えば上記特許文献1〜3に記載されている。この場合には、絶縁基板の側面に溝部が設けられ、この溝部内に実装電極が配置される。この実装電極が回路基板に対向して接続回路部に接続される。そして、この絶縁基板の側面が回路基板の主面に対向するように実装されて電子モジュールが形成される。
電子装置が側面実装で回路基板に実装される場合には、絶縁基板の比較的面積の小さい側面に実装電極が配置されるため、実装電極の小型化の影響がさらに顕著になる。そのため、例えば絶縁基板と回路基板との間に生じる熱応力に対して、実装電極と回路基板の接続回路部との接続の信頼性の向上がさらに重要な課題になってきている。
本発明の1つの態様による電子モジュールは、受発光素子が実装された第1主面および該第1主面に直交する側面を有する絶縁基板、内部を通る光伝送路の端部が配置された端面および該端面に直交する側面を有し、前記光伝送路の端部が前記受発光素子に対して位置合わせされた状態で前記端面が前記絶縁基板の前記第1主面に対向して該第1主面に接合されて、前記側面が前記絶縁基板の前記側面とともに連続して1つの側面を形成している接合体、ならびに前記絶縁基板の前記第1主面に直交する厚み方向に延びるように前記1つの側面に設けられた溝部の内側面に配置された実装電極を含む電子装置と、外部主面を有する基板本体および該基板本体の前記外部主面に設けられた接続回路部を有する回路基板と、前記電子装置の前記1つの側面を前記回路基板の前記外部主面に対向させた状態で前記実装電極と前記接続回路部とを接続して前記電子装置を前記回路基板に実装する接合材とを備え、前記実装電極の前記接合体側の端部が、前記溝部の前記接合体側の端部よりも前記絶縁基板側に位置しており、前記溝部内の前記接合体側に前記接合材のフィレットが形成されていることを特徴とする。
本発明の1つの態様による電子モジュールによれば、上記構成を有していることから、電子装置の1つの側面の溝部内において、実装電極から回路基板の接続回路部にかけて接合材の接合体側の端部にフィレットが確実に形成されている。このフィレットによって、例えば熱応力が緩和される。したがって、電子装置と回路基板との接続信頼性の向上に対して有効な電子モジュールを提供することができる。
(a)は本発明の第1の実施形態の電子モジュールにおける断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は図1の電子モジュールの斜視図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は図1に示す電子モジュールのうち絶縁基板および実装電極を第1主面側から見た平面図であり、(b)は(a)の斜視図である。 (a)は図3の変形例における絶縁基板を第2主面側から見た平面図であり、(b)は(a)の斜視図である。 (a)は図1に示す電子モジュールの変形例を示す断面図であり、(b)は他の変形例を示す断面図である。 (a)は本発明の第2の実施形態の電子モジュールにおける断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は本発明の第3の実施形態の電子モジュールにおける断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は本発明の第4の実施形態の電子モジュールにおける断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)および(b)は図1の電子モジュールの変形例を示す断面図であり、(c)は図7の電子モジュールの変形例を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態の電子モジュールにおける断面図である。 (a)は図10に示す電子モジュールのうち絶縁基板および実装電極を第1主面側から見た平面図であり、(b)は(a)の斜視図である。
本発明の実施形態の電子モジュールについて、添付の図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の第1の実施形態の電子モジュールにおける断面図であり、図1(b)は図1(a)の要部拡大図である。また、図2(a)は図1の電子モジュールの斜視図であり、図2(b)は図2(a)の要部拡大図である。また、図3(a)は、図1に示す電子モジュールのうち絶縁基板および実装電極を第1主面側から見た平面図であり、図3(b)はその斜視図である。
受発光素子40が搭載された絶縁基板1の第1主面11と、受発光素子40に対する信号の伝送路(後述)を含む接合体21の端面22とが接合されて、電子装置20が形成されている。絶縁基板1には外部接続用の実装電極2が設けられている。電子装置20が回路基板31に実装され、実装電極2と回路基板31の接続回路部32とが互いに電気的に接続されて、電子モジュール30が形成されている。例えば、信号の伝送路としての光伝送路24を介して電子装置20に送受信される光信号が受発光素子40で処理(光電変換)される。光信号が処理されて生じた電気信号について、電子装置20と回路基板31との間で送受信が行なわれる。なお、図1(a)においては、光伝送路24との間で光信号のやりとりを良好に行なえるように、受発光素子40をレンズ状に成形した透明な樹脂で封止した例を示している。
絶縁基板1は、溝部3を含む側面13を有している。溝部3は、絶縁基板1の厚み方向(第1主面11に直交する方向)に延びるように形成されている。この溝部3内に実装電極2が配置されている。なお、図1は、側面13が現れない溝部3の位置における断面図であるため、側面13の位置が破線の引出線で示されている。
絶縁基板1の第1主面11には凹部4が設けられている。この凹部4の底面に受発光素子40がろう材等によって固定されている。第1主面11は、凹部4内に受発光素子40が収容されるときには上向きであり、このときには側面13に対して直交する上面とみなすことができる。すなわち、この受発光素子40が搭載された絶縁基板1は、いわゆる側面実装用のものである。
接合体21は、光信号の伝送路(光伝送路24)を有し、これを受発光素子40に対して位置合わせして配置する機能を有している。光伝送路24は、例えば光ファイバーであり、接合体21の端面22から受発光素子40と反対方向に延びるように設けられている。この場合の光ファイバーは、例えばその一端が接合体21の端面22に位置し、この一端とは反対側の他端が外部電子機器に搭載された光学素子に光学的に接続される。これによって、例えば外部電子機器と受発光素子40との間で光信号の送受が可能になる。
すなわち、接合体21は、内部を通る光伝送路24の端部24aが配置された端面22および端面22に直交する側面23を有している。また、光伝送路24の端部24aが受発光素子40に対して位置合わせされた状態で、端面22が絶縁基板1の第1主面11に対向して第1主面11に接合されている。また、接合体21の側面が、絶縁基板1の側面13とともに連続して1つの側面Aを形成している。
上記のように、電子装置20において、絶縁基板1の側面13と、接合体21の側面23とが1つの平面(1つの側面A)として互いにつながっている。この1つの側面Aが、後述する回路基板31への実装に際して回路基板31に対向するように配置されている。
回路基板31は、例えば、電子装置20との間で送受される電気信号等の信号を、回路基板31に搭載される演算または記憶等の種々の処理が行なわれる能動素子を含む種々の電子部品(図示せず)に伝送する部分である。回路基板31は、電気絶縁性の基板本体31aと、基板本体31aの主面のうち電子装置20に対向する主面(外部主面)33に設けられた接続回路部32とを有している。
電子装置20の1つの側面Aと回路基板31の外部主面33とが互いに対向し合うように配置され、実装電極2と接続回路部32とが互いに電気的に接続されることによって、電子装置20が回路基板31に実装された電子モジュール30が構成されている。
実装電極2と接続回路部32との電気的な接続は、両者がはんだ等の導電性の接合材41で互いに接合されることによって行なわれている。この電子モジュール30において、実装電極2の接合体21側の端部が、溝部3の接合体21側の端部よりも絶縁基板1側に位置している。すなわち、1つの側面Aに直交する方向から見たときに、実装電極2のうち接合材41が接合されている部分の端の位置と、接続回路部32のうち接合材41が接合されている部分の端の位置とが互いにずれている。このずれの方向は、溝部3内において実装電極2と接合体21の端面22とが互いに離れる方向である。実装電極2と接合体21の端面22とが互いに離れた間に、溝部3内において空間(符号なし)が生じている。この空間において、溝部3内の接合体21側に接合材41のフィレットFが形成されている。言い換えれば、実施形態の電子モジュール30は、溝部3において接合材41にフィレットFの形成が可能になるような空間が形成されている。
実施形態の電子モジュール30では、上記のように接合材41にフィレットFが形成されているため、接合材41の端部において熱応力が緩和される。そのため、実装電極2と接続回路部32との接続信頼性が向上する。したがって、電子装置20と回路基板31との接続信頼性等の向上に対して有効な電子モジュール30を提供することができる。
この電子モジュール30は、例えば接合体21の光伝送路24を通って送受される光信号と接続回路部32を通って送受される電気信号との光電変換処理が受発光素子40で行なわれる光電変換部材(光電変換モジュール)とみなすこともできる。この場合の受発光素子40としては、例えばフォトダイオードのような光信号から電気信号への変換素子、つまり受光素子、およびVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザー)等の半導体レーザーおよび発光ダイオードのような電気信号から光信号への変換素子、つまり発光素子が挙げられる。
接合体21の光伝送路24は、光信号を伝送するものであり、屈折率の高い材料を用いた中心部(コア)と屈折率の低い材料を用いた被覆部(クラッド)とからなる。コアに入射した光は、コアとクラッドとの境界で全反射しながらコア内を伝播する。具体的には、例えば光ファイバーまたは光導波路である。光導波路とは、例えば石英またはポリマーを材料としたコアを基板上に形成し、コアの周りにクラッドを形成することによって作製された、板状またはシート状の平面型光伝送路である。また、接合体21の本体(符号なし)は、光ファイバーおよび光導波路等の光伝送路24を保持するとともに、この光伝送路24を絶縁基板1に実装された受発光素子40に対して位置決め固定するための保持部材(光コネクタ)として機能する。光配線の場合には、光が方向性を有しているため、その伝播方向を所望の位置に導く必要がある。そのため、光コネクタ(接合体21の本体)には位置決め用のガイドピン、あるいはマイクロレンズが内蔵される場合もある。受発光素子40は、絶縁基板1の第1主面11に設けられた凹部4の底部に固定されている。この光伝送路24(特に端部24a)の受発光素子40に対する位置決め固定のため、接合体21(本体)の端面22が絶縁基板1の第1主面11に接合されている。接合体21(本体)の端面22と絶縁基板1の第1主面11との接合は、例えばエポキシ樹脂等の接着剤によって行なわれている。また接合体21にガイドピン等を設けている場合は、絶縁基板1の第1主面11から第2主面12にかけてガイド穴を設けて位置合わせ精度を向上させる場合もある。
上記の電子モジュール30について、その製造方法の一例を説明する。
絶縁基板1は、例えばガラスセラミック焼結体、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体または窒化ケイ素質焼結体等のセラミック材料、またはエポキシ樹脂等の樹脂材料等によって形成されている。
図1に示す例では、セラミック材料からなる複数の絶縁層(符号なし)が互いに積層されて絶縁基板1が形成されている。このような絶縁基板1は、例えば各絶縁層がガラスセラミック焼結体からなる場合であれば、まず、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等の原料のガラス粉末およびセラミック粉末を有機溶剤およびバインダとともにシート状に成形して複数のセラミックグリーンシートを作製する。次に、これらのセラミックグリーンシートを積層して作製した積層体を約900〜1000℃程度の温度で焼成する。以上の工程によって、ガラスセラミック焼結体からなる絶縁基板1を作製することができる。
また、上記の工程において、複数のセラミックグリーンシートのうち一部のセラミックグリーンシートに打ち抜き加工を施して枠状シートに加工する。この枠状シートを他のセラミックグリーンシート上に積層することによって、凹部4を有する絶縁基板1を作製することができる。
溝部3は、例えば絶縁基板1となるセラミックグリーンシートまたはその積層体のうち1つの側面Aとなる部分に機械的な打ち抜き加工または研削加工等を施した後に、焼成することによって形成することができる。また、このような絶縁基板1となる複数の基板領域が母基板に配列された多数個取り基板(図示せず)の形態で、複数の絶縁基板1をまとめて作製するようにしてもよい。この場合には、基板領域の境界に貫通孔を形成しておくことによって、溝部3を形成することができる。つまり、母基板の分割後に、基板領域の境界の貫通孔が個片の絶縁基板1の側面13に溝部3になって残る。また、貫通孔は、例えば焼成前の母基板に金型等による機械的な打ち抜き加工またはレーザ加工等の孔あけ加工を施すことによって形成することができる。
実装電極2は、例えば銅、銀、パラジウム、金、白金、タングステン、モリブデン、ニッケルまたはコバルト等の金属材料によって形成されている。また、実装電極2は、これらの金属材料の1種または複数種を主成分として含む合金材料によって形成されていてもよい。これらの金属材料は、例えばメタライズ法、めっき法または蒸着法等の方法で絶縁基板1の溝部3の内側面に被着させることができる。
実装電極2について、例えばメタライズ法で絶縁基板1に被着された銅からなる場合であれば、次のようにして形成することができる。まず、銅の粉末を有機溶剤およびバインダ等とともに混練して作製した金属ペーストを作製する。次に、この金属ペーストを絶縁基板1となるセラミックグリーンシートの溝部3の内側面にスクリーン印刷法等の方法で所定パターンに塗布する。その後、これらを同時焼成することによって、絶縁基板1に実装電極2を形成することができる。なお、図1に示す例の場合は、金属ペーストを絶縁基板1の第1主面11近傍にまで形成する必要がない。そのため、金属ペーストが絶縁基板1の第1主面11に塗布されることが抑制される。これによって、絶縁基板1の第1主面11の平坦度を高くすることができ、絶縁基板1の第1主面11と接合体21の端面22との接合を確実に行なうことができる。
また、絶縁基板1には、受発光素子40と実装電極2とを電気的に接続する配線導体(図示せず)が形成されている。配線導体は、例えば凹部4の底面から側面13にかけて、絶縁基板1の内部等を通って設けられている。配線導体のうち凹部4の底面に位置する部分が受発光素子40接続用のパッドとして機能する。受発光素子40とパッドとは、例えばボンディングワイヤまたははんだバンプ等の導電性接続材(図示せず)によって互いに電気的に接続されている。また、配線導体のうち絶縁基板1の側面13に位置する部分が実装電極2に直接に接続される。これによって、受発光素子40と実装電極2とが互いに電気的に接続されている。
配線導体も、例えば実装電極2と同様の金属材料を用い、同様の方法で形成することができる。なお、実装電極2および配線導体は、絶縁基板1の外表面に露出した部分がニッケルめっき層および金めっき層等のめっき層で被覆されていても構わない。めっき層は、例えば絶縁基板1に受発光素子40を収容して固定する前に、電気めっき法等のめっき法で上記露出した部分に被着させることができる。
上記のようにして作製した絶縁基板1等に対する受発光素子40の実装は、例えば前述したように凹部4の底面に受発光素子40をろう材または熱伝導性樹脂等(図示せず)で固定することによって行なわれている。例えば、まず、ろう材のペーストまたはシート等で受発光素子40を凹部4の底面に位置決め載置する。その後、このろう材をいったん溶融させた後に冷却固化させることによって、凹部4の底面に受発光素子40を固定することができる。この受発光素子40を上記のように導電性接続材で配線導体等に電気的に接続することによって、受発光素子40の実装が行なわれる。
また、受発光素子40が実装された絶縁基板1と接合体21との接合は、例えば上記のような材料および方法(接着剤による接合等)で行なうことができる。これによって電子装置20を作製することができる。
回路基板31は、例えば、ガラス繊維の布にエポキシ樹脂を含浸させ熱硬化処理を行なって板状にした材料(基板本体31a)と、接続回路部32等の回路導体(回路導体全体は図示せず)となる銅箔等とで作製されたプリント基板である。
接合材41は、前述したようなはんだ等の接合用の材料であり、例えばスズ−銀はんだ、スズ−銀−銅はんだ、スズ−鉛はんだ(いわゆる共晶はんだ)等が挙げられる。また、接合材41は、はんだに限らず導電性接着剤、異方導電性接着剤等の他の導電性の接合材であってもよい。
回路基板31に対する電子装置20の実装は、例えば接合材41としてはんだを用いる場合であれば、次のようにして行なう。まず、はんだペーストを介して電子装置20の実装電極2と回路基板31の接続回路部32とを互いに対向させて位置合わせする。その後、はんだペーストを加熱溶融させた後に冷却固化させる。これによって電子装置20の実装を行なうことができる。この接合材41の溶融時の表面張力によって、溶融した接合材41のうち接続回路部32の接合体21側の端部から実装電極2の接合体21側の端部にかけてフィレットFが形成される。つまり、前述したように溝部3内に空間が存在するため、溶融した接合材41の接合体21側の端部に容易にフィレットFが形成される。
なお、この実施形態において、溝部3は、電子装置20の1つの側面Aのうち絶縁基板1の側面13のみに設けられている。言い換えれば、溝部3は電子装置20の1つの側面Aのうち接合体21の側面23には設けられていない。この場合には、絶縁基板1の側面13のみに溝部3を形成する加工を施せばよいため、電子装置20としての生産性を高くする上ではより有利である。
また、この実施形態において、溝部3が、絶縁基板1の側面13に、絶縁基板1の厚み方向の全長にわたって設けられている。この場合には、実装電極2の接合材41が接合される面積を十分に大きく確保することが容易である。そのため、接合材41を介した実装電極2と接続回路部32との接合の強度を高めることもでき、実装信頼性の向上の点でもより有利である。
また、この実施形態において、絶縁基板1が第1主面11と反対側の第2主面12を有しているとともに、その第2主面12まで実装電極2が延在している。この場合には、実装電極2の接合材41が接合される面積をさらに大きく確保することができ、接合材41を介した実装電極2と接続回路部32との接合の強度をさらに高めることができる。これによって、電子装置20と回路基板31との接続信頼性をさらに高めることもできる。
図4(a)は図3の変形例における絶縁基板1を第2主面12側から見た平面図であり、図4(b)は図4(a)の斜視図である。また、図5(a)は図1に示す電子モジュール30の変形例を示す断面図であり、図5(b)は他の変形例を示す断面図である。すなわち、第1の実施形態の電子モジュール30の変形例および他の変形例を図4および図5に示している。段部12aにおける絶縁基板1の表面は第2主面12の一部であり、絶縁基板1の側面に直交する底面およびその底面に直交する側面を有している。
図4および図5に示す例において、絶縁基板1の第2主面12が、1つの側面A側の外周部に凹状の段部12aを有している。また、溝部3の第2主面12側の端部が段部12a内に位置している。
これらの変形例において、第2主面12まで延在している実装電極2は、その少なくとも一部が段部12a内に位置している。言い換えれば、段部12a内の表面(第2主面12の一部)が実装電極2で覆われている。そのため、例えば段部12aの側面の分、実装電極2のうち第2主面12に延在した部分と接合材41との接合面積をより大きくすることが容易である。したがって、この場合には接合材41と実装電極2との接合面積の増加等に対して有利である。また、段部12aにおいて接合材41にフィレットFFを形成することも容易である。これによって、電子装置20と回路基板31との接続信頼性の向上に対してより有効な電子モジュール30を提供することができる。
実装電極2は、例えば図5(b)に示す例のように、段部12a内における第2主面12の全面を覆うように延在していてもよい。言い換えれば、段部12aの表面の全面が実装電極2で覆われていてもよい。これによって、接合材41と実装電極2との接合面積の増加がより容易になる。そのため、電子装置20と回路基板31との接続信頼性の向上に対してさらに有効な電子モジュール30を提供することができる。
図4および図5に示す例において、溝部3が1つの側面Aに複数個設けられている。また段部12aが第2主面12に複数個設けられている。さらに、段部12aは、1つの溝部3に対して1つが対応するように配置されている。この場合には、段部12aの配置に起因した第2主面12側における絶縁基板1の機械的な強度の低下をより小さく抑えることができる。
また、この場合には、実装電極2に接合される接合材41の第2主面12における広がりが段部12aによって抑制される。そのため、互いに隣り合う実装電極2同士が接合材41の広がりによって電気的に短絡するような可能性がより効果的に低減されている。
段部12aは、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、絶縁基板1となるセラミックグリーンシートに溝部3となる打ち抜き加工等を施すときに、一部のセラミックグリーンシートにおいて打ち抜き寸法を他のものよりも大きくしておく。この打ち抜き寸法がより大きいセラミックグリーンシートを第2主面側に積層して、焼成する。これによって、段部12aを有する絶縁基板1を作製することができる。この場合には、段部12aは、第2主面12から見たときに、他の部分よりも寸法が大きい溝部3の一部とみなすこともできる。
なお、溝部3が1つの側面Aに複数個設けられているときに、例えば、前述した配線導体の配置等の設計上の都合によって、または絶縁基板1としての生産性および経済性等を考慮して、複数の溝部3に対して1つの段部が対応するように配置されていてもよい。言い換えれば、1つの段部内に複数の溝部3の端部が位置している形態(図示せず)でもよい。この場合に、全部の溝部3の端部が1つの段部内に位置している形態(図示せず)でもよい。
図6(a)は本発明の第2の実施形態の電子モジュール30における断面図であり、図6(b)は図6(a)の要部拡大図である。図6において図1〜図3と同様の部位には同様の符号を付している。第2の実施形態の電子モジュール30においては、溝部3が絶縁基板1の側面13に、厚み方向に部分的に設けられている。すなわち、溝部3は、絶縁基板1の側面13のうち第2主面12側の端までは延びているが、第1主面11側の端までは延びていない。これ以外の点においては、第2実施形態の電子モジュール30は第1の実施形態のモジュール30と同様である。これらの同様の点については説明を省略する。
この第2の実施形態の場合には、絶縁基板1の側面13のうち第1主面11側の端における機械的な強度の向上が容易である。そのため、例えば絶縁基板1の第1主面11と接合体21の端面22とが接合されている部分の全域にわたって絶縁基板1の機械的な強度が向上する。この場合には、例えばこれらの接合界面における熱応力等の応力に起因した絶縁基板1のクラック等の機械的な破壊の可能性がより効果的に低減され得る。また、絶縁基板1の第1主面11と接合体21との接合面積を大きくすることができる。そのため、絶縁基板1と接合体21の接合強度が大きくなる。したがって、例えば接合体21が絶縁基板1から部分的に剥離して光軸がずれることを抑制することができる。
図7(a)は本発明の第3の実施形態の電子モジュール30における断面図であり、図7(b)は図7(a)の要部拡大図である。第3の実施形態においては、溝部3の内側面に、厚み方向において実装電極2とは互いに離れている補助実装電極2aが設けられている。また、回路基板31の外部主面33には、補助実装電極2aと対向して設けられた補助接続回路部32aが設けられている。溝部3内において、補助実装電極2aと補助接続回路部32aとが補助接合材42によって互いに接続されている。また、実装電極2と補助実装電極2aとが互いに離れている間に位置して補助接合材42のフィレットFが形成されている。これ以外の点においては、第3実施形態の電子モジュール30は第1の実施形態のモジュール30と同様である。これらの同様の点については説明を省略する。
第3の実施形態の電子モジュール30は、実装電極2および接続回路部32が、互いに離れている複数のパートに分割された例とみなすこともできる。溝部3内において実装電極2と接続回路部32との接合が複数のポイントで行なわれている例とみなすこともできる。
補助実装電極2aおよび補助接続回路部32aについては、例えば前述した配線導体等の信号配線を接続しないこと(いわゆるダミー電極とすること)ができる。この場合には、仮に補助接合材42にクラックが生じたとしても、接合材41にまでクラックが進行しない。そのため、接合材41を介した実装電極2と接続回路部32との電気的な接続(つまり電子装置20と回路基板31との電気的な接続)が維持され、電子モジュール30の機能を維持することができる。また、補助接合材42においてもフィレットFが形成されていることで、補助接合材42にかかる応力が緩和され、クラック等の破断が生じにくくなる。そのため、電子装置20と回路基板31との接続信頼性の向上等においてより有利である。
図8(a)は本発明の第4の実施形態の電子モジュール30における断面図であり、図8(b)は図8(a)の要部拡大図である。第4の実施形態においては、溝部3が絶縁基板1の側面13から接合体21の側面23にかけて設けられている。また、この溝部3のうち接合体21の側面23に位置する部分には実装電極2が設けられていない。また、実装電極2は、絶縁基板1の側面13において溝部3の延びる方向の全長にわたって設けられている。これ以外の点においては、第4実施形態の電子モジュール30は第1の実施形態のモジュール30と同様である。これらの同様の点については説明を省略する。
第4の実施形態の電子モジュール30においては、溝部3の内側面のより広い範囲に実装電極2を設けながら、接合体21側の端部において溝部3内にフィレットF形成のためのスペースを容易に確保することができる。そのため、電子装置20と回路基板31とをより多くの接合材41で接合して接合強度を向上させる上では有利である。この場合も、電子装置20と回路基板31との接続信頼性の向上等においてより有利である。
図9(a)および(b)は図1の電子モジュール30の変形例を示す断面図であり、図9(c)は図7の電子モジュール30の変形例を示す断面図である。これらの変形例においては、実装電極2の形状が図1または図7の例と異なっている。これ以外の点においては、各実施形態の電子モジュール30と同様である。これらの同様の点については説明を省略する。
これらの変形例においては、絶縁基板1の第1主面11と平行な方向において、実装電極2の厚みが一部において他の部分と異なっている。図9(a)の例では、各絶縁層ごとに絶縁層の中央部において厚く、絶縁層の端部において薄くなるように実装電極2が設けられている。図9(b)の例では、凹部4を形成している絶縁層とそれ以外の複数の絶縁層とにおいて(複数の絶縁層が互いに積層された1つの部分積層体とみなしたとき)、それぞれ中央部において厚く、端部において薄くなるように実装電極2が設けられている。図9(c)の例では、実装電極2および補助実装電極2aにおいてそれぞれ中央部が厚く、端部が薄くなるように実装電極2および補助実装電極2aが設けられている。
このように実装電極2(必要に応じて補助実装電極2a)を形成することで、断面視におけるフィレットFの高さをより高くすることが容易になる。また、接合材41と実装電極2とが接する面積をより大きくすることができる。したがって、電子装置20と回路基板31との接合強度を向上させる上でより有利な電子モジュール30とすることができる。
また、接合材41と実装電極2との界面が同一平面上に位置しなくなるため、せん断応力に対する強度も向上する。図9に示した変形例以外でも、絶縁層の厚みが一部において他の部分と異なっていれば、同様な効果が得られる。例えば、実装電極2および補助実装電極2aが絶縁層間において他の部分より厚く設けられている場合である。これらの例において、フィレットFは、実装電極2および補助実装電極2aの第1主面11と平行な方向の端部が他の部分よりも薄く形成されているときには、熱応力に対して、フィレットF部分が変形して緩和することがより容易である。
図10は本発明の第5の実施形態の電子モジュール30における断面図であり、図11(a)は図10に示す電子モジュール30のうち絶縁基板1および実装電極2を第1主面側11から見た平面図であり、図11(b)は図11(a)の斜視図である。第5の実施形態においては、絶縁基板1の第1主面11側から見たときに、溝部3のうち接合体21側の端部3bにおいて他の部分よりも面積が大きい。すなわち、溝部3bの深さ(絶縁基板1の内側に入り込んだ奥行き)が接合体21側でより大きくなっている。この溝部3(3b)の内側面の一部に実装電極2が設けられている。これ以外の点においては、第5実施形態の電子モジュール30は第1の実施形態のモジュール30と同様である。この同様の点については説明を省略する。
第5の実施形態の電子モジュール30においては、上記形態の溝部3(3b)内に実装電極2が形成されているため、第1の実施形態の電子モジュール30よりも接合材41と実装電極2の接合面積が大きくなり、接合材41について高さの高いフィレットFを形成することができるため、電子装置20と回路基板31との接続信頼性の向上等において有利である。
なお、本発明は以上の実施形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、絶縁基板1の第1主面11に直交する厚み方向における溝部3の形状および面積が絶縁基板1の絶縁層ごとに異なっていても構わない。
1・・・絶縁基板
2・・・実装電極
2a・・補助実装電極
3・・・溝部
4・・・凹部
11・・・第1主面
12・・・第2主面
12a・・段部
13・・・(絶縁基板の)側面
20・・・電子装置
21・・・接合体
22・・・端面
23・・・(接合体の)側面
24・・・光伝送路
24a・・(光伝送路の)端部
30・・・電子モジュール
31・・・回路基板
31a・・基板本体
32・・・接続回路部
32a・・補助接続回路部
33・・・外部主面
40・・・受発光素子
41・・・接合材
42・・・補助接合材
A・・・一側面
F・・・フィレット
FF・・(段部における)フィレット

Claims (9)

  1. 受発光素子が実装された第1主面および該第1主面に直交する側面を有する絶縁基板、内部を通る光伝送路の端部が配置された端面および該端面に直交する側面を有し、前記光伝送路の端部が前記受発光素子に対して位置合わせされた状態で前記端面が前記絶縁基板の前記第1主面に対向して該第1主面に接合されて、前記側面が前記絶縁基板の前記側面とともに連続して1つの側面を形成している接合体、ならびに前記絶縁基板の前記第1主面に直交する厚み方向に延びるように前記1つの側面に設けられた溝部の内側面に配置された実装電極を含む電子装置と、
    外部主面を有する基板本体および該基板本体の前記外部主面に設けられた接続回路部を有する回路基板と、
    前記電子装置の前記1つの側面を前記回路基板の前記外部主面に対向させた状態で前記実装電極と前記接続回路部とを接続して前記電子装置を前記回路基板に実装する接合材とを備え、
    前記実装電極の前記接合体側の端部が、前記溝部の前記接合体側の端部よりも前記絶縁基板側に位置しており、前記溝部内の前記接合体側に前記接合材のフィレットが形成されていることを特徴とする電子モジュール。
  2. 前記溝部が前記絶縁基板の前記側面のみに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子モジュール。
  3. 前記絶縁基板が前記第1主面と反対側の第2主面を有しているとともに、前記溝部が前記絶縁基板の前記側面に前記厚み方向の全長にわたって設けられており、
    前記実装電極が前記第2主面まで延在していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子モジュール。
  4. 前記絶縁基板の前記第2主面が、前記1つの側面側の外周部に凹状の段部を有しており、
    前記溝部の前記第2主面側の端部が前記段部内に位置していることを特徴とする請求項3に記載の電子モジュール。
  5. 前記実装電極が、前記段部内における前記第2主面の全面を覆うように延在していることを特徴とする請求項4に記載の電子モジュール。
  6. 前記溝部が前記1つの側面に複数個設けられているとともに前記段部が前記第2主面に複数個設けられており、前記段部は、1つの前記溝部に対して1つが対応するように配置されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電子モジュール。
  7. 前記溝部が、前記絶縁基板の前記側面における前記厚み方向の一部のみに設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電子モジュール。
  8. 前記溝部が前記絶縁基板の前記側面から前記接合体の前記側面にかけて設けられており、前記溝部のうち前記接合体の前記側面に位置する部分には前記実装電極が設けられていないことを特徴とする請求項1に記載の電子モジュール。
  9. 前記溝部の内側面に設けられて前記厚み方向において前記実装電極とは互いに離れている補助実装電極と、
    該補助実装電極に対向して前記回路基板の前記外部主面に設けられた補助接続回路部と、
    前記溝部内において前記補助実装電極および前記補助接続回路部に接続されている補助接合材とをさらに備えており、
    前記実装電極と前記補助実装電極とが互いに離れている間に位置して前記補助接合材のフィレットが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子モジュール。
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