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JP6329088B2 - 自転車用のブレーキパッドおよびその製造方法 - Google Patents

自転車用のブレーキパッドおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自転車用のブレーキパッドに関する。
自転車用のディスクブレーキシステムでは、ブレーキレバーの操作に応じてブレーキパッドを移動させ、ブレーキパッドの摩擦部材とディスクロータとの摩擦によって制動力を発生させる。従来のブレーキパッドは、摩擦部材と、その摩擦部材を支持する支持部材とを備える。このようなブレーキパッドとしては、メタルパッドが知られている。メタルパッドの摩擦部材は、金属複合材料からなり実質的に樹脂を含まない。このようなメタルパッドの場合、摩擦部材の熱伝導率が大きいために摩擦部材と支持部材とを接着剤で連結することが困難であり、機械的に摩擦部材と支持部材とを連結する必要があった。接着剤での連結に比べ、かしめ連結などの機械的な連結を実現するためには、追加部品の準備や、追加の工程が必要であった。
本発明は、簡素な構成のブレーキパッドを簡単に得ることを目的とする。
本発明の第1の側面に従う自転車用のブレーキパッドは、第1金属間化合物を含む摩擦部材、および、第1支持部材を備え、前記摩擦部材と前記第1支持部材とは、少なくとも部分的に、化学的に、連結される。
本発明の第2の側面に従う自転車用のブレーキパッドは、摩擦部材、および、Alを含む第1支持部材を備え、前記摩擦部材と前記第1支持部材とは、少なくとも部分的に、無機的かつ化学的に、連結される。
一例では前記摩擦部材は、第1金属間化合物を含む。
本発明の第3の側面に従う自転車用のブレーキパッドは、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つから生成される第1金属間化合物を含む摩擦部材、および、前記摩擦部材を支持する第1支持部材を備え、前記摩擦部材と前記第1支持部材とは、少なくとも部分的に、化学的に、連結される。
一例では、前記第1金属間化合物は、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つを含む複数の金属材料を燃焼合成することによって生成される。
一例では、前記第1金属間化合物は、添加材料を加えた状態で前記複数の金属材料を燃焼合成することによって生成される。
一例では、前記添加材料は、炭素を含む。
一例では、前記複数の金属材料は、CuおよびTiを含み、前記第1金属間化合物は、TiCu、Ti2Cu、Ti3Cu4、Ti2Cu3、およびTiCu4の少なくともいずれか一つを含むCu-Ti系金属間化合物である。
一例では、前記摩擦部材は、TiCおよびCu3Ti3Oの少なくともいずれか一つをさらに含む。
一例では、前記摩擦部材は、前記複数の金属材料の少なくともいずれか一つを含む金属相をさらに含む。
一例では、前記金属相は、Cuを含む。
一例では、前記第1支持部材は、Alを含み、前記摩擦部材と前記第1支持部材とは、前記複数の金属材料の少なくともいずれか1つと前記第1支持部材のAlとから生成される第2金属間化合物によって、少なくとも部分的に、無機的かつ化学的に、連結される。
一例では、前記第2金属間化合物は、前記第1金属間化合物の燃焼合成に伴う熱によって生成される。
一例では、前記複数の金属材料は、CuおよびTiを含み、前記第2金属間化合物は、Al2Cuを含む。
一例では、ブレーキパッドは前記摩擦部材および前記第1支持部材を支持する第2支持部材をさらに備え、前記第1支持部材と前記第2支持部材とは、機械的に連結される。
一例では、前記第1支持部材は、凸部を含み、前記第2支持部材は、凹部を含み、前記第1支持部材と前記第2支持部材とは、前記第1金属間化合物の燃焼合成に伴う熱によって軟化または溶融する前記第1支持部材の前記凸部が前記第2支持部材の前記凹部に流入することによって機械的に連結される。
一例では、前記第2支持部材の前記凹部は、前記摩擦部材とは反対側に向けて径が大きくなるように形成される。
一例では、前記第2支持部材の前記凹部は、段付き貫通孔である。
一例では、前記第2支持部材は、板状に形成される。
一例では、前記摩擦部材と前記第1支持部材とは、拡散接合によって、少なくとも部分的に、無機的かつ化学的に、連結される。
一例では、前記第1支持部材は、板状に形成される。
本発明の第4の側面は、自転車用のブレーキパッドの製造方法を提供する。その製造方法は、複数の金属材料と添加材料とを含むワークを形成する第1工程、前記ワークと、金属を含む第1支持部材と、凹部を含む第2支持部材とを、前記第1支持部材が前記ワークおよび前記第2支持部材に接するように配置する第2工程、および、前記ワークを加熱することによって摩擦部材を得る第3工程を備える。前記第3工程は、燃焼合成によって前記複数の金属材料から第1金属間化合物を生成すること、前記第1金属間化合物の燃焼合成に伴う熱によって生成される第2金属間化合物で前記摩擦部材と前記第1支持部材とを化学的に連結すること、および、前記第1金属間化合物の燃料合成に伴う熱によって前記第1支持部材を軟化または溶融させて第2支持部材の前記凹部に流入させることで前記第1支持部材と前記第2支持部材とを機械的に連結することを含む。
一例では、前記複数の金属材料は、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つを含み、前記第1支持部材は、Alを含む。
一例では、前記複数の金属材料は、CuおよびTiを含み、前記第2金属間化合物は、Al2Cuを含む。
本発明の第5の側面は、自転車用のブレーキパッドの製造方法を提供する。その製造方法は、摩擦部材を得る第1工程、および、前記摩擦部材と第1支持部材とを加熱および加圧することによって前記摩擦部材と前記第1支持部材とを拡散接合する第2工程を備える。
一例では、前記第1工程は、複数の金属材料と添加材料とを含むワークを形成すること、および、前記ワークを加熱することで燃焼合成によって前記複数の金属材料から前記第1金属間化合物を生成することを含む。
一例では、前記複数の金属材料は、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つを含み、前記第1支持部材は、Alを含む。
本発明の第1の側面によれば、簡素な構成のブレーキパッドを簡単に得ることができる。
本発明の新規であると思われる特徴は、特に添付した請求の範囲において明らかとなる。目的および利点とともに本発明は、以下に示す実施態様の説明を添付の図面を参照することによって理解される。
(A)は、第1実施形態のブレーキパッドの模式的断面図、(B)は、第1実施形態のブレーキパッドの斜視図。 第1実施形態のブレーキパッドの製造方法を説明するための模式図。 第1実施形態のブレーキパッドの製造方法を説明するための模式図。 第1実施形態のブレーキパッドの製造方法を説明するための模式図。 第1実施形態のブレーキパッドの製造方法を説明するための模式図。 実施例1のブレーキパッドの摩擦部材と第1支持部材との境界組織から採取した検体のX線解析チャート図。 (A)および(B)は、摩擦部材の微視的構造を説明するための模式図。 (A)および(B)は、実施例1と比較例1の摩擦部材の模式図。 いくつかの実施例の摩擦部材の耐摩耗性能試験の結果を示すグラフ。 いくつかの実施例の摩擦部材の硬度を示すグラフ。 様々なTi/Cu比を有する実施例の摩擦部材のX線解析チャートにおいて、Cuの回折ピーク強度を説明するための図。 様々なTi/Cu比を有する実施例の摩擦部材のX線解析チャートにおいて、Ti2Cuの回折ピーク強度を説明するための図。 様々なTi/Cu比を有する実施例の摩擦部材のX線解析チャートにおいて、TiCu4の回折ピーク強度を説明するための図。 様々なTi/Cu比を有する実施例の摩擦部材のX線解析チャートにおいて、Cu3Ti3Oの回折ピーク強度を説明するための図。 第2実施形態のブレーキパッドの模式的断面図。 第2実施形態のブレーキパッドの製造方法を説明するための模式図。 摩擦部材と第1支持部材との拡散結合を説明するためのグラフ。 第2実施形態のブレーキパッドの反りを説明するためのグラフ。 (A)(B)は、第1変更例のブレーキパッドの製造方法を説明するための模式図。 (A)および(B)は、第2変更例の第2支持部材の模式的断面図。
図1(A)(B)を参照して、第1実施形態に従う自転車用のブレーキパッド10の構造を説明する。ブレーキパッド10は、自転車用のディスクブレーキシステムに用いられる。ブレーキパッド10は、第1金属間化合物を含む摩擦部材20、および、第1支持部材30を備え、摩擦部材20と第1支持部材30とは、少なくとも部分的に、化学的に、連結される。摩擦部材20は、摩擦面と、摩擦面とは反対側の被支持面(連結面ともいう)とを含み、当該被支持面の全面が第1支持部材30に化学的に連結されることが好ましい。
第1支持部材30は、金属を含み、少なくともAlを含む。ブレーキパッド10は、摩擦部材20および第1支持部材30を支持する第2支持部材40をさらに備えることができる。第1支持部材30と第2支持部材40とは、機械的に連結される。第2支持部材40は、ブレーキキャリパに設けられるブレーキパッドマウントに固定されるバックプレートとして機能する。
第1実施形態では、第2支持部材40は、少なくとも一つの凹部42を含む。第1支持部材30は凹部42において第2支持部材40と機械的に連結または係合する。凹部42は、第2支持部材40の上面44に開口する比較的小さい開口(図1(A)の上開口)と、第2支持部材40の下面46に開口する比較的大きい開口(図1(A)の下開口)とを有する。凹部42はたとえば段付き貫通孔である。第2支持部材40の材料は特に限定されず、たとえばステンレス鋼およびチタンなどの耐候性材料であり得る。
図2から5を参照して、ブレーキパッド10の製造方法を説明する。
図2に示す第1工程では、複数の金属材料P1(P1a,P1b…)と少なくとも一つの添加材料P2とを含むワークCBを形成する。ワークCBは複数の金属材料P1と少なくとも一つの添加材料P2とを加圧成型することによって得られる。各材料P1、P2は、粉末状であり、後述する第3工程において第1金属間化合物を含む摩擦部材20となる。複数の金属材料P1は、3種類以上であってもよい。添加材料P2は、フィラー、固体潤滑剤、摩擦係数調整剤などとして機能する。
図3に示す第2工程では、ワークCBと、第1支持部材30と、第2支持部材40とを、3層の積層体状に配置する。ここでは、第1支持部材30がワークCBと第2支持部材40とに接するように、ワークCBと、第1支持部材30と、第2支持部材40とを配置する。第1実施形態では、第1支持部材30は、Alを含む平坦板である。
図4に示す第3工程では、ワークCBを加熱することによって摩擦部材20が得られる。ワークCBは、その複数の金属材料の少なくともいずれか2つから燃焼合成によって第1金属間化合物を摩擦部材20に生成するように加熱される。第1実施形態では、燃焼合成は、ワークCBの局所に発熱反応である燃焼反応が誘起されるように、ワークCBに外部から熱的刺激を付与することによって開始される。具体的には、燃焼反応は、レーザをワークCBの局所に照射し、ワークCBを局所的に加熱することによって開始される。たとえば、ワークCBの一端(第1支持部材30の反対側の上面)に付与された外的熱刺激によって、その一端に燃焼反応が誘起される。燃焼反応はワークCBの一端から他端(例えば第1支持部材30と接触する下面)に向けて連鎖的に進行する。燃焼合成は極めて短時間で完了し、外部からの継続的な加熱を要さず、外部からの加熱エネルギー供給量は極めて少なくてすむ。したがって、燃焼合成は、第1金属間化合物を含む、優れたブレーキング性能を有する摩擦部材20の製造コストを顕著に低減できる。
第3工程の加熱すなわち外的熱刺激の局所的な付与は、摩擦部材20の生成を引き起こすだけでなく、摩擦部材20と第1支持部材30との化学的な連結の生成、及び、第1支持部材30と第2支持部材40との機械的な連結の生成を引き起こす。たとえば、摩擦部材20の第1金属間化合物の燃焼合成に伴う熱は、ワークCBと第1支持部材30との境界において、ワークCBの複数の金属材料P1の少なくとも一つ(たとえばCu)と第1支持部材30の金属(たとえばAl)との第2の燃焼反応を誘起する。その第2の燃焼反応によって生成される第2金属間化合物(たとえばAl2Cu)で摩擦部材20と第1支持部材30とは無機的かつ化学的に連結する。また、第1金属間化合物の燃料合成に伴う熱によって、第1支持部材30の一部は軟化または溶融する。その軟化または溶融した第1支持部材30の一部は、第2支持部材40の凹部42に流入し、凸部32を形成する。凸部32と凹部42は、第1支持部材30と第2支持部材40とを機械的に連結する機械的接合部として機能する。
このように、ワークCBの一端(第1支持部材30の反対側の上面)に外的熱刺激を付与することによって、摩擦部材20の生成、摩擦部材20と第1支持部材30との化学的な連結、及び第1支持部材30と第2支持部材40との機械的な連結を含むシーケンスが連鎖的にまたは自動的に進行する。このシーケンスは、燃焼反応の完了によって自動的に終了する。このようにして、図5に示すようにブレーキパッド10が製造される。上述したように、燃焼合成は極めて短時間で完了し、外部からの継続的な加熱を要さず、外部からの加熱エネルギー供給量は極めて少なくてすむ。したがって、ブレーキパッド10の製造コストは顕著に低減される。
次に、摩擦部材20と第1支持部材30との化学的な連結について説明する。
図6は、実施例1のブレーキパッド10の摩擦部材20と第1支持部材30との境界組織から採取した検体のX線解析チャートである。実施例1では、第1支持部材30は、Al板であり、摩擦部材20を製造するためのワークCBは、金属材料P1として銅粉末およびチタン粉末を含み、添加材料P2として炭素粉末を含む。図6のX線構造チャートは、摩擦部材20と第1支持部材30に含まれる成分を除く反応生成物である第2金属間化合物の存在を示す。当該第2金属間化合物は無機化合物であり、第1支持部材30の金属すなわちAlと、摩擦部材20の金属材料であるCuとから生成されるAl2Cuを含む。図6の黒丸印は、Al2Cuの回折ピークである。第2金属間化合物の存在は、摩擦部材20と第1支持部材30との、少なくとも部分的な、無機的かつ化学的な連結を示す。
次に、実施例1のブレーキパッド10を回転するロータに3618Nで押圧して、ブレーキパッド10の耐久性を調べた。摩擦部材20がほぼ完全に摩耗し、第1支持部材30がロータに接触するまで第1支持部材30からの摩擦部材20の剥離は発生しなかった。摩擦部材20と第1支持部材30との強固な接合、および、ブレーキパッド10の高い耐久性が確認できた。
次に、摩擦部材20について説明する。
摩擦部材20は、第1金属間化合物を含む複合材料からなる。第1金属間化合物を含む摩擦部材20は、高温制動力(フェード性能)、ウェットコンディションにおける制動力とドライコンディションにおける制動力との比率(ウェット/ドライ比)、耐摩耗性、およびブレーキングノイズなどのブレーキング性能において優れる。第1実施形態の摩擦部材20は、とりわけ、ウェット/ドライ比を1に近づけることができ、ブレーキングノイズを低下できる。第1金属間化合物は、TiCu、Ti2Cu、Ti3Cu4、Ti2Cu3およびTiCu4の少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。摩擦部材20は、TiCおよびCu3Ti3Oの少なくともいずれか一つをさらに含むことができる。
次に、摩擦部材20の微視的構造を説明する。図7(A)に示すように、摩擦部材20は、金属相22と、均一な形状のまたは不規則的な形状の金属間化合物(ここでは金属間化合物粒子)24とを含む。金属相22は、マトリックス相または第1相を形成する。通常、第1金属間化合物24は、金属相22に分散しており、分散相、グレイン相または第2相を形成する。第1金属間化合物は、例えば、TiCu、Ti2Cu、Ti3Cu4、Ti2Cu3およびTiCu4の少なくともいずれか一つを含むCu-Ti系金属間化合物である。図7(A)の例では、第1金属間化合物24は、複数の第1金属間化合物24a、24bとして、Ti2CuとTiCu4とを含む。金属相22は、Cu、Al、ZnおよびNiの少なくともいずれか一つを含む。図7(A)の例では、金属相22は、金属Cu相のような単一金属相である。すなわち、摩擦部材20は、第1金属(ここではCu)と第2金属(ここではTi)とから得られる金属間化合物24、および第1金属(ここではCu)からなる金属相22を含む。いくつかの例では、金属相22は、CuTi固溶体のような金属固溶体相であってもよい。また、いくつかの例では、金属相22自体が金属間化合物であり得る。
図7(B)の例では、摩擦部材20は、金属相22に分散した非金属粒子26および強化相28を含む。非金属粒子26は、例えば炭素粒子である。強化相28は、たとえばCu3Ti3OまたはTiCである。粒子状の強化相28a、および/または、膜状の強化相28bであり得る。膜状の強化相28bは、いくつかの非金属粒子26の一部または全部を被覆してもよい。いくつかの例では、粒子状の強化相28aおよび膜状の強化相28bは、網目状強化構造を形成する。
複数の金属材料P1と添加材料P2は、第1金属間化合物の燃焼合成の進行を促進するように構成および選択される。第1実施形態では、複数の金属材料P1は、銅粉末P1aおよびチタン粉末P1bを含み、添加材料P2は炭素粉末を含む。後述するように、銅粉末P1a、チタン粉末P1bおよび炭素粉末P2を含むワークCBを燃焼合成に供することによって、TiCu、Ti2Cu、Ti3Cu4、Ti2Cu3およびTiCu4の少なくともいずれか一つを含む第1金属間化合物を含む複合材料が得られる。典型的な金属間化合物からなるブロックは概して脆く割れやすいが、第1実施形態の第1金属間化合物を含む複合材料からなる摩擦部材20は割れにくい。したがって、第1実施形態の摩擦部材20は、ブレーキング性能において優れることに加え、耐久性および製造の歩留まりにおいても優れる。
複数の金属材料P1と添加材料P2の粒子径は、ワークCBの成形しやすさと燃焼合成の進行の促進とを考慮して適宜決められる、たとえば1〜200μmの範囲であり得る。銅粉末、チタン粉末および炭素粉末を含む反応物質系の場合、金属相の主成分である銅粉末の粒子径は、チタン粒子および炭素粒子のものよりも大きくてもよい。一例では、銅粉末の粒子径は100〜180μm、チタン粒子の粒子径は10〜100μm、炭素粒子の粒子径は1〜10μmである。
燃焼合成の進行の促進と摩擦部材の熱的性能とを考慮すると、銅粉末の純度は高いほど好ましく、99%以上であることが特に好ましい。チタン粉末は、純チタンでもよいが、安価に入手できる点で、リサイクルドチタンの粉末であってもよい。炭素粉末は、安価に入手できる点で、黒鉛であることが好ましい。黒鉛は、金属間化合物を含む複合材料の割れを低減させるとともに、ブレーキングノイズを低下させる固体潤滑剤としても機能する。
添加材料P2は、炭素粉末に代えてまたは炭素粉末に加えて、例えばムライト、ジルコン、フッ化カルシウム、およびセリサイトなどの一または複数の非炭素硬質粒子を含むことができる。当該非炭素硬質粒子は、フィラー、固体潤滑剤、摩擦係数調整剤などとして機能する。
図8(A)(B)を参照して、銅粉末、チタン粉末および炭素粉末を含む反応物質系の利点について説明する。
図8(A)は、上記実施例1のブレーキパッド10の製造に用いたワークCBを示す。このワークCBは、金属材料P1としてそれぞれ銅粉末P1aおよびチタン粉末P1bを含み、添加材料P2として炭素粉末を含む。このワークCBを燃焼合成に供すると、元の平板形状と実質的に同じ形状の摩擦部材20が得られた。この摩擦部材20は、そのままでまたはわずかな輪郭整形によって、ブレーキパッド10に使用可能であった。このように、実施例1では、所望形状の摩擦部材20を含むブレーキパッド10を高い歩留まりで製造できる。
一方、図8(B)は、銅粉末およびチタン粉末からなる、平板状に成形された比較例1のワークCBXを示す。比較例1のワークCBXを燃焼合成に供すると、元の平板形状とは異なる崩れた形状の反応生成物20Xが得られた。比較例1の反応生成物20Xはそのままで摩擦部材として使用することはできず、整形によって元の平板形状に戻すことは困難または不可能であった。
図示しないが、比較例2では、アルミニウム粉末、チタン粉末および炭素粉末を含有するワークを平板状に成形した。比較例2のワークを燃焼合成に供すると、無数のひび割れを有する反応生成物が得られた。したがって、銅粉末、チタン粉末および炭素粉末の組合せを有さないワークを用いた比較例1、2では、所望形状の摩擦部材を含むブレーキパッド10を高い歩留まりで製造できなかった。
実施例1の摩擦部材20の分析結果から、燃焼合成によって以下の反応が進行するものと推測される。すなわち、燃焼合成の開始前には、ワークCBにおいて銅粉末、チタン粉末、および炭素粉末が混合されている。燃焼合成の開始に伴い銅粉末中の銅原子とチタン粉末中のチタン原子との固相拡散が先に進行し、銅チタン固溶体を形成する。燃焼合成の進行に伴い、銅チタン固溶体中の銅原子とチタン原子とからTiCu、Ti2Cu、Ti3Cu4、Ti2Cu3およびTiCu4の少なくともいずれか一つを含む金属間化合物が形成される。燃焼合成の終了後において、金属間化合物は銅チタン固溶体によって構成される金属相に分散される。炭素粉末はその金属相中に分散している。燃焼合成の進行に伴って、炭素粉末中の炭素原子が金属相中のチタン原子と反応または化学結合することによってTiC強化相または強化構造が形成される。同様に、燃焼合成の進行に伴って、酸素原子が金属相中のチタン原子および銅原子と反応または化学結合することによってCu3Ti3O強化相または強化構造が形成される。これらの強化構造によって、金属間化合物の流動すなわち反応生成物の変形が著しく低減されたと推測される。ワークCBを構成する粉末の種類と量に応じて、金属相は、金属固溶体、金属間化合物、純金属、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも一つによって構成され得る。
実施例1のワークCBにおいて、添加材料P2としての炭素粉末は、銅粉末P1aの総重量に対してたとえば10〜30wt%であることが好ましい。炭素粉末をこの範囲で配合することによって、所望形状の摩擦部材20のひび割れを低減でき、摩擦部材20の歩留まりが向上し、その製造コストを減少できる。ワークCBは、銅粉末P1aの総重量に対して0.1〜50wt%のチタン粉末P1bを含有することが好ましい。チタン粉末をこの範囲で配合することによって、燃焼合成中のまたは燃焼合成後の摩擦部材20のひび割れの発生を防止または低減でき、所望形状の摩擦部材20の製造の歩留まりをいっそう向上できる。
次に、表1および図9を参照して摩擦部材の耐摩耗性について説明する。
表1に示す配合で、銅粉末、チタン粉末、および炭素粉末を少なくとも含有するワークを成形し、燃焼合成して、実施例2から5の摩擦部材を製造した。ムライト、ジルコンおよびフッ化カルシウムは、添加材料P2としての非炭素硬質粒子である。
図9を参照すると、摩耗量は、Ti/Cu比が0.1%から増加するに伴って低下し、Ti/Cu比が約12%付近で最も減少し、その後上昇した。摩耗量が小さいほど、耐摩耗性は高い。
Ti/Cu比が0.1〜50%の範囲にあるいくつかの実施例の試験結果は、従来のレジンパッドよりも優れた耐摩耗性を示した。したがって、ワークCBは銅粉末の総重量に対して、0.1〜50wt%のチタン粉末を含有することが好ましい。ワークCBは銅粉末の総重量に対して、5〜15wt%のチタン粉末を含有することが更に好ましい。この範囲の量のチタン粉末の配合は、従来のメタルバッドと同等かそれよりも優れた耐摩耗性を有する摩擦部材20を安価に製造することができる。ワークCBは銅粉末の総重量に対して、10〜15wt%のチタン粉末を含有することが特に好ましい。この範囲の量でチタン粉末を配合することによって、従来のメタルバッドを凌駕する、顕著に優れた耐摩耗性を有する摩擦部材20が得られる。
耐摩耗性の顕著な向上と摩擦部材の硬さとの関係を調べるべく、Ti/Cu比が5〜25%の範囲にあるいくつかの実施例の摩擦部材の硬さを調べた。結果を図10に示す。Ti/Cu比の増加に伴い、摩擦部材の硬度はほぼ直線的に増加した。図9および図10の結果は、摩擦部材の耐摩耗性と硬度との相関係数が1よりも低いことを示す。
耐摩耗性を向上させる成分を特定すべく、Ti/Cu比が5〜30%の範囲にあるいくつかの実施例の摩擦部材についてX線構造解析を行った。結果を図11から図14に示す。図11から図13に示すように、Ti/Cu比の増加に伴って、Cuが減少し、Ti2CuおよびTiCu4を含む金属間化合物が増加した。図12および図13に示すように、Ti/Cu比が20%を超えると、Ti2CuおよびTiCu4が飛躍的に増加した。また、図14に示すように、Ti/Cu比の増加に伴いCu3Ti3Oが増加した。図12から図14のX線構造解析から、Ti2CuおよびTiCu4の少なくともいずれか一方を含む金属間化合物とCu3Ti3Oの存在によって、摩擦部材の耐摩耗性が向上することが分かった。
実施例1では、複数の金属材料P1はCu粉末P1aおよびTi粉末P1bであるが、複数の金属材料粉末P1は、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つの金属材料粉末であり得る。この場合、摩擦部材20は、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つから生成される第1金属間化合物を含む複合材料によって構成できる。この摩擦部材20を含むブレーキパッド10は、実施例1と同じ又は対応する作用効果を奏し得る。
第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)自転車用のブレーキパッド10は、第1金属間化合物24を含む摩擦部材20、および、第1支持部材30を備え、摩擦部材20と第1支持部材30とは、少なくとも部分的に、化学的に連結される。この構成によれば、簡素な構成のブレーキパッド10を簡単に得ることができる。ブレーキング性能において優れる摩擦部材20を含むブレーキパッド10を安価に製造できる。また、摩擦部材20と第1支持部材30との化学的な連結によって、第1支持部材30からの摩擦部材20の剥離が低減または防止できる。
(2)ブレーキパッド10は、摩擦部材20、およびAlを含む第1支持部材30を備え、摩擦部材20と第1支持部材30とは、少なくとも部分的に、無機的かつ化学的に、連結される。Alを含む第1支持部材30は軽量であり、ブレーキパッド10を軽量にする。
(3)摩擦部材20は、第1金属間化合物24を含む。この構成によれば、摩擦部材20の第1金属間化合物24のため、強度(特に引張強度)および耐摩耗性において優れるブレーキパッド10が得られる。
(4)ブレーキパッド10は、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つから生成される第1金属間化合物24を含む摩擦部材20、および摩擦部材20を支持する第1支持部材30を備える。この構成によれば、摩擦部材20の熱伝導性のため、高温制動力(フェード性能)に優れるブレーキパッド10が得られる。
(5)第1金属間化合物24は、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つを含む複数の金属材料P1から燃焼合成によって生成される。燃焼合成は極めて短時間で完了し、外部からの継続的な加熱を要さず、外部からの加熱エネルギー供給量は極めて少なくてすむ。したがって、ブレーキパッド10を安価に製造することができる。
(6)第1金属間化合物24は、複数の金属材料P1に添加材料P2を加えた状態で燃焼合成することによって生成される。この構成によれば、添加材料P2の種類と量を変更することによって、ブレーキパッド10のブレーキング性能および他の性能を適宜調節することができる。
(7)添加材料P2は、炭素を含む。この構成によれば、ブレーキングノイズにおいて優れ、摩擦部材20のひび割れを低減でき、摩擦部材20の歩留まりが向上し、ブレーキパッド10の製造コストを減少できる。
(8)複数の金属材料P1は、CuおよびTiを含み。第1金属間化合物24は、TiCu、Ti2Cu、Ti3Cu4、Ti2Cu3、およびTiCu4の少なくともいずれか一つを含むCu-Ti系金属間化合物である。この構成によれば、Cu-Ti系金属間化合物によって、ブレーキパッド10の高温制動力(フェード性能)、ウェットコンディションにおける制動力とドライコンディションにおける制動力との比率(ウェット/ドライ比)、および摩擦部材20の耐摩耗性が向上する。また、摩擦部材20の優れた耐摩耗性のため、ブレーキパッド10の耐用期間を延長することができる。
(9)摩擦部材20は、TiCおよびCu3Ti3Oの少なくともいずれか一つをさらに含む。TiCおよびCu3Ti3Oは、燃焼合成の進行中に第1金属間化合物24の流動を低減する。したがって、摩擦部材20を所望の形状に形成することができる。
(10)摩擦部材20は、複数の金属材料P1の少なくともいずれか一つを含む金属相22をさらに含む。この構成によれば、金属相22が本来的に有する熱伝導性のために、摩擦部材20は優れた熱伝導性を有する。また、金属相22が本来的に有する延性および展性のために、摩擦部材20の脆性は低下し、摩擦部材20の割れおよび破損を低減することができる。また、一または複数種類の第1金属間化合物24は金属相22中に分散して存在することができる。金属相22はCuを含むことが好ましい。
(11)第1支持部材30は、Alを含む。摩擦部材20と第1支持部材30とは、複数の金属材料P1の少なくともいずれか1つと第1支持部材30のAlとから生成される第2金属間化合物によって、少なくとも部分的に、無機的かつ化学的に、連結される。この構成によれば、摩擦部材20と第1支持部材30とを、直接的に(すなわち、摩擦部材20と第1支持部材30とは異なる、接着剤およびはんだなどの連結部材を介さずに)、簡素な構成によって連結することができる。したがって、ブレーキパッド10の構成を簡素にすることができる。また、摩擦部材20と第1支持部材30とが第2金属間化合物を形成するので、摩擦部材20と第1支持部材30との分離は低減され、ブレーキパッド10の耐久性は向上する。
(12)第2金属間化合物は、第1金属間化合物の燃焼合成に伴う熱によって生成される。この構成によれば、ワークCBの局所に第1金属間化合物の燃焼合成を誘起することによって、摩擦部材20の生成に引き続いて、摩擦部材20と第1支持部材30との連結の形成が連鎖的にまたは自動的に進行する。したがって、ブレーキパッド10が安価に得られる。
(13)複数の金属材料P1は、CuおよびTiを含み、第2金属間化合物は、Al2Cuを含む。この構成によれば、摩擦部材20に由来するCuと第1支持部材30に由来するAlとによって形成されるAl2Cuによって、摩擦部材20と第1支持部材30とを、直接的に連結することができる。したがって、ブレーキパッド10の構成を簡素にすることができる。
(14)ブレーキパッド10は、摩擦部材20および第1支持部材30を支持する第2支持部材40をさらに備え、第1支持部材30と第2支持部材40とは、機械的に連結される。この構成によれば、摩擦部材20と第1支持部材30との化学的な接合と、第1支持部材30と第2支持部材40との機械的な連結とによって、摩擦部材20と第2支持部材40とを一体化させることができる。
(15)第1支持部材30は、凸部32を含み、第2支持部材40は、凹部42を含む。第1支持部材30と第2支持部材40とは、第1金属間化合物の燃焼合成に伴う熱によって軟化または溶融する第1支持部材30の凸部32が第2支持部材40の凹部42に流入することによって機械的に連結される。この構成によれば、ワークCBの局所に第1金属間化合物の燃焼合成を誘起することによって、第1支持部材30は少なくとも部分的に軟化または溶融し、凹部42に係合する凸部32が形成され、外部からの継続的な加熱を要さずに、第1支持部材30と第2支持部材40との機械的な連結を形成する。したがって、ブレーキパッド10が安価に得られる。
(16)第2支持部材40の凹部42は、摩擦部材20とは反対側に向けて径が大きくなるように形成され、たとえば段付き貫通孔である。この構成によれば、第2支持部材40からの第1支持部材30および摩擦部材20の脱落が防止または低減される。第2支持部材40に対する第1支持部材30および摩擦部材20のがたつきが防止または低減される。第1支持部材30は第2支持部材40の上面44に接触するが、その上面44における凹部42の開口は比較的小さい。したがって、第1支持部材30と第2支持部材40との十分な接触面積を確保できる。
(17)ブレーキパッド10の製造方法は、複数の金属材料P1と添加材料P2とを含むワークCBを形成する第1工程(図2)、ワークCBと、金属を含む第1支持部材30と、凹部42を含む第2支持部材40とを、第1支持部材30がワークCBと第2支持部材40とに接するように配置する第2工程(図3)、および、ワークCBを加熱することによって摩擦部材20を得る第3工程(図4、5)を備える。第3工程は、燃焼合成によって複数の金属材料P1の少なくともいずれか2つP1a,P1bから第1金属間化合物を摩擦部材20に生成すること、第1金属間化合物の燃焼合成に伴う熱によって生成される第2金属間化合物で摩擦部材20と第1支持部材30とを化学的に接合すること、および、第1金属間化合物の燃料合成に伴う熱によって第1支持部材30を軟化または溶融させて第2支持部材40の凹部42に流入させることで第1支持部材30と第2支持部材40とを機械的に連結することを含む。この構成によれば、ワークCBの局所に第1金属間化合物の燃焼合成を誘起させることによって、摩擦部材20の生成、摩擦部材20と第1支持部材30との化学的な接合の形成、及び第1支持部材30と第2支持部材40との機械的な連結の形成を含むシーケンスが連鎖的にまたは自動的に進行し、短時間で終了する。したがって、ブレーキパッド10を安価に製造できる。
図15を参照して、第2実施形態に従う自転車用のブレーキパッド10aの構造について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。ブレーキパッド10aは、第1金属間化合物を含む摩擦部材20、および、第1支持部材30aを備え、摩擦部材20と第1支持部材30aとは、少なくとも部分的に、化学的に連結される。第2実施形態のブレーキパッド10aでは、図1の第2支持部材40は省略されている。第2実施形態の第1支持部材30aは、ブレーキキャリパに設けられるブレーキパッドマウントに固定されるベース部材として機能することを除き、第1実施形態の第1支持部材30と同じであってよい。第1支持部材30aは、いわゆるバックプレートのような板状に形成される。摩擦部材20は、第1実施形態のものと同じである。
図16を参照して、第2実施形態のブレーキパッド10aの製造方法を説明する。
まず、図2に示す第1工程と同様に、ワークCBを形成する。次に、ワークCBと第1支持部材30aとを接触させずにワークCBを加熱することによって、第1金属間化合物を摩擦部材20に生成する燃焼合成を誘起させる。こうして摩擦部材20が得られる。
次に、摩擦部材20の摩擦面が外方を向き、摩擦面とは反対側の被支持面(連結面ともいう)が第1支持部材30aに接するように摩擦部材20と第1支持部材30aとを配置し、2層積層体を形成する。この2層積層体を加熱および加圧することによって、ブレーキパッド10aが製造される。加熱および加圧の条件は、摩擦部材20と第1支持部材30aとの材料に依存し、摩擦部材20と第1支持部材30aとを少なくとも部分的に、化学的に、連結するに足る圧力および温度であればよく、摩擦部材20の第1金属間化合物の組成および第1支持部材30aの材料に応じて適宜調整することができる。
次に、図17を参照して摩擦部材20と第1支持部材30aとの連結を説明する。
図17の縦軸は、摩擦部材20および第1支持部材30aに由来するいくつかの元素の含有量(%)を示す。銅(Cu)およびチタン(Ti)は、摩擦部材20の第1金属間化合物に由来する。アルミニウム(Al)は第1支持部材30aに由来する。酸素(O)は、摩擦部材20および第1支持部材30aの一方または両方の表面に存在する酸化膜に主に由来するが、酸素(O)の一部は、摩擦部材20の強化相28(Cu3Ti3O)および/または摩擦部材20の添加材料P2である非炭素硬質粒子(ムライト、ジルコン)に由来する。炭素(C)およびカルシウム(Ca)は、摩擦部材20に含まれる、炭素やムライトなどの添加材料に由来する。図17の横軸は、深度を示す。この深度は、ブレーキパッド10aの厚み方向において基準面レベル(たとえば加圧前の2層積層体におけるワークCBと第1支持部材30aとの接触面)からの距離である。深度が浅いほど、境界組織において、摩擦部材20の摩擦面(図15の上面)に近い位置から採取した検体であることを示す。深度が深いほど、境界組織において、摩擦部材20の摩擦面から遠い位置から採取した検体であることを示す。
図17を参照すると、摩擦部材20に由来する元素(Cu、Tiなど)の含有量と、第1支持部材30aに由来する元素(Al)の含有量がいずれも深度依存性を有する。摩擦部材20に由来する元素(Cu、Tiなど)と第1支持部材30aに由来する元素(Al)とが、同一深度で共存している。したがって、図17は、摩擦部材20および第1支持部材30aの一方(たとえば摩擦部材20)に由来する元素が摩擦部材20および第1支持部材30aの他方(たとえば第1支持部材30a)の内部に拡散することによって、境界組織が形成されることを示す。図17の例では、0〜100μm程度(50μm以降は図示せず)の深度範囲にわたって境界組織が形成される。境界組織の存在は、摩擦部材20と第1支持部材30aとが拡散接合によって、少なくとも部分的に、無機的かつ化学的に連結されていることを示す。
本願明細書において、「拡散接合」という用語は、「2つのメタリック部材の一方に由来する金属元素が他方のメタリック部材の内部に拡散することによって境界組織が形成されるか、または、2つのメタリック部材に由来する金属元素が相互に拡散することによって境界組織が形成され、当該境界組織によって、2つのメタリック部材が直接に(すなわち、2つのメタリック部材とは異なる、接着剤およびはんだなどの連結部材を介さずに)、無機的かつ化学的に連結されること」と定義する。
次に、図18を参照して、第2実施形態のブレーキパッド10aの作用効果を説明する。図18の縦軸は、摩擦部材と第1支持部材とを接合するための圧縮力(押し力)である。横軸は、圧縮後のブレーキパッドの変形量である反りを示す。
特性線L1は、第1金属間化合物を含む摩擦部材20と、Alを含む第1支持部材30aとを備える実施例6のブレーキパッドの反りを示す。特性線L2は、第1金属間化合物を含む摩擦部材20と、Tiを含む第1支持部材30aとを備える実施例7のブレーキパッドの反りを示す。特性線L3は、金属間化合物ではないブロンズ製の摩擦部材と、Tiを含む第1支持部材とを備える比較例3のブレーキパッドの反りを示す。
図18から、以下の事実が確認された。第1金属間化合物を含む摩擦部材20を備える実施例6、7のブレーキパッド(特性線L1,L2)では、加熱および加圧後に発生する反りが小さいために、ブレーキパッドをブレーキパッドマウントに適正に固定することができた。摩擦部材20と第1支持部材30aとをより高い圧力で圧縮することができるので、摩擦部材20と第1支持部材30aとの拡散接合の強度を高めることができる。また、反りに起因する残留応力が小さく、摩擦部材20と第1支持部材30aとの剥離は観察されなかった。
ブロンズ製の摩擦部材を備える比較例3のブレーキパッド(特性線L3)は、加熱および加圧後に発生する反りが大きいために、ブレーキパッドをブレーキパッドマウントに適正に固定することができないことがあった。反りのために圧縮力の増加は困難であり、摩擦部材と第1支持部材との接合の強度は不十分であった。また、反りに起因する残留応力が大きいために、残留応力が大きく、ブレーキパッドの形成後ただちにまたは冷却後に、摩擦部材と第1支持部材との剥離が生じることがあった。
Alを含む第1支持部材を備える実施例6のブレーキパッド(特性線L1)は、Tiを含む第1支持部材を備える実施例7のブレーキパッド(特性線L2)よりも、反りが小さいので、摩擦部材と第1支持部材とをより高い圧力で圧縮することができる。したがって、摩擦部材と第1支持部材との拡散接合の強度をいっそう高めることができる。
Alを含む第1支持部材を備える実施例6のブレーキパッド(特性線L1)は、Tiを含む第1支持部材を備える実施例7(特性線L2)および比較例3(特性線L3)のものよりも軽量である。
Alを含む第1支持部材(実施例6)は、Tiを含む第1支持部材(実施例7、比較例3)よりも、金属加工し易い。たとえば、放熱フィンなどの微細構造を有する第1支持部材30aを歩留まりよく得ることができる。また、第1支持部材30aの放熱フィンと、摩擦部材20の熱伝導性との協働によって、実施例6のブレーキパッド10aの高温制動力(フェード性能)は一層向上する。
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(18)第2実施形態のブレーキパッド10aの摩擦部材20と第1支持部材30aとは、拡散接合によって、少なくとも部分的に、無機的かつ化学的に、連結される。この構成によれば、制御の容易な加熱および加圧する工程によって摩擦部材20と第1支持部材30aとを、連結することができる。
(19)第1支持部材30aは板状に形成される。第1支持部材30aは、ブレーキキャリパに設けられるブレーキパッドマウントに固定されるベース部材として機能することができるので、摩擦部材20および第1支持部材30aを支持する第2支持部材は不要となり、ブレーキパッド10aを更に軽量化することができる。第1支持部材30aがAl板である場合、比重の小さいAlのため、第1支持部材30aは軽量化され、ひいては、ブレーキパッド10aは軽量化される。Alの金属加工容易性のため、放熱フィンなどの微細構造を有する第1支持部材30aを歩留まりよく得ることができる。Alの低比熱容量は、ブレーキパッド10aの高温制動力(フェード性能)の向上に貢献する。
(20)ブレーキパッド10aの製造方法は、摩擦部材20を得る第1工程、および、摩擦部材20と第1支持部材30aとを加熱および加圧することによって摩擦部材20と第1支持部材30aとを拡散接合する第2工程を備える。この方法によれば、制御の容易な加熱および加圧する工程によって摩擦部材20と第1支持部材30aとを、連結することができる。
(21)第1工程は、複数の金属材料P1と添加材料P2とを含むワークCBを形成すること、および、ワークCBを加熱することで燃焼合成によって複数の金属材料P1から第1金属間化合物24を生成することを含む。燃焼合成のために摩擦部材20を安価に製造でき、ひいては、ブレーキパッド10aを安価に製造できる。
実施形態は以下のように変更してもよい。
・第1実施形態の第3工程(図4)では、軟化または溶融する第1支持部材30の一部が第2支持部材40の凹部42に重力によって流入するが、外的熱刺激の付与後に3層積層体を押圧して、第1支持部材30の流入を促進してもよい。この押圧によってブレーキパッド10の製造時間は短縮され、ブレーキパッド10の歩留まりは向上する。この押圧は、ワークCBまたは摩擦部材20を上から均一に押圧することが好ましい。ワークCBまたは摩擦部材20に対する圧力は、軟化または溶融した第1支持部材30の粘度に応じて異なり得る。
・第1実施形態の第3工程(図4)において、必要であれば、軟化または溶融する第1支持部材30の一部が摩擦部材20と第2支持部材40との間から側方にはみ出すことを防止または低減するブロック部材を、摩擦部材20と第2支持部材40との間から露出した第1支持部材30の側面に配置してもよい。
・第1実施形態の第3工程(図4)の後に、必要であれば、第2支持部材40と凸部32が面一になるようにブレーキパッド10を研磨してもよい。
・第1金属間化合物を含む摩擦部材20の最大寸法(たとえば長さ)は5cm以下であることが好ましい。最大寸法が5cm以下であると、摩擦部材20を歩留まりよく製造することができる。最大寸法が5cmを超える摩擦部材20は、燃焼合成中にまたは燃焼合成の終了後の徐冷中に、ひび割れが生じることがあり、摩擦部材20の歩留まりを低下させることがある。自転車用ブレーキの摩擦部材は、その最大寸法が5cm程度、典型的には2cm程度であることから、燃焼合成による製造によって歩留まりよく製造することができる。
・第1実施形態の第1支持部材30は、平坦板状第1支持部材に限定されず、図19(A)に示すように、リベット状第1支持部材30でもよい。リベット状第1支持部材30は、ワークCBに埋設される頭部と、その頭部から突出する胴部とを含む。リベット状第1支持部材30の胴部を第2支持部材40の凹部42に挿入し、この状態で、ワークCBの局所に発熱反応である燃焼反応が誘起されるように、ワークCBに外部から熱的刺激を付与することによって燃焼合成を開始する。燃焼合成によって摩擦部材20が生成する。また、摩擦部材20の燃焼合成の反応熱によって、摩擦部材20とリベット状第1支持部材30の頭部との間で第2金属間化合物が燃焼合成される。その第2金属間化合物によって、摩擦部材20とリベット状第1支持部材30とは化学的に接合される。図19(B)に示すように、リベット状第1支持部材30の胴部の先端は、燃焼合成の反応熱によって軟化または溶融し、鋳型としての凹部42によって鋳造される凸部32を形成する。当該凸部32と凹部42との係合によって第1支持部材30と第2支持部材40とは機械的に連結される。
・図19の変更例において、燃焼反応の前または後において、凹部42から下方に突出するリベット状第1支持部材30の胴部の先端をかしめることによって第1支持部材30と第2支持部材40とが機械的に連結されてもよい。
・第2支持部材40の凹部42は、段付き貫通孔に限定されず、図20(A)および(B)に示すように、摩擦部材20とは反対側に向けて径が大きくなるように形成されてもよい。
・第1実施形態において、第2支持部材40は凹部42を有さない板状に形成されてもよい。この場合、第1支持部材30は、凸部32を有さない板状に形成される。この変更例であっても、摩擦部材20と第1支持部材30とは少なくとも部分的に、化学的に、連結される。摩擦部材20がCu、Ti、Zn、NiおよびAlの少なくともいずれか2つから生成される第1金属間化合物を含むので、ブレーキパッド10のブレーキング性能は向上する。また、摩擦部材20が燃焼合成によって得られるので、ブレーキパッド10の製造コストは低減する。この変更例では、第1支持部材30と第2支持部材40とは、たとえば接着剤によって一体化される。
・実施形態及び変更例のブレーキパッド10は、ディスクブレーキ、リムブレーキなどの任意の自転車用ブレーキに適用できる。摩擦部材20、第1支持部材30、30aおよび第2支持部材40の形状は、ブレーキの形式に応じて適宜変更することができる。
本発明がその技術的思想から逸脱しない範囲で他の特有の形態で具体化されてもよいということは当業者にとって明らかであろう。たとえば、実施形態(あるいはその1つまたは複数の態様)において説明した部品のうちの一部を省略したり、いくつかの部品を組合せてもよい。本発明の範囲は、添付特許請求の範囲を参照して、添付特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に確定されるべきである。
10、10a…自転車用のブレーキパッド、
20…摩擦部材、
30、30a…第1支持部材、
32…凸部、
40…第2支持部材、
42…第2支持部材の凹部、
44…第2支持部材の上面、
46…第2支持部材の下面、
CB…ワーク、
P1(P1a、P1b)…金属材料、
P2…添加材料。

Claims (27)

  1. 第1金属間化合物を含む摩擦部材、および
    第1支持部材を備え、
    前記摩擦部材と前記第1支持部材とは、少なくとも部分的に、化学的に、連結される、自転車用のブレーキパッド。
  2. 摩擦部材、および
    Alを含む第1支持部材を備え、
    前記摩擦部材と前記第1支持部材とは、少なくとも部分的に、無機的かつ化学的に、連結される、自転車用のブレーキパッド。
  3. 前記摩擦部材は、第1金属間化合物を含む、請求項2に記載のブレーキパッド。
  4. Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つから生成される第1金属間化合物を含む摩擦部材、および
    前記摩擦部材を支持する第1支持部材を備え、前記摩擦部材と前記第1支持部材とは、少なくとも部分的に、化学的に、連結される、自転車用のブレーキパッド。
  5. 前記第1金属間化合物は、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つを含む複数の金属材料を燃焼合成することによって生成される、請求項1、3、および4のいずれか一項に記載のブレーキパッド。
  6. 前記第1金属間化合物は、添加材料を加えた状態で前記複数の金属材料を燃焼合成することによって生成される、請求項5に記載のブレーキパッド。
  7. 前記添加材料は、炭素を含む、請求項6に記載のブレーキパッド。
  8. 前記複数の金属材料は、CuおよびTiを含み
    前記第1金属間化合物は、TiCu、Ti2Cu、Ti3Cu4、Ti2Cu3、およびTiCu4の少なくともいずれか一つを含むCu-Ti系金属間化合物である、請求項7に記載のブレーキパッド。
  9. 前記摩擦部材は、TiCおよびCu3Ti3Oの少なくともいずれか一つをさらに含む、請求項8に記載のブレーキパッド。
  10. 前記摩擦部材は、前記複数の金属材料の少なくともいずれか一つを含む金属相をさらに含む、請求項5から9のいずれか一項に記載のブレーキパッド。
  11. 前記金属相は、Cuを含む、請求項10に記載のブレーキパッド。
  12. 前記第1支持部材は、Alを含み、
    前記摩擦部材と前記第1支持部材とは、前記複数の金属材料の少なくともいずれか1つと前記第1支持部材のAlとから生成される第2金属間化合物によって、少なくとも部分的に、無機的かつ化学的に、連結される、請求項5から11のいずれか一項に記載のブレーキパッド。
  13. 前記第2金属間化合物は、前記第1金属間化合物の燃焼合成に伴う熱によって生成される、請求項12に記載のブレーキパッド。
  14. 前記複数の金属材料は、CuおよびTiを含み、
    前記第2金属間化合物は、Al2Cuを含む、請求項12または13に記載のブレーキパッド。
  15. 前記摩擦部材および前記第1支持部材を支持する第2支持部材をさらに備え、
    前記第1支持部材と前記第2支持部材とは、機械的に連結される、請求項5から13のいずれか一項に記載のブレーキパッド。
  16. 前記第1支持部材は、凸部を含み、
    前記第2支持部材は、凹部を含み、
    前記第1支持部材と前記第2支持部材とは、前記第1金属間化合物の燃焼合成に伴う熱によって軟化または溶融する前記第1支持部材の前記凸部が前記第2支持部材の前記凹部に流入することによって機械的に連結される、請求項15に記載のブレーキパッド。
  17. 前記第2支持部材の前記凹部は、前記摩擦部材とは反対側に向けて径が大きくなるように形成される、請求項16に記載のブレーキパッド。
  18. 前記第2支持部材の前記凹部は、段付き貫通孔である、請求項17に記載のブレーキパッド。
  19. 前記第2支持部材は、板状に形成される、請求項15から18のいずれか一項に記載のブレーキパッド。
  20. 前記摩擦部材と前記第1支持部材とは、拡散接合によって、少なくとも部分的に、無機的かつ化学的に、連結される、請求項1から11のいずれか一項に記載のブレーキパッド。
  21. 前記第1支持部材は、板状に形成される、請求項20に記載のブレーキパッド。
  22. 複数の金属材料と添加材料とを含むワークを形成する第1工程、
    前記ワークと、金属を含む第1支持部材と、凹部を含む第2支持部材とを、前記第1支持部材が前記ワークおよび前記第2支持部材に接するように配置する第2工程、および
    前記ワークを加熱することによって摩擦部材を得る第3工程を備え、
    前記第3工程は、
    燃焼合成によって前記複数の金属材料から第1金属間化合物を生成すること、
    前記第1金属間化合物の燃焼合成に伴う熱によって生成される第2金属間化合物で前記摩擦部材と前記第1支持部材とを化学的に連結すること、および
    前記第1金属間化合物の燃料合成に伴う熱によって前記第1支持部材を軟化または溶融させて第2支持部材の前記凹部に流入させることで前記第1支持部材と前記第2支持部材とを機械的に連結することを含む、自転車用のブレーキパッドの製造方法。
  23. 前記複数の金属材料は、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つを含み、
    前記第1支持部材は、Alを含む、請求項22に記載のブレーキパッドの製造方法。
  24. 前記複数の金属材料は、CuおよびTiを含み、
    前記第2金属間化合物は、Al2Cuを含む、請求項23に記載のブレーキパッドの製造方法。
  25. 摩擦部材を得る第1工程、および
    前記摩擦部材と第1支持部材とを加熱および加圧することによって前記摩擦部材と前記第1支持部材とを拡散接合する第2工程を備える、自転車用のブレーキパッドの製造方法。
  26. 前記第1工程は、
    複数の金属材料と添加材料とを含むワークを形成すること、および
    前記ワークを加熱することで燃焼合成によって前記複数の金属材料から第1金属間化合物を生成することを含む、請求項25に記載のブレーキパッドの製造方法。
  27. 複数の金属材料は、Cu、Ti、Zn、NiおよびAlからなる群から選択される少なくともいずれか2つを含み、
    前記第1支持部材は、Alを含む、請求項25または26に記載のブレーキパッドの製造方法。
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