JP6307319B2 - チェーンテンショナ - Google Patents
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Description
例えば、図13に示すように、タイミングチェーンCHがエンジンルーム内のクランク軸に取り付けた駆動スプロケットS1とカム軸に取り付けた一対の従動スプロケットS2、S3との間に無端懸回されており、このタイミングチェーンCHが揺動チェーンガイドG1と固定チェーンガイドG2とによってガイドされてチェーンガイド機構が構成されている。
固定チェーンガイドG2は、2つの取付軸B1、B2でエンジンルーム内に固定され、揺動チェーンガイドG1は、取付軸B0を中心にタイミングチェーンCHの懸回平面内で揺動可能にエンジンルーム内に取り付けられている。
チェーンテンショナ500は、揺動チェーンガイドG1を押圧することでタイミングチェーンCHの張力を適正に保持するとともに振動を抑制している。
付勢手段は、円筒状のプランジャ520の筒状凹部521に収容されてプランジャ収容穴511の底部512との間で圧縮されるコイルばね540で構成されている。
このことで、プランジャ520の往復動に伴ってプランジャ520とプランジャ収容穴511の間の僅かな隙間をオイルが流れ、その流路抵抗によってプランジャ520の往復動を減衰させるダンピング効果を得ている。
このため、起動直後にオイル供給孔(供給孔12)からオイルが供給されるまでのタイムラグの間に必要なオイルを貯留油室(オイルリザーブ室9)内に残留させておく必要があるが、オイル供給孔(供給孔12)より上方にオイル面を維持することができない。
したがって、貯留油室(オイルリザーブ室9)の空間を大きく取ることが必要となり、全体を短くすることができず、小型化が困難であるという問題があった。
しかしながら、上方以外からオイルを供給する場合には適用できず、オイル供給孔(油供給孔122)の位置が限定されるという問題があった。
また、プランジャの加工すべき箇所が多く製造工程が複雑となり、材料等の制約も大きくコストも上昇するという問題があった。
このため、プランジャ供給孔より高い位置にオイル供給孔の位置を設定する際の自由度が極めて高くなり、貯留油室を大きくすることなく残留するオイル量を容易に多くすることができる。
また、プランジャの外周にオイルの供給空間を形成する連通調整溝加工する必要がなく、製造工程が簡略化され、材料等の制約も少なくなる。
このことで、長時間のオイル供給停止後の再起動時に必要十分なオイルを供給することができるとともに、製造が容易で製造コストも低減され、かつ、全体を短くし小型化することが可能となる。
さらに、プランジャ本体の圧油室側の外周に圧油室から供給空間まで延びる外部リーク溝が設けられていることで、長時間の停止後、起動直後のプランジャの往復動によって、オイルが貯留油室からチェックバルブを介して圧油室に供給され、圧油室内からのオイルは外部リーク溝を通過し、供給空間、プランジャ供給孔、内部供給空間及びオイル連通溝を通って貯留油室に回収される。
本請求項3に記載の構成によれば、チェックバルブに圧油室から貯留油室まで延びる内部リーク溝が設けられていることにより、プランジャの往復動によって、オイルが貯留油室からチェックバルブを介して圧油室に供給され、圧油室内からのオイルは内部リーク溝を通って直接貯留油室に回収される。
したがって、オイル供給孔の位置やチェーンテンショナ自体の取付け方向にかかわらず、プランジャとプランジャ収容穴の隙間を通って先端側から外部に漏出するオイルの量は減少し、供給空間に向かって開口するプランジャ供給孔から貯留油室に回収されるオイルの量を格段に増加させることが可能となる。
このことで、オイル供給停止直後に外部に漏出するオイルを減少させ、圧油室から貯留油室内に回収して循環供給することで再起動時に必要十分なオイルの量を確保することが可能となるため、貯留油室の空間を小さくすることができ、全体を短くし、小型化を図ることが可能となる。
プランジャ本体の圧油室側の外周には、圧油室から供給空間まで延びる外部リーク溝が設けられ、簡単な構成でオイルの供給位置の自由度を高めることが可能であり、長時間のオイル供給停止後の再起動時に必要十分なオイルを供給することができるとともに、全体を短くし、小型化を図ることが可能であり、かつ、製造が容易で製造コストも低減されるものであれば、その具体的な構成はいかなるものであってもよい。
例えば、プランジャ本体の形状が単純化されるため、金属板からプレス成形等で形成されてもよい。
本発明の第1実施形態に係るチェーンテンショナ100は、図1乃至図4に示すように、一方が開放した円筒状のプランジャ収容穴111を有するテンショナボディ110と、該プランジャ収容穴111に摺動自在に挿入される円筒状のプランジャ120と、プランジャ収容穴111とプランジャ120の後端側との間に形成される圧油室101に伸縮自在に収納されてプランジャ120を突出方向に付勢する付勢手段であるコイルばね140とを備えている。
テンショナボディ110のプランジャ収容穴111の内周には、プランジャ本体126の外周面との間に供給空間102を形成する連通調整溝103が形成され、連通調整溝103には、プランジャ突出端側に近接して外部からオイルが供給されるオイル供給孔114が設けられている。
また、プランジャ収容穴111の開放部近傍には、径方向に貫通したピン孔118が設けられており、該ピン孔118に押さえピン(図示せず)が挿入されることでプランジャ120を挿入状態で固定して、プランジャ120を組み込んだ状態でエンジン内に固定する等の作業を行うことが可能に構成されている。
プランジャ本体126の内部には、チェックバルブ150が配置され、その突出側に貯留油室123が形成されている。
チェックバルブ150は、ボールシート151と、該ボールシート151のオイル流路に密着可能なチェックボール152と、該チェックボール152をガイドするリテーナ153とを備えている。
圧油室101に伸縮自在に収納されてプランジャ120を突出方向に付勢する付勢手段は、一方の端部がプランジャ収容穴111の底部に着座し他方の端部がチェックバルブ150のリテーナ153の外周に着座するように構成されており、このことで、プランジャ本体126の内部の奥行きをコイルばね140の伸縮のスペースとして有効に確保している。
プランジャ収容穴111の連通調整溝103は内周全体に設けられ、プランジャ本体126の外周の間に形成される供給空間102は、筒状に形成されている。
また、チェックバルブ150のボールシート151には内部リーク溝であるシートリーク溝154が設けられており、圧油室101と貯留油室123との間でオイルが所定の流量で移動可能に構成されている。
通常の動作時は、図示しない取付壁部に設けられたオイル供給手段から常にオイルが供給されており、オイル供給孔114を介して供給空間102に常にオイルが満たされた状態が維持される。
供給空間102のオイルはプランジャ供給孔124を介して貯留油室123に供給され、貯留油室123もまた常にオイルが満たされた状態が維持される。
また、チェックバルブ150は貯留油室123から圧油室101側に方向のオイルの流れを許容するものであり、貯留油室123のオイルはチェックバルブ150を介して圧油室101に供給され、圧油室101もまた常にオイルが満たされた状態が維持される。
そして、プランジャ120が反突出方向に押し込まれた際には、チェックバルブ150が閉じるため、オイルは圧油室101内からプランジャ120とプランジャ収容穴111のとの隙間を通って供給空間102に流入し、この流路抵抗によってプランジャ120の往復動を減衰させるダンピング効果を得る。
起動直後には、オイルの供給にはタイムラグが発生し、しばらくの間、オイル供給孔114を介して供給空間102にオイルが供給されないため、圧油室101及び貯留油室123に残留したオイルのみにより動作することとなる。
この時、プランジャ120が反突出方向に押し込まれた際に、圧油室101内のオイルは、プランジャ本体126とプランジャ収容穴111のとの隙間を通って供給空間102に流入するのに加え、シートリーク溝154を通して貯留油室123に直接流入する。
このことで、外部に漏出するオイルを減少させることができ、再起動時のオイルが供給されるまでのタイムラグの間に必要十分なオイルの量を確保することが可能となる。
さらに、圧油室101内から供給空間102に漏出したオイルはオイル供給孔114からオイル供給手段側に流出する。
図8に示すようにプランジャ120の突出方向が水平より上方の場合、従来のプランジャに溝部を設けて供給空間を設けた場合は、プランジャ供給孔より上方にオイル供給孔を設けることは困難であり、残留するオイルの油面はプランジャ供給孔の位置となる。
これに対し、本発明においては、プランジャ収容穴111の内周に供給空間102を形成する連通調整溝103を設けることで、プランジャ供給孔124より上方にオイル供給孔114が位置し、そのオイル供給孔114の下端部にオイルの油面を維持できるため、充分な量のオイルを貯留油室123に残留させることが可能である。
始動直後のオイルがオイル供給孔114から供給されるまでのタイムラグの間のプランジャ120の往復動時にも、圧油室101内からシートリーク溝154を介して貯留油室123に直接オイルが回収される。
このことで、始動直後の貯留油室123のオイルの減少が緩和され、長時間放置された後の起動直後の動作を円滑に行うことができる。
また、プランジャ本体126の外周に圧油室101から供給空間102まで延びる外部リーク溝が形成され、圧油室101内から外部リーク溝、供給空間102、プランジャ供給孔124を介して貯留油室123に直接オイルを回収する。
その場合、外部リーク溝をプランジャ供給孔124と円周上同じ位相位置として、直接連続させることで、さらに貯留油室123に効率よくオイルを回収することができる。
本実施形態においては、プランジャ220の突出方向を水平より上方とした際に、オイル供給孔214が最も高い位置となるため、さらに多くの量のオイルを貯留油室223に残留させることが可能となる。
例えば、前述した各実施形態において、連通調整溝103が全周に設けられ、供給空間102が筒状に形成されているが、通常動作時のオイルの供給、起動時の貯留油室123へのオイルの回収が可能であれば、連通調整溝103を一部に設け(例えば前述の特許文献2の連通調整溝123のような形状)、供給空間102を全周にわたらない形状としてもよい。
また、前述した各実施形態の構成に加えて、ラチェット機構等のチェーンテンショナに組み込まれる他の構成を付加することを妨げるものではない。
さらに、チェーンによる伝動機構に限らず、ベルト、ロープ等の類似の伝動機構に適用されてもよく、長時間のオイル供給停止後の再起動時に十分なオイルを供給することが求められる用途であれば、種々の産業分野において利用可能である。
101、201、501 ・・・ 圧油室
102、202 ・・・ 供給空間
103、203 ・・・ 連通調整溝
110、210、510 ・・・ テンショナボディ
111、211、511 ・・・ プランジャ収容穴
512 ・・・ 底部
513 ・・・ 円筒面
114、214、514 ・・・ オイル供給孔
116、216 ・・・ 取付部
117、217 ・・・ 取付孔
118、218 ・・・ ピン孔
219 ・・・ 押さえピン
120、220、520 ・・・ プランジャ
521 ・・・ 筒状凹部
123、223 ・・・ 貯留油室
124、224 ・・・ プランジャ供給孔
126、226 ・・・ プランジャ本体
140、240、540 ・・・ コイルばね(付勢手段)
150、250、550 ・・・ チェックバルブ
151、251 ・・・ ボールシート
152、252 ・・・ チェックボール
153、253 ・・・ リテーナ
154、254 ・・・ シートリーク溝(内部リーク溝)
S1 ・・・駆動スプロケット
S2 ・・・従動スプロケット
S3 ・・・従動スプロケット
CH ・・・タイミングチェーン
G1 ・・・揺動チェーンガイド
G2 ・・・固定チェーンガイド
B0、B1、B2 ・・・取付軸
Claims (4)
- 一方が開放した円筒状のプランジャ収容穴を有するテンショナボディと、該プランジャ収容穴に摺動自在に挿入される円筒状のプランジャと、前記プランジャ収容穴とプランジャの後端側との間に形成される圧油室に伸縮自在に収納されてプランジャを突出方向に付勢する付勢手段とを備えたチェーンテンショナであって、
前記プランジャが、プランジャ本体と、該プランジャ本体の内部に設けられたチェックバルブとを有し、
前記プランジャ本体の内部のチェックバルブより突出側に貯留油室が形成され、
前記プランジャ収容穴の内周には、オイルの供給空間を形成する連通調整溝が形成され、
前記プランジャ収容穴には、前記供給空間にオイルを供給するオイル供給孔が設けられ、
前記プランジャ本体には、前記供給空間から前記貯留油室にオイルを供給するプランジャ供給孔が設けられ、
前記オイル供給孔が、前記プランジャの突出方向が水平より上方の場合、前記プランジャ供給孔より上方に位置し、
前記プランジャ本体の前記圧油室側の外周には、前記圧油室から供給空間まで延びる外部リーク溝が設けられていることを特徴とするチェーンテンショナ。 - 前記オイル供給孔が、前記供給空間のプランジャ突出側の端部に近接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のチェーンテンショナ。
- 前記チェックバルブには、前記圧油室から前記貯留油室まで延びる内部リーク溝が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチェーンテンショナ。
- 前記外部リーク溝が、前記プランジャ供給孔と円周上同じ位相位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
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