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JP6358045B2 - 表面被覆微粒子用x線分析方法及び表面被覆微粒子用x線分析装置 - Google Patents

表面被覆微粒子用x線分析方法及び表面被覆微粒子用x線分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、表面被覆微粒子用X線分析方法及び表面被覆微粒子用X線分析装置に関する。
膜の厚みを測定する方法としてX線を利用する方法が用いられている。例えば、被覆電線の被覆厚を測定する方法として次の方法が知られている。まず、X線を被覆電線に照射して電線像を結像装置に結像させる。さらに、X線に起因する電線像の横幅方向の長さにおいて結像装置からの出力信号に基づいて被覆電線の被覆厚を演算装置により演算し、演算装置の出力を表示装置により表示させる。この場合、X線源、結像装置及び被覆電線の各位置間の相対距離と、結像装置より得られた電線像の横幅方向の長さとを対比させることにより被覆厚を算出している。
また、密閉容器等内の測定対象材の厚みを透過X線により測定する方法が知られている。この測定方法は、まず、密閉容器等の基材を透過するX線をそのスペクトル全体におけるピークが測定対象材のK吸収端近傍に位置するように設定する。そして、K吸収端における透過X線強度により測定対象材の厚みを測定し、測定データを特定の式に当てはめることにより測定対象材の厚みを求めている。
また、表面被膜層を評価する他の方法としては、電子顕微鏡観察(SEM)とエネルギー分散型X線分析(EDX)を組み合わせる方法もある。SEMによれば、電子線を絞った電子ビームを試料表面上に走査させて照射し、試料表面から放出される二次電子や反射電子を検出することで、試料が観察される。また、EDXによれば、二次電子や反射電子と同時に放出される特性X線を利用して元素が分析される。この方法では、微粒子表面における被膜層の構造と元素分布を評価することにより、被膜層の厚さや凹凸を評価することが可能である。
特開平02−138806号公報 特開平11−287643号公報 特開2004−22318号公報
ミクロンサイズの微粒子表面に金属や金属酸化物などを被膜(コーティング)することによって、微粒子に触媒機能や導電性機能をもたせたり、耐食性や耐摩耗性を向上させたりするパウダーコーティング技術が利用されるようになってきている。このような技術で作成された微粒子材料は、電池電極材料、光触媒、抗菌材料など、幅広い分野に応用されている。現在、このような表面被膜層をもつ微粒子材料の開発及び製造工程では、ある製造条件に対して表面被膜層が所望の膜厚で均一に形成されているか、あるいは製造条件を変更することで表面被膜層にどのような影響があるかなど、微粒子表面上に被膜層の膜厚や凹凸を定量的に評価することができる方法及び分析装置が必要とされている。
そのような分析方法や分析装置として上記のようなSEMとEDXを利用すると、試料である微粒子の被膜層の一部を剥ぐなど、試料作製に手間がかかるし作製が困難である。しかも、試料全体の平均情報を得ることが難しく、膜厚や凹凸の大小を定量的に比較し、評価することが難しい。
また、膜の膜厚及び凹凸を評価する方法としてX線反射率法があげられる。しかし、この方法は平坦な基板上に形成された薄膜には有効であるが、微粒子で構成される試料の測定には適用できない。その他に、試料を透過する前後のX線強度もしくは試料から放出される蛍光X線に基づいて試料のX線吸収量を評価する方法があるが、母相である微粒子を構成する元素と被膜層を構成する元素の含有量が相対的に評価できるに過ぎない。
以上のことから、表面被膜層を持ったミクロンサイズの微粒子において、被膜層の膜厚や凹凸(被膜率)を、迅速かつ定量的に評価することは従来では困難であった。
本発明の目的は、微粒子の表面被膜層の膜厚及び凹凸を簡便に評価することができる表面被覆微粒子用X線分析方法及び表面被覆微粒子用X線分析装置を提供することにある。
本実施形態の1つの観点によれば、表面に母相と異なる元素を含む被膜層を持つ微粒子にX線を入射し、前記被膜層が持つ第1元素による前記X線の吸収に依存する第1電流量を測定し、前記第1元素と異なる前記母相が持つ第2元素による前記X線の吸収に依存する第2電流量を測定し、前記第1元素の前記X線の吸収端付近のX線吸収量の変化を示す前記第1電流量の変化の大きさから前記被膜層の膜厚を求め、前記第2元素の前記X線の吸収端付近のX線吸収量の変化を示す前記第2電流量の変化の大きさと前記膜厚から前記被膜層の凹凸の大きさと被膜率の少なくとも一方を求める、表面被覆微粒子用X線分析方法が提供される。
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解されるものである。
本実施形態によれば、微粒子の表面被膜層の膜厚及び凹凸を簡便に評価することができる。
図1は、実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析装置の一例を示すブロック図である。 図2は、実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析装置に使用される検出器の一例を示す断面図ある。 図3(a)、(b)は、実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析装置により測定される試料の一例を示す断面図である。 図4は、実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析装置により測定される試料のX線スペクトルの一例を示す図である。 図5は、実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析装置により測定される試料における被膜層の厚さとX線吸収量の関係の一例を示す特性図ある。 図6は、実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析装置により測定される 試料における母相によるX線吸収量と被膜層の厚さの関係の一例を示す特性図である。 図7は、実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析方法の第1例を示すフローチャートである。 図8は、実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析方法の第2例を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照して実施形態を説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図1は、本実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析装置を示すブロック図、図2は、図1に示した検出器の概要を示す断面図である。
図1に示す表面被覆微粒子用X線分析装置は、X線源(不図示)から入射した白色X線を分光して単色X線を出射する分光器1と、分光器1から出射された単色X線の強度を測定する第1検出器2を有している。また、表面被覆微粒子用X線分析装置は、分光器1から出射された単色X線を試料である微粒子Sに照射し、微粒子Sの種々の特性を検出する第2検出器3を有している。分光器1は、例えば互いに対向して配置される第1、第2の平板結晶1a、1bを使用し、白色X線を広い立体角の2枚の平板結晶1a、1bでブラッグ反射させ、特定のエネルギーの単色X線を出射させる構造となっている。
白色X線が照射される第1の平板結晶1aの白色X線入射方向に対する角度θ、及び第2の平板結晶1bのうち第1の平板結晶1aとの対向面の白色X線入射方向に対する角度θは、例えば制御部21により制御される。分光器1は、制御部21の制御信号により第2の平板結晶1bから微粒子Sに向けて照射される単色X線のエネルギーを変更する構造を有している。単色X線のエネルギーは、平板結晶1bに取り付けられているエンコーダ(不図示)で読み取られる平板結晶1bの実際の角度θにより決定される。通常、第1の平板結晶1aの角度θは第2の平板結晶1bの角度θと等しくなるように動作させ、単色化したX線の強度を調整する目的で角度θを微調整する。
第1検出器2は、試料Sへの単色X線の照射軌道の途中に設置可能に配置され、単色X線が検出器の後方に抜けるような、例えば、電離箱が使用され、強度が測定される。
第2検出器3として、例えば、図2に例示するような転換電子収量用検出器が使用される。転換電子収量用検出器は、検出器容器4内の底部に載置された導電性ステージ5と、検出器容器4内でステージ5の上方に空間を介して配置された電極6と、検出器容器4の一部に嵌め込まれたX線透過窓7を有している。検出器容器4は接地線Gに接続される。また、検出器容器4内に排気管8と給気管9が接続され、排気管8を通して検出器容器4内にX線検出用ガスとして不活性ガス、例えばヘリウム(He)が導入される。第2検出器3を使用中にガスは常に給気管9を通して供給され、余剰ガスは排気管8を通して排出される。
ステージ5の表層と電極6は、例えばカーボンなどの導電材料から形成され、直流電圧電源11、電流計12、配線13、接地線G等を介して直列に接続されている。直流電圧電源11のプラス端は電流計12側に接続され、マイナス端は電極6に接続される。電流計12と第1検出器2によりそれぞれ測定された信号データは、カウンタタイマ22に送信されて信号処理される。
単色X線のエネルギーが設定値に合っているか否かはカウンタタイマ22の信号処理データに基づいてデータ処理・演算部23により判断され、設定値になるように制御部21を介して分光器1の第1、第2の平板結晶1a、1bの角度θ、θが調整される。また、カウンタタイマ22で信号処理されたデータは、データ処理・演算部23により処理・演算された後に記憶領域24に記憶され、さらに表示部25により表示される。データ処理・演算部23により取得された記憶領域24のデータは表示部25に表示されてもよい。また、データ処理・演算部23におけるデータの取得は記憶領域24内で行われる。なお、カウンタタイマ22、データ処理・演算部23、記憶領域24のうち少なくとも1つは、CPU、ハードディスク等を備えたコンピュータであってもよい。
次に、図1、図2に示した表面被覆微粒子用X線分析装置を使用して微粒子表面の被膜層の凹凸と被覆率の評価方法を説明する。微粒子Sとして、例えば図3(a)に示すように、均一な厚さの被膜層Sxにより略球体状の母相Syが覆われた第1微粒子S1と、図3(b)に示すように膜厚分布が不均一で凹凸の大きな被膜層Sxにより略球体状の母相Syが覆われた第2微粒子S2を例に挙げる。第1、第2微粒子S1、S2は、例えば直径約10μmの大きさで形成される。
微粒子Sにおいて、被膜層Sxは元素Aを含み、母相Ayは元素Bを含む。但し、元素Aと元素Bは異なる。以下の説明では、元素AをCo、元素BをNiとする。その一例として、母相Syをニッケル(Ni)化合物粒子から形成し、被膜層Sxをコバルト(Co)化合物から形成した微粒子Sを試料として使用する。母相SyのNi化合物として例えば水酸化ニッケル(Ni(OH))を形成する。また、被膜層Sxは、例えば100nm〜200nmの厚さに形成される。
まず、図1,図2に示した第2検出器3の検出器容器4内のステージ5の上に検出対象である微粒子Sを載せる。微粒子Sは、表面が被膜層Sxに覆われた微粒子であり、導電性両面接着テープ10の露出面に複数個貼り付けられる。
導電性テープ10として、例えば、テープ状のカーボン、銅、銀などの導電性基材の上に導電性接着剤を塗布した構造を有するテープを使用する。導電性接着剤に使用される導電性材料や導電性基材は、微粒子Sの含有元素と異なる材料であることが好ましい。
次に、検出器容器4内をヘリウムで満たした状態で、X線源(不図示)から白色X線を分光器1に照射する。分光器1は、白色X線からある特定の波長の単色X線を選択し、検出器容器4のX線透過窓7を通して微粒子Sに照射する。単色X線は、第1検出器2を介してカウンタタイマ22により強度が測定される。エンコーダ(不図示)により読み取られた平板結晶1bの角度θをもとに、データ処理・演算部23においてエネルギーが算出され、エネルギーが最適値にあるか否かが判断され、制御部21により最適値になるまで分光器1の平板結晶1a、1bの角度θ、θが制御される。
そのように制御された単色X線を微粒子Sに照射すると、微粒子S中の元素がX線を吸収し、内殻電子が励起され、オージェ電子が外部に放出されてHe原子をイオン化し、電極6に到達させ、結果として試料電流が電流計12により検出される。この方法では、微粒子SによるX線の吸収量と放出される電子数がほぼ比例するため、電流量によってX線の吸収量を評価することが可能である。即ち、放出された電子は、Heに衝突してHeを発生させ、Heは負の電圧が印加されている電極6に吸引され、その量は電流計12により電流量(アンペア)として測定される。この場合、微粒子Sから放出される電子により微粒子Sの表面からの深さ数十nm〜数百nmの範囲でX線吸収を評価することができる。
次に、微粒子SのX線吸収スペクトルを得るために、ある特定の単色X線における試料のX線吸収を測定した後に、制御部21により分光器1を通して微粒子Sに照射される単色X線のエネルギーを変更する。分光器1内の平板結晶1a、1bの角度θ、θが、再び制御部21により最適値となるように制御され、同様に微粒子SのX線吸収量が測定される。最終的に、所望のエネルギー範囲の微粒子SのX線吸収スペクトルを得るまで、エネルギーを変更する手順とX線吸収を測定する手順を繰り返す。このようにすることで、微粒子Sのあるエネルギー範囲におけるX線吸収スペクトルを得ることができる。
このように、本実施形態では、X線吸収を電流量で評価し、試料である微粒子Sの表面から所定範囲の厚さとX線吸収量の関係を求め、微粒子Sの表面の被膜層Sxの凹凸とその厚さの分析に適用する。
図3(a)に示した第1微粒子S1のX線吸収スペクトルの例を図4の実線で示す。図4の実線の特性が得られる第1微粒子S1では、表面の被膜層SxはCo化合物であり、母相SyがNi化合物である。従って、第1微粒子S1では、元素Co、Niの他の元素にもX線が照射されるので、それらの元素のX線吸収スペクトルも取得されるが、図4では、Co、Ni以外の元素に由来するX線吸収スペクトルは除かれている。
図4において、表面の被膜層Sxの元素Coの吸収エネルギーは約7700eV付近より大きい領域で顕著に現れ、その吸収端エネルギーの値は約7700eVとなる。また、母相Syの元素Niの吸収エネルギーは約8300eV付近より大きい領域で顕著に現れ、その吸収端エネルギーの値は約8300eVとなる。従って、Coの吸収端エネルギーは、Niの吸収端エネルギーに比べて低エネルギー側に位置することがわかる。
ところで、図4では、約7700eV以下のX線エネルギーは、被膜層Sxと母相Syに含まれる元素Co、Niのエネルギー吸収端よりも低いエネルギーのX線により計測した試料電流量から評価したX線吸収量である。また、図4では、約7700eV〜約8300eVのX線エネルギーは、被膜層Sxと母相Syに含まれる元素Co、Niのエネルギー吸収端の間のエネルギーのX線により計測した試料電流量から評価されるX線吸収量である。さらに、図4では、約8300eV以上のX線エネルギーは、被膜層Sxと母相Syに含まれる元素Co、Niのエネルギー吸収端よりも高いエネルギーX線により計測した試料電流量から評価したX線吸収量である。なお、母層Syに含まれる元素NiのX線吸収により生じる電子は、被覆層Sxが厚くなるほど被膜層Sxを通過する量が減るので電流計12により測定されるX線吸収量は小さくなる。
被膜層Sx内のCoの吸収端エネルギーの前後において増加する試料電流量I、すなわちX線吸収量は、Coを含む被膜層Sxの膜厚dに依存し、次式(1)により表される。式(1)において、定数λは、元素AであるCoを含む被膜層Sx中を電子が移動する際の減衰長である。試料電流量Iは、膜厚dが減衰長λよりも小さいときは膜厚dが増加するに従ってゆるやかに増加するが、膜厚dが減衰長λよりも大きくなるとほぼ一定の値となる。本実施形態における減衰長λは、数十nm〜数百nmの範囲であり、微粒子Sに照射されるX線のエネルギー及び微粒子Sの密度に依存する。図4で示した7400〜8000eVのエネルギー領域では、300nm程度である。
Figure 0006358045
従って、Coの吸収端エネルギーの値の前後での試料電流量Iに基づくX線吸収量の変化を図5に示すように測定することにより、減衰長λを超えない範囲でCoを含む表面の被膜層Sxの膜厚dを評価することが可能である。
次に、図4において、Coを含む被膜層Sxの膜厚dに基づき、Niの吸収端前後での試料電流量Iの変化から、被膜層Sxの凹凸もしくは被膜率を評価する。既知の表面被膜層Sxの均一な膜厚dとX線吸収量(電流量I)の関係を予め記憶領域24に蓄積したデータ、例えば図5を使用し、図4の測定結果に基づき表面被膜層Sxの膜厚dを試料電流量Iから求める。これにより、母相Syを構成するNiのエネルギー吸収端前後での試料電流の変化量、すなわちX線吸収量は、表面の被膜層Sxの膜厚分布が理想的に均一に形成されている場合、次の式(2)の試料電流量I2idealで表される。
Figure 0006358045
図4の実線の特性において、母相Syを構成する元素BであるNiのエネルギー吸収端の前後で検出される試料電流量Iは、X線照射により第1微粒子S1の母相Syから放出された電子が表面の被膜層Sxを通過することにより、検出される電流量である。式(2)において、λB→Aは、X線吸収により母相Syから放出された電子が被膜層Sxを通過する時の減衰長であり、μは、表面被膜層SxによるX線のエネルギー吸収効果を表す吸収係数である。
表面の被膜層Sxが非常に厚くなると、母相Syから被膜層Sxを通過する電子は指数関数的に少なくなり、Niの吸収端エネルギー前後で観測される試料電流量Iの変化はごくわずかとなるとともに、見かけ上のX線吸収量は0となる。
実際に作成される表面の被膜層Sxをもつ第2微粒子S2において、図3(b)のように、表面の被膜層Sxは大なり小なり理想的な場合に比べて凹凸を持ち、表面被膜層Sxには薄い部分と厚い部分が存在する。また、母相Syから放出された電子は被膜層Sxの膜厚に対し、厚くなるほど指数関数的に減少する。
このため、元素BであるNiの吸収端エネルギー前後で観測される試料電流量Iの変化は、被膜層Sxに凹凸が存在した場合、厚い部分よりも薄い部分の領域に支配され、凹凸が存在しない場合に比べてより多くの試料電流Iが流れる。このため、被膜層Sxに凹凸が存在した場合、見かけ上、母相SyによるX線のエネルギー吸収量が増加するので、上式(2)で表されるX線吸収量(試料電流量I2ideal)の理想的な形状に比べて、実際に観測されるX線吸収量(電流量I)は多くなる。
従って、理想的な被膜層Sxの膜厚dを有する図3(a)の第1微粒子S1に比べ、見かけ上どれだけX線吸収量が増加したかを評価することにより、表面の被膜層Sxの凹凸を評価することが可能である。また、被膜層Sxの膜厚dが非常に薄い場合、この凹凸というパラメータは、被膜層Sxの被膜率というパラメータに置き換えることが可能である。
被膜層Sxの膜厚d及び凹凸を評価した例を図6に示す。図6は、作成条件を異ならせることによって被膜層Sxの膜厚d及び凹凸を相違させた2種類の被膜微粒子S1、S2の評価結果である。図6において波線で示すように凹凸が存在する第2試料S2の試料電流量Iは、実線で示すように凹凸が無い第1微粒子S1の試料電流量I2idealよりも大きい。
このため、第1微粒子S1と第2微粒子S2の測定データから膜厚dと試料電流Iを予め取得してデータベース化することにより実際の測定対象となる第2試料S2の凹凸の有無や大きさを判断することができる。即ち、図5に示す試料電流量Iに基づくデータベースから被膜層Sxの膜厚dが算出され、図6に示す試料電流量に基づくデータベースから凹凸の大小が判断できる。被覆率は、例えば、同じ膜厚dにおいて、波線で示す実測の試料電流量Iと実線で示す基準電流である試料電流量I2idealの割合、例えば増加率で示すことができる。
第2微粒子S2についても第1微粒子S1と同様にX線吸収スペクトルを求めると、図4の波線で示すような特性が得られる。図4において、エネルギーが7700eV付近のX線吸収量における急激な立ち上がりは、被膜層Sxに含まれるCo原子によるX線の吸収を示している。また、エネルギーが8300eV付近のX線吸収量の立ち上がりが、母相Syに含まれるNi原子によるX線の吸収により生じる電子の被膜層Sxの通過を示している。第1試料S1と第2試料S2のX線吸収スペクトルの違いは、それぞれの表面被膜層の膜厚及び凹凸の違いを反映している。
図4のCo原子の吸収端前後のX線吸収量の変化から、第1微粒子S1と第2微粒子S2の試料に対して、被膜層Sxを反映した上記の式(1)で表されるX線吸収量Iを評価した。図4から、第2微粒子S2の方が第1微粒子S1に比べて電流量Iが大きく、図5により第1試料S1の被膜層Sxの方が薄いことが分かり、評価結果は、第1微粒子S1の膜厚が約130nm、第2微粒子S2の膜厚が約200nmであった。
膜厚や凹凸などのデータベースは、例えば、予め取得したデータに基づいて算出される。そのデータは、微粒子Sの母体Syと同じ材料を平坦な膜に形成し、その上に被膜層Sxと同じ材料の被覆膜を厚さと凹凸差を変えて複数の試料を作製する。凹凸は、形成条件を変えて形成してもよいし、フォトリソグラフィ、エッチングなどを用いて形成されてもよい。その後に、作製した試料について、X線反射率法、SEM・EDX法などにより測定した膜厚、凹凸のデータを、本実施形態と同じ方法により測定して得たX線吸収スペクトルのデータと関連づけると、試料電流量I、Iの大きさから膜厚や凹凸の特性のデータベースが得られる。
データベースは記憶領域24に格納され、そのようなデータベースを参照してデータ処理・演算部23がカウンタタイマ22の処理データから図4〜図6に示すようなX線吸収スペクトル、膜厚・電流量特性を演算により作製し、表示部25などにより出力する。
次に、測定により得られた第1微粒子S1と第2微粒子S2の被膜層Sxの膜厚dの図5に示すデータと、母相Syに含まれるNi原子の吸収エネルギー端前後のX線のエネルギー吸収量の図6に示したような変化から、表面被膜層の凹凸の大小を評価した。
図6に示したように、被膜層Sxの凹凸が無い時の、被膜層Sxの膜厚に対する理想的なNi原子によるX線の吸収量と、Ni原子の吸収端エネルギー前後での第1、第2微粒子S1、S2のX線吸収量の変化量との比較から、第2微粒子S2の方が第1微粒子S1よりもX線吸収量の理想状態からの見かけ上の増加が大きく、被膜層Sxの凹凸が大きいことが分かった。
以上の結果から、第1微粒子S1の方が第2微粒子S2に比べてより薄く均一に被膜層Sxが形成されていることが分かった。
なお、上記の説明では、被膜層Sxに含まれる原子としてCo、母相Syに含まれる原子としてNiの系について示したが、本実施形態は原子番号が隣りあった原子に限ったものではなく、原子番号が離れている系や母相に含まれる原子の方が低エネルギー側に吸収端をもつ系においても、本実施形態の適用が可能である。
図7に、本実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析方法のフローチャートの第1の例を示す。このフローチャートは、試料である微粒子Sにおいて所望の膜厚を有し、かつ凹凸の小さい被膜層Sxが形成されているかどうかを判定するために使用される。
まず、上記の方法により微粒子Sに単色X線を照射する。これにより、被膜層Sxに含まれる元素Aの吸収エネルギー端及び母相Syに含まれる元素Bのエネルギー吸収端におけるX線吸収量の変化から、膜厚を評価するためのX線吸収による電流量I、および凹凸を評価するためのX線吸収による電流量Iを測定する(図7のa)。
測定したデータは図1に示したカウンタタイマ22により信号処理去され、データ処理・演算部23は、カウンタタイマ22から取得したデータを演算、処理し、図4に示すようなX線吸収スペクトルを取得する(図7のb)。
次に、電流量Iが0以下となる場合は、母相Syから電子が被覆層Sxを通過しない状態を意味するので、被膜層Sxの厚さが目標値より厚いことになり、微粒子Sが使用対象から外れ、測定対象の微粒子Sは不合格となり、判定処理を終了する(図7のc、i)。
これに対し、電流量Iが0より大きい場合には、母相Syから電子が被膜層Sxを通過して出射されることになるので、被膜層Sxの膜厚dは目標値より厚くないと判断できるので、次の処理に進む(図7のc、d)。
まず、元素Aに関する電流量Iを測定し、上記の式(1)から予め演算しておいた図5のようなデータベースに電流量Iを当てはめて被膜層Sxの膜厚dを演算する(図7のd)。さらに、被膜層Sxの膜厚dを式(2)に当てはめ、図6に実線で示す理想的で凹凸の無い母層Syの元素Bについて電流量I2idealを求めた後に(図7のe)、実際に測定して得られた元素Bについてのエネルギー吸収端の前後の電流量Iから凹凸が許容範囲であるか否かを判断する(図7のf)。
その判断は、測定した電流量Iが凹凸の極めて小さい或いは存在しない理想電流量I2idealと予め定めた膜厚dの許容範囲最大値に該当する閾値電流量I2thretholdとの間の範囲に含まれているか否かによる。その範囲に含まれていない場合には凹凸差が大きすぎることになるので、微粒子Sが使用対象から外れ、測定対象の微粒子Sは不合格となり、判定処理を終了する(図7のf、h)。X線吸収量Iが小さく観測できない場合、被膜層Sxの膜厚が厚すぎると判定する。また、元素Bについて実測の電流量Iが理想電流量I2idealと閾値電流量I2thretholdの間の範囲に含まれる場合には、凹凸差が許容範囲であり、膜厚も許容範囲と判断し、測定対象の微粒子Sは合格となり、判定処理を終了する(図7のf、g)。
図8に、本実施形態に係る表面被覆微粒子用X線分析方法のフローチャートの第2の例を示す。このフローチャートもまた所望の膜厚でかつ凹凸の小さい被膜層Sxが形成されているかどうかを判定するために用いられる。
まず、図7のフローチャートのa、bに示したと同様に、図4に示したようなX線吸収スペクトルを取得し、さらに、測定データを上記と同様に処理する(図8のa、b)。次に、被膜層Sxの元素Aについてのエネルギー吸収端の前後のエネルギーにおける電流量Iの測定結果から、図5のようなデータベースに当てはめて膜厚dを算出する(図8のj)。
次に、算出された膜厚dが予め設定した下限値dminと上限値dmaxの範囲内にあるか否かを判断し、その範囲内に存在しない場合には膜厚不良を理由に判断処理を終了する(図8のk、m)一方、範囲内にある場合には図7のe〜hまでのフローに従った処理を行い、微粒子Sの膜厚と凹凸の合否を判定する(図8のe〜h)。
上記のように分析試料にX線を入射し試料を構成する元素によるX線の吸収効果によって試料中を流れる試料電流量を測定するX線吸収測定方法を利用する。これにより、被膜層Sxを構成する元素の吸収端近傍でのX線吸収量(試料電流量I)の変化の大きさから被膜層Sxの膜厚を、母相Syを構成する元素の吸収端近傍での線吸収量(試料電流量I)の変化の大きさから被膜層Sxの凹凸もしくは被膜率を、それぞれ評価することができる。また、表面被膜層Sxをもつ微粒子Sの被膜層Sxの膜厚及び凹凸(被膜率)を従来よりも簡便かつ迅速に評価することが可能となる。また、本実施形態によれば、仮に微粒子Sのサイズにばらつきがあっても、表面被膜層Sxの膜厚及び凹凸(被膜率)を定量的に評価することが可能である。
以上述べたように本実施形態によれば、表面被覆微粒子について上記のX線分析方法及びX線分析装置を使用することにより、表面に被膜層Sxをもつ微粒子Sについて、従来よりも迅速かつ非破壊で被膜層Sxの厚さ及び凹凸を評価することができる。また、 被膜層Sxの膜厚及び凹凸の違いによる微粒子Sの物理的・化学的特性の変化について、定量的に評価することが可能となり、材料及びそれを用いたデバイスの開発を促進することができる。
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈され、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができると理解される。
1 分光器
1a、1b 平板結晶
2、3 検出器
4 検出器容器
5 ステージ
6 電極
7 X線透過窓
8 排気管
9 給気管
10 導電性両面接着テープ
11 直流電圧源
12 電流計
13 配線
21 制御部
22 カウンタタイマ
23 データ処理・演算部
24 記憶領域
25 表示部
S,S1、S2 微粒子

Claims (4)

  1. 表面に母相と異なる元素を含む被膜層を持つ微粒子にX線を入射し、
    前記被膜層が持つ第1元素による前記X線の吸収に依存する第1電流量を測定し、
    前記第1元素と異なる前記母相が持つ第2元素による前記X線の吸収に依存する第2電流量を測定し、
    前記第1元素の前記X線の吸収端付近のX線吸収量の変化を示す前記第1電流量の変化の大きさから前記被膜層の膜厚を求め、
    前記第2元素の前記X線の吸収端付近のX線吸収量の変化を示す前記第2電流量の変化の大きさと前記膜厚から前記被膜層の凹凸の大きさと被膜率の少なくとも一方を求める、
    表面被覆微粒子用X線分析方法。
  2. 前記被覆層の前記凹凸の大きさと前記被膜率の少なくとも一方は、前記被膜層が均一の膜厚の状態における前記第2電流量を基準電流とし、実測により求められる前記第2電流量の前記基準電流に対する増加率から求められることを特徴とする請求項1に記載の表面被覆微粒子用X線分析方法。
  3. 前記第1元素と前記第2元素のエネルギー吸収端よりも低いエネルギーの前記X線により計測した試料電流量から評価したX線吸収量と、前記第1元素と前記第2元素の前記エネルギー吸収端の間のエネルギーのX線により計測した試料電流量から評価したX線吸収量と、前記第1元素と前記第2元素の前記エネルギー吸収端よりも高いエネルギーX線により計測した試料電流量から評価したX線吸収量とを示すX線吸収スペクトルの測定により、前記第1電流量の前記変化と前記第2電流量の前記変化を求め、前記被膜層の前記凹凸の大きさと前記被膜率の少なくとも一方が求められることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表面被覆微粒子用X線分析方法。
  4. 表面に母相と異なる元素を含む被膜層をもつ微粒子にX線を照射するX線照射部と、
    前記被膜層が持つ第1元素による前記X線の吸収に依存する第1電流量と、前記第1元素と異なる前記母相が持つ第2元素による前記X線の吸収に依存する第2電流量とを測定する電流測定部と、
    前記第1元素の前記X線の吸収端付近のX線吸収量の変化を示す前記第1電流量の変化の大きさから前記被膜層の膜厚を求め、前記第2元素の前記X線の吸収端付近のX線吸収量の変化を示す前記第2電流量の変化の大きさと前記膜厚から前記被膜層の凹凸の大きさと被膜率の少なくとも一方を求める処理演算部と、
    を有する表面被覆微粒子用X線分析装置。
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