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JP6230538B2 - 安定なオキサリプラチン封入リポソーム水分散液及びその安定化方法 - Google Patents

安定なオキサリプラチン封入リポソーム水分散液及びその安定化方法 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2012年08月10日に出願された、日本国特許出願第2012−178971号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。
本発明は、オキサリプラチン封入リポソームを水分散液の状態で長期保存可能な技術に関する。
近年のナノテクノロジーの発展により、ナノテクノロジーを医薬品に応用する試みがなされている。リン脂質を水中に分散させることで形成されるリポソームはその一例であり、リン脂質の疎水基同士が向き合った二分子膜が形成する閉鎖小胞体である。リポソームは生体膜と同じ成分から構成されるため極めて生体適合性に優れる。また親水性薬物は小胞体内部に、疎水性薬物はリポソーム膜に包埋できることから、いずれの特性を有する薬物も担持可能なドラッグキャリアとして数多く研究されている(非特許文献1、2等)。リポソームの血中滞留性、腫瘍移行性等の特性は、その物理的性質(粒子径、表面電荷、薬物放出率等)に起因するが、物理的性質を維持するには膜の主構成成分であるリン脂質の化学的安定性が重要となる。リン脂質の分解は生体内におけるリポソームの安定性を低下させ、体内動態の変化を惹起し、薬物の体内動態変化は薬理効果の低下、予期せぬ副作用の発現等に直結するため、リポソームの医薬品への応用にはリン脂質の保護が必須であると考えられる。
オキサリプラチンは1978年に喜谷博士らによって合成された白金錯体化合物であり、直腸・結腸癌の治療において世界的に最も広く用いられる抗癌剤の一つである。しかしながらオキサリプラチンは血漿タンパク及び血球への結合率が高く、正常組織にも分布しやすいことから、他の抗癌剤と同様、末梢神経毒性を始めとした高い毒性が確認されており、改善が求められている。この改善に向けたアプローチとして、リポソーム化技術の適用が検討されている(特許文献1〜3参照)。リポソーム化することで非選択的な全身分布を抑制し、EPR効果(Enhanced Permeability and Retention effect)による腫瘍移行の促進が期待できることから、オキサリプラチンの持つ毒性を軽減しつつ、より高い抗腫瘍活性が期待できる。特許文献1には、長期血中滞留性を有するPEG(ポリエチレングリコール)修飾リポソームにオキサリプラチンを封入した製剤が開示されている。特許文献2には、PEG修飾リポソームに更にトランスフェリン修飾した製剤について開示されている。特許文献3には、オキサリプラチンの効率的な封入方法及びそのリポソーム化による効果について開示されている。しかしながら、オキサリプラチンは他の添加剤との配合性が悪く(特許文献4)、また、分解物によるpH低下によりリポソームが破壊されると考えられるが、上記の先行技術情報には医薬品として不可欠な当該リポソーム製剤の長期安定化方法について全く言及されていない。
リポソーム水分散液の安定化技術に関しては、例えば、クエン酸又は酒石酸緩衝液(特許文献5)、ヒスチジン(非特許文献3)、タウリン(特許文献6)、Tris(特許文献7)等を安定化剤として利用する技術が公知である。しかし、これらがオキサリプラチン封入リポソーム水分散液の安定化に利用可能かどうかについては全く言及がない。これらの安定化剤は、主としてpH変動によるリン脂質の加水分解を軽減するために添加したものであり、特定の化合物に対する配合適性が考慮された添加剤ではない。従って、封入薬物の種類によっては、薬物と添加剤が接触することにより薬物の安定性に影響を与える可能性があり、医薬品としての品質が低下する。リポソーム製剤の場合、その水分散液中のpHが低下するとリン脂質の加水分解が加速する。オキサリプラチンを封入したリポソーム水分散液では、外水相にごく低濃度で存在するオキサリプラチンの分解が生じやすく、シュウ酸の脱離によりpHが低下する要因となる(オキサリプラチンは1mg/mLを下回ると徐々に安定性が低下することが特許文献4に開示されている)。加えて、リン脂質の加水分解産物としてカルボン酸が遊離するため、更に系中のpH低下につながる。これらシュウ酸及び/又はカルボン酸によるpH低下がリン脂質の分解を加速させ、更にpHが低下するという悪循環が生じると考えられる。事実、本発明者らの研究において、これら先行技術情報を参考とした水分散液にてオキサリプラチン封入リポソーム製剤を調製すると、経時的なオキサリプラチンもしくはリン脂質の分解が促進することを確認している。
国際公開WO2009/096487号公報 特開2004−10481号公報 国際公開WO2007/099377号公報 国際公開WO96/04904号公報 国際公開WO97/30696号公 特開平05−004037号公報 国際公開WO97/28104号公報
Internatinal Journal of Nanomedicine 2006 1(3) 297−315 Science (2004) Vol.303,1818−1822 Bioanalysis (2011)3(3), 333−344
本発明の目的は、長期保存安定性の高いオキサリプラチン封入リポソーム水分散液を提供することにある。また、オキサリプラチン封入リポソーム水分散液の安定化技術を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、安定化剤として2−モルホリノエタンスルホン酸(以下、MESと称する)をリポソーム外水相に用いることにより、リポソーム中の総オキサリプラチン量にほとんど影響を与えず、リン脂質を長期にわたり十分安定に保つ水分散液が得られることを見出した。更に、MESをリポソーム外水相のみに添加することによりオキサリプラチン封入リポソーム水分散液を長期にわたり安定化できることを見出した。本発明者らは、さらに、当該リポソーム水分散液に最適なpH等を検討し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記リポソーム水分散剤、その安定化剤及び安定化方法を提供するものである。
項1.オキサリプラチンを封入したリポソームの水分散液であって、2−モルホリノエタンスルホン酸を外水相に含有することを特徴とするオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
項2.リポソーム分散液の内水相には2−モルホリノエタンスルホン酸は実質的に含有しないことを特徴とする項1記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
項3.リポソーム水分散液のpHが5〜8である上記項1又は2記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
項4.リポソームが、当該リポソームの構成成分として飽和リン脂質を有する上記項1〜3のいずれか記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
項5.リポソームが、当該リポソームの構成成分として、水素添加精製大豆ホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン及び水素添加精製卵黄ホスファチジルコリンから選ばれる1種またはそれ以上の飽和リン脂質を有する上記項1〜4のいずれか記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
項6.使用される2−モルホリノエタンスルホン酸の量が、リポソームを形成するリン脂質1質量部に対して0.00001〜10質量部(好ましくは0.00005〜1質量部、更に好ましくは0.0001〜0.1質量部)である上記項1〜5のいずれか記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
項7.2−モルホリノエタンスルホン酸又はその塩を有効成分とする、オキサリプラチン封入リポソーム水分散液の安定化剤。
項8.オキサリプラチン封入リポソーム水分散液に2−モルホリノエタンスルホン酸又はその塩を添加することを特徴とするオキサリプラチン封入リポソーム水分散液の安定化法。
項9.項1〜6のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液からなる抗腫瘍剤。
項10.哺乳動物に対して項1〜6のいずれか1項に記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液を投与する工程を含む、癌の治療方法。
項11.抗腫瘍剤を製造するための項1〜6のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液の使用。
項12.癌の治療に使用するための項1〜6のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
項13.抗腫瘍剤の抗腫瘍活性を増強するための、項1〜6のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液からなる抗腫瘍効果増強剤。
項14.哺乳動物に対して、抗腫瘍剤を投与する工程をさらに含む、項10記載の癌の治療方法。
項15.抗腫瘍剤の効果増強剤を製造するための項1〜6のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液の使用。
項16.抗腫瘍剤の効果を増強するための項1〜6のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
本発明によれば、長期保存安定性を有するオキサリプラチン封入リポソーム水分散液を提供することができる。また、本発明により、40℃といった比較的高温での保存でも長期間安定なオキサリプラチン封入リポソーム水分散液を提供することが可能となった。
図1は、試験例3における血漿中Pt濃度の経時的変化を示す。
本発明において使用されるMESは、公知化合物であり、例えば、SIGMA−ALDRICH(製品コード:M8250)、Merck(製品コード:106126)、同仁化学(製品コード:GB81)等のメーカーより2−モルホリノエタンスルホン酸として入手可能である。本発明において、MESの塩とは、有機化学の分野で用いられる慣用的なものを意味する。例えば、MESはスルホン酸基を有するため、当該スルホン酸における塩基付加塩等を挙げることができる。
該塩基付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられる。
MES又はその塩の添加量は、MESの質量部換算で、リポソーム形成リン脂質1質量部に対して0.00001〜10質量部、好ましくは0.00005〜1質量部、更に好ましくは0.0001〜0.1質量部である。
本発明において、MES又はその塩はリポソーム製造工程中でリポソーム水分散液の外水相に溶液状態又は粉末状態で添加してもよく、また、限外ろ過、透析等により規定濃度のMESを含むバッファで外水相を交換することで添加してもよく、それは未封入薬物除去工程と同時に実施してもよい。また、最終水分散剤に添加してもよいが、ろ過滅菌の直前に規定量の濃厚MES溶液(添加volumeとしては製剤の1%以下)を添加する様式が好ましい。最終水分散剤にMES又はその塩を添加する場合も、MES又はその塩は、実質的に、外水相に存在することとなる。
本発明において、外水相のpHとしては5.0〜8.0が好ましく、より好ましくは5.5〜7.5であり、更に好ましくは6.0〜7.0である。本発明においては、分散液の状態で、当該リポソーム分散液にpHメータの電極を挿入して、外水相のpHを測定する。pHの調節方法としては、オキサリプラチン封入リポソーム水分散液にMES又はその塩を添加した後、pH調整剤を添加することによって、外水相のpHを所望のpH値に調整する方法があげられる.また,このようなpH調節に用いられるpH調節剤としては、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物が挙げられ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム等であり、好ましくは水酸化ナトリウムである。
本発明において、「長期保存安定性」とは、少なくとも冷所で6ヶ月、沈殿・凝集、粒子径の変化が無く、オキサリプラチン及びリン脂質の分解が少ない、もしくは許容できる範囲にあることを意味する。
本発明において、「封入」とは、薬剤(オキサリプラチン)が、脂質膜で形成されるリポソームの閉鎖空間に内封された状態、膜を構成する脂質層内に一部または全ての部分が含まれて担持されている状態であることを意味する。
本発明においてオキサリプラチン(以下、L−OHPと略す場合がある)とは、シスオキザラート(1R,2R−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)で表される公知化合物であり、癌細胞のDNAに結合することによりDNAの機能障害及びDNA鎖の切断を引き起こし、癌細胞を死滅させる作用を有している。オキサリプラチンは、公知の方法、例えば特公昭60−41077号、特開平6−211883号に記載されている方法に従って製造することができる。
本発明において「リポソーム」とは、細胞膜の構成成分であるリン脂質を水中に分散させて形成される脂質二分子膜により囲まれた内水相部分を有する閉鎖小胞であり、そのサイズ、脂質二分子の数等によって多重相リポソーム(Multilamellar Vesicle:MLV)、大きな一枚膜リポソーム(Large Unilamellar Vesicle:LUV)及び小さな一枚膜リポソーム(Small Unilamellar Vesicle:SUV)の3種類に分類されるが、脂質二重層構造を有する閉鎖小胞である限り、本発明ではいずれの種類のリポソームも使用可能である。
本発明のリポソームは生体内投与前及び投与後に安定なリポソーム構造を形成しなければならない。リポソームを構成するリン脂質としては、飽和リン脂質が挙げられ、例えば水素添加精製卵黄ホスファチジルコリン(相転移温度50℃、以下HEPCとする)、水素添加精製大豆ホスファチジルコリン(相転移温度約55℃、以下HSPCとする)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(相転移温度約41℃、以下DPPCとする)及びジステアロイルホスファチジルコリン(相転移温度約58℃、以下DSPCとする)から選ばれ、より好ましくはHSPCが挙げられる。相転移温度の異なるリン脂質を用いることにより、リポソームの脂質二分子膜の流動性を変えることができ、薬物の封入率、製剤中での安定性、投与後の生体内動態などの点から、最適なリン脂質を選択することができる。
本明細書において、水素添加卵黄ホスファチジルコリンとは、卵黄由来のホスファチジルコリンに水素添加したものをいう。好ましい実施形態において、水素添加卵黄ホスファチジルコリンとしては、例えば、アシル部分が炭素数16〜18の飽和直鎖脂肪酸由来のアシル基であるホスファチジルコリンを主成分とするものを挙げることができる。また、本発明においては、水素添加精製卵黄ホスファチジルコリンとは、水素添加卵黄ホスファチジルコリンを精製したものをいい、例えば、純度80%以上、好ましくは純度90%以上のものを用いることができる。
本明細書において、水素添加大豆ホスファチジルコリンとは、大豆由来のホスファチジルコリンに水素添加したものをいう。好ましい実施形態において、水素添加大豆ホスファチジルコリンとしては、例えば、アシル部分が炭素数16〜18の飽和直鎖脂肪酸由来のアシル基であるホスファチジルコリンを主成分とするものを挙げることができる。また、本発明においては、水素添加精製大豆ホスファチジルコリンとは、水素添加大豆ホスファチジルコリンを精製したものをいい、例えば、純度80%以上、好ましくは純度90%以上のものを用いることができる。
脂質二重層には、脂質二重層を物理的又は化学的に安定させたり、膜の流動性を調節したりするために、例えば、コレステロール、コレステロールコハク酸、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、デスモステロール、ジヒドロコレステロール等の動物由来のステロール;スチグマステロール、シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール等の植物由来のステロール(フィトステロール);チモステロール、エルゴステロール等の微生物由来のステロール;グリセロール、シュクロース等の糖類;トリオレイン、トリオクタノイン等のグリセリン脂肪酸エステルのうち、1種又は2種以上を含有させることができる。その含有量は特に限定されるものでないが、脂質二重層を構成する総脂質量に対して10〜50%(モル比)であることが好ましく、20〜40%(モル比)であることがさらに好ましい。
脂質二重層には、トコフェロール、没食子酸プロピル、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシトルエン等の抗酸化剤;ステアリルアミン、オレイルアミン等の正荷電を付与する荷電物質;ジセチルホスフェート等の負電荷を付与する荷電物質;膜表在性タンパク質、膜内在性タンパク質等の膜タンパク質を含有させることができ、その含有量は適宜調節することができる。
さらにリポソームの膜表面を、必要に応じ、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン等の親水性高分子、アミノ基、アミジノ基、グアジニノ基等の塩基性官能基を含む脂質(以下、カチオン化脂質とする)、ペプチド、レクチン、抗体、糖質、糖タンパク、糖脂質等のリガンドで修飾することによって、リポソームの血中での安定性、組織分布、腫瘍組織への移行性等をさらに改善することができる。
本発明において、「ポリエチレングリコール」には、未置換のポリエチレングリコールだけでなく、親油性(疎水性)側鎖を共有結合させた誘導体が含まれ、親油性側鎖の具体例として、アルキル鎖、リン脂質、コレステロール等が挙げられ、ポリエチレングリコールを共有結合させたリン脂質を利用することが好ましい。ポリエチレングリコールを共有結合させたリン脂質としては、例えば、EPC(egg phosphatidylcholine)、DLPC(dilinoleoylphosphatidylcholine)、DMPC(dimyristoylphosphatidylcholine)、DPPC(dipalmitoylphosphatidylcholine)、DSPC(distearoylphosphatidylcholine)、POPC(palmitoyloleoylphosphatidylcholine)、DOPC(dioleoylphosphatidylcholine)、DSPE(1,2−distearoyl−sn−glycero−3−phosphoethanolamine)、DOPE(dioleoylphosphatidylethanolamine)、SOPE(stearyloleoylphosphatidylcholine)等が挙げられる。これらのうち、EPC、DOPC、DSPE、DOPE、SOPE等が好ましく、DSPEがより好ましい。かかるポリエチレングリコール誘導体としては、リポソームの安定性向上のために通常用いられるものを広く用いることができる。同様に、本発明において、「ポリグリセリン」には、未置換のポリグリセリンだけでなく、親油性(疎水性)側鎖を共有結合させた誘導体が含まれ、親油性側鎖の具体例として、アルキル鎖、リン脂質、コレステロール等が挙げられる。かかるポリグリセリン誘導体としては、リポソームの安定性向上のために通常用いられるものを広く用いることができる。また、基本となる水相には、必要に応じて等張化剤(例えば、マンニトール、グリセリン、ショ糖、ブドウ糖、塩化ナトリウム等)、防腐剤(例えば、パラベン類、クロルブタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール等)を発明の効果を失わない範囲で添加してもよい。オキサリプラチンはこの水相に溶解した状態でリポソーム内に存在し、安定化剤であるMESは水相に溶解した状態でリポソーム外に存在する。
更に、MESのリポソーム安定化作用を補助する目的で、タウリンをリポソーム外に少量添加することも可能である。その添加割合としては、MES 1質量部に対して、タウリンを1質量部以下、好ましくは0.0001〜0.5質量部である。
本発明のリポソーム製剤は公知の方法により調製される。公知のリポソーム製剤の調製方法としては、例えば、逆相蒸発法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.75,4194,1978、国際公開WO97/48398号公報)、凍結融解法(Arch.Biochem.Biophys,Vol.212,186,1981)、pH勾配法(Biochem.Biophys.Acta,Vol.816, 294,1985、特開平7−165560号公報)、水和法等が挙げられる。
これらの中で、逆相蒸発法による本発明のリポソーム製剤の調製方法としては、例えば、脂質成分をクロロホルム、エーテル、エタノール等の溶媒に溶解後、ナス型フラスコに入れ、減圧下溶媒留去し脂質薄膜を形成する。次いで、クロロホルム/ジエチルエーテル= 1/2混液を加え、薄膜を溶解する。ここにオキサリプラチンの水溶液を添加し、25℃にて15分間超音波処理を行い乳化(エマルション)させる。次いで、ボルテックスを交えながら、エバポレーターにて約1時間減圧下有機溶媒部分を留去させ、w/oエマルションからo/wエマルションに転相させることで、リポソームを形成、同時にオキサリプラチンをリポソームに封入することができる。
水和法によるリポソームの製造例を以下に示す。
上記のリン脂質、コレステロール、高分子誘導体等の脂質成分を有機溶剤に溶解した後、有機溶剤を蒸発除去することにより脂質膜を得る。この際、有機溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール等の低級アルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン等のケトン類等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂質二重層の構成成分である脂質を有機溶剤に溶解した後、有機溶剤を蒸発除去することにより脂質膜を得、続いて、オキサリプラチン水溶液でこの脂質膜を水和させ、攪拌又は超音波処理することによりリポソームを製造する。
または、本発明のリポソーム製剤を以下のような製造例でも製造できる。リポソーム膜構成脂質(例えば、リン脂質、コレステロール、親水性高分子誘導体)を揮発性有機溶媒、好ましくは無水エタノールに加温溶解し、脂質溶液を調製する。この際の加温温度は用いたリン脂質の相転移温度以上に設定すべきであり、HSPCを用いた場合には50〜80℃であり、好ましくは60〜70℃である。引き続き浸透圧調整剤、pH調整剤、オキサリプラチン等を水に溶解し、脂質溶液と同程度に加温した後、脂質溶液と混合及び攪拌することにより、粗リポソーム分散液を得る。攪拌においてはマグネティックスターラー、プロペラ式攪拌機等を用い、さらに必要に応じてホモミキサー等で乳化処理をしてもよい。
本発明において用いるリポソーム組成としては、リン脂質(例えば、HEPC、HSPC、DPPC、DSPC等、より好ましくはHSPC)、コレステロール、及びポリエチレングリコールを結合させたリン脂質(例えば、ポリエチレングリコールを結合させたDSPE等)を含むものが好ましい。より具体的には、リポソームの組成比(モル換算)として、リン脂質:コレステロール:ポリエチレングリコールを共有結合させたリン脂質が1:0.01〜2:0.005〜0.5であるのが好ましく、1:0.1〜1:0.01〜0.1であるのがより好ましい。
リポソームの粒子サイズは内包されているオキサリプラチンの生体内分布、腫瘍組織への送達性に大きな影響を与えることが報告されている(Biol.Pharm.Bull.,Vol.17,935,1994)。従って、本発明においては、オキサリプラチン内包リポソームの粒子径を適切かつ均一にするために、サイジング処理を行うのが好ましく、例えば、バイオディスラプター(日本精機社製等)を使用した超音波処理、ナノマイザー(吉田機械興業)等を用いた高圧乳化処理を行うことにより、平均粒子径として約100〜200nmになるように調節する。あるいは、窒素加圧下、リポソーム溶液を種々のポリカーボネートメンブレンフィルターを用いてサイジング(0.4μm,0.2μm,0.1μm,0.08μm)することで平均粒子径として約100〜300nmになるように調節する。
尚、本発明において、「平均粒子径」とは、FPAR−1000(大塚電子製)を用い、動的光散乱法にて得られる平均粒子径を示す。
本発明に係るリポソーム製剤は、また、オキサリプラチン封入リポソーム製剤について開示するWO2009/096487号、特開2004−10481号、WO2007/099377号、特開2006−248978号公報等に記載の方法に従い得ることができる。
好ましい実施形態において、本発明に係るリポソーム製剤は、オキサリプラチン溶液として、オキサリプラチンを1〜20%ショ糖液に1〜20mg/mLとなるように溶解した液を用いて調製される。当該方法によって調製したオキサリプラチン封入リポソーム製剤を、必要に応じ、超遠心処理、ゲル濾過処理、限外濾過処理及び透析処理を単独又は適宜組み合わせて行うことによって、リポソームに封入されなかったオキサリプラチンを除去することができる。
上記の方法により得られるオキサリプラチン封入リポソーム製剤はそのままでも水分散液に使用できるが、保存期間、保存条件等を考慮して、マンニトール、トレハロース、ラクトース、グリシン等の賦形剤を加えて凍結乾燥し保存しておいたものを本発明のMES添加水分散液に使用することもできる。またグリセリン等の凍結保存剤を加え、凍結保存しておいたものを本発明のMES添加水分散液に使用することもできる。
好ましい実施形態において、オキサリプラチンのリポソーム製剤は、1〜100μg/mgリン脂質、より好ましくは5〜60μg/mgリン脂質,さらに好ましくは10〜50μg/mgリン脂質のオキサリプラチンを含有する。
本発明のオキサリプラチン封入リポソーム製剤の平均粒子径は、好ましくは50〜300nm、より好ましくは80〜200nm、更に好ましくは100〜150nmである。
本発明のリポソーム分散液は、in vitro及びin vivoのいずれにおいても使用することができる。本発明リポソーム分散液をin vivoにおいて用いる場合には、投与経路として、例えば、静脈注射、点滴等が挙げられ、投与量及び投与頻度は、本発明リポソーム分散液に封入されたオキサリプラチンの量、患者等に応じて適宜調整することができる。
本発明のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液は、リポソームの内水相にオキサリプラチンを封入していることを特徴とするが、本発明の効果が維持される範囲で、オキサリプラチンの一部が脂質二重層を透過して外水相に漏出したものも含まれる。同様に、本発明のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液には、外水相に存在するMESの一部が、本発明の効果が維持される範囲で、内水相に浸透したものも含まれる。
オキサリプラチン封入リポソーム水分散液は、一般的には、使用時に生理的に許容される水溶液で分散又は希釈して注射剤(静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下投与製剤)として用いられるが、経口剤、点眼剤、点鼻剤、吸入剤、坐剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤等として加工し使用することもできる。この場合、適当な製剤用担体を用いて、通常の方法に従い製剤組成物とされる。ここで用いられる担体としては、通常の薬剤に汎用される各種のもの、例えば等張化剤、pH調整剤、防腐剤、安定化剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤等を本発明の効果を損なわない範囲において使用することができる。
本発明製剤を投与することにより治療できる悪性腫瘍の種類としては特に制限はなく、例えば上皮系癌(例えば、呼吸器系癌、消化器系癌、生殖器系癌、分泌系癌等が挙げられる。)、肉腫、造血細胞系腫瘍等が挙げられ、好ましくは、上皮系癌であり、より好ましくは消化器系癌である。また、腫瘍の発生臓器の種類としても特に制限は無く、肺癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、食道癌、乳癌、頭頸部癌、肝臓癌、胆のう・胆管癌、膵臓癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、咽頭癌、脳腫瘍、白血病、メラノーマ、悪性リンパ腫等が挙げられる。特に結腸癌、直腸癌、胃癌、食道癌、乳癌、頭頸部癌に対して5−FU系抗癌剤との併用により高い効果が期待できる。更に、典型的に薬剤耐性であるか又は薬剤耐性になり始めている腫瘍に対しても高い効果が期待できる。
上記の各投与単位形態中に配合されるべきオキサリプラチンの量は、これを適用すべき患者の症状により、或いはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では0.05〜1000mg、注射剤では0.01〜500mg、坐剤では1〜1000mgとするのが望ましい。
また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、オキサリプラチンとして通常成人(体重50kg)1日あたり0.05〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mgとすればよく、これを1日1回又は2〜3回程度に分けて投与するのが好ましい。
本発明のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液が投与される哺乳動物としては、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ等が挙げられる。

本発明のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液は、抗腫瘍剤の抗腫瘍活性を増強する効果を有している。従って、本発明のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液は、抗腫瘍剤の抗腫瘍活性を増強するための抗腫瘍効果増強剤として用いることもできる。
本発明のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液と併用する抗腫瘍剤としては、自体公知の抗腫瘍剤を広く用いることができ、例えば、5−フルオロウラシル、ドキシフルリジン、カペシタビン、テガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムの3成分を有効成分とする抗腫瘍剤並びにCPT−11を挙げることができる。
ここで、上記本発明の抗腫瘍効果増強剤は、抗腫瘍剤と、それぞれ別々に又は同時に投与することができる。すなわち、本発明の抗腫瘍効果増強剤は、併用する抗腫瘍剤の投与前、後、同時の任意の時期に投与することができる。好ましくは同時に、もしくは抗腫瘍剤の投与前後4時間以内、より好ましくは2時間以内に投与するのが良い。
本発明の抗腫瘍効果増強剤を、抗腫瘍剤と別々に又は同時に投与する場合、例えば、抗腫瘍剤1モルに対して、オキサリプラチンの量が0.1〜5モル程度、好ましくは0.3〜3モル程度、より好ましくは、0.4〜1モル程度となる範囲で投与すればよい。
以下、製造例、参考例、実施例、比較例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例及び試験例に限定されるものではない。
実施例1
(1)MES溶液の調整
2−モルホリノエタンスルホン酸(同仁化学社製、製品コード:349−01623)の3mM水溶液(以下、MES溶液と記載)を調製し、0.1N NaOHを用いてpHを6.0〜6.5に調製した。
(2)配合適正評価用サンプルの調整
60〜70℃に加温した50mLの10%ショ糖溶液中に、攪拌しながら1.12gの混合脂質粉末(HSPC/Chol/mPEG2000−DSPE=2/1/0.1,mol/mol)を加えた。この後、適宜ホモミキサー等を用いてより均一な乳化状態を得た。続いて0.2μmのポリカーボネートフィルターを数回通過させ、平均粒子径100〜200nmのプラセボリポソーム分散液を得た。これをHSPC試料とした。
オキサリプラチン試料(1mg/mL水溶液)1mLに上記(1)で得られたMES溶液を加え、全量を20mLとした。これをオキサリプラチンとMESの配合適性評価用サンプルとした。同様に、HSPC試料1mLにMES溶液を加え、全量を20mLとしたものをHSPCとMESの配合適性評価用サンプルとした。
比較例1
実施例1の手順に従い、オキサリプラチン試料1mL、HSPC試料1mLに10%ショ糖溶液を加え、それぞれ全量を20mLとした。これを安定化剤未添加のオキサリプラチン、HSPCの安定性評価用サンプルとした。
比較例2
pH6.0〜6.5の3mMクエン酸緩衝液を調製し、これを実施例1の手順に従ってオキサリプラチン試料1mL、HSPC試料1mLに加え、それぞれ全量を20mLとした。このサンプルをオキサリプラチンもしくはHSPCとクエン酸の配合適性評価用サンプルとした。
比較例3
pH6.0〜6.5の3mM酒石酸緩衝液を調製し、これを実施例1の手順に従ってオキサリプラチン試料1mL、HSPC試料1mLに加え、それぞれ全量を20mLとした。このサンプルをオキサリプラチンもしくはHSPCと酒石酸の配合適性評価用サンプルとした。
比較例4
pH6.0〜6.5の3mMヒスチジン水溶液を調製し、これを実施例1の手順に従ってオキサリプラチン試料1mL、HSPC試料1mLに加え、それぞれ全量を20mLとした。このサンプルをオキサリプラチンもしくはHSPCとヒスチジンの配合適性評価用サンプルとした。
比較例5
pH6.0〜6.5の3mMタウリン水溶液を調製し、これを実施例1の手順に従ってオキサリプラチン試料1mL、HSPC試料1mLに加え、それぞれ全量を20mLとした。このサンプルをオキサリプラチンもしくはHSPCとタウリンの配合適性評価用サンプルとした。
比較例6
pH6.0〜6.5の3mM Tris水溶液を調製し、これを実施例1の手順に従ってオキサリプラチン試料1mL、HSPC試料1mLに加え、それぞれ全量を20mLとした。このサンプルをオキサリプラチンもしくはHSPCとTrisの配合適性評価用サンプルとした。
比較例7
pH6.0〜6.5の3mM HEPES水溶液を調製し、これを実施例1の手順に従ってオキサリプラチン試料1mL、HSPC試料1mLに加え、それぞれ全量を20mLとした。このサンプルをオキサリプラチンもしくはHSPCとHEPESの配合適性評価用サンプルとした。
試験例1 オキサリプラチン及びHSPCと各種添加剤の配合適性評価(安定性試験)
実施例1〜比較例7で調製したサンプルは、バイアル充てんして巻き締めた後、オキサリプラチンサンプルは60℃、HSPCサンプルは40℃にて保管した。サンプル中のオキサリプラチン及びHSPC濃度はHPLCにて測定し、初期値と10日保存値を比較することで配合適性を評価した。オキサリプラチン及びHSPC濃度の初期値に対する10日保存値のパーセンテージを表1に示した。
Figure 0006230538
表1に示すように、実施例1ではMESを添加したことによるオキサリプラチンの分解はほとんどなく(緩衝剤がない比較例1と同等)、HSPCの分解もほとんどないことが判明した。これに対し、比較例1及び5ではオキサリプラチンの分解は少ないが、HSPCが大きく分解しており、安定化剤の添加が必要であると示唆された。また、比較例2〜4、6、7では、HSPCの安定化は認められるが、オキサリプラチンの分解が促進されることが判明した。
製造例1
60〜70℃に加温した100mLの無水エタノール中に、攪拌しながら約60gの混合脂質粉末(HSPC/Chol/mPEG2000−DSPE=2/1/0.1, mol/mol)を加え、脂質溶液とした。この脂質溶液を、同じく60〜70℃に加温した900mLの8mg/mLオキサリプラチン−10%スクロース溶液中に加え、攪拌した。この後、適宜ホモミキサー等を用いてより均一な乳化状態を得た。続いて0.2μmのポリカーボネートフィルターを数回通過させ、平均粒子径100〜200nmのオキサリプラチン封入リポソーム分散液を得た。
次いで、タンジェンシャルフロー限外ろ過膜(PES,300kDa,0.1m)を用いた限外ろ過にて未封入のオキサリプラチンを除去し、オキサリプラチン封入リポソーム(以下、リポソーム試料1と記す)を得た。
実施例2
MESの高濃度水溶液を調製し、製剤中のMES濃度が3mMとなるように、製造例1で得られたリポソーム試料1中に添加した。次いで、0.1N NaOHを用いてpHを6.0〜6.5に調製し、MES添加オキサリプラチン封入リポソーム水分散液とした。
比較例8
添加剤を添加しない製剤として、製造例1で得られたリポソーム試料1をそのまま用いた。
比較例9
Trisの高濃度水溶液を調製し、製剤中濃度が3mMとなるように、リポソーム試料1中に添加した。次いで、硫酸試液(100倍希釈した硫酸)を用いてpHを6.0〜6.5に調製し、Tris添加製剤とした。
比較例10
ヒスチジンの高濃度水溶液を調製し、製剤中濃度が3mMとなるように、リポソーム試料1中に添加した。次いで、硫酸試液(100倍希釈した硫酸)を用いてpHを6.0〜6.5に調製し、ヒスチジン添加製剤とした。
試験例2 オキサリプラチンリポソーム製剤に対するMESの安定化効果 -1
実施例2及び比較例8〜10で調製したサンプルは、バイアル充てんして巻き締めた後、40℃にて保管した。サンプルの平均粒子径は動的光散乱法、オキサリプラチン及びHSPC濃度はHPLCにて測定し、初期値と1箇月保存値を比較することで安定化効果を評価した。結果を表2に示した。
Figure 0006230538
表2に示すように、比較例8又は9ではHSPC濃度が約1/2まで低下しており、リポソームを構成するリン脂質の分解が確認された。また、比較例10ではHSPC濃度低下を抑制しているものの、L−OHP濃度の低下を認めた。これに対し、実施例2ではL−OHP濃度に影響を与えることなく、HSPC濃度低下を大幅に改善した。
試験例3 オキサリプラチンリポソーム製剤に対するMESの安定化効果 -2
実施例2及び比較例8で調製したサンプルは、バイアル充てんして巻き締めた後、2〜8℃にて保管した。サンプルの平均粒子径は動的光散乱法、オキサリプラチン及びHSPC濃度はHPLCにて測定し、初期値と六箇月保存値を比較することで安定化効果を評価した。結果を表3に示した。
Figure 0006230538
表3の結果も同様に、比較例8ではHSPC濃度、pHの低下が確認された。一方で実施例2の製剤では、L-OHP濃度に影響を与えることなく、HSPCの分解を抑制した。
試験例4 MESによる製剤安定化とオキサリプラチン封入リポソームの製剤特性との関係
実施例2及び比較例8で調製したサンプルは、バイアル充てんして巻き締めた後、25℃で4箇月保管した。保管後の実施例2及び比較例8の製剤はオキサリプラチン量として4.2mg/kgとなるように雄性BALB/cマウスに尾静脈内投与し、6、24、72時間後に採血し、血漿を得た。血漿中Pt濃度は原子吸光光度計にて測定した。結果を図1に示す。
実施例2との血中滞留性を比較すると、劣化が進んだ比較例8は血中滞留性が低く、実施例2では、保管直後と同様に、高い血中滞留性を維持していることが判明した。
実施例3
60〜70℃に加温した100mLの無水エタノール中に、攪拌しながら約40gのDSPC、約4.8gのCholesterol、約7.5gのmPEG2000−DSPEを加え(DSPC/Chol/mPEG2000−DSPE=2/0.5/0.1,mol/mol)、脂質溶液とした。この脂質溶液を、同じく60〜70℃に加温した900mLの8mg/mLオキサリプラチン−10%スクロース溶液中に加え、攪拌した。この後、適宜ホモミキサー等を用いてより均一な乳化状態を得た。続いて0.2μmのポリカーボネートフィルターを数回通過させ、平均粒子径100〜200nmのオキサリプラチン封入リポソーム分散液を得た。
次いで、タンジェンシャルフロー限外ろ過膜(PES,300kDa,0.1m)を用いた限外ろ過にて未封入のオキサリプラチンを除去し、オキサリプラチン封入リポソームを得た。
MESの高濃度水溶液を調製し、製剤中濃度が1mMとなるように、上記で得られたリポソーム中に添加した。次いで、0.1N NaOHを用いてpHを6.0〜6.5に調製し、MES添加オキサリプラチン封入リポソーム水分散液を調製した。
実施例4
60〜70℃に加温した100mLの無水エタノール中に、攪拌しながら約37gのDPPC,約10gのCholesterol,約15gのmPEG2000−DSPEを加え(DPPC/Chol/mPEG2000−DSPE=2/1/0.2,mol/mol)、脂質溶液とした。この脂質溶液を、同じく60〜70℃に加温した900mLの8mg/mLオキサリプラチン−10%スクロース溶液中に加え、攪拌した。この後、適宜ホモミキサー等を用いてより均一な乳化状態を得た。続いて0.2μmのポリカーボネートフィルターを数回通過させ、平均粒子径100〜200nmのオキサリプラチン封入リポソーム分散液を得た。
次いで、タンジェンシャルフロー限外ろ過膜(PES,300kDa,0.1m)を用いた限外ろ過にて未封入のオキサリプラチンを除去し、オキサリプラチン封入リポソームを得た。
MESの高濃度水溶液を調製し、製剤中濃度が5mMとなるように、上記で得られたリポソーム中に添加した。次いで、0.1N NaOHを用いてpHを6.0〜6.5に調製し、MES添加オキサリプラチン封入リポソーム水分散液を調製した。
実施例5
60〜70℃に加温した100mLの無水エタノール中に、攪拌しながら約39gのHEPC,約15gのCholesterol,約0.4gのmPEG2000−DSPEを加え(HEPC/Chol/mPEG2000−DSPE=2/1.5/0.05,mol/mol)、脂質溶液とした。この脂質溶液を、同じく60〜70℃に加温した900mLの8mg/mLオキサリプラチン−10%スクロース溶液中に加え、攪拌した。この後、適宜ホモミキサー等を用いてより均一な乳化状態を得た。続いて0.2μmのポリカーボネートフィルターを数回通過させ、平均粒子径100〜200nmのオキサリプラチン封入リポソーム分散液を得た。
次いで、タンジェンシャルフロー限外ろ過膜(PES,300kDa,0.1m)を用いた限外ろ過にて未封入のオキサリプラチンを除去し、オキサリプラチン封入リポソームを得た。
MESの高濃度水溶液を調製し、製剤中濃度が0.1mMとなるように、上記で得られたリポソーム中に添加した。次いで、0.1N NaOHを用いてpHを6.0〜6.5に調製し、MES添加オキサリプラチン封入リポソーム水分散液を調製した。

Claims (11)

  1. オキサリプラチンを封入したリポソームの水分散液であって、2−モルホリノエタンスルホン酸を外水相に含有することを特徴とするオキサリプラチン封入リポソーム水分散液であって、
    リポソーム水分散液のpHが6〜8であり、
    リポソームが、当該リポソームの構成成分として、水素添加精製大豆ホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン及び水素添加精製卵黄ホスファチジルコリンから選ばれる1種またはそれ以上の飽和リン脂質を有する、オキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
  2. リポソーム分散液の内水相には2−モルホリノエタンスルホン酸は実質的に含有しないことを特徴とする請求項1記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
  3. リポソーム水分散液のpHが6〜7である請求項1又は2記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
  4. リポソームが、当該リポソームの構成成分として飽和リン脂質を有する請求項1〜3のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
  5. 使用される2−モルホリノエタンスルホン酸の量が、リポソームを形成するリン脂質1質量部に対して0.00001〜10質量部である請求項1〜のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
  6. 2−モルホリノエタンスルホン酸又はその塩を有効成分とする、オキサリプラチン封入リポソーム水分散液の安定化剤であって、
    リポソーム水分散液のpHが6〜8であり、
    リポソームが、当該リポソームの構成成分として、水素添加精製大豆ホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン及び水素添加精製卵黄ホスファチジルコリンから選ばれる1種またはそれ以上の飽和リン脂質を有する、安定化剤。
  7. オキサリプラチン封入リポソーム水分散液に2−モルホリノエタンスルホン酸又はその塩を添加することを特徴とするオキサリプラチン封入リポソーム水分散液の安定化法であって、
    リポソーム水分散液のpHが6〜8であり、
    リポソームが、当該リポソームの構成成分として、水素添加精製大豆ホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン及び水素添加精製卵黄ホスファチジルコリンから選ばれる1種またはそれ以上の飽和リン脂質を有する、方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液からなる医薬品。
  9. 請求項1〜のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液からなる抗腫瘍剤。
  10. 抗腫瘍剤を製造するための請求項1〜のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液の使用。
  11. 癌の治療に使用するための請求項1〜のいずれか1項記載のオキサリプラチン封入リポソーム水分散液。
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