JP6221126B2 - 鞍乗り型車両の吸気系構造 - Google Patents
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Description
上記の構成により、二次空気導入配管(39)がエアクリーナ(32)の下壁(34a)の通路溝(41)内に配置されることにより、二次空気導入配管(39)と他の部材との干渉を招くことなく、エアクリーナ(32)をエンジン(16)の上部により近づけることが可能になる。
また、この場合、通路溝(41)の背部に形成された隆起部(60)が左右の吸気ダクト(37)の間に配置されていることにより、左右の吸気ダクト(37)からエアクリーナ(32)に外気が導入されるときに、エアクリーナ(32)内で左右方向から流れ込む外気を円滑に整流することができる。
この場合、左右の吸気ダクト(37)の各下流側の端部が上方に傾斜していることにより、左右の吸気ダクト(37)からエアクリーナ(32)に外気が導入されるときに、エアクリーナ(32)内で左右方向から流れ込む外気をより円滑に整流することができる。
この場合、専用のフィルターエレメントを設けることなく、エアクリーナ(32)のフィルター(33)で濾過された埃の少ない空気を二次空気導入配管(39)に供給することができる。また、エアクリーナ(32)はエンジン(16)の上部に配置されているため、二次空気導入配管(39)の配管長を短くすることができる。
この場合、シリンダヘッドカバー(30)に空気導入部(43)が設けられているため、二次空気導入配管(39)は、シリンダヘッドカバー(30)の空気導入部(43)まで配管するだけで良いことになる。したがって、この構造を採用することにより、二次空気導入配管(39)を容易に、かつ高い自由度をもって配管することが可能になる。
この場合、二次空気導入装置(38)のコントロールバルブ(42)がヘッドパイプ(11)とエアクリーナ(32)の間のデッドスペースに配置されるため、エンジン周りの部品を集約して配置して、車両のさらなる小型化を図ることができる。また、二次空気導入配管(39)がエアクリーナ(32)の下方で略S字状に湾曲して配置されるため、二次空気の導入に悪影響を及ぼさない緩やかな湾曲を維持しつつ、二次空気導入配管(39)の適切な管長を確保することができる。したがって、この構造を採用することにより、コントロールバルブ(42)の作動時における二次空気の迅速な応答を得ることができるとともに、排気出口からの高温の吹き返しガスによるコントロールバルブ(42)の劣化を抑制することができる。
この場合、車体左右の部材をエンジン周りの適切な位置でクロスメンバ(44)によって連結することができるため、車体剛性の向上と車両のコンパクト化を図ることができる。
この場合、エンジン周りの適切な位置に冷却水配管(46)を配管することができるため、冷却水配管(46)の短縮化と車両のコンパクト化を図ることができる。
また、この発明によれば、通路溝の背部に形成された隆起部が左右の吸気ダクトの間に配置されているため、左右の吸気ダクトからエアクリーナに外気が導入されるときに、エアクリーナ内で左右方向から流れ込む外気を円滑に整流することができる。したがって、この発明によれば、エンジンの吸気性能を高めることができる。
この実施形態に係る鞍乗り型車両は、前輪WFと後輪WRを各一つずつ有し、エンジン16によって後輪WRが駆動される自動二輪車である。以下、この実施形態に係る鞍乗り型車両については、「自動二輪車1」と呼ぶ。
また、左右の各メインフレーム12の車幅方向外側には、フロントフォーク15の前方からパワーユニットPUの後部に亘る車体側部の広い範囲を覆う樹脂製のサイドカウル22(車体カバー)が取り付けられている。左右のサイドカウル22の間には、フロントカウル20の下方において、車両前方側に開口する外気の流入通路61が形成されている。
この自動二輪車1に搭載されるエンジン16は、二気筒のレシプロ式のエンジンであり、図示しないピストンが昇降するシリンダブロック23の上部にシリンダヘッド24が取り付けられている。シリンダヘッド24には、図示しない燃焼室に臨む吸気ポートと排気ポート(いずれも図示せず)が設けられており、これらの吸気ポートと排気ポートが、吸気バルブ25と排気バルブ26によって開閉されるようになっている。
なお、図2中の符号44は、左右のメインフレーム12を連結するクロスメンバであり、符号45は、冷却水を放熱するためのラジエータ、符号46は、ラジエータ45とエンジン16を接続する冷却水配管である。クロスメンバ44と冷却水配管46は、二次空気導入配管39の略S字状の湾曲部の湾曲形状内側のスペースに、車体左右方向に横切って配置されている。
図3に示すように、二次空気導入装置38のコントロールバルブ42は、一対の金属製のステー62,63によって挟持され、そのステー62,63を介して車体フレームFに固定されている。コントロールバルブ42には、上方と下方にそれぞれ延出する一対のフランジ部42a,42bが延設されている。コントロールバルブ42は、一対のフランジ部42a,42bがそれぞれゴムブッシュ64を介して左右のステー62,63間に配置され、左右のステー62,63がその状態でボルト65及びナット66によって締結されることにより、左右のステー62,63に弾性的に保持されている。ゴムブッシュ64は、軸方向の両端にフランジが延設された断面H字状に形成されており、コントロールバルブ42の各フランジ部42a,42bに板厚方向に貫通した状態で取り付けられている。コントロールバルブ42は、このようなゴムブッシュ64を介してステー62,63に取り付けられることにより、エンジン振動に対する保護が図られている。
左右のサイドカウル22は、メインフレーム12やヘッドパイプ11、エンジン16等に固定されるインナシェル22Iと、インナシェル22Iに取り付けられてインナシェル22Iの外側を覆うアウタパネルと、を備えている。インナシェル22Iとアウタパネルの間には空洞部が設けられ、その空洞部に吸気ダクト37の一部が配置されている。
即ち、左右のサイドカウル22の間の流入通路61(図1参照)から左右の各吸気ダクト37の吸気口48に入り込んだ空気は、左右の各吸気ダクト37を通ってエアクリーナ32の下部側の上流室35に流入し、その空気は、フィルター33で埃を除去されて上方側の下流室36に流入する。エアクリーナ32の下流室36に流入した空気は、スロットルボディ27を通過してエンジン16の燃焼室内に供給される。
この実施形態に係る自動二輪車1の吸気系構造では、大型部品であるコントロールバルブ42がヘッドパイプ11とエアクリーナ32の間のデッドスペースに配置されることになるため、エンジン周りの部品を集約して配置して、車両のさらなる小型化を図ることができる。
また、二次空気導入配管39がエアクリーナ32の下方で略S字状に湾曲して配置されることから、二次空気の導入に悪影響を及ぼさない緩やかな湾曲を維持しつつ、二次空気導入配管39の適切な管長を確保することができる。このため、この構造を採用することにより、二次空気導入装置38の作動時における二次空気の迅速な応答を得ることが可能になるとともに、排気ポートからの高温の吹き返しガスがコントロールバルブ42に直接当たりにくくなり、コントロールバルブ42の熱による劣化を抑制することが可能になる。
したがって、この構造を採用することにより、エンジン16の吸気性能を高めることができる。
また、この発明に係る鞍乗り型車両は、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)に限らず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の小型車両も含まれる。
11…ヘッドパイプ
16…エンジン
30…シリンダヘッドカバー
32…エアクリーナ
33…フィルター
34a…下壁
36…下流室
37…吸気ダクト
38…二次空気導入装置
39…二次空気導入配管
41…通路溝
42…コントロールバルブ
43…空気導入部
44…クロスメンバ
46…冷却水配管
59…接続部
60…隆起部
S…空間
Claims (7)
- エンジン(16)の上部にエアクリーナ(32)が配置され、
前記エンジン(16)の排気出口に、二次空気導入装置(38)の二次空気導入配管(39)が接続された鞍乗り型車両の吸気系構造において、
前記エンジン(16)の上部を覆う前記エアクリーナ(32)の下壁(34a)には、前記二次空気導入配管(39)の配置通路となる通路溝(41)が形成され、
前記エアクリーナ(32)の側壁の下壁寄りには、左右の吸気ダクト(37)が接続され、
前記エアクリーナ(32)の下壁(34a)の上面には、前記通路溝(41)の背部に形成された隆起部(60)が設けられており、
前記隆起部(60)は、左右の前記吸気ダクト(37)の端部間に配置されていることを特徴とする鞍乗り型車両の吸気系構造。 - 左右の前記吸気ダクト(37)は、前記エアクリーナ(32)の左右の側壁にそれぞれ接続され、
左右の前記吸気ダクト(37)の各下流側の端部は、前記側壁を貫通し上方に傾斜しつつ前記エアクリーナ(32)の内部に突出していることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の吸気系構造。 - 前記二次空気導入配管(39)の上流部は、前記エアクリーナ(32)のフィルター(33)によって濾過された下流室(36)に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両の吸気系構造。
- 前記エンジン(16)のシリンダヘッドカバー(30)には、前記二次空気導入配管(39)に接続されて、二次空気を前記エンジン(16)の排気出口に供給する空気導入部(43)が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両の吸気系構造。
- 前記二次空気導入装置(38)の二次空気の流れを制御するコントロールバルブ(42)は、車体のヘッドパイプ(11)と前記エアクリーナ(32)の間の空間(S)に配置され、
前記二次空気導入配管(39)は、前記コントロールバルブ(42)との接続部から下方に延びて、前記通路溝(41)に沿って車体後方側に延出した後に車体前方側に向きを変え、全体が略S字状に湾曲した状態で前記シリンダヘッドカバー(30)の上部に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗り型車両の吸気系構造。 - 前記二次空気導入配管(39)の略S字状の湾曲部の湾曲形状内側のスペースには、車体左右の部材間を連結するクロスメンバ(44)が車体左右方向に横切って配置されていることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両の吸気系構造。
- 前記二次空気導入配管(39)の略S字状の湾曲部の湾曲形状内側のスペースには、エンジン周りの冷却水配管(46)が車体左右方向に横切って配置されていることを特徴とする請求項5または6に記載の鞍乗り型車両の吸気系構造。
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