JP6204386B2 - モータ電流制御装置およびモータ電流制御方法 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1に記載されているように、2個の比較器を設けることは、コストアップにつながる。また、PWM周期を短くすることは、マイコンの負荷が大きくなりすぎることから、専用のモータドライバや高価なマイコンを用いる必要があり、やはりコストアップにつながる。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
図1は、本実施形態におけるモータ制御システムの全体ブロック図である。
図1において、モータ120は、バイポーラ型2相ステッピングモータであり、永久磁石を有し回動自在に設けられた回転子126と、回転子126の周囲の周回方向を4等分する位置に設けられた固定子とを有している。これらの固定子は、X相の固定子122XP,122XNと、Y相の固定子122YP,122YNとからなる。固定子122XPと固定子122XNとは、回転子126を挟んで反対側に位置している。固定子122YPと固定子122YNとは、回転子126を挟んで反対側に位置し、かつ固定子122XPと固定子122XNの方向に対して垂直の方向を向いている。
これらの固定子には各々巻線が同方向に巻回されている。固定子122XP,122XNに巻回された巻線は直列に接続されており、両巻線を合わせて「固定子巻線124X」という。同様に、固定子122YP,122YNに巻回された巻線は直列に接続されており、両巻線を合わせて「固定子巻線124Y」という。
なお、スイッチング素子2,4,6,8は、還流用のダイオードの代わりに、自身の寄生ダイオードを用いてもよい。
図3(a)は、Hブリッジ回路20のチャージモードを説明する図である。
固定子巻線124に流れるモータ電流の絶対値を増加させる場合には、例えば、斜めに対向するスイッチング素子4,6がオン状態にされ、それ以外のスイッチング素子2,8がオフ状態にされる。この状態では、スイッチング素子6、固定子巻線124、スイッチング素子4を介して破線で示す方向にモータ電流が流れるとともに、このモータ電流が増加していく。この動作モードを「チャージモード」という。この状態から、モータ電流を高速に減衰させる場合には、図3(b)に示す高速減衰モードに遷移する。
固定子巻線124に流れるモータ電流の絶対値を高速に減衰させる場合には、直前のチャージモードとは反対に、斜めに対向するスイッチング素子4,6をオフ状態にし、スイッチング素子2,8をオン状態にする。固定子巻線124には逆起電力が発生するため、スイッチング素子8、固定子巻線124、スイッチング素子2を介して破線で示す方向に電流が流れ、モータ電流が高速に減衰していく。この動作モードを「高速減衰モード」という。
また、図3(a)のチャージモードまたは図3(b)の高速減衰モードから、電流を低速に減衰させる場合には、図3(c)に示す低速減衰モードに遷移する。
固定子巻線124に流れるモータ電流の絶対値を、高速減衰モードよりも低速に減衰させる場合には、電圧Vdd側のスイッチング素子2,6をオン状態とし、グランド側のスイッチング素子4,8をオフ状態にする。すると、図示した破線のように、スイッチング素子2,6および固定子巻線124をループする電流が流れる。この電流は、スイッチング素子2,6および固定子巻線124のインピーダンスによって減衰していく。このときの減衰速度は、上記した高速減衰モードよりも低速である。この動作モードを「低速減衰モード」という。
固定子巻線124に流れるモータ電流の絶対値を、高速減衰モードよりも低速に減衰させる場合には、電圧Vdd側のスイッチング素子2,6をオフ状態とし、グランド側のスイッチング素子4,8をオン状態にしてもよい。すると、図示した破線のように、スイッチング素子4,8および固定子巻線124をループするモータ電流が流れる。この電流は、スイッチング素子4,8および固定子巻線124のインピーダンスによって減衰していく。このときの減衰速度は、上記した高速減衰モードよりも低速である。
図3(a)のチャージモードから図3(e)の貫通保護モードに切り替えられると、固定子巻線124には逆起電力が発生するため、ダイオード18、固定子巻線124、ダイオード12を介して破線で示す方向にモータ電流が流れる。図3(e)の貫通保護モードでは、ダイオード12,18の順方向電圧降下に応じた電力損失が生じるため、モータ電流の減衰速度は最も大きくなる。
ブリッジ制御部107は、電流下降期間のPWM回数分のロータとステータ位置から用意した前回の下降期間のチャージモード時間TON_oと、今回の下降期間のチャージモード時間TONおよび減衰モード切替時間Tfsを予めメモリに格納する。
電流制御データは、PWM周期の順番を示したPWM周期番号と、前回の回転期間におけるチャージモード時間TON_oと、今回の回転期間におけるチャージモード時間TONと、減衰モード切替時間Tfsとを含んで構成される。
PWM周期番号は、モータの回転と同期したPWM周期の番号を示している。
前回の回転期間とは、前回の下降期間のことを示している。よって、チャージモード時間TON_oは、前回の下降期間の各PWM周期におけるチャージモードの時間を示している。
減衰モード切替時間Tfsは、各下降期間のPWM周期において、高速減衰モードまたはチャージモードから低速減衰モードに切り替えるタイミングを示している。
ブリッジ制御部107は、各PWM周期の電流制御データを予め格納しており、更に回転駆動と共に動的に書き換えている。
グラフの縦軸は、基準電流値Irefを示している。グラフの横軸は、回転角θを示している。
今回の下降期間の回転角θがπ〜3π/2の場合、前回の下降期間の回転角θは、それよりも半回転遅れた0〜π/2である。そして、次回の下降期間の回転角θは、それよりも半回転進んだ2π〜5π/2である。つまり、今回の下降期間に対して前回の下降期間は、半回転だけ遅れている。また次回の下降期間は、今回の下降期間よりも半回転だけ進んでいる。
なお、今回の下降期間に対する前回の下降期間と、今回の下降期間に対する次回の下降期間とは、1回転(2π)だけずれていてもよい。このとき今回の下降期間は、前回の下降期間に対して1回転だけ遅れている。また次回の下降期間は、それよりも1回転だけ進んでいる。これにより、回転子が非対称性を有している場合であっても、好適に制御することができる。
更に今回の下降期間に対する前回の下降期間と、今回の下降期間に対する次回の下降期間とは、半回転の自然数倍(nπ)だけずれていてもよい。例えば、モータの2回転ごとに周期的な外乱が発生する場合には、この外乱を好適に抑制可能である。
図7の最上部は、前回の下降期間における動作モードがチャージモードの期間を黒線で示している。また、チャージモードフラグTonが1である区間を示している。図7の2番目は、今回の下降期間における動作モードがチャージモードの期間を黒線で示している。
図7の3番目は、電流測定値Icoilの波形図であり、基準電流値Iref1〜Iref3を2点鎖線で示している。実線は今回の下降期間における電流測定値Icoilを示し、破線は、前回の下降期間における電流測定値Icoilを示している。
以下、基準電流値Iref1〜Iref3を特に区別しないときには、単に基準電流値Irefと記載する。なおPeriod2とPeriod3で示すように、基準電流値Iref2は、連続する複数のPWM周期で同一であってもよい。
図7の4,5番目は、電圧VMout0,VMout1の波形図である。
図7の6番目は、ブリッジ制御部107の内部状態である閾値超過フラグCLを示している。図7の7番目は、ブリッジ制御部107の内部出力である電流制御有効フラグCLMを示している。なお、各波形図において、実線は今回の下降期間における値を示し、破線は前回の下降期間における値を示している。
時間Tsは、今回のPWM周期が開始するタイミングである。各PWM周期が開始する時に電流制御有効フラグCLMは、1つ前のPWM周期のTceで設定された“0”で開始すると共に、Hブリッジ回路20はチャージモードで動作する。このときの電圧VMout0は、電圧Vddレベルであり、電圧VMout1はグランドレベルである。チャージモードフラグTonは“1”に変化する。閾値超過フラグCLは、“0”である。
時間Tsの後の時間Tcsにおいて、電流制御有効フラグCLMが“1”に切り替わる。これにより電流制限制御部112は、PWM信号の変更を許容するように、PWM信号発生器113を制御する。この電流制御有効フラグCLMは、後記する時間Tceまで“1”となる。
時間Tcsの後に電流測定値Icoilが基準電流値Iref1を超え、更にフィルタ期間Tfが経過すると、閾値超過フラグCLは、“1”に変化する。閾値超過フラグCLが“1”に変化するとチャージモードは終了し、チャージモードフラグTonは、“0”に変化する。
チャージモードの終了後にHブリッジ回路20は、高速減衰モードに切り替わる。このときの電圧VMout0は、グランドレベルである。電圧VMout1は、電圧Vddレベルである。閾値超過フラグCLは、“1”である。
その後、電流測定値Icoilが基準電流値Iref1よりも小さくなり、更にフィルタ期間Tfが経過すると、閾値超過フラグCLは、“0”に変化する。
減衰モード切替時間Tfsにおいて、Hブリッジ回路20は、低速減衰モードに切り替わる。このときの電圧VMout0と電圧VMout1は、グランドレベルである。この減衰モード切替時間Tfsは、PWM周期ごとに、それぞれ異なる値が適用される。この減衰モード切替時間Tfsを適宜設定することにより、各PWM周期におけるモータ電流を好適に減衰させて、基準電流値Irefに近づけることができる。減衰モード切替時間Tfsは、時間Tcsよりも大きく、かつ後記する時間Tmaxよりも小さい。
時間Teは、Period1のPWM周期が終了するタイミングであり、かつPeriod2のPWM周期が開始する時間Tsと同一のタイミングである。以降、Period1と同様なPWM周期が実行される。
Period3における破線で示した前回の下降期間の電流測定値Icoilでわかるように、Hブリッジ回路20は、時間Tmaxにおいて初めて低速減衰モードに切り替わっている。すなわち、時間Tmaxは、減衰モード切替時間Tfsと等しい。
実線で示した今回の下降期間の電流測定値Icoilで示したように、Hブリッジ回路20は、前回の下降期間よりも早い減衰モード切替時間Tfsに低速減衰モードに切り替わる。よって、電流測定値Icoilは、前回の下降期間よりも基準電流値Iref3に近づく。
これは、今回の下降期間の方が、1ステップ前(1PWM周期前すなわちPeriod3)の電流測定値Icoilの減衰が小さいことから、Period4において高い電流値からチャージモードが開始されたことによる。その逆に、チャージモード時間TONが短いということは、1ステップ前の電流測定値Icoilの減衰が小さいことを意味する。すなわちチャージモード時間TONにより、コイル電流の減衰を判断することができる。
よって、チャージモード時間TONの増加を打ち消すように、1ステップ前(1PWM周期前)の減衰モード切替時間Tfsを短くすることで、電流測定値Icoilを基準電流値Irefに好適に近づけることができる。これを実現する処理を、以下の図8乃至図10で説明する。
なお、図8と図9は、ROM103に記憶されCPU101によって実行される制御プログラムであり、下降期間においてPWM周期毎に起動される。
図8のステップS1にて下降期間制御ルーチンの処理が開始される。このステップS1では、タイマ104がリセットされ、以降はPWM周期が開始された後の経過時間が計時される。また、ステップS1では、回転子126の回転角θの推定値と、図4(a)または図4(b)に示した波形とに基づいて、当該PWM周期における基準電流値Iref(図4(a),(b)における基準電流値IXrefまたは基準電流値IYref)が決定され、決定された基準電流値Irefはブリッジ制御部107(図2参照)にセットされる。
次にステップS12において、ブリッジ制御部107は、タイマ104から経過時間を取得し、更に電流制限制御部112は閾値超過フラグCLを取得する。なお、本ルーチン内で経過時間および閾値超過フラグCLは、ステップS12が再び実行されるまで変化しない。
ステップS13〜S15は、図7の時間Tcsで電流制御を有効化する処理である。
ステップS13において、ブリッジ制御部107は、時間Tcsが経過したか否かを判断し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、図9のステップS34の処理に進む。
前記したステップS10の処理により、Hブリッジ回路20はPWM周期の開始時にチャージモードで動作する。更にステップS13の処理により、PWM周期が開始する時間Tsから時間Tcsまでは最小ON時間となる。
最小ON時間が無い場合には、電流波形が大きく落ち込む場合がある。すなわち、電流波形のリップルが大きくなるため、モータのトルク損失や、振動、騒音が大きくなる。これに対して、本実施形態では、PWM周期の開始時から時間Tcsまで、動作モードがチャージモードに設定されるので、モータ電流の電流リップルを抑制できる。これにより、モータの駆動効率を上昇させることができるとともに、モータのトルクの損失と騒音、振動などを低減することができる。
ステップS14において、ブリッジ制御部107は、時間Tcsであるか否かを判断し、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS15にて、電流制御有効フラグCLMを“1”に設定する。この電流制御有効フラグCLMは、後記するステップS18で参照される。
ステップS16〜S21は、図7の時間Tcs以降かつ減衰モード切替時間Tfs以前に、チャージモードから高速減衰モードへの移行する処理である。
ステップS16において、ブリッジ制御部107は、時間Tcsが経過したか否かを判断し、当該判断条件が成立したならば(Yes)、図9のステップS22の処理に進む。
ステップS17において、電流制限制御部112は、閾値超過フラグCLが“1”であるか否かを判断し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、図9のステップS22の処理に進む。
次にステップS19において、ブリッジ制御部107は、Hブリッジ回路20がチャージモードで動作しているか否かを判断し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、図9のステップS22の処理に進む。
ステップS20においてブリッジ制御部107は、チャージモード時間TONを記憶し、ステップS21においてPWM信号発生器113がHブリッジ回路20に対して高速減衰モードで動作するように指示し、図9のステップS22の処理に進む。
図9に示したステップS22〜S26は、図7の時間Tcs以降かつ減衰モード切替時間Tfsに、チャージモードまたは高速減衰モードから低速減衰モードへ移行する処理である。
ステップS22において、ブリッジ制御部107は、減衰モード切替時間Tfsが経過したか否かを判断し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS34の処理に進む。
ステップS23において、ブリッジ制御部107は、減衰モード切替時間Tfsであるか否かを判断し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS27の処理に進む。
更にステップS26において、PWM信号発生器113は、Hブリッジ回路20に対して低速減衰モードで動作するように指示する。この処理により、図7のPeriod1〜4の減衰モード切替時間Tfsにおいて、実線で示した電流測定値Icoilは、急峻な減衰から緩やかな減衰に切り替わる。図7では、前回の下降期間の減衰モード切替時間Tfsは図示していないが、例えばPeriod2,4において、破線で示した電流測定値Icoilが急峻な減衰から緩やかな減衰に切り替わっている。この切り替わり時間は、前回の下降期間の減衰モード切替時間Tfsである。
ステップS27〜S30は、図7の時間Tcsと減衰モード切替時間Tfs以降の時間Tmaxに、チャージモードまたは高速減衰モードから低速減衰モードに移行する処理である。
ステップS27において、ブリッジ制御部107は、時間Tmaxであるか否かを判断し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS31の処理に進む。
更にステップS30において、PWM信号発生器113は、Hブリッジ回路20に対して低速減衰モードで動作するように指示する。この処理により、図7のPeriod3の時間Tmaxにおいて、破線で示した電流測定値Icoilは、急峻な減衰から緩やかな減衰に切り替わる。
ステップS31〜S33は、図7の時間Tcsと減衰モード切替時間Tfs以降の時間Tceに、次のPWM周期の準備をする処理である。
ステップS31において、ブリッジ制御部107は、時間Tceであるか否かを判断し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS34の処理に進む。当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS32にて次のPWM周期のモータ動作条件設定と減衰モード切替時間設定(図10参照)を行い、ステップS33にて電流制御有効フラグCLMに“0”を設定する。ステップS33で設定された電流制御有効フラグCLMは、引き続き、次回のPWM周期においても用いられる。
ステップS40において、ブリッジ制御部107は、今回のPWM周期のチャージモード時間TONを取得する。
ステップS41において、ブリッジ制御部107は、チャージモード時間TONが前回の下降期間の同一番号のPWM周期のチャージモード時間TON_oよりも大きいか否かを判断する。ブリッジ制御部107は、チャージモード時間TONが前回のチャージモード時間TON_oよりも大きいと判断したならば(Yes)、ステップS42の処理に進み、チャージモード時間TONが前回のチャージモード時間TON_oよりも大きくないと判断したならば(No)、ステップS43の処理に進む。
ステップS43において、ブリッジ制御部107は、次回の下降期間の1ステップ前の減衰モード切替時間Tfsを所定量だけ増加させる。
ステップS44において、ブリッジ制御部107は、チャージモード時間TON_oに、チャージモード時間TONを設定する。これにより、今回のチャージモード時間TONは、次回の下降期間においてチャージモード時間TON_oとして参照される。ブリッジ制御部107は、ステップS44の処理が終了すると、図10の処理を終了する。
図11の縦軸は、基準電流値Irefを示している。図11の横軸は、回転角θを示している。X軸上の円は、モータ制御装置100によるモータ回転角θとPWM周期との同期を示している。
本実施形態のモータ制御装置100は、モータ回転角θがπ/2ごと、すなわち90度ごとにPWM周期と同期させる。つまり、PWM周期の起点をモータ回転角θのπ/2ごとにリセットしている。これにより、PWM周期を自由に設定することができる。なお、モータ回転角θがπ/2周期ごとであれば、PWM周期のリセットはどのタイミングでもよい。
モータ回転角θとPWM周期を同期しない場合、最大で1PWM周期分の制御の遅れが発生する。この遅れは、モータ回転角θとPWM周期とが再び同期するまで影響する。この遅れにより、モータ回転角θにより、同一順番のPWM周期でありながらも基準電流値Irefが異なる場合が発生し、チャージモード時間TONが正しく比較できなくなるおそれがある。
図12の縦軸は、基準電流値Irefを示している。図12の横軸は、回転角θを示している。X軸上の円は、モータ制御装置100によるモータ回転角θとPWM周期との同期を示している。
変形例のモータ制御装置100は、モータ回転角θがπごとにPWM周期と同期する。すなわち180度ごとにPWM周期と同期する。モータ回転角θがπ周期ごとであれば、PWM周期のリセットはどのタイミングでよい。
図13の縦軸は、基準電流値Irefを示している。図13の横軸は、回転角θを示している。X軸上の円は、モータ制御装置100によるモータ回転角θとPWM周期との同期を示している。
変形例のモータ制御装置100は、モータ回転角θが2πごと、すなわち360度ごとにPWM周期と同期する。モータ回転角θが2π周期ごとであれば、PWM周期のリセットはどのタイミングでよい。このようにすることで、モータ回転角θとPWM周期との同期処理の負荷を軽減することができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上記した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、削除もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
(3) また、上記実施形態では、モータ120としてバイポーラ型2相ステッピングモータを適用した例を説明したが、モータ120の種類や相数は用途に応じて様々なものを適用してもよい。
(4) 上記実施形態においては、基準電流値Irefの設定方式としてマイクロステップ方式を採用したが、基準電流値Irefは、回転角θに対して連続的に変化する値を用いてもよい。
12,14,16,18 ダイオード
20,20X,20Y Hブリッジ回路
100 モータ制御装置 (モータ電流制御装置の一例)
101 CPU(制御手段)
102 RAM
103 ROM
104 タイマ
105 I/Oポート
106 バス
107 ブリッジ制御部 (制御手段の一部)
110 ブリッジ制御回路
111 電流フィルタ (制御手段の一部)
112 電流制限制御部 (制御手段の一部)
113 PWM信号発生器 (制御手段の一部)
114 比較器
115 D/Aコンバータ
116 電流検出部
117 A/Dコンバータ
118 BEMF検出部
120 モータ
122XP,122XN,122YP,122YN 固定子 (モータコイルの一例)
124X,124Y,124 固定子巻線
126 回転子
130 上位装置
140 直流電源
142 アース線
Claims (5)
- スイッチング素子を有し、モータに設けられたモータコイルに接続されるHブリッジ回路と、
前記スイッチング素子を所定のPWM周期毎に駆動し、前記Hブリッジ回路に対して、前記モータコイルに流れるモータ電流を増加させるチャージモード、またはモータ電流を減衰させる高速減衰モード、前記高速減衰モードよりも低速に前記モータ電流を減衰させる低速減衰モードのうち何れかの動作モードを指定する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、ロータとステータの位置関係から前記PWM周期毎に基準電流値と減衰モード切替時間とを設定し、
各前記PWM周期の開始時に前記Hブリッジ回路を前記チャージモードに切り替え、前記モータ電流が前記基準電流値を超えたならば、前記Hブリッジ回路を前記高速減衰モードに切り替えると共にチャージモード時間を記憶し、前記減衰モード切替時間が経過した後に、前記Hブリッジ回路を前記低速減衰モードに切り替え、
今回の下降期間における当該PWM周期のチャージモード時間と、前回の下降期間における当該PWM周期と同一番号のPWM周期のチャージモード時間とを比較し、次回の下降期間における当該PWM周期よりも1つ前のPWM周期の減衰モード切替時間を更新する、
ことを特徴とするモータ電流制御装置。 - 前記制御手段は、前記今回の下降期間における前記PWM周期のチャージモード時間が、前記前回の下降期間における前記PWM周期と同一番号のPWM周期のチャージモード時間より長いならば、前記次回の下降期間における当該PWM周期よりも1つ前のPWM周期の減衰モード切替時間を短くし、
前記今回の下降期間における当該PWM周期のチャージモード時間が、前記前回の下降期間における当該PWM周期と同一番号のPWM周期のチャージモード時間より短いならば、前記次回の下降期間における当該PWM周期よりも1つ前のPWM周期の減衰モード切替時間を長くする、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ電流制御装置。 - 前記制御手段は、前記モータの所定位相角毎に前記PWM周期を同期させる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ電流制御装置。 - 前記所定位相角は、π/2、πまたは2πである、
ことを特徴とする請求項3に記載のモータ電流制御装置。 - スイッチング素子を有し、モータに設けられたモータコイルに接続されるHブリッジ回路と、
前記スイッチング素子を所定のPWM周期毎に駆動し、前記Hブリッジ回路に対して、前記モータコイルに流れるモータ電流を増加させるチャージモード、またはモータ電流を減衰させる高速減衰モード、前記高速減衰モードよりも低速に前記モータ電流を減衰させる低速減衰モードのうち何れかの動作モードを指定する制御手段と、
を備えたモータ電流制御装置のモータ電流制御方法であって、
前記制御手段が、ロータとステータの位置関係から前記PWM周期毎に基準電流値と減衰モード切替時間とを設定するステップと、
各前記PWM周期の開始時に前記Hブリッジ回路を前記チャージモードに切り替えるステップと、
前記モータ電流が前記基準電流値を超えたならば、前記Hブリッジ回路を前記高速減衰モードに切り替えると共にチャージモード時間を記憶するステップと、
前記減衰モード切替時間が経過した後に、前記Hブリッジ回路を前記低速減衰モードに切り替えるステップと、
今回の下降期間における前記PWM周期のチャージモード時間と前回の下降期間における前記PWM周期と同一番号のPWM周期のチャージモード時間とを比較し、次回の下降期間における当該PWM周期よりも1つ前のPWM周期の減衰モード切替時間を更新するステップと、
を実行することを特徴とするモータ電流制御方法。
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