図1は、実施形態にかかるチェックアウトシステム101の全体を示す模式図である。図1に示すように、チェックアウトシステム101は、チェッカ(店員)であるオペレータOが操作する商品データ登録装置102と、顧客Cが操作する会計装置103と、を備えている。商品データ登録装置102は、横長テーブル状の作業台104の上に設置されている。各商品データ登録装置102と各会計装置103とは、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワークNTで互いに電気的に接続されている。
会計装置103は、1台の商品データ登録装置102に対して2台設けられている。図1の例では、一つの商品データ登録装置102に会計装置1と会計装置2の会計装置103が接続されている。また、他の商品データ登録装置102に会計装置3と会計装置4の会計装置103が接続されている。各会計装置103は、作業台104に隣接して直線的に設置される。したがって、本実施形態においては、複数の作業台104の間に顧客Cの通路が形成される。
まず、商品データ登録装置102について説明する。図2は、商品データ登録装置102の外観を示す斜視図である。図2に示すように、作業台104の上面に設置された商品データ登録装置102は、読取窓112を有する縦型のスキャナ111をベースに構成されている。スキャナ111は、読取窓112の奥側に撮像部(不図示)を配置している。
また、商品データ登録装置102は、スキャナ111の上部にタッチパネル113付き表示器114および操作部115を備えている。表示器114にはスキャナ111の撮像部で撮像された商品の商品名および価格等が表示される。タッチパネル113および操作部115は、商品データの入力を補助するためのものである。
オペレータO側から見て商品データ登録装置102の左側には、プリンタ116が設けられている。プリンタ116は、後述する識別データや一取引分の合計金額等の取引データが印字されたレシートを発行する。
加えて、オペレータO側から見て商品データ登録装置102の左側には、顧客C向けの客側表示器117が設けられている。
商品データ登録装置102では、PLUファイルF1(図4参照)を参照し、撮像部により撮像された画像に含まれる商品を、商品に添付されたバーコードやQRコード(登録商標)等のコード情報の読み取り、又は一般物体認識により特定する。
なお、画像中に含まれる物体を認識する一般物体認識(generic object recognition)については、下記の文献において認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成26年1月6日検索],インターネット<URL:http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf>
次いで、商品データ登録装置102は、特定した商品の確認や、個数などの入力を受け付ける画面を表示器114に表示する。そして、商品データ登録装置102は、確認の入力が受け付けられた商品の商品コード、入力された個数などの情報に基づき、商品コードに対応する商品の商品分類、商品名、単価等の売上登録に係る情報を商品情報をPLUファイルF1から読み出して、後述する商品情報記憶部F22(図5を参照)に記憶する当該商品の販売処理を行う。
次に、会計装置103について説明する。図3は、会計装置103の外観を示す斜視図である。本実施形態の会計装置103は、アイドル時には、顧客Cによって商品販売処理および会計が可能なセルフPOS(Point Of Sales)端末としても機能することができる構成となっている。
会計装置103は、情報処理装置2(図4参照)と、釣銭機105と、定置スキャナ5と、表示操作パネル6と、ハンドスキャナ7と、カードリーダライタ8と、レシートプリンタ9と、第一の筐体10と、第二の筐体11とを備えている。第一の筐体10は、情報処理装置2および釣銭機105を内蔵する箱で、床に置かれている。第二の筐体11は、定置スキャナ5およびレシートプリンタ9の外殻であり、第一の筐体10の上面10aに載せられている。
定置スキャナ5は、第一の筐体10の上部に設けられた撮像窓5aと、第一の筐体10に内蔵された撮像部(不図示)とを有している。撮像部は、撮像窓5aの前にかざされた例えばバーコードなどのコードシンボル像を撮像し、撮像したコードシンボル像をデコードする。そして、撮像部は、デコードしたコード情報を情報処理装置2に出力する。また、一般物体認識を行なう場合には、撮像部は、撮像窓5aの前にかざされた商品を撮像した商品画像を情報処理装置2に出力する。
ハンドスキャナ7は、第一の筐体10の前面10bの上部に配されている。第一の筐体10の前面10bの右上部には、ハンドスキャナ7の先端部71を引っ掛け状態で保持する保持部10cが設けられている。
表示操作パネル6は、表示器61と、タッチパネル62とを備え、第二の筐体11に載せられている。表示器61は、情報処理装置2の制御に従って画像を表示する。タッチパネル62は、表示器61の表面に設けられており、オペレータOが触れた位置に基づく情報を情報処理装置2に出力する。
カードリーダライタ8は、第二の筐体11の横に配されて、第一の筐体10の上面10aに配されている。カードリーダライタ8は、ポイントカードやクレジットカード等の磁気カード(情報記録媒体)に対して情報を読み書きする。
釣銭機105は、貨幣投入口41と、紙幣出金口42と、硬貨出金部43とを備えている。硬貨出金部43は、払出口431および受皿432を備えている。釣銭機105は、貨幣投入口41に投入された紙幣および硬貨を受け入れて分別して収納する。そして、釣銭機105は、情報処理装置2の要求に応じて、釣銭を払出口431から払い出す。払い出された釣銭は、受皿432が受け止める。
レシートプリンタ9は、第二の筐体11に内蔵された印刷部(不図示)と、第二の筐体11の前面11aに設けられたレシート発行口91とを有している。レシートプリンタ9は、情報処理装置2の制御に従い、印刷部によって印刷したレシートをレシート発行口91から発行する。
情報処理装置2は、第一の筐体10に内蔵されており、会計装置103が備える各部(釣銭機105、定置スキャナ5、表示操作パネル6、ハンドスキャナ7、カードリーダライタ8、およびレシートプリンタ9)を統括的に制御する。情報処理装置2は、定置スキャナ5ないしハンドスキャナ7からコード情報や商品画像を取得する。また、情報処理装置2は、表示操作パネル6の表示器61に表示させる情報を出力し、タッチパネル62からオペレータが行った操作の情報を取得する。さらに、情報処理装置2は、釣銭機105への入金を把握し、釣銭機105に出金の指示を行う。
また、会計装置103は、第一の筐体10の一側方に籠置き台21を備えている。籠置き台21は、顧客Cが決済処理を行う際に、籠の置き場とする物置台である。
さらに、会計装置103は、第一の筐体10の上面10aに会計装置103の現在の状態を表示する報知部としての表示ポール22を立設している。表示ポール22は、先端部に青色と赤色に選択的に発光する発光部22aを有する。
次に、商品データ登録装置102および会計装置103のハードウェア構成について説明する。図4は、商品データ登録装置102および会計装置103のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、商品データ登録装置102は、CPU(Central Processing Unit)と、記憶媒体であるROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部150を備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するものであり、商品の販売記録を示す販売データや、表示器114に表示する各種の画面表示データを記憶するものである。
制御部150は、I/O(Input/Output)機器制御部139およびバス138を介して、スキャナ111、タッチパネル113、表示器114、キーボード等の操作部115、プリンタ116、客側表示器117、HDD(Hard Disk Drive)136等のI/O機器を制御し、商品データ登録装置102のシステム全体を制御するものである。
操作部115は、一取引の終了を宣言するための小計キー1151、金券での決済を宣言する金券キー1153、取引データの転送先を指定する転送先キー1154、追加の支払方法を宣言する追加キー1155、金券による決済を取り消しする取消キーB6を備えている。
記憶手段であるHDD136には、制御部150のCPUが実行可能なプログラム137やPLUファイルF1が格納される。PLUファイルF1は、各商品にユニークに割り当てられた商品コードと、その商品の名称、価格、商品分類等の商品に関する情報とを対応付けて格納するファイルである。また、PLUファイルF1は、商品を一般物体認識により特定する場合には、商品画像から読み取られる色合いや表面の凹凸状況等の特徴量も格納する。また、HDD136は、情報記憶部F2(図5を参照)と金券種類記憶部F3(図6を参照)を記憶している。
なお、商品データ登録装置102の制御部150のCPUを動作させるプログラム137は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、商品データ登録装置102の制御部150のCPUを動作させるプログラム137を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、商品データ登録装置102の制御部150のCPUを動作させるプログラム137をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
制御部150は、通信I/F140を介して、ネットワークNTで接続されたストアサーバ(不図示)や会計装置103と相互に通信を行うことができる。
ストアサーバは、店舗内に設置された1台または複数台の商品データ登録装置102で行われる商品販売登録処理、会計装置103で行われる決済処理等の管理を全般的に行う。
一方、図4に示すように、会計装置103は、CPUと、記憶媒体であるROMおよびRAM(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部50を情報処理装置2に備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するものであり、商品の販売記録を示す販売データや、表示器61に表示する各種の画面表示データを記憶するものである。
制御部50は、I/O機器制御部39およびバス38を介して、タッチパネル62、表示器61、定置スキャナ5、ハンドスキャナ7、カードリーダライタ8、レシートプリンタ9、釣銭機105、表示ポール22、HDD36等のI/O機器を制御し、会計装置103のシステム全体を制御するものである。
カードリーダライタ8は、カード挿入口から挿入された客のポイントカードやクレジットカードの情報を読み込むものである。レシートプリンタ9は、決済処理後にレシートを印刷して、これをレシート発行口91から発行するものである。釣銭機105は、貨幣投入口41に投入された紙幣および硬貨を処理するものである。また、釣銭機105は、要求に応じて、釣銭を払出口431から払い出すものである。
記憶手段であるHDD36には、制御部50が実行可能なプログラム37やPLUファイルF1が格納される。
なお、会計装置103の制御部50のCPUを動作させるプログラム37は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、会計装置103の制御部50のCPUを動作させるプログラム37を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、会計装置103の制御部50のCPUを動作させるプログラム37をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
制御部50は、通信I/F40を介してLAN等のネットワークNTで接続されたストアサーバ(不図示)や商品データ登録装置102と相互に通信を行うことができる。
次に、図5を用いて、HDD136に記憶された情報記憶部F2について説明する。図5において、情報記憶部F2は、商品情報記憶部F22、金券情報記憶部F23、金券集計記憶部F25を備えている。
商品情報記憶部F22は、スキャナ111で読取られて入力された商品コードにもとづいて、PLUファイルF1から読み出した商品情報(商品名、価格等)を記憶する。商品情報記憶部F22は、入力されたすべての商品コードに対応する商品情報を記憶する。
金券情報記憶部F23は、スキャナ111で読取られて入力された金券の金券額を含む金券情報を記憶する。金券情報記憶部F23は、複数の金券が使用されたことで複数の金券情報が入力された場合は、入力されたすべての金券情報を記憶する。
金券集計記憶部F25は、一定期間(例えば1年)の間に、顧客が使用したすべての金券の金券情報を記憶している。この金券情報記憶部F23に記憶された金券情報を分析することで、使用された金券の種類の傾向や金券額等、顧客による金券の使用状況を管理することができる。金券情報の分析は、商品データ登録装置102で行ってもよいが、図示しない上位サーバに送信して、当該サーバで一括的に分析を行うことが望ましい。
次に、図6を用いて、金券種類記憶部F3について説明する。図6において、金券種類部F31とオーバーテンドフラグ部F32を備えている。金券種類部F31は、店舗で取り扱いが可能な金券の種類を、金券毎に記憶している。図6の例では、金券1〜金券4の4種類の金券をそれぞれ記憶している。金券情報は、金券種類記憶部F3に予め設定しておく。なお、金券種類部F31の金券の種類情報とオーバーテンドフラグ部F32のオーバーテンドフラグ情報は、変更することができる。
オーバーテンドフラグ部F32は、金券種類部F31に記憶した金券に対応して、それぞれオーバーテンドOKであるか否かのフラグを記憶している。オーバーテンドとは、金券の金券額が合計金額を超えていることを言う。オーバーテンドOKとは、金券の金券額が合計金額を超えていても、当該金券が使用可能であることを言う。すなわち、オーバーテンドフラグ部F32にオーバーテンドフラグ「1」が記憶されている場合、当該金券は、オーバーテンドしても使用が可能であることを示す。
なお、オーバーテンドフラグ「1」の金券は、複数の当該金券を使用した結果オーバーテンドした場合においても、当該金券は使用可能である。例えば、金券2枚を使用した結果合計金額を超えた場合でも、当該2枚の金券は使用可能である。図6の例の場合、金券1と金券3がオーバーテンドOKである。
次に、商品データ登録装置102の制御部150のCPUがプログラム137を実行することで実現される制御部150の機能構成、および会計装置103の制御部50のCPUがプログラム37を実行することで実現される制御部50の機能構成について、図7〜図15を参照して説明する。
図7は、商品データ登録装置102の機能構成を示す機能ブロック図である。図7に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、HDD136が格納するプログラム137を実行することにより、特定情報決定手段151、算出手段152、金券額入力手段153、判断手段154、釣銭算出手段155、送信手段156、選択手段157、表示制御手段158、取消手段159、金券情報記憶手段160を備えている。
特定情報決定手段151は、入力された商品を特定する特定情報を決定する機能を有する。
算出手段152は、決定された特定情報に基づく販売データから当該取引に係る合計金額を算出する機能を有する。
金券額入力手段153は、一または複数の金券の金券額を入力する機能を有している。
判断手段154は、入力された金券額が合計金額以上であるか否かを判断する機能を有している。
釣銭算出手段155は、金券額が合計金額より多いと判断した場合に、金券額と合計金額とから釣銭額を算出する機能を有している。
送信手段156は、算出した釣銭額と販売データと合計金額を含む取引データを会計装置103に送信する機能を有している。
選択手段157は、ネットワーク接続された会計装置が複数ある場合、一の会計装置を選択する機能を有している。
表示制御手段158は、送信手段156による送信に際して、送信先となる会計装置を表す情報と合計金額とを表示器に表示する機能を有している。
取消手段159は、送信手段156による釣銭額および取引データの送信前であれば、入力された金券額を取消可能な機能を有している。
金券情報記憶手段160は、入力された金券額と金券の種類を集計可能に記憶する機能を有している。
次に、チェックアウトシステム101の動作について詳細に説明する。先ず、商品データ登録装置102の動作について説明する。図8は、商品データ登録装置102で行われる商品販売登録処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、スキャナ111によって商品を特定する特定情報である商品コードが読み取られたか否かを判断する(ステップS11)。読み取られたと判断した場合は(ステップS11のYes)、制御部150(特定情報決定手段151)は、読み取った商品コードに基づいて該当する商品を特定する(ステップS12)。商品の特定は、読取った商品コードに基づいて、PLUファイルF21を参照し、商品コードに該当する商品を指定することで行う。そして制御部150は、特定された商品の商品情報に基づいて当該商品の販売処理を実行する(ステップS13)。具体的には、制御部150は、読み取られた商品コードに基づいて、PLUファイルF1から販売データである商品情報(商品名称、価格等)を読出して情報記憶部F2の商品情報記憶部F22に記憶する。そして制御部150は、読み出した商品情報を、販売画面P1として表示器114に表示する。
ここで、図9は販売画面P1の一例を示す正面図である。図9に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、販売処理を行っている間に表示器114を制御し、表示器114の表示領域114a内に、販売画面P1を表示する。販売画面P1は、販売商品ウィンドウW5と、販売済ウィンドウW4を有している。
販売商品ウィンドウW5には、商品特定処理によって特定された商品の商品情報に含まれる商品名、商品単価及び個別商品点数などが表示される。これらの商品名、商品単価及び個別商品点数は、ステップS11とステップS12の処理によって表示が更新される。加えて、販売商品ウィンドウW5には、合計金額および合計商品点数も表示される。合計金額及び合計商品点数も、ステップS11とステップS12の処理によって表示が更新される。
販売済ウィンドウW4には、販売商品ウィンドウW5に表示された履歴が表示される。すなわち、ステップS11とステップS12の処理が新たに実行された場合には、販売商品ウィンドウW5に表示されていた商品名、商品単価及び個別商品点数などは、販売済ウィンドウW4に追加的に表示される。
一方、スキャナ111によって商品コードが読み取られていないと判断した場合は(ステップS11のNo)、制御部150は、小計キー1151が操作されたか否かを判断する(ステップS21)。操作されたと判断した場合は(ステップS21のYes)、制御部150(算出手段152)は、商品情報記憶部F22に記憶された商品情報に基づいて、合計金額を計算する(ステップS22)。そして制御部150は、当該取引の支払方法の選択画面を含む転送先選択画面P2を表示する(ステップS23)。
ここで、図10は転送先選択画面P2の一例を示す正面図である。図10に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、表示器114を制御し、表示器114内に、予め、支払い額表示ウィンドウW3と、第1転送先ウィンドウW1および第2転送先ウィンドウW2とを定義した転送先選択画面P2を表示する。支払い額表示ウィンドウW3は左端に寄せて設けられ、表示器114の幅の半分以上を占め、表示器114内の上方及び下方のそれぞれに隣接させる高さを有している。二つの第1転送先ウィンドウW1および第2転送先ウィンドウW2は、表示器114の右端辺と支払い額表示ウィンドウW3の右端辺との間に、上下に隣接させて設けられている。
支払い額表示ウィンドウW3には、締め操作の入力があった時点における合計金額及び合計商品点数が表示される。また、支払い額表示ウィンドウW3には、支払方法を選択するための支払方法選択キーB1、小計値引を行なうための小計値引キーB2、小計割引を行なうための小計割引キーB3が設けられている。
一方、第1転送先ウィンドウW1および第2転送先ウィンドウW2には、転送先の候補となる各会計装置103について、現時点において転送可能な状態であるか転送不可能な状態であるかを示す転送可否情報が各会計装置103の識別番号が付加されて表示されるとともに、転送を宣言するための転送先キーB4、B5が設けられている。ここで、転送先キーB4は、商品情報や合計金額情報を会計装置1に送信するための宣言キーである。また、転送先キーB5は、商品情報や合計金額情報を会計装置2に送信するための宣言キーである。決済処理を実行している最中である場合には転送不可能な状態であるとの表示になるが、転送を宣言するための転送先キーB4、B5の操作は可能となっている。これは、決済処理は短時間で終了するので、直ぐに転送可能な状態になるためである。
例えば金券で支払う場合は、支払方法選択キーB1を操作し、その後にいずれかの転送先キーを操作する。現金で支払う場合は支払方法選択キーB1を操作することなく、いずれかの転送先キーを操作する。
なお、転送先となる会計装置103の選択方法としては、転送先キーB4、B5の操作に限るものではない。例えば、操作部115上に設けられた置数キーおよび送信キーの組合せ操作によって、転送先となる会計装置103を選択するようにしても良い。具体的には、第1転送先ウィンドウW1に対応付けられる会計装置103については、置数キーの「1」と送信キーとの組合せ操作によっても選択できるようにする。
例えば、転送先選択画面P2に表示されていない会計装置3や会計装置4等の会計装置103に取引データを送信する場合、置数キーで会計装置を特定して、その後に送信キーを操作することで当該会計装置に取引データを送信することができる。このように操作部115上に設けられた置数キーおよび送信キーの組合せ操作によって、転送先となる会計装置103の識別番号を任意に指定することができるようにすることで、予め指定された会計装置103以外へも取引データを転送することを可能としている。
この転送先選択画面P2において、制御部150は、クーポンを使用したこと等により小計値引キーB2または小計割引キーB3が操作されたか否かを判断する(ステップS24)。操作されたと判断した場合は(ステップS24のYes)、制御部150は、ステップS22で計算された合計金額から小計値引や小計割引を実行する(ステップS25)。
そして制御部150は、支払方法選択キーB1の操作によって表示される、商品券等の金券で決済するための金券キー1153が操作されたか否かを判断する(ステップS26)。操作されていないと判断した場合(すなわち現金での決済が選択された場合)は(ステップS26のNo)、制御部150(選択手段157)は、転送先キーB4または転送先キーB5を含むいずれかの転送先キーが操作されたか否かを判断する(ステップS27)。
操作されたと判断した場合は(ステップS27のYes)、制御部150(送信手段156)は、操作によって指定された会計装置103に、取引データを転送する(ステップS28)。このとき、商品データ登録装置102のプリンタ116から、取引データを特定する情報が印字された保留レシートは発行されない。そして制御部150(表示制御手段158)は、表示器114に図11に示す報知画面P5を表示する(ステップS29)。この報知画面P5を見たオペレータは、顧客に対して、表示された番号の会計装置103へ行って精算をすることを口頭で告げる。
図11において、商品データ登録装置102の制御部150は、取引データを所望の会計装置103に対して転送した旨を表示した報知画面P5を表示器114に表示する。なお、この報知画面P5には、合計金額及び合計商品点数が表示される。また、小計割引や小計値引が実行された場合には、小計割引や小計値引の実行後の残額も表示される。この報知画面P5は、閉じるキーB8を操作することで閉じる。
なお、商品データ登録装置102の制御部150は、報知画面P5をオペレータ側に設けられた表示器114に表示するようにしたが、これに限るものではなく、客側に設けられた客側表示器117にも表示するようにしても良い。このように客側に設けられた客側表示器117に報知画面P5を表示することで、顧客Cにも取引データを会計装置103に対して転送した旨を知らせることができる。
図8の説明に戻る。制御部150(金券情報記憶手段160)は、その後に会計装置103に送信した金券の種類、金券額、オーバーテンドフラグ情報等の金券情報を、金券集計記憶部F25に記憶する(ステップS30)。金券集計記憶部F25には、ステップS30で記憶した金券情報が一定期間毎(例えば1年間毎)に累積記憶される。金券集計記憶部F25を分析することで、使用された金券の種類、金額、オーバーテンドの頻度等の顧客の金券の使用状況を分析することができる。なお、現金での決済の場合は、金券情報がないので、ステップS30において金券集計記憶部F25に記憶する情報はない。
また、ステップS27において、転送先キーB4または転送先キーB5を含むいずれの転送操作もされていないと判断した場合は(ステップS27のNo)、制御部150は、取消キーB6が操作されたか否かを判断する(ステップS31)。操作されたと判断した場合は(ステップS31のYes)、制御部150(取消手段159)は、金券情報記憶部F23に記憶した情報をクリアする(ステップS32)。すなわち、転送先キーが操作される前であれば、取消キーB6を操作することで、今まで操作した金券での支払いに関する情報をすべてクリアする。なお、現金での決済の場合は、取消キーB6の操作が操作されてもクリアされる情報はない。
一方、ステップS26において、金券キー1153が操作された(すなわち、金券での決済が選択された)と判断した場合は(ステップS26のYes)、制御部150(金券額入力手段153)は、商品券等の金券に印刷されているバーコードをスキャナ111によって読取って金券情報を入力する(ステップS41)。そして入力された金券情報を金券情報記憶部F23に記憶する(ステップS42)。続いて制御部150(判断手段154)は、商品情報記憶部F22に記憶されている、ステップS22で算出した合計金額とステップS42で記憶した金券情報に含まれる金券額とを比較し、金券額が合計金額以上であるか否かを判断する(ステップS43)。
金券額が合計金額以上であると判断した場合は(ステップS43のYes)、制御部150は、金券情報記憶部F23に記憶された金券がオーバーテンドOKの金券であるか否かを判断する(ステップS44)。オーバーテンドとは、金券額が合計金額を超えることをいう。金券によっては、釣銭を出せない種類のものがあり、制御部150は、このような金券は、オーバーテンドすることを許可しない。制御部150は、金券種類記憶部F3のオーバーテンドフラグ部F32に記憶されたオーバーテンドフラグを参照して、オーバーテンドOKの金券であるか否かを、金券種類記憶部F3に記憶された金券情報に基づいて判断する。
オーバーテンドOKであると判断した場合は(ステップS44のYes)、制御部150は、これ以上の金券額の入力が不要であるため、会計装置103での決済処理をすること、および会計装置の選択を促すメッセージを表示する(ステップS45)。図12は、会計装置103での決済処理をすること、および会計装置の選択を促すメッセージの一例である。図12において、表示器114には、釣銭の出金やレシートの発行、および所望の会計装置103を選択することを促すメッセージ文M1を表示したメッセージP4が表示される。メッセージP4には、このメッセージP4の表示を閉じるキーB8も表示されている。
閉じるキーB8が操作されると、制御部150(釣銭算出手段155)は、ステップS43で比較した金券額と合計金額との差額を計算して釣銭額を算出する(ステップS46)。そして制御部150は、表示器114には転送先選択画面P3を表示する(ステップS47)。図13に、転送先選択画面P3の一例を示す。図13において、この転送先選択画面P3は、販売した商品の点数と合計金額を表示する商品情報表示部M2、入力された商品券の金券額を表示する金券額表示部M3、ステップS46で計算された差額を表示する差額表示部M4を表示する。
差額表示部M4の数字が正(+)の数字である場合は、オーバーテンドしておらず、更なる支払が必要な金額を表示する。差額表示部M4の数字が負(−)の数字である場合は、オーバーテンドしており、会計装置144で出金される釣銭額を表示する。図13の例では、差額表示部M4の値が−770円であり、これは、釣銭額が770円であることを意味する。また、転送先選択画面P3は、取消キーB6および、追加の金券を入力させるための追加キーB7が表示される。そして制御部150は、ステップS27以降の制御を実行する。この際にも、ステップS28において取引データが会計装置103に送信されても、商品データ登録装置102のプリンタ116から、取引データを特定する情報が印字された保留レシートは発行されない。
そして制御部150は、ステップS27以降の処理を実行する。この場合、ステップS28において、取引データに加えて、ステップS46で算出された釣銭額を会計装置103に転送する。会計装置103は、送信された釣銭額に基づいて顧客Cに釣銭を払出す。また会計装置103は、釣銭額と取引データに基づいてレシートを印字して発行する。なお、金券額と合計金額とが一致している場合は、釣銭額が0円であるため、会計装置103は、釣銭を払出すことなく、取引データに基づいてレシートを印字して発行する。
また、ステップS43において、金券額が合計金額以上ではないと判断した場合は(ステップS43のNo)、制御部150は、商品情報記憶部F22に記憶されている合計金額と金券情報記憶部F23に記憶されている金券額との差額を計算し(ステップS49)、その差額に基づいて転送先選択画面P3を表示する(ステップS50)。このとき、商品情報表示部M2には合計金額が表示される。また、金券額表示部M3には金券額が表示される。また、差額表示部M4には計算された差額が表示される。この場合、差額は正の差額である。
続いて制御部150は、転送先キーB4、転送先キーB5を含むいずれかの転送先キーが操作されたか否かを判断する(ステップS51)。操作されたと判断した場合は(ステップS51のYes)、制御部150は、ステップS28以降を実行する。また、操作されていないと判断した場合は(ステップS51のNo)、次に制御部150は、追加キーB7が操作されたか否かを判断する(ステップS52)。操作されたと判断した場合は(ステップS52のYes)、制御部150は、ステップS26に戻って待機する。
操作されていないと判断した場合は(ステップS52のNo)、制御部150(取消手段159)は、取消キーB6が操作されたか否かを判断する(ステップS53)。操作されたと判断した場合は(ステップS53のYes)、制御部150は、情報記憶部F2の金券情報記憶部F23の情報をクリアする(ステップS54)。また、操作されていないと判断した場合は(ステップS53のNo)、制御部150は、ステップS50に戻って待機する。
なお、ステップS44において、金券がオーバーテンド不可(すなわち、オーバーテンドフラグ部F32に記憶されたオーバーテンドフラグが「0」の金券)であると判断した場合は(ステップS44のNo)、制御部150は、当該金券がオーバーテンドしての使用が不可であることを表示器114に表示する(ステップS48)。そして制御部150は、ステップS26に戻って待機する。
また、ステップS21において、小計キー1151が操作されたのではないと判断した場合は(ステップS21のNo)、制御部150は、金券情報の出力が指示されたか否かを判断する(ステップS61)。指示されたと判断した場合は(ステップS61のYes)、制御部150は、金券集計記憶部F25に記憶されている金券の種類や金券額等の情報に基づいて、例えば金券種類別や金額別や使用時期別等の金券に関する管理情報を出力する(ステップS62)。そして制御部150は、ステップS11に戻って待機する。
続いて、顧客が自ら操作することで決済処理を実行する会計装置103の動作について説明する。図14は、会計装置103で行われる決済処理の流れを示すフローチャートである。
図14に示すように、会計装置103の制御部50は、商品データ登録装置102から取引データを受信すると(ステップS71のYes)、受信した取引データをRAMのワークエリアに記憶する(ステップS72)。
次いで、会計装置103の制御部50は、受信した取引データに含まれる一取引分の合計金額(又は、小計割引や小計値引の実行後の残額)を表示操作パネル6の表示器61に表示する(ステップS73)。
その後、会計装置103の制御部50は、釣銭機105の貨幣投入口41から顧客が投入した貨幣を受け付ける(ステップS74)。
会計装置103の制御部50は、釣銭機105の貨幣投入口41から表示器61に表示された合計金額(又は、小計割引や小計値引の実行後の残額)以上の金額の貨幣投入がなされたら(ステップS74のYes)、投入金額から合計金額(又は、小計割引や小計値引の実行後の残額)を減算した差額を釣銭金額として、紙幣出金口42および硬貨出金部43から払出す(ステップS75)。
そして、会計装置103の制御部50は、レシートプリンタ9を制御して、受信した取引データと投入金額(預り金額)と釣銭金額とを印刷したレシートをレシート発行口91から発行し(ステップS76)、決済処理を終了する。
図15は、会計装置103で決済処理が実行された場合の、会計装置103の表示器61に表示される決済画面P6の一例である。図15において、取引の合計金額(998円)と、顧客が支払った金額(1098円)と、釣銭額(100円)のメッセージM5と、釣銭を出金するための精算キーB10が表示されている。顧客が精算キーB10を操作することで、釣銭が出金され、会計装置103における当該取引における決済処理が終了する。
なお、本実施形態の商品データ登録装置102においては、従来のように、ストアサーバなどに取引データを一時的に保留し、一時的に保留した取引データを識別する識別データ等が印字された保留レシートを発行することも可能である。この場合、タッチパネル113付き表示器114または操作部115に保留キーを設けておき、商品データ登録装置102の制御部150は、当該保留キーが操作された場合に、取引データの保留を実行する。顧客Cは、商品データ登録装置102において一時的に保留した取引データを識別する識別データ等が印字された保留レシートを受け取る。そして、顧客Cは、保留レシートに印字された識別データを会計装置103において入力させることでストアサーバなどから保留されている取引データを呼び出し、決済処理を行う。
このように、実施形態の商品データ登録装置102は、オーバーテンドの場合は釣銭額を会計装置103に送信し、商品データ登録装置102において釣銭の払い出しやレシートの印字を行わない。そのため、商品データ登録装置102側に釣銭機およびレシートの印字装置を備える必要がない。
なお、本実施形態においては、1台の商品データ登録装置102において取引データの転送先として選択できる会計装置103の台数を2台としたが、これに限るものではなく、転送先として選択できる会計装置103及び台数を任意に設定可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。