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JP6259709B2 - すべり軸受用銅合金およびすべり軸受 - Google Patents

すべり軸受用銅合金およびすべり軸受 Download PDF

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Description

本発明は、黄銅系のすべり軸受用銅合金およびすべり軸受に関する。
Fe,Ni,Coを含む金属間化合物と、W,Mo,Crを含む酸化物とを含有する銅合金が知られている(特許文献1、参照)。特許文献1において、金属間化合物と酸化物との原料となる各元素の粉末を配合して焼結を行うことにより、金属間化合物と酸化物とが均一に分布する銅合金を形成している。また、金属間化合物と酸化物によって銅合金の耐焼付性や耐摩耗性を向上させている。
特許第2745695号
しかしながら、給油量が少ない状態で、特許文献1の銅合金を摺動部材に用いると、摩耗や焼付きが生じやすくなるという問題があった。特に、特許文献1の銅合金を用いた摺動部材では、起動時や停止時において摩耗や焼付きが生じやすくなる。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、給油量が少ない状態でも良好な耐摩耗性と耐焼付性とを実現できる技術を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明のすべり軸受用銅合金は、1wt%以上かつ10wt%以上かつ40wt%以下のZnと、10wt%以下(0wt%よりも大きい)のBiと、0.5vol%以上かつ15vol%以下の硬質粒子と、を含有し、残部が不可避不純物とCuとからなるすべり軸受用銅合金である。また、本発明のすべり軸受用銅合金が含有する硬質粒子の平均粒径が1μm以上かつ30μm以下であり、硬質粒子のビッカース硬さが700以上である。
以上のすべり軸受用銅合金は、平均粒径が1μm以上かつ30μm以下であり、ビッカース硬さが700以上の硬質粒子を含有することにより、硬質粒子が摩耗を抑制し、耐摩耗性を向上させることができる。硬質粒子の含有量を0.5vol%以上かつ15vol%以下とすることにより、すべり軸受用銅合金の硬度を適度に向上させ、耐摩耗性を向上させることができる。また、硬質粒子の粒径を1μm以上かつ30μm以下とすることにより、粗大な硬質粒子が相手軸を攻撃することを防止でき、耐焼付性を向上させることができる。また、軟質のBiを1wt%以上含有することにより、摩擦抵抗を軽減することができ、耐焼付性を向上させることができる。すなわち、硬質粒子およびBiにより耐摩耗性と耐焼付性とを両立させることができ、給油量が少ない状態でも良好な耐摩耗性と耐焼付性とを実現できる。また、Biを含有することにより、切削加工を容易にすることができる。さらに、10wt%以上かつ40wt%以下のZnを含有することにより、マトリクスの強度を向上させることができるとともに、高温での硫化腐食を抑制できる。
さらに、硬質粒子の平均粒径は20μm以上であるとともに、すべり軸受用銅合金は硬質粒子を混合した焼結材を焼結することにより形成されてもよい。これにより、粒径が大きな硬質粒子(粒径が20μm以上)もすべり軸受用銅合金に均一に分布させることができる。すなわち、連続鋳造や押出成形のように合金中の硬質粒子を流動させて成形する必要がないため、粒径が大きい硬質粒子もすべり軸受用銅合金において均一に分布させることができる。
なお、ビッカース硬さが700以上となる硬質粒子を構成する化合物として、Fe3PとFe2PとFePとSiO2とAl23とSiCとAlNとSi34とBNとFeBとFe2BとNiBとが挙げられ、これらのうち少なくとも1種類以上によって硬質粒子が構成されてもよい。さらに、本発明のすべり軸受用銅合金を銅合金層として備えるすべり軸受においても、給油量が少ない状態でも良好な耐摩耗性と耐焼付性とを実現できる。
スラスト軸受の斜視図である。 (2A)は摩耗試験の説明図、(2B)は摩耗体積を説明する模式図である。 (3A)は焼付試験の説明図、(3B)は比摩耗量のグラフ、(3C)は焼付面圧のグラフである。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)スラスト軸受の構成:
(1−1)耐摩耗性:
(1−2)耐焼付性:
(2)スラスト軸受の製造方法:
(3)実験例:
(4)他の実施形態:
(1)スラスト軸受の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるすべり軸受用銅合金によって形成されたすべり軸受としてのスラスト軸受1の斜視図である。スラスト軸受1は、例えば内燃機関用のターボ式過給機において、タービン翼とコンプレッサ翼とが軸方向の両端に備えられた相手軸2(一点鎖線)に作用する荷重をスラスト方向(軸方向)に支持する。スラスト軸受1は円筒状となるように形成されており、当該スラスト軸受1の内側を相手軸2が貫通する。相手軸2には、径方向外側に突出したカラー部2aが設けられており、当該カラー部2aとスラスト軸受1とがスラスト方向に接触し、相手軸2のカラー部2aからスラスト軸受1に荷重が伝達される。例えば、スラスト軸受1の内径は5〜15mmであってもよいし、外径は20〜40mmであってもよいし、スラスト軸受1の厚みは2〜10mmであってもよい。スラスト軸受1と相手軸2のカラー部2aとの間に潤滑油としてのエンジンオイルの油膜が形成される。相手軸2が回転することにより、スラスト軸受1のスラスト方向の表面である摺動面1a上において相手軸2のカラー部2aが摺動する。なお、図示しないが相手軸2に作用する荷重をラジアル方向に支持するラジアル軸受もスラスト軸受1と同一の銅合金によって形成してもよい。
以下、スラスト軸受1を構成するすべり軸受用銅合金について説明する。すべり軸受用銅合金は、27.5wt%のZnを含有し、4wt%のBiを含有し、12vol%の硬質粒子を含有し、残部がCuと不可避不純物とからなる。本実施形態において、硬質粒子はである。不可避不純物はMg,Ni,Ti,B,Pb,Cr等であり、精錬もしくはスクラップにおいて混入する不純物である。不可避不純物の含有量は、全体で1.0wt%以下である。すべり軸受用銅合金における各元素の質量は、ICP発光分光分析装置(島津製作所製ICPS−8100)によって計測した。本実施形態の硬質粒子は、Fe2PおよびFe3Pであり、硬質粒子のビッカース硬さは789であった。硬質粒子には、Fe2Pのみによって形成された粒子と、Fe3Pのみによって形成された粒子と、Fe2PとFe3Pとからなる粒子とが含まれ得る。また、硬質粒子の平均粒径は、19.7μmであった。硬質粒子の平均粒径とは、スラスト軸受1を製造する際にスラスト軸受1の材料に混合した硬質粒子の平均粒径である。
(1−1)耐摩耗性:
スラスト軸受1を構成するすべり軸受用銅合金の耐摩耗性を評価するために摩耗試験を行った。図3Aは、摩耗試験に使用した円筒平板型摩擦摩耗試験機を説明する模式図である。摩耗試験は、潤滑油としてのエンジンオイル(流動パラフィン)Fに一部が浸漬した状態で円柱状の相手材Aを回転させるとともに、相手材Aに所定の静荷重が作用するように試験片Tを相手材Aに接触させることにより行った。試験片Tは、スラスト軸受1を構成するすべり軸受用銅合金と同一条件で形成し、平面板状とした。相手材Aは、スラスト軸受1が軸受けする相手軸2と同等の材料で形成し、具体的に焼き入れ処理を行ったSCM415(クロムモリブデン鋼)で形成した。相手材Aの回転軸方向における試験片Tの長さaを10mmとし、相手材Aの底面の半径rを20mmとした。摺動部における相手材Aの試験片Tに対する相対移動速度bが200mm/secとなるように、相手材Aの回転速度を制御した。また、静荷重を139Nとし、潤滑油の温度を室温とし、試験時間cを3600sec(1時間)とした。以上の条件で摩耗試験を行った後に、表面粗さ計(小坂研究所製 SE3400)よって試験片Tにおける相手材Aとの摺動部の深さのプロフィールを計測した。そして、深さのプロフィールにおける平坦部(非摩耗部)と最深部との深さの差を摩耗深さdとして計測した。
さらに、下記の(1)式によって、比摩耗量Kを算出した。
Figure 0006259709
Lは摺動距離であり、摩耗試験において試験片T上を摺動した相手材Aの表面の長さである。
摺動距離Lは、相対移動速度bに試験時間cを乗算した値(b×c)である。Vは、摩耗試験において摩耗した試験片Tの体積(摩耗体積)である。(1)式に示すように、比摩耗量Kとは、試験片Tに単位荷重(1N)を作用させた場合に、単位摺動距離(1mm)あたりに摩耗した試験片Tの体積を意味する。比摩耗量Kが小さいほど、耐摩耗性が高いことを意味する。
次に、摩耗体積Vについて説明する。図3Bは、摩耗体積Vを説明する模式図である。図3Bにおいてハッチングで示すように、試験片Tのうち摩耗した部分の形状は、相手材Aのうち、摩耗試験の終了時において試験片Tに入り込んだ部分の形状となると考えることができる。相手材Aの円形状の底面のうち中心Cから試験片Tの摺動面1aに直交する半径CP0において相手材Aが最も深く入り込み、当該半径CP0において相手材Aが入り込んでいる深さが摩耗深さdとなる。ここで、相手材Aの底面の円周上において、摩耗試験の終了時において試験片Tに入り込んだ部分の下限の点をそれぞれP1,P2と表すと、摩耗体積Vは、相手材Aの底面のうち円弧P12と弦P12とによって囲まれた部分の面積に試験片Tの長さaを乗算することにより得ることができる。相手材Aの底面のうち円弧P12と弦P12とによって囲まれた部分の面積は、円弧P12と半径CP1,CP2とによって囲まれた扇形の面積S1から、弦P12と半径CP1,CP2とによって囲まれた三角形の面積S2を減算した面積となる。従って、摩耗体積Vは以下の(2)式によって算出できる。
Figure 0006259709
前記扇形の面積S1は以下の(3)式によって算出できる。
Figure 0006259709
ここで、θは、半径CP1,CP2が相手材Aの底面の中心Cにてなす角度の半分を表す。なお、角度θは、以下の(4)式を満足する。
Figure 0006259709
一方、前記三角形の面積S2は図形の対称性から以下の(5)式によって算出できる。
Figure 0006259709
以上のようにして、本実施形態のスラスト軸受1を構成するすべり軸受用銅合金の比摩耗量Kを計測したところ、3×10-10mm2/Nと良好であった。
(1−2)耐焼付性:
スラスト軸受1を構成するすべり軸受用銅合金の耐焼付性を評価するために焼付試験を行った。図4は、焼付試験に使用したピンオンディスク試験機を説明する模式図である。焼付試験は、回転する円盤状の相手材Aを厚み方向に挟み込むように一対の試験片Tを配置し、油圧シリンダーWによって試験片T間に静荷重を作用させることにより行った。相手材Aと試験片Tとの接触部における両者の相対速度が15m/secとなるように相手材Aの回転速度を調整した。また、相手材Aに対して潤滑油(SAE30 CD級)を保持する給油パッドPを接触させることにより、相手材Aと試験片Tとの接触部に給油を行った。相手材Aは、焼き入れ処理を行ったSCM415で形成した。一対の試験片Tは相手材Aと平行な面内にて回転可能に保持された梁部Eの先端に取り付けられ、当該梁部Eの水平回転を妨げるようにロードセルYを配置した。梁部Eのうち試験片Tが備えられない端部には、バランスウェイトBを取り付け、油圧シリンダーWによって梁部Eに生じる鉛直方向のモーメントを相殺させた。
相手材Aと試験片Tとの間に摩擦力が生じ、当該摩擦力によって梁部Eが水平回転することとなる。そのため、ロードセルYには梁部Eを水平回転させる摩擦力が作用し、ロードセルYが計測する荷重の大きさは、試験片Tと相手材Aとの間に生じる摩擦力の大きさを意味する。そのため、ロードセルYに作用する荷重が所定の閾値以上となった場合に、試験片Tと相手材Aとの間の摩擦力が異常に大きく、焼付きが生じたと判定した。
油圧シリンダーWによって試験片T間に作用する静荷重の大きさを徐々(2MPa/5min)に大きくしていき、試験片Tと相手材Aとの間に焼付きが生じた際の静荷重である焼付荷重を計測した。さらに、焼付荷重を試験片Tと相手材Aとの接触面積で除算することによって焼付面圧を計測した。
以上のようにして、本実施形態のスラスト軸受1を構成するすべり軸受用銅合金の焼付面圧を計測したところ、24Mpaと良好であった。なお、焼付面圧が大きいほど、耐焼付性が良好であることを意味する。
以上説明したように、本実施形態では、平均粒径が19.7μmであり、ビッカース硬さが700以上の硬質粒子を含有することにより、硬質粒子が摩耗を抑制し、耐摩耗性を向上させることができた。硬質粒子の含有量を12vol%とし、硬質粒子の平均粒径を19.7μmとすることにより、耐焼付性を悪化させない程度に、耐摩耗性を向上させることができた。また、軟質のBiを含有することにより、摩擦抵抗を軽減することができ、耐焼付性を向上させることができた。すなわち、硬質粒子およびBiにより耐摩耗性と耐焼付性とを両立させることができ、給油量が少ない状態でも良好な耐摩耗性と耐焼付性とを実現できる。また、27.5wt%のZnを含有することにより、マトリクスの強度を向上させることができるとともに、高温での硫化腐食を抑制できた。
(2)スラスト軸受の製造方法:
本実施形態においてスラスト軸受1は、a.圧粉体の形成、b.焼結、c.機械加工の各工程を順に行うことにより製造される。以下、各工程について説明する。
a.圧粉体の形成
まず、スラスト軸受1を構成するすべり軸受用銅合金の材料の粉末を用意した。すなわち、27.5wt%のZnを含有し、4wt%のBiを含有し、12vol%の硬質粒子を含有し、残部がCuと不可避不純物とからなるすべり軸受用銅合金が形成できるように、黄銅(Cu−Zn)粉末と、Bi粉末と、市販の硬質粒子の粉末と、の重量比および体積比を調整した。なお、FeとPとで構成される溶融金属(P:20wt%)を凝固させることにより硬質粒子用のインゴットを形成し、当該硬質粒子用のインゴットを塊状に粉砕し、ふるいによって粒径を揃えることにより粉末状の硬質粒子が用意されてもよい。粉末状の硬質粒子には、Fe2PとFe3Pとが含まれている。なお、マイクロビッカース硬さ計(明石製作所製 MVK−EII)によって、50gの荷重で硬質粒子用のインゴット上に形成した圧痕の大きさ(2個の対角線の長さの平均値)を、硬質粒子のビッカース硬さとして計測した。
次に、各粉末を均一に混合した。次に、スラスト軸受1の形状に対応した型に混合した粉末を入れ、加圧することにより圧粉体を形成した。
b.焼結
次に、焼結材としての圧粉体を750〜900℃で焼結した。圧粉体を焼結した後に、スラスト軸受1における硬質粒子の平均粒径を以下のようにして計測した。焼結後の圧粉体の任意の断面をバフ研磨した。次に、焼結後の圧粉体の任意の断面を電子顕微鏡(日本電子製 JXA−8100)によって200倍の倍率で撮影することにより、観察画像(組成像)の画像データを得た。そして、観察画像を画像解析装置(ニレコ社製 LUZEX AP)によって解析することにより、複数の硬質粒子の粒径を計測し、当該硬質粒子の粒径の算術平均値を平均粒径として計測した。なお、硬質粒子の粒径は、投影面積円相当径(HEYWOOD)である。なお、機械加工において硬質粒子の形状が変化しないと見なせるため、焼結後の圧粉体における硬質粒子の平均粒径と、焼結後の圧粉体に機械加工を施したスラスト軸受1における硬質粒子の平均粒径とを同視できる。
c.機械加工
最後に、切削等の機械加工によって寸法や表面状態の仕上げを行うことにより、スラスト軸受1を完成させた。
(3)実験結果:
表1は、前記実施形態のすべり軸受用銅合金から、硬質粒子の含有量だけを変更(Znの含有量は25〜30wt%の範囲内で調整)した試料1〜4について、比摩耗量Kを計測した結果を示す。また、上述した製造方法と同様の方法によって各試料1〜4を作成した。
Figure 0006259709
図4Bは、硬質粒子の含有量と比摩耗量Kとの関係を示すグラフである。同図に示すように、硬質粒子の含有量が大きくなるほど比摩耗量Kが小さくなる。特に、硬質粒子の含有量が0〜3vol%の範囲で硬質粒子の含有量が大きくなるほど、急激に比摩耗量Kが小さくなり、少なくとも硬質粒子を0.5vol%程度含有させることにより良好な耐摩耗性を実現できる。硬質粒子の含有量が12vol%以上となる範囲においては、比摩耗量Kはほぼ一定となる。従って、硬質粒子の含有量を15vol%以下(望ましくは15vol%以下)に抑制することにより、スラスト軸受1の加工性等を確保することが望ましい。
表2は、前記実施形態のすべり軸受用銅合金から、Biの含有量だけを変更(Znの含有量は25〜30wt%の範囲内で調整)した試料5〜9について、焼付面圧を計測した結果を示す。また、上述した製造方法と同様の方法によって各試料5〜9を作成した。
Figure 0006259709
図4Bは、Biの含有量と焼付面圧との関係を示すグラフである。同図に示すように、Biの含有量が大きくなるほど焼付面圧が大きくなる。特に、硬質粒子の含有量が0〜2wt%の範囲でBiの含有量が大きくなるほど、急激に焼付面圧が小さくなり、少なくともBiを1wt%以上(望ましくは2wt%程度)含有させることにより良好な耐焼付性を実現できる。Biの含有量が6vol%以上の範囲においては、Biの含有量が大きくなっても焼付面圧は大きく増加して行かない。従って、Biの含有量を10wt%以下(望ましくは6wt%以下)に抑制することにより、スラスト軸受1の硬度を確保することが望ましい。
(4)他の実施形態:
前記実施形態においては、本発明のすべり軸受用銅合金によってスラスト軸受1を形成した例を示したが、本発明のすべり軸受用銅合金によって他の摺動部材を形成してもよい。例えば、本発明の銅合金によってトランスミッション用のギヤブシュやピストンピンブシュ・ボスブシュ等を形成してもよい。また、本発明のすべり軸受用銅合金は、必ずしも焼結によって製造されなくてもよく、例えば鋳造や連続鋳造によって製造されてもよい。また、硬質粒子は、必ずしもFe3PやFe2Pでなくてもよく、FePとSiO2とAl23とSiCとAlNとSi34とBNとFeBとFe2BとNiBとのうちのいずれか1種類以上によって構成されてもよい。
前記実施形態では、すべり軸受全体がすべり軸受用銅合金によって構成されたが、本発明のすべり軸受用銅合金で形成された銅合金層と、他の材料で形成された層とを積層することによってすべり軸受が形成されてもよい。例えば、本発明のすべり軸受用銅合金で形成された銅合金層と、鋼で形成された裏金とを積層することによってすべり軸受が形成されてもよい。また、本発明のすべり軸受用銅合金で形成された銅合金層上に金属または樹脂によって形成されたオーバーレイが積層されてもよい。
1…スラスト軸受、2…相手軸、A…相手材、K…比摩耗量、L…摺動距離、P…給油パッド、W…油圧シリンダー、T…試験片、V…摩耗体積、E…梁部、Y…ロードセル。

Claims (4)

  1. 10wt%以上かつ40wt%以下のZnと、
    1wt%以上かつ10wt%以下のBiと、
    0.5vol%以上かつ15vol%以下の硬質粒子と、を含有し、
    残部が不可避不純物とCuとからなるすべり軸受用銅合金であって、
    前記硬質粒子の平均粒径が1μm以上かつ30μm以下であり、
    前記硬質粒子のビッカース硬さが700以上であることを特徴とするすべり軸受用銅合金。
  2. 前記硬質粒子の平均粒径は20μm以上であるとともに、
    前記硬質粒子を混合した焼結材を焼結することにより形成される、
    請求項1に記載のすべり軸受用銅合金。
  3. 前記硬質粒子は、Fe3PとFe2PとFePとSiO2とAl23とSiCとAlNとSi34とBNとFeBとFe2BとNiBのうち少なくとも1種類以上から構成される、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載のすべり軸受用銅合金。
  4. 10wt%以上かつ40wt%以下のZnと、
    1wt%以上かつ10wt%以下のBiと、
    0.5vol%以上かつ15vol%以下の硬質粒子と、を含有し、
    残部が不可避不純物とCuとからなるすべり軸受であって、
    前記硬質粒子の平均粒径が1μm以上かつ30μm以下であり、
    前記硬質粒子のビッカース硬さが700以上であることを特徴とするすべり軸受。
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