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JP6259795B2 - はんだ組成物および電子基板の製造方法 - Google Patents

はんだ組成物および電子基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、はんだ組成物および電子基板の製造方法に関する。
はんだ組成物は、はんだ粉末にフラックス組成物(ロジン系樹脂、活性剤および溶剤など)を混練してペースト状にした混合物である(例えば、特許文献1)。このはんだ組成物においては、はんだ溶融性やはんだが濡れ広がりやすいという性質(はんだ濡れ広がり)などのはんだ付け性とともに、チップ脇ボールの抑制やダレ性が要求されている。
一方で、電子機器の機能の多様化により、大型の電子部品から小型の電子部品まで、一つの電子基板に搭載されるようになっている。また、大型の電子部品の中には、電子部品の下面に電極端子を有する下面電極部品(例えば、LGA(ランドグリッドアレイ)、QFN(クワッドフラットノーリードパッケージ))がある。このような下面電極部品では、ランドサイズが大きいために、ボイドが発生しやすい傾向にある。
特許第5756067号
大型の電子部品から小型の電子部品まで一つの電子基板に搭載する場合に用いるはんだ組成物においては、はんだ付け性だけでなく、多種多様な課題があり、これらの課題の解決が求められている。具体的には、プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボールおよびボイドの抑制などが求められている。
そこで、本発明は、プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボールおよびボイドを十分に抑制できるはんだ組成物、並びにそれを用いた電子基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明者らは、フラックス組成物において用いる溶剤として、沸点が360℃以上450℃以下である溶剤と、沸点が260℃以上290℃以下である溶剤とを組み合わせて用いた場合には、プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボールおよびボイドという多種多様な課題を解決できることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、以下のようなはんだ組成物および電子基板の製造方法を提供するものである。
本発明のはんだ組成物は、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有し、前記(C)溶剤が、(C1)沸点が360℃以上450℃以下である溶剤、および、(C2)沸点が260℃以上290℃以下である溶剤を含有し、前記(C1)沸点が360℃以上450℃以下である溶剤の配合量が、前記(C)溶剤100質量%に対して、45質量%以上75質量%以下であり、前記(E)はんだ粉末におけるはんだの融点が、200℃以上250℃以下であることを特徴とするものである。
本発明のはんだ組成物においては、前記(C1)沸点が360℃以上450℃以下である溶剤の配合量が、前記(C)溶剤100質量%に対して、45質量%以上65質量%以下であることが好ましい。
本発明のはんだ組成物においては、前記(D)チクソ剤の配合量が、3質量%以上7質量%以下であることが好ましい
発明の電子基板の製造方法は、前記はんだ組成物を用いて、電子部品を電子基板に実装することを特徴とする方法である。
本発明によれば、プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボールおよびボイドを十分に抑制できるはんだ組成物、並びにそれを用いた電子基板の製造方法を提供できる。
本発明のはんだ組成物は、以下説明するフラックス組成物と、以下説明する(E)はんだ粉末とを含有するものである。
[フラックス組成物]
まず、本発明に用いるフラックス組成物について説明する。本発明に用いるフラックス組成物は、はんだ組成物におけるはんだ粉末以外の成分であり、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するものである。
[(A)成分]
本発明に用いる(A)ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、ディールス・アルダー反応の反応成分となり得る前記ロジン類の不飽和有機酸変性樹脂((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸などの変性樹脂)およびアビエチン酸の変性樹脂、並びに、これらの変性物を主成分とするものなどが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(A)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、20質量%以上60質量%以下であることが好ましく、25質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。(A)成分の配合量が前記下限未満では、はんだ付ランドの銅箔面の酸化を防止してその表面に溶融はんだを濡れやすくする、いわゆるはんだ付性が低下し、はんだボールが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、フラックス残さ量が多くなる傾向にある。
[(B)成分]
本発明に用いる(B)活性剤としては、有機酸、非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤、アミン系活性剤などが挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、これらの中でも、環境対策の観点や、はんだ付け部分での腐食を抑制するという観点からは、有機酸、アミン系活性剤(ハロゲンを含有しないもの)を用いることが好ましく、有機酸を用いることがより好ましい。
前記有機酸としては、以下説明する(B1)重合脂肪酸および(B2)脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましい。
本発明に用いる(B1)重合脂肪酸としては、不飽和脂肪酸の重合によって生成される脂肪酸が挙げられる。この(B1)成分により、はんだ粉末の再酸化を防止できる傾向があるために、他の活性剤の作用を相乗的に高めることができる。
この不飽和脂肪酸の炭素数は、特に限定されないが、8以上20以下であることが好ましく、12以上18以下であることがより好ましく、18であることが特に好ましい。また、この重合脂肪酸としては、特に限定されないが、二塩基酸または三塩基酸を主成分とするものが好ましい。具体的には、ダイマー酸、トリマー酸などが挙げられる。
前記(B1)成分の配合量は、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上12質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限未満では、はんだ付け性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、絶縁性が低下し、フラックス残さのべたつきが発生しやすくなる傾向にある。
本発明に用いる(B2)脂肪族ジカルボン酸は、アルキレン基を有する二塩基酸である。この脂肪族ジカルボン酸の炭素数は、特に限定されないが、3以上20以下であることが好ましく、5以上20以下であることがより好ましい。この脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、およびセバシン酸などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(B2)成分の配合量は、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限未満では、はんだ付け性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、絶縁信頼性が低下する傾向にある。
前記(B)成分においては、前記(B1)成分および前記(B2)成分以外のその他の有機酸(以下(B3)成分という)をさらに含有してもよい。
(B3)成分としては、モノカルボン酸、その他の有機酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、およびリグノセリン酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、グリコール酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、アニス酸、クエン酸、およびピコリン酸などが挙げられる。
これらの(B3)成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(B3)成分の配合量は、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上8質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
前記(B)成分においては、(B4)非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤をさらに含有してもよい。この(B4)成分は、前記(B1)成分〜前記(B3)成分の活性作用にほとんど影響を与えずに、(B4)成分としての活性作用を付与できる。
前記(B4)成分としては、ハロゲン原子が共有結合により結合した非塩系の有機化合物が挙げられる。このハロゲン化化合物としては、塩素化物、臭素化物、フッ化物のように塩素、臭素、フッ素の各単独元素の共有結合による化合物でもよいが、塩素、臭素およびフッ素の任意の2つまたは全部のそれぞれの共有結合を有する化合物でもよい。これらの化合物は、水性溶媒に対する溶解性を向上させるために、例えばハロゲン化アルコールやハロゲン化カルボキシル化合物のように水酸基やカルボキシル基などの極性基を有することが好ましい。ハロゲン化アルコールとしては、例えば2,3−ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモブタンジオール、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、トリブロモネオペンチルアルコールなどの臭素化アルコール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,4−ジクロロ−2−ブタノールなどの塩素化アルコール、3−フルオロカテコールなどのフッ素化アルコール、その他これらに類する化合物が挙げられる。ハロゲン化カルボキシル化合物としては、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、2−ヨードプロピオン酸、5−ヨードサリチル酸、5−ヨードアントラニル酸などのヨウ化カルボキシル化合物、2−クロロ安息香酸、3−クロロプロピオン酸などの塩化カルボキシル化合物、2,3−ジブロモプロピオン酸、2,3−ジブロモコハク酸、2−ブロモ安息香酸などの臭素化カルボキシル化合物、その他これらに類する化合物が挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(B4)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。(B4)成分の配合量が前記下限未満では、はんだ濡れ広がりが低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、フラックス組成物の絶縁性が低下する傾向にある。
前記(B)成分の合計配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上22質量%以下であることが特に好ましい。(B)成分の配合量が前記下限未満では、はんだボールが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、フラックス組成物の絶縁性が低下する傾向にある。
[(C)成分]
本発明に用いる(C)溶剤は、(C1)沸点が360℃以上450℃以下である溶剤、および、(C2)沸点が260℃以上290℃以下である溶剤を含有することが必要である。(C1)成分として、沸点が360℃未満のもの用いた場合、或いは、(C2)成分として、沸点が260℃未満のものを用いた場合には、下面電極基板におけるボイドが発生してしまう。他方、(C1)成分として、沸点が450℃を超えるものを用いた場合、或いは、(C2)成分として、沸点が290℃を超えるものを用いた場合には、プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボールが発生し、またボイドの抑制効果も不十分となる。
また、上記のような観点から、前記(C1)成分の沸点は、370℃以上440℃以下であることがより好ましい。また、前記(C2)成分の沸点は、270℃以上285℃以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において、沸点とは、1013hPaにおける沸点のことをいう。
また、本発明において、前記(C1)成分の配合量は、(C)成分100質量%に対して、45質量%以上75質量%以下であることが必要である。(C1)成分が45質量%未満の場合には、下面電極基板におけるボイドの抑制効果が不十分となる。他方、(C1)成分が75質量%を超える場合には、プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボールが発生してしまう。
さらに、プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボールおよびボイドなどをバランスよく抑制するという観点から、前記(C1)成分の配合量は、(C)成分100質量%に対して、45質量%以上65質量%以下であることが好ましく、50質量%以上62.5質量%以下であることがより好ましい。
なお、前記(C)成分は、本発明の効果を達成できる範囲において、前記(C1)成分および前記(C2)成分以外の他の溶剤を含有できる。ただし、この場合に、他の溶剤の含有量は、前記(C)成分100質量%に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
前記(C1)成分としては、例えば、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)(400℃)、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(386℃)、フタル酸ジイソノニル(403℃)、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)(436℃)、およびアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(374℃)などのエステル系溶剤が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、括弧内に記載の温度は、上記の溶剤の沸点である。
前記(C2)成分としては、例えば、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(276℃)、ジエチレングリコールモノ2−ヘキシルエーテル(272℃)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(271℃)、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(283℃)、およびトリプロピレングリコールモノブチルエーテル(274℃)などのグリコールエーテル系溶剤が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、括弧内に記載の温度は、上記の溶剤の沸点である。
前記(C)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、20質量%以上50質量%以下であることが好ましく、25質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。溶剤の配合量が前記範囲内であれば、得られるはんだ組成物の粘度を適正な範囲に適宜調整できる。
[(D)成分]
本発明に用いる(D)チクソ剤としては、硬化ひまし油、アミド類、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、ガラスフリットなどが挙げられる。これらのチクソ剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(D)成分を用いる場合、その配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、3質量%以上7質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限未満では、チクソ性が得られず、ダレが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、チクソ性が高すぎて、印刷不良となりやすい傾向にある。
[他の成分]
本発明に用いるフラックス組成物には、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分および前記(D)成分の他に、必要に応じて、その他の添加剤、更には、その他の樹脂を加えることができる。その他の添加剤としては、消泡剤、酸化防止剤、改質剤、つや消し剤、発泡剤などが挙げられる。その他の樹脂としては、アクリル系樹脂などが挙げられる。
[はんだ組成物]
次に、本発明のはんだ組成物について説明する。本発明のはんだ組成物は、前記本発明のフラックス組成物と、以下説明する(E)はんだ粉末とを含有するものである。
前記フラックス組成物の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、7質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。フラックス組成物の配合量が5質量%未満の場合(はんだ粉末の配合量が95質量%を超える場合)には、バインダーとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ粉末とを混合しにくくなる傾向にあり、他方、フラックス組成物の配合量が35質量%を超える場合(はんだ粉末の配合量が65質量%未満の場合)には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。
[(E)成分]
本発明に用いる(E)はんだ粉末は、鉛フリーはんだ粉末のみからなることが好ましいが、有鉛のはんだ粉末であってもよい。このはんだ粉末におけるはんだ合金としては、スズ(Sn)を主成分とする合金が好ましい。また、この合金の第二元素としては、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)およびアンチモン(Sb)などが挙げられる。さらに、この合金には、必要に応じて他の元素(第三元素以降)を添加してもよい。他の元素としては、銅、銀、ビスマス、インジウム、アンチモン、およびアルミニウム(Al)などが挙げられる。
ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
鉛フリーのはんだ粉末としては、具体的には、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Cu、Sn−Ag−Bi、Sn−Bi、Sn−Ag−Cu−Bi、Sn−Sb、Sn−Zn−Bi、Sn−Zn、Sn−Zn−Al、Sn−Ag−Bi−In、Sn−Ag−Cu−Bi−In−Sb、In−Agなどが挙げられる。これらの中でも、はんだ接合の強度の観点から、Sn−Ag−Cu系のはんだ合金が好ましく用いられている。そして、Sn−Ag−Cu系のはんだの融点は、通常200℃以上250℃以下である。なお、Sn−Ag−Cu系のはんだの中でも、銀含有量が低い系のはんだの融点は、210℃以上250℃以下である。
前記(E)成分の平均粒子径は、通常1μm以上40μm以下であるが、はんだ付けパッドのピッチが狭い電子基板にも対応するという観点から、1μm以上25μm以下であることがより好ましく、2μm以上20μm以下であることがさらにより好ましく、3μm以上15μm以下であることが特に好ましい。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
[はんだ組成物の製造方法]
本発明のはんだ組成物は、上記説明したフラックス組成物と上記説明した(E)はんだ粉末とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
[電子基板]
次に、本発明の電子基板について説明する。本発明の電子基板は、以上説明したはんだ組成物を用いて電子部品を電子基板(プリント配線基板など)に実装したことを特徴とするものである。
ここで用いる塗布装置としては、スクリーン印刷機、メタルマスク印刷機、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどが挙げられる。
また、前記塗布装置にて塗布したはんだ組成物上に電子部品を配置し、リフロー炉により所定条件にて加熱して、前記電子部品をプリント配線基板に実装するリフロー工程により、電子部品を電子基板に実装できる。
リフロー工程においては、前記はんだ組成物上に前記電子部品を配置し、リフロー炉により所定条件にて加熱する。このリフロー工程により、電子部品およびプリント配線基板の間に十分なはんだ接合を行うことができる。その結果、前記電子部品を前記プリント配線基板に実装することができる。
リフロー条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn−Ag−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、プリヒートを温度150〜200℃で60〜120秒行い、ピーク温度を230〜270℃に設定すればよい。
また、本発明のはんだ組成物および電子基板は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記電子基板では、リフロー工程により、プリント配線基板と電子部品とを接着しているが、これに限定されない。例えば、リフロー工程に代えて、レーザー光を用いてはんだ組成物を加熱する工程(レーザー加熱工程)により、プリント配線基板と電子部品とを接着してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、InGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)、気体レーザー(He−Ne、Ar、CO、エキシマーなど)が挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A)成分)
ロジン系樹脂:水添酸変性ロジン、商品名「パインクリスタルKE−604」、荒川化学工業社製
((B1)成分)
活性剤A:ダイマー酸、商品名「UNIDYME14」、アリゾナケミカル社製
((B2)成分)
活性剤B:スベリン酸
活性剤C:エイコサン二酸、商品名「SL−20」、岡村製油社製
((C1)成分)
溶剤A:トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)(沸点400℃)
溶剤B:フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(沸点386℃)
溶剤C:フタル酸ジイソノニル(沸点403℃)
溶剤D:セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)(沸点436℃)
溶剤E:アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(沸点374℃)
((C2)成分)
溶剤F:テトラエチレングリコールジメチルエーテル(沸点276℃)
溶剤G:ジエチレングリコールモノ2−ヘキシルエーテル(沸点272℃)
((D)成分)
チクソ剤:商品名「スリパックスZHH」、日本化成社製
((E)成分)
はんだ粉末:粒子径5〜15μm(平均粒子径10μm)、はんだ融点220℃、はんだ組成Sn/Ag3.0/Cu0.5
(他の成分)
溶剤H:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(沸点259℃)
溶剤I:ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)
液状ポリマー:ポリエチレンポリプロピレングリコール、商品名「プロノン#104」、日油社製
酸化防止剤:商品名「ナウガードXL−1」、和光純薬工業社製
[実施例1]
ロジン系樹脂35質量部、活性剤A10質量部、活性剤B3質量部、活性剤C5質量部、チクソ剤5質量部、溶剤A30質量部、溶剤F10質量部および酸化防止剤2質量部を容器に投入し、プラネタリーミキサーを用いて混合してフラックス組成物を得た。
その後、得られたフラックス組成物11質量%およびはんだ粉末89質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、プラネタリーミキサーにて混合することではんだ組成物を調製した。
[実施例2〜7]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
[比較例1〜7]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の評価(プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボール、LGAボイド)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)プリヒート時におけるダレ
清浄した銅張積層基板(大きさ:25mm×50mm、厚み:1.6mm)を準備する。3.0mm×1.5mmのパターン孔を有し、それを0.1mmから1.2mmまで0.1mmステップで配置しているパターン孔を有する厚み0.2mm(誤差は0.001mm以内)のメタルマスクを使用し、この銅張積層基板上にはんだ組成物を印刷して試験基板とする。なお、試験基板は2枚作成する。そして、150℃に加熱された炉中に試験基板を入れ、1分間加熱する。加熱後の試験基板2枚をそれぞれ観察し、パターン孔のうち、印刷されたはんだ組成物が一体にならない最小間隔を測定する。そして、下記の基準に従って、プリヒート時におけるダレを評価した。
◎:最小間隔が、0.3mm以下であり、印刷形状が完全に維持されている。
○:最小間隔が、0.3mm以下であるが、印刷形状が若干だれ気味である。
△:最小間隔が、0.3mm以下であるが、印刷形状がだれ気味である。
×:最小間隔が、0.3mm超である。
(2)フラックス残さのべたつき
上記(1)プリヒート時におけるダレと同様の条件にて試験基板を作製する。そして、試験基板に対し、プリヒート150〜180℃を80秒間とピーク温度240℃で溶融時間を10秒間の条件でリフロー(大気中)を行った。そして、試験基板のフラックス残さを指触して、フラックス残さのべたつきを、下記の基準にて評価した。
◎:指触の貼り付き跡が生じない。
○:指触の貼り付き跡が若干生じる。
△:指触の貼り付き跡が生じる。
×:指に樹脂成分が付着する。
(3)チップ脇ボール
チップ(大きさ:1.6mm×0.8mm)を実装できる電極(大きさ:0.5mm×0.8mm)を有する基板上に、対応するパターンを有するメタルマスク(厚み:150μm)を用い、はんだ組成物を印刷した。その後、はんだ組成物上にチップを搭載して、プリヒート150〜180℃を80秒間とピーク温度240℃で溶融時間を10秒間の条件でリフロー(大気中)を行い、試験基板を作製した。試験基板を目視にて観察して、チップ脇にあるはんだボールの数(チップ脇ボール数)を測定した。
(4)LGAボイド
LGA(大きさ:1.5mm×1.5mm、ランド:金めっき、ランドの直径:0.8mmφ)を実装できる電極を有する基板上に、対応するパターンを有するメタルマスク(厚み:150μm)を用い、はんだ組成物を印刷した。その後、はんだ組成物上にLGAを搭載して、プリヒート150〜180℃を80秒間とピーク温度230℃で溶融時間を10秒間の条件でリフロー(大気中)を行い、試験基板を作製した。得られた試験基板を、X線検査装置(「NLX−5000」、NAGOYA ERECTRIC WORKS社製)を用いて観察した。そして、ボイドの占有面積率[(ボイド面積/ランド面積)×100]を測定するとともにその個数を数え、以下の(i)〜(iii)を評価した。
(i)占有面積率が20%未満のボイドの数(単位:個)
(ii)占有面積率が20%以上のボイドの数(単位:個)
(iii)最大占有面積率(観察された中で最大のボイドの占有面積率)(単位:%)
Figure 0006259795
表1に示す結果からも明らかなように、(C1)成分および(C2)成分を所定量含有する本発明のはんだ組成物(実施例1〜7)を用いた場合には、プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボールおよびLGAボイドの全てが良好であることが確認された。従って、本発明のはんだ組成物は、プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボールおよびボイドを十分に抑制できることが確認された。
これに対し、(C1)成分および(C2)成分のいずれかを含有しない場合や、(C1)成分が多過ぎたり、少な過ぎる場合(比較例1〜7)を用いた場合には、プリヒート時におけるダレ、フラックス残さのべたつき、チップ脇ボールおよびLGAボイドの少なくともいずれかが不十分となることが分かった。
本発明のはんだ組成物は、電子機器のプリント配線基板などの電子基板に電子部品を実装するための技術として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. (A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有し、
    前記(C)溶剤が、(C1)沸点が360℃以上450℃以下である溶剤、および、(C2)沸点が260℃以上290℃以下である溶剤を含有し、
    前記(C1)沸点が360℃以上450℃以下である溶剤の配合量が、前記(C)溶剤100質量%に対して、45質量%以上75質量%以下であり、
    前記(E)はんだ粉末におけるはんだの融点が、200℃以上250℃以下である
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  2. 請求項1に記載のはんだ組成物において、
    前記(C1)沸点が360℃以上450℃以下である溶剤の配合量が、前記(C)溶剤100質量%に対して、45質量%以上65質量%以下である
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のはんだ組成物において、
    前記(D)チクソ剤の配合量が、3質量%以上7質量%以下である
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  4. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のはんだ組成物を用いて、電子部品を電子基板に実装することを特徴とする電子基板の製造方法
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