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JP6255310B2 - チャンバ - Google Patents

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JP6255310B2
JP6255310B2 JP2014121957A JP2014121957A JP6255310B2 JP 6255310 B2 JP6255310 B2 JP 6255310B2 JP 2014121957 A JP2014121957 A JP 2014121957A JP 2014121957 A JP2014121957 A JP 2014121957A JP 6255310 B2 JP6255310 B2 JP 6255310B2
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Description

血液透析器、血液浄化器等に装着して使用される血液回路(体外循環回路ともいう)の途中に配置されるチャンバに関するものであり、血液のいわゆる「下部流入、かつ下部流出タイプ」(以下、「下部流出入タイプ」)で、可能な限りプライミングボリュームを小さくしたいチャンバの最適形状の発明に関する。
従来はいわゆる「上部流入、かつ下部流出タイプ」(以下、「上部流入下部流出タイプ」)の形状が多く、国内でもこれらが主流となっている。
一方海外では下部流出入タイプのチャンバが多く使用されている。
上部流入下部流出タイプの場合、血液入口側に接続したチューブがたわんでキンク(折れ、ねじれ)を起こす可能性があるが、下部流出入タイプは、このようなキンクの発生リスクがなく、さらに血液回路を血液透析装置(機械)へセットする際に、チューブが迂回することなく効率的に装置に這わせることができる等のメリットがあり、海外の血液透析装置(機械)の仕様も考慮された仕様になっている。
ところで、下部流出入タイプのチャンバにおいては、下部からチャンバ内に流入する血液が液面に噴き出して泡立ちが発生すること、さらに液面が高くなりすぎると液面付近の流動性が極端に悪くなり血液が凝固しやすい問題が生じる。なお液面の高さは、プライミング時に設定するが、透析治療時は、液面は圧力により変動する。
下部流出入タイプのチャンバの最大のデメリットは、液面が低くなりすぎると下部から流入する血液の噴き上がりで、泡立ってしまい血液凝固の原因となってしまう。
特に海外の場合は、血流量が高く、流速は300mL/minまで上げることが一般的であり、実際のチャンバの容量は日本よりも大きく設計されている。
日本国内では、流速は200mL/minが平均であるが、患者の年齢、体格によって250mL〜300mLの高流速で体外循環することも多くなっている。
このため、上部流入下部流出タイプのチャンバも長いチャンバを使用したり、チューブ径を大きくしたりして泡立ちを軽減しているが、いずれも体外循環量を多くした対処になっている。さらに、液面が高くなりすぎたり、チャンバ内のプライミングボリューム(容量)が大きいと、流動性が悪くなり、滞留した血液はやはり凝固を引き起こす要因となってしまう。
過去の下部流出入タイプの先行技術として、以下の発明が開示されている。
真下/下部D方向から流入する血液の液面への直撃を防止するため、チャンバの流入上部を変形させた発明。(特許文献1、2参照。)天井を設けて邪魔板形状に成形した発明。(特許文献3参照。)また流動性の悪い血液が液面で凝固しないように、フロートを入れた発明。(特許文献4参照。)隔壁を介して空気層と分離する発明。(特許文献5、6、7参照。)あえて血液の自然分離を維持して液面を生食層や血漿層とする発明。(特許文献8参照。)
実開1991-007836号公報(図1、図2参照。) 特開1992-061866号公報(図1参照。) 特開1987-068464号公報(図4参照。) 特開2008−036327号公報(図1参照。) 特開1997-056817号公報(図1、図2参照。) 実用新案登録3137619号公報(図1参照。) 実用新案登録3128724号公報(図1参照。) 特開2001-029460号公報(図1、図2参照。)
特許文献1〜3に記載の発明では、使用する材料や成形方法が限定されるので成形性が悪くなり、また製造コストが高くなる等のデメリットがある。
特許文献4〜8に記載の発明では、いずれも構造上、作製に手間がかかり、別パーツを必要とするためコストアップになる。しかもパーツの微小な隙間に血液が侵入すると、局部的に滞留を起こすことが想定され、結局血液凝固の問題は少なからず残存する。
そこで、本発明者は以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、次の発明に到達した。
[1]本発明は、少なくとも本体(2)を有し、
本体(2)の下部(D)側に、血液流入管(3)と血液流出管(5)を装着し、
前記血液流入管(3)は、血液流入口(3I)と、開口部(3O)とを有し、
前記血液流出管(5)は、開口部(5O)と血液流出口(5OU)とを有し、
前記血液流入管(3)は、一方の側部(S)から他方の側部(S)側、かつ下部(D)側から上部(U)側に向けて、血液流入口(3I)から開口部(3O)方向へ上るように傾斜して、前記本体(2)の下部(D)側に装着し、
一方の側部(S)−他方の側部(S)方向の水平線(SL)と、血液流入管(3)の長手方向に沿う中心線(CL)とが鋭角で交わる角度を血液流入角度(θ)と定めると、血液流入角度(θ)は、30°〜80°に形成し、
前記血液流出管(5)は、上部(U)側の開口部(5O)から下部(D)側の血液流出口(5OU)に向けて、前記本体(2)の長手方向と実質的に略平行となるように配置したチャンバ(1、11、21、31)を提供する。
[2]本発明は、血液が血液流入管(3)から本体(2)内に、流速:300mL/minで流入し、血液流出管(5)から排出するように灌流する条件下で、灌流中に液面(LS)での泡立ちの発生や液面の拍動を抑制することができる[1]に記載のチャンバ(1、11、21、31)を提供する。
[3]本発明は、血液流入角度(θ)は、60°〜80°に形成し、
血液が血液流入管(3)から本体(2)内に、流速:200〜300mL/minで流入し、血液流出管(5)から排出するように灌流する条件下で、灌流中に液面(LS)での泡立ちの発生や液面の拍動を抑制することができる[1]に記載のチャンバ(1、11、21、31)を提供する。
[4]本発明は、血液流入角度(θ)は、60°〜80°に形成し、
血液が血液流入管(3)から本体(2)内に、流速:200mL/minで流入し、血液流出管(5)から排出するように灌流する条件下で、灌流中に液面(LS)での泡立ちの発生や液面の拍動を抑制することができる[1]に記載のチャンバ(1、11、21、31)を提供する。
[5]本発明は、本体(2)内の上部(U)側の端部から下部(D)側の端部までの長さを、チャンバ長(LC)と定め、
本体(2)の内径を、チャンバ内径(IDC)と定め、
血液流入管(3)の内径を、流入口内径(ID3)と定めると、
前記チャンバ内径(IDC)の大きさ:1に対して、前記チャンバ長(LC)の大きさは、2.8〜5.0に形成し、
前記流入口内径(ID3)の大きさ:1に対して、前記チャンバ長(LC)の大きさは、12〜27に形成し、
本体(2)の下部(D)側の端部から、本体(2)内に導入される血液の液面(LS)までの距離を、液面の高さ(h)と定めると、
血液が血液流入管(3)から本体(2)内に、流速:200mL/min〜300mL/minで流入させる状態で、前記液面の高さ(h)を、40から60mmに維持できるようにした[1]から[4]のいずれか1つに記載のチャンバ(1、11、21、31)を提供する。
[6]本発明は、血液流入管(3)の開口部(3O)は、一方の側部(S)または、一方の側部(S)と他方の側部(S)との間に形成した[1]から[5]のいずれか1つに記載のチャンバ(1、11、21、31)を提供する。
[7]本発明は、本体(2)の下部(D)側に、傾斜部(TP)を形成し、当該傾斜部(TP)に血液流入管(3)の開口部(3O)を形成した[1]から[6]のいずれか1つに記載のチャンバ(1、11、21、31)を提供する。
[8]本発明は、血液流出管(5)は、開口部(5O)から血液流出口(5OU)に至るまでの間に、血液フィルタを装着した[1]から[7]のいずれか1つに記載のチャンバ(1、11、21、31)を提供する。
本発明のチャンバ(1、11、21、31)によれば、
〈1〉通常の使用条件(血液の流速:200〜300mL/min)で、流入した血液が液面を直撃しないため、液面での泡立ちがなく、流動性が良くなり、滞留が無くなる。このため血液凝固、残血のリスクが軽減する。
〈2〉液面レベルが低く(4cm)なっても、流入した血液が液面を直撃しないため、チャンバのサイズ(プライミングボリューム)を小さくできる。
よってチャンバ自体のサイズも小さく設計でき、血液透析装置(機械)へセットする際に小スペース化できる。また血液透析装置、血液浄化装置(機械)の操作パネルへ血液回路をセットする際に、コンパクト化できる等のメリットがある。
〈3〉チャンバ内に流入した血液の泡立ちがなくなることにより、液面レベルをセンサー等で検知する場合でも、泡による検出精度の低下がなく、正確な液面レベルの検知を行うことができる。
図1は、本発明のチャンバ1を第3側部S3方向から見た側面図である。 図2は、図1の側部S方向の断面で、上部U側から見た略式の平面図である。 図3は、図2のその他の実施例を示す、上部U側から見た略式の平面図である。 図4は、図1のチャンバ1のその他の実施例(チャンバ11)を示す、第3側部S3方向から見た側面図である。 図5は、図4の側部S方向の断面で、上部U側から見た略式の平面図である。 図6は、本発明のチャンバ1の試験サンプルの例(実施例1〜5)と、比較例1、2の概略図である。 図7は、実施例の試験装置の概略図である。 図8(A)、(B)は、図4のチャンバ11のその他の実施例(チャンバ21、31)を示す、第3側部S3方向から見た側面図である。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
以下、本発明を明確に説明するため、次の定義をおく。
(定義1)本発明のチャンバ1(以下単に「チャンバ1」と記載する)で、「上部U側(または方向という場合がある)」とは、図1に示すように、本体2の上部U側の方向を意味する。
「下部D側(または方向という場合がある)」とは、図1に示すように、「上部U側(または方向という場合がある)」と反対側で、さらにいえば、血液流出管5を配置した方向をする。
(定義2)本発明のチャンバ1で、「第1側部S1側(または方向という場合がある)」とは、図1では紙面の右側の方向を意味する。図2では時計の3時方向を意味する。
「第2側部S2側(または方向という場合がある)」とは、図1では紙面の左側の方向を意味する。図2では時計の9時方向を意味する。
「第3側部S3側(または方向という場合がある)」とは、図1では紙面の正面側の方向を意味する。図2では時計の6時方向を意味する。
「第4側部S4側(または方向という場合がある)」とは、図1では紙面の背面側の方向を意味する。図2では時計の12時方向を意味する。
単に側部S方向とは、前記第1側部S1側(または方向という場合がある)から前記第4側部S4側(または方向という場合がある)の全ての方向ないしこれらの間の全てを含む。
第1側部S1から第4側部S4のいずれか一つを、「一方向の側部S」(例えば第1側部S1)側(または方向)、「他方向の側部S」(例えば第2側部S2)側(または方向)、「第1側部S1から第2側部S4」、「第3側部S3から第4側部S4」を、「一方向の側部Sから他方向の側部S」と記載する場合がある。
(定義3)
本発明のチャンバ1で、「長手方向」とは、「チャンバ1」の長尺方向(長い方向)を意味する。
[チャンバ1]
本発明のチャンバ1(以下単に「チャンバ1」と記載する場合がある。)について、以下、図面を参照しながら説明する。
チャンバ1は、長手方向に長い、いわゆる「略筒状」の本体2を有する。
本体2は上部U側に、上部キャップ6(「上部筒体」という場合がある)を装着している。
当該上部キャップ6、必要に応じて、圧力モニタ管6P、補液管6H、液面調整管6Lを装着している。
本体2は下部D側に、血液流入管3と血液流出管5を装着している。
本発明のチャンバ1の特徴を明記するために、次の定義をおく。
血液流入管3の「血液流入角度θ」を、図1に例示するように一方向の側部S−他方向の側部S(第1側部S1−第2側部S2)方向の水平線SLと、血液流入管3の長手L方向に沿う中心線CLとが鋭角で交わる角度と定める。
「血液流入点BIP」を、血液がチャンバ1の本体2の内部に流入する位置と定める。さらにいえば「血液流入点BIP」は、(後述する)血液流入管3の開口部3Oの略中心位置と定める。
本体2の下部D側の端部(開口部5Oの形成位置)から、本体2内に導入される液体(血液、生理食塩水溶液等)の液面LSまでの距離を、「液面の高さ:h」と定める。
本体2内の上部U側の端部(上部キャップ6を除く)から下部D側の端部までの長さを、「チャンバ長:LC」と定める。
血液流入管3は、血液流入口3Iと、開口部3Oとを有する。
血液流入管3は、チャンバ1の下部D側に装着し、かつ一方向の側部Sから他方向の側部S側、すなわち図1側から見れば、下部D側(血液流入口3I側)から上部U側(開口部3O)に沿うように、図2側から見れば、第1側部S1側(血液流入口3I側)から第2側部S2側に沿うように配置している。
開口部3は、図1(図2)のように一方向の側部S、すなわち第1側部S1側(3時の位置)に配置してもよいし、図3のチャンバ11のように、一方向の側部Sと他の一方向の側部Sとの間、すなわち、第1側部S1(3時の位置)と第3側部S3(6時の位置)との間、好ましくは5〜6時の位置に配置してもよい。このように配置することにより、血液は旋回流となって側部S方向(S1とS3の間⇒S3⇒S2⇒S4⇒S1・・・)に沿うように流入するので、血液の泡立ち防止、滞留の抑制により効果がある。
血液流入管3は、下部D側から上部U側に向けて、血液流入口3Iから開口部3O方向へ上るように傾斜して、所定の血液流入角度θで配置している。
血液流出管5は、開口部5Oと、血液流出口5OUとを有する。
血液流出管5は、チャンバ1の下部D側で、かつ一方向の側部S寄り、すなわち第2側部S2寄り装着し、かつ上部U側から下部側に沿うように配置している。
すなわち、血液流出管5は、本体2の長手方向と実質的に平行となるように配置している。
血液流出管5には、血液フィルタ(あえて図示しない)を装着することができる。
血液フィルタは、血液流出管5の開口部5Oから血液流出口5OUに至るまでの間であれば、どこでも装着することができるが、開口部5Oないし開口部5O近傍に配置するのがよい。
血液流出管5と血液フィルタの形状は相互に装着することが可能な形状であれば良い。
「血液流入角度θ」は、30°〜80°、好ましくは60°〜80°、より好ましくは60°〜70°に形成するのが良い。
このように、チャンバ1内に血液を斜め方向から導入することになるので、血液は液面を直撃しない。また、斜め方向に流入することにより分散性が高くなるため、滞留部もなくなる。
血液が高流量(流速:300mL/min)で流入する場合、血液流入角度θが30°〜80°で、液面Lが低くなっても泡立ちと滞留を抑制できる。
血液が低流量(流速:200mL/min)で流入する場合、血液流入角度θが60°〜80°で、液面Lが低くなっても泡立ちと滞留を少なくすることができる。なお血液流入角度θが45°以下では、液面に滞留が発生しやすくなる。
血液流入角度θが60°〜80°の場合、血液が低流量(流速:200mL/min)〜高流量(流速:300mL/min)で流入する場合でも、血液の泡立ち、滞留を解消できる。
チャンバ1内の最適な液面の高さ:hは、40から60mmに調整するのが好ましい。
液面LSから圧力モニタ管6P(補液管6H、液面調整管6L)の入口(最下部)までは、10から20mmの距離(間隔)が必要である。これらの距離(間隔)が小さすぎると血液が圧力モニタ管6P内に引き込まれ、大きすぎると空気層の容量が多くなり、血液が凝固しやすくなる。
液面の高さ:hは、プライミング時に設定する。透析治療時は、液面LSは圧力により変動するので、40から60mmに維持するように調整する。
チャンバ1(より正確には本体2)の内径:IDC(以下、チャンバ内径:IDC)は、一般的に使用される内径:16から18mmを使用する。
血液流入管3の内径(血液入口3Iの内径):ID3(以下、流入口内径:ID3)は、一般に臨床で使用される内径:3から4mmを使用する。
チャンバ1内への血液の流入速度は、臨床では、200mL/min〜300mL/minで行われる。
以上の液面の高さ:h、チャンバ内径:IDC、流入口内径:ID3、血液の流入速度を考慮すると、チャンバ長:LCは、50から80mmに形成する。
すなわち、チャンバ内径:IDCの大きさ:1に対して、チャンバ長:LCの大きさは、2.8〜5.0に形成する。
あまり大きい(5.0を超える)と、チャンバ1のプライミングボリュームを小さくできない。
あまり小さい(2.8未満)と、泡立ち防止、液面の拍動が防止できない。
流入口内径:ID3の大きさ(3〜4mm)、すなわちID3:1に対して、LCの大きさは、12〜27に形成する。
なお流入口内径:ID3は、あまり大きい(4mmを超える)と、チャンバ1内で血液の滞留が生じる。あまり小さい(3mm未満)と、泡立ち防止、液面の拍動が防止できない。
また本発明では、図4(図5)に示すチャンバ11のように、本体2は下部D側に傾斜TP(「テーパ」という場合がある。)を形成してもよい。
傾斜TPは、第1側部S1側から第3側部S3方向ないし第4側部S4方向へ亘って下部D側に下る傾斜である。
傾斜TPは、チャンバ11内に流入した血液が、開口部5O、血液流出口5OU側に向かって血液が自然に流れるような形状、角度であればよい。
血液流出管5は、第2側部S2−下部D側に配置し、第1側部S1側から流入した血液が、第2側部S2側に集中して下部D側へ排出される。
また図8(A)、(B)に示すチャンバ21、31のように、複数の傾斜TPを本体2の下部D側に形成してもよい。
傾斜TPは、第1側部S1側と第3側部S3との間、第3側部S3側と第2側部S2との間、(以下、図面上は見えないが)第2側部S2側と第4側部S4との間、第4側部S4側と第1側部S1との間に、4箇所形成している。
図8(A)のチャンバ21は、血液流入管3は、第1側部S1側と第3側部S3との間の傾斜TPに形成し、第1側部S1側寄りに配置している。
図8(B)のチャンバ31は、血液流入管3を第3側部S3側寄りに配置している。
血液流出管5は、第2側部S2側−下部D側の非傾斜部に配置し、複数の傾斜TPより集中した血液が下部D側へ排出される。
(実施例)
図6に実施例(1〜5)と比較例(1〜2)に使用したチャンバ1の形状を示す。
本発明のチャンバ1は、通常のチャンバと同様の成形方法で作製することができる。例えば血液流入管に挿装する溶着ピンの方向を、所定の角度にして、射出成形すればよい。なお本発明の目的を達成するために、他の特別なパーツ等の追加は不要である。
図7に示す試験装置により、実施例(1〜5)のチャンバ1と比較例(1〜2)のチャンバについて試験を実施した。
実施例(1〜5)のチャンバ1は、図1のチャンバ1(血液流入角度θを変えたもの)を使用した。
血液流入管3の流入口内径:ID3は、3.3mm(臨床で汎用されるサイズ)のものを使用した。
チャンバ内径:IDCは、16mm(臨床で汎用されるサイズ)のものを使用した。
血液流入角度θは、90°(真下/下部D側から流入)、80°、70°、60°、45°、30°、0° (真横/第1側部S1側から流入)の場合について実施した。
試験は以下のように行った。
血液流入管3の一端部に試験回路T(途中に血液ポンプBPを装着)を接続し、試験回路Tから生理食塩水溶液、チャンバ1内に満たした。
続いて、ヘマトクリットHct.39%(透析で除水され粘度が上がった状態の血液を想定)の牛血液(血液温度37°Cに調整)を、前記試験回路Tより、血流量(チャンバ1内への血液の流入速度:200mL/minおよび300mL/min、臨床で200〜300mL/minで使用される)で、チャンバ1内に導入し、血液流出管5より排出するよう灌流した。
液面の高さhは、4、5、6cmに調整して、それぞれの場合について実施した。
チャンバ1(本体2)の上部は、蓋により閉塞して、灌流を行い、灌流時は液面LSでの泡立ちの有無について観察した。
灌流後は、液面部LS、中間部LSM、入口部LSIの血液を、それぞれ50μLマイクロピペットで採血を行い、当該血液を毛細管にサンプリングして、ヘマト遠心機HA(久保田社製)で処理した。(12000rpm×5分)
液面部LS、中間部LSM、入口部LSIのヘマトクリットのバラツキ(流動性)を数値化した。
流動性の判断は以下のように行った。
Hct.30%未満の場合、流動性が悪く、滞留を生じやすいと判断した。
Hct.30%以上〜35%未満の場合は、チャンバ内の滞留は少ないと判断した。
Hct.35%以上であれば滞留はほとんどなく、効率よくチャンバ内で流動すると判断した。
結果を表1、表2に記載した。
表1、表2の結果より、
(1)比較例1のように、血液流入角度θが0°の場合(血液が真横/第1側部S1方向から流入する。)、血液は液面Lに近いほど滞留する。液面の高さ:hが高い(6cm)と血液が生食または血漿と分離した状態(Hct.0%)を維持できるが、液面の高さ:hが低くなる(⇒5cm⇒4cm)と低流量(流速:200mL/min)の場合、分離しない状態で血液が滞留するため(Hct.6〜12%)、滞留部の血液が凝固する可能性が高くなる。
(2)比較例2のように、血液流入管3の血液流入角度θが90°の場合(血液がチャンバ内に真下/下部D方向から流入する。)、高流量(流速:300mL/min)で流入するほど泡立ちが生じやすい。(泡が生じると血液凝固の起因となる。)特に液面の高さ:hが5cm以下になると泡が発生しやすくなる。
(3)血液が高流量(流速:300mL/min)で流入する場合
実施例1から実施例5のように、血液流入管3の血液流入角度θが30°〜80°の場合、液面Lが低くなっても泡立ちと滞留のない、適正な流動性が実現できることが確認できた。
(4)血液が低流量(流速:200mL/min)で流入する場合
実施例3から実施例5のように、血液流入管3の血液流入角度θが60°〜80°の場合、液面Lが低くなっても泡立ちと滞留の少ない、流動性が実現できることが確認できた。なお血液流入管3の血液流入角度θが30°〜45°の場合、かつ液面の高さ:hが5cm以上の場合、液面に滞留がみられた。
(5)血液流入管3の血液流入角度θが60°〜80°の場合
血液が低流量(流速:200mL/min)〜高流量(流速:300mL/min)で流入する場合でも、血液の泡立ち、滞留の問題が解消できることが確認できた。
(6)前記(3)、(4)、(5)の場合、液面の高さ:hは、4cm以上で泡立ちが解消できることが確認できた。
(材料)
チャンバ1の材料は、ポリプロピレン、ポリカーボネート等、射出成形等により一体成形できる材料であれば何でも使用できる。
1、11、21、31 チャンバ
2 本体
TP 傾斜(テーパ)
3 血液流入管
3I 血液流入口
3O 開口部
5 血液流出管
5O 開口部
5OU 血液出口
6 上部キャップ
6P 圧力モニタ管
6H 補液管
6L 液面調整管
BIP 血液流入点
θ 血液流入角度
S1 第1側部
S2 第2側部
S3 第3側部
S4 第4側部
U 上部
D 下部

Claims (8)

  1. 少なくとも本体(2)を有し、
    本体(2)の下部(D)側に、血液流入管(3)と血液流出管(5)を装着し、
    前記血液流入管(3)は、血液流入口(3I)と、開口部(3O)とを有し、
    前記血液流出管(5)は、開口部(5O)と血液流出口(5OU)とを有し、
    前記血液流入管(3)は、一方の側部(S)から他方の側部(S)側、かつ下部(D)側から上部(U)側に向けて、血液流入口(3I)から開口部(3O)方向へ上るように傾斜して、前記本体(2)の下部(D)側に装着し、
    一方の側部(S)−他方の側部(S)方向の水平線(SL)と、血液流入管(3)の長手方向に沿う中心線(CL)とが鋭角で交わる角度を血液流入角度(θ)と定めると、血液流入角度(θ)は、30°〜80°に形成し、
    前記血液流出管(5)は、上部(U)側の開口部(5O)から下部(D)側の血液流出口(5OU)に向けて、前記本体(2)の長手方向と実質的に略平行となるように配置したことを特徴とするチャンバ(1、11、21、31)。
  2. 血液が血液流入管(3)から本体(2)内に、流速:300mL/minで流入し、血液流出管(5)から排出するように灌流する条件下で、灌流中に液面(LS)での泡立ちの発生や液面の拍動を抑制することができることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ(1、11、21、31)。
  3. 血液流入角度(θ)は、60°〜80°に形成し、
    血液が血液流入管(3)から本体(2)内に、流速:200〜300mL/minで流入し、血液流出管(5)から排出するように灌流する条件下で、灌流中に液面(LS)での泡立ちの発生や液面の拍動を抑制することができることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ(1、11、21、31)。
  4. 血液流入角度(θ)は、60°〜80°に形成し、
    血液が血液流入管(3)から本体(2)内に、流速:200mL/minで流入し、血液流出管(5)から排出するように灌流する条件下で、灌流中に液面(LS)での泡立ちの発生や液面の拍動を抑制することができることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ(1、11、21、31)。
  5. 本体(2)内の上部(U)側の端部から下部(D)側の端部までの長さを、チャンバ長(LC)と定め、
    本体(2)の内径を、チャンバ内径(IDC)と定め、
    血液流入管(3)の内径を、流入口内径(ID3)と定めると、
    前記チャンバ内径(IDC)の大きさ:1に対して、前記チャンバ長(LC)の大きさは、2.8〜5.0に形成し、
    前記流入口内径(ID3)の大きさ:1に対して、前記チャンバ長(LC)の大きさは、12〜27に形成し、
    本体(2)の下部(D)側の端部から、本体(2)内に導入される血液の液面(LS)までの距離を、液面の高さ(h)と定めると、
    血液が血液流入管(3)から本体(2)内に、流速:200mL/min〜300mL/minで流入させる状態で、前記液面の高さ(h)を、40から60mmに維持できるようにした、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のチャンバ(1、11、21、31)。
  6. 血液流入管(3)の開口部(3O)は、一方の側部(S)または、一方の側部(S)と他方の側部(S)との間に形成した、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のチャンバ(1、11、21、31)。
  7. 本体(2)の下部(D)側に、傾斜部(TP)を形成し、当該傾斜部(TP)に血液流入管(3)の開口部(3O)を形成した、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のチャンバ(1、11、21、31)。
  8. 血液流出管(5)は、開口部(5O)から血液流出口(5OU)に至るまでの間に、血液フィルタを装着したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のチャンバ(1、11、21、31)。
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