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JP6198616B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents

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JP6198616B2 JP2014009524A JP2014009524A JP6198616B2 JP 6198616 B2 JP6198616 B2 JP 6198616B2 JP 2014009524 A JP2014009524 A JP 2014009524A JP 2014009524 A JP2014009524 A JP 2014009524A JP 6198616 B2 JP6198616 B2 JP 6198616B2
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Description

本発明は撮像装置レンズ鏡筒に関し、特に撮影光学系を構成するレンズ群を光軸方向に駆動させる駆動機構に関する。
撮影光学系の光軸方向に移動して変倍動作(ズーミング)や合焦動作(フォーカシング)を行うレンズ群を有するレンズ鏡筒では、レンズ群の駆動に際して機械的又は制御的な何らかのエラーが生じた場合でも、レンズ群やその駆動機構の破損が生じないように様々な対策がなされている。
その一例として、モータの駆動力で回転されるカム筒を有するカム機構を介してレンズ保持枠の位置を制御する第1の駆動系と、別のモータで回転駆動される送りネジとナットによってレンズ保持枠の位置を制御する第2の駆動系とを備えたレンズ鏡筒で、各駆動系により駆動されるレンズ群やその保持枠の干渉による過負荷を防ぐ構成が知られている。
第1の駆動系はズームレンズ鏡筒での変倍用のレンズ群の駆動などに多用されており、カム筒の周面上に形成したカム溝(曲線状のカム溝以外に直線状のリード溝なども含む)に対してレンズ保持枠(またはレンズ保持枠を支持する部材)に設けたカムフォロアを係合させ、カム筒を回転させるとカム溝の軌跡に従ってレンズ保持枠が光軸方向に進退移動する。
第2の駆動系は合焦用のフォーカスレンズの駆動に多用されており、光軸方向に向けて延設したモータの回転軸に送りネジを形成し、この送りネジに螺合するナットに対して、光軸方向に直進案内されたレンズ保持枠を付勢して当接させている。送りネジに沿ってナットを正逆方向に移動させることよって、ナットが付勢力に抗する方向にレンズ保持枠を押圧移動させる状態と、レンズ保持枠が付勢力によってナットに追従して移動する状態とになる。
第1の駆動系によるレンズ群の動作範囲と第2の駆動系によるレンズ群の動作範囲が互いに重ならないようにすれば、第2の駆動系でナットの予期しない暴走動作が起こった場合などでも、それぞれの駆動系により駆動されるレンズ群やその保持枠が互いに干渉することがない。しかしこの構成では、各レンズ群の可動スペースを大きく確保するためにレンズ鏡筒が大型になってしまうという問題があり、特にカメラボディに対して沈胴状態で短縮して収納される形態のレンズ鏡筒には適さない。また、光学設計上、各駆動系によるレンズ群の動作範囲を光軸方向で完全に異ならせることができない場合も多い。
そのため、第1の駆動系と第2の駆動系で互いのレンズ群の動作範囲が一部重なるという条件のレンズ鏡筒では、第2の駆動系においてナットから離れる方向(付勢力に抗する方向)へのレンズ保持枠の移動が機械的に制限されていない点に着目して、動作不良が生じた場合などに、ナットから離間する方向にレンズ保持枠を逃がすように構成していた。すなわち、第1の駆動系で駆動されるレンズ保持枠(第1のレンズ保持枠とする)を、第2の駆動系で駆動されるレンズ保持枠(第2のレンズ保持枠とする)の付勢方向側に配置し、互いのレンズ保持枠が当接した場合には、第1のレンズ保持枠によって第2のレンズ保持枠を付勢力に抗する方向に押圧する。この方向への第2のレンズ保持枠の移動はナットによって制限されないため、第1の駆動系と第2の駆動系に過大な負荷がかかることを回避できる。具体的には、第2のレンズ保持枠を光軸方向の最後方(最も像側)に配置した上で光軸方向前方(被写体方向)に向けて付勢してナットに当接させ、第2のレンズ保持枠の前方に第1のレンズ保持枠を配した構成が知られている。この構成では、レンズ鏡筒の収納動作時など、第2のレンズ保持枠がナットによって光軸方向後方に移動されるべきときに当該移動が正しく行われない場合、光軸方向後方に収納動作を行っている第1のレンズ保持枠が第2のレンズ保持枠を押し込んで共に移動する。また、ナットが制御されるべき移動量を超えて光軸方向前方に向けて暴走した場合、第2のレンズ保持枠が第1のレンズ保持枠に当接して移動が制限され、各レンズ保持枠に負荷をかけずにナットを単独で前方に移動させることができる。
特開2007-248642号公報 特開2010-191442号公報
送りネジとナットで駆動される第2のレンズ保持枠の付勢方向側にカム機構で駆動される第1のレンズ保持枠を配置して、動作不良時などに第2のレンズ保持枠とナットを離間させるという上記構成は、第2のレンズ保持枠に対して付勢方向と反対側に干渉し得る他の部材が存在しない場合に有効である。しかし、こうした制約を受けずにズームレンズの高変倍化や光学性能の向上を図るべく、送りネジとナットで駆動される第2のレンズ保持枠の付勢方向と反対側にもカム機構で駆動される第1のレンズ保持枠を配置したいという要求が出てきた。
本発明は、このような要求に対応するべく、カム機構によるレンズ駆動系と送りネジ及びナットによるレンズ駆動系を備えたレンズ鏡筒において、それぞれの駆動系により駆動されるレンズ群の配置の自由度を高めつつ、動作不良時などに各駆動系に過大な負荷がかからず保護することが可能なレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
本発明は、固定筒内に支持されたカム筒を回転させ、カム筒の周面に形成したカム溝の軌跡に従ってカム駆動レンズ枠の光軸方向位置を変化させる第1の駆動機構と、光軸方向に延びる送りネジにナットを螺合させ、ナット駆動レンズ枠を光軸方向においてナットに当接する方向に付勢し、送りネジの回転によりナットを光軸方向に移動させてナット駆動レンズ枠の光軸方向位置を変化させる第2の駆動機構とを備えたレンズ鏡筒を、次のように構成したものである。まず、ナット駆動レンズ枠とカム駆動レンズ枠を、カム駆動レンズ枠がナット駆動レンズ枠に対して付勢方向と反対側に隣接して位置し、かつ互いの光軸方向の動作範囲の一部が重なる関係で配置する。そして、第1の駆動機構の構成要素として、カム筒のカム溝に嵌合するカムフォロアを有して光軸方向に直進案内され、カム駆動レンズ枠とは別体として形成されたカム従動部材と、光軸方向においてナット駆動レンズ枠に接近する方向にカム駆動レンズ枠を付勢して該カム駆動レンズ枠をカム従動部材に当接させ、カム従動部材に伴ってカム駆動レンズ枠を光軸方向に移動させる付勢部材とを備える。
この構成によると、カム駆動レンズ枠とナット駆動レンズ枠が干渉する状態で駆動を行った場合に、カム駆動レンズ枠とカム従動部材の当接を解除して第1の駆動機構側で負荷を吸収することができるため、ナット駆動レンズ枠に対して付勢方向と反対側に、互いの動作範囲が重なる関係でカム駆動レンズ枠を配置することが可能となる。
カム従動部材を動作させるカム溝をカム筒の内周面に形成した上で、該カム筒の内側に固定筒に対して回転を規制して支持された内側筒を備え、この内側筒の外周面に形成した有底の直進案内溝に対してカム従動部材を光軸方向に摺動可能に嵌合させると、第1の駆動機構を簡単かつ省スペースに構成することができる。より詳しくは、光軸方向に細長の薄板状をなして内側筒の直進案内溝に摺動可能に嵌合するガイドキー部と、このガイドキー部の光軸方向端部に形成され光軸直交方向に延びる立壁部とをカム従動部材に備え、カム駆動レンズ枠を付勢部材の付勢力によって立壁部に当接させることが好ましい。
さらにカム筒の外側に、固定筒に対して固定され光軸方向に軸線が向く補助ガイド軸を備え、この補助ガイド軸に対して光軸方向に摺動可能に支持される被ガイド部をカム従動部材の立壁部に設けることで、カム従動部材の撓みを防いで精度の高い駆動を実現できる。
カム駆動レンズ枠は、レンズを保持するレンズ保持部から光軸を中心とする外径方向に延設された少なくとも一つの腕部と、この腕部の先端に形成され、固定筒に対して固定されて光軸方向に軸線が向くレンズ枠ガイド軸に対して光軸方向に摺動可能に支持される被ガイド部とを備えており、付勢部材の付勢力によって腕部をカム従動部材の立壁部に当接させることが好ましい。この形態のカム駆動レンズ枠を用いる場合、第1の駆動機構における付勢部材は、固定筒とカム駆動レンズ枠に一端部と他端部が係合して光軸方向に伸縮可能な引張バネとすることが好ましい。
本発明は、光軸方向におけるカム駆動レンズ枠とナット駆動レンズ枠の前後関係を問わずに適用可能であるが、一つの形態として、カム駆動レンズ枠が保持するレンズが、ナット駆動レンズ枠が保持するレンズよりも像側に位置する構成とすることができる。さらに限定した構成として、カム駆動レンズ枠が保持するレンズが、撮影光学系を構成する最も像側のレンズ群を構成し、ナット駆動レンズ枠が保持するレンズが、この最も像側のレンズ群の被写体側に隣接して位置するレンズ群を構成しているレンズ鏡筒に適用してもよい。
第2の駆動機構で送りネジを回転させる駆動手段は、固定筒に固定されるステッピングモータが好適である。
本発明は、変倍可能な変倍光学系を備えたレンズ鏡筒に適しており、変倍時にはカム駆動レンズ枠とナット駆動レンズ枠をそれぞれ光軸方向に移動させ、被写体にピントを合わせる合焦時にナット駆動レンズ枠を単独で光軸方向に移動させるとよい。
本発明のレンズ鏡筒ではさらに、撮影光学系を構成するレンズを保持し、前述のカム駆動レンズ枠を駆動させるカム溝とは別のカム溝によって光軸方向に移動制御される第2のカム駆動レンズ枠を備え、撮影状態で、ナット駆動レンズ枠に関する光軸方向の前後位置にカム駆動レンズ枠と第2のカム駆動レンズ枠が位置する構成を選択できる。ナット駆動レンズ枠と第2のカム駆動レンズ枠で干渉が生じ得る場合には、ナットとナット駆動レンズ枠を離間させることで負荷を吸収することができる。
第2のカム駆動レンズ枠を駆動させるカム溝は、前述のカム筒と別体で該カム筒と共に回転する第2のカム筒に形成することもできる。
本発明のレンズ鏡筒によると、カム溝に従ってカム駆動レンズ枠を動作させる第1の駆動機構と、送りネジに沿うナットの進退によってナット駆動レンズ枠を動作させる第2の駆動機構を有するレンズ鏡筒において、従来では難しかった位置関係でのカム駆動レンズ枠とナット駆動レンズ枠の配置を実現して構成の自由度を高めつつ、動作不良時などに各駆動機構に過大な負荷を及ぼさずに保護することができる。
本発明を適用したズームレンズ鏡筒の収納状態を示す断面図である。 同ズームレンズ鏡筒の変倍域におけるワイド端の撮影状態を示す断面図である。 同ズームレンズ鏡筒の変倍域におけるテレ端の撮影状態を示す断面図である。 同ズームレンズ鏡筒の構成要素の一部を分解して前方から見た斜視図である。 同ズームレンズ鏡筒の構成要素の一部を分解して前方から見た斜視図である。 同ズームレンズ鏡筒の構成要素の一部を分解して前方から見た斜視図である。 同ズームレンズ鏡筒の構成要素の一部を分解して前方から見た斜視図である。 同ズームレンズ鏡筒の各群レンズの光軸方向の移動軌跡を概念的に示した図である。 ワイド端における第4群レンズと第5群レンズの駆動機構の関係を示す断面図である。 5群駆動バーがワイド端に相当する位置にあり、4群枠と5群枠が収納状態に相当する位置にある状態での、第4群レンズと第5群レンズの駆動機構の関係を示す断面図である。 収納状態における第4群レンズと第5群レンズの駆動機構の関係を示す断面図である。 収納状態においてAFナットが単独で光軸方向前方に移動した場合の第4群レンズと第5群レンズの駆動機構の関係を示す断面図である。 第1進退筒の展開平面図である。 5群枠の駆動機構の要部を後方から見た斜視図である。 5群枠の駆動機構の要部を分解して後方から見た斜視図である。 5群枠の駆動機構を構成する部品の部分断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。図1ないし図3に全体構造を示す本実施形態のズームレンズ鏡筒ZLは図示を省略したカメラボディに装着するものであり、その撮影光学系は、物体(被写体)側から順に第1群レンズ1、第2群レンズ2、第3群レンズ3、第4群レンズ4、第5群レンズ5、光学フィルタ42、撮像素子41を備えている。各群レンズは、複数枚のレンズから構成されている場合でも、図面上では単純化した形態で示している。以下の説明では、撮影光学系の光軸Oに沿う方向における物体側を光軸方向の前方、像側を光軸方向の後方と呼ぶ。
ズームレンズ鏡筒ZLは、図1に示す収納(沈胴)状態と図2及び図3に示す撮影状態に動作可能であり、撮影状態では、各群レンズを光軸Oに沿って所定の軌跡で移動させて、図2のワイド端と図3のテレ端の間で焦点距離を変化させる変倍動作を行うことができる。収納状態から変倍域までの各群レンズの移動軌跡Q1、Q2、Q3、Q4及びQ5を図8に示した。なお、第1群レンズ1、第2群レンズ2及び第3群レンズ3については、図8で変倍域での移動軌跡のみ示し、変倍域(ワイド端)と収納状態の間は移動軌跡の図示を省略している。第1群レンズ1、第2群レンズ2、第3群レンズ3及び第5群レンズ5は、ズームモータ39(図7)の駆動によって光軸方向に移動する。第4群レンズ4は、他のレンズ群と共に変倍光学系を構成すると共に、被写体にピントを合わせる合焦時に駆動されるフォーカスレンズであり、AFモータ31(図7)の駆動によって、他のレンズ群とは独立して光軸方向に移動する。図8に、AFモータ31による第4群レンズ4の光軸方向の動作範囲Mを示している。以下、各群レンズを支持及び駆動するズームレンズ鏡筒ZLの細部構造を説明する。
図7に示すように、ズームレンズ鏡筒ZLは固定部材として固定筒20と背面板21を有する。撮像素子41と光学フィルタ42はユニット化された状態で背面板21に固定され、背面板21を固定筒20の後端に取り付けることによって撮像素子41が光軸Oの延長上に配置される。光学フィルタ42として、赤外カットフィルタやローパスフィルタ等が用いられる。
図1ないし図3に示すように、固定筒20の内部には、光軸Oを中心とする径方向において外側から順に、第1進退筒15、直進案内環18、第2進退筒16、第3進退筒17、1群支持環11、内方カム筒19、3群支持環12が略同心状に配置されている。第1群レンズ1は1群枠6に保持され、第2群レンズ2は2群枠7に保持され、第3群レンズ3は3群枠8に保持され、第4群レンズ4は4群枠9に保持され、第5群レンズ5は5群枠10に保持されている。
ズームレンズ鏡筒ZLは、外観上、固定筒20から繰り出される3段階の繰出段部を有する3段鏡筒となっており、第1進退筒15と直進案内環18は1段目の繰出段部を構成している。固定筒20の内周面に形成した第1段ガイド溝20a(図7)に対して、第1進退筒15の後端付近の外周面上に突設したガイド突起15a(図6)が摺動可能に嵌合している。第1段ガイド溝20aは、光軸Oに対して斜行するリード溝部と、該リード溝部の前端に連通して光軸Oを囲む周方向に延びる周方向溝部とによって構成されている。第1進退筒15の後端付近の外周面上にはさらに周面ギヤ15bが形成されており、周面ギヤ15bに対してズームギヤ列40を介してズームモータ39の駆動力が伝えられることによって、ガイド突起15aが第1段ガイド溝20aの案内を受けて第1進退筒15が動作する。第1段ガイド溝20aのリード溝部にガイド突起15aが位置するときは、第1進退筒15が回転しながら光軸方向に進退移動し、第1段ガイド溝20aの周方向溝部にガイド突起15aが位置するときは、第1進退筒15が光軸方向の定位置で回転する。
直進案内環18は、後端付近の外周面上に突設したガイド突起18a(図6)を、固定筒20の内周面に形成した光軸方向への長溝である直進案内溝20b(図7)に対して摺動可能に嵌合させることによって、光軸方向に直進案内されている。直進案内環18は、第1進退筒15の回転を許容しつつ、第1進退筒15と共に光軸方向に移動するように結合している。より詳しくは、第1進退筒15の内周面に前後方向に位置を異ならせて形成した一対の周方向溝15c(図6、図13)に対して、直進案内環18の外周面上に形成した複数の結合突起18b(図6、図14、図15)が摺動可能に嵌合し、この周方向溝15cと結合突起18bの嵌合によって、第1進退筒15と直進案内環18が光軸方向に一体化されると共に相対回転が許される。第1進退筒15の内周面にはさらに、前後一対の周方向溝15cを連通する複数の連通溝15d(図6、図13)が形成されている。連通溝15dは光軸方向への長溝であり、組み立て時に前方の周方向溝15cに結合突起18bを挿入させるための案内溝として用いられる。
第2進退筒16と内方カム筒19は2段目の繰出段部を構成している。第1進退筒15と直進案内環18の関係と同様に、第2進退筒16と内方カム筒19は、光軸方向に共に移動するように一体化され、かつ相対回転が可能に結合されている。第2進退筒16は、後端付近の外周面上に突設したガイド突起16a(図6)を、直進案内環18の内周面に形成した光軸方向への長溝である直進案内溝18c(図6)に対して摺動可能に嵌合させることによって、光軸方向に直進案内されている。
内方カム筒19は、後端付近に外径方向へ突出するように組み付けたカムフォロア24(図4)を、直進案内環18に形成したカム環ガイド溝18d(図6、図14、図15)に摺動可能に嵌合させ、さらにカムフォロア24の先端を、第1進退筒15の内周面に形成した光軸方向への長溝である回転伝達溝15e(図6、図13)に対して光軸方向に摺動可能に嵌合させている。第1進退筒15が回転すると、回転伝達溝15eとカムフォロア24の嵌合によって内方カム筒19が第1進退筒15と同量回転し、この回転に応じてカムフォロア24がカム環ガイド溝18dの案内を受けることによって、内方カム筒19は光軸方向に移動する。
第3進退筒17と1群支持環11は3段目の繰出段部を構成している。第3進退筒17は、後端付近の外周面上に突設したガイド突起17a(図4)を、第2進退筒16の内周面に形成した光軸方向への長溝である直進案内溝16b(図6)に対して摺動可能に嵌合させることによって、光軸方向に直進案内されている。第3進退筒17の後端付近には、内周方向に突出するカムフォロア23(図4)が支持され、内方カム筒19の外周面に形成した第3進退筒制御カム溝CB(図4)に対してカムフォロア23が摺動可能に嵌っている。内方カム筒19が回転すると、カムフォロア23が第3進退筒制御カム溝CBに案内されて、第3進退筒17が光軸方向に移動する。
1群支持環11は、前端付近の外周面上に突設したガイド突起11a(図4)を、第3進退筒17の内周面に形成した光軸方向への長溝である直進案内溝17b(図4)に対して摺動可能に嵌合させることによって、光軸方向に直進案内されている。1群支持環11の後端付近には、内周方向に向けてカムフォロア11b(図2、図3)が突設され、内方カム筒19の外周面に形成した1群用カム溝C1(図4)に対してカムフォロア11bが摺動可能に嵌っている。内方カム筒19が回転すると、カムフォロア11bが1群用カム溝C1に案内されて、1群支持環11が光軸方向に移動する。直進案内溝17b内には、ガイド突起11aと直進案内溝17bの後端部に対して両端を当接させた圧縮バネ25が挿入されており、圧縮バネ25の付勢力によって、1群用カム溝C1と第3進退筒制御カム溝CBに対する1群支持環11(カムフォロア11b)と第3進退筒17(カムフォロア23)のバックラッシュを除去する。
第3進退筒17の前端にレンズバリア機構27が組み付けられ、1群支持環11の前端開口内には1群枠6が支持される。レンズバリア機構27の具体的構成は周知のものであるから省略するが、内方カム筒19の回転力を用いて、図1に示す収納状態でバリア羽根を閉じ、図2と図3に示す撮影状態でバリア羽根を開く。
レンズバリア機構27と第1群レンズ1の光軸方向の位置関係は、第3進退筒制御カム溝CBと1群用カム溝C1の軌跡によって定められる。図2のワイド端と図3のテレ端の間の変倍域では、レンズバリア機構27と第1群レンズ1が接近し、レンズバリア機構27が形成する撮影開口に第1群レンズ1の前端付近が進入した状態が維持される。つまり、変倍域では第3進退筒制御カム溝CBと1群用カム溝C1が概ね近い形状のカム軌跡になっている。図2のワイド端から図1の収納状態になるときには、第3進退筒制御カム溝CBと1群用カム溝C1の軌跡の相違によって、レンズバリア機構27と第1群レンズ1の光軸方向間隔を大きくするように第3進退筒17と1群支持環11が光軸方向に相対移動する。これにより、撮影状態(変倍域)では、レンズバリア機構27が形成する撮影開口に第1群レンズ1が接近して有害な周辺光を遮断し、収納状態では、閉じられたバリア羽根と第1群レンズ1の干渉を防ぐことができる。
2群枠7と3群支持環12はそれぞれ内方カム筒19の内側に配置されている。3群支持環12は、後端部付近から外径方向へ突出形成したフランジ部に設けたガイド突起12a(図5)を、直進案内環18の内周面に形成した光軸方向への長溝である直進案内溝18e(図6、図14、図15)に対して摺動可能に嵌合させることで、光軸方向に直進案内されている。2群枠7は、光軸方向への長溝である直進案内溝7a(図4)に対して、3群支持環12の周面上に形成した直進案内キー12b(図5)を摺動可能に嵌合させることで、光軸方向に直進案内されている。
内方カム筒19の内周面には、2群用カム溝C2と3群用カム溝C3が形成されている(図4)。2群用カム溝C2に対して、2群枠7の外周面上に突設したカムフォロア7b(図4)が摺動可能に嵌合し、3群用カム溝C3に対して、3群支持環12の外周面上に突設したカムフォロア12c(図5)が摺動可能に嵌合している。内方カム筒19が回転すると、カムフォロア7bが2群用カム溝C2に案内されて2群枠7が光軸方向に移動し、カムフォロア12cが3群用カム溝C3に案内されて3群支持環12が光軸方向に移動する。
3群支持環12内には3群ブロック28(図5)が支持されている。3群ブロック28は、光軸Oと平行に軸線を向けた回動軸8aを中心として3群枠8を回動(揺動)可能に支持しており、この回動によって3群枠8は、第3群レンズ3を光軸O上に挿入する挿入位置(図2、図3)と、第3群レンズ3を光軸O上から離脱させる離脱位置(図1)に動作する。3群枠8は撮影位置方向に回動付勢されており、撮影状態ではこの付勢力によって撮影位置に保持され、撮影状態から収納状態になる際に3群支持環12が光軸方向後方に移動すると、背面板21に設けたカム突起21a(図7)によって押圧されて離脱位置に回動される。3群ブロック28はさらに、3群枠8の挿入位置において第3群レンズ3を光軸Oと直交する平面内で動作させて像振れを抑制させる防振機構を備えているが、防振機構の詳細は省略する。
3群支持環12内には、3群ブロック28の前部にシャッタ機構13(図5)が支持されている。シャッタ機構13の前方に支持されるバネ受け14(図5)と2群枠7との間に圧縮バネ26(図5)が挿入され、2群用カム溝C2と3群用カム溝C3に対する2群枠7(カムフォロア7b)と3群支持環12(カムフォロア12c)のバックラッシュを除去する。
以上のように、固定筒20に対して光軸方向の繰出動作及び収納動作が可能な3つの繰出段部を介して、1群枠6と2群枠7と3群枠8が支持される。各繰出段部を構成する直進案内溝、ガイド突起、カム溝、カムフォロアなどの支持結合部分はそれぞれ、安定した支持性を得るために、周方向に位置を異ならせて3つ(もしくは4つ以上)設けられている。
続いて4群枠9の駆動機構(第2の駆動機構)と5群枠10の駆動機構(第1の駆動機構)について説明する。これらの駆動機構は図9ないし図12に模式化した形で示している。
固定筒20と背面板21には、4群ガイド軸33、中継ガイド軸34、5群ガイド軸37及び補助ガイド軸38のそれぞれの前後端部が支持されている(図7、図9ないし図12)。図16に示すように、5群ガイド軸37と補助ガイド軸38は固定筒20の外周部分に配置されている。4群ガイド軸33と中継ガイド軸34も同様に固定筒20の外周部分に配置されている。各ガイド軸33、34、37及び38のそれぞれの軸線は光軸Oと略平行である。
4群枠9は、第4群レンズ4を保持するレンズ保持部を中心として異なる外径方向に向けて、第1腕部9aと第2腕部9bを突出させている(図7)。第1腕部9aの先端には、4群ガイド軸33を摺動可能に挿通させる筒状ガイド9cが形成されており、第2腕部9bの先端には、固定筒20の内周面に光軸方向への長溝として形成された回転規制溝(不図示)に対して摺動可能に嵌合する回転規制突起9dが形成されている。4群ガイド軸33と筒状ガイド9cによって4群枠9は光軸方向に直進案内され、固定筒20の回転規制溝と回転規制突起9dによって4群ガイド軸33を中心とする4群枠9の回転が規制される。
4群枠9は、固定筒20の外面上に軸支されたトーションバネからなる4群付勢バネ30によって光軸方向前方に向けて移動付勢されている。この付勢力によって、4群枠9の第1腕部9aが光軸方向後方から中継部材35に当接する。中継部材35は、中継ガイド軸34を摺動可能に挿通させる筒状ガイド35aと、筒状ガイド35aから外径方向に突出するナット当接部35bを有し、ナット当接部35bを光軸方向後方からAFナット32に当接させる。つまり、中継部材35が前後からAFナット32と4群枠9(第1腕部9a)で挟まれ、4群付勢バネ30によってこの挟持状態が維持される。
AFモータ31は固定筒20に固定されたステッピングモータからなり、光軸方向前方に向けて突出する回転軸である送りネジ31aを有している。送りネジ31aの軸線は光軸Oと略平行である。AFナット32は送りネジ31aに螺合すると共に、固定筒20に形成した不図示のガイド溝との係合によって送りネジ31aを中心とする回転を行わないように回転規制されており、送りネジ31aが正逆に回転するとAFナット32が光軸方向に進退移動する。AFナット32と同様に中継部材35も回転規制されている。AFモータ31を駆動してAFナット32を光軸方向後方に移動させると、中継部材35を介して4群枠9を4群付勢バネ30の付勢力に抗して押圧し、4群枠9が光軸方向後方に移動する。AFモータ31を駆動してAFナット32を光軸方向前方に移動させると、4群付勢バネ30の付勢力によって4群枠9と中継部材35がAFナット32に追随して光軸方向前方に移動する。
5群枠10は、第5群レンズ5を保持するレンズ保持部を中心として異なる外径方向に向けて、第1腕部10aと第2腕部10bを突出させている(図7、図14、図15)。第1腕部10aの先端には、5群ガイド軸37を摺動可能に挿通させる筒状ガイド10cが形成されており(図16)、第2腕部10bの先端には、固定筒20の内周面に光軸方向への長溝として形成された回転規制溝(不図示)に対して摺動可能に嵌合する回転規制突起10dが形成されている。5群ガイド軸37と筒状ガイド10cによって5群枠10は光軸方向に直進案内され、固定筒20の回転規制溝と回転規制突起10dによって5群ガイド軸37を中心とする5群枠10の回転が規制される。
5群枠10は、固定筒20に設けたバネ掛け部と第1腕部10aに設けたバネ掛け部に一端と他端を係合させた引張バネからなる5群付勢バネ36によって、光軸方向前方(4群枠9に接近する方向)に向けて移動付勢されている(図9ないし図12)。この付勢力によって、5群枠10の第1腕部10aが光軸方向後方から5群駆動バー22に当接する。
図14や図15に示すように、5群駆動バー22は、光軸方向に細長い薄板状のガイドキー部22aと、ガイドキー部22aの後端を外径方向(光軸直交方向)に曲折させた立壁部22bと、立壁部22bに形成され補助ガイド軸38を摺動可能に挿通させる被ガイド部22cとを有しており、5群枠10の第1腕部10aのうち筒状ガイド10cに近い端部近傍が立壁部22bに対して当接する(図14)。第1腕部10aと立壁部22bの当接箇所を図16に符号K1、K2で示した。
図14に示すように、5群駆動バー22のガイドキー部22aは、直進案内環18の外周面上に形成した光軸方向への長溝であるキー案内溝18fに対して、その長手方向(すなわち光軸方向)に摺動可能に嵌っている。ガイドキー部22aはガイド溝18fに対して、横幅方向(光軸Oを中心とする周方向)への相対移動は規制され、このキー案内溝18fとガイドキー部22aの嵌合によって5群駆動バー22が光軸方向に直進案内される。また、補助ガイド軸38と被ガイド部22cの嵌合によって5群駆動バー22の撓みが抑制される。
キー案内溝18fは直進案内環18の外周面から所定の深さで形成された有底溝であり、キー案内溝18fの底面上にガイドキー部22aを載置することで、光軸Oを中心とする径方向における5群駆動バー22の位置が定まる。ガイドキー部22aの外面形状は直進案内環18の周面形状に沿う部分円筒状になっており(図16)、キー案内溝18fに対する嵌合支持状態で、ガイドキー部22aの外周面は直進案内環18の外周面と略面一になる。キー案内溝18fの底面と、これに対向するガイドキー部22aの内側の面(光軸O側に向く面)は、湾曲しない平面状になっている。ガイドキー部22aの前端付近の外周面上に一対のカムフォロア22dが突設されており、各カムフォロア22dは、直進案内環18の外周面よりも外径方向に突出して、第1進退筒15の内周面に形成した一対の5群用カム溝C5に対して摺動可能に嵌合している(図1ないし図3、図13)。図13でカムフォロア22dの符号の後に括弧書きで記載した符号R、W、Tはそれぞれ、ズームレンズ鏡筒ZLの収納状態(図1)、ワイド端(図2)、テレ端(図3)における5群用カム溝C5内でのカムフォロア22dの位置を示している。
図13に示すように、第1進退筒15の内周面には、複数の連通溝15dと複数の回転伝達溝15eが周方向に位置を異ならせて形成されており、5群用カム溝C5はこれらの連通溝15dや回転伝達溝15eを横断する軌跡になっている。そのため、連通溝15dまたは回転伝達溝15eと5群用カム溝C5との交差位置におけるカムフォロア22dの脱落を防ぐために、カムフォロア22dと5群用カム溝C5をそれぞれ一対設け、少なくとも一方のカムフォロア22dが常に5群用カム溝C5との嵌合を維持するように構成している。
第1進退筒15が回転すると、カムフォロア22dが5群用カム溝C5による案内を受けて、5群駆動バー22が光軸方向に移動される。5群駆動バー22を光軸方向後方に移動させると、立壁部22bを介して5群枠10を5群付勢バネ36の付勢力に抗して押圧し、5群枠10が光軸方向後方に移動する。5群駆動バー22を光軸方向前方に移動させると、5群付勢バネ36の付勢力によって5群枠10が5群駆動バー22に追随して光軸方向前方に移動する。すなわち、5群枠10は5群駆動バー22に伴って光軸方向に移動する。5群駆動バー22の移動を案内する第1進退筒15は、第1段ガイド溝20aのリード溝部の案内を受ける状態では回転しながら固定筒20に対して光軸方向に進退するため、この状態で5群枠10は、第1進退筒15の光軸方向移動と5群用カム溝C5(5群駆動バー22)による光軸方向移動を合わせた位置制御がなされる。
以上の構成からなるズームレンズ鏡筒ZLの動作を説明する。図1に示す収納(沈胴)状態では、ズームレンズ鏡筒ZLを構成する可動要素が固定筒20内にスペース効率良く収納されている。第5群レンズ5は光学フィルタ42に近接する位置にあり、第4群レンズ4は第5群レンズ5に近接する位置にある。3群枠8は背面板21のカム突起21に押圧されて離脱位置に保持されており、第3群レンズ3が第4群レンズ4や第5群レンズ5の外側に(光軸直交方向に並んで)位置している。第2群レンズ2は、3群支持環12内に前方から入り込んでシャッタ機構13に嵌る形で収納されている。撮影光学系を構成するレンズ群の中で最大径の第1群レンズ1も、一部が3群支持環12内に入り込んで第2群レンズ2に近接して位置している。これにより、光軸方向にコンパクトな収納状態が得られる。
ズームレンズ鏡筒ZLを制御する制御回路に収納状態から撮影状態への移行信号(例えば、カメラボディに設けたメインスイッチのオン)が入力されると、ズームモータ39が鏡筒繰出方向に駆動される。この駆動力はズームギヤ列40を介して第1進退筒15に伝えられ、第1進退筒15が第1段ガイド溝20aのリード溝部に従って回転しながら固定筒20に対して光軸方向前方に繰り出される。直進案内環18は、回転せずに第1進退筒15と共に繰り出される。
第1進退筒15の回転は内方カム筒19に伝達され、内方カム筒19が、カム環ガイド溝18dに従って回転しながら第1進退筒15及び直進案内環18に対して光軸方向前方に繰り出される。第2進退筒16は回転せずに内方カム筒19と共に繰り出される。内方カム筒19が回転すると、内方カム筒19の外周面上に形成した第3進退筒制御カム溝CBと1群用カム溝C1に従って、第3進退筒17と1群支持環11が、回転せずに第2進退筒16及び内方カム筒19に対して光軸方向前方に繰り出される。また、内方カム筒19が回転すると、内方カム筒19の内周面上に形成した2群用カム溝C2と3群用カム溝C3に従って、2群枠7と3群支持環12が、それぞれ回転せずに第2進退筒16及び内方カム筒19に対して光軸方向前方に繰り出される。3群支持環12が光軸方向前方に移動すると、3群枠8に対するカム突起21aの押圧が解除され、3群枠8が離脱位置から挿入位置に回動する。このように、第1群レンズ1、第2群レンズ2及び第3群レンズ3は、内方カム筒19を経由して光軸方向位置が制御される。
第1進退筒15が回転すると、第1進退筒15の内周面に形成した5群用カム溝C5に従って、5群駆動バー22が回転せずに第1進退筒15及び直進案内環18に対して光軸方向に相対移動する。図13に示すように、5群用カム溝C5のうち収納状態でのカムフォロア22dの位置(R)を起点とする区間は、ワイド端でのカムフォロア22dの位置(W)へ向けて進むにつれて光軸方向後方に進む傾斜となっているが、収納状態からの繰出時に第1進退筒15自体が光軸方向前方に移動する。そのため、収納状態からの繰出時において5群駆動バー22は、第1進退筒15との相対的な位置関係では光軸方向後方に移動しつつ、固定部材である固定筒20や背面板21に対しては光軸方向前方へ移動する。5群付勢バネ36によって光軸方向前方に向けて付勢された5群枠10は、5群付勢バネ36の付勢力に抗して5群駆動バー22によって光軸方向後方に押圧されつつ、第1進退筒15の光軸方向前方への移動に伴う5群駆動バー22の前方移動によって光軸方向前方へ移動し、第5群レンズ5が撮像素子41から離れていく(図8の移動軌跡Q5を参照)。
収納状態から撮影状態への移行信号が入力されると、ズームモータ39に加えてAFモータ31も駆動されて、送りネジ31aの回転によってAFナット32が光軸方向前方に移動する。AFナット32が移動すると、4群付勢バネ30の付勢力によって中継部材35と4群枠9がAFナット32bに追随して光軸方向前方に移動する(図8の移動軌跡Q4を参照)。
図2のワイド端になると収納状態から撮影状態への移行が完了する。撮影状態では、図2のワイド端と図3のテレ端の間の変倍域で撮影光学系の焦点距離を変更することができ、所定の焦点距離を選択する信号(例えば、カメラボディに設けたズームスイッチの操作)が制御回路に入力されると、ズームモータ39を駆動して第1進退筒15と内方カム筒19を回転させ、それぞれに形成したカム溝C1、C2、C3及びC5に従って、第1群レンズ1、第2群レンズ2、第3群レンズ3及び第5群レンズ5を図8に示す移動軌跡Q1、Q2、Q3及びQ5で移動させる。
撮影状態では、第1進退筒15は第1段ガイド溝20aの周方向溝の案内を受けるようになっており、光軸方向の位置を変化させずに定位置で回転するため、第5群レンズ5の移動軌跡Q5は5群用カム溝C5のカム軌跡に対応したものとなる。図8に示すように、変倍域での第5群レンズ5の移動軌跡Q5は、ワイド端を起点としてテレ側に進む途中まで第5群レンズ5を光軸方向前方に移動させ、続いてテレ端側に進むと第5群レンズ5を光軸方向後方に移動させるものであり、図13に示す変倍域(カムフォロア22dのワイド端位置(W)とテレ端位置(T)の間)での5群用カム溝C5のカム軌跡は、この第5群レンズ5の移動軌跡Q5をトレースしたものになっている。そして、第1進退筒15の回転により、5群用カム溝C5のカム軌跡に従った5群駆動バー22の光軸方向移動に伴って5群枠10が移動する。なお、第1進退筒15と異なり内方カム筒19は、撮影状態でもカム環ガイド溝18dに従って回転しながら光軸方向に移動するので、カム溝C1、C2及びC3のカム軌跡(形状)は、移動軌跡Q1、Q2及びQ3をそのままトレースしたものではない。
また、ワイド端とテレ端の間の変倍域で焦点距離を変更する際には、AFモータ31を駆動してAFナット32を光軸方向に進退移動させて、第4群レンズ4を図8に示す移動軌跡Q4で移動させる。移動軌跡Q4は焦点距離変更の際に基準となる第4群レンズ4の位置変化(基礎軌跡)を示したものであり、被写体にピントを合わせる合焦用の信号が入力されたときにはさらに、AFモータ31を駆動してAFナット32を光軸方向に移動させて、移動軌跡Q4に対して第4群レンズ4を移動させることによって合焦動作を行う。図9に示すように、合焦動作では無限遠の被写体から近距離側の被写体になるにつれて第4群レンズ4を光軸方向後方に移動させる。図8の移動軌跡Q4は、無限遠の被写体に対応する第4群レンズ4の光軸方向位置を基準としたものである。
撮影状態から収納状態への移行信号(例えば、カメラボディに設けたメインスイッチのオフ)が入力されると、ズームモータ39とAFモータ31の駆動によって、先に説明した収納状態からの繰出動作とは逆の動作が行われる。収納動作時には、ズームモータ39の駆動力で回転しながら光軸方向後方に移動する第1進退筒15の動作に伴い、5群付勢バネ36によって弾性的に結合された5群駆動バー22と5群枠10は、第1進退筒15との相対的な位置関係では5群用カム溝C5に従って光軸方向前方に移動しつつ、固定部材である固定筒20や背面板21に対しては光軸方向後方へ移動する。また、AFモータ31によるAFナット32の光軸方向後方への移動によって、4群枠9が4群付勢バネ30の付勢力に抗して5群枠10に接近する。1群枠6(1群支持環11)、2群枠7及び3群枠8(3群支持環12)はそれぞれ、ズームモータ39の駆動力で回転しながら光軸方向後方に移動する内方カム筒19の動作に伴って光軸方向後方に移動し、その移動の途中で3群枠8がカム突起21aに当接して挿入位置から離脱位置に回動される。
以上のように動作するズームレンズ鏡筒ZLにおいて、第1群レンズ1、第2群レンズ2、第3群レンズ3及び第5群レンズ5が、ズームモータ39によって駆動される2つのカム筒である第1進退筒15と内方カム筒19を介して位置制御されるのに対し、第4群レンズ4は、AFモータ31によって駆動されるAFナット32によって、他のレンズ群とは独立して図8に示す動作範囲Mで位置制御される。前述のように第4群レンズ4は、収納状態と撮影状態の移行動作時や撮影状態における変倍動作時に、移動軌跡Q4に沿って光軸方向位置が制御され、さらに移動軌跡Q4を基準として合焦動作が行われる。他のレンズ群がそれぞれの移動軌跡Q1、Q2、Q3及びQ5に沿って移動するときに、第4群レンズ4が移動軌跡Q4に沿って移動している限りは、第4群レンズ4を保持する4群枠9が、他のレンズ群の保持枠やズームレンズ鏡筒ZL内のその他の可動部材と干渉することがない。一方、第4群レンズ4が移動軌跡Q4を大きく逸脱する状態では、4群枠9が前後の3群ブロック28(3群枠8)や5群枠10と干渉する可能性を考慮する必要がある。
4群枠9は、4群付勢バネ30によって光軸方向前方に向けて移動付勢され、中継部材35をAFナット32に当接させることで光軸方向前方への移動が規制されている。そのため、第4群レンズ4が移動軌跡Q4よりも前方に位置している状態で、3群支持環12が光軸方向後方に移動して3群ブロック28が4群枠9に当接した場合は、4群付勢バネ30の付勢力に抗して4群枠9をAFナット32から離れる方向に押しこむことによって、4群枠9周りに過度な負荷をかけずにズームモータ39による駆動機構を動作させることができる。また、3群支持環12が光軸方向前方に移動しているときや停止している状態において、移動軌跡Q4に対応する位置よりも前方へAFナット32が過度に移動した場合は、4群枠9は3群支持環12や3群ブロック28に当接した時点でそれ以上の移動が規制され、AFナット32のみを前方に移動させるため、この場合も同様に4群枠9周りに過度な負荷がかからない。例えば、図11はズームレンズ鏡筒ZLの収納状態での4群枠9の駆動機構と5群枠10の駆動機構を模式的に示しているが、この状態からズームモータ39を駆動させずにAFモータ31のみを繰出方向に駆動させた場合、図12のようにAFナット32が中継部材35から離れて前方に移動し、4群枠9やその他の可動部材には負荷がかからない。つまり、4群枠9の駆動機構は、何らかの動作異常が生じた場合に、4群枠9よりも光軸方向前方(4群付勢バネ30の付勢方向)に位置する要素との関係においては、AFナット32と4群枠9の光軸方向間隔を空けて負荷を吸収できる構造になっている。なお、図8の移動軌跡Q4から分かるように、収納状態では第4群レンズ4は動作範囲Mの後端付近に位置しているため、図11の位置よりもAFナット32が光軸方向後方に駆動されて4群枠9に負荷を及ぼすおそれはない。
一方、4群枠9は、中継部材35を介してAFナット32に当接する位置よりも前方への移動は機械的に制限されるため、駆動機構の動作不良などが原因で4群枠9とその後方に位置する5群枠10が当接(衝突)する場合に、4群枠9を前方に逃して負荷を吸収することができない。具体的には、図8にハッチングで干渉領域Pとして示したように、第4群レンズ4の動作範囲Mのうち、第5群レンズ5の移動軌跡Q5よりも第4群レンズ4が光軸方向後方に位置する部分では、4群枠9と5群枠の干渉が生じるおそれがある。この干渉領域Pで4群枠9と5群枠10の間に過大な負荷が作用することを防ぐために、本実施形態のズームレンズ鏡筒ZLでは、5群枠10の駆動機構に負荷吸収構造を備えている。
図9は、ワイド端で4群枠9と5群枠10がそれぞれの移動軌跡Q4、Q5(図8)上に正常に位置している状態を模式的に示している。このとき第4群レンズ4と第5群レンズ5の間には所定の光軸方向間隔が確保されており、4群枠9はAFナット32及び中継部材35によって、5群枠10は5群駆動バー22によって、それぞれ光軸方向前方への移動が制限されている。
図10は、AFナット32が図11の収納状態に対応する位置で停止している一方で、ズームモータ39によって第1進退筒15が図9のワイド端相当の位置に保持されている異常動作状態を示している。AFナット32に伴って4群枠9(第4群レンズ4)が動作範囲Mの後端付近(ワイド端での移動軌跡Q4よりも光軸方向後方の位置)に留まっており、この4群枠9に対して5群枠10が後方から当接している。ここで5群枠10は、光軸方向前方への移動が規制されている4群枠9に対して当接することで前方への移動が規制されるが、5群枠10とその位置を制御する5群駆動バー22は、5群付勢バネ36の付勢力によって第1腕部10aを立壁部22bに当接させている関係の別部材であるため、5群駆動バー22が第1進退筒15の5群用カム溝C5に従って光軸方向前方に移動することが妨げられない。よって、4群枠9及び5群枠10の前進移動が規制された状態でズームモータ39を繰出方向に駆動すると、図10のように、移動規制された5群枠10から5群駆動バー22が離れることによって負荷を吸収する。つまり、5群枠10の移動機構(第1の駆動機構)と4群枠9の駆動機構(第2の駆動機構)のいずれにも大きな負荷がかからない。図9と図10の比較から分かるように、5群枠10と5群駆動バー22が離間する負荷吸収動作によって5群付勢バネ36が延ばされてテンションがかかる。図10の状態からAFナット32をワイド端相当の位置まで光軸方向前方に駆動すると、5群付勢バネ36の付勢力によって5群枠10と5群駆動バー22が当接する図9の状態になり、異常動作状態を解消することができる。
また、図9のワイド端で、ズームモータ39を駆動させずにAFモータ31を駆動させてAFナット32を光軸方向後方に移動させた場合、AFナット32により押圧される4群枠9が5群枠10に当接して、4群枠9と共に5群枠10が5群付勢バネ36の付勢力に抗して光軸方向後方に移動される。このとき5群駆動バー22には4群枠9や5群枠10の移動力が伝わらないため、5群駆動バー22の光軸方向位置は変化せずに5群枠10が5群駆動バー22から離間し、図10に示す状態になって負荷が吸収される。この状態からズームモータ39を鏡筒収納方向に駆動すると、第1進退筒15と5群用カム溝C5に従って5群駆動バー22が光軸方向後方に移動して5群枠10に当接する図11の収納状態になり、異常動作状態が解消される。
つまり、4群枠9と5群枠10が干渉領域Pにて当接する状態で、4群枠9に対して5群枠10を相対的に光軸方向前方に移動させる駆動力が5群枠10の駆動機構に働く場合と、5群枠10に対して4群枠9を相対的に光軸方向後方に移動させる駆動力が4群枠9の駆動機構に働く場合のいずれかにおいて、5群枠10と5群駆動バー22が離間して負荷の吸収が行われる。
図9ないし図12ではワイド端と収納状態での4群枠9と5群枠10の関係を代表的に示したが、前述のようなワイド端と収納状態における異常動作以外の態様でも、4群枠9と5群枠10が当接する可能性があるため、5群枠10の駆動機構で負荷吸収を行う構成が有効である。例えば、図8に示すように、変倍域での第4群レンズ4の移動軌跡Q4では、テレ端に近い焦点距離S1で第4群レンズ4が最も光軸方向後方に位置する。このテレ端近傍の焦点距離S1で、近距離側の被写体への合焦動作(図9に矢印で示す光軸方向後方への第4群レンズ4の移動を参照)を行うと、第4群レンズ4が後方に移動して、焦点距離S1よりもワイド端寄りの焦点距離での干渉領域Pに入る状態となる。すなわち、4群枠9と5群枠10が干渉し得る状態になる。この状態でAFモータ31を動作させずにズームモータ39を焦点距離S1からワイド端側に向けて駆動すると、第5群レンズ5が移動軌跡Q5に沿って徐々に光軸方向前方に移動して、ワイド端に向かう途中で5群枠10が4群枠9に当接する。5群枠10は4群枠9への当接位置よりも前方に移動不可であるため、ワイド端側へのズームモータ39の駆動を継続すると、5群駆動バー22が5群枠10から離れて単独で前方に移動する。第5群レンズ5の移動軌跡Q5は、ワイド端の手前で進行方向が反転して、収納状態側に進むにつれて光軸方向後方に進む傾斜となるため、さらに収納状態側へのズームモータ39の駆動を継続すると、5群駆動バー22の移動方向が光軸方向後方に変わり、再び5群枠10に当接する状態になる。
以上のように、本実施形態のズームレンズ鏡筒ZLでは、AFモータ31の送りネジ31aとAFナット32によって駆動される4群枠9を挟んで前後に、ズームモータ39で回転駆動されるカム筒(第1進退筒15、内方カム筒19)のカム溝で移動制御される1群枠6、2群枠7、3群枠8(3群ブロック28)、5群枠10を配置している。特に4群枠9に関して、4群付勢バネ30の付勢力の作用方向と反対側(像側)に5群枠10を配置したことで、従来のような駆動機構の制約を受けない自由度の高い光学系の配置構成が可能となった。4群枠9と5群枠10は、ズームレンズ鏡筒ZLのコンパクトさを損なわずに光学的に好ましい移動軌跡で動作させるという条件を満たすべく、互いに当接し得る干渉領域Pを動作範囲に含んでいるが、干渉領域Pで4群枠9と5群枠10が当接するような動作が生じた場合でも、前述の通り、5群用カム溝C5に案内される5群駆動バー22と5群枠10を光軸方向に相対移動させることで負荷を吸収し、4群枠9の駆動機構と5群枠10の駆動機構のいずれも保護することができる。
5群用カム溝C5の案内を受ける5群駆動バー22は、キー案内溝18fに嵌合して直進案内環18の輪郭内に収まる形状であるため、簡単かつ省スペースな構造で5群枠10の駆動機構における負荷吸収を実現することができる。
以上、図示実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は図示実施形態に限定されるものではない。例えば、図示実施形態は5群構成の撮影光学系の第4群レンズ4と第5群レンズ5の駆動機構として本発明を適用したものであるが、本発明は撮影光学系を構成するレンズ群の数や配置が図示実施形態と異なるレンズ鏡筒にも適用が可能である。
また、図示実施形態のズームレンズ鏡筒ZLでは、撮影状態で第4群レンズ4の前方に隣接する第3群レンズ3が収納状態で光軸Oから外れる方向に離脱するが、このような離脱動作を行うレンズ群を備えないレンズ鏡筒にも適用が可能である。さらに、図示実施形態のズームレンズ鏡筒ZLと異なり、像振れを抑制させる防振機構を備えていないレンズ鏡筒にも適用が可能である。
また、図示実施形態のズームレンズ鏡筒ZLは、4群枠9を挟んで前後に位置する3群枠8(3群支持環12)と5群枠10とを異なるカム筒(第1進退筒15と内方カム筒19)により移動制御しているが、ナットで駆動されるレンズ枠(4群枠9に相当)の前後に位置する2つ(もしくは3つ以上)のレンズ枠を、共通のカム筒に形成したカム溝により移動制御する構成のレンズ鏡筒にも本発明を適用可能である。
また、図示実施形態のズームレンズ鏡筒ZLは、カム筒として、回転しながら光軸方向移動を行う第1進退筒19や内方カム筒19を備えているが、カム筒を光軸方向に移動せずに常時光軸方向の定位置で回転するように構成したタイプのレンズ鏡筒にも本発明は適用が可能である。
また、図示実施形態のズームレンズ鏡筒ZLは、4群枠9とAFナット32の間に中継部材35を介在させているが、中継部材35を省いて4群枠9とAFナット32を直接に当接させた駆動機構とすることも可能である。
C1 1群用カム溝
C2 2群用カム溝
C3 3群用カム溝
C5 5群用カム溝
CB 第3進退筒制御カム溝
K1 K2 5群枠と5群駆動バーの当接箇所
M 第4群レンズの動作範囲
O 光軸
P 4群枠と5群枠の干渉領域
Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 各群レンズの移動軌跡
ZL ズームレンズ鏡筒
1 第1群レンズ
2 第2群レンズ
3 第3群レンズ
4 第4群レンズ
5 第5群レンズ
6 1群枠(第2のカム駆動レンズ枠)
7 2群枠(第2のカム駆動レンズ枠)
8 3群枠(第2のカム駆動レンズ枠)
9 4群枠(ナット駆動レンズ枠)
9a 第1腕部
9b 第2腕部
9c 筒状ガイド
9d 回転規制突起
10 5群枠(カム駆動レンズ枠)
10a 第1腕部
10b 第2腕部
10c 筒状ガイド(被ガイド部)
10d 回転規制突起
11 1群支持環
12 3群支持環
13 シャッタ機構
14 バネ受け
15 第1進退筒(カム筒)
16 第2進退筒
17 第3進退筒
18 直進案内環(内側筒)
18a ガイド突起
18b 結合突起
18c 直進案内溝
18d カム環ガイド溝
18e 直進案内溝
18f キー案内溝(直進案内溝)
19 内方カム筒(第2のカム筒)
20 固定筒
21 背面板
22 5群駆動バー
22a ガイドキー部
22b 立壁部
22c 被ガイド部
22d カムフォロア
23 カムフォロア
24 カムフォロア
25 圧縮バネ
26 圧縮バネ
27 レンズバリア機構
28 3群ブロック
30 4群付勢バネ
31 AFモータ
31a 送りネジ
32 AFナット
33 4群ガイド軸
34 中継ガイド軸
35 中継部材
36 5群付勢バネ(付勢部材)
37 5群ガイド軸(レンズ枠ガイド軸)
38 補助ガイド軸
39 ズームモータ
40 ズームギヤ列
41 撮像素子
42 光学フィルタ

Claims (12)

  1. 固定筒内に支持されたカム筒を回転させ、上記カム筒の周面に形成したカム溝の軌跡に従って、撮影光学系を構成するレンズを保持するカム駆動レンズ枠の光軸方向位置を変化させる第1の駆動機構と;
    光軸方向に延びる送りネジにナットを螺合させ、上記レンズと異なるレンズを保持するナット駆動レンズ枠を光軸方向において上記ナットに当接する方向に付勢し、上記送りネジの回転により上記ナットを光軸方向に移動させて上記ナット駆動レンズ枠の光軸方向位置を変化させる第2の駆動機構と;
    を備えたレンズ鏡筒において、
    上記ナット駆動レンズ枠と上記カム駆動レンズ枠を、上記カム駆動レンズ枠が上記ナット駆動レンズ枠に対して上記付勢方向と反対側に隣接して位置し、かつ互いの光軸方向の動作範囲の一部が重なる関係で配置し、
    上記第1の駆動機構は、
    上記カム筒の上記カム溝に嵌合するカムフォロアを有して光軸方向に直進案内され、上記カム駆動レンズ枠と別体として形成されたカム従動部材と;
    光軸方向において上記ナット駆動レンズ枠に接近する方向に上記カム駆動レンズ枠を付勢して該カム駆動レンズ枠を上記カム従動部材に当接させ、上記カム従動部材に伴って上記カム駆動レンズ枠を光軸方向に移動させる付勢部材と;
    を備えることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 請求項1記載のレンズ鏡筒において、
    上記カム筒の内周面に上記カム溝が形成され、該カム筒の内側に上記固定筒に対して回転を規制して支持された内側筒を備え、
    上記カム従動部材は、上記内側筒の外周面に形成した有底の直進案内溝に対して光軸方向に摺動可能に嵌合しており、上記内側筒の外周面上に上記カムフォロアを突出させているレンズ鏡筒。
  3. 請求項2記載のレンズ鏡筒において、
    上記カム従動部材は、
    光軸方向に細長の薄板状をなし、上記内側筒の上記直進案内溝に摺動可能に嵌合するガイドキー部と;
    上記ガイドキー部の光軸方向端部に形成され光軸直交方向に延びる立壁部と;
    を有し、
    上記カム駆動レンズ枠は、上記付勢部材の付勢力によって上記立壁部に当接するレンズ鏡筒。
  4. 請求項3記載のレンズ鏡筒において、
    上記カム筒の外側に、上記固定筒に対して固定され光軸方向に軸線が向く補助ガイド軸を備え、
    上記カム従動部材は、上記補助ガイド軸に対して光軸方向に摺動可能に支持される被ガイド部を上記立壁部に備えているレンズ鏡筒。
  5. 請求項3または4記載のレンズ鏡筒において、
    上記カム駆動レンズ枠は、
    レンズを保持するレンズ保持部から光軸を中心とする外径方向に延設された少なくとも一つの腕部と;
    上記固定筒に対して固定され光軸方向に軸線が向くレンズ枠ガイド軸に対して光軸方向に摺動可能に支持される、上記腕部の先端に形成した被ガイド部と;
    を備えており、
    上記付勢部材の付勢力によって、上記腕部が上記カム従動部材の上記立壁部に当接しているレンズ鏡筒。
  6. 請求項5記載のレンズ鏡筒において、上記付勢部材は、上記固定筒と上記カム駆動レンズ枠に一端部と他端部が係合して光軸方向に伸縮可能な引張バネからなるレンズ鏡筒。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、上記カム駆動レンズ枠が保持するレンズは、上記ナット駆動レンズ枠が保持するレンズよりも、光軸方向における像側に位置しているレンズ鏡筒。
  8. 請求項7記載のレンズ鏡筒において、上記カム駆動レンズ枠が保持するレンズは、撮影光学系を構成する最も像側のレンズ群を構成し、上記ナット駆動レンズ枠が保持するレンズは、上記最も像側のレンズ群の被写体側に隣接して位置するレンズ群を構成しているレンズ鏡筒。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、上記第2の駆動機構は、上記固定筒に固定されるステッピングモータによって上記送りネジを回転させるレンズ鏡筒。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、撮影光学系は変倍可能な変倍光学系であり、変倍時には上記カム駆動レンズ枠と上記ナット駆動レンズ枠をそれぞれ光軸方向に移動させ、被写体にピントを合わせる合焦時に上記ナット駆動レンズ枠を単独で光軸方向に移動させるレンズ鏡筒。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
    上記撮影光学系を構成するレンズを保持し、上記カム駆動レンズ枠を駆動させる上記カム溝とは別のカム溝によって光軸方向に移動制御される第2のカム駆動レンズ枠を備え、
    撮影状態で、上記ナット駆動レンズ枠に関する光軸方向の前後位置に上記カム駆動レンズ枠と上記第2のカム駆動レンズ枠が位置するレンズ鏡筒。
  12. 請求項11記載のレンズ鏡筒において、上記カム筒と別体で該カム筒と共に回転する第2のカム筒を備え、上記第2のカム駆動レンズ枠を駆動させる上記別のカム溝は、上記第2のカム筒に形成されているレンズ鏡筒。
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