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JP6196982B2 - ポリジエンを製造するためのプロセス - Google Patents

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Description

本発明の1つ以上の実施形態はポリジエンを製造するための方法に関する。
従来技術では、タイヤの生産には、ポリジエン等の合成ポリマーが用いられてきた。歪みにより結晶化が生じる合成ポリマーは、引張強さや摩耗抵抗等の面で有益な性質を提供する。したがって、シス-1,4−リンケージの含有量が高いシス-1,4−ポリジエンは、歪みにより結晶化が生じる可能性が高くなることを示しているので、使用することが有利であった。また、タイヤの製造にある一定の官能化ポリマーを用いて、ヒステリシスの低い、すなわち機械的エネルギーの熱への転換による損失が低い加硫物を調製する。官能化ポリマーの官能基は、充填剤粒子との相互作用を介して、フリーなポリマー鎖端の数を低減させ、また、充填剤凝集を低減することができると考えられる。したがって、シス-1,4−ポリジエンを官能化して、歪みによる結晶化を経て低いヒステリシスを示す加硫物を提供することが有利であった。ポリマーを特にその連鎖末端で、官能化する能力は、ポリマーの反応性に依存する。典型的には、サンプル中のポリマー分子の一部の画分だけが、官能化薬剤と反応することができる。したがって、シス-1,4−リンケージ含有量が高く、かつ、官能基化のための反応性連鎖末端のパーセンテージの大きな、シス-1,4−ポリジエンを製造する方法を開発することが望ましい。
ポリジエンは、溶液重合により製造することができ、その際、共役ジエンモノマーは、不活性溶媒または希釈剤中で重合する。この溶媒は、反応物及び製品を可溶化し、反応物及び製品の担体として作用し、重合熱の移動を促進し、重合速度の調節を助ける。この溶媒により、溶媒の存在によりセメントの粘度が低減されるので、重合混合物(またはセメントとも呼ぶ)の撹拌及び移動も容易になる。それにもかかわらず、溶媒の存在は多数の困難をもたらす。溶媒はポリマーから分離する必要があり、それからリサイクルして再利用し、そうでないものは廃物として破棄する必要がある。溶媒を回収及びリサイクルするコストが、製造するポリマーのコストに少なからず加わり、また、精製後にリサイクルされた溶媒が重合触媒を汚染する不純物を含んでしまうリスクが常にある。更に、例えば芳香族炭化水素等の溶媒が、環境への懸念を引き起こすことがある。さらに、溶媒を取り除くことが困難な場合、ポリマー製品の純度に影響を及ぼすことがある。
ポリジエンは、バルク重合(塊状重合とも呼ぶ)によって製造することもでき、その場合、溶媒無しまたは実質的に無しに共役ジエンモノマーを重合し、実質的にモノマー自体が希釈剤として作用する。バルク重合は本質上無溶媒であるので、汚染リスクはより少なく、製品の単離は単純化される。バルク重合は、より低い資本コストで新規の工場能力を増やすことができ、稼働エネルギーコストが小さく、少ない人員で稼働が可能である等、多数の経済上の利点を提供する。また、この無溶媒という特徴は、排出物及び廃水汚濁を低減するという環境上の利点を提供する。
その多くの利点にもかかわらず、バルク重合は、非常に慎重な温度調節を必要とし、また、重合混合物の粘度が非常に高くなり得るため強力かつ精巧な撹拌装置を必要とする。希釈剤を加えない場合、セメントの高い粘度及び発熱の影響により温度調節が非常に困難になってしまうことがある。その結果、高温のスポットが局所的に発生し得ることにより、ポリマー製品の分解、ゲル化および/または退色が生じてしまう。極端な事例では、重合速度が制御を失って加速し、破滅的な「制御不能の」反応に至ることがある。バルク重合中の温度調節を容易にするため、触媒は、経済的な理由の面で十分に高速で、しかし、プロセス安全性を確実にするため重合発熱からの熱の除去を可能にするという面で十分に低速となるような、反応速度を与えることが望ましい。
ランタニド含有化合物、アルキル化剤及びハロゲン供与源を備えるランタニドベースの触媒システムは、シス-1,4−リンケージ含有量の大きな共役ジエンポリマーを製造することに有用であるということが、知られている。それにもかかわらず、特に触媒成分としてアルミノキサン化合物を備えるランタニドベースの触媒システムは、共役ジエンのバルク重合に適用した場合、重合速度がしばしば過度に高速になり、このことで温度制御が非常に困難になり、プロセス安全性が損なわれる。したがって、ランタニドベース触媒により触媒される、共役ジエンのバルク重合を調節する方法を開発することが、望まれる。
本発明の1つ以上の実施形態は、ポリジエンを製造する方法を提供し、この方法は、(i)スルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドが実質的に不在の条件下で、ランタニド含有化合物、アルキル化剤及びハロゲン供与源を組み合わせることにより、活性触媒を形成するステップと、(ii)スルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドから成る群より選択される重合調節物と、活性触媒との存在下で、共役ジエンモノマーを重合させるステップとを含む。
本発明の他の実施形態は、ポリジエンを製造する方法を提供し、この方法は、(i)ランタニド含有化合物、アルキル化剤、ハロゲン供与源及び任意にモノマーを導入することにより、予備形成された触媒を調製するステップと、(ii)ステップ(i)から独立に、共役ジエンモノマーにスルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドにから成る群より選択される重合調節物を導入するステップと、(iii)予備形成された触媒で、共役ジエンモノマーを重合させるステップとを含む。
本発明の実施形態は、少なくとも一部は、スルホン、スルホキシドまたはホスフィンオキシドの存在下でランタニドベースの触媒と共役ジエンを重合させることを含む高シス-1,4−ポリジエンを製造するためのプロセスの発見に基づいている。説明の容易さのため、ここでは、これらの化合物を集合的にまたは個々に、重合調節物と呼ぶこともできる。先行技術では、ジエン重合に使用されるランタニドベースの触媒システムに、スルホン、スルホキシドまたはホスフィンオキシドが含まれるように意図しているが、重合中におけるスルホン、スルホキシドまたはホスフィンオキシドの存在は、特にバルク重合系で有益であると考えられている。なぜなら、スルホン、スルホキシドまたはホスフィンオキシドの存在が、重合速度を調整し、それによって、温度調節を容易にし、バルク重合中の暴走反応のリスクを低減することが見出されたからである。また、重合中にスルホン、スルホキシドまたはホスフィンオキシドが存在すれば、反応性末端を有する連鎖末端が比較的高いパーセンテージで含まれることを特徴とするポリマーが製造される。
本発明の実施は必ずしも、任意の特定のランタニドベースの触媒システムの選択に限定されているというわけではない。1つ以上の実施形態において使用される触媒システムは、(a)ランタニド含有化合物、(b)アルキル化剤、及び(c)ハロゲン供与源を含む。別の実施形態では、非配位性アニオンまたは非配位性アニオン前駆体を含む化合物を、ハロゲン供与源の代わりに使用することができる。これらまたは他の実施形態では、他の有機金属化合物、ルイス塩基および/または重合調節物を、上記の配合または成分に加えて用いてもよい。例えば、一実施形態では、米国特許第6,699,813号に開示されるように、ニッケル含有化合物を、分子量調節因子として使用でき、この開示は、参照事項として本願に包含される。
共役ジエンモノマーの例には、1、3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン及び2,4−ヘキサジエンが含まれる。また、2以上の共役ジエンの混合物を共重合に利用してもよい。
上で説明したように、本発明で使用される触媒システムは、ランタニド含有化合物を含む。本発明に有用なランタニド含有化合物は、ランタン、ネオジム、セリウム、プラセオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム及びジジミウムの少なくとも1つの原子を含むランタニド含有化合物である。一実施例において、これらの化合物は、ネオジム、ランタン、サマリウムまたはジジミウムを含むことができる。ここで用いられる例では、用語「ジジミウム」は、モナザイト砂から得られる希土類元素の市販の混合物を示す。更に、本発明に有用なランタニド含有化合物は、基本的ランタニドの形態であってもよい。
ランタニド含有化合物の中のランタニド原子は、各種酸化状態であり、0、+2、+3及び+4の酸化状態を含むがこれに限られない。一実施形態では、ランタニド原子が+3の酸化状態である三価ランタニド含有化合物を使用することができる。適切なランタニド含有化合物の非限定的な例としては、ランタニドカルボン酸エステル、ランタニド有機リン酸エステル、ランタニド有機ホスホン酸エステル、ランタニド有機ホスフィン酸エステル、ランタニドカルバミン酸エステル、ランタニドジチオカルバミン酸塩、ランタニドキサントゲン酸塩、ランタニドβ-ジケトン酸塩、ランタニドアルコキシドまたはアリールオキシド、ランタニドハライド、ランタニド擬ハライド、ランタニドオキシハライド及び有機ランタニド化合物が挙げられる。
1つ以上の実施形態において、ランタニド含有化合物は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素または環状脂肪族炭化水素等の炭化水素溶媒に対して可溶性であることができる。しかしながら、炭化水素不溶ランタニド含有化合物も、重合媒体中で懸濁して触媒活性化学種を生成できるため、本発明に有用であり得る。
例示の容易さのため、有用なランタニド含有化合物の以後の議論では、ネオジム化合物に注目することにするが、当業者は、他のランタニド金属ベースの類似化合物を選択することもできるであろう。
適切なネオジムカルボン酸エステルの非限定的な例としては、ギ酸ネオジム、酢酸ネオジム、ネオジムアクリレート、ネオジムメタクリレート、吉草酸ネオジム、グルコン酸ネオジム、クエン酸ネオジム、フマル酸ネオジム、乳酸ネオジム、マレイン酸ネオジム、シュウ酸ネオジム、2−エチルヘキサン酸ネオジム、ネオデカン酸ネオジム(別名ネオジムバーサテート)、ナフテン酸ネオジム、ステアリン酸ネオジム、オレイン酸ネオジム、安息香酸ネオジム及びピコリン酸ネオジムが挙げられる。
適切なネオジム有機リン酸エステルの非限定的な例としては、リン酸ネオジムジブチル、リン酸ネオジムジペンチル、リン酸ネオジムジヘキシル、リン酸ネオジムジヘプチル、リン酸ネオジムジオクチル、リン酸ネオジムビス(1-メチルヘプチル)、リン酸ネオジムビス(2-エチルヘキシル)、リン酸ネオジムジデシル、リン酸ネオジムジドデシル、リン酸ネオジムジオクタデシル、リン酸ネオジムジオレイル、リン酸ネオジムジフェニル、リン酸ネオジムビス(p-ノニルフェニル)、リン酸ネオジムブチル(2-エチルヘキシル)、リン酸ネオジム(1-メチルヘプチル)(2-エチルヘキシル)、及びリン酸ネオジム(2-エチルヘキシル)(p-ノニルフェニル)が挙げられる。
適切なネオジム有機ホスホン酸エステルの非限定的な例としては、ホスホン酸ネオジムブチル、ホスホン酸ネオジムペンチル、ホスホン酸ネオジムヘキシル、ホスホン酸ネオジムヘプチル、ホスホン酸ネオジムオクチル、ホスホン酸ネオジム(1-メチルヘプチル)、ホスホン酸ネオジム(2-エチルヘキシル)、ホスホン酸ネオジムデシル、ホスホン酸ネオジムドデシル、ホスホン酸ネオジムオクタデシル、ホスホン酸ネオジムオレイル、ホスホン酸ネオジムフェニル、ホスホン酸ネオジム(p-ノニルフェニル)、ブチルホスホン酸ネオジムブチル、ペンチルホスホン酸ネオジムペンチル、ヘキシルホスホン酸ネオジムヘキシル、ヘプチルホスホン酸ネオジムヘプチル、オクチルホスホン酸ネオジムオクチル、(1-メチルヘプチル)ホスホン酸ネオジム(1-メチルヘプチル)、(2-エチルヘキシル)ホスホン酸ネオジム(2-エチルヘキシル)、デシルホスホン酸ネオジムデシル、ドデシルホスホン酸ネオジムドデシル、オクタデシルホスホン酸ネオジムオクタデシル、オレイルホスホン酸ネオジムオレイル、フェニルホスホン酸ネオジムフェニル、(p-ノニルフェニル)ホスホン酸ネオジム(p-ノニルフェニル)、(2-エチルヘキシル)ホスホン酸ネオジムブチル、ブチルホスホン酸ネオジム(2-エチルヘキシル)、(2-エチルヘキシル)ホスホン酸ネオジム(1-メチルヘプチル)、(1-メチルヘプチル)ホスホン酸ネオジム(2-エチルヘキシル)、(p-ノニルフェニル)ホスホン酸ネオジム(2-エチルヘキシル)、及び(2-エチルヘキシル)ホスホン酸ネオジム(p-ノニルフェニル)が挙げられる。
適切なネオジム有機ホスフィン酸エステルの非限定的な例としては、ブチルホスフィン酸ネオジム、ペンチルホスフィン酸ネオジム、ヘキシルホスフィン酸ネオジム、ヘプチルホスフィン酸ネオジム、オクチルホスフィン酸ネオジム、(1-メチルヘプチル)ホスフィン酸ネオジム、(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸ネオジム、デシルホスフィン酸ネオジム、ドデシルホスフィン酸ネオジム、オクタデシルホスフィン酸ネオジム、オレイルホスフィン酸ネオジム、フェニルホスフィン酸ネオジム、(p-ノニルフェニル)ホスフィン酸ネオジム、ジブチルホスフィン酸ネオジム、ジペンチルホスフィン酸ネオジム、ジヘキシルホスフィン酸ネオジム、ジヘプチルホスフィン酸ネオジム、ジオクチルホスフィン酸ネオジム、ビス(1-メチルヘプチル)ホスフィン酸ネオジム、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸ネオジム、ジデシルホスフィン酸ネオジム、ジドデシルホスフィン酸ネオジム、ジオクタデシルホスフィン酸ネオジム、ジオレイルホスフィン酸ネオジム、ジフェニルホスフィン酸ネオジム、ビス(p-ノニルフェニル)ホスフィン酸ネオジム、ブチル(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸ネオジム、(1-メチルヘプチル)(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸ネオジム、及び(2-エチルヘキシル)(p-ノニルフェニル)ホスフィン酸ネオジムが挙げられる。
適切なネオジムカルバミン酸エステルの非限定的な例としては、ジメチルカルバミン酸ネオジム、ジエチルカルバミン酸ネオジム、ジイソプロピルカルバミン酸ネオジム、ジブチルカルバミン酸ネオジム及びジベンジルカルバミン酸ネオジムが挙げられる。
適切なネオジムジチオカルバミン酸塩の非限定的な例としては、ジメチルジチオカルバミン酸ネオジム、ジエチルジチオカルバミン酸ネオジム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ネオジム、ジブチルジチオカルバミン酸ネオジム及びジベンジルジチオカルバミン酸ネオジムが挙げられる。
適切なネオジムキサントゲン酸塩の非限定的な例としては、メチルキサントゲン酸ネオジム、エチルキサントゲン酸ネオジム、イソプロピルキサントゲン酸ネオジム、ブチルキサントゲン酸ネオジム及びベンジルキサントゲン酸ネオジムを挙げることができる。
適切なネオジムβ-ジケトン酸塩の非限定的な例としては、ネオジムアセチルアセトネート、ネオジムトリフルオロアセチルアセトネート、ネオジムヘキサフルオロアセチルアセトネート、ネオジムベンゾイルアセトナート及びネオジム2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオナートが挙げられる。
適切なネオジムアルコキシドまたはアリールオキシドの非限定的な例としては、
ネオジムメトキシド、ネオジムエトキシド、ネオジムイソプロポキシド、ネオジム2-エチルヘキサオキシド、ネオジムフェノキシド、ネオジムノニルフェノキシド及びネオジムナフトキシドが挙げられる。
適切なネオジムハライドの非限定的な例としては、フッ化ネオジム、塩化ネオジム、臭化ネオジム及びヨウ化ネオジムが挙げられ、適切なネオジム擬ハライドの非限定的な例としては、ネオジムシアニド、ネオジムシアネート、ネオジムチオシアネート、ネオジムアジド及びネオジムフェロシアニドが挙げられ、また、適切なネオジムオキシハライドの非限定的な例としては、ネオジムオキシフッ化物、ネオジム酸塩化物及びオキシ臭化ネオジムが挙げられる。例えばテトラヒドロフラン(「THF)等のルイス塩基を、不活性有機溶媒中でこれらの類のネオジム化合物を可溶化するための助剤として使用してもよい。ランタニドハライド、ランタニドオキシハライドまたはハロゲン原子を含んでいる他のランタニド含有化合物が使用される場合は、上記の触媒システム中のハロゲン供与源の全部または一部として、ランタニド含有化合物を適用してもよい。
ここで用いられる例では、有機ランタニド化合物という用語は、少なくとも1つのランタニド-炭素結合を含むあらゆるランタニド含有化合物を指す。これらの化合物は、圧倒的かつ非排他的には、シクロペンタジエニル(「Cp」)、置換シクロペンタジエニル、アリル及び置換アリル配位子を含む化合物である。適切な有機ランタニド化合物の非限定的な例としては、Cp3Ln、Cp2LnR、Cp2LnCl、CpLnCl2、CpLn(シクロオクタテトラエン)、(C5Me52LnR、LnR3、Ln(アリール)3、及びLn(アリール)3Clを挙げることができ、式中、Lnはランタニド原子を表し、Rはヒドロカルビル基を表す。1つ以上の実施形態において、本発明に有用なヒドロカルビル基は、例えば窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄及びリン原子等のヘテロ原子を含んでもよい。
上記のように、本発明の中で使用される触媒システムは、アルキル化剤を含むことができる。1つ以上の実施形態において、ヒドロカルビル化薬剤として呼ぶこともできるアルキル化剤は、1つ以上のヒドロカルビル基を別の金属に移動させることができる有機金属化合物を含む。典型的には、これらの薬剤は、例えば1族、2族及び3族の金属(IA族、IIA族及びIIIA族の金属)等の電気的陽性金属の有機金属化合物を含む。本発明に有用なアルキル化剤の非限定的な例としては、有機アルミニウム及び有機マグネシウム化合物が挙げられる。ここで用いられる例では、有機アルミニウム化合物という用語は、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合を含むあらゆるアルミニウム化合物を指す。1つ以上の実施形態において、炭化水素溶媒中に可溶な有機アルミニウム化合物を使用できる。ここで用いられる例では、有機マグネシウム化合物という用語は、少なくとも1つのマグネシウム-炭素結合を含むあらゆるマグネシウム化合物を指す。1つ以上の実施形態において、炭化水素中で可溶な有機マグネシウム化合物を使用できる。更に下に詳述するように、適切なアルキル化剤の数個の化学種をハライドの形とすることができる。アルキル化剤がハロゲン原子を含む場合、このアルキル化剤はまた、上記の触媒システム中でハロゲン供与源の全部または一部として機能してもよい。
1つ以上の実施形態において、利用可能な有機アルミニウム化合物は、一般式AlRn3-nによって表される化合物を含み、式中、各Rは独立に、炭素原子を介してアルミニウム原子に結合する一価の有機基であってもよく、式中、各Xは独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシラート基、アルコキシド基またはアリールオキシド基であってもよく、かつ式中、nは1〜3の範囲の整数であってもよい。有機アルミニウム化合物がハロゲン原子を含む場合、この有機アルミニウム化合物は、触媒システム中で、アルキル化剤及び少なくとも一部のハロゲン供与源の両方として機能できる。1つ以上の実施形態において、各Rは独立に、例えばアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、アラルキル、アルカリル、アリル及びアルキニル基等のヒドロカルビル基であってもよく、各基は、炭素原子1個または基を成すに適切な最小の炭素原子数から、約20の炭素原子までの範囲の炭素原子を含む。これらのヒドロカルビル基は、非限定的な例として窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄及びリン原子を含むヘテロ原子を含んでもよい。
一般式AlRn3-nによって表されるタイプの有機アルミニウム化合物の非限定的な例としては、トリヒドロカルビルアルミニウム、ジヒドロカルビルアルミニウムハイドライド、ヒドロカルビルアルミニウムジヒドリド、ジヒドロカルビルアルミニウムカルボキシレート、ヒドロカルビルアルミニウムビス(カルボキシレート)、ジヒドロカルビルアルミニウムアルコキシド、ヒドロカルビルアルミニウムジアルコキシド、ジヒドロカルビルアルミニウムハライド、ヒドロカルビルアルミニウムジハライド、ジヒドロカルビルアルミニウムアリールオキシド、及びヒドロカルビルアルミニウムジアリールオキシド化合物が挙げられる。一実施形態では、アルキル化剤は、トリヒドロカルビルアルミニウム、水酸化ジヒドロカルビルアルミニウムおよび/またはヒドロカルビルアルミニウムジヒドリド化合物を含んでもよい。一実施形態では、アルキル化剤が水素化有機アルミニウム化合物を含む場合は、米国特許第7,008,899号に開示されるように、上記のハロゲン供与源はハロゲン化スズによって提供することができ、この開示の全体は、参照事項として本願に包含される。
適切なトリヒドロカルビルアルミニウム化合物の非限定的な例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−n−ペンチルアルミニウム、トリネオペンチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリス(2-エチルヘキシル)アルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリス(1-メチルシクロペンチル)アルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ−p−トリルアルミニウム、トリス(2,6−ジメチルフェニル)アルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルフェニルアルミニウム、ジエチル−p−トリルアルミニウム、ジエチルベンジルアルミニウム、エチルジフェニルアルミニウム、エチルジ−p−トリルアルミニウム、及びエチルジベンジルアルミニウムが挙げられる。
適切な水素化ジヒドロカルビルアルミニウム化合物の非限定的な例としては、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジイソプロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジ−n−オクチルアルミニウム、水素化ジフェニルアルミニウム、水素化ジ−p−トリルアルミニウム、水素化ジベンジルアルミニウム、水素化フェニルエチルアルミニウム、水素化フェニル−n−プロピルアルミニウム、水素化フェニルイソプロピルアルミニウム、水素化フェニル−n−ブチルアルミニウム、水素化フェニルイソブチルアルミニウム、水素化フェニル−n−オクチルアルミニウム、水素化−p−トリルエチルアルミニウム、水素化−p−トリル−n−プロピルアルミニウム、水素化−p−トリルイソプロピルアルミニウム、水素化−p−トリル−n−ブチルアルミニウム、水素化−p−トリルイソブチルアルミニウム、水素化−p−トリル−n−オクチルアルミニウム、水素化ベンジルエチルアルミニウム、水素化ベンジル−n−プロピルアルミニウム、水素化ベンジルイソプロピルアルミニウム、水素化ベンジル−n−ブチルアルミニウム、水素化ベンジルイソブチルアルミニウム及び水素化ベンジル−n−オクチルアルミニウムが挙げられる。
適切なヒドロカルビルアルミニウムジヒドリドの非限定的な例としては、エチルアルミニウムジヒドリド、n−プロピルアルミニウムジヒドリド、イソプロピルアルミニウムジヒドリド、n−ブチルアルミニウムジヒドリド、イソブチルアルミニウムジヒドリド及びn―オクチルアルミニウムジヒドリドが挙げられる。
適切なジヒドロカルビルアルミニウムハライド化合物の非限定的な例としては、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジ−n−プロピルアルミニウム、塩化ジイソプロピルアルミニウム、塩化ジ−n−ブチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、塩化ジ−n−オクチルアルミニウム、塩化ジフェニルアルミニウム、塩化ジ−p−トリルアルミニウム、塩化ジベンジルアルミニウム、塩化フェニルエチルアルミニウム、塩化フェニル−n−プロピルアルミニウム、塩化フェニルイソプロピルアルミニウム、塩化フェニル−n−ブチルアルミニウム、塩化フェニルイソブチルアルミニウム、塩化フェニル−n−オクチルアルミニウム、塩化−p−トリルエチルアルミニウム、塩化−p−トリル−n−プロピルアルミニウム、塩化−p−トリルイソプロピルアルミニウム、塩化−p−トリル−n−ブチルアルミニウム、塩化−p−トリルイソブチルアルミニウム、塩化−p−トリル−n−オクチルアルミニウム、塩化ベンジルエチルアルミニウム、塩化ベンジル−n−プロピルアルミニウム、塩化ベンジルイソプロピルアルミニウム、塩化ベンジル−n−ブチルアルミニウム、塩化ベンジルイソブチルアルミニウム及び塩化ベンジル−n−オクチルアルミニウムが挙げられる。
適切なヒドロカルビルアルミニウムジハライド化合物の非限定的な例としては、二塩化エチルアルミニウム、二塩化−n−プロピルアルミニウム、二塩化イソプロピルアルミニウム、二塩化−n−ブチルアルミニウム、二塩化イソブチルアルミニウム及び二塩化n−オクチルアルミニウムが挙げられる。
一般式AlRn3-nによって表すことができるアルキル化剤として有用な他の有機アルミニウム化合物の非限定的な例としては、ヘキサン酸ジメチルアルミニウム、オクタン酸ジエチルアルミニウム、2−エチルヘキサン酸ジイソブチルアルミニウム、ネオデカン酸ジメチルアルミニウム、ステアリン酸ジエチルアルミニウム、オレイン酸ジイソブチルアルミニウム、ビス(ヘキサン酸)メチルアルミニウム、ビス(オクタン酸)エチルアルミニウム、ビス(2−エチルヘキサン酸)イソブチルアルミニウム、ビス(ネオデカン酸)メチルアルミニウム、ビス(ステアリン酸)エチルアルミニウム、ビス(オレイン酸)イソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジイソブチルアルミニウムフェノキシド、メチルアルミニウムジメトキシド、エチルアルミニウムジメトキシド、イソブチルアルミニウムジメトキシド、メチルアルミニウムジエトキシド、エチルアルミニウムジエトキシド、イソブチルアルミニウムジエトキシド、メチルアルミニウムジフェノキシド、エチルアルミニウムジフェノキシド及びイソブチルアルミニウムジフェノキシドが挙げられる。
本発明の中のアルキル化剤としての使用に適切な有機アルミニウム化合物の別の類は、アルミノキサンである。アルミノキサンは、一般式
によって表すことができる直鎖アルミノキサンオリゴマー及び一般式
によって表すことができる環状アルミノキサンオリゴマーを含んでいてもよく、式中、xは、1〜約100または約10〜約50の範囲の整数であってもよく、yは、2〜約100または約3〜約20の範囲の整数であってもよく、及び式中、各Rは独立に、炭素原子を介してアルミニウム原子に結合する一価の有機基であってもよい。一実施形態では、各Rは独立にヒドロカルビル基であってよく、非限定的に、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、アラルキル、アルカリル、アリル及びアルキニルの各基を含み、各基は、炭素原子1個または基を成すに適切な最小の炭素原子数から、約20の炭素原子までの範囲の炭素原子を含む。これらのヒドロカルビル基はヘテロ原子含むこともでき、非限定的な例として窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄及びリン原子を挙げることができる。本出願の中で用いられるアルミノキサンのモル数がオリゴマーのアルミノキサン分子のモル数よりむしろアルミニウム原子のモル数を指すことに、留意する必要がある。この表記法は、従来技術のアルミノキサンを利用する触媒システムで一般に使用される。
トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を水と反応させることによって、アルミノキサンを調製することができる。この反応は、既知の方法によって予備形成でき、その方法として例えば、(1)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を有機溶媒に溶解し、次いで水と接触させる方法、(2)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を、例えば金属塩中に含まれる結晶水と、または無機あるいは有機化合物に吸着される水と反応させる方法、または(3)重合しようとするモノマーまたはモノマー溶液の存在下で、トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を水と反応させる方法、を挙げることができる。
適切なアルミノキサン化合物の非限定的な例としては、メチルアルミノキサン(「MAO」)、変性メチルアルミノキサン(「MMAO」)、エチルアルミノキサン、n−プロピルアルミノキサン、イソプロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、n−ペンチルアルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、n−ヘキシルアルミノキサン、n−オクチルアルミノキサン、2-エチルヘキシルアルミノキサン、シクロヘキシルアルミノキサン、1-メチルシクロペンチルアルミノキサン、フェニルアルミノキサン及び2,6−ジメチルフェニルアルミノキサンが挙げられる。変性メチルアルミノキサンは、当業者に既知の技術を用いて、メチルアルミノキサンのメチル基の約20〜80パーセントをC2〜C12のヒドロカルビル基、好ましくはイソブチル基で置換することにより、生成できる。
アルミノキサンは、他の有機アルミニウム化合物と組合わせてまたは単独で用いることができる。一実施形態では、メチルアルミノキサンと、少なくとも1つの他の有機アルミニウム化合物(例えばAlRn3-n)、例えば水素化ジイソブチルアルミニウム等、とを、組合せて用いることができる。米国特許公開公報公表第2008/0182954号は、全体の開示が参照事項として本願に包含されるが、これは、アルミノキサンと有機アルミニウム化合物とを組合せて用いることができる他の実施例を提供する。
上記のように、本発明に有用なアルキル化剤は、有機マグネシウム化合物を含んでいてもよい。1つ以上の実施形態において、利用できる有機マグネシウム化合物は、一般式MgR2によって表される化合物を含み、式中、各Rは独立に、炭素原子を介してマグネシウム原子に結合する一価の有機基であってもよい。1つ以上の実施形態において、各Rは独立に、ヒドロカルビル基であってもよく、非限定的に、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリル及びアルキニル基を含み、各基は、炭素原子1個または基を成すに適切な最小の炭素原子数から、約20の炭素原子までの範囲の炭素原子を含む。これらのヒドロカルビル基は、ヘテロ原子含むこともでき、その非限定的な例として窒素、酸素、ケイ素、硫黄及びリン原子を挙げることができる。
一般式MgR2によって表すことができる適切な有機マグネシウム化合物の非限定的な例としては、ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム及びジベンジルマグネシウムが挙げられる。
アルキル化剤として利用できる有機マグネシウム化合物の別の類は、一般式RMgXによって表すことができ、式中、Rは、炭素原子を介してマグネシウム原子に結合する一価の有機基であってもよく、またXは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシラート基、アルコキシド基またはアリールオキシド基であってもよい。有機マグネシウム化合物がハロゲン原子を含む場合は、この有機マグネシウム化合物は、触媒システム中でアルキル化剤とハロゲン供与源の少なくとも一部との両方として機能できる。1つ以上の実施形態において、Rはヒドロカルビル基であってもよく、非限定に、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリル及びアルキニル基を含み、各基は、炭素原子1個または基を成すに適切な最小の炭素原子数から、約20の炭素原子までの範囲の炭素原子を含む。また、これらのヒドロカルビル基は、ヘテロ原子を含んでもよく、その非限定的な例としては、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄及びリン原子を挙げることができる。一実施形態ではXは、カルボキシラート基、アルコキシド基またはアリールオキシド基であってもよく、各基は1〜約20の範囲の炭素原子を含有する。
一般式RMgXによって表すことができる有機マグネシウム化合物のタイプの非限定的な例としては、ヒドロカルビルマグネシウムヒドリド、ヒドロカルビルマグネシウムハライド、ヒドロカルビルマグネシウムカルボキシレート、ヒドロカルビルマグネシウムアルコキシド及びヒドロカルビルマグネシウムアリールオキシドが挙げられる。
一般式RMgXによって表すことができる適切な有機マグネシウム化合物の非限定的な例としては、水素化メチルマグネシウム、水素化エチルマグネシウム、水素化ブチルマグネシウム、水素化ヘキシルマグネシウム、水素化フェニルマグネシウム、水素化ベンジルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウム、塩化ヘキシルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム、塩化ベンジルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化ブチルマグネシウム、臭化ヘキシルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウム、臭化ベンジルマグネシウム、ヘキサン酸メチルマグネシウム、ヘキサン酸エチルマグネシウム、ヘキサン酸ブチルマグネシウム、ヘキサン酸ヘキシルマグネシウム、ヘキサン酸フェニルマグネシウム、ヘキサン酸ベンジルマグネシウム、メチルマグネシウムエトキシド、エチルマグネシウムエトキシド、ブチルマグネシウムエトキシド、ヘキシルマグネシウムエトキシド、フェニルマグネシウムエトキシド、ベンジルマグネシウムエトキシド、メチルマグネシウムフェノキシド、エチルマグネシウムフェノキシド、ブチルマグネシウムフェノキシド、ヘキシルマグネシウムフェノキシド、フェニルマグネシウムフェノキシド及びベンジルマグネシウムフェノキシドが挙げられる。
上記のように、本発明で使用される触媒システムは、ハロゲン供与源を含んでいてもよい。ここで用いられる例では、ハロゲン供与源という用語は、少なくとも1つのハロゲン原子を含むあらゆる物質を指す。1つ以上の実施形態において、化合物が少なくとも1つのハロゲン原子を含むとき、ハロゲン供与源の少なくとも一部は、上記のランタニド含有化合物のいずれかおよび/または上記のアルキル化剤により提供できる。換言すれば、ランタニド含有化合物は、ランタニド含有化合物として及びハロゲン供与源の少なくとも一部としての両方の機能を果たすことができる。同様に、アルキル化剤は、アルキル化剤として及びハロゲン供与源の少なくとも一部としての両方の機能を果たすことができる。
別の実施形態では、ハロゲン供与源の少なくとも一部は、別個かつ異なるハロゲン含有化合物の形態で、触媒システム中に存在できる。1つ以上のハロゲン原子を含む各種化合物またはこれらの混合物を、ハロゲン供与源として用いることができる。ハロゲン原子の非限定的な例としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を挙げることができる。また、2つ以上のハロゲン原子の組合せも利用できる。炭化水素溶媒に可溶なハロゲン含有化合物は、本発明での使用に適切である。しかしながら、炭化水素に不溶なハロゲン含有化合物は、重合系中で懸濁して触媒活性化学種を生成できるので、これもまた有用である。
使用できる有用なタイプのハロゲン含有化合物の非限定的な例としては、ハロゲン元素、混合ハロゲン、ハロゲン化水素、有機ハライド、無機ハライド、金属ハライド及び有機金属系ハライドが挙げられる。
本発明に適切なハロゲン元素の非限定的な例としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。適切な混合ハロゲンのいくつかの具体的な例としは、ヨウ素一塩化物、一臭化ヨウ素、三塩化ヨウ素及びヨウ素五フッ化物が挙げられる。
ハロゲン化水素の非限定的な例としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素が挙げられる。
有機ハライドの非限定的な例としては、塩化t―ブチル、t-ブチルブロミド、アリルクロライド、臭化アリル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、クロロジフェニルメタン、ブロム-ジフェニルメタン、トリフェニルメチルクロリド、臭化トリフェニルメチル、塩化ベンジリデン、臭化ベンジリデン(α,α−ジブロモトルエンまたは臭化ベンザルとも呼ぶ)、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、塩化プロピオニル、臭化プロピオニル、クロロ蟻酸メチル、ブロモ蟻酸メチル、四臭化炭素(テトラブロモメタンとも呼ぶ)、トリブロモメタン(ブロモホルムとも呼ぶ)、ブロモメタン、ジブロモメタン、1-ブロモプロパン、2-ブロモプロパン、1,3-ジブロモプロパン、2,2−ジメチル-1-ブロモプロパン(臭化ネオペンチルとも呼ぶ)、臭化フォルミル、臭化アセチル、臭化プロピオニル、臭化ブチリル、臭化イソブチリル、臭化バレロイル、臭化イソバレリル、臭化ヘキサノイル、臭化ベンゾイル、メチルブロモ酢酸、2-ブロムプロピオン酸メチル、3-ブロムプロピオン酸メチル、2-ブロム酪酸メチル、2-ブロムヘキサン酸メチル、4-ブロモクロトン酸メチル、2-ブロム安息香酸メチル、3-ブロム安息香酸メチル、安息香酸メチル4-ブロム、ヨードメタン、ジヨードメタン、トリヨードメタン(ヨードホルムとも呼ぶ)、四ヨウ化炭素、1−ヨードプロパン、2-ヨードプロパン、1、3-ジヨードプロパン、ヨウ化t-ブチル、2,2−ジメチル-1-ヨードプロパン(ヨウ化ネオペンチルとも呼ぶ)、ヨウ化アリル、ヨードベンゼン、ヨウ化ベンジル、ヨウ化ジフェニルメチル、ヨウ化トリフェニルメチル、ヨウ化ベンジリデン(ヨウ化ベンザルまたはα,α−ジヨードトルエンとも呼ぶ)、ヨウ化トリメチルシリル、ヨウ化トリエチルシリル、ヨウ化トリフェニルシリル、ジメチルジヨードシラン、ジエチルジヨードシラン、ジフェニルジヨードシラン、メチルトリヨードシラン、エチルトリヨードシラン、フェニルトリヨードシラン、ヨウ化ベンゾイル、ヨウ化プロピオニル及びメチルヨードホルマートが挙げられる。
無機ハライドの非限定的な例としては、三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、四フッ化ケイ素、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、三塩化ヒ素、三フッ化ヒ素、三ヨウ化ヒ素、四塩化セレニウム、四臭化セレニウム、四塩化テルル、四臭化テルリウム及び四ヨウ化テルリウムが挙げられる。
金属ハライドの非限定的な例としては、四塩化スズ、四臭化スズ、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三塩化アンチモン(III)、五塩化アンチモ
ン(V)、三臭化アンチモン、三ヨウ化アルミニウム、三フッ化アルミニウム
、三塩化ガリウム、三臭化ガリウム、三ヨウ化ガリウム、三フッ化ガリウム、三塩化インジウム、三臭化インジウム、三ヨウ化インジウム、三フッ化インジウム、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、二塩化亜鉛、二臭化亜鉛、二ヨウ化亜鉛及び二フッ化亜鉛が挙げられる。
有機金属系ハライドの非限定的な例としては、塩化ジメチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジメチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、フッ化ジメチルアルミニウム、フッ化ジエチルアルミニウム、二塩化メチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二臭化メチルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二フッ化メチルアルミニウム、二フッ化エチルアルミニウム、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、イソブチルアルミニウムセスキクロライド、塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウム、臭化ブチルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウム、塩化ベンジルマグネシウム、トリメチルスズ塩化物、臭化トリメチルスズ、塩化トリエチルスズ、臭化トリエチルスズ、二塩化ジ−t−ブチルスズ、二臭化ジ−t−ブチルスズ、二塩化ジブチルスズ、二臭化ジブチルスズ、塩化トリブチルスズ及び臭化トリブチルスズが挙げられる。
1つ以上の実施形態において、上記の触媒システムは、非配位性アニオンまたは非配位性アニオン前駆体を含む化合物を含むことができる。1つ以上の実施形態において、非配位性アニオンまたは非配位性アニオン前駆体を含む化合物を、上記のハロゲン供与源に代えて用いることができる。非配位性アニオンは、立体的に巨大なアニオンであり、立体障害が原因で、例えば触媒システムの活性中心と配位結合を生成しない。本発明に有用な非配位性アニオンの非限定的な例としては、テトラアリールボレートアニオン及びフッ化テトラアリールボレートアニオンが挙げられる。また、非配位性アニオンを含む化合物は、例えばカルボニウム、アンモニウムまたはホスホニウムカチオン等のカウンターカチオンを含むこともできる。例示的なカウンターカチオンの非限定的な例としては、トリアリールカルボニウムカチオン及びN,N-ジアルキルアニリニウムカチオンが挙げられる。非配位性アニオン及びカウンターカチオンを含む化合物の非限定的な例としては、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、及びN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートが挙げられる。
また、非配位性アニオン前駆体を、この実施形態に用いることができる。非配位性アニオン前駆体は、反応条件下で非配位性アニオンを生成することができる化合物である。有用な非配位性アニオン前駆体の非限定的な例としては、トリアリールボロン化合物(BR3)が挙げられ、式中、Rは強力な電子求引性のアリール基であり、例えばペンタフルオロフェニルまたは3、5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基が挙げられる。
上述の通り、ランタニド含有化合物、アルキル化剤及びハロゲン供与源を導入する際に、活性触媒が生成される。本発明に従えば、これは、スルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドが実質的に不在な環境下で生じる。得られた活性触媒は、共役ジエンモノマーを重合させて高シス1,4−ポリジエンを生成することができる。特定の理論によって縛られることを望むものではないが、活性触媒は、モノマーと配位でき活性ランタニドの金属中心と成長中のポリマー鎖との間の共有結合にモノマーを挿入することができるπ-アリル錯体を、活性中間体として含んでいると考えられる。
1つ以上の活性触媒化学種は触媒配合剤の組合せから得られていると考えられるが、各種の触媒配合剤または成分の間での相互作用または反応の程度は、さほど解明されていない。したがって、活性触媒または触媒組成物という用語は、この混合物、複合、反応生成物または組合せが上述の通りモノマーを重合させることができる限りにおいて、成分の単純な混合物、物理または化学引力に起因する各種成分の複合物、成分の化学反応生成物、または前述の成分の組合せをカバーするように使用されている。
前述のランタニドベースの触媒組成物は、広範囲にわたる触媒濃度及び触媒成分比で、シス1、4−ポリジエンに共役ジエンを重合させるための高い触媒活性を有してもよい。数個の因子が、任意の触媒成分のうち1つの最適濃度に影響を与え得る。例えば、触媒成分は相互に作用して活性化学種を生成できるので、任意の1つの触媒成分のための最適濃度は、他の触媒成分の濃度に依存し得る。
1つ以上の実施形態において、アルキル化剤のランタニド含有化合物に対するモル比(アルキル化剤/Ln)は、約1:1〜約1,000:1で変えることができ、別の実施形態では約2:1〜約500:1、また別の実施形態では約5:1〜約200:1である。
アルミノキサン及び少なくとも1つの他の有機アルミニウム剤の両方がアルキル化剤として使用される実施形態では、アルミノキサンのランタニド含有化合物に対するモル比(アルミノキサン/Ln)は、5:1〜約1,000:1で変えることができ、別の実施形態では約10:1〜約700:1、また別の実施形態では約20:1〜約500:1であり、かつ少なくとも1つの他の有機アルミニウム化合物のランタニド含有化合物に対するモル比(Al/Ln)は、約1:1〜約200:1で変えることができ、別の実施形態では約2:1〜約150:1、また別の実施形態では約5:1〜約100:1である。
ハロゲン含有化合物のランタニド含有化合物に対するモル比は、ハロゲン供与源中のハロゲン原子のモルの、ランタニド含有化合物中のランタニド原子のモルに対する比(ハロゲン/Ln)を用いて、最も適切に表現される。1つ以上の実施形態において、ハロゲン/Lnモル比は、約0.5:1〜約20:1で変えることができ、別の実施形態では約1:1〜約10:1、また別の実施形態では約2:1〜約6:1である。
また別の実施形態では、非配位性アニオンまたは非配位性アニオン前駆体のランタニド含有化合物に対するモル比(An/Ln)は、約0.5:1〜約20:1であってもよく、別の実施形態では約0.75:1〜約10:1、また別の実施形態では約1:1〜約6:1であってもよい。
活性触媒は、各種方法によって生成することができる。
1つ以上の実施形態において、活性触媒は予備形成手順を用いて予備形成してもよい。すなわち、触媒成分は、重合系の外側で、約−20℃〜約80℃となってもよい適切な温度で、モノマー不在下または少量の少なくとも1つの共役ジエンモノマーの存在下のいずれかで予備混合される。得られた触媒組成物は、予備形成された触媒と呼ぶこともできる。予備形成された触媒は、希望する場合、重合しようとするモノマーに加える前に、エージングを行ってもよい。ここで用いられる例では、少量のモノマーという呼称は、触媒形成中のモノマー100g当たり2mmol、別の実施形態では3mmolを超え、別の実施形態では、4mmolを超えるランタニド含有化合物の触媒投入量を指す。特定の実施形態では、予備形成された触媒は、インライン予備形成手順によって調製され、触媒成分を供給ラインに導入し、モノマー不在下で、または少量の少なくとも1つの共役ジエンモノマーの存在下で混合されてもよい。得られた予備形成された触媒は、将来の使用のために保存され、あるいは、重合しようとするモノマーに直接供給される。
別の実施形態では、活性触媒は、重合しようとするモノマーに段階的にまたは同時に、触媒成分を加えることによってその場で生成されてもよい。一実施形態では、先ずアルキル化剤を加え、次にランタニド含有化合物、次いでハロゲン供与源または非配位性アニオンを含む化合物もしくは非配位性アニオン前駆体を加えることができる。1つ以上の実施形態において、触媒成分のうちの2つを、モノマーへの添加の前に予備混合してもよい。例えば、ランタニド含有化合物とアルキル化剤を予備混合し、これをモノマーに単一流れとして加えてもよい。あるいは、ハロゲン供与源とアルキル化剤を予備混合し、これをモノマーに単一流れとして加えてもよい。触媒のその場での形成は、触媒形成中のモノマー100g当たりのランタニド含有化合物が2mmol未満、別の実施形態では1mmol未満、別の実施形態では0.2mmol未満、別の実施形態では0.1mmol未満、別の実施形態では0.05mmol未満、別の実施形態では0.006mmol以下の触媒投入量により特徴づけられてもよい。
活性触媒を調製するために使用される方法に関係なく、活性触媒は、スルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドの実質的な不在下で生成される。ここで用いられる例では、実質的な不在とは、触媒の形成または性能に有害な影響を与えない、これらの化合物の量またはそれより少ない量を指す。1つ以上の実施形態において、活性触媒は、ランタニド含有化合物中のランタニド金属のモル当たり、スルホン、スルホキシドまたはホスフィンオキシドが1モル未満の存在下で生成され、別の実施形態では0.1モル未満の存在下、さらに別の実施形態では0.01モル未満の存在下で生成される。別の実施形態では、触媒は、スルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドの本質的な不在下で生成され、それは、スルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドが僅少な量またはこれより少ないことを指す。特定の実施形態では、活性触媒は、スルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドの完全な不在下で生成される。
活性触媒が予備形成手順でまたはその場で調製された後、共役ジエンモノマーの重合は、活性触媒及び重合調節物(すなわちスルホン、スルホキシドまたはホスフィンオキシド)の存在下で行われる。1つ以上の実施形態において、重合しようとするモノマー溶液(またはバルクモノマー)に、重合調節物は、直接かつ個々に導入される。換言すれば、重合系に導入される前に、スルホン、スルホキシドまたはホスフィンオキシドは、各種触媒成分と複合体を形成していない。
1つ以上の実施形態において、予備形成された触媒の導入の前に、モノマー溶液(またはバルクモノマー)中に重合調節物が存在してもよい。例えば、重合調節物は、モノマー溶液(またはバルクモノマー)に、直接かつ個々に導入され、次いで、予備形成された触媒が、モノマー及び重合調節物の混合物に導入される。これらの実施形態では、モノマー溶液(またはバルクモノマー)への重合調節物の導入は、予備形成された触媒の導入の前に活性触媒を有していない重合調節物/モノマーブレンドを生成する。
別の実施形態では、重合調節物及び予備形成された触媒は、同時に、あるいは別々にかつ個々に、重合しようとするモノマー溶液(またはバルクモノマー)に加えられてもよい。
別の実施形態では、重合調節物は、予備形成された触媒がモノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入される前に、予備形成された触媒に導入される。したがって、これらの実施形態では、重合調節物及び予備形成された触媒は、単一流れとしてモノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入される。例えば、予備形成された触媒が上記のようにインライン予備形成手順によって調製される場合、重合調節物は、触媒の形成後、ラインの中で予備形成された触媒に加えられてもよい。いくつかの実施形態では、重合調節物及び予備形成された触媒が接触した後、比較的短い時間内に重合調節物及び予備形成された触媒を含む流れが、モノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入される。特定の実施形態で、重合調節物及び予備形成された触媒が接触した後1分未満以内に、重合調節物及び予備形成された触媒を含む流れがモノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入される。
別の実施形態では、活性触媒を生成するための触媒成分の導入の後、または予備形成された触媒の導入の後に、重合調節物は、モノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入される。換言すれば、重合調節物は活性触媒を含むモノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入される。上記のように、活性触媒は、その場でまたは予備形成手順によって生成されてもよい。当業者が理解するように、重合調節物の導入の前に、活性触媒がモノマー溶液(またはバルクモノマー)中に存在する場合、重合調節物を導入する時に、活性触媒が、オリゴマーの化学種を増加させる形態であってもよい。この事に関し、活性触媒とは、低分子量のリビングオリゴマー種または疑似リビングオリゴマー種を指してもよいことを、当業者は理解するだろう。1つ以上の実施形態において、重合調節物はモノマーの5%が重合する前に導入され、別の実施形態では、3%の前、別の実施形態では、1%の前、及び別の実施形態ではモノマーの0.5%が重合する前に導入される。
上記のように、重合調節物は、スルホン、スルホキシド、ホスフィンオキシドまたはこれらの混合物を含んでもよい。
1つ以上の実施形態において、適切なスルホンは、式
によって表される化合物を含み、式中、各Rは独立に一価の有機基であり、または式中、2つのR基が結合して二価基を生成する。
1つ以上の実施形態において、適切なスルホキシドは、式
によって表される化合物を含み、式中、各Rは独立に一価の有機基であり、または式中、2つのR基が結合して二価の有機基を生成する。
1つ以上の実施形態において、適切なホスフィンオキシドは、式
によって表される化合物を含み、式中、各Rは独立に一価の有機基であり、または式中、2つのR基が結合して二価の有機基を生成し、または3つのR基が結合して三価基を生成する。
1つ以上の実施形態において、一価の有機基は、置換ヒドロカルビル基を含むヒドロカルビル基を含んでもよい。これらのヒドロカルビル基はヘテロ原子を含んでもよく、その非限定的な例としては例えば、窒素、酸素、ケイ素、スズ、硫黄、ホウ素及びリン原子が挙げられる。ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基の非限定的な例としては、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アリール、置換アリール基及び複素環基が挙げられる。1つ以上の実施形態において、これらの基は、炭素原子1個または基を成すに必要な最小の炭素原子数から、20の炭素原子までの範囲の炭素原子を含んでいてもよい。
例示的なアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、n−ノニル及びn−デシルの各基を含む。
例示的なシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2-メチルシクロヘキシル、2−t−ブチルシクロヘキシル及び4-t―ブチルシクロヘキシルの各基を含む。
例示的なアリール基は、フェニル、置換フェニル、ビフェニル、置換ビフェニル、二環式のアリール、置換二環式アリール、多環式アリール及び置換多環式アリールの各基を含む。置換アリール基は、水素原子が、例えばヒドロカルビル基等の一価の有機基と置換される基を含む。
例示的な置換フェニル基は、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2,3-ジメチルフェニル、3,4-ジメチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、及び2,4,6-トリメチルフェニル(メシチルとも呼ぶ)の各基を含む。
例示的な二環式または多環式アリール基は、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アントリル、9−フェナントリル、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、2−ナフト[2,3−b]チエニル、2−チアントレニル、1−イソベンジフラニル、2−キサンテニル、2−フェノキサチイニル、2−インドリジニル、N―メチル−2−インドリル、N―メチル−インダゾール−3−イル、N―メチル−8−プリニル、3−イソキノリル、2−キノリル、3−シンノリニル、2−プテリジニル、N―メチル−2−カルバゾリル、N―メチル−β―カルボリン−3−イル、3−フェナントリジニル、2−アクリジニル、1−フタラジニル、1,8−ナフチリジン−2−イル、2−キノキサリニル、2−キナゾリニル、1,7−フェナントロリン−3−イル、1−フェナジニル、N−メチル−2−フェノチアジニル、2−フェナルサジニル、及びN−メチル−2−フェノキサジニルの各基を含む。
例示的な複素環基は、2−チエニル、3−チエニル、2−フリル、3−フリル、N―メチル−2−ピロリル、N―メチル−3−ピロリル、N―メチル−2−イミダゾリル、1−ピラゾリル、N―メチル−3−ピラゾリル、N―メチル−4−ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、3−フラザニル、2−トリアジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル及びイミダゾリニルの各基を含む。
1つ以上の実施形態において、一価の有機基は、ヒドロカルビルオキシ基を含んでもよい。これらのヒドロカルビルオキシ基は、親酸素原子に加えてヘテロ原子を含んでもよい。ヒドロカルビルオキシまたは置換ヒドロカルビルオキシ基の例には、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、置換シクロアルコキシ基、アルケノキシ基、シクロアルケノキシ基、置換シクロアルケノキシ基、アリールオキシ基及び置換アリールオキシ基が含まれる。1つ以上の実施形態において、ヒドロカルビルオキシ基は、炭素原子1個または基を成すに適切な最小の炭素原子数から、20の炭素原子までの範囲の炭素原子を含んでいてもよい。
スルホンの例示的なタイプは、ジヒドロカルビルスルホン、ヒドロカルビレンスルホン、ジヒドロカルビルオキシスルホン(別名硫酸ジヒドロカルビル)、及びヒドロカルビルヒドロカルビルオキシスルホン(別名スルホン酸ヒドロカルビル)を含む。
ジヒドロカルビルスルホンの具体的かつ非限定的な例としては、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジブチルスルホン、ジペンチルスルホン、ジヘキシルスルホン、ジシクロプロピルスルホン、ジシクロブチルスルホン、ジシクロペンチルスルホン、ジシクロヘキシルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルプロピルスルホン、メチルブチルスルホン、メチルペンチルスルホン、メチルヘキシルスルホン、メチルシクロプロピルスルホン、メチルシクロブチルスルホン、メチルシクロペンチルスルホン、メチルシクロヘキシルスルホン、メチルフェニルスルホン、エチルプロピルスルホン、エチルブチルスルホン、エチルペンチルスルホン、エチルヘキシルスルホン、エチルシクロプロピルスルホン、エチルシクロブチルスルホン、エチルシクロペンチルスルホン、エチルシクロヘキシルスルホン、エチルフェニルスルホン、フェニルプロピルスルホン、フェニルブチルスルホン、フェニルペンチルスルホン、フェニルヘキシルスルホン、フェニルシクロプロピルスルホン、フェニルシクロブチルスルホン、フェニルシクロペンチルスルホン及びフェニルシクロヘキシルスルホンが挙げられる。
ヒドロカルビレンスルホンの具体的かつ非限定的な例としては、ペンタメチレンスルホン、テトラメチレンスルホン、ヘキサメチレンスルホン、ヘプタメチレンスルホン、1−メチルヘキサメチレンスルホン及び1−メチルペンタメチレンスルホンが挙げられる。
ジヒドロカルビロキスルホンの具体的かつ非限定的な例としては、ジフェノキシスルホン、ジメトキシスルホン、ジエトキシスルホン、ジプロポキシスルホン、ジブトキシスルホン、ジペントキシスルホン及び1−メチルジフェノキシルスルホンが挙げられる。また、これらの化合物を、例えばジフェニル硫酸エステル及び硫酸ジメチル等の、ジヒドロカルビル硫酸エステルと称してもよいことが、当業者には理解される。
ヒドロカルビルヒドロカルビルオキシスルホンの具体的かつ非限定的な例としては、メチルフェノキシスルホン、メチルメトキシスルホン、メチルエトキシスルホン、エチルフェノキシスルホン、エチルメトキシスルホン、エチルエトキシスルホン、フェニルフェノキシスルホン、フェニルメトキシスルホン及びフェニルエトキシスルホンが挙げられる。また、これらの化合物は、例えばフェニルメチルスルホナート及びメチルフェニルスルホナート等の、ヒドロカルビルスルホナートと称してもよいことが当業者に理解されよう。
スルホキシドの例示的なタイプとしては、ジヒドロカルビルスルホキシド、ヒドロカルビレンスルホキシド、ジヒドロカルビロキスルホキシド(別名亜硫酸ジヒドロカルビル)、及びヒドロカルビルヒドロカルビルオキシスルホキシド(別名スルフィン酸ヒドロカルビル)が挙げられる。
ジヒドロカルビルスルホキシドの具体的かつ非限定的な例としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジペンチルスルホキシド、ジヘキシルスルホキシド、ジシクロプロピルスルホキシド、ジシクロブチルスルホキシド、ジシクロペンチルスルホキシド、ジシクロヘキシルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、メチルプロピルスルホキシド、メチルブチルスルホキシド、メチルペンチルスルホキシド、メチルヘキシルスルホキシド、メチルシクロプロピルスルホキシド、メチルシクロブチルスルホキシド、メチルシクロペンチルスルホキシド、メチルシクロヘキシルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、エチルプロピルスルホキシド、エチルブチルスルホキシド、エチルペンチルスルホキシド、エチルヘキシルスルホキシド、エチルシクロプロピルスルホキシド、エチルシクロブチルスルホキシド、エチルシクロペンチルスルホキシド、エチルシクロヘキシルスルホキシド、エチルフェニルスルホキシド、フェニルプロピルスルホキシド、フェニルブチルスルホキシド、フェニルペンチルスルホキシド、フェニルヘキシルスルホキシド、フェニルシクロプロピルスルホキシド、フェニルシクロブチルスルホキシド、フェニルシクロペンチルスルホキシド及びフェニルシクロヘキシルスルホキシドが挙げられる。
ヒドロカルビレンスルホキシドの具体的かつ非限定的な例としては、ペンタメチレンスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド、ヘプタメチレンスルホキシド、1−メチルヘキサメチレンスルホキシド及び1−メチルペンタメチレンスルホキシドが挙げられる。
ジヒドロカルビロキスルホキシドの具体的かつ非限定的な例としては、ジフェノキシスルホキシド、ジメトキシスルホキシド、ジエトキシスルホキシド、ジプロポキシスルホキシド及びジブトキシスルホキシドが挙げられる。また、これらの化合物は、例えば亜硫酸ジフェニル及び亜硫酸ジメチル等の、亜硫酸ジヒドロカルビルと称してもよいことが、当業者には理解されよう。
ヒドロカルビルヒドロカルビルオキシスルホキシドの具体的かつ非限定的な例としては、
メチルフェノキシスルホキシド、メチルメトキシスルホキシド、メチルエトキシスルホキシド、エチルフェノキシスルホキシド、エチルメトキシスルホキシド、エチルエトキシスルホキシド、フェニルフェノキシスルホキシド、フェニルメトキシスルホキシド及びフェニルエトキシスルホキシドが挙げられる。また、これらの化合物は、例えばメチルスルフィン酸フェニル及びフェニルスルフィン酸メチル等の、スルフィン酸ヒドロカルビルと称してもよいことが、当業者には理解されよう。
ホスフィンオキシドの例示的なタイプは、トリヒドロカルビルホスフィンオキシド、(ヒドロカルビル)(ヒドロカルビレン)ホスフィンオキシド、トリヒドロカルビルオキシホスフィンオキシド(別名リン酸トリヒドロカルビル)、(ジヒドロカルビル)(ヒドロカルビルオキシ)ホスフィンオキシド(別名ヒドロカルビルホスフィン酸エステル)、(ヒドロカルビル)(ジヒドロカルビルオキシ)ホスフィンオキシド(別名ホスホン酸ジヒドロカルビル)、及び(ヒドロカルビルオキシ)(ヒドロカルビレン)ホスフィンオキシド(別名ホスフィン酸ヒドロカルビル)を含む。
トリヒドロカルビルホスフィンオキシドの具体的かつ非限定的な例としては、トリメチルホスフィンオキシド、トリエチルホスフィンオキシド、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリペンチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリシクロプロピルホスフィンオキシド、トリシクロブチルホスフィンオキシド、トリシクロペンチルホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチルジエチルホスフィンオキシド、メチルジプロピルホスフィンオキシド、メチルジブチルホスフィンオキシド、メチルジペンチルホスフィンオキシド、メチルジヘキシルホスフィンオキシド、メチルジシクロプロピルホスフィンオキシド、メチルジシクロブチルホスフィンオキシド、メチルジシクロペンチルホスフィンオキシド、メチルジシクロヘキシルホスフィンオキシド、メチルジフェニルホスフィンオキシド、エチルジメチルホスフィンオキシド、エチルジプロピルホスフィンオキシド、エチルジブチルホスフィンオキシド、エチルジペンチルホスフィンオキシド、エチルジヘキシルホスフィンオキシド、エチルジシクロプロピルホスフィンオキシド、エチルジシクロブチルホスフィンオキシド、エチルジシクロペンチルホスフィンオキシド、エチルジシクロヘキシルホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、フェニルジメチルホスフィンオキシド、フェニルジエチルホスフィンオキシド、フェニルジプロピルホスフィンオキシド、フェニルジブチルホスフィンオキシド、フェニルジペンチルホスフィンオキシド、フェニルジヘキシルホスフィンオキシド、フェニルジシクロプロピルホスフィンオキシド、フェニルジシクロブチルホスフィンオキシド、フェニルジシクロペンチルホスフィンオキシド及びフェニルジシクロヘキシルホスフィンオキシドが挙げられる。
(ヒドロカルビル)(ヒドロカルビレン)ホスフィンオキシドの具体的かつ非限定的な例としては、メチルペンタメチレンホスフィンオキシド、エチルペンタメチレンホスフィンオキシド、プロピルペンタメチレンホスフィンオキシド、ブチルペンタメチレンホスフィンオキシド、ペンチルペンタメチレンホスフィンオキシド、ヘキシルペンタメチレンホスフィンオキシド、シクロプロピルペンタメチレンホスフィンオキシド、シクロブチルペンタメチレンホスフィンオキシド、シクロペンチルペンタメチレンホスフィンオキシド、シクロヘキシルペンタメチレンホスフィンオキシド及びフェニルペンタメチレンホスフィンオキシドが挙げられる。
トリヒドロカルビルオキシホスフィンオキシドの具体的かつ非限定的な例としては、トリフェノキシホスフィンオキシド、トリメトキシホスフィンオキシド、トリエトキシホスフィンオキシド及びトリブトキシホスフィンオキシドが挙げられる。また、これらの化合物は、トリヒドロカルビルホスフェートと称してもよいことが当業者には理解されよう。トリヒドロカルビルホスフェートの具体的な例としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリ−n−ブチル、リン酸トリ−t−ブチル、リン酸トリ−n−ペンチル、リン酸トリヘキシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリ−n−ドデシル、リン酸トリシクロペンチル、リン酸トリシクロヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸メチルジフェニル、リン酸t−ブチルジフェニル、リン酸ジメチルフェニル、リン酸ジイソプロピルフェニル、リン酸エチルジシクロヘキシル及びリン酸イソプロピルジシクロペンチルが挙げられる。
(ジヒドロカルビル)(ヒドロカルビルオキシ)ホスフィンオキシドの具体的かつ非限定的な例としては、ジメチルエトキシホスフィンオキシド、ジエチルエトキシホスフィンオキシド、ジプロピルエトキシホスフィンオキシド、ジメチルフェノキシホスフィンオキシド、ジエチルフェノキシホスフィンオキシド、ジプロピルフェノキシホスフィンオキシド、ジメチルブトキシホスフィンオキシド、ジエチルブトキシホスフィンオキシド及びジプロピルブトキシホスフィンオキシドが挙げられる。また、これらの化合物は、ヒドロカルビルホスフィン酸エステルと称してもよいことが当業者には理解されよう。
(ヒドロカルビル)(ジヒドロカルビルオキシ)ホスフィンオキシドの具体的かつ非限定的な例としては、メチルジフェノキシホスフィンオキシド、メチルジメトキシホスフィンオキシド、メチルジエトキシホスフィンオキシド、エチルジフェノキシホスフィンオキシド、エチルジメトキシホスフィンオキシド、エチルジエトキシホスフィンオキシド、フェニルジフェノキシホスフィンオキシド、フェニルジメトキシホスフィンオキシド及びフェニルジエトキシホスフィンオキシドが挙げられる。また、これらの化合物は、例えば、ジフェニルメチルホスホネート及びジメチルメチルホスホネート等の、ジヒドロカルビルホスホン酸エステルと称してもよいことが、当業者には理解されよう。
(ヒドロカルビルオキシ)(ヒドロカルビレン)ホスフィンオキシドの具体的かつ非限定的な例としては、フェノキシペンタメチレンホスフィンオキシド、メトキシペンタメチレンホスフィンオキシド及びエトキシペンタメチレンホスフィンオキシドが挙げられる。また、これらの化合物は、例えば、フェニルペンタメチレンホスフィン酸エステル及びメチルペンタメチルホスフィン酸エステル等の、ヒドロカルビルホスフィン酸エステルと称してもよいことが、当業者には理解されよう。
1つ以上の実施形態において、重合しようとするモノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入されこれにより重合中存在する重合調節物の量は、重合調節物のランタニド含有化合物に対するモル比(重合調節物/Ln)によって表されてもよい。1つ以上の実施形態において、重合調節物/Lnモル比は少なくとも0.1:1であり、別の実施形態では少なくとも0.2:1、別の実施形態では少なくとも0.5:1、及び別の実施形態では少なくとも1:1である。これらまたは他の実施形態では、重合調節物/Lnモル比は10:1未満であり、別の実施形態では5:1未満、及び別の実施形態では2:1未満である。1つ以上の実施形態において、重合調節物/Lnモル比は約0.1:1〜約10:1であり、別の実施形態では約0.2:1〜約5:1、及び別の実施形態では約0.5:1〜約2:1である。
別の実施形態では、重合しようとするモノマー溶液(またはバルクモノマー)に導入される重合調節物の量は、モノマーの量に関して表現されてもよい。1つ以上の実施形態において、モノマー100g当たり導入される重合調節物の量は、少なくとも0.0001mmolであり、別の実施形態では少なくとも0.001mmol、別の実施形態では少なくとも0.002mmol、別の実施形態では少なくとも0.005mmol、及び別の実施形態では少なくとも0.01mmolである。これらまたは他の実施形態で、モノマー100g当たり、導入される重合調節物の量は、20mmol未満であり、別の実施形態では10mmol未満、別の実施形態では5mmol未満、別の実施形態では2mmol未満、別の実施形態では1mmol未満、別の実施形態では0.1mmol未満、及び別の実施形態では0.02mmol未満である。
1つ以上の実施形態において、溶媒は、触媒、触媒成分および/または重合調節物を溶解または懸濁するためのキャリアとして、重合系へのこれらの供給を促進する目的で使用されてもよい。別の実施形態では、モノマーはキャリアとして用いられることができる。また別の実施形態では、触媒成分または重合調節物は、溶媒無しで、不純物が含まれない状態で導入することができる。
1つ以上の実施形態において、適切な溶媒は、重合に関与しないあるいは触媒存在下のモノマー重合中に成長するポリマー鎖に取込まれない、有機化合物を含む。1つ以上の実施形態において、これらの有機化学種は、環境温度及び圧力において液体である。1つ以上の実施形態において、これらの有機溶媒は、触媒に対して不活性である。例示的な有機溶媒は、例えば芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素及び環状脂肪族炭化水素等、低いまたは比較的低い沸点を有する炭化水素を含む。芳香族炭化水素の非限定的な例には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン及びメシチレンが含まれる。脂肪族炭化水素の非限定的な例には、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、イソペンタン、イソヘキサン、イソペンタン、イソオクタン、2,2−ジメチルブタン、石油エーテル、灯油及び石油スピリットが含まれる。そして、環状脂肪族炭化水素の非限定的な例には、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン及びメチルシクロヘキサンが含まれる。上記の炭化水素の混合物を用いてもよい。従来技術で知られるように、環境的理由のため脂肪族炭化水素及び環状脂肪族炭化水素の使用が望ましい。沸点の低い炭化水素溶媒は、典型的には、重合の完了時にポリマーから分離される。
有機溶媒の他の例には、一般に油展ポリマーに用いられる炭化水素油を含む高分子量の沸点の高い炭化水素が含まれる。これらの油の例には、パラフィン系油、芳香剤油、ナフテン系油、ひまし油以外の植物油、そして、MES、TDAE、SRAE、重ナフテン油をはじめとする低PCA油が含まれる。これらの炭化水素は不揮発性であるため、それらは、典型的には分離を必要とせず、ポリマー中に取り入れられたままにされる。
本発明に従ったポリマーの生成は、触媒有効量の活性触媒の存在下で共役ジエンモノマーを重合させることによって達成できる。触媒、共役ジエンモノマー、重合調節物、及び随意溶媒を導入して、使用する場合は、反応性ポリマーを生成するための重合混合物を生成する。使用される触媒の量は、例えば、用いる触媒のタイプ、成分の純度、重合温度、重合速度及び所望の転化、所望の分子量、及び多くの他の因子等の、各種因子の相互作用に依存しうる。従って、ここでは触媒有効量の触媒が用いられてもよいと言うだけであり、特定の触媒量を明確に述べることはできない。
1つ以上の実施形態において、モノマー100グラム当たり用いられるランタニド含有化合物の量は、約0.001〜約2mmol、別の実施形態では約0.005〜約1mmol、さらに他の実施形態では約0.01〜約0.2mmolで変更できる。
1つ以上の実施形態において、溶媒の実質的な量を含む重合系中で、本発明に従った共役ジエンモノマーの重合が遂行されてもよい。一実施形態では、重合しようとするモノマー及び生成されるポリマーの両方が溶媒に可溶である溶液重合系を用いてもよい。別の実施形態では、生成されるポリマーが不溶である溶媒を選択することにより、沈殿重合システムを使用してもよい。いずれの場合も、触媒の調製に用いられるであろう溶媒の量に加えて、ある量の溶媒が重合系に通常加えられる。この追加の溶媒は、触媒調製に用いられる溶媒と同じでも異なっていてもよい。例示的な溶媒は、上述の通りである。1つ以上の実施形態において、重合混合物の全重量に基づく重合混合物の溶媒含有量は、20重量%より多くてもよく、別の実施形態では50重量%より多くてもよく、さらに他の実施形態では80重量%より多くてもよい。
別の実施形態では、重合は、実質的に溶媒を含まないまたは溶媒が最小量であるバルク重合系で行われてもよい。当業者はバルク重合プロセス(すなわちモノマーが溶媒として作用するプロセス)の利益を理解し、したがってこの重合系は、バルク重合を行うことによって得ようとする利益に有害な影響を与えるよりも少ない溶媒を含む。1つ以上の実施形態において、重合混合物の全重量に基づく重合混合物の溶媒含有量は、約20重量%未満であってもよく、別の実施形態では約10重量%未満であってもよく、さらに他の実施形態では約5重量%未満であってもよい。別の実施形態では、重合混合物は、使用される原料に固有であるもの以外の溶媒を含まない。さらに他の実施形態では、重合混合物は、実質的に溶媒を欠いており、この意味は、重合プロセス上に相当程度の衝撃を与えるような量の溶媒が不在であることを指す。実質的に溶媒を欠いている重合系のことを、実質的に溶媒を含まないと称してもよい。特定の実施形態では、重合混合物は、溶媒を欠いている。
重合は、従来技術で既知のあらゆる従来の重合容器の中で行われてもよい。1つ以上の実施形態において、溶液重合は、従来の撹拌槽型反応器内で行うことができる。別の実施形態では、特にモノマーの転化率が約60%未満である場合に、バルク重合は、従来の撹拌槽型反応器内で行うことができる。さらに他の実施形態では、特にバルク重合プロセス中のモノマー転化率が約60%を超える場合、典型的には、非常に粘性の高いセメントを生じるプロセスであり、バルク重合は、細長いリアクタ内で行われてもよく、その際、重合下の粘度の高いセメントを、ピストンでまたは実質的にピストンで、駆動して輸送する。例えば、自己洗浄型シングルスクリューまたはダブルスクリュー撹拌機によりセメントを押し出す押出機が、この目的のためには適切である。有用なバルク重合プロセスの例は、米国特許第7,351,776号に開示され、この開示は、参照事項として本願に包含される。
1つ以上の実施形態において、重合のために用いられる成分の全てを、単一容器(例えば従来の撹拌槽型反応器)内で混合し、重合プロセスの全ステップを、この容器内で行うことができる。別の実施形態では、成分のうちの2つ以上を、1つの容器内で予備混合した後、別の容器に移送し、そこでモノマーの重合(または少なくともその大部分)を行ってもよい。
重合は、バッチ式プロセス、連続プロセスまたは半連続プロセスとして遂行してもよい。半連続プロセスでは、必要に応じてモノマーを間欠的にチャージして、すでに重合したモノマーと交換する。1つ以上の実施形態において、重合が進行する条件を制御して、重合混合物の温度を約-10℃〜約200℃の範囲内に維持することができ、別の実施形態では約0℃〜約150℃、及び別の実施形態では約20℃〜約100℃に維持できる。特定の実施形態では、重合または重合の少なくとも一部が、少なくとも30℃の温度で起こり、別の実施形態では少なくとも40℃、及び別の実施形態では少なくとも50℃で起こる。
1つ以上の実施形態において、重合熱の除去は、熱的に制御されたリアクタジャケットによる外部冷却により、またはリアクタに接続した還流凝縮器の使用を介するモノマーの蒸発及び縮合による内部冷却により、あるいはその両方の方法の組合せにより行われてもよい。また、重合条件を制御して、約0.1気圧〜約50気圧の圧力下で重合を行うことができ、別の実施形態では約0.5気圧〜約20気圧、及び別の実施形態では約1気圧〜約10気圧で、行うことができる。1つ以上の実施形態において、重合が行われ得る圧力は、大部分のモノマーが液相であることが確実な圧力を含む。これらまたは他の実施形態の中で、重合混合物は、嫌気条件下に維持されてもよい。
特定の実施形態では、重合調節物の使用を含む様々な技術を用いることにより、重合速度は制御される。例えば、1つ以上の実施形態では、重合速度は、分当たりモノマーの転化率で、4%未満の転化率速度で維持されてもよく、別の実施形態では3%未満、及び別の実施形態では2%未満に維持されてもよい。特定の実施形態では、重合速度は、分当たりモノマーの転化率として、0.3%を超える転化率で維持されてもよく、別の実施形態では0.5%を超え、別の実施形態では0.8%を超え、別の実施形態では1.0%を超え、及び別の実施形態では1.2%を超える転化率で維持されてもよい。
得られた反応性高分子のポリマー鎖の一部または全部は、重合混合物のクエンチの前に反応性末端を有していてもよい。本発明によって調製される反応性ポリマーを、疑似リビングポリマーとして称してもよい。1つ以上の実施形態において、反応性ポリマーを含む重合混合物を、活性重合混合物として称してもよい。反応性末端を有するポリマー鎖のパーセンテージは、例えば触媒のタイプ、モノマーのタイプ、成分の純度、重合温度、モノマー転化率、及び多くの他の因子等の、各種因子に依存する。1つ以上の実施形態において、ポリマー鎖の少なくとも約60%は反応性末端を有し、別の実施形態ではポリマー鎖の少なくとも約70%は反応性末端を有し、別の実施形態ではポリマー鎖の少なくとも約80%は反応性末端を有し、さらに他の実施形態ではポリマー鎖の少なくとも約90%は反応性末端を有する。
本発明の重合プロセスによって製造されるポリジエンは疑似リビング特性を有してもよいので、官能化剤を重合混合物に任意に導入して、あらゆる反応性ポリマー鎖と反応させ、官能化ポリマーを与えてもよい。1つ以上の実施形態において、重合混合物がクエンチング剤と接触する前に、官能化剤が導入される。別の実施形態では、重合混合物がクエンチング剤で部分的にクエンチされた後で、官能化剤を導入してもよい。
1つ以上の実施形態において、官能化剤は、本発明により製造される反応性ポリマーと反応できる化合物または試薬を含むことで、官能化剤と反応しなかった成長中の鎖と異なるポリマーに官能基を提供する。この官能基は、他のポリマー鎖(成長中および/または非成長の)と、または例えばポリマーと組み合わせることができる補強充填剤(例えばカーボンブラック)等の他の成分と、反応性または相互作用性があり得る。1つ以上の実施形態において、官能化剤と反応性ポリマーとの間の反応は、添加または置換反応を介して進行する。
有用な官能化剤は、2つ以上のポリマー鎖を結合することなく官能基をポリマー鎖の末端に単に提供する化合物を含んでもよく、あるいは、官能性結合を介して2つ以上のポリマー鎖を結合または接合して単一巨大分子を生成できる化合物を含んでもよい。これら官能化剤の後者のタイプは、カップリング剤と呼ぶこともできる。
1つ以上の実施形態において、官能化剤は、ポリマー鎖にヘテロ原子を加えるまたは与える化合物を含む。特定の実施形態では、官能化剤は、官能基をポリマー鎖に与えて官能化ポリマーを生成する化合物を含むことにより、官能化ポリマーから調製されるカーボンブラック充填加硫物の50℃ヒステリシス損失を、非官能化ポリマーから調製される同様のカーボンブラック充填加硫物と比較して低減させる。1つ以上の実施形態において、ヒステリシス損失のこの低下は、少なくとも5%であり、別の実施形態では少なくとも10%、及び別の実施形態では少なくとも15%である。
1つ以上の実施形態において、適切な官能化剤は、(例えば本発明に従って製造される)疑似リビングポリマーと反応できる基を含む化合物を含む。例示的な官能化剤は、ケトン、キノン、アルデヒド、アミド、エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、イミン、アミノケトン、アミノチオケトン及び酸無水物を含む。これらの化合物の例は、米国特許第4,906,706号、第4,990,573号、第5,064,910号、第5,567,784号、第5,844,050号、第6,838,526号、第6,977,281号及び第6,992,147号、米国特許出願公開公報第2006/0004131A1号、第2006/0025539A1号、第2006/0030677A1号、及び第2004/0147694A1号、日本国特開平05-051406A、特開平05-059103A、および特開平10-306113A、及び特開平11-035633Aに記載されており、これらは参照事項として本願に包含される。官能化剤の他の例としては、米国特許出願公開公報第2007/0149717号に記載のアジン化合物、米国特許出願公開公報第2007/0276122号に開示されるヒドロベンズアミド化合物、米国特許出願公開公報第2008/0051552号で開示されるニトロ化合物、および米国特許出願公開公報第2008/0146745号で開示される保護オキシム化合物を挙げることができ、これらの全ては参照事項として本願に包含される。
特定の実施形態で使用される官能化剤は、カップリング剤であってもよく、それの非限定的な例としては、四塩化スズ等の金属ハロゲン化物、四塩化ケイ素等のメタロイドハライド、ジオクチルスズビス(マレイン酸オクチル)等の金属エステル-カルボキシレート錯体、テトラエチルオルトケイ酸エステル等のアルコキシシラン、及びテトラエトキシスズ等のアルコキシスタンナンが挙げられる。カップリング剤は、単独でまたは他の官能化剤と組み合わせて使用できる。官能化剤の組合せは、あらゆるモル比で用いてもよい。
重合混合物に導入される官能化剤の量は、重合の開始に用いられる触媒のタイプ及び量、官能化剤のタイプ、官能基性の所望のレベル及び多くの他の因子を含む各種因子に依存する。1つ以上の実施形態において、ランタニド含有化合物のモル当たりの官能化剤の量は、約1〜約200モルの範囲であってもよく、別の実施形態では、約5〜約150モル、及び別の実施形態では約10〜約100モルであってもよい。
反応性ポリマー鎖は高温でゆっくり自己終了し得るので、一実施形態では、一度ピーク重合温度が観測されれば、官能化剤を重合混合物に加えてもよい。別の実施形態では、官能化剤は、ピーク重合温度に到達後約25〜35分以内に加えてもよい。
1つ以上の実施形態において、所望のモノマー転化率が実現された後かつプロトン性水素原子を含むクエンチング剤を加える前に、官能化剤を重合混合物に導入してもよい。1つ以上の実施形態において、官能化剤は、少なくとも5%、別の実施形態では少なくとも10%、別の実施形態では少なくとも20%、別の実施形態では少なくとも50%、及び別の実施形態では少なくとも80%のモノマー転化の後に重合混合物に加えられる。これらまたは他の実施形態では、官能化剤は、90%のモノマー転化の前、別の実施形態では70%のモノマー転化より前、別の実施形態では50%のモノマー転化より前、別の実施形態では20%のモノマー転化より前、及び別の実施形態では15%のモノマー転化より前に重合混合物に加えられる。1つ以上の実施形態において、官能化剤は、完全なまたは実質的に完全なモノマー転化の後、加えられる。特定の実施形態では、米国特許出願公開公報第2009/0043046号に開示されるように、官能化剤は、ルイス塩基の導入の直前、同時、または後で、重合混合物に導入されてもよく、この開示は参照事項として本願に包含される。
1つ以上の実施形態において、官能化剤は、重合(またはこれらの少なくとも一部)が行われる場所(例えば容器内に)で、重合混合物に導入されてもよい。別の実施形態では、重合(またはこれらの少なくとも一部)が行われる場所とは異なる場所で、官能化剤を重合混合物に導入してもよい。例えば、官能化剤は、下流容器中で重合混合物に導入されてもよく、この下流容器は、下流リアクタまたはタンク、インラインリアクタまたはミキサ、押出機、または液化装置を含む。
一旦、官能化剤が重合混合物に導入されおよび/または所望の反応時間が提供された後、あらゆる残留の反応性ポリマー鎖及び触媒または触媒成分を不活化するために、クエンチング剤を重合混合物に加えてもよい。クエンチング剤は、プロトン性化合物であってもよく、その非限定的な例としては、アルコール、カルボキシル酸、無機酸、水またはこれらの混合物が挙げられる。特定の実施形態では、米国特許出願公開公報第2009/0043055号に開示されるように、クエンチング剤はポリヒドロキシ化合物を含み、この開示は参照事項として本願に包含される。例えば、クエンチング剤の添加と同時、その前、またはその後に、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどの抗酸化剤が加えられてもよい。使用される抗酸化剤の量は、ポリマー製品の約0.2重量%〜約1重量%の範囲にあってもよい。クエンチング剤及び抗酸化剤は、不純物を含まない材料として加えられてもよく、または必要に応じて、重合混合物に加えられる前に、炭化水素溶媒または共役ジエンモノマーに溶解されてもよい。さらに、ポリマー製品は、ポリマーにオイルを加えることにより展伸するオイルになることができ、ポリマーセメントの形態であってもよく、あるいはモノマーに溶解または懸濁したポリマー形態であってもよい。本発明の実施は、加えてもよいオイルの量を制限するものではなく、したがって、従来の量(例えば5〜50phr)を加えてもよい。使用可能な有用なオイルまたは展伸剤の非限定的な例としては、芳香族系オイル、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、ひまし油以外の植物油、MES、TDAE及びSRAEを含む低PCAオイル、及び重ナフテン系オイルが挙げられる。
重合混合物が一旦急冷された後、重合混合物の各種成分を回収してもよい。1つ以上の実施形態において、未反応のモノマーを重合混合物から回収できる。例えば、モノマーは、従来技術で既知の技術を用いることにより、重合混合物から蒸留できる。1つ以上の実施形態において、液化装置は、重合混合物からモノマーを取り除くために使用されてもよい。モノマーが重合混合物から一旦取り除かれた後、モノマーは精製され、保存され、および/または重合プロセスへリサイクルされる。
ポリマー製品は、従来技術で既知の技術を用いることによって重合混合物から回収されてもよい。1つ以上の実施形態において、脱溶媒技術及び乾燥技術を用いてもよい。例えば、ポリマーは、脱溶媒押出機等の加熱スクリュー装置に重合混合物を通すことによって回収でき、そこで揮発性物質は、適切な温度(例えば約100℃〜約170℃)および大気圧下または大気圧よりも低い気圧下で、蒸発によって取り除かれる。この処理は、未反応のモノマー及びあらゆる低沸点の溶媒を取り除く機能を果たす。あるいは、重合混合物をスチーム脱溶媒に当てた後、得られたポリマー小片を高温の空気トンネル内で乾燥させて、ポリマーを回収することもできる。ポリマーは、重合混合物をドラム乾燥機で直接乾燥させることによっても回収できる。
1つ以上の実施形態において、本発明によって調製されるポリマーは、不飽和基を含んでもよい。これらまたは他の実施形態において、ポリマーは加硫可能である。1つ以上の実施形態において、ポリマーは、そのガラス転移温度(Tg)が0℃未満であってもよく、別の実施形態では−20℃未満、及び別の実施形態では−30℃未満であってもよい。一実施形態ではこれらのポリマーは、1つのガラス転移温度を示してもよい。特定の実施形態において、ポリマーは水素化されてもよくまたは部分的に水素化されてもよい。
1つ以上の実施形態において、本発明のポリマーは、シス-1、4−結合含有量が97%を超え、別の実施形態では98%を超え、別の実施形態では98.5%を超え、別の実施形態では99.0%を超え、別の実施形態では99.1%を超え、及び別の実施形態では99.2%を超える1,4−ポリジエンであってもよく、ここでパーセンテージは、ジエンmerユニットの数を基礎とし、ジエンmerユニットの全数に対するシス−1,4−結合を採用する。また、これらのポリマーは、1,2−結合含有量が約2%未満、別の実施形態では1.5%未満、別の実施形態では1%未満、及び別の実施形態では0.5%未満であってもよく、ここでパーセンテージは、ジエンmerユニットの数を基礎とし、ジエンmerユニットの全数に対するシス−1,2−結合を採用する。ジエンmerユニットのバランスは、トランス−1,4−結合を採用してもよい。シス1,4−、1,2−及びトランス1,4結合含有量は、赤外分光によって決定できる。
1つ以上の実施形態において、これらのポリマーの数平均分子量(Mn)は、約1,000〜約1,000,000であってもよく、別の実施形態では約5,000〜約200,000、別の実施形態では約25,000〜約150,000、及び別の実施形態では約50,000〜約120,000であり、ポリスチレン標準で校正されたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及び問題のポリマーに対するMark-Houwink定数を用いて決定される。
1つ以上の実施形態において、これらのポリマーの分子量分布または多分散性(Mw/Mn)は、5.0未満であってもよく、別の実施形態では3.0未満、別の実施形態では2.5未満、別の実施形態では2.2未満、別の実施形態では2.1未満、別の実施形態では2.0未満、別の実施形態では1.8未満、及び別の実施形態では1.5未満であってもよい。
本発明のポリマーは、タイヤの部材を製造するために用いることができるゴム組成物の調製に、特に有用である。ゴム調剤技術及びそこに使用される添加剤は一般に、The Compounding and Vulcanization of Rubber, in Rubber Technology (2nd Ed. 1973)に開示される。
単独で、または他のエラストマー(すなわち加硫してゴム状特性またはエラストマー特性を有する組成物を生成するポリマー)と共に、本発明のポリマーを用いることによって、ゴム組成物を調製できる。用いることができる他のエラストマーには、天然ゴム及び合成ゴムが含まれる。合成ゴムは典型的には、共役ジエンモノマーの重合、共役ジエンモノマーと、ビニル置換芳香族モノマー等他のモノマーによるとの共重合、または、エチレンと、1つ以上のα-オレフィン及び任意に1つ以上のジエンモノマーとの共重合から誘導される。
例示的なエラストマーには、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン-コ-イソプレン、ネオプレン、ポリ(エチレン-コ-プロピレン)、ポリ(スチレン-コ-ブタジエン)、ポリ(スチレン-コ-イソプレン)、ポリ(スチレン-コ-イソプレン-コ-ブタジエン)、ポリ(イソプレン-コ-ブタジエン)、ポリ(エチレン-コ-プロピレン-コ‐ジエン)、多硫化ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム及びこれらの混合物が含まれる。これらのエラストマーは、直鎖、分枝及び星型の構造を含む無数の高分子の構造を有していてもよい。
ゴム組成物は、例えば無機充填剤及び有機充填剤などの充填剤を含んでいてもよい。有機充填剤の例としては、カーボンブラック及び澱粉を含む。無機充填剤の例としては、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タルク(ケイ酸マグネシウム水和物)、及びクレー(ケイ酸アルミニウム水和物)を含む。カーボンブラック及びシリカは、タイヤの生産に用いられる最も一般的な充填剤である。特定の実施形態では、異なる充填剤の混合物を使用することが有利な場合もある。
1つ以上の実施形態において、カーボンブラックは、ファーネスブラック、チャネルブラック及びランプブラックを含む。カーボンブラックのより具体的な例としては、超摩耗ファーネスブラック(super abrasion furnace blacks、SAF)、中間超摩耗ファーネスブラック(intermediate super abrasion furnace blacks、ISAF)、高摩耗ファーネスブラック(high abrasion furnace blacks、HAF)、高速押出ファーネスブラック(fast extrusion furnace blacks、FEF)、微細ファーネスブラック(fine furnace blacks、FF)、半補強ファーネスブラック(semi-reinforcing furnace blacks、SRF)、中処理チャネルブラック(medium processing channel blacks)、強力処理チャネルブラック(hard processing channel blacks)、導通チャネルブラック(conducting channel blacks)、及びアセチレンブラックが挙げられる。
特定の実施形態で、カーボンブラックは、少なくとも20m2/gの表面積(EMSA)を有してもよく、別の実施形態では少なくとも35m2/gであり、表面積の値は、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)技術を用いるASTM D−1765によって決定できる。カーボンブラックは、ペレット化形態であってもよく、またはペレット化されずに凝集形態であってもよい。カーボンブラックの好適な形態は、ゴム化合物の混合に用いられる混合装置のタイプに依存してもよい。
ゴム組成物に使用されるカーボンブラックの量は、最大で、ゴム100重量部当たり(phr)約50重量部とすることができ、典型的には、約5〜約40phrである。
用いることができる市販のシリカとしては、Hi−Sil(商標)215、Hi−Sil(商標)233及びHi−Sil(商標)190(PPG Industries, Inc, 米国ペンシルバニア州ピッツバーグ)が挙げられる。市販のシリカの他の供給者としては、Grace Davison(米国メリーランド州ボルチモア)、Degussa Corp(米国ニュージャージ州パーサイパニー)、Rhodia Silica Systems(米国ニュージャージ州クランベリー)及びJ.M. Huber Corp.(米国ニュージャージ州エジソン)が挙げられる。
1つ以上の実施形態において、シリカは、その表面積により特徴づけられてもよく、これは、補強性質の指標を与える。ブルナウア(Brunauer)、エメット(Emmett)、テラ(Teller)法(BET法)(J. Am. Chem. Soc., vol. 60, p. 309 et seq.に記載)は、表面積決定のための認知された方法である。シリカのBET表面積は、一般に450m2/g未満である。表面積の有用な範囲は、約32〜約400m2/g、約100〜約250m2/g、及び約150〜約220m2/gである。
シリカのpHは、一般には約5〜約7であり、またはわずかに7を超え、または別の実施形態では約5.5〜約6.8である。
シリカが充填剤として(単独でまたは他の充填剤と共に)使用される1つ以上の実施形態においては、シリカのエラストマーとの相互作用を強化するため、混合中にカップリング剤および/または遮蔽剤をゴム組成物に加えてもよい。有用なカップリング剤及び遮蔽剤は、米国特許第3,842,111号、第3,873,489号、第3,978,103号、第3,997,581号、第4,002,594号、第5,580,919号、第5,583,245号、第5,663,396号、第5,674,932号、第5,684,171号、第5,684,172号、第5,696,197号、第6,608,145号、第6,667,362号、第6,579,949号、第6,590,017号、第6,525,118号、第6,342,552号及び第6,683,135号に開示されており、これらの開示は参照事項として本願に包含される。
ゴム組成物に使用されるシリカの量は、約1〜約100phrであってもよく、または別の実施形態では約5〜約80phrであってもよい。有用な上側範囲は、シリカによって与えられる高い粘度によって制限される。シリカがカーボンブラックと共に用いられる場合は、シリカの量は、約1phrまで低減でき、シリカの量を減らせば、カップリング剤及び遮蔽剤の量も減らして使用することができる。一般に、カップリング剤及び遮蔽剤の量は、用いるシリカの重さに基づき約4%〜約20%の範囲にある。
多くのゴム硬化剤(加硫剤とも呼ぶ)が使用されてもよく、硫黄または過酸化物ベースの硬化系を含む。硬化剤は、Kirk-Othmer, ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY, Vol. 20, pgs. 365−468, (3rd Ed. 1982)、特にVulcanization Agents and Auxiliary Materials, pgs. 390-402及びA.Y. Coran, Vulcanization, ENCYCLOPEDIA OF POLYMER SCIENCE AND ENGINEERING, (2nd Ed. 1989)に記載され、これらは参照事項として本願に包含される。加硫剤は、単独で、または組合せで用いてもよい。
ゴムのコンパウンディングに典型的に使用される他の成分も、ゴム組成物に加えてもよい。これらは、促進剤、促進活性剤、オイル、可塑剤、ワックス、スコーチ抑制剤、加工助剤、酸化亜鉛、粘性樹脂、補強樹脂、ステアリン酸等の脂肪酸、ペプタイザー、及び抗酸化剤及びオゾン劣化防止剤等の抗分解剤を含む。特定の実施形態では、使用されるオイルは、上記のように、エキステンダー油として慣例通りに用いられるオイルを含む。
ゴム組成物の全ての成分は、バンバリミキサまたはブラベンダミキサ、押出機、ニーダー及びダブルロールミル等の標準的な混合装置で混合できる。1つ以上の実施形態において、成分は2段階以上で混合される。第1段階(しばしばマスターバッチ混合段階と称される)では、典型的にはゴム成分及び充填剤を含む、いわゆるマスターバッチが調製される。早すぎる加硫(スコーチとしても既知)を防止するため、マスターバッチは、加硫剤を排除してもよい。マスターバッチは、約135℃〜約180℃の吐出温度で、約25℃〜約125℃の開始温度で混合されてもよい。一旦、マスターバッチを調製した後、最後の混合段階で、加硫剤をマスターバッチに導入して混合してもよく、この段階は、典型的には比較的低い温度で行われることで、早すぎる加硫の可能性を低減する。任意に、再粉砕とも呼ばれる追加の混合段階を、マスターバッチ混合段階と最終混合段階の間に行ってもよい。ゴム組成物が充填剤としてシリカを含む場合に、1つ以上の再粉砕段階をしばしば使用する。本発明のポリマーを含む各種成分を、これらの再粉砕の間に加えることができる。
特にシリカ充填タイヤ配合に適用できる混合手順及び条件は、米国特許第5,227,425号、第5,719,207号及び第5,717,022号ならびに欧州特許第890,606号に記載され、これら開示の全ては、参照事項として本願に包含される。一実施形態では、初期マスターバッチは、カップリング剤及び遮蔽剤の実質的な不在下でポリマー及びシリカを含むことにより調製される。
本発明のポリマーから調製されるゴム組成物は、例えば、トレッド、サブトレッド、側壁、表層膜、ビードフィラー等のタイヤの部材の製造に特に有用である。1つ以上の実施形態において、これらのトレッドまたは側壁の配合は、配合中のゴムの全重量に基づく本発明のポリマーの配合として、約10%〜約100重量%、別の実施形態では約35%〜約90重量%、及び別の実施形態では約50%〜約80重量%としてもよい。
ゴム組成物をタイヤの生産に使用する場合、標準的なゴム成形、成型及び硬化技術を含む普通のタイヤ製造法に従って、これらの組成物を、タイヤの部材に処理することができる。典型的には、加硫は、型内で加硫可能な組成物を加熱することによって行われ、これは例えば約140℃〜約180℃に加熱されてもよい。硬化または架橋されたゴム組成物を、加硫物と呼ぶこともでき、これは一般に三次元のポリマーネットワークを含む熱硬化性樹脂である。他の成分、例えば充填剤及び加工助剤を、架橋ネットワーク全体に均一に分散してもよい。米国特許第5,866,171号、第5,876,527号、第5,931,211号、及び第5,971,046号で検討されるように、空気式タイヤを作製でき、これらの開示は参照事項として本願に包含される。
本発明の実施を例証するため、以下の実施例を準備し試験を行った。しかしながら、本発明の範囲を制限するように実施例を解釈すべきではない。特許請求の範囲が、本発明を定義するための機能を果たすであろう。
実施例
以下の実施例では、ポリマーサンプルのムーニー粘度(ML1+4)は、100℃で、モンサントムーニー粘度計を用い、大型ローターを用い、ウォームアップ時間1分、実行時間4分で測定した。ポリマーサンプルの数平均(Mn)及び重量平均(Mw)分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、グラム/モルの単位で報告した。GPC機器は、示差屈折率(RI)検出器及び紫外線(UV)吸収検出器を備えていた。UV検出器信号のRI検出器信号に対する比であるGPC UV/RI比を用いて、ポリマーサンプルの%官能基性を算出した。計算は、官能化シス−1,4−ポリブタジエンのGPCUV/RI比を、アニオン重合を用いて製造し同一Mnを有する官能化ポリブタジエンサンプルのUV/RI比に参照することにより行った。ポリマーサンプルのシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合、及び1,2−結合の含有量は、赤外分光で測定した。重合の結果は、表1に示される。
実施例1(比較例)
重合リアクタは、高粘度のポリマーセメントを混合可能な機械的アジテータ(シャフト及びブレード)を備える1ガロンのステンレスのシリンダーから成っていた。リアクタの上部は、重合の継続時間中リアクタ内部に発生する1,3-ブタジエン蒸気を輸送し、凝縮し、かつリサイクルするための還流凝縮器システムに接続されていた。また、リアクタは、冷水によって冷却を行う冷却ジャケットを備えていた。重合熱は、一部は還流凝縮器システムを用いた内部冷却により放散し、一部は冷却ジャケットへの熱移動を利用した外部冷却により放散した。
リアクタを、乾燥窒素の流れで完全にパージし、次いでリアクタに100gの乾燥1,3-ブタジエンモノマーをチャージすることにより、1,3-ブタジエン蒸気に置換し、65℃までリアクタを加熱し、次いで、液体1,3-ブタジエンがリアクタ中に残存しなくなるまで、還流凝縮器システムの上面から1,3-ブタジエン蒸気を追い出した。冷却水を、還流凝縮器及びリアクタジャケットに導通し、1302gの1,3-ブタジエンモノマーをリアクタにチャージした。モノマーが32℃で熱的に安定した後、以下の順序で混合により調製された予備形成触媒をリアクタにチャージして、重合を開始した:ヘキサン中19.2重量%の1,3-ブタジエンを6.5g、1.44mlのヘキサン中の0.054Mのネオジムバーサテート、5.20mlのトルエン中の1.5Mのメチルアルミノキサン(MAO)、2.34mlのヘキサン中の1.0Mのヒドリドアルミン酸ジイソブチル(DIBAH)、及び6.24mlのヘキサン中の0.017Mのトリヨードメタン(CHI3);そして、この混合物を15分間エージングした。重合開始から3.0分後、10.0mlの1.0M4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(DEAB)をチャージすることにより、ポリマーを官能化した。5分間撹拌した後、1360gのヘキサンに溶解した6.0mlのイソプロパノールで、重合混合物を希釈することによって、重合混合を終了し、このバッチを、5gの2,6−ジ−tert−ブチル-4−メチルフェノールを含む3ガロンのイソプロパノールに滴下した。凝固ポリマーを、ドラム乾燥した。
実施例2
2.73mlのヘキサン中の1.0MのDIBAHを触媒液に加え、0.39mlのトルエン中の0.2Mのジフェニルスルホン(Ph2SO3)を1,3-ブタジエンに加えた以外は実施例1の記載と同じ手順を、実施例2に用いた。実施例1と実施例2の結果の比較によれば、本発明の実施により、結果及び性質の有益なバランスがもたらされたことが示された。すなわち、重合中のジフェニルスルホンの存在が、1分当たり2.5%の転化に重合速度を調整し、これは、重合制御不能及びリアクタ汚染の顕著なリスクなしに重合を産業的に有用な速度で行うことができることを示唆する。さらに、重合中にジフェニルスルホンが存在することにより、官能基性のパーセンテージが増加した。
実施例3
0.78mlのトルエン中の0.1Mのジメチルスルホン(Me2SO2)を1,3-ブタジエンに加えた以外は実施例2の記載と同じ手順を、実施例3に用いた。実施例1と実施例3の結果の比較によれば、本発明の実施により、結果及び性質の有益なバランスがもたらされたことが示された。すなわち、重合中のジフェニルスルホンの存在が、1分当たり3.3%の転化に重合速度を調整し、これは、重合制御不能及びリアクタ汚染の顕著なリスクなしに重合を産業的に有用な速度で行うことができることを示唆する。さらに、重合中にジフェニルスルホンが存在することにより、官能基性のパーセンテージが増加した。
実施例4
0.39mlのトルエンの中の0.2Mのジフェニルスルホキシド(Ph2SO)を1,3-ブタジエンに加えた以外は実施例2の記載と同じ手順を、実施例4に用いた。実施例1と実施例4の結果の比較によれば、本発明の実施により、結果及び性質の有益なバランスがもたらされたことが示された。すなわち、重合中のジフェニルスルホキシドの存在が、1分当たり2.2%の転化に重合速度を調整し、これは、重合制御不能及びリアクタ汚染の顕著なリスクなしに重合を産業的に有用な速度で行うことができることを示唆する。さらに、重合中にジフェニルスルホキシドが存在することにより、官能基性のパーセンテージが増加した。
実施例5
0.39mlのトルエン中の0.2Mのジメチルスルホキシド(Me2SO)を1,3-ブタジエンに加えた以外は実施例2の記載と同じ手順を、実施例5に用いた。実施例1と実施例5の結果の比較によれば、本発明の実施により、結果及び性質の有益なバランスがもたらされたことが示された。すなわち、重合中のジメチルスルホキシドの存在が、1分当たり2.3%の転化に重合速度を調整し、これは、重合制御不能及びリアクタ汚染の顕著なリスクなしに重合を産業的に有用な速度で行うことができることを示唆する。さらに、重合中にジメチルスルホキシドが存在することにより、官能基性のパーセンテージが増加した。
実施例6
0.39mlのトルエン中の0.2Mのトリフェニルホスフィンオキシド(Ph3PO)を1,3-ブタジエンに加えた以外は実施例2の記載と同じ手順を、実施例6に用いた。実施例1と実施例6の結果の比較によれば、本発明の実施により、結果及び性質の有益なバランスがもたらされたことが示された。すなわち、重合中のトリフェニルホスフィンオキシドの存在が、1分当たり2.0%の転化に重合速度を調整し、これは、重合制御不能及びリアクタ汚染の顕著なリスクなしに重合を産業的に有用な速度で行うことができることを示唆する。さらに、重合中にトリフェニルホスフィンオキシドが存在することにより、官能基性のパーセンテージが増加した。
実施例7
0.39mlのヘキサンの中の0.2Mのトリブチルホスフィンオキシド(Bu3PO)を1,3-ブタジエンに加えた以外は実施例2の記載と同じ手順を、実施例7に用いた。実施例1と実施例7の結果の比較によれば、本発明の実施により、結果及び性質の有益なバランスがもたらされたことが示された。すなわち、重合中のトリブチルホスフィンオキシドの存在が、1分当たり2.0%の転化に重合速度を調整し、これは、重合制御不能及びリアクタ汚染の顕著なリスクなしに重合を産業的に有用な速度で行うことができることを示唆する。さらに、重合中にトリブチルホスフィンオキシドが存在することにより、官能基性のパーセンテージが増加した。
実施例8
2.50mlのヘキサン中の1.0MのDIBAHを触媒液に加え、かつ7.8mlのヘキサン中の0.01Mのリン酸トリフェニル((PhO)3PO)を1,3-ブタジエンに加えた以外は実施例2の記載と同じ手順を、実施例8に用いた。実施例1と実施例8の結果の比較によれば、本発明の実施により、結果及び性質の有益なバランスがもたらされたことが示された。すなわち、重合中のリン酸トリフェニルの存在が、1分当たり2.1%の転化に重合速度を調整し、これは、重合制御不能及びリアクタ汚染の顕著なリスクなしに重合を産業的に有用な速度で行うことができることを示唆する。さらに、重合中にリン酸トリフェニルが存在することにより、官能基性のパーセンテージが増加した。
実施例9
2.50mlのヘキサン中の1.0MのDIBAHを触媒液に加え、かつ7.8mlのヘキサン中の0.01Mのリン酸トリブチル((BuO)3PO)を1,3-ブタジエンに加えた以外は実施例2の記載と同じ手順を、実施例9に用いた。実施例1と実施例9の結果の比較によれば、本発明の実施により、結果及び性質の有益なバランスがもたらされたことが示された。すなわち、重合中のリン酸トリブチルの存在が、1分当たり2.4%の転化に重合速度を調整し、これは、重合制御不能及びリアクタ汚染の顕著なリスクなしに重合を産業的に有用な速度で行うことができることを示唆する。さらに、重合中にリン酸トリブチルが存在することにより、官能基性のパーセンテージが増加した。
本発明の範囲及び精神から離れることなく、各種変更及び変形が、当業者にとって明らかである。本発明は、ここに述べられる例示的な実施形態に限定されることはないものである。

Claims (14)

  1. ポリジエンを製造するための方法であって、
    (i)スルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドが実質的に不在の条件下で、ランタニド含有化合物、アルキル化剤、及びハロゲン供与源を組み合わせることにより、活性触媒を形成するステップと、
    (ii)活性触媒ならびにスルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドから成る群より選択される重合調節物の存在下で、共役ジエンモノマーを重合させるステップとを含み、アルキル化剤は、アルミノキサン及び式AlR n 3-n で表される有機アルミニウム化合物を含み、式中、各Rは同一でも異なってもよく、炭素原子を介してアルミニウム原子に結合される一価の有機基であり、各Xは同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシラート基、アルコキシド基、またはアリールオキシド基であり、nは1〜3の整数である、方法。
  2. 活性触媒は、共役ジエンモノマーの存在下で予備成形され、かつ活性触媒を形成する前記ステップ中に使用されるランタニド含有化合物の量は、モノマー100g当たりのランタニド含有化合物が2mmolを超え、前記重合させるステップで使用される活性触媒は、共役ジエンモノマー100g当たり2mmol未満のランタニド含有化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記形成するステップは、前記ランタニド含有化合物中のランタニド金属のモル当たり重合調節物1モル未満の存在下で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記形成するステップは、スルホン、スルホキシド及びホスフィンオキシドの完全な不在下で行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 活性触媒は、共役ジエンモノマーの存在下で共役ジエンモノマー100g当たり2mmol未満のランタニド含有化合物を導入することによりその場で形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. アルキル化剤はメチルアルミノキサンを含み、ハロゲン供与源は臭素含有化合物を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記重合させるステップは重合混合物の全重量に対して20重量%未満の有機溶媒を含む重合混合物内で行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 重合調節物は、式
    によって定義されるスルホンであり、
    式中、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、または式中、2つのR基が結合して二価の基を形成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 重合調節物は、式
    によって定義されるスルホキシドであり、
    式中、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、または式中、2つのR基が結合して二価の有機基を形成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 重合調節物は、式
    によって定義されるホスフィンオキシドであり、
    式中、各Rはそれぞれ独立に一価の有機基であり、または式中、2つのR基が結合して二価の有機基を形成し、または式中、3つのR基が結合して三価基を形成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  11. 重合調節物のランタニド含有化合物に対するモル比が0.1:1〜10:1である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記重合させるステップは、反応性鎖末端を有するポリジエンを製造し、かつ官能化剤を反応性鎖末端と反応させるステップを更に含む、請求項1〜7及び11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記重合させるステップの前に、活性触媒に重合調節物を導入するステップを更に含む、請求項1〜7、11及び12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 共役ジエンモノマーに重合調節物を直接かつ個々に導入するステップを更に含む、請求項1〜7、及び11〜13のいずれか1項に記載の方法。
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