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JP6190210B2 - 前照灯制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自車両前方の状況を検出して配光パターンを自動的に切り替える前照灯制御装置に関し、特に自車両前方で道路の勾配が変化する場合であっても前方車両を適切に検出可能なものに関する。
自動車等の車両の前照灯は、一般的に走行用ビーム(ハイビーム)と、すれ違い用ビーム(ロービーム)とを切り換え可能、又は、走行用ビームをすれ違い用ビームとは独立して消灯可能となっている。
近年、自車両前方の状況をカメラやレーダ等によって認識し、グレア(眩輝)が問題となり得る対向車、先行車等の前方車両を検出した場合には、自動的にハイビームからロービームへ切り替える機能(オートハイビーム機能)が提案されている。
このようなオートハイビームに関する従来技術として、例えば特許文献1には、車載カメラ等によって前方車両を検出してハイビーム用配光パターン、ロービーム用配光パターンの切り替えを行う車両用前照灯において、カメラ等の画角外(死角)から対向車が接近する急カーブ路の走行時に、対向車検出が成立せず対向車にグレアを与えることを防止するため、前方車両の検出有無に関わらずロービーム用配光パターンを選択することが記載されている。
また、オートハイビーム制御を行なう場合、前方車両の光源を精度よく識別することが重要となる。
こうした光源識別に関する従来技術として、例えば特許文献2には、光源が移動光源であるか静止光源であるかを識別してオートハイビーム制御に反映させることが記載されている。
特開2011−255826号公報 特許第3660877号
上述したようなオートハイビーム機能を有する前照灯制御装置においては、自車両前方を撮像した画像内に地面と空間との境目である水平ラインを設定し、水平ラインよりも下方で所定の軌跡を示す高輝度画素群を対向車、先行車等の前方車両であると認識する。
しかし、自車両の前方で路面の勾配が谷のように変化する場合、前方車両が水平ラインよりも上方に撮像される場合などが生じ、前方車両の認識が遅れてハイビームの消灯が遅れ、前方車両にグレアを与えることが懸念される。
本発明の課題は、自車両前方で道路の勾配が変化する場合であっても前方車両を適切に検出可能な前照灯制御装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する
請求項に係る発明は、自車両前方を照射する前照灯の配光パターンを自動的に切り替える前照灯制御装置であって、自車両前方の画像を逐次撮像する撮像手段と、前記撮像手段が逐次撮像した画像から他車両の光源を認識する他車両認識手段と、前記他車両認識手段による他車両の光源の認識に応じて他車両への眩惑が抑制されるよう前記配光パターンを切り替える配光制御手段とを備える前照灯制御装置であって、自車両が走行中の車線における自車両前方の路面の勾配の現在走行中の路面の勾配に対する変化を検出する勾配変化検出手段を備え、前記他車両認識手段は、前記画像内に所定の水平ラインを設定し、前記水平ラインよりも下方で予め設定された条件を充足する高輝度画素群を他車両であると認識するとともに、前記勾配変化検出手段が上り方向への勾配変化を検出した場合には前記水平ラインを平地走行時に対して上方にオフセットし、下り方向への勾配変化を検出した場合には前記水平ラインを平地走行時に対して下方にオフセットすることを特徴とする前照灯制御装置である。
これによれば、自車両前方の勾配変化に応じて水平ラインを上方、下方にオフセットすることによって、水平ラインを適切に設定し、勾配変化検出手段が上り方向への勾配変化を検出した場合には前記水平ラインを平地走行時に対して上方にオフセットすることによって、平地走行時における前方車両検出領域の上方に存在する前方車両を適切に検出することが可能となる。
一方、下り方向への勾配変化を検出した場合には前記水平ラインを平地走行時に対して下方にオフセットすることによって、地面よりも上方に存在する街灯等の光源が平地走行時における前方車両検出領域に入って前方車両と誤認識されることを防止できる。
請求項に係る発明は、前記撮像手段は撮像された光源の自車両に対する相対距離を逐次検出可能なステレオカメラを有し、前記他車両認識手段は、前記光源の自車両に対する相対距離の推移に基づいて前記他車両の光源を認識することを特徴とする請求項1に記載の前照灯制御装置である。
これによれば、検出された光源が対向車、先行車等の移動光源であるか、街灯などの固定光源であるかを精度よく判別することができる。
以上説明したように、本発明によれば、自車両前方で道路の勾配が変化する場合であっても前方車両を適切に検出可能な前照灯制御装置を提供することができる。
本発明を適用した前照灯制御装置の実施例1の構成を示すブロック図である。 実施例1の前照灯制御装置における自車両前方の画像の一例を模式的に示す図である。 実施例1の前照灯制御装置におけるオートハイビーム制御を示すフローチャートである。 自車両が下り坂を走行している場合における対向車との位置関係と、撮像画像上の対向車位置及び水平ライン補正を示す模式図である。 自車両が上り坂を走行している場合における対向車との位置関係と、撮像画像上の対向車位置及び水平ライン補正を示す模式図である。
本発明は、自車両前方で道路の勾配が変化する場合であっても前方車両を適切に検出可能な前照灯制御装置を提供する課題を、自車両が走行している路面の勾配、又は、自車両前方での勾配の変化に応じて、撮像画像内に設定される水平ラインを上下方向にオフセット補正することによって解決した。
以下、本発明を適用した前照灯制御装置の実施例1について説明する。
実施例1の前照灯制御装置は、例えば乗用車等の自動車の車体前部に設けられ、自車両前方の所定の領域を照射する前照灯を制御するものである。
図1は、実施例の前照灯制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、前照灯制御装置1は、左側前照灯11、右側前照灯12、コントローラ20、前照灯ユニット30、カメラユニット40、走行情報検出ユニット50、勾配検出手段60等を有して構成されている。
左側前照灯11、右側前照灯12は、車体前部の左右にそれぞれ設けられている。
左側前照灯11、右側前照灯12は、自車両前方を例えば100m以上前方まで照射するハイビーム(走行用ビーム)、及び、自車両前方を例えば40m程度前方まで照射するロービーム(すれ違い用ビーム)を選択可能となっている。
左側前照灯11、右側前照灯12は、ハイビーム用、ロービーム用として例えばLED等の光源と、光源が発生する光を所定の配光パターンで投光するプロジェクタ型又はリフレクタ型の光学系等をそれぞれ有する。
ハイビーム用、ロービーム用の光源は独立して点灯、消灯が可能となっており、ハイビーム点灯時にはロービームも同時点灯されるようになっている。
コントローラ20は、図示しないバッテリ等の電源から供給される電力を、左側前照灯11、右側前照灯12の各光源に供給するものである。
コントローラ20は、前照灯制御ユニット30からの制御信号に応じて、左側前照灯11、右側前照灯12のハイビーム用光源、ロービーム用光源をそれぞれ点灯、消灯させる。
前照灯制御ユニット30は、車体に設けられる各種電装品を統括的に制御する情報処理装置である。
前照灯制御ユニット30は、CPU等の情報処理装置、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス及びこれらを接続するバス等を有して構成されている。
前照灯制御ユニット30は、コントローラ20に制御信号を与え、左側前照灯11、右側前照灯12のハイビーム点灯、ロービーム点灯、消灯を切り替える機能を有する。
前照灯制御ユニット30には、スイッチ31、照度センサ32等が接続されている。
スイッチ31は、例えば、車室内のステアリングコラム部等に設けられ、ドライバが前照灯を操作する操作入力手段である。
スイッチ31は、例えば、オフ(消灯)、ロービーム点灯、ハイビーム点灯の手動選択のほか、オートモードの選択が可能となっている。
オートモードは、車両外部の明暗等を検出して、前照灯を自動的に点灯、消灯させるものである。
また、オートモードは、さらにオートハイビームモードを備えている。
オートハイビームモードは、自車両前方をカメラユニット40で逐次撮像して得た時系列の画像に基づいて、対向車、先行車等の前方車両の灯火類(光源)の有無や市街地走行等を判別し、通常時はハイビーム点灯を行うとともに、所定範囲内に前方車両を検出したり、市街地走行を検出した場合には自動的にロービーム点灯に切り替えるものである。
前照灯制御ユニット30は、カメラユニット40等からの情報に基づいて他車両の光源を認識する他車両認識手段、その認識結果に応じてハイビーム点灯、ロービーム点灯を切り替える配光制御手段として機能する。
照度センサ32は、車両外部の明るさを検出する明度センサである。
照度センサ32は、例えば、フロントウインドウガラスの周縁部における車室内に設けられている。
カメラユニット40は、例えば車幅方向に離間して配置された一対のカメラによって自車両前方を撮像するステレオカメラ、及び、その撮像画像を画像処理するステレオ画像処理手段等を備えている。
カメラユニット40は、例えばCMOS、CCD等の固体撮像素子によって、所定の画角内に含まれる範囲内を所定のフレームレートで逐次撮像し、得られた時系列の画像データを順次前照灯制御ユニット30に提供する。
また、カメラユニット40は、公知のステレオ画像処理技術によって、特定の被写体に相当する画素群のステレオ画像上における視差に基づいて、三角測量の原理により、自車両から被写体までの相対距離を検出可能となっている。
カメラユニット40は、例えば、車室内におけるルームミラー基部(フロントウインドウガラス上端部)に隣接して設けられる。
走行情報検出ユニット50には、図示しない車速センサ、舵角センサ、車体横加速度センサ、車体ヨーレートセンサ等が接続されている。
走行情報検出ユニット50は、これらの各ユニットの出力に基づいて、車速、舵角(ハンドル角)、車体横加速度(横G)、車体ヨーレート等の車両状態に関する情報を前照灯制御ユニット30に提供する。
傾斜検出手段60は、自車両が走行中の路面の前後方向の勾配(傾斜)を検出するものである。
傾斜検出手段60は、例えば、車両前後方向の加速度を検出する加速度センサや、車両の変速機を統括的に制御する図示しないトランスミッション制御手段から取得される駆動トルク等に関する情報に基づいて、勾配を推定する推定手段等を有して構成されている。
次に、実施例の前照灯制御装置におけるオートハイビーム制御のための光源認識について説明する。
図2は、実施例の前照灯制御装置における自車両前方の画像の一例を模式的に示す図である。
画像100には、例えば、自車両走行車線101、対向車線102、ガードレール103、反射板104、街灯105、対向車106等にそれぞれ対応する画素群が含まれている。
また、画像100において、画像処理における基準線である水平ラインHが設けられる。
水平ラインHは、路面部分と空間部との境目を示す線であり、画像100の中央部に水平方向に延在する。
夜間である場合には、画像100においては、主に光源に対応する画素群が検出される。
逐次撮像される画像100を時系列に比較した場合、自車両の左側に存在する反射板104、街灯105の光は、時間経過とともに画面中央部からそれぞれ左下方向、左上方向に変位していく。
また、自車両の右側(対向車線側)に存在する反射板104の光は、時間経過とともに画面中央部から右下方向へ変位する。
これに対し、対向車106の前照灯は、他の光源に対して輝度が大きく、画面中央部から右下方向へ、水平ラインHよりも下方で変位することによって特徴付けられる。
前照灯制御ユニット30は、このような特徴に基づいて、対向車106を認識・検出可能となっている。
また、自車両前方の走行車線上でありかつ水平ラインHの下方に、テールランプに相当する赤色系の高輝度画素群が検出された場合には、先行車として認識する。
さらに、街灯105等の車両以外の光源が所定の基準以上に多く分布している場合には、市街地走行中であると判断し、前照灯制御ユニット30は、左側前照灯11、右側前照灯12をともにロービーム点灯とする。
また、実施例1においては、自車両が走行中の路面の前後方向の勾配に応じて、水平ラインHを上下にオフセットする補正を行っている。
図3は、実施例の前照灯制御装置におけるオートハイビーム制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
なお、初期状態においては左右前照灯11,12はハイビーム点灯状態となっている。
<ステップS01:光源検出>
前照灯制御ユニット30は、カメラユニット40が撮像した画像から、所定以上の輝度の画素群を光源として抽出する。
その後ステップS02に進む。
<ステップS02:勾配検出>
前照灯制御ユニット30は、勾配検出手段60から自車両が現在走行中の路面の勾配に関する情報を取得する。
この情報には、勾配の大きさに関するパラメータである勾配値に関する情報が含まれる。
その後、ステップS03に進む。
<ステップS03:勾配判定>
前照灯制御ユニット30は、ステップS02において取得した勾配値が予め設定された所定値以上である場合には、勾配路走行中であると認識し、ステップS04及びステップS05にそれぞれ進む。
一方、勾配値が所定値未満である場合には、平地走行であると認識し、ステップS07に進む。
<ステップS04:勾配値に応じた水平ラインオフセット>
前照灯制御ユニット30は、ステップS02において取得された勾配値に応じて、上述した光源認識において用いられる水平ラインHを上下方向にオフセットする補正を行う。
図4は、自車両が下り坂を走行している場合における対向車との位置関係と、撮像画像上の対向車位置及び水平ライン補正を示す模式図である。
図4(a)は、路面、自車両200及び対向車106の模式的側面視図であり、図4(b)は、撮像された画像の一例を示す模式図である(後述する図5において同様)。
図4(a)に示すように、自車両200が下り坂を走行している場合には、下り坂の前方に存在する平坦路は、自車両200の車両前後方向に対して、上方を見上げる方向に見えることになる。
仮にこのような領域を対向車106が走行している場合には、画像100内においては水平ラインHよりも上方に存在することになり、通常の光源認識では対向車106が接近して水平ラインHよりも下方となるまで対向車としての認識が成立せず、ハイビーム状態が維持されてグレアを与えることになってしまう。
そこで、実施例1においては、自車両200が下り坂を走行している場合には、勾配値に応じて、水平ラインHを上方へシフトさせる補正を行っている。
このシフト量は、勾配値の増加に応じて大きくなるように設定される。
図5は、自車両が上り坂を走行している場合における対向車との位置関係と、撮像画像上の対向車位置及び水平ライン補正を示す模式図である。
図5(a)に示すように、自車両200が上り坂を走行している場合には、自車両前方の車線は、画像100上においては上り坂の終端付近までしか撮像されなくなり、それよりも遠方を走行する前方車両の撮像及び検出は実質的に不可能である。このため、水平ラインHを下方へオフセットさせたとしても、前方車両の検出性能に影響を与えることはない。
一方、図5(b)に示すように、上り坂の終端よりも遠方に存在する街灯105などの光源は、一部が平坦路走行時の水平ラインHよりも下方に撮像されることから、仮に水平ラインHの補正を行わずに光源認識を行った場合、これが前方車両であると誤認識されることが懸念される。
そこで、実施例1においては、自車両200が上り坂を走行している場合には、勾配値に応じて、水平ラインHを下方へシフトさせる補正を行っている。
このシフト量は、勾配値の増加に応じて大きくなるように設定される。
以上説明した水平ラインHのオフセットを行った後、ステップS07に進む。
<ステップS05:光源相対距離計算>
カメラユニット20は、公知のステレオ画像処理によって、自車両から光源までの相対距離を検出し、前照灯制御ユニット30に逐次伝達する。
その後、ステップS06に進む。
<ステップS06:動的光源判断>
前照灯制御ユニット30は、ステップS05において取得した自車両から光源までの相対距離の時間履歴に基づいて、光源の自車両に対する相対速度及び相対移動方向を算出する。
前照灯制御ユニット30は、光源の自車両に対する相対速度等、及び、走行情報検出ユニット50から提供される自車両の車速や旋回状態に基づいて、光源の対地移動速度及び方向を算出する。
そして、光源の対地移動速度が所定値以上である場合には、当該光源が対向車、先行車等の移動光源であると認識し、ステップS09に進む。
一方、光源の対地移動速度が所定値未満である場合には、街灯などの静止光源であると認識し、ステップS07に進む。
<ステップS07:通常車両検出>
前照灯制御ユニット30は、上述した通常の車両検出(光源認識)を行う。
その後、ステップS08に進む。
<ステップS08:前方車両判断>
前照灯制御ユニット30は、ステップS07において前方車両(対向車又は先行車)を検出した場合には、ステップS09に進み、前方車両を検出しなかった場合には、ステップS01に戻って以降の処理を繰り返す。
<ステップS09:ハイビーム消灯>
前照灯制御ユニット30は、コントローラ20に制御信号を出力し、左側前照灯11、右側前照灯12をともにハイビーム消灯かつロービーム点灯状態とする。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
以上説明した実施例1によれば、自車両200が下り勾配を有する路面を走行している場合には、水平ラインHを上方にオフセットすることによって、自車両200から見上げる方向に存在する前方車両を適切に検出することが可能となる。
これによって、前方車両を早期に発見してハイビーム消灯することができ、グレアを与えることを防止できる。
一方、自車両200が上り勾配を有する路面を走行している場合には、水平ラインHを下方にオフセットすることによって、地面よりも上方に存在する街灯105等の光源を前方車両と誤認識することを防止できる。
また、ステレオカメラを用いて光源の速度を検出することによって、検出された光源が対向車、先行車等の移動光源であるか、街灯などの固定光源であるかを精度よく判別することができる。
次に、本発明を適用した前照灯制御装置の実施例2について説明する。
以下、上述した実施例1と実質的に共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
実施例2の前照灯制御装置は、実施例1における勾配検出手段60に代えて、図示しないナビゲーション装置を用いて、自車両前方における自車両の走行車線の勾配の現在走行中の路面の勾配に対する変化を検出し、勾配の変化に応じて水平ラインHをオフセット補正するものである。
ナビゲーション装置は、車線形状、勾配を含む地形データ(地図データ)を保持するとともに、GPS等の自車両位置検出手段を備えている。
前照灯制御ユニット30は、自車両前方における勾配が、上り方向に変化する場合には、その変化量に応じて水平ラインHを上方にオフセットする補正を行う。
ここで、勾配が上り方向に変化するとは、例えば、現在下り坂を走行しており前方で平坦路となっている場合、現在下り坂を走行しており前方で傾斜が緩やかとなっている場合、現在下り坂又は平坦路を走行しており前方で上り坂となっている場合、現在上り坂を走行しており前方で傾斜が急となっている場合などが該当する。
一方、前照灯制御ユニット30は、自車両前方における勾配が、下り方向に変化する場合には、その変化量に応じて水平ラインHを下方にオフセットする補正を行う。
ここで、勾配が下り方向に変化するとは、例えば、現在上り坂を走行しており前方で平坦路となっている場合、現在上り坂を走行しており前方で傾斜が緩やかとなっている場合、現在上り坂又は平坦路を走行しており前方で下り坂となっている場合、現在下り坂を走行しており前方で傾斜が急となっている場合などが該当する。
以上説明した実施例2によれば、自車両前方の勾配変化に応じて水平ラインHを上方、下方にオフセットすることによって、水平ラインHを適切に設定し、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果をより確実に得ることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)前照灯制御装置や、前照灯の構成は上述した実施例に限らず、適宜変更することが可能である。
例えば、実施例では、オートハイビーム制御はハイビームとロービームとを切り替えているが、これに限らず、例えば、ハイビーム用として複数の配光パターンを有する前照灯において、ハイビーム用の配光パターンを前方光源の認識結果に応じてグレアが抑制されるよう切り替えるものであってもよい。
(2)実施例では、前照灯の光源としてLED光源を用いているが、これに限らず、他種類の光源であってもよい。また、光学系の種類も特に限定されない。
1 前照灯制御装置
11 左側前照灯 12 右側前照灯
20 コントローラ 30 前照灯制御ユニット
31 スイッチ 32 照度センサ
40 カメラユニット 50 走行情報検出ユニット
100 画像 101 自車両走行車線
102 対向車線 103 ガードレール
104 反射板 105 街灯
106 対向車 200 自車両

Claims (2)

  1. 車両前方を照射する前照灯の配光パターンを自動的に切り替える前照灯制御装置であって、
    自車両前方の画像を逐次撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段が逐次撮像した画像から他車両の光源を認識する他車両認識手段と、
    前記他車両認識手段による他車両の光源の認識に応じて他車両への眩惑が抑制されるよう前記配光パターンを切り替える配光制御手段と
    を備える前照灯制御装置であって、
    自車両が走行中の車線における自車両前方の路面の勾配の現在走行中の路面の勾配に対する変化を検出する勾配変化検出手段を備え、
    前記他車両認識手段は、前記画像内に所定の水平ラインを設定し、前記水平ラインよりも下方で予め設定された条件を充足する高輝度画素群を他車両であると認識するとともに、前記勾配変化検出手段が上り方向への勾配変化を検出した場合には前記水平ラインを平地走行時に対して上方にオフセットし、下り方向への勾配変化を検出した場合には前記水平ラインを平地走行時に対して下方にオフセットすること
    を特徴とする前照灯制御装置。
  2. 前記撮像手段は撮像された光源の自車両に対する相対距離を逐次検出可能なステレオカメラを有し、
    前記他車両認識手段は、前記光源の自車両に対する相対距離の推移に基づいて前記他車両の光源を認識すること
    を特徴とする請求項1に記載の前照灯制御装置。
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