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JP6171345B2 - 照明光源装置及びこの照明光源装置を備えた投射装置及び投射装置の制御方法 - Google Patents

照明光源装置及びこの照明光源装置を備えた投射装置及び投射装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、照明光源装置及びこの照明光源装置を備えた投射装置及び投射装置の制御方法の改良に関する。
従来から、例えば、会議等において、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)等の画面情報を投射する投射装置(プロジェクタ)の照明光源装置として、高輝度の放電ランプ(例えば、超高圧水銀ランプ)を光源とするものが知られている。
その放電ランプは、高輝度を低コストで実現できる一方で、点灯開始後、安定して発光するまでに所要の時間を要する。
そこで、放電ランプに対する代替光源として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光ダイオード、有機EL素子等の固体発光素子を用いることが提案されて実用化されている。
この固体発光素子をプロジェクタの照明光源として用いることにより、プロジェクタの高速起動を可能にすると共に、環境に対する配慮も実現可能である。
その固体発光素子を用いた照明光源装置として、例えば、第1光源(励起光源)として青色レーザダイオードを用い、この青色レーザダイオードから射出された励起光としてのレーザ光を蛍光体に照射し、蛍光体を励起させることにより、R、G、Bの各色の光を生成し、このR、G、Bの各色の光を、液晶光変調装置等の光変調素子を用いて画素毎に変調することにより、カラー投影画像を得る技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
その特許文献1に記載の照明光源装置は、複数個の固体発光源を有する固体光源群と、
この固体光源群からの光を集光する集光光学系と、集光光学系からの光をほぼ平行にするコリメータ光学系と、コリメータ光学系からの光の面内光強度分布を均一化するレンズインテグレータと、集光光学系により集光する光の集光位置の近傍に設けられて集光光学系からの光を拡散させながら透過させる透過拡散光学構成要素とを備えている。
この特許文献1に記載の照明光源装置によれば、斑状の光を拡散させた上でレンズインテグレータ光学系に入射させることができるので、高輝度の照明光を得ること、光利用効率を高めること、明るさのむらの少ない照明光を得ることができる。
また、蛍光発光部と拡散透過部とを有する蛍光板と、蛍光体を励起可能な波長帯域の光を射出する第1光源と、蛍光板から射出される蛍光及び第1光源から射出される光の波長とは異なる波長帯域の光を射出する第2光源と、蛍光板から射出する各波長帯域の光を導光する導光光学系と、第1光源と第2光源とをそれぞれ点灯制御する光源制御部とを備え、その蛍光板に透過拡散部が形成された照明光源装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
その特許文献1に開示のもの、その特許文献2に開示のものは、スクリーンへの照明に用いられる光の明るさのむら(光量むら)の低減を図ることができるが、しかし、励起光が直接その蛍光ホイールの蛍光体に向けて照射される構成であるので、蛍光ホイールの単位時間(1秒)当たりの回転数の有無にかかわらず、単位時間(1秒)当たりにその蛍光体に照射される時間が一定であり、従って、蛍光体の微小領域に励起光が照射され続けると、その蛍光体の蛍光特性が劣化するおそれがある。
ところで、光源からの光を蛍光体の励起に使用する光路とスクリーンへの照明に使用する光路とに分岐させ、スクリーンへの照明に使用する光路と蛍光体の励起に使用する光路との両方の光路に拡散部材をそれぞれ設けて、スクリーンへの照明に用いる光の明るさのむらと蛍光の明るさのむら(光量むら)との防止を図ることが考えられるが、単にこのような構成とすると、蛍光の明るさのむらの防止を図る割には、蛍光の励起に使用する光源からの光の光量損失が大きいというデメリットがある。すなわち、蛍光の生成効率が低下するという不都合がある。
そこで、スクリーンへの照明に使用する光路にのみ拡散部材を設ける構成とすることが考えられるが、この場合には、蛍光体の励起に用いる光源からの光のパワー密度が高すぎることに起因して蛍光の生成効率が低下するという不都合がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、光源からの光を蛍光体の励起に使用する光路とスクリーンへの照射に使用する光路とに分岐させて用いる場合に、蛍光体から発生する蛍光の生成効率の低下を防止しつつスクリーンへの照明に用いる光の明るさのむらの低減を図ることができる照明光源装置及びこの照明光源装置を備えた投射装置及び投射装置の制御方法を提供することにある。
本発明に係る照明光源装置は、光源からの光を蛍光体の励起に使用する光の光路とスクリーンへの照射に使用する光の光路とに分岐する光路分岐部材と、前記光源からの光を前記蛍光体の励起に使用する光の光路に設けられた第1拡散部材と、前記光源からの光を前記スクリーンへの照射に使用する光の光路に設けられた第2拡散部材とを有し、
前記蛍光体の励起に使用する光の拡散度合と前記スクリーンへの照射に使用する光の拡散度合とを前記光源から等距離の位置において較べた場合に、前記第2拡散部材による光の拡散度合が前記第1拡散部材による光の拡散度合よりも大きくなるように前記第1拡散部材は前記光路分岐部材に対して前記第2拡散部材よりも遠い位置に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、光源からの光を蛍光体の励起に使用する光の光路とスクリーンへの照射に使用する光の光路とに分岐する光路分岐部材を設け、光源からの光を蛍光体の励起に使用する光路に第1拡散部材を設け、光源からの光をスクリーンへの照射に使用する光路に第2拡散部材を設け、蛍光体の励起に使用する光の拡散度合とスクリーンへの照射に使用する光の拡散度合とを光源から等距離の位置において較べた場合に、第2拡散部材による光の拡散度合が第1拡散部材による光の拡散度合よりも大きくなるように、第1拡散部材と第2拡散部材とを各光路に配置した。
従って、光源からの光を蛍光体の励起に使用する光路とスクリーンへの照射に使用する光路とに分岐させて用いる場合に、蛍光体から発生する蛍光の生成効率の低下を防止しつつスクリーンへの照明に用いる光の明るさのむらの低減を図ることができる
また、蛍光体部材に導かれる光(励起光)の拡散量をスクリーンへの照射に使用する光(照明光)の拡散量よりも小さくできるので、蛍光体部材に導かれる光(励起光)の光量損失をスクリーンへの照射に使用する光(照明光)の光量損失に較べて小さくできる。
図1は本発明の実施例1に係る照明光源装置を示す光学図である。 図2は図1に示す蛍光ホイールを拡大して示す平面図である。 図3は図1に示す反射・透過ホイールを拡大して示す平面図である。 図4は本発明の実施例2に係る投射装置を示す図であって、図1に示す照明光源装置を用いた投射装置の構成の一例を示す説明図である。 図5は図3に示す反射・透過ホイールの回転角度位置と第1照明系の光源の出射光路との関係を示す説明図である。 図6は図5に示す画像生成部に照射される光の色と各光源のオン・オフタイミングと反射・透過ホイールの透過・反射との関係の一例を画像フレームとの関係において示す説明図である。 図7は本発明の実施例3に係る照明光源装置を示す光学図である。 図8は図7に示す照明光源装置による照明光の拡散の説明図であって、(a)は第1照明系による励起光が蛍光ホイールを経由しない光路に透過拡散板が1個のみ設けられている場合の励起光の拡散状態を示し、(b)は第1照明系による励起光が蛍光ホイールを経由しない光路に透過拡散板が2個設けられている場合の励起光の拡散状態を示している。 図9は本発明の実施例4に係る照明光源装置を示す光学図である。 図10は図9に示す第1照明系の部分拡大図である。 図11は図10に示す集光素子により集束されたスポット領域の説明図である。 図12は本発明の実施例5に係る照明光源装置の光学図である。 図13は図12に示す反射・透過ホイールの平面図である。 図14は図13に示す反射・透過ホイールの回転角度位置の説明図である。 図15は図12に示す蛍光ホイールの平面図である。 図16は図15に示す蛍光ホイールの回転角度位置の説明図である。 図17は図12に示す照明光源装置を用いて画像生成部に照射される光の色と反射・透過ホイールの回転角度位置と蛍光ホイールの回転角度位置と画像フレームとの関係の一例を示す説明図である。
以下に、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図1は本発明の照明光源装置の実施例の一例を示す光学図である。その図1において、符合1は照明光学系を示している。
(照明光学系1の構成)
この照明光学系1は、ここでは、2つの照明光源(以下、光源という)2、3を有している。光源2(励起光源)は第1照明系1Aの一部を構成し、光源3は第2照明系1Bの一部を構成している。
その第1照明系1Aは、第1光学素子としてのカップリングレンズ2a、反射・透過部材としての反射・透過ホイール2b、全反射ミラー2c、蛍光体部材としての蛍光ホイール2eとから大略構成されている。なお、符合O1はその第1照明系1Aの光軸を示す。
その反射・透過ホイール2bは光源2の出射光路に設けられている。その光源2の出射光路は、その反射・透過ホイール2bの透過領域と反射領域(後述する)とにより透過光路と反射光路とに分割される。
第2照明光学系1Bは、カップリングレンズ3a、ダイクロイックミラー3b、ダイクロイックミラー3cから大略構成されている。そのダイクロイックミラー3b、ダイクロイックミラー3cは第1照明光学系1Aに共用されている。なお、符合O2はその第2照明系1Bの光軸を示す。
蛍光ホイール2eは、反射・透過ホイール2bの反射領域により形成される反射光路に設けられ、円盤状基板2gと蛍光体2hとから構成されている。蛍光ホイール2eの前面には集光素子2iが設けられている。
光源2は、照明光としての短波長の励起光を射出する固体発光素子である。例えば、この光源2には可視光としての青色レーザ光を発生する青色レーザダイオードが用いられる。なお、光源2として、青色レーザダイオードの代わりに、青色光を発生する発光ダイオードを用いることもできる。ここでは、光源2は、波長λA(400nm<λA<450nm)の光を射出する。
光源3は、波長λBよりも長波長の波長λCの照明光を射出する固体発光素子であり、例えば、その波長λCの波長範囲は、620nm<λB<750nmであり、光源3は赤色の光を出射する。なお、光源2、光源3は説明の便宜のため唯一個のみ模式的に示しているが、光源2、光源3の個数はこれに限られるものではなく、複数個の発光ダイオードからなる発光アレイを用いることもできる。
図2はその蛍光ホイール2eの円盤状基板2gを蛍光体2hが形成されている側から目視した図である。円盤状基板2gは反射部材から構成されている。蛍光体2hはリング状に形成されている。その円盤状基板2gは、回転軸2jを中心として駆動部2fにより回転駆動される。
この円盤状基板2gを用いる代わりに例えば長方形状基板を用い、長方形状基板にその長手方向に延びる蛍光体2hを形成し、その長方形状基板を波長λAの光線に対して垂直でかつ長手方向に周期的に往復動させる構成としても良い。
蛍光体2hは、波長λAの照明光を励起光として用いて励起され、波長λBの蛍光を発生する。例えば、その波長λBの波長範囲は、495nm<λB<570nmであり、蛍光体2hは緑色の光を照明光として発生する。
ダイクロイックミラー3bは、波長λAの光と波長λCの光とを透過しかつ波長λBの光を反射する光学特性を有する。ダイクロイックミラー3cは波長λAの光を反射しかつ波長λBと波長λCとの光を反射する光学特性を有する。
反射・透過ホイール2bは、駆動部2nにより回転軸2mを中心として回転駆動される。この反射・透過ホイール2bは、図3に示すように、半径方向の2本の境界領域線2r、2rと円弧線分2r’とによって囲まれた扇形状の透過領域2qを有する。その透過領域2qの角度範囲は、例えば、90度である。なお、その透過領域2qを切り欠きにより形成すれば材料の節約を図ることができる。
この反射・透過ホイール2bの透過領域2q以外の領域は、その波長λAの光を全反射する反射領域2pとされている。反射領域2pの角度範囲は、ここでは、270度である。この反射領域2pはその波長λAの光を全反射する機能を有する。
ここでは、反射・透過ホイール2bの反射領域2pの回転軸2mを中心とする角度範囲を270度としたが、この反射領域2pの角度範囲はこれに限られるものではない。また、反射・透過ホイール2bを回転させることにより、反射領域2pと透過領域2qとを切り替える構成としたが、円盤状基板2gを往復動させる構成としたと同様に往復復動させる構成とすることにより、反射領域2pと透過領域2qとを交互に切り替える構成とすることもできる。
この反射・透過ホイール2bは、第1照明系1Aの光路の光軸O1に対して斜めに配設されている。この実施例1では、この反射・透過ホイール2bは、光軸O1に対して45度とされているが、波長λAの励起光の光路の切り替えを行うことができる構成であれば、この角度に限定されるものではない。また、反射・透過ホイール2bの透過領域2qに拡散板を用いる構成とすれば、レーザダイオードから出射されるレーザ光のスペックルパターンを抑制する効果がある。
この反射・透過ホイール2bは、画像データに同期して適宜回転され、これにより、画像データにより構築されるべき色に応じて適宜第1照明系1Aの透過光路と反射光路とが選択される。ここでは、反射・透過ホイール2bは、例えば、1秒間に30回転するものとし、1フレーム(例えば、1/30秒)の間に例えば1回転されるものとされている。
反射・透過ホイール2bとダイクロイックミラー3bとの間の反射光路には第1透過拡散部材(第1透過部材)としての透過拡散板2v1が設けられている。この透過拡散板2v1は反射領域2pにより反射された励起光を拡散させつつ透過させて蛍光ホイール2eに導く役割を有する。
ここでは、反射光路は光源2からの光を蛍光体2hの励起に使用する光の光路である。
反射・透過ホイール2bと全反射ミラー2cとの間の透過光路には第2透過拡散部材(第2拡散部材)としての透過拡散板2v2が設けられている。この透過拡散板2v2は透過領域2qを透過した励起光を照明光として拡散させつつ透過させてダイクロイックミラー3cに導く役割を有する。
ここでは、透過光路は光源2からの光をスクリーン(図示を略す)への照射に使用する光の光路である。
その反射・透過ホイール2bは光源2からの光を蛍光体2hの励起に使用する光の光路とスクリーンへの照射に使用する光の光路とに分岐する光路分岐部材として機能する。なお、ここでは、第1拡散部材、第2拡散部材を透過拡散部材により構成したが、必ずしもこれに限るものではない。
また、ここでは、反射光路を励起光が蛍光ホイール2eを経由する光路とし、透過光路を励起光が蛍光ホイール2eを経由しない光路としたが、ダイクロイックミラー3b、3cの光学特性と、蛍光ホイール2eの光学配置とを変えることにより、透過光路を励起光が蛍光ホイール2eを経由する光路とし、反射光路を励起光が蛍光ホイール2eを経由しない光路とすることもできる。
その透過拡散板2v1は、反射・透過ホイール2bに対して、透過拡散板2v2よりも遠い位置に配置されている。その理由については後述することにし、先に、波長λA、λB、λCの光線の経路について説明する。
波長λAの励起光は光源2から出射された後、カップリングレンズ2aを介して反射・透過ホイール2bに導かれ、この反射・透過ホイール2bの透過領域2qが第1照明系1Aの出射光路に存在するときには、波長λAの励起光はその透過領域2qを透過して透過光路に存在する透過拡散板2v2に導かれる。
その透過領域2qを透過した励起光は、この透過拡散板2v2を透過しつつこの透過拡散板2v2によって拡散されて、全反射ミラー2c、ダイクロイックミラー3cに導かれ、このダイクロイックミラー3cにより反射されて、照明光学系1から照明光として出射される。その照明光は、透過拡散板2v2により拡散されているので、光源2から出射される励起光の均一性が向上する。
波長λAの励起光は、反射・透過ホイール2bの反射領域2pが第1照明系1Aの出射光路に存在するときには、その反射領域2pにより反射されて、第1照明系1Aの反射光路に存在する透過拡散板2v1に導かれる。
透過拡散板2v1に導かれた励起光は、この透過拡散板2v1を透過しつつこの透過拡散板2v1によって拡散されて、ダイクロイックミラー3bに導かれ、このダイクロイックミラー3bを透過する。
このダイクロイックミラー3bを透過した波長λAの励起光は集光素子2iにより集光されて、蛍光体2hの微小領域2hm(図2参照)に照射され、その蛍光体2hの微小領域2hmが励起されて、この微小領域2hmが波長λBの蛍光を発生する。
波長λAの励起光と波長λBの蛍光とは円盤状基板2gによって反射され、集光素子2iにより集光されて、ダイクロイックミラー3bに再び導かれる。波長λAの光はそのダイクロイックミラー3bを通過し、波長λBの光はそのダイクロイックミラー3bにより反射されて、ダイクロイックミラー3cを透過して、緑色の蛍光として照明光学系1から出射される。
波長λAの光は、図2に示すように、蛍光体2hの微小領域2hmにスポット的に照射されるため、蛍光体2hの同一の微小領域2hmに波長λAの光が照射され続けると、蛍光体2hの蛍光の生成効率が低下したり、発光特性が劣化したりすることが起こり得る。
しかしながら、この実施例によれば、円盤状基板2gが回転軸2jを中心として常時回転駆動され、波長λAによって照射される蛍光体2hの微小領域2hmが時間的に変化するので、波長λAの光のエネルギーが同一の微小領域2hmに集中され続けることが回避され、蛍光体2hの特性劣化の防止を図ることができる。
また、反射・透過ホイール2bを設けることにより、単位時間(1秒)内に励起光の出射光路が透過光路と反射光路とに交互に切り替えられ、単位時間当たりにその蛍光体に励起光が照射される時間を短くできるので、蛍光体の蛍光特性のより一層の劣化を避けることができる。
更に、励起光が蛍光ホイール2eを経由する光路に透過拡散板2v1を設けているので、励起光のパワー密度の低下を図ることができ、その結果、励起光のパワー密度が高すぎることによる蛍光の生成効率の低下を防止でき、蛍光ホイール2eの回転による蛍光特性劣化防止、反射・透過ホイール2bによる光路切り替えとの相乗効果により、蛍光特性の劣化防止をより一層図ることができる。
ここで、その透過拡散板2v1は、反射・透過ホイール2bに対して、透過拡散板2v2よりも遠い位置に配置されている理由について、以下に説明する。
透過拡散板2v1と透過拡散板2v2とに同一の屈折特性、形状、厚さのものを用いると、すなわち、拡散角度が同じものを用いた場合、反射・透過ホイール2bから等距離の位置に透過拡散板2v1と透過拡散板2v2とを配置すると、波長λAの光の拡散度合いが同じとなる。
ところが、波長λAの光により励起された波長λBの蛍光は、蛍光体2hから発生する散乱光であるので、波長λAの光に較べて均一性の良好な蛍光、すなわち、光量むらの少ない蛍光である。
これに対して、スクリーンへの照明に使用する光源2からの波長λAの光は、光源2に起因する強度分布特性を有する光であり、波長λBの蛍光に較べて相対的に光量むらの大きい照明光である。
従って、蛍光体2hの励起に使用する光のパワー密度が高すぎることによる蛍光の生成効率の低下の防止を図るために、蛍光体2hの励起に使用する波長λAの光の光路に配置する透過拡散板2v1の反射・透過ホイール2bからの距離を、スクリーンの照明に用いる波長λAの光の光路に配置する透過拡散板2V2の反射・透過ホイール2bからの距離と同じ距離にして、蛍光体2hの励起に使用する光の拡散度合をスクリーンの照明に用いる波長λAの光の拡散度合と同じにしたとしても、蛍光の光量むらを低減する割には、集光素子2iに入射する波長λAの光の光量が少なくなり、蛍光ホイール2eから発生する波長λBの蛍光の光量が低下するという不都合がある。
すなわち、蛍光の生成効率が低下する不都合がある。
その蛍光ホイール2eに入射する波長λAの光の光量を多くするために、集光素子2iのレンズ径を大きくすることは考えられるが、集光素子2iのレンズ径を大きくすると、その分光学系が全体として大型化するという不都合がある。
このように、波長λAの光のパワー密度が高すぎることによる蛍光の生成効率の低下の防止を図るために、蛍光体2hの励起に使用する波長λAの光の光路に配置する透過拡散板2v1の反射・透過ホイール2bからの距離を、スクリーンの照明に用いる波長λAの光の光路に配置する透過拡散板2V2の反射・透過ホイール2bからの距離と同じ距離にすると、波長λBの蛍光の均一性を向上させる割には、そのデメリットが大きい。
そこで、この実施例では、透過拡散板2v1を反射・透過ホイール2bに対して透過拡散板2v2よりも遠い位置に配置することにより、蛍光体2hから発生する蛍光の生成効率の低下を防止することにしたものである。
逆に言えば、透過拡散板2v2を反射・透過ホイール2bに近づけて配置し、後述するインテグレータから極力遠ざけることにしたので、波長λAの光の拡散度合を確保することができ、波長λAの光をそのままスクリーンへの照明光として用いることによる光量むらの防止も図ることができる。
波長λCの照明光は、カップリングレンズ3aを介してダイクロイックミラー3bに導かれ、このダイクロイックミラー3b、ダイクロイックミラー3cを透過して、赤色の照明光として照明光学系1から出射される。
そのダイクロイックミラー3cは、反射・透過ホイール2bにより分岐された透過光路と反射光路とを合流させて合流光路を形成する光路合流光学素子、ここでは、励起光が蛍光ホイール2eを経由する光路と励起光が蛍光ホイール2eを経由しない光路と、波長λCの照明光の光路を合成する光路合流光学素子として機能する。
この実施例では、透過拡散板2v1の反射・透過ホイール2bからの距離が透過拡散板2v2の反射・透過ホイール2bからの距離よりも大きいものとして説明したが、拡散角度が透過拡散板2v2の拡散角度よりも小さい材料を用いて透過拡散板2v1を構成しても良い。
この場合には、蛍光体2hの励起に使用する波長λAの光の光路に配置する透過拡散板2v1の反射・透過ホイール2bからの距離と、スクリーンへの照明に用いる波長λAの光の光路に配置する透過拡散板2V2の反射・透過ホイール2bからの距離とがたとえ同じであっても、蛍光体2hから発生する波長λBの蛍光の生成効率の低下を防止しつつ明るさのむらの少ないスクリーンへの波長λAの照明光を得ることができる。
また、この実施例では、第1照明系1Aの反射光路に透過拡散板2v1を設け、第1照明系1Aの透過光路に透過拡散板2v2を設ける構成としたが、第2照明系1Bの出射光路に破線で示すように、第3透過拡散部材としての透過拡散板2v3を設け、波長λAの光、波長λBの蛍光、波長λCの照明光を均一に拡散させることにより、スクリーンへの照明に用いる光の光量むらの防止を図る構成とすることもできる。
(実施例2)
図4は実施例1の照明光学系1を用いた投射装置10の構成の一例を示している。この図4において、実施例1と同一構成要素については同一符合を付してその詳細な説明は省略する。
この投射装置10は、照明光学系1を制御する制御部11、照明光学系1の光路の先方に設けられた集光素子12、インテグレータ13、集光素子14、反射ミラー15、画像生成部16、投射レンズ17を含む。その集光素子12、インテグレータ13、集光素子14、反射ミラー15は、ダイクロイックミラー3cから出射された照明光を画像生成部16に導く照射光学系を構成している。投射レンズ17は、画像生成部より生成された投影画像を投影する投影光学系を構成している。その投影光学系により図示を略すスクリーンに投影画像が投影される。
透過拡散板2v1、2v2、2v3により均一拡散された波長λA、λB、λCの照明光は、集光素子12により集束され、インテグレータ13により面状に均一に分散されることにより、より一層光量むらが除去されて集光素子14、反射ミラー15を経由して画像生成部16に照射される。制御部11の構成・作用は後述することにし、先に画像生成部16の構成作用について説明する。
(画像生成部16の構成・作用)
画像生成部16には、画像生成データが入力される。その画像生成部16は、例えば、
公知のDMD(デジタルマイクロミラーデバイス;Digital Micromirror Device )から構成されている。
このDMDは、画素単位のマイクロミラーを有する。そのマイクロミラーはその角度が二位置制御され、その角度の二位置制御の繰り返し時間間隔を制御することにより階調制御を行うことができるようになっている。
そこで、画像の一フレーム期間内に、時間順次にR(赤色:波長λC)、G(緑色;波長λB)、B(青色;波長λA)の光を切り替えて照射し、このRGBの各色の光の照射タイミングに同期して、その表示画素毎の画像生成データに基づいてマイクロミラー駆動信号により画像生成部16を駆動することにより、目の残像現象を利用して、画像生成データに基づいてフルカラーの画像が生成される。
(制御部11の構成・作用)
制御部11はCPU(中央処理ユニット;Central Processing Unit)、ROM(リードオンリーメモリ;Read Only Memory)、RAM(ランダムアクセスメモリ;Random Access Memor
y)を有する。この制御部11はROMに予め記憶されているプログラムに従って、RAMをワークメモリとして用いて、投射装置10の全体の動作を統括制御する。
また、その制御部11は、外部情報機器に対するインターフェィス(図示を略す)を有し、例えば、パーソナルコンピュータからの画像データを取り込むことができる。そして、その制御部11は、その取り込んだ画像データに対して画像処理を施し、画像生成部16を駆動するのに適合する既述の画像生成データを生成する。
その画像生成データは駆動信号生成部18に入力され、駆動信号生成部18はその画像生成データに基づいて駆動信号を生成し、その駆動信号は画像生成部16に向けて出力される。
その制御部11は、光源2、光源3の点灯制御、駆動部2f、駆動部2nの回転制御を行う。以下、この制御部11による制御の一例を図5、図6を参照しつつ説明する。
反射・透過ホイール2bは、図5に示すように、照明光学系1Aの出射光路を横切るようにして回転軸2mを中心に回転している。なお、この図5には、説明の便宜上、第1照明系1Aの出射光路の代わりに、この出射光路と同等の円形のスポット領域2sが破線により示されている。反射領域2pと透過領域2qとの境界領域線2r、2rは、反射・透過ホイール2bの一回転中に各1回、そのスポット領域2sを横切る。
その反射・透過ホイール2bには、図5に模式的に示すように、回転軸2mの近傍にその回転軸2mを取り囲むようにして輪環状の回転角度位置検出パターンSpが形成されている。
この回転角度位置検出パターンSpに対向する箇所にエンコーダの一部を構成する受像素子Sx(図4参照)が設けられ、スポット領域2sがこの回転角度位置検出パターンSpの一部を相対的に横切るとき、その横切る際の回転角度位置検出パターンSpのパターンが受像素子Sxに受像される。その受像素子Sxと回転角度位置検出パターンSpとは回転角度位置検出センサを構成している。
受像素子Sxはその受像信号をCPUに出力する。回転角度位置検出パターンSpは回転角度位置と一対一に対応づけられ、これにより、CPUは反射・透過ホイール2bの回転角度位置を検出できる。光源2、光源3は画像データによってかつその回転角度位置に同期して点灯・消灯制御される。
なお、回転角度位置検出パターンSpと受像素子Sxとからなる回転角度位置検出センサの代わりに、回転角度に比例して抵抗値が変化するポテンションメータを回転角度位置検出センサとして用いても良い。また、反射・透過ホイール2bの回転軸2mに加速度センサを取付け、これを反射・透過ホイール2bの回転角度位置検出に用いても良い。
また、なお、その図5には、説明の便宜上、反射・透過ホイール2bの一回転中の回転角度位置が水平線を基準位置0度として、右回り方向に適宜角度を付して示されている。
スポット領域2sが透過領域2qに存在する場合、光源2がオンされると、既述したように、波長λAの光(青色)は、透過領域2qを透過する。スポット領域2sが反射領域2pに存在する場合、光源2がオンされると、既述したように、波長λAの光(青色)は、反射領域2pにより反射される。
図6(a)は、画像の一フレームと反射・透過ホイール2bの回転角度との対応関係を示す説明図であって、境界領域線2rが水平方向にあるときを角度0度として境界領域線2rの回転角度位置と画像の一フレーム(一般的に第nフレームとする)との関係が示されている。
この実施例では、画像の一フレームの期間(例えば、T=30分の1秒)内に、赤色(レッドRn)、緑色(グリーンGn)、黄色(イエローYn)、青色(ブルーBn)、紫色(マゼンタMn)の5色の色の照明光を生成するものとして説明する。
境界領域線2rの回転角度位置は、90度毎に4つの期間に等分割され、最後の期間が二個に等分割されて、一フレームの期間が全部で5分割されている。その各期間をそれぞれ符合a〜eで示し、各期間a〜e内に画像生成部16に赤色(レッドRn)、緑色(グリーンGn)、青色(ブルーBn)、黄色(イエローYn)、紫色(マゼンタMn)の光束が照射されるものとする。
各期間a〜cの回転角度範囲は90度、各期間d、eの角度範囲は45度であり、反射・透過ホイール2bが等速回転するものとすると、この実施例では、各期間a〜期間cは120分の1秒であり、各期間d、eは240分の1秒である。
図6(b)は、その各期間a〜eに対応して光源2、3のオン・オフタイミングと反射・透過ホイール2bの透過・反射タイミングとを示している。期間aにおいて、スポット領域(出射光路)2sが反射領域2pにあり、制御部11により光源2がオフ、光源3がオンされると、第2照明系1Bにより赤色(レッドRn)の照明光が画像生成部16に照射される。
期間bにおいて、スポット領域(出射光路)2sが反射領域2pにあり、制御部11により光源2がオン、光源3がオフされると、第1照明系1Aの波長λAの光により蛍光体2hが励起され、緑色(グリーンGn)の照明光が画像生成部16に照射される。
期間cにおいて、スポット領域(出射光路)2sが反射領域2pにあり、制御部11により光源2、光源3が同時にオンされると、照明光学系1から緑色の照明光と赤色の照明光とが出射されるため、加色法の原理によって黄色(イエローYn)の照明光が画像生成部16に照射される。
期間dにおいて、スポット領域(出射光路)2sが透過領域2qにあり、制御部11により光源2がオン、光源3がオフされると、第1照明系1Aの波長λAの光が照明光学系1から照明光として出射されるため、青色の照明光が画像生成部に照射される。
期間eにおいて、スポット領域(出射光路)2sが透過領域2qにあり、制御部11により光源2、光源3が同時にオンされると、青色(Bn)の光と赤色(Rn)の光とが同時に照明光学系1から出射されるため、加色法の原理によってマゼンタ(Mn)の光が画像生成部16に照射される。
このように、この実施例2によれば、一フレームの期間を5分割して各期間内で、赤、
緑、青、黄、紫の各色の光を画像生成部16に照射できるので、赤、緑、青、黄、紫の各色の光の照射タイミングと、各DMDの角度の二位置制御とにより、目の残像現象を利用してフルカラーの画像を生成できると共に階調制御を行うことができる。
なお、この実施例では、1フレームの期間を5分割して、反射・透過ホイール2bの回転角度位置を5色の色に対応させることにしたが、これに限られるものではない。
また、この実施例2によれば、蛍光ホイール2eに用いる円盤状基板2gに反射部材を用いているので、反射・透過ホイール2bの反射領域2pにより形成される反射光路を重複する構成とすることができ、照明光学系1のサイズの小型化を図ることができる。
(実施例3)
図7は本発明の実施例3に係る照明光源装置を示す光学図であり、図8は図7に示す照明光源装置による照明光の拡散の説明図であって、(a)は第1照明系1Aによる光が蛍光ホイールを経由しない光路に透過拡散板が1個設けられている場合の光の拡散状態を示し、(b)は第1照明系1Aによる光が蛍光ホイールを経由しない光路に透過拡散板が2個設けられている場合の光の拡散状態を示している。
この実施例3では、図7に示すように、第1照明系1Aによる波長λAの光が蛍光ホイール2eを経由しない光路に透過拡散板2v2とは別の透過拡散板2v2’が設けられている。その第2透過拡散板2v2には、透過拡散板2v2が1個の場合、図8(a)に示すように波長λAの光である平行光束が入射され、その波長λAの光である平行光束はその透過拡散板2v2により拡散されて、所定の強度分布を有する拡散光束とされる。その拡散光束の拡散角度は、その透過拡散板2v2の屈折特性、厚さ、形状等によって決定される。
その透過拡散板2v2により拡散された拡散光束は、波長λAの光が蛍光ホイール2eを経由しない光路に透過拡散板2v2とは別の透過拡散板2v2’が設けられている場合、透過拡散板2v2’に導かれて、図8(b)に示すように更に拡散され、その拡散光束の強度分布は、図8(a)に示す拡散光束の強度分布に対して、図8(b)に示すようになだらかなものとなり、これによって、波長λAの光がより一層拡散されて、均一な照明光とされる。その他の構成は、実施例1と同様であるのでその詳細な説明は省略する。
なお、実施例1と同様に、反射・透過ホイール2bの透過領域2qに拡散板を用いる構成とすれば、レーザダイオードから出射されるレーザ光のスペックルパターンを抑制する効果がある。また、実施例1と同様に、第2照明系1Bの出射光路に破線で示すように、第3透過拡散部材として透過拡散板2v3を設け、波長λAの光、波長λBの蛍光、波長λCの照明光を均一に拡散させることにより、照明光の光量むらの防止を図る構成とすることもできる。
(実施例4)
この実施例4は、図9、図10に示すように実施例1に示す第1照明系1Aの出射光路に、波長λAの光を集束して反射・透過ホイール2bに点状のスポット領域2s’を形成する光学素子としての集光素子2wを設けると共に、透過光路にカップリングレンズ2xを設け、反射光路にカップリングレンズ2x’を設けたものである。その集光素子2wは光軸O1に沿って図示を略す駆動手段によって駆動可能とされている。
この実施例4によれば、光源2から出射された波長λAの光は、図10に示すように、
カップリングレンズ2aにより集光され、平行光束として集光素子2wに導かれ、集光素子2wにより収束されて、反射・透過ホイール2bに導かれる。
その収束された波長λAの光は、反射領域2pが第1照明系1Aの出射光路にあるときには、その反射領域2pにより反射されてカップリングレンズ2x’に導かれ、このカップリングレンズ2x’により平行光束として透過拡散板2v1に導かれ、この透過拡散板2v1により拡散された後、集光素子2iにより収束されて、蛍光体2hに照射される。
その収束された波長λAの光は、透過領域2qが第1照明系1Aの出射光路にあるときには、その透過領域2qを透過してカップリングレンズ2xに導かれ、このカップリングレンズ2xにより平行光束として透過拡散板2v2に導かれる。
この実施例4では、図11に示すように、波長λAの光束は収束されて反射・透過ホイール2bに照射されるため、実施例1の第1照明系1Aのスポット領域2sの大きさに較べて、スポット領域2s’の大きさを小さくできる。
このため、反射・透過ホイール2bの透過領域2qと反射領域2pとの境界領域線2r、2rがスポット領域2s’を横切る時間の短縮を図ることができる。
境界領域線2r、2rがスポット領域2s’を横切る際、波長λAの光(青色の照明光)の一部が透過領域2qを透過し、その光の残りの一部が反射領域2pにより反射されて蛍光体2hに導かれるため、照明光学系1から出射される照明光が混色光となるが、スポット領域2sの大きさを小さくすることにより、色再現性(色純度)の向上を図ることができる。その他の構成及び作用は、実施例1と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
(実施例5)
この実施例では、照明光学系1の光源は1個である。この光源には実施例1と同様に波長λA(青色)と同じ波長の光を出射するものを用い、この光源を図12に示すように符合2を用いて示す。
反射・透過ホイール2bの機械構成要素は、図13に示すように、反射領域2pと透過領域2qとが回転軸2mの中心を通る直線を境にして180度対称位置に形成され、残余の構成は実施例1と同様であり、全反射ミラー2cの構成も同一であるので、これらの構成要素については、図1に示す符合と同一符合を付してその説明を行う。
その図13、図14には、反射領域2pと透過領域2qとを区切るために回転軸2mの中心を通る直線を回転軸2mを中心に二分割してその一方を半径方向の境界領域線2rとし、他方を半径方向の境界領域線2rとして示している。なお、図14には、水平方向を基準の回転角度位置「0」度として、半径方向の境界領域線2rの回転角度位置が示されている。
図15に示すように、蛍光ホイール2eの輪環状の蛍光体2hは、波長λBの蛍光を発生する半円弧状蛍光体2h’と、この波長λB(緑色)とは異なる波長λC(赤色)の蛍光を発生する半円弧状蛍光体2h”とから構成されている。なお、この実施例では、円盤状基板2gを180度に分割して異なる蛍光波長を発生する半円弧状蛍光体を円盤状基板2gに形成することにしたが、これに限られるものではない。
その図15、図16に、円盤状基板2gの回転軸2jの中心を通って半円弧状蛍光体2h’と半円弧状蛍光体2h”の境界線を形成する直線を回転軸2jを中心に二分割してその一方を半径方向の境界領域線2rとし、他方を半径方向の境界領域線2rとして示す。
なお、図16には、水平方向を基準の回転角度位置「0」度として、半径方向の境界領域線2rの回転角度位置が示されている。
図14に示すように、回転軸2mの中心から半径方向に延びてスポット領域2sの円に接する二本の接線2r’、2r’の為す角度θ’は、スポット領域2sの円の半径、回転軸2mの中心からスポット領域2sの中心(光軸O1)までの距離によって定まるが、ここでは、スポット領域2sの大きさは無視して説明することにする。
また、図16に示すように、回転軸2jの中心から半径方向に延びてスポット領域2s”の円に接する二本の接線2r”、2r”の為す角度θ”は、スポット領域2s”の円の半径、回転軸2jの中心からスポット領域2s”の中心までの距離によって定まるが、このスポット領域2sの大きさについても無視して説明することにする。
なお、ここでは、蛍光ホイール2eは反射・透過ホイール2bの1回転に対して4回転するものとし、角度θ”は60度であるものとする。境界領域線2rが0度から90度の範囲内にあるとき又は境界領域線2rが270度から360度の範囲内にあるとき、蛍光ホイール2eの回転角度位置は、波長λAの光が半円弧状蛍光体2h’に照射可能な位置に対応している。
境界領域線2rが90度から270度の範囲内にあるとき、蛍光ホイール2eの回転角度位置は、波長λAの光が半円弧状蛍光体2h”に照射可能な位置に対応している。
反射・透過ホイール2bの反射光路には、実施例1と同様にダイクロイックミラー3bが設けられ、透過光路にはダイクロイックミラー3cが設けられている。そのダイクロイックミラー3bは、実施例1と同様に波長λAの光を透過し、波長λB、波長λCの光を反射する機能を有する。ダイクロイックミラー3cは、波長λAの光を反射し、波長λB、λCの光を透過する機能を有する。
駆動部2fは、例えばステッピングモータにより構成され、円盤状基板2gは回転軸2jを中心にして半円弧状蛍光体2h’、2h”の所定の回転角度位置を基準にして回転駆動される。光源2を点灯すると、波長λAの青色の光が反射・透過ホイール2bに向かって照射される。
透過領域2qが照明光学系1の出射光路に存在するとき、波長λAの青色の光は、カップリングレンズ2aにより平行光束として透過領域2qに導かれて、この透過領域2qを通過し、透過拡散板2v2に導かれ、この透過拡散板2v2により拡散された後、全反射ミラー2c、ダイクロイックミラー3cにより反射されて、照明光学系1から出射される。
反射領域2pが照明光学系1の出射光路に存在するとき、波長λAの青色の光は、カップリングレンズ2aにより平行光束として反射領域2pに導かれて、この反射領域2pにより反射されて、透過拡散板2v1に導かれ、この透過拡散板2v1により拡散された後、ダイクロイックミラー3bを透過して集光素子2iに導かれ、この集光素子2iにより蛍光体2hに収束照射される。
その蛍光体2hのうちの半円弧状蛍光体2h’に波長λAの青色の光が収束照射されたときには、この青色の光を励起光として波長λBの蛍光(緑色の光)が生成され、半円弧状蛍光体2h”に波長λAの青色の光が収束照射されたときには、この青色の光を励起光として波長λCの蛍光(赤色の光)が生成される。
その波長λB又は波長λCの蛍光は、集光素子2iにより集光されてダイクロイックミラー3bに導かれ、このダイクロイックミラー3bにより反射され、ダイクロイックミラー3cを透過して、照明光学系1から出射される。
(画像生成部16への照射タイミングの例)
図17はその実施例5に係る第n番目の画像フレームについてのRGB光の投射タイミングと反射・透過ホイール2bの回転角度位置と蛍光ホイール2eの回転角度位置との関係の一例を模式的に示す説明図である。
反射・透過ホイール2bは、境界領域線2rの回転角度が図17(a)に示すように基準位置0度に対して45度にあるときから回転を始めるものとし、これに対して、蛍光ホイール2eは、境界領域線2rが基準位置0度にあるときから回転を開始するものとして説明する。
第n番目の画像フレームにおいて、反射・透過ホイール2bの回転角度位置45度から135度の範囲内で、光源2を点灯させるものとして説明する。
画像の一フレームの点灯期間を期間a、b、c、dを説明の便宜上四分割し、期間aでは、制御部11により、照明光学系1の出射光路に反射・透過ホイール2bの反射領域2pが位置するように反射・透過ホイール2bの回転角度位置を制御し、蛍光ホイール2eの半円弧状蛍光体2h’が波長λAの光により照射されるように蛍光ホイール2eの回転角度位置を制御する。
これにより、波長λBの緑色(Gn)の蛍光が生成され、この波長λCの緑色(Gn)の蛍光がダイクロイックミラー3b、3cを経て照明光学系1から出射され、画像生成部16に照射される。
期間bにおいては、制御部11により、第1照明系1Aの光路に反射・透過ホイール2bの反射領域2pが位置するように反射・透過ホイール2bの回転角度位置を制御し、蛍光ホイール2eの半円弧状蛍光体2h”が波長λAの光により照射されるように蛍光ホイール2eの回転角度位置を制御する。
これにより、波長λCの赤色(Rn)の蛍光が生成され、この波長λCの赤色(Rn)の蛍光がダイクロイックミラー3b、3cを経て照明光学系1から出射され、画像生成部16に照射される。
期間cでは、制御部11により、第1照明光学系1Aの光路に反射・透過ホイール2bの透過領域2qが位置するように反射・透過ホイール2bの回転角度位置を制御する。これにより、波長λAの光は透過領域2qを透過し、全反射ミラー2c、ダイクロイックミラー3cにより反射されて、照明光学系1から出射される。
期間dでも、制御部11により、第1照明光学系1Aの光路に反射・透過ホイール2bの透過領域2qが位置するように反射・透過ホイール2bの回転角度位置を制御する。これにより、波長λAの光は透過領域2qを透過し、全反射ミラー2c、ダイクロイックミラー3cにより反射されて、照明光学系1から出射される。
この実施例5の場合、一フレームの期間内の反射・透過ホイール2bの角度45度から角度135度の範囲内で、光源2を点灯することにより、RGBの各色の光を画像生成部16に照射することができるため、フルカラーの画像を形成できると共に、白色の投射を行うことができる。
また、実施例3と同様に、色味を変化させることができる。例えば、期間bを長くすることによって、投射画像に赤味を帯びさせることができる。また、期間a、b、c、dを調節することにより、色温度を変更することもできる。
投射装置には照明光学系1の光学構成要素を除いて、実施例2の構成と同一のものを用いることができるので、その詳細な説明は省略する。
この実施例5によれば、光源の個数を1個にすることができるので、照明光学系1の光学素子の個数を削減でき、照明光学系1のサイズの小型化、コンパクト化、コストの低減を図ることができる。
また、スポット領域2s、2s”の大きさは、設計段階で決めて、制御部11のRAM等に予め記憶させておく構成としても良いし、スポット領域2s、2s”の基準の大きさを設定し、カップリングレンズ2aの光軸方向の駆動による大きさの変化を演算により求める構成としても良い。また、反射・透過ホイール2bと蛍光ホイール2eとの回転数の関係をテーブルとして記憶させておいても良い。
このようにこれらの照明光源装置を備えた投射装置では、反射・透過ホイール2bを回転駆動するステップと、反射・透過ホイール2bの反射領域2pと透過領域2qとの一方が出射光路(スポット領域2s)を横切ったときに励起に用いる光を拡散させて蛍光体に導く第1拡散ステップと、反射・透過ホイール2bの反射領域2pと透過領域2qとの他方が出射光路を横切ったときにスクリーンの照明に用いる光を拡散させてダイクロイックミラー(光路合流光学素子)3cに導く第2拡散ステップとが実行される。
また、反射・透過ホイール2bの回転角度位置を検出する検出ステップと、この検出ステップにより検出された検出結果を用いて反射・透過ホイール2bが出射光路を横切るタイミングを算出して光源2をオン・オフ制御する制御ステップが実行される。
1…照明光学系
2…光源(励起光源)
2b…反射・透過ホイール(光路分岐部材)
2e…蛍光ホイール(蛍光体部材)
2n…駆動部
2p…反射領域
2q…透過領域
3c…ダイクロイックミラー(光路合流光学素子)
2v1…透過拡散板(第1拡散部材、第1透過拡散部材)
2v2…透過拡散板(第2拡散部材、第2透過拡散部材)
特開2011−13316号公報 特開2010−85745号公報

Claims (18)

  1. 光源からの光を蛍光体の励起に使用する光の光路とスクリーンへの照射に使用する光の光路とに分岐する光路分岐部材と、
    前記光源からの光を前記蛍光体の励起に使用する光の光路に設けられた第1拡散部材と、
    前記光源からの光を前記スクリーンへの照射に使用する光の光路に設けられた第2拡散部材とを有し、
    前記蛍光体の励起に使用する光の拡散度合と前記スクリーンへの照射に使用する光の拡散度合とを前記光源から等距離の位置において較べた場合に、前記第2拡散部材による光の拡散度合が前記第1拡散部材による光の拡散度合よりも大きくなるように前記第1拡散部材は前記光路分岐部材に対して前記第2拡散部材よりも遠い位置に配置されていることを特徴とする照明光源装置。
  2. 前記蛍光体の励起に使用する光の光路と前記スクリーンへの照射に使用する光の光路とを合流させる光路合流光学素子を備え、
    前記第1拡散部材は前記蛍光体の励起に使用する光を前記蛍光体に向けて透過させつつ拡散させる第1透過拡散部材からなり、
    前記第2拡散部材は前記スクリーンへの照射に使用する光を透過させつつ前記光路合流光学素子に向けて拡散させる第2透過拡散部材からなり、
    前記第1透過拡散部材は前記光路分岐部材に対して前記第2透過拡散部材よりも遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明光源装置。
  3. 前記蛍光体の励起に使用する光の光路と前記スクリーンへの照射に使用する光の光路とを合流させる光路合流光学素子を備え、
    前記第1拡散部材は前記蛍光体の励起に使用する光を前記蛍光体に向けて透過させつつ拡散させる第1透過拡散部材からなり、
    前記第2拡散部材は前記スクリーンへの照射に使用する光を透過させつつ前記光路合流光学素子に向けて拡散させる第2透過拡散部材からなり、
    前記第1透過拡散部材の拡散角度が前記第2透過拡散部材の拡散角度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の照明光源装置。
  4. 前記光路分岐部材は前記光源からの光を透過させる透過領域と反射させる反射領域とを有する反射・透過ホイールから構成され、該反射・透過ホイールが回転駆動されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の照明光源装置。
  5. 前記蛍光体は回転駆動される蛍光ホイールから構成されていることを特徴とする請求項4に記載の照明光源装置。
  6. 前記蛍光ホイールは反射部材からなる円盤状基板を有し、前記蛍光体は前記円盤状基板に輪環状に形成され、前記源により生成された蛍光が前記円盤状基板により反射されて前記光路合流光学素子に導かれることを特徴とする請求項5に記載の照明光源装置。
  7. 照明光学系の一部を構成する励起光源からの励起光により励起される蛍光体が形成された蛍光体部材と、前記励起光源の出射光路に設けられて該励起光源からの励起光を透過させる透過領域と前記励起光源からの励起光を反射する反射領域とを有して該励起光源からの前記励起光を前記蛍光体部材を経由する光路と該蛍光体部材を経由しない光路とに分割する反射・透過部材と、前記出射光路が交互に前記透過領域と前記反射領域とを横切るように前記反射・透過部材を駆動する駆動部と、前記励起光が前記蛍光体部材を経由する光路と前記励起光が前記蛍光体部材を経由しない光路とを合流させる光路合流光学素子と、前記励起光が前記蛍光体部材を経由する光路に設けられて前記励起光を透過しつつ前記蛍光体部材に向けて拡散させる第1透過拡散部材と、前記励起光が前記蛍光体部材を経由しない光路に設けられて前記励起光源から出射された前記励起光を透過させつつ前記光路合流光学素子に向けて拡散させる第2透過拡散部材とを備え、
    前記第1透過拡散部材は前記反射・透過部材に対して前記第2透過拡散部材よりも遠い位置に配置されるか又は前記第1透過拡散部材の拡散角度が前記第2透過拡散部材の拡散角度よりも小さくされ、前記照明光学系は前記反射・透過部材が前記励起光源の出射光路に設けられた第1照明系と、前記励起光の波長及び前記蛍光体の波長とは異なる波長の光を照明光として出射する照明光源を有する第2照明系により構成されていることを特徴とする照明光源装置。
  8. 前記第2照明系の照明光源の出射光路に透過拡散部材が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の照明光源装置。
  9. 前記第1照明系は、前記励起光源からの励起光を集光して前記反射・透過部材にスポット領域を形成する光学素子を有し、該光学素子が前記スポット領域のサイズを調節可能に光軸方向に駆動されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の照明光源装置。
  10. 前記蛍光体部材は回転駆動される蛍光ホイールから構成されていることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の照明光源装置。
  11. 前記照明光学系が第1照明系のみにより構成され、
    前記蛍光体は前記蛍光体部材の回転方向に対して回転中心を通る直線により少なくとも二以上の円弧状蛍光体に分割され、各円弧状蛍光体は前記励起光により互いに異なる色の蛍光を発生することを特徴とする請求項10に記載の照明光源装置。
  12. 前記励起光源が青色のレーザ光を発生するレーザ光源であり、前記円弧状蛍光体の一方が前記励起光源により励起されて緑色の蛍光を発生する蛍光材料から構成され、前記円弧状蛍光体の他方が前記励起光源により励起されて赤色の蛍光を発生する蛍光材料から構成されていることを特徴とする請求項11に記載の照明光源装置。
  13. 前記照明光学系は、前記励起光源からの励起光を集光して前記反射・透過部材にスポット領域を形成する光学素子を有し、該光学素子が前記スポット領域のサイズを調節可能に光軸方向に駆動されることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の照明光源装置。
  14. 前記励起光が前記蛍光体部材を経由しない光路に、前記第2透過拡散部材とは別の透過拡散部材が更に設けられていることを特徴とする請求項7ないし請求項13のいずれか1項に記載の照明光源装置。
  15. 請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の照明光源装置が用いられ、前記照明光源装置の光路合流光学素子から出射された照明光を画像生成部に導く照射光学系と、前記画像生成部により生成された投影画像を投影する投影光学系と制御部とを備え、前記制御部は画像データの一フレームの期間を分割してかつ前記画像データに対応して光源をオン・オフ制御すると共に前記画像生成部を制御することにより前記画像データに対応する投影画像を目の残像現象を利用して生成することを特徴とする投射装置。
  16. 前記画像生成部がデジタルマイクロミラーデバイスによって構成されていることを特徴とする請求項15に記載の投射装置。
  17. 請求項7に記載の照明光源装置を備えた投射装置の制御方法であって、
    前記反射・透過部材を駆動するステップと、
    前記反射・透過部材の反射領域と透過領域との一方が前記出射光路を横切ったときに前記励起光を拡散させて前記蛍光体に導く第1拡散ステップと、
    前記反射・透過部材の反射領域と透過領域との他方が前記出射光路を横切ったときに前記励起光を拡散させて前記光路合流光学素子に導く第2拡散ステップとを実行することを特徴とする投射装置の制御方法。
  18. 前記反射・透過部材の位置を検出する検出ステップと、
    該検出ステップにより検出された検出結果を用いて前記反射・透過部材が前記出射光路を横切るタイミングを算出して光源をオン・オフ制御する制御ステップとを更に備えていることを特徴とする請求項17に記載の投射装置の制御方法。
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