JP6160744B2 - 粘着剤組成物及びその用途 - Google Patents
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Description
一方、近年のエレクトロニクス技術の飛躍的進歩により、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)などの種々のフラットパネルディスプレイ(FPD)が、様々な分野で表示装置として使用されるようになってきた。
これらの表示装置は、一般的にはガラス若しくはポリカーボネート等の透明プラスチック材料を粘着剤で貼り合せた積層構造を有する。このため、粘着剤にはこれらの材料に対して十分な接着強度を示すと共に透明性に優れたものであることが要求され、一般にはアクリル系の粘着剤が使用されているが、その接着強度や密着性等についてはさらなる改善が望まれている。
特許文献1では、接着性や透明性等に優れた粘着剤組成物として、カルボキシル基含有モノマー成分を含まず、アルコキシアルキルアクリレートを主たるモノマーとするアクリル系架橋ポリマーを含む粘着剤組成物が開示されている。また、特許文献2には、アミド基を含有する単量体を構成単量体に含むアクリル系高分子化合物が、タッチパネル用粘着剤組成物として有用である旨が記されている。
例えば、特許文献3には、カルボキシル基を有する主ポリマーとアミノ基を有する低分子アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物が開示されている。また、特許文献4には、親水性の高い(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルを主成分とするポリマー及びアミノ基又はアミド基を有する低分子量アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物からなる粘着剤層が、高温・高湿下においても透明性確保等に有効である旨が記載されている。
一方、特許文献3及び特許文献4に記載の粘着剤組成物では、粘着強度の向上は見られるものの、例えばガラスへの接着強度が低い等、被着体によっては十分な接着強度が得られないものもあり、改善されるべき余地が残されるものであった。
〔1〕ビニル重合体を含む粘着付与剤及びアクリル系粘着性ポリマーを含有する粘着剤組成物であって、
前記ビニル重合体は、アミド基及び/又はアミノ基を有するビニル単量体を全構成単位中の10質量%を超え、90質量%以下の範囲で含有し、ガラス転移温度(Tg)が40〜150℃であり、かつ数平均分子量が500〜10,000であり、
前記アクリル系粘着性ポリマーは、構成単量体としてアクリル酸メトキシエチルを含有する、
粘着剤組成物。
〔2〕前記ビニル重合体は、メタクリル酸シクロヘキシルを構成単量体に含むものを除く、前記〔1〕に記載の粘着剤組成物。
〔3〕前記アミド基及び/又はアミノ基を有するビニル単量体は、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル及び(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルの内から選ばれる1種又は2種以上のビニル単量体であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の粘着剤組成物。
〔4〕前記アクリル系粘着性ポリマー100重量部に対して、前記粘着付与剤が5〜60重量部含有されることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の粘着剤組成物。
〔5〕前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の粘着剤組成物を用いてなる粘着加工品。
以下、本発明について詳しく説明する。尚、本明細書において、「(共)重合体」とは、単独重合体及び/又は共重合体を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
本発明の粘着付与剤は、アミド基及び/又はアミノ基を有するビニル単量体を必須の構成単位とするビニル重合体を含むものである。
上記アミド基を有する単量体としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、などの複素環含有化合物;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−アセトン(メタ)アクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、などの(メタ)アクリルアミド系化合物;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうちでも、(メタ)アクリロイルモルホリン及び(メタ)アクリルアミドが得られる粘着付与剤を含有する粘着剤組成物の接着強度が高くなる傾向にあることから好ましい。
これらのうちでも、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル及び(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルが得られる粘着付与剤を含有する粘着剤組成物の接着強度が高くなる傾向にあることから好ましい。
本発明では、上記アミド基を有する単量体及び上記アミノ基を有する単量体のどちらか一方若しくは両方を使用することができるが、より高い接着強度が得られる場合があることからアミド基を有する単量体を使用することが好ましい。
これらのうちでも、接着強度に優れる粘着付与剤が得られる点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル等の炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸イソボルニルが好ましい。
また、重量平均分子量(Mw)と上記(Mn)との比(Mw/Mn)は、良好な接着強度が得られやすいという観点から、3.0以下が好ましく、2.2以下がより好ましく、1.8以下がさらに好ましい。
ここで、数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて得られた標準ポリスチレン換算値である。
溶液重合法による場合、有機溶剤、アミド基及び/又はアミノ基を有するビニル単量体及びその他の単量体を反応器に仕込み、有機過酸化物、アゾ系化合物等の熱重合開始剤を添加して、50〜300℃に加熱して共重合することにより目的とするビニル重合体を得ることができる。当該ビニル重合体は、有機溶剤に溶解された溶液として使用しても良いし、加熱減圧処理等により溶剤を留去して用いても良い。
単量体を含む各原料の仕込み方法は、すべての原料を一括して仕込むバッチ式の初期一括仕込みでもよく、少なくとも一つの原料を連続的に反応器中に供給するセミ連続仕込みでもよく、全原料を連続供給し、同時に反応器から連続的に生成樹脂を抜き出す連続重合方式でもよい。
また、レドックス型重合開始剤としては、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、アスコルビン酸、硫酸第一鉄等を還元剤とし、ペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等を酸化剤としたものを用いることができる。
さらに、前記アクリル系粘着性ポリマーは、十分な凝集力と良好な接着性を発揮する観点から、重量平均分子量(Mw)が100,000以上であることが好ましく、250,000以上であることがより好ましく、400,000以上であることがさらに好ましい。
粘着剤組成物における粘着付与剤の含有量は、アクリル系粘着性ポリマー100質量部に対する当該粘着付与剤の使用量は、好ましくは5〜60質量部であり、より好ましくは5〜40質量部であり、さらに好ましくは5〜30質量部である。粘着付与剤の使用量を5質量部以上とすることにより各種被着体への接着強度が十分向上する傾向にあり、60質量部以下とすることにより初期接着力(タック)を含む良好な接着強度を得ることができる。
上記イソシアネート化合物としては、芳香族系、脂肪族系、脂環族系の各種イソシアネート化合物、更には、これらのイソシアネート化合物の変性物(プレポリマー等)を用いることができる。
脂肪族イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リシンジイソシアネート(LDI)、リシントリイソシアネート(LTI)等が挙げられる。
脂環族イソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、水添化XDI(H6XDI)、水添化MDI(H12MDI)等が挙げられる。
また、変性イソシアネートとしては、上記イソシアネート化合物のウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビューレット変性体、ウレア変性体、イソシアヌレート変性体、オキサゾリドン変性体、イソシアネート基末端プレポリマー等が挙げられる。
上記溶液型粘着剤組成物及びエマルション型粘着剤組成物の場合、用いられる有機溶剤または水等の媒体は、粘着剤組成物100質量部に対して通常20〜80質量部である。
本発明の粘着付与剤は、ロジン系樹脂やテルペン系樹脂等の一般的な粘着付与樹脂と異なり、UV硬化の際に硬化阻害を生じない。このため、UV硬化等の光硬化型粘着剤組成物に用いた場合には、硬化性に悪影響を及ぼさず接着強度等の粘着特性を改善することができる。
又、活性エネルギー線による感度を向上させるため、光増感剤を併用することもできる。
光増感剤としては、安息香酸系及びアミン系光増感剤等が挙げられる。これらは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
光開始剤及び光増感剤の使用量は、単官能及び/又は多官能の(メタ)アクリル酸系単量体100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。
基材としては、紙類、フィルム、布、不織布、及び金属箔等を用いることができ、粘着剤組成物の塗工は直接これらの基材上に行っても良いし、離型紙等に塗工して乾燥した後に基材に転写しても良い。
粘着シートに形成される粘着剤の厚み(乾燥後の膜厚)は用途により選択されるが、通常は1〜300μmの範囲であり、5〜250μmの範囲が好ましく、10〜200μmの範囲が更に好ましい。
また、本実施例において得られた重合体の各種分析は、以下に記載の方法により実施した。
測定サンプル約1gを秤量(a)し、次いで、通風乾燥機155℃、30分間乾燥後の残分を測定(b)し、以下の式より算出した。測定には秤量ビンを使用した。その他の操作については、JIS K 0067−1992(化学製品の減量及び残分試験方法)に準拠した。
固形分(%)=(b/a)×100
分子量はGPCにて下記の条件で測定した。
GPC:東ソー(HLC−8120)
カラム:東ソー(TSKgel−Super MP−M×4本)
試料濃度:0.1%
流量:0.6ml/分
溶離液:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
検出器:示唆屈折計(RI)
標準物質:ポリスチレン
TgはDSCにて以下の条件で測定した。
DSC:TA Instrument製(Q−100)
昇温温度:10℃/分
測定雰囲気:窒素
ポリマー組成はモノマー仕込量とGC測定によるモノマー消費量から算出した。
GC:Agilent Technolosies製(7820A GC System)
検出器:FID
カラム:100%ジメチルシロキサン(CP−Sil 5CB) 長さ30m、内径0.32mm
算出方法:内部標準法
合成例1(重合体A−1の合成)
内容積1リットルの4つ口フラスコに、ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という)200質量部とジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬社製、商品名「V−601」)6.8質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という)48質量部、アクリロイルモルホリン(以下、「ACMO」という)194質量部、V−601 90質量部、DMF 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン4200質量部、酢酸エチル 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−1を得た。得られた重合体A−1は、仕込量とGC測定によるモノマー消費量から計算した組成、ACMO70質量%及びMMA30質量%とからなり、Mw2390、Mn1570、Mw/Mn1.52であった。また、そのTgは86℃であった。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、DMF 180質量部とV−601 4.4質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、MMA 105質量部、ACMO 144質量部、V−601 84質量部、DMF 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン4200質量部、酢酸エチル 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−2を得た。
重合体A−2の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、酢酸ブチル 223質量部とV−601 3.3質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、MMA 162質量部、ACMO 85質量部、V−601 62質量部、酢酸ブチル 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン4200質量部、酢酸エチル 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−3を得た。
重合体A−3の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、酢酸ブチル 255質量部とV−601 1.5質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、MMA 171質量部、ACMO 79質量部、V−601 29質量部、酢酸ブチル 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン4200質量部、酢酸エチル 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−4を得た。
重合体A−4の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、酢酸ブチル 284質量部とV−601 0.8質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、MMA 180質量部、ACMO 80質量部、V−601 15質量部、酢酸ブチル 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン4200質量部、酢酸エチル 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−5を得た。
重合体A−5の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、DMF 224質量部とV−601 3.1質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、MMA 167質量部、アクリルアミド(以下、AAm) 83質量部、V−601 3.1質量部、DMF 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン4200質量部、酢酸エチル 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−6を得た。
重合体A−6の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、酢酸ブチル 236質量部とV−601 2.5質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、MMA 170質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(以下、DMA) 84質量部、V−601 47質量部、酢酸ブチル 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン4200質量部、酢酸エチル 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−7を得た。
重合体A−7の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、スチレン(以下、「St」という) 39質量部とACMO 16質量部と酢酸ブチル 226質量部とV−601 7.1質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、St 154質量部、ACMO 44質量部、V−601 52質量部、酢酸ブチル 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をメタノール4200質量部、水 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−8を得た。
重合体A−8の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、酢酸ブチル 220質量部とV−601 3.4質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、メタクリル酸イソボルニル(以下、「IBXMA」という) 195質量部、ACMO 56質量部、V−601 64質量部、酢酸ブチル 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をメタノール4200質量部、水 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−9を得た。
重合体A−9の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、MMA 50質量部、酢酸ブチル227質量部とV−601 15質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、MMA 200質量部、V−601 46質量部、酢酸ブチル 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン6000質量部に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−10を得た。
重合体A−10の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、MMA 19質量部、St 11質量部、酢酸ブチル220質量部とV−601 9質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、MMA 108質量部、St 93質量部、V−601 78質量部、酢酸ブチル 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をメタノール4200質量部、水1800質量部に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−11を得た。
重合体A−11の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、DMF 180質量部とV−601 0.8質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、MMA 105質量部、ACMO 144質量部、V−601 14質量部、DMF 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン4200質量部、酢酸エチル 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−12を得た。
重合体A−12の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、DMF 207質量部とV−601 3.1質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、メタクリル酸ブチル(以下、BMA) 131質量部、ACMO 134質量部、V−601 58質量部、DMF 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン4200質量部、酢酸エチル 1800質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−13を得た。
重合体A−13の組成及び分析結果を表1に示す。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、DMF 200質量部とV−601 3.8質量部とからなる混合液を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を90℃に上昇した。別途、MMA 237量部、ACMO 15質量部、V−601 67質量部、DMF 90質量部とからなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に5時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、重合溶液をヘキサン6000質量部からなる混合溶液に滴下することにより、重合溶液中のビニル重合体を単離して、重合体A−14を得た。
重合体A−14の組成及び分析結果を表1に示す。
合成例15(重合体B−1の合成)
内容積1リットルの4つ口フラスコに、酢酸エチル230質量部を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を70℃に上昇した。別途、アクリル酸メトキシエチル(以下、「MEA」という)80質量部、アクリル酸ブチル(以下、「BA」という)15質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、「HEA」という)5質量部、アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」という)1質量部からなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に4時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、さらにAIBNを0.3部添加して、70℃で3時間熟成し、酢酸エチルにより固形分濃度を30質量%に調整することにより重合体B−1溶液を得た。得られた重合体B−1は、MEA80質量%、BA15質量%、HEA5質量%とからなり、Mw50万、Mn5万、Mw/Mn10.0であった。
内容積1リットルの4つ口フラスコに、酢酸エチル230質量部を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を70℃に上昇した。別途、BA 95質量部、HEA 5質量部、AIBN 1質量部からなる混合液を滴下ロートからフラスコ内に4時間かけて滴下することにより重合を行った。滴下終了後、さらにAIBNを0.3部添加して、70℃で3時間熟成し、酢酸エチルにより固形分濃度を30質量%に調整することにより重合体B−2溶液を得た。得られた重合体B−2は、BA95質量%、HEA5質量%とからなり、Mw50万、Mn5万、Mw/Mn10.0であった。
参考例1
上記合成例1で得られた重合体(A−1)を酢酸エチルに溶解して固形分濃度30質量%の重合体(A−1)溶液を調整した。当該重合体(A−1)溶液10質量部、重合体B−1溶液100質量部、架橋剤としてコロネートL45(日本ポリウレタン工業社製) 0.71質量部を混合し、粘着剤組成物を調整した。
実施例1において、アクリル系粘着性ポリマー及び粘着付与剤の種類、比率を表2及び表3に示すように変えて粘着剤組成物を得るとともに、実施例1と同様の測定を行った。結果を表2及び表3に示す。
ACMO:アクリロイルモルホリン
AAm:アクリルアミド
DMA:メタクリル酸ジメチルアミノエチル
MMA:メタクリル酸メチル
St:スチレン
IBXMA:メタクリル酸イソボルニル
BMA:メタクリル酸ブチル
比較例5は粘着付与剤のMnが本発明の規定する範囲外である場合の例であるが、粘着性ポリマーとの相溶性が十分でなく、得られた粘着層の透明性が不十分であった。
比較例6及び比較例7は、粘着付与剤のTg若しくは構成単位としてのアミド基含有ビニル単量体量が本発明の規定する範囲外である場合の例であり、これらもまた、各種被着体に対して十分な接着強度を与えるものではなかった。
上記の他にも、本発明の粘着剤組成物は、透明性に優れ、かつガラスをはじめとする各種被着体に対して高い接着強度を有するため、タッチパネル、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイパネル等のディスプレイ及びこれらに用いられる各種光学フィルムの貼り合せにも好適である。
Claims (5)
- ビニル重合体を含む粘着付与剤及びアクリル系粘着性ポリマーを含有する粘着剤組成物であって、
前記ビニル重合体は、アミド基及び/又はアミノ基を有するビニル単量体を全構成単位中の10質量%を超え、90質量%以下の範囲で含有し、ガラス転移温度(Tg)が40〜150℃であり、かつ数平均分子量が500〜10,000であり、
前記アクリル系粘着性ポリマーは、構成単量体としてアクリル酸メトキシエチルを含有する、
粘着剤組成物。 - 前記ビニル重合体は、メタクリル酸シクロヘキシルを構成単量体に含むものを除く、請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記アミド基及び/又はアミノ基を有するビニル単量体は、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル及び(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルの内から選ばれる1種又は2種以上のビニル単量体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
- 前記アクリル系粘着性ポリマー100重量部に対して、前記粘着付与剤が5〜60重量部含有されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物を用いてなる粘着加工品。
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