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JP6140591B2 - 蒸留装置 - Google Patents

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Description

本発明は複数の蒸留塔を含む蒸留装置に関し、例えば、原料を蒸留によって3つ以上の留分に分離するために好適な、複数の蒸留塔を含む蒸留装置に関する。
多成分からなる原料を蒸留によって3つ以上の留分に分離するプロセスにおいては、通常2つ以上の蒸留塔が用いられる。
例えば、スチームクラッカーで得られるC4留分から、リニアポリエチレン(L−LDPE)の原料として有用な1−ブテンを分離するプロセス(「1−ブテンプロセス」と呼ばれる)がある。このプロセスでは、C4留分から、1−ブテンより軽い成分と、1−ブテンより重い成分とを分離して、製品1−ブテンを得る。なお、本明細書において、炭素数を表すために「C」を使用し、例えば「C4」は炭素数が4であることを意味する。
そのために、従来から、2つの従来型蒸留塔を用いて、C4留分を第一の蒸留塔に供給し、第一の蒸留塔の塔頂留分(1−ブテンを含む)を第二の蒸留塔に供給し、第二の蒸留塔の塔底から製品1−ブテンを得るプロセスが知られている(非特許文献1参照)。
一方、省エネルギー化の観点から改良された蒸留塔として、蒸気再圧縮塔(Vapor Re−Compression System:VRC)がある。VRCにおいては、塔頂蒸気をコンプレッサーで圧縮してその温度を上昇させ、この流体をVRCのリボイラーの熱源として利用する。その後、この流体を減圧してその温度を下げ、VRCの塔頂に還流として戻す。VRCでは、いわば、ヒートポンプシステムを利用して、1つの塔の塔頂の熱を、その塔の塔底に供給することができる。したがって、リボイラーへの入熱量を削減することができ、蒸留塔におけるエネルギー消費量を削減することができる。
非特許文献1には、2つの蒸留塔を用いてC4留分から1−ブテンを得るプロセスにおいて、2つの蒸留塔のそれぞれにVRCを適用することが開示される。
非特許文献1には、また、2つの蒸留塔を用いてC4留分から1−ブテンを得るプロセスに関して、次のようなプロセスも開示される。このプロセスでは、第一の蒸留塔にVRCを適用し、第二の蒸留塔には従来型の蒸留塔を用いる。C4留分を第一の蒸留塔に供給する。この塔では、1−ブテンおよび軽質留分が塔頂から排出され、その流体がコンプレッサーによって昇圧および加熱される。昇圧された流体を2つに分岐して、第一の蒸留塔のリボイラーと第二の蒸留塔のリボイラーに供給し、各リボイラーの熱源として利用する。リボイラー熱源として利用された2つの流体を合流させ、冷却及び減圧する。その後この流体は、第二の蒸留塔のコンデンサーに供給され、第二の蒸留塔の塔頂蒸気を冷却するために利用される。その後、この流体の一部は第一の蒸留塔に還流され、残りの部分は第二の蒸留塔に原料として供給される。
特許文献1にも、2つの蒸留塔を用いてC4留分から1−ブテンを得るプロセスが開示される。この文献でも、一方の蒸留塔にVRCが適用される。
なお、省エネルギー化の観点から改良された蒸留塔として、VRCの他に、内部熱交換型蒸留塔(Heat Integrated Distillation Column:HIDiC)も知られている(特許文献2〜4参照)。HIDiCにおいては、蒸留塔の濃縮部(原料供給位置より上の部分)から回収部(原料供給位置より下の部分)へ熱交換によって熱を移動させることによって、リボイラーにおける入熱量および塔頂コンデンサーにおける除熱量を削減し、もって熱効率を高めている。
US4718986A 特開平8−66601号公報 特開2004−16928号公報 国際公開第2011/043199号パンフレット
Sulzer Chemtech社のパンフレット,「Sulzer Chemtech Distillation and Heat-Pump Technology, Production of 1-Butene from Tail Gas of a MTBE Plant」
従来型蒸留塔を2つ用いるプロセス(第一のプロセス)では、各蒸留塔において大きなリボイラー負荷が必要となり、大量のエネルギーが消費される。これは、特に各蒸留塔における軽質留分と重質留分の相対揮発度が小さい場合に、顕著である。
非特許文献1に記載されるような、2つの蒸留塔のそれぞれにVRCを適用するプロセス(第二のプロセス)では、第一のプロセスと比較して、消費エネルギーの大幅な削減が見込める。しかし、コンプレッサーが二台必要であるため、装置コストが大幅に高くなってしまうおそれがある。
非特許文献1に記載されるような、2つの蒸留塔の一方のみにVRCを使用するプロセス(第三のプロセス)では、コンプレッサーを一台だけ使用するため、装置コストの上昇は抑えることができるが、第二のプロセスほどの消費エネルギー削減が期待できない。
このように、複数の蒸留塔を有する蒸留装置においては、コスト上昇を抑えつつ省エネルギー化を図るという点で、未だ改善の余地があった。
本発明の目的は、複数の蒸留塔を有する蒸留装置において、コスト上昇を抑えつつ総消費エネルギーを低減することである。
本発明の一態様により、
第一の蒸留塔と、一以上の第二の蒸留塔とを備える蒸留装置であって、
第一の蒸留塔が、
濃縮部の全部もしくは一部を含み相対的に高圧で気液接触を行う高圧部と、
回収部の全部もしくは一部を含み相対的に低圧で気液接触を行う低圧部と、
低圧部の塔頂部から排出される蒸気を高圧部の塔底部に導く、昇圧手段を備える蒸気用ラインと、
高圧部の塔底部から排出される液を低圧部の塔頂部に導く液用ラインと、
を含み、
前記蒸留装置が、
第一の蒸留塔の濃縮部から、一以上の第二の蒸留塔のうちの少なくとも一つの蒸留塔に、熱交換によって熱を移動させるよう構成された第一の熱交換構造と、
一以上の第二の蒸留塔のうちの少なくとも一つの蒸留塔から、第一の蒸留塔の回収部に、熱交換によって熱を移動させるよう構成された第二の熱交換構造と
を含む
蒸留装置が提供される。
上記蒸留装置において、第一の熱交換構造を介して第一の蒸留塔の濃縮部から熱を受け取る蒸留塔と、第二の熱交換構造を介して第一の蒸留塔の回収部に熱を与える蒸留塔とが、同一の蒸留塔であることができる。
上記蒸留装置が、
第一の蒸留塔の高圧部の塔頂部または第一の蒸留塔の低圧部の塔底部を、一以上の第二の蒸留塔のうちの一つの蒸留塔の原料供給口に接続するラインを含むことができる。
この蒸留装置が、
第一の蒸留塔を一つと第二の蒸留塔を一つ備え、第一の蒸留塔の高圧の塔頂部を第二の蒸留塔の原料供給口に接続するラインを含み、
第一の蒸留塔に、1−ブテンと、1−ブテンより軽質な成分と、1−ブテンより重質な成分とを含む原料が供給され、かつ、
第一の蒸留塔の低圧部の塔底部から、1−ブテンより重質な成分が富化された留分が排出され、かつ、
第一の蒸留塔の高圧部の塔頂部から、1−ブテンと1−ブテンより軽質な成分とが富化された留分が排出され、この留分が第二の蒸留塔に供給され、かつ、
第二の蒸留塔の塔底部から、1−ブテンが富化された留分が排出され、かつ、
第二の蒸留塔の塔頂部から、1−ブテンより軽質な成分がさらに富化された留分が排出される
よう構成されることができる。
本発明によれば、複数の蒸留塔を有する蒸留装置において、コスト上昇を抑えつつ総消費エネルギーを低減することができる。
本発明の蒸留装置の一例を示す概略図である。 本発明の蒸留装置の別の例を示す概略図である。 熱交換構造の詳細例を説明するための図である。 熱交換構造の詳細例を説明するための図である。 熱交換構造の別の詳細例を説明するための図である。 実施例1のプロセスフロー図である。 比較例1のプロセスフロー図である。 比較例2のプロセスフロー図である。 比較例3のプロセスフロー図である。
以下図面を参照しつつ本発明の形態について説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
本発明の蒸留装置は、第一の蒸留塔と第二の蒸留塔を含む。第一および第二の蒸留塔はいずれも連続式蒸留を行う。
〔第一の蒸留塔〕
第一の蒸留塔は、
濃縮部の全部もしくは一部を含み相対的に高圧で気液接触を行う高圧部;
回収部の全部もしくは一部を含み相対的に低圧で気液接触を行う低圧部;
低圧部の塔頂部から排出される蒸気を高圧部の塔底部に導く、昇圧手段を備える蒸気用ライン;および、
高圧部の塔底部から排出される液を低圧部の塔頂部に導く液用ライン
を含む。
・高圧部および低圧部
蒸留操作における「濃縮部」および「回収部」は、蒸留装置、特には連続蒸留装置に関して、古くから使用されている用語である。濃縮部は、単一の塔で構成される従来型の蒸留塔における原料供給位置よりも上の部分に相当する。回収部は、従来型の蒸留塔における原料供給位置よりも下の部分に相当する。つまり、濃縮部は、原料中の分離対象となる軽質留分の濃度を高くしていく部分であり、回収部は重質留分の濃度を高くしていく部分である。
本発明においては、濃縮部の運転温度を回収部の運転温度より高くするために、高圧部の運転圧力が低圧部の運転圧力より高く設定される。ここでいう「相対的に高圧もしくは低圧」は、低圧部と高圧部の圧力の比較に関する。
高圧部は基本的には濃縮部に相当し、低圧部は基本的には回収部に相当する。したがって、第一の蒸留塔の最も基本的な構成においては、高圧部が濃縮部を含むが回収部は含まず、低圧部が回収部を含むが濃縮部は含まない。つまり高圧部が濃縮部の全部を含み、低圧部が回収部の全部を含む。しかし、この限りではなく、低圧部が回収部の全部と濃縮部の一部を含み、高圧部が濃縮部の残りの部分を含むことができる。あるいは、高圧部が濃縮部の全部と回収部の一部を含み、低圧部が回収部の残りの部分を含むことができる。
換言すれば、第一の蒸留塔の基本構成は、従来型の蒸留塔を、原料供給位置を境に二つの領域(濃縮部の全部を含む高圧部、および、回収部の全部を含む低圧部)に区画したような構成である。しかし第一の蒸留塔の構成は、この構成に限定されるわけではない。従来型の蒸留塔の原料供給位置より上において二つの領域に区画したような構成、すなわち、濃縮部の中間位置を境に単一の塔を二つの領域(回収部の全部と濃縮部の一部とを含む低圧部、および、回収部を含まず濃縮部の残りの部分を含む高圧部)に区画したような構成が可能である。あるいは、従来型の蒸留塔を、回収部の中間位置を境に二つの領域(濃縮部の全部と回収部の一部を含む高圧部、および、濃縮部を含まず回収部の残りの部分を含む低圧部)に区画したような構成も可能である。
なお、当然ではあるが、高圧部および低圧部の一方が濃縮部と回収部との両者を含む場合、他方が濃縮部と回収部の両方を含むことはない。
高圧部および低圧部はそれぞれ典型的には一つの塔(容器)によって形成される。高圧部を形成する高圧塔と、低圧部を形成する低圧塔とが、互いに離れて設けられていてもよい。あるいは、高圧塔と低圧塔とが構造物として一体的に設けられていてもよく、例えば単一の容器の内部を隔壁(流体が通過不能な部材)によって区画することにより、二つの領域を形成し、一方の領域を高圧塔として利用し、他方の領域を低圧塔として利用することができる。
・蒸気用ライン
従来型の蒸留塔では、塔の下部(回収部)から上部(濃縮部)へと蒸気が上昇する。本発明で用いる第一の蒸留塔では基本的には回収部と濃縮部とが分離(区画)されているため、この蒸気の流れを実現するために、このラインを設ける。
このラインには低圧部(相対的に低圧)から高圧部(相対的に高圧)に蒸気を送るために、コンプレッサーなどの昇圧手段が設けられる。
・液用ライン
従来の蒸留塔では、塔の上部(濃縮部)から下部(回収部)へと液が下降する。本発明による第一の蒸留塔では基本的には回収部と濃縮部とが分離(区画)されているため、この液の流れを実現するために、このラインを設ける。この流れを「中間還流」と呼ぶことがあり、このラインを「中間還流ライン」と呼ぶことがある。
〔第二の蒸留塔〕
第二の蒸留塔は、従来型の蒸留塔であってよい。従来型の蒸留塔は、単一の容器を有し、縮部の全部および回収部の全部がその単一の容器内の連続する領域に存在する。そして、従来型の蒸留塔はコンプレッサーを持たない。
第二の蒸留塔が、改良型蒸留塔、例えばVRCあるいはHIDiCであってもよい。ただし、VRCやHIDiCでは熱利用のためにコンプレッサーが用いられるため、コストが上昇する可能性がある。このようなコンプレッサーが不要である点で、従来型の蒸留塔が好ましい。
後に詳述するように、本発明によれば、第一の蒸留塔と第二の蒸留塔との間で熱の授受を行う。或る一つの第一の蒸留塔との間で熱の授受を行う第二の蒸留塔が、一つであってもよいし、二以上であってもよい。
〔熱交換構造〕
本発明の蒸留装置は、第一の熱交換構造および第二の熱交換構造を含む。第一の熱交換構造は、第一の蒸留塔の濃縮部から、一以上の第二の蒸留塔のうちの少なくとも一つの蒸留塔に、熱交換によって熱を移動させるよう構成される。第二の熱交換構造は、一以上の第二の蒸留塔のうちの少なくとも一つの蒸留塔から、第一の蒸留塔の回収部に、熱交換によって、熱を移動させるよう構成される。なお、本明細書において、特に断りのない限り、熱交換という用語は、より正確には間接熱交換を意味する。
これらの熱交換構造は、熱交換器および配管等を利用して、構成することができる。例えば、第一の熱交換構造および第二の熱交換構造のいずれも、第一および第二の蒸留塔のうちの一方の蒸留塔に設けられた熱交換器と、他方の蒸留塔から流体を抜き出してその熱交換器を経由して他方の蒸留塔に戻すラインと、を用いて構成することができる。
例えば、熱交換構造は、次のa〜dに示される構成のうちの少なくとも一つを含むことができる。次のaおよびbは、後に詳述する第一の熱交換構造E1に相当し、次のcおよびdは、後に詳述する第二の熱交換構造E2に相当する。
a)第一の蒸留塔の濃縮部(典型的には高圧部に含まれる濃縮部)に設けられた熱交換器と、第二の蒸留塔(典型的にはその回収部)から液を抜き出してこの熱交換器を経由して第二の蒸留塔(典型的には回収部)に戻すライン、
b)第二の蒸留塔(典型的にはその回収部)に設けられた熱交換器と、第一の蒸留塔の濃縮部(典型的には高圧部に含まれる濃縮部)から蒸気を抜き出してこの熱交換器を経由して第一の蒸留塔の濃縮部(典型的には高圧部に含まれる濃縮部)に戻すライン、
c)第一の蒸留塔の回収部(典型的には低圧部に含まれる回収部)に設けられた熱交換器と、第二の蒸留塔(典型的には濃縮部)から蒸気を抜き出してこの熱交換器を経由して第二の蒸留塔(典型的には濃縮部)に戻すライン、
d)第二の蒸留塔(典型的には濃縮部)に設けられた熱交換器と、第一の蒸留塔の回収部(典型的には低圧部に含まれる回収部)からを抜き出してこの熱交換器を経由して第一の蒸留塔の回収部(典型的には低圧部に含まれる回収部)に戻すライン。
あるいは、第一の蒸留塔の外部かつ第二の蒸留塔の外部に熱交換器を設け、第一の蒸留塔から熱交換させるべき流体を抜き出してこの熱交換器を経由して第一の蒸留塔に戻すとともに、第二の蒸留塔から熱交換させるべき流体を抜き出してこの熱交換を経由して第二の蒸留塔に戻すこともできる。
また、第一の熱交換構造は、結果的に第一の蒸留塔の濃縮部から第二の蒸留塔に熱を移動させることのできる構造であればよい。したがって、第一の蒸留塔の濃縮部内の流体および第二の蒸留塔内の流体のいずれも直接用いなくとも第一の熱交換構造は実現できる。例えば、第一の蒸留塔の濃縮部内の流体に替えて、第一の蒸留塔の濃縮部から排出された流体を用いることができる。また、第二の蒸留塔内の流体に替えて、第二の蒸留塔に流入する流体を用いることができる。例えば、第二の蒸留塔に供給される原料と、第一の蒸留塔の濃縮部(典型的には高圧部に含まれる濃縮部)の塔頂から抜き出された塔頂蒸気を熱交換させれば、第一の蒸留塔の濃縮部から第二の蒸留塔に熱を移動させることができる。
ここで、第一の蒸留塔において、低圧部が回収部の全部と濃縮部の一部とを含み、高圧部が濃縮部の一部を含む場合を考える。例えば、第一の蒸留塔が低圧塔と高圧塔を含み、低圧塔が、その回収部の上に濃縮部の一部を有し、高圧塔が濃縮部の残りの部分を含む形態が、この場合に含まれる。このような形態では、低圧塔の塔頂部から排出される流体(低圧塔に含まれる濃縮部から排出される流体)を、コンプレッサーを経由して高圧塔の塔底部に送ることができるが、このとき、コンプレッサーの出口流体が持つ熱を、第二の蒸留塔(特にはその回収部)の内部流体に、熱交換によって与えることができる。例えば、第二の蒸留塔(特にはその回収部)の内部(例えば第二の蒸留塔の塔底部のすぐ上の段)に熱交換構造を設け、低圧塔の塔頂から排出される流体を、コンプレッサーとこの熱交換構造を経て高圧塔の塔底部に供給することができる。このような熱交換によって、第一の蒸留塔の低圧塔に含まれる濃縮部から、第二の蒸留塔(特にはその回収部)に熱を移動させることができる。
これらの熱交換の形態では、一方の蒸留塔のプロセス流体と、他方の蒸留塔のプロセス流体との間で熱交換を行っている。しかし、これらの流体以外の流体(例えば、何れのプロセス流体とも異なる熱媒体)を介して熱交換を行う形態も可能である。
第二の熱交換構造も、結果的に第二の蒸留塔から第一の蒸留塔の回収部(典型的には低圧部に含まれる回収部)に熱を移動させることのできる構造であればよい。
ただし、当然であるが、いずれの場合も、熱を与える流体は、熱を受け取る流体よりも、温度が高い。上述の熱移動が可能であるように、第一の蒸留塔および第二の蒸留塔が選ばれるとともに、第一の蒸留塔の濃縮部と回収部の圧力が設定される。
第一の熱交換構造は、一つだけ用いてもよく、あるいは複数を用いてもよい。第二の熱交換構造も、一つだけ用いてもよく、あるいは複数を用いてもよい。
〔蒸留装置の構成例〕
図1に、本発明の蒸留装置の一例の概略構成を示す。この蒸留装置は、第一の蒸留塔Aを一つと、第二の蒸留塔Bを一つ備える。蒸留塔Aは、高圧部として高圧塔A1を有し、低圧部として低圧塔A2を有する。
原料が低圧塔A2の塔頂部に供給される。
高圧塔A1の運転圧力は、低圧塔A2の運転圧力より高い。このために、蒸気用ラインA3にコンプレッサー等の昇圧手段A4を設ける。低圧塔A2の塔頂から排出される蒸気を、昇圧手段A4によって加圧したうえで、高圧塔A1の塔底部に供給する。高圧塔A1の塔底部から排出される液は低圧塔A2の塔頂部に供給される。必要に応じて、高圧塔A1の塔底部から排出される液を、減圧弁などの減圧手段によって減圧したうえで、低圧塔A2の塔頂部に供給することができる。また、配管の圧力損失や高低差などに起因して高圧塔と低圧塔との運転圧力差だけでは液を高圧塔から低圧塔に送ることができない場合など、必要に応じて送液のためにポンプを用いることができる。高圧塔A1の運転圧力を低圧塔A2の運転圧力より高くする理由は、高圧塔(特には高圧塔に含まれる濃縮部)の運転温度を低圧塔(特には低圧塔に含まれる回収部)、或いは後述する第二の蒸留塔Bの回収部の運転温度より高くするためである。
高圧塔A1の塔頂部から排出された蒸気は、塔頂コンデンサーA6で冷却され、或いは第二の蒸留塔Bの回収部の流体により冷却され、少なくとも一部が凝縮される。凝縮液の一部が高圧塔に還流され、残りの凝縮液(凝縮していない蒸気を伴ってもよい)は留出液として蒸留塔Aから排出される。
また、低圧塔A2の塔底部から排出された液の一部が、リボイラーA7で加熱され、或いは第二の蒸留塔Bの濃縮部の流体で加熱され、その少なくとも一部が気化されて低圧塔に戻される。低圧塔の塔底から排出された液の残りの部分は、缶出液として蒸留塔Aから排出される。
第二の蒸留塔Bは、塔本体(容器)B1、塔頂コンデンサーB6、リボイラーB7を含む。
蒸留塔Bの塔頂部から排出された蒸気は、塔頂コンデンサーB6で冷却され、少なくとも一部が凝縮される。凝縮液の一部が蒸留塔Bに還流され、残りの凝縮液(凝縮していない蒸気を伴ってもよい)は留出液として蒸留塔Bから排出される。
また、蒸留塔Bの塔底部から排出された液の一部が、リボイラーB7で加熱され、少なくとも一部が気化されて蒸留塔Bに戻される。蒸留塔Bの塔底から排出された液の残りの部分は、缶出液として蒸留塔Bから排出される。
塔頂コンデンサーA6およびB6周りの構成ならびにリボイラーA7およびB7周りの構成は、従来から知られた蒸留塔に適用される構成を採用することができる。例えば、必要に応じて塔頂コンデンサーの下流に気液分離ドラム(不図示)を設けることができる。
図1に示した装置では、第一の蒸留塔の濃縮部との間で熱交換を行う第二の蒸留塔と、第一の蒸留塔の回収部との間で熱交換を行う第二の蒸留塔が、同一の蒸留塔である。第一の熱交換構造E1は、蒸留塔Aの濃縮部から蒸留塔Bに熱を移動させるよう構成され、第二の熱交換構造E2は、蒸留塔Bから蒸留塔Aの回収部に熱を移動させるよう構成される。なお、図1においては、熱交換構造E1およびE2の詳細構造は示されておらず、熱の移動が概念的に白抜き矢印によって示されている。
熱交換構造E1によって、蒸留塔Aの濃縮部の内部流体が冷却される。また、熱交換構造E2によって、蒸留塔Aの回収部の内部流体が加熱される。一方、蒸留塔Bの内部流体、好ましくは蒸留塔Bの濃縮部の内部流体が、熱交換構造E2によって冷却される。また、蒸留塔Bの内部流体、好ましくは蒸留塔Bの回収部の内部流体が、熱交換構造Eによって加熱される。
いわば、第一の熱交換構造E1は、蒸留塔Aの濃縮部に設けられたサイドクーラーとして機能すると同時に、蒸留塔Bに設けられたサイドリボイラーとして機能する。また、第二の熱交換構造は、いわば、蒸留塔Aの回収部に設けられたサイドリボイラーとして機能するとともに、蒸留塔Bに設けられたサイドクーラーとして機能する。
以上のような構成により、蒸留塔Aの濃縮部から蒸留塔Bの回収部に熱を移動させることができ、また、蒸留塔Bの濃縮部から蒸留塔Aの回収部に熱を移動させることができる。
第一および第二の熱交換構造によって、蒸留塔Aの塔頂コンデンサーA6およびリボイラーA7の熱負荷が軽減されるとともに、蒸留塔Bの塔頂コンデンサーB6およびリボイラーB7の熱負荷が軽減される。その結果、蒸留装置の消費エネルギーを削減することができる。しかも、コンプレッサーを複数使用する必要がないので、コスト上昇を抑えることができる。
この蒸留装置においては、熱交換構造E1によって加熱する箇所(蒸留塔Bの回収部)は、熱交換構造E2によって冷却する箇所(蒸留塔Bの濃縮部)より低い位置にある。蒸留塔Bの濃縮部および回収部は、は単一の容器内の連続する領域に存在するため、低い位置のほうが、温度が高い。したがって、熱交換構造E1によって加熱する箇所の温度は、熱交換構造E2によって冷却する箇所の温度より高い。その結果、熱交換を行う各箇所の温度に関して、熱交換構造E1によって冷却する箇所(高圧塔A1)の温度が最も高く、次いで熱交換構造E1によって加熱する箇所(蒸留塔Bの回収部)の温度が高く、次いで熱交換構造E2によって冷却する箇所(蒸留塔Bの濃縮部)の温度が高く、熱交換構造E2によって加熱する箇所の温度が最も低い。
この蒸留装置においては、いわば、第一の蒸留塔Aの濃縮部から、熱交換構造E1、第二の蒸留塔および熱交換構造E2を介して、第一の蒸留塔Aの回収部に熱を移動させることができる。
図2に、本発明による蒸留装置の別の例を示す。この例では、第二の蒸留塔として二つの蒸留塔BおよびCが用いられる。蒸留塔BおよびCは、熱利用のためのコンプレッサーが不要であるという点で、従来型蒸留塔が好ましい。この蒸留装置に含まれる第一の蒸留塔Aは、基本的には図1に示される第一の蒸留塔Aと同様の構成を有する。ただし、熱交換をする相手となる第二の蒸留塔が、図1の装置とは異なる。
この蒸留装置に含まれる第二の蒸留塔BおよびCは、図1に示される第二の蒸留塔と同様に、塔本体(容器)B1、C1を有し、塔頂コンデンサーB6、C6を有し、また、リボイラーB7、C7を有する。
第一の熱交換構造E1によって、第一の蒸留塔Aの濃縮部(典型的には高圧塔A1に含まれる濃縮部)から、第二の蒸留塔B(特にはその回収部)に、熱交換によって熱が移動する。第二の熱交換構造E2によって、第二の蒸留塔C(特にはその濃縮部)から、第一の蒸留塔Aの回収部(典型的には低圧塔A2に含まれる回収部)に、熱交換によって熱が移動する。
図2に示される装置では、第一の熱交換構造E1が、第一の蒸留塔に含まれる高圧塔A1(典型的にはその濃縮部)に設けられたサイドクーラーとして機能するとともに、第二の蒸留塔B(特にはその回収部)に設けられたサイドリボイラーとして機能する。第二の熱交換構造E2は、第一の蒸留塔に含まれる低圧塔(典型的にはその回収部)に設けられたサイドリボイラーとして機能するとともに、第二の蒸留塔C(特にはその濃縮部)に設けられたサイドクーラーとして機能する。
その結果、この装置においても、塔頂コンデンサーA6およびリボイラーA7における熱負荷を減少させることができる。また、蒸留塔BにおけるリボイラーB7および蒸留塔Cにおける塔頂コンデンサーC6における熱負荷を減少させることができる。したがって、図2に示される蒸留装置の消費エネルギーが低減される。しかも、コンプレッサーを複数使用する必要がないので、コスト上昇を抑えることができる。
さらに、図2に示されるように一つの第一の蒸留塔に対して、第二の蒸留塔(第一の蒸留塔との間で熱交換を行う蒸留塔)が複数存在する場合の変形形態として、次のような形態がある。例えば二つの第二の蒸留塔BおよびCが存在する場合、第一の蒸留塔Aと第二の蒸留塔Bとの間に熱交換構造E1およびE2を設けるとともに、第一の蒸留塔Aと第二の蒸留塔Cとの間にも別の熱交換構造E1およびE2を設ける。これにより蒸留塔Aの濃縮部から蒸留塔B(特にはその回収部)に熱を移動させ、かつ、蒸留塔B(特にはその濃縮部)から蒸留塔Aの回収部に熱を移動させ、加えて、蒸留塔Aの濃縮部から蒸留塔C(特にはその回収部)に熱を移動させ、かつ、蒸留塔C(特にはその濃縮部)から蒸留塔Aの回収部に熱を移動させる。つまり、複数の第二の蒸留塔のそれぞれについて、第一の熱交換構造と第二の熱交換構造の両方を設けることができる。
〔第一および第二の蒸留塔の接続〕
第一の蒸留塔と第二の蒸留塔とを直列に接続することができる。例えば、図1に示す蒸留装置において、第一の蒸留塔Aの留出液の一部または全部を、第二の蒸留塔Bに原料として供給することができる。あるいは、第一の蒸留塔Aの缶出液の一部または全部を、第二の蒸留塔Bに原料として供給することができる。このようにして、蒸留塔Aと蒸留塔Bとをこの順に直列に接続することができる。
あるいは、第二の蒸留塔Bの留出液の一部または全部を、第一の蒸留塔Aに原料として供給してもよく、あるいは、第二の蒸留塔Bの缶出液の一部または全部を、第一の蒸留塔Aに原料として供給してもよい。このようにして、蒸留塔Bと蒸留塔Aとをこの順に直列に接続することができる。
このような接続のために、図1に示す装置において、第一の蒸留塔の高圧塔A1の塔頂部または第一の蒸留塔の低圧塔A2の塔底部を、蒸留塔Bの原料供給口に接続するラインを設けることができる。
図2に示す蒸留装置においても、蒸留塔A、BおよびCから選ばれる二つもしくは三つの蒸留塔を、直列に接続することができる。
このような接続のために、図2に示す装置において、例えば、第一の蒸留塔の高圧塔A1の塔頂部または第一の蒸留塔の低圧塔A2の塔底部を、第二の蒸留塔Bの原料供給口または第二の蒸留塔Cの原料供給口に接続するラインを設けることができる。
ただし、第一の蒸留塔と第二の蒸留塔を直列に設ける必要はなく、これらが並列に設けられていてもよい。あるいは、熱移動を除いては、第一の蒸留塔と第二の蒸留塔とが無関係であってもよい。
〔1−ブテンプロセス〕
本発明の蒸留装置を、1−ブテンプロセスに適用することができる。この場合、次のようなプロセスを採用することができる。すなわち、第一の蒸留塔に、1−ブテン、1−ブテンより軽質な成分および1−ブテンより重質な成分を含む原料(例えばスチームクラッカーで得られるC4留分)が供給される。第一の蒸留塔の低圧部の塔底部から、1−ブテンより重質な成分が富化された留分が排出される。第一の蒸留塔の高圧部の塔頂部から、1−ブテンと1−ブテンより軽質な成分とが富化された留分が排出され、この留分が第二の蒸留塔に供給される。第二の蒸留塔の塔底部から、1−ブテンが富化された留分(製品1−ブテン)が排出される。第二の蒸留塔の塔頂部から、1−ブテンより軽質な成分がさらに富化された留分が排出される。
このプロセスは、図1に示した蒸留装置において、第一の蒸留塔Aの留出液が排出されるラインを、第二の蒸留塔Bの原料供給口に接続することによって、実施することができる。
〔熱交換構造の詳細〕
・第一の詳細例
前述のaおよびに記載したような熱交換構造、すなわち或る塔から液を抜き出して熱交換器を経てその塔に戻すよう構成される熱交換構造は、例えば次のような要素を含むことができる:
・第一の蒸留塔および第二の蒸留塔のうちの一方の蒸留塔(蒸留塔Xと称す)の或る段に配置された熱交換器;
・第一の蒸留塔および第二の蒸留塔のうちの他方の蒸留塔(蒸留塔Yと称す)の或る段に配置され、この段から一部の液を塔外部へ抜き出す液抜き部;
・液抜き部からの液をこの熱交換器へ導入する配管(第一の配管);および、
・第一の配管を経由してこの熱交換器へ導入された後にこの熱交換器より流出する流体を、蒸留塔Yの液抜き部の直下の段へ導入する配管(第二の配管)。
図3および4を参照しつつ、これらの要素について説明する。図3に示すように、蒸留塔Yに設けられる液抜き部は、蒸留塔Yの上部から流下してきた液10を液溜め用棚板1に溜め、液10の一部をその塔の外部へ抜き出す。液抜き部には、液10の一部を蒸留塔X内の熱交換器へ向かわせる配管(第一の配管)21が接続されている。また、液抜き部の直ぐ下の段には、この熱交換器からの配管22(第二の配管)が蒸留塔Yの外壁を貫通して挿入されている。液抜き部の直ぐ下の段(液溜め用棚板の直ぐ下の段)に挿入された配管22からは、後述するように蒸気11と液12が混ざった流体が導入され、蒸気11は上昇し、液12は下へ落ちる。液抜き部は、液溜め用棚板1と、蒸留塔Yの外壁に設けられた、第一の配管との接続口とを有する。
図4に示すように、蒸留塔Xの或る段にはチューブバンドル型熱交換器2が差し込まれている。チューブバンドル型熱交換器2のU形チューブにおける平行なチューブ部分は、凝縮した液を一度溜め且つ上昇蒸気を整流するための液溜め用トレイ3に沿って配されている。該平行なチューブ部分のうち下側のチューブ部分2aは、蒸留塔Yの液抜き部に接続された配管(第一の配管)21と繋がっている。そして上側のチューブ部分2bは、液抜き部の直ぐ下の段に挿入されている配管(第二の配管)22と繋がっている。
ここで、チューブバンドル型熱交換器2の作用について説明する。蒸留塔X内を上昇する蒸気13(図4参照)は、チューブバンドル型熱交換器2のUチューブと接触する。このとき、熱交換器2の下側のチューブ部分2aには蒸留塔Yの或る段における液が配管21により導入されているため、このチューブ部分2a内の液が蒸気13の熱で加熱されるとともに、チューブ部分2aに接触した蒸気13の一部は液14となって下へと落ちる。さらに、熱交換器2の上側のチューブ部分2bも蒸気13の熱で加熱されているので、配管21から熱交換器2内に導入された液体は下側のチューブ部分2aから上側のチューブ部分2bを移動するにつれて、液相と気相が混ざった流体に変わる。そして、この流体は塔外の配管22を通って蒸留塔Yの液抜き部(液溜め用棚板1)の直ぐ下の段に導入される(図3参照)。
蒸留塔Yの液抜き部が、蒸留塔Xの熱交換器より、鉛直方向において高い位置に設置されている場合、このような流体の循環においては、本構成がサーモサイフォン方式となっているため、ポンプなどの圧送手段を特に必要としない。つまり、蒸留塔Yの液抜き部から蒸留塔Xの熱交換器2の下側のチューブ部分2aまでを配管21で接続し、さらには、蒸留塔Xの熱交換器2の上側のチューブ部分2bから蒸留塔Yの液抜き部(液溜め用棚板1)の直ぐ下の段までを配管22で接続しているため、蒸留塔Yから蒸留塔Xへ重力により液体が流れ、これによって上記の流体はポンプが無くても蒸留塔Xから蒸留塔Yへ押し流される。
・第二の詳細例
前述のおよびに記載したような熱交換構造、すなわち或る塔から蒸気を抜き出して熱交換器を経てその塔に戻すよう構成される熱交換構造は、例えば次のような要素を含むことができる:
・第一の蒸留塔および第二の蒸留塔のうちの一方の蒸留塔(蒸留塔Vと称す)の或る段に設けられ、上から流下してきた液を溜める液溜め部;
・前記液溜め部内に配置された熱交換器;
・第一の蒸留塔および第二の蒸留塔のうちの他方の蒸留塔(蒸留塔Wと称す)の内部に設けられた、上下の段を完全に仕切る仕切板;
・前記仕切板の下側の蒸気をこの熱交換器へ導入する配管(第三の配管);
・第三の配管を経由してこの熱交換器へ導入された後にこの熱交換器より流出する流体を、前記仕切板の上側へ導入する配管(第四の配管)。
図5を参照しつつ、これらの要素について説明する。蒸留塔Vの或る段に設けられた液溜め部は、上から流下してきた液10を液溜め用棚板4上に所定量貯留し、液溜め用棚板4から溢れた液は下へ落とせるようになっている。液溜め部に貯留された液の中にチューブバンドル型熱交換器2のUチューブが浸漬されるように、液溜め部にチューブバンドル型熱交換器2が差し込まれている。チューブバンドル型熱交換器2のU形チューブにおける平行なチューブ部分2a,2bは、液溜め用棚板4に沿って配されている。
該平行なチューブ部分のうち上側のチューブ部分2bには、蒸留塔Wから蒸留塔Vへ流体を送る配管23が接続されている。下側のチューブ部分2aには、蒸留塔Vから蒸留塔Wへ流体を送る配管24が接続されている。
ここで、液溜め部での熱交換器2の作用について説明する。蒸留塔Vの塔頂部から棚段或いは充填層を通って液が流下してくる。この液10は、任意の段に設けられた液溜め用棚板4上の液溜め部に溜まる。液溜め部内にはチューブバンドル型熱交換器2のU形チューブが配置されているため、該U形チューブは液10の中に浸漬されることとなる。この状態において熱交換器2の上側のチューブ部分2bに蒸留塔W内の高温蒸気が配管23によって導入されたとき、高温蒸気が移動するチューブ部分2b,2aの管壁と接している液10の一部は加熱され蒸気15になって上昇する。また配管23から熱交換器2に導入された高温蒸気は、上側のチューブ部分2bから下側のチューブ部分2aを移動するにつれて、液相と気相が混ざった流体、或いは液体に変わる。この流体は塔外の配管を通り、後述するような蒸留塔Wの仕切板上の段に導入される。蒸留塔Wの仕切板より上の領域は仕切板より下の領域よりも低い操作圧力に設定されており、この圧力差により流体の循環が行われる。蒸留塔Vの熱交換器が、蒸留塔Wの仕切り板より、鉛直方向において高い位置に設置されている場合、このような流体の循環においても、ポンプなどの圧送手段を特に必要としない。
つまり、蒸留塔Wにおける或る段から蒸留塔Vにおける熱交換器2の上側のチューブ部分2bまでを配管23で接続し、蒸留塔Vにおける熱交換器2の下側のチューブ部分2aから蒸留塔Wにおける前記の段までを配管24で接続しているため、蒸留塔Wの仕切板上下の圧力差により、蒸留塔W内の高圧蒸気は蒸留塔Vにおける熱交換器2に向かって配管23を上昇し、これによって、熱交換器2内で蒸気から凝縮した液が蒸留塔Vから塔外の配管24に押し出され、蒸留塔へ重力により流れる。したがって、ポンプなどの圧送手段は不要である。
蒸留塔Wは途中の位置で仕切板により上下の段が完全に仕切られている。仕切板の直ぐ下の段は配管23と連通しており、この段での上昇蒸気は、配管23によって、蒸留塔Vの液溜め部に配置された熱交換器2の上側のチューブ部分2bに送られる。仕切板の上側の段には、蒸留塔Vからの配管24が蒸留塔Wの外壁を貫通して挿入されている。この配管24から仕切板の上側の段に、蒸気と液が混ざった流体が導入され、蒸留塔W内で蒸気は上昇し、液は下へ落ちて仕切板上に溜まる。また仕切板を挟んで上下に位置する二つの段は、制御弁を備えた配管により連絡可能となっている。仕切板上に溜まった液は、制御弁の開放操作により、仕切板の下方の段へ適時送られる。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
本発明による蒸留装置を適用した1−ブテンプロセスにつき、熱物質収支をとった。図6にそのプロセスフローを示す。図6に圧力(kPaA)、温度(℃)、熱負荷(熱交換量や動力)(MW)を示すが、圧力は円の中に、温度は矩形の中に、熱負荷は長円の中にしめす。圧力単位「kPaA」における「A」は、絶対圧を意味する。図7以降の図においても同様である。
この蒸留装置は、図1に示した蒸留装置に相当する。第一の蒸留塔(図1に示す蒸留塔Aに相当)は、高圧塔601(図1に示す高圧塔A1に相当)および低圧塔602(図1に示す低圧塔A2に相当)を含む。蒸留塔603が第二の蒸留塔(図1に示す蒸留塔Bに相当)である。高圧塔601は、低圧塔602より、鉛直方向下方に設置される。
低圧塔602の途中の段(塔頂部に近い段)に、原料(表1に流量および組成を示す)が、1300kPaA、42℃で供給される。低圧塔602において、原料供給位置より下は第一の蒸留塔の回収部であり、原料供給位置より上が第一の蒸留塔の濃縮部の一部である。高圧塔601は、第一の蒸留塔の濃縮部の残りの部分を含む。なお、表1において、C1は炭素数1の炭化水素、C3は炭素数3の炭化水素を意味する。
低圧塔602の塔頂部から蒸気(900kPaA、67℃)が抜き出され、コンプレッサー604(図1に示す昇圧手段A4に相当)によって昇圧されると同時に昇温され(2121kPaA、133℃)、熱交換器605によって108℃に冷却され、高圧塔601の塔底部(2090kPaA、108℃)に供給される。低圧塔602の塔底部(1060kPaA、83℃)から抜き出される液の一部が、重質留分(表1に流量および組成を示す)として蒸留装置から排出され、残りの部分は熱交換器(リボイラー)606で加熱され、低圧塔の塔底部に戻される。コンプレッサー604における圧縮によって、高圧塔の運転温度は、低圧塔の運転温度より高くなる。
高圧塔601の塔底部から抜き出された液は、ポンプ607を経て、低圧塔602の塔頂部に供給される。ポンプ607は、低い位置から高い位置に液を送るために必要に応じて設けられる。
高圧塔の塔頂部(2050kPaA、106℃)から抜き出された蒸気の一部が、熱交換器606に供給され、ここで冷却され、還流ドラム608に送られる。高圧塔の塔頂部から抜き出された蒸気の残りの部分は、二つの流れに分岐され、蒸留塔603に設けられた二つの熱交換器619でそれぞれ冷却されて、ドラム608に送られる。
熱交換器606は、第一の蒸留塔の塔頂コンデンサーとして機能すると同時に、第一の蒸留塔のリボイラーとして機能する。これによって、第一の蒸留塔における縮部から回収部への熱移動が実現されている。このように、第一の蒸留塔においてこのような熱交換が行われてもよいが、これは必ずしも必要ではない。
気液分離ドラム608には、補助塔頂コンデンサーとして熱交換器609が設けられる。熱交換器609では、冷却媒体として冷却水が用いられる(図中CWは冷却水を意味する)。ドラム608から蒸気が補助塔頂コンデンサー609に送られ、冷却および凝縮されて、ドラム608に戻される。ドラム608からの液がポンプ610に送られる。ポンプ610の出口液の一部が、高圧塔601の塔頂部に還流として戻される。ポンプ610の出口液の残りの部分が、蒸留塔603に供給される(蒸留塔603の原料として)。
蒸留塔603の塔頂部(1550kPaA、86℃)から抜き出された蒸気が、塔頂コンデンサー611で冷却および全凝縮され気液分離ドラム612に送られる。コンデンサー611でも、冷却媒体として冷却水が用いられる。ドラム612からの液の一部が、ポンプ613を経由して、還流として蒸留塔603の塔頂に戻され、残りの部分が蒸留装置から軽質留分(表1に流量および組成を示す)として排出される。
蒸留塔603の塔底部(1780kPaA、99℃)から抜き出された液の一部が、熱交換器605に送られ、残りの部分が、製品1−ブテン(表1に流量および組成を示す)として蒸留塔から排出される。熱交換器605に送られた液は、この熱交換器で加熱され、蒸留塔603の塔底部に戻される。熱交換器605は、蒸留塔603のリボイラーとして機能する。
低圧塔602(特には低圧塔に含まれる第一の蒸留塔の回収部)の5つの段に、先に熱交換構造の第一の詳細例にて詳述したように、液抜き部614がそれぞれ設けられている。また、蒸留塔603(特にはその濃縮部)の内部には、それぞれの液抜き部に対応して、チューブバンドル型熱交換器615が設けられている。各液抜き部614から液が抜き出され、対応する熱交換器615で加熱され、各液抜き部614の直ぐ下の段に戻される。液抜き部614、液抜き部から液を熱交換器615に送るライン、熱交換器615、および熱交換器615から流体を低圧塔に戻すラインによって、第二の熱交換構造(図1に示されるE2に相当)が構成される。これにより、蒸留塔603(特にはその濃縮部)から、低圧塔602(特には、第一の蒸留塔の回収部)に熱が移動する。各熱交換器615は、第一の蒸留塔(低圧塔602)に設けられたサイドリボイラーとして機能するとともに、第二の蒸留塔(蒸留塔603)に設けられたサイドクーラーとして機能する。
同じように、蒸留塔603(特にはその回収部)の2つの段にも、先に熱交換構造の第一の詳細例にて詳述したように、液抜き部616がそれぞれ設けられている。また、高圧塔601(特には高圧塔に含まれる第一の蒸留塔の濃縮部)の内部には、それぞれの液抜き部に対応して、チューブバンドル型熱交換器617が設けられている。各液抜き部616から液が抜き出され、対応する熱交換器617で加熱され、各液抜き部616の直ぐ下の段に戻される。液抜き部616、液抜き部から液を熱交換器617に送るライン、熱交換器617、および熱交換器617から流体を蒸留塔603に戻すラインによって、第一の熱交換構造(図1に示されるE1に相当)が構成される。これにより、蒸留塔603(特にはその回収部)、高圧塔601(特には、第一の蒸留塔の濃縮部)から熱が移動する。各熱交換器617は、第一の蒸留塔(高圧塔601)に設けられたサイドクーラーとして機能するとともに、第二の蒸留塔(蒸留塔603)に設けられたサイドリボイラーとして機能する。
さらに、蒸留塔603(特にはその回収部)の二つの段に、先に熱交換構造の第二の詳細例にて詳述した、液溜め部618と、液溜め部に溜まった液に浸るように設けられたチューブバンドル型熱交換器619が設けられている(ただし、第二の詳細例で述べた仕切り板、第三および第四の配管は、ここでは採用していない)。
前述のように、高圧塔601の塔頂部から抜き出された蒸気の一部が二つの流れに分岐され、それぞれの流れが各熱交換器619を経た後に合流してドラム608に送られる。高圧塔601の塔頂部から熱交換器619に蒸気を導くライン、熱交換器619、液溜め部618、熱交換器619から排出される流体をドラム608、およびポンプ610を経て高圧塔601の塔頂部に戻すラインによって、第一の熱交換構造(図1に示されるE1に相当)が構成される。つまり、第一の蒸留塔の濃縮部の熱が第二の蒸留塔(蒸留塔603)の回収部に移動する。熱交換器619は、第一の蒸留塔の塔頂コンデンサーとして機能するとともに、第二の蒸留塔のサイドリボイラーとして機能する。
表2に、この第一の蒸留塔および第二の蒸留塔の塔頂運転圧力、用役冷却負荷、用役加熱負荷、消費電力を示し、また総用役冷却負荷、総用役加熱負荷、総消費電力を示す。ここでいう用役冷却負荷は、用役による冷却の負荷であり、詳しくは、塔頂コンデンサーにおいて冷却水によって蒸留装置から取り除かれる熱量である。ここでいう用役加熱負荷は、用役による加熱の負荷であり、詳しくは、リボイラーにおいてスチーム(図中、「STM」と表す)によって蒸留装置に与えられる熱量である。
第一の蒸留塔に関しては、用役冷却負荷は、具体的には、熱交換器609における熱交換量である。熱交換器606、619も塔頂コンデンサーとして機能するが、これらにおいては蒸留装置内の流体を用いて冷却を行っているため、外界に熱を取り出す必要がなく、用役冷却負荷はゼロである。第一の蒸留塔のリボイラー(熱交換器606)においては、蒸留塔内の流体を加熱源として利用しているため、外界からリボイラーを加熱する必要がなく、したがって用役加熱負荷はゼロである。消費電力は、コンプレッサー604で消費される電力である。消費電力は、機械損失を含んだ値(圧縮に必要な電力を1.07倍した)で示した(他の例においても同様)。
第二の蒸留塔に関しては、用役冷却負荷は塔頂コンデンサーにおいて蒸留装置から取り除かれる熱量(具体的には熱交換器611における熱交換量)である。第二の蒸留塔のリボイラーにおいても、蒸留塔内の流体を加熱源として利用しているため、外界からリボイラーを加熱する必要がなく、したがって用役加熱負荷はゼロである。第二の蒸留塔は従来型の蒸留塔であるため、コンプレッサーは無く、消費電力はゼロである。
なお、実施例および比較例において、液を圧送するためのポンプについては、配管の圧力損失や、液を低い位置から高い位置に送るための揚程に相当する分だけ圧力を上昇させればよく、消費動力はコンプレッサーに比べて充分小さい。よって、ポンプの消費動力は無視した。
省エネルギー指標ESIは、総用役加熱負荷と総消費電力(消費する電力を一次エネルギーに換算した値、一次エネルギー換算値=電力÷0.366)が、従来型蒸留塔を二基用いた1−ブテンプロセス(比較例3)に対してどれだけ低減できたかを示す指標である。
〔比較例1〕
図7に示す構成を有する、1−ブテンプロセスを行う蒸留装置について熱物質収支をとった。この蒸留装置は、二つの蒸留塔すなわち第一の蒸留塔701および第二の蒸留塔702を有し、それぞれの蒸留塔がVRCである。この蒸留装置の基本的なプロセスフローは、非特許文献1に示されている。
蒸留装置に供給される原料、蒸留装置から排出される留分(製品1−ブテン、重質留分、軽質留分)は、実施例1と同様とした(表1に示される)。
原料は第一の蒸留塔701に供給される。その塔頂部から抜き出された蒸気がドラム703に送られる。ドラム703からの蒸気がコンプレッサー704で昇圧および昇温される。昇圧された蒸気の一部が、熱交換器705で冷却され、弁706を経てドラム707に送られる。コンプレッサーで昇圧された蒸気の残りの部分が、熱交換器708で冷却され、弁709を経て気液分離ドラム707に送られる。ドラム707からの蒸気がドラム703に戻される。ドラム707からの液が、ポンプ710に送られる。ポンプ出口液の一部が、第一の蒸留塔701の塔頂に戻され、残りの部分が、第二の蒸留塔702に供給される。第一の蒸留塔の塔底部から抜き出された液の一部が、重質留分として蒸留装置から排出され、残りの部分は熱交換器708で加熱されて第一の蒸留塔の塔底部に戻される。熱交換器705および708が、第一の蒸留塔の塔頂コンデンサーとして機能し、熱交換器708は第一の蒸留塔のリボイラーとしても機能する。
第二の蒸留塔の塔頂から抜き出された蒸気が、ドラム711に送られる。ドラム711からの蒸気が、コンプレッサー712で昇圧される。昇圧された蒸気の一部が、熱交換器713で冷却され、弁714を経てドラム715に送られる。昇圧された蒸気の残りの部分は、熱交換器716で冷却され、弁717を経て、ドラム715に送られる。ドラム715からの蒸気がドラム711に戻される。ドラム715からの液が、ポンプ718に送られる。ポンプ出口液の一部が、第二の蒸留塔702の塔頂部に戻され、残りの部分が、軽質留分として蒸留装置から排出される。第二の蒸留塔の塔底部から抜き出された液の一部が、製品1−ブテンとして蒸留装置から排出され、残りの部分が熱交換器716で加熱されて第二の蒸留塔の塔底部に戻される。熱交換器713および716が第二の蒸留塔の塔頂コンデンサーとして機能し、熱交換器716は第二の蒸留塔のリボイラーとしても機能する。
表2に、この第一の蒸留塔および第二の蒸留塔の塔頂運転圧力、用役冷却負荷、用役加熱負荷、消費電力を示し、また総用役冷却負荷、総用役加熱負荷、総消費電力を示し、さらに省エネルギー指標ESIを示す。
第一の蒸留塔に関しては、用役冷却負荷は、具体的には、熱交換器705における熱交換量である。熱交換器708も塔頂コンデンサーとして機能するが、これにおいては蒸留装置内の流体を用いて冷却を行っているため、外界に熱を取り出す必要がなく、用役冷却負荷はゼロである。第一の蒸留塔のリボイラー(熱交換器708)においては、蒸留塔内の流体を加熱源として利用しているため、外界からリボイラーを加熱する必要がなく、したがって用役加熱負荷はゼロである。消費電力は、コンプレッサー704で消費される電力である。
第二の蒸留塔に関しては、用役冷却負荷は塔頂コンデンサーにおいて蒸留装置から取り除かれる熱量(具体的には熱交換器713における熱交換量)である。熱交換器716も塔頂コンデンサーとして機能するが、これにおいては蒸留装置内の流体を用いて冷却を行っているため、外界に熱を取り出す必要がなく、用役冷却負荷はゼロである。第二の蒸留塔のリボイラーにおいても、蒸留塔内の流体を加熱源として利用しているため、外界からリボイラーを加熱する必要がなく、したがって用役加熱負荷はゼロである。消費電力は、コンプレッサー712で消費される電力である。
〔比較例2〕
図8に示す構成を有する、1−ブテンプロセスを行う蒸留装置について熱物質収支をとった。この蒸留装置は、二つの蒸留塔すなわち第一の蒸留塔および第二の蒸留塔を有し、コンプレッサーを一台有する。このコンプレッサーの出口流体が、二つの蒸留塔の各リボイラーの熱源として利用される。この蒸留装置の基本的なプロセスフローは、非特許文献1に示されている。
第一の蒸留塔801に原料が供給される。第一の蒸留塔の塔頂部から、蒸気が気液分離ドラム803に送られる。ドラム803からの蒸気が、コンプレッサー804で昇圧および昇温される。昇圧された蒸気の一部が、熱交換器805で冷却され、弁806を経て熱交換器807で冷却される。昇圧された蒸気の残りの部分が熱交換器808で冷却され、弁809を経て熱交換器807で冷却される。熱交換器807からの流体が、弁(圧力調整弁)811を経て、ドラム803に戻される。ドラム803からの液が、ポンプ810に送られる。ポンプ出口液の一部が第二の蒸留塔802に供給され、残りの一部が第一の蒸留塔801の塔頂部に戻される。第一の蒸留塔801の塔底部から抜き出された液の一部が、重質留分として蒸留装置から排出され、残りの部分が熱交換器805で加熱されて、第一の蒸留塔801の塔底部に戻される。
第二の蒸留塔802の塔頂部から抜き出される蒸気は、ドラム803内に設けられた熱交換器において冷却された後、一部が第二の蒸留塔802の塔頂部に戻され、残りの部分が軽質留分として蒸留装置から排出される。第二の蒸留塔の塔底部から抜き出される液の一部が、製品1−ブテンとして蒸留装置から排出され、残りの部分が熱交換器808で加熱されて、第二の蒸留塔の塔底部に戻される。
熱交換器805、808、807が第一の蒸留塔の塔頂コンデンサーとして機能する。熱交換器805が第一の蒸留塔のリボイラーとして機能し、熱交換器808が第二の蒸留塔のリボイラーとして機能する。ドラム803(特にはその内部に設けられた熱交換器)が、第二の蒸留塔の塔頂コンデンサーとして機能する。
表2に、この第一の蒸留塔および第二の蒸留塔の塔頂運転圧力、用役冷却負荷、用役加熱負荷、消費電力を示し、また総用役冷却負荷、総用役加熱負荷、総消費電力を示し、さらに省エネルギー指標ESIを示す。
第一の蒸留塔に関しては、用役冷却負荷は塔頂コンデンサーにおいて蒸留装置から取り除かれる熱量である。用役冷却負荷は、具体的には、熱交換器807における熱交換量である。熱交換器805、808も塔頂コンデンサーとして機能するが、これらにおいては蒸留装置内の流体を用いて冷却を行っているため、外界に熱を取り出す必要がなく、用役冷却負荷はゼロである。第一の蒸留塔のリボイラー(熱交換器805)においては、蒸留塔内の流体を加熱源として利用しているため、外界からリボイラーを加熱する必要がなく、したがって用役加熱負荷はゼロである。消費電力は、コンプレッサー804で消費される電力である。
第二の蒸留塔に関しては、塔頂コンデンサーにおいて蒸留装置内の流体を用いて冷却を行っているため、用役冷却負荷はゼロである。また、リボイラーにおいて蒸留塔内の流体を加熱源として利用しているため、用役加熱負荷はゼロである。第二の蒸留塔にはコンプレッサーが設けられないため、消費電力は、ゼロである。
〔比較例3〕
図9に示すように、従来型の蒸留塔を二つ有する、1−ブテンプロセスを行う蒸留装置について熱物質収支をとった。
この蒸留装置は、二つの蒸留塔すなわち第一の蒸留塔901および第二の蒸留塔902を有し、それぞれの蒸留塔が従来型蒸留塔である。この蒸留装置の基本的なプロセスフローも、非特許文献1に示されている。
蒸留装置に供給される原料、蒸留装置から排出される留分(製品1−ブテン、重質留分、軽質留分)は、実施例1と同様とした(表1に示される)。
第一の蒸留塔901に原料が供給される。第一の蒸留塔の塔頂部から排出される蒸気が熱交換器(塔頂コンデンサー)903において冷却水によって冷却され、全凝縮する。凝縮液がドラム904を経て、ポンプ905に導かれる。ポンプ出口液の一部が弁906を経て第一の蒸留塔の塔頂部に還流として戻される。ポンプ出口液の残りの部分が弁907を経て第二の蒸留塔に原料として供給される。第一の蒸留塔の塔底部から抜き出された液の一部が、重質成分として蒸留装置から排出され、残りの部分が熱交換器(リボイラー)908においてスチームによって加熱されて、第一の蒸留塔の塔底部に戻される。
第二の蒸留塔の塔頂部から排出される蒸気が熱交換器(塔頂コンデンサー)909において冷却水によって冷却され、全凝縮する。凝縮液がドラム910を経て、ポンプ911に導かれる。ポンプ出口液の一部が弁912を経て第二の蒸留塔の塔頂部に還流として戻される。ポンプ出口液の残りの部分が弁913を経て、軽質留分として蒸留装置から排出される。第二の蒸留塔の塔底部から抜き出された液の一部が、製品1ーブテンとして蒸留装置から排出され、残りの部分が熱交換器(リボイラー)914においてスチームによって加熱されて、第二の蒸留塔の塔底部に戻される。
表2に、この第一の蒸留塔および第二の蒸留塔の塔頂運転圧力、用役冷却負荷、用役加熱負荷、消費電力を示し、また総用役冷却負荷、総用役加熱負荷、総消費電力を示す。省エネルギー指標ESIは、本例を基準としているので、本例のESIの値はゼロである。
第一の蒸留塔に関しては、用役冷却負荷は塔頂コンデンサー903において蒸留装置から取り除かれる熱量である。用役加熱負荷はリボイラー908において蒸留装置に与えられる熱量である。第一の蒸留塔にコンプレッサーは備わらないため、消費電力はゼロである。
第二の蒸留塔に関しては、用役冷却負荷は塔頂コンデンサー909において蒸留装置から取り除かれる熱量である。用役加熱負荷はリボイラー914において蒸留装置に与えられる熱量である。第二の蒸留塔にもコンプレッサーが設けられないため、消費電力はゼロである。
表2からわかるように、実施例1においては、比較例3と比べて、約70%と大幅なエネルギー削減が可能である。比較例1でも実施例1よりやや低い程度のエネルギー削減が可能であるが、比較例1ではコンプレッサーを二台用いるため、実施例1(コンプレッサーは一台)と比べてコストが高くなる。比較例2ではコンプレッサーが一台であるが、エネルギー削減がかなり小さくなってしまう。
以上から、本発明によれば、コスト上昇を抑えつつ、省エネルギー化を図ることが可能であることがわかる。
Figure 0006140591
Figure 0006140591
A:第一の蒸留塔
B、C:第二の蒸留塔
A1:第一の蒸留塔に含まれる高圧塔
A2:第一の蒸留塔に含まれる低圧塔
A3:蒸気用ライン
A4:昇圧手段
A5:液用ライン
A6、B6、C6:塔頂コンデンサー
A7、B7、C7:リボイラー
B1、C1:塔本体(容器)
1、4:液溜め用棚板
2:チューブバンドル型熱交換器
2a:下側チューブ部分
2b:上側チューブ部分
3:液溜め用トレイ
10、12、14:液
11、13、15:蒸気(ベーパー)
21、22、23、24:配管
601:第一の蒸留塔に含まれる高圧塔
602:第一の蒸留塔に含まれる低圧塔
603、702、802、902:第二の蒸留塔
604、704、712、804:コンプレッサー
605、606、609、611、705、708、713、716、805、807、808、903、908、909、914:熱交換器
607、610、613、710、718、810、905、911:ポンプ
608、612、703、707、711、715、803、904、910:ドラム
614、616:液抜き部
615、617、619:チューブバンドル型熱交換器
618:液溜め部
701、801、901:第一の蒸留塔
706、709、714、717、806、809、811、906、907、912、913:弁

Claims (4)

  1. 第一の蒸留塔と、一以上の第二の蒸留塔とを備える蒸留装置であって、
    第一の蒸留塔が、
    濃縮部の全部もしくは一部を含み相対的に高圧で気液接触を行う高圧部と、
    回収部の全部もしくは一部を含み相対的に低圧で気液接触を行う低圧部と、
    低圧部の塔頂部から排出される蒸気を高圧部の塔底部に導く、昇圧手段を備える蒸気用ラインと、
    高圧部の塔底部から排出される液を低圧部の塔頂部に導く液用ラインと、
    を含み、
    前記蒸留装置が、
    第一の蒸留塔の濃縮部から、一以上の第二の蒸留塔のうちの少なくとも一つの蒸留塔に、熱交換によって熱を移動させるよう構成された第一の熱交換構造と、
    一以上の第二の蒸留塔のうちの少なくとも一つの蒸留塔から、第一の蒸留塔の回収部に、熱交換によって熱を移動させるよう構成された第二の熱交換構造と
    を含む
    蒸留装置。
  2. 第一の熱交換構造を介して第一の蒸留塔の濃縮部から熱を受け取る蒸留塔と、第二の熱交換構造を介して第一の蒸留塔の回収部に熱を与える蒸留塔とが、同一の蒸留塔である
    請求項1記載の蒸留装置。
  3. 第一の蒸留塔の高圧部の塔頂部または第一の蒸留塔の低圧部の塔底部を、一以上の第二の蒸留塔のうちの一つの蒸留塔の原料供給口に接続するラインを含む請求項1または2記載の蒸留装置。
  4. 第一の蒸留塔を一つと第二の蒸留塔を一つ備え、第一の蒸留塔の高圧の塔頂部を第二の蒸留塔の原料供給口に接続するラインを含み、
    第一の蒸留塔に、1−ブテンと、1−ブテンより軽質な成分と、1−ブテンより重質な成分とを含む原料が供給され、かつ、
    第一の蒸留塔の低圧部の塔底部から、1−ブテンより重質な成分が富化された留分が排出され、かつ、
    第一の蒸留塔の高圧部の塔頂部から、1−ブテンと1−ブテンより軽質な成分とが富化された留分が排出され、この留分が第二の蒸留塔に供給され、かつ、
    第二の蒸留塔の塔底部から、1−ブテンが富化された留分が排出され、かつ、
    第二の蒸留塔の塔頂部から、1−ブテンより軽質な成分がさらに富化された留分が排出される
    よう構成された請求項3記載の蒸留装置。
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