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JP6038644B2 - 生体撮像装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、口腔内や外耳道などの生体における暗所に挿入して、暗所内の撮像対象箇所を撮像する生体撮像装置に関する。
昨今の診療内容の高度化やインフォームド・コンセント(informed consent)の充実の観点から、例えば、齲蝕された齲歯を撮像し、患者に撮像した齲歯の画像を見せながら説明したり、画像を確認しながら診療したりするために、口腔内カメラ等の生体撮像装置が用いられている。例えば、特許文献1で示す生体観察装置もそのひとつである。
このような口腔内カメラなどの生体観察装置の場合、撮像対象である齲歯は口腔内という暗所にあるため、撮像対象箇所を照明で照らしながら撮像する必要がある。例えば、上述の特許文献1で開示する生体観察装置においても、撮像するための窓部、つまり、撮像対象箇所で反射した反射光の入射を許容する光通過端部の側方にLED等の照明を備え、当該LEDで撮像対象箇所を照らして撮像する構成である。
しかしながら、LED等の照明は、撮像対象箇所で反射した反射光の入射を許容する光通過端部の側方に配置しているため、例えば、根管治療のように、狭隘で深さのある根管部分を撮像しようとして、光通過端部を根管の延長上に配置すると、LEDから照射された照射光は、根管に対して側方向から照射することとなり、撮像したい根管の内部奥側を照らすことができず、十分に満足できる観察画像を撮像することは困難であった。
国際公開第2005/104926号パンフレット
この発明は、上述した問題に鑑み、暗所における狭隘で深さのある撮像対象箇所であっても、撮像対象箇所の内部を確実に照らして撮像できる生体撮像装置を提供することを目的とする。
この発明は、生体における暗所に一部を挿入し、撮像対象箇所を撮像する手持ちの生体撮像装置であって、前記撮像対象箇所で反射する反射光の入射を許容する光通過端部を有し、前記暗所に挿入されるヘッド部前記光通過端部から入射した入射光を導光する導光部、及び該導光部を導光する前記入射光を受光して撮像する撮像部がこの順で配置され前記ヘッド部に、前記光通過端部から入射した前記入射光を前記導光部に導光するヘッド内レンズ組と、前記光通過端部において、前記導光部を導光し、前記撮像部で撮像される前記入射光の光軸と略平行な光軸の同軸照明光として前記光通過端部より前記撮像対象箇所に向かって照射する同軸照明部と、前記入射光と前記同軸照明光とを同軸上で導光するビームスプリッタとが備えられ前記ヘッド部内において、前記同軸照明部の光源は、前記ヘッド部の軸方向に対して交差する方向に配置され、該同軸照明部の光源から照射された前記同軸照明光は、他のレンズを介することなく、前記ヘッド内レンズ組を導光し、収束されることを特徴とする。
上述の生体における暗所は、口腔内、外耳道、あるいは鼻腔等の外部から生体撮像装置を挿入できる暗所空間とすることができ、例えば、生体における暗所が口腔である場合、撮像対象箇所は齲蝕した齲歯や、歯周病などが発症した歯肉、あるいは舌下の病変部など当該暗所空間における診療対象箇所とすることができる。
上記同軸照明光は、可視光のみならず、赤外線などの撮像対象箇所に照射するとともに、撮像対象箇所で反射した反射光を撮像部で受光して撮像可能な適宜の光で構成することができる。また、上記同軸照明部は、上述したような適宜の光で構成する同軸照明光を照射するLED素子や照明手段とすることができる。なお、同軸照明光は、クリティカル照明とよばれる収束光や、ケーラー照明とよばれる平行光のみならず、拡散する拡散光であってもよい。特に、口腔内の歯科用途のように撮像対象箇所が齲蝕した齲歯における根管の奥である場合には収束光を用いることでより鮮明な撮像が可能となる。
また、上述の「前記光通過端部において、前記導光部を導光し、前記撮像部で撮像される前記入射光の光軸と略平行な光軸の同軸照明光」との記載における「前記入射光の光軸と略平行な光軸とは、完全な平行のみならず、前記入射光の光軸に対して、誤差程度にわずかに傾斜する光軸であることを含む概念である。
上述の前記撮像対象箇所で反射する反射光は、同軸照明光の反射光のみならず、自然光による反射光を一部含んでもよい。
上記撮像部は、動画、静止画あるいは動画を撮像しながら所望のタイミングで静止画を撮像する撮像部とすることができる。また、撮像部はCMOSセンサやCCDイメージセンサ等を用いたデジタル画像あるいはアナログ画像を撮像する撮像部とすることができる。
この発明により、暗所における狭隘で深さのある撮像対象箇所であっても、撮像対象箇所を確実に照らして撮像することができる。
詳しくは、同軸照明部によって、前記光通過端部における前記入射光の導光路の少なくとも一部に沿って前記入射光の光軸と略平行な光軸の同軸照明光として前記光通過端部より照射することにより、つまり、光通過端部から入射し、導光部を導光した反射光を受光して撮像部で撮像する反射光の光軸と同軸照明光の光軸とが撮像対象箇所に向かって略一致するため、狭隘な深さのある撮像対象箇所であっても、狭隘な箇所の深さのある撮像対象箇所の内部を同軸照明光で照らし、撮像対象箇所で反射した反射光を光通過端部から入射して撮像することができる。
また、前記ヘッド部に、前記光通過端部から入射した前記入射光を前記導光部に導光するヘッド内レンズ組と、前記光通過端部において、前記導光部を導光し、前記撮像部で撮像される前記入射光の光軸と略平行な光軸の同軸照明光として前記光通過端部より前記撮像対象箇所に向かって照射する同軸照明部と、前記入射光と前記同軸照明光とを同軸上で導光するビームスプリッタとが備えられ前記ヘッド部内において、前記同軸照明部の光源は、前記ヘッド部の軸方向に対して交差する方向に配置され、該同軸照明部の光源から照射された前記同軸照明光は、他のレンズを介することなく、前記ヘッド内レンズ組を導光し、収束されるため、前記ヘッド部に備えたビームスプリッタが、前記同軸照明部の光源から照射された前記同軸照明光を方向変換し、前記同軸照明光と前記入射光とを同軸上で導光するため、コンパクトな生体撮像装置を構成することができる。
この発明の態様として、前記光通過端部に、光の通過を許容する窓部を備え、該窓部を、前記入射光の光軸に直交する面に対して傾斜する向きで配置することができる。
この構成により、内部に不要物が侵入することを防止できるとともに、窓部で反射光や照明光が反射して撮像画像に写り込むフレアの発生を防止することができる。
詳しくは、光の通過を許容する窓部を光通過端部に備えたことにより、装置内部に唾液などの不要物が侵入することを防止できるものの、撮像対象箇所で反射した反射光や照射する照明光は窓部を通過する際に、これらの光の一部が窓部の表面で反射するため、この窓部表面で反射した窓部反射光がフレアとして写り込み、撮像した画像が白っぽくなったり、光がにじんだりして、鮮明な観察画像を撮像できなくなる。これに対し、前記光通過端部に備えた窓部を、前記入射光の光軸に直交する面に対して傾斜する向きで配置することで、窓部表面で反射した窓部反射光と、撮像する入射光とが合わさることなく、つまりフレアが生じることなく、鮮明な観察画像を撮像することができる。
またこの発明の態様として、前記光通過端部、前記ヘッド部の軸方向に対して交差する方向に配置されるとともに、前記ヘッド部に、前記入射光を前記光通過端部から前記ヘッド部の軸方向に向かって反射させて方向変換する反射手段備えられることができる。
この発明により、装置本体における光通過端部等の配置について自由度が向上し、例えば診療内容に応じた所望の形状の生体撮像装置を構成することができる。また、光通過端部に備えた窓部による上述のようなフレアの写り込みを防止して、鮮明な観察画像を撮像することができる。
またこの発明の態様として、前記入射光の光軸に対して交差する方向に偏心させた偏心位置より斜照明光として前記光通過端部より照射する斜照明部を備えることができる。
上記斜照明光は、拡散光のみならず、平行光で構成してもよい。また、偏心位置より照射する斜照明光は、光通過端部から照射される同軸照明光の光軸と平行に照射した光のうち拡散された光を斜照明光としてもよいし、偏心位置より撮像対象箇所に向けて照射方向自体を傾けて照射して斜照明光としてもよい。
この発明により、狭隘で深さのある撮像対象箇所の内部に同軸照明光を照射するとともに、撮像対象箇所の周辺に斜照明光を照射して、より鮮明な観察画像を撮像することができる。
またこの発明の態様として、前記斜照明部を、白色照明光を照射する白色照明部と、青色照明光を照射する青色照明部とで構成することができる。
この発明により、白色照明光のみの照射、青色照明光のみの照射、あるいは白色照明光及び青色照明光を同時照射する、いわゆるカクテル光としての照射など、用途に応じた照明光を照射することができる。具体的には、青色照明光を励起光として照射すると、歯牙の齲蝕部、歯石、歯垢等から可視領域の蛍光が放射されるため、齲蝕部、歯石、歯垢等を容易に目視観測することができる。逆に、白色照明光を照射すると明るい画像を撮像することができる。このように、白色照明光と青色照明光のそれぞれの特徴を活かした観察画像を撮像することができる。
またこの発明の態様として、前記斜照明部及び前記同軸照明部における光源を共通の光源とすることができる。
この発明により、コンパクトな生体撮像装置を構成することができる。また、前記斜照明部及び前記同軸照明部における光源を共通化することで、部品点数が少なくなり、生体撮像装置の組み立て性を向上するとともに、材料コストを低減することができる。
またこの発明の態様として、前記同軸照明部及び前記斜照明部における照明光の照射を制御する制御部を備えることができる。
上述の「前記同軸照明部及び前記斜照明部における照明光の照射を制御する」とは、前記同軸照明部及び前記斜照明部の同時照射、一方の照射、あるいは同時照射であっても照射光量の調整など、さまざまな照射状況を制御することを意味している。
この発明により、所望の照明状態における観察画像を撮像することができる。具体的には、狭隘で深さのある撮像対象箇所のみに同軸照明光を照射したり、その周辺のみに斜照明光を照射したり、狭隘で深さのある撮像対象箇所の観察画像におけるコントラストを際立たせるために、同軸照明光と斜照明光の光量バランスを調整したりすることで、診療に適した観察画像を撮像するための様々な所望の照明状況を作ることができる。
またこの発明の態様として、前記装置本体に、前記撮像装置で撮像する撮像対象箇所に対する焦点調整部を備えることができる。
この発明により、狭隘で深さのある撮像対象箇所に同軸照明光を照射するとともに、当該撮像対象箇所の内部に焦点が調整された鮮明な観測画像を撮像することができる。
またこの発明の態様として、前記生体における暗所を口腔とすることができる。
この発明により、口腔内における歯牙の齲蝕状況、欠損部、病変部や、歯石或いは歯垢の付着状況、根管部、歯肉、頬、舌の病変部の観察画像を撮像し、撮像した口腔内の観察画像を確認しながら診療したり、インフォームド・コンセントを行ったりすることができる。
この発明により、暗所における狭隘で深さのある撮像対象箇所であっても、撮像対象箇所の内部を確実に照らして撮像できる生体撮像装置を提供することができる。
口腔内カメラの説明図。 口腔内カメラの内部機構の説明図。 口腔内カメラの内部機構の斜視図。 口腔内カメラの使用状態の概略図。 観察画像写真の説明図。
この発明の本実施形態を以下図面とともに説明する。
図1は口腔内カメラCの説明図を示している。詳しくは、図1(a)は口腔内カメラCの平面図を示し、図1(b)は口腔内カメラCの側面図を示し、図1(c)は口腔内カメラCの底面図を示している。
なお、図1(b),(c)には口腔内カメラCの内部に配置するカメラ内部機構10について破線で示している。
図2は口腔内カメラCの内部機構10の説明図を示し、詳しくは、図2(a)は口腔内カメラCの縦断面図を示し、図2(b)は外装2を透過状態で図示した口腔内カメラCの側面図を示している。さらに、図2(c)は図2(a)におけるa部の拡大図を示している。
図3は正面左下方からのカメラ内部機構10の斜視図を示し、図4は口腔内カメラCの使用状態についての概略図を示し、図5は撮像対象箇所Tである根管について撮像した観察画像写真i(i1,i2,i3)についての説明図を示している。詳しくは、図5(a)は斜照明光L2のみを照射した状態の観察画像写真i1であり、図5(b)は同軸照明光L1のみを照射した状態の観察画像写真i2であり、図5(c)は同軸照明光L1と斜照明光L2とを照射した状態の観察画像写真i3である。
口腔内カメラCは、図1に示すように、太径のペン型であり、先端側(図1において左側)から後方(図1において右側)に向かって順に、挿入部C1、スイッチ部C2、及び把持部C3で構成する外装2の内部にカメラ内部機構10を配置して構成している。
挿入部C1は、撮像対象箇所Tがある口腔Kに挿入する部分であり、わずかに先端側に向かって細径となるような横向きの略錐台形状であり、先端側上面を傾斜させるとともに、底面をフラットに構成した先端側外装2aを備え、先端側外装2aの先端側底面に、後述する照明光Lの通過を許容する、底面視略矩形のカバーガラス27を備えている。
スイッチ部C2は、後述するスイッチSを備えた部分であり、先端側が先端側外装2aの後端側と略同一形状となるように、わずかに先端側に向かって細径となる横向きの略錐台形状である中間外装2bを備えるとともに、中間外装2bの上面に、複数のスイッチSを配置している。詳しくは、中間外装2bの上面に配置したスイッチSは、先端側から順に、メインスイッチS1、照明切替スイッチS2、斜照明光源切替スイッチS3及び画像切替スイッチS4の4つのスイッチで構成している。
メインスイッチS1は、口腔内カメラCの電源のON/OFFを切り替えるとともに、動画の撮像中に、静止画を撮像するシャッタースイッチとして機能するスイッチである。
照明切替スイッチS2は、同軸照明光L1及び斜照明光L2で構成する照明光Lについて、後述するように、同軸照明光L1を照射する同軸照明LED25と斜照明光L2を照射する斜照明用LED26を切り替えるスイッチである。
斜照明光源切替スイッチS3は、後述するカメラ内部機構10に備え、斜照明光L2を構成する青色LED26aと白色LED26bとによる照射を切り替えるスイッチである。
画像切替スイッチS4は、口腔内カメラCで撮像し、モニタMに表示する観察画像を、動画と静止画とに切り替える、あるいは、複数の静止画の中からモニタMに表示する静止画を選択して表示させるスイッチである。
把持部C3は、施術者が口腔内カメラCを把持する部分であり、後端側が有底となる略円筒状の後端側外装2cと、後端側外装2cの先端側において、周方向に外嵌する焦点調整リング3を備えている。また、後端側外装2cの後端には、図4に示すように、一端がモニタMに接続されたケーブル4が接続されている。
上述のように構成した外装2の内部に配置するカメラ内部機構10は、先端側から順に、ヘッド部20、導光部30、焦点調整部40、及び撮像部50で構成している。
なお、ヘッド部20は外装2における先端側外装2aに配置し、導光部30は中間外装2bの先端側に配置し、焦点調整部40は中間外装2bの後方及び後端側外装2cの先端側を跨いで配置し、撮像部50は後端側外装2cの後方に配置している。
ヘッド部20は、先端側の底面に配置した斜照明配置盤21、斜照明配置盤21の上方に配置した反射ミラー22、反射ミラー22の後方に配置した対物レンズ系を構成するヘッド内レンズ組23、ヘッド内レンズ組23の後方に配置したビームスプリッタ24、ビームスプリッタ24の上方に配置した同軸照明LED25で構成している。
斜照明配置盤21は、底面視略矩形の基盤であり、底面中央に、同軸照明光L1及び反射光Lrの通過を許容する通過孔21aを備え、通過孔21aの側方に、斜照明光L2を照射する斜照明用LED26を配置している。
なお、斜照明用LED26は、青色照明光Lbを下方に向かって照射する2つの青色LED26aと、白色照明光Lwを下方に向かって照射する2つの白色LED26bとで構成するとともに、通過孔21aの両側方において、青色LED26a同士及び白色LED26b同士のそれぞれが通過孔21aの中心に対して点対称となるように配置している。
この青色LED26aが照射する青色照明光Lbと、白色LED26bが照射する白色照明光Lwにより斜照明光L2を構成しているが、青色照明光Lb及び白色照明光Lwのうち一方のみの照射、あるいは両方の照射は、撮像対象箇所Tの診療内容や観察内容に応じて、斜照明光源切替スイッチS3の押下により切り替えるよう構成している。
このように、通過孔21aの側方に配置した斜照明用LED26(26a,26b)から照射される斜照明光L2は、図3に示すように、通過孔21aを通過して照射される同軸照明光L1及び、通過孔21aを通過して入射される反射光Lrの光軸Aより、側方に偏位した位置において下方に拡散する拡散光として、撮像対象箇所Tの周囲の歯牙toに照射する。
反射ミラー22は、斜照明配置盤21の上方に配置され、後述する同軸照明LED25から照射され、ヘッド内レンズ組23の光軸方向X(以下において、単に軸方向Xと称する場合がある)に導光した同軸照明光L1を、斜照明配置盤21の通過孔21aに向かって照射方向に、反射させて方向変換するとともに、通過孔21aを通過して入射される反射光Lrを、軸後方向X2に方向変換するためのミラーである。
なお、軸方向Xは、図2(a)に示すように、口腔内カメラCの長手方向と一致する方向であり、照射方向は図2の紙面上において軸方向Xに対して下向きに略直交する方向である。また、上記軸方向Xのうち、後方から先端側に向かう方向を軸先端側方向X1とし、その逆方向となる先端側から後方に向かう方向を軸後方向X2としている。
このように、ヘッド内レンズ組23を軸先端側方向X1に導光した同軸照明光L1を、斜照明配置盤21の通過孔21aに向かって照射方向に、反射させて方向変換するためには軸方向Xや、軸方向Xに平行なカバーガラス27に対して反射ミラー22を45度の角度で設置するが、反射ミラー22によって方向変換した同軸照明光L1の進行方向が、カバーガラス27に対して直交方向Yとならないように、反射ミラー22を45度よりも先端側に傾斜させて設置している。なお、先端側に傾斜させる傾斜角度は、反射ミラー22とカバーガラス27との距離によっても相違するが、5乃至15度程度傾斜させればよく、本実施形態ではおよそ10度に設定して、カバーガラス27で反射した同軸照明光が直接撮像部50へ向かうことを防止している。
ヘッド内レンズ組23は、反射ミラー22より後方に配置し、軸方向Xに沿って先端側から後方に向かって第1レンズ23a、第2レンズ23b、第3レンズ23cを組み付けた光学ユニットであり、対物レンズ系として機能するヘッド内レンズ組23は、撮影対象箇所T(歯根)に同軸照明光(LED25)を収束させる機能と、撮影対象箇所Tそのものをビームスプリッタ−24の撮像部本体52側(図2中右側)に結像させる機能を有している。
そして、ヘッド内レンズ組23で構成する対物レンズ系で結像された実像は、後述するリレーレンズ系(焦点調整レンズ組43と撮像部レンズ組51)により撮像部50のCMOSセンサ52a上で結像される。
ヘッド内レンズ組23を構成する各要素について詳しく説明すると、第1レンズ23aは後方に凸状となる凸状な平凸レンズで構成し、第2レンズ23bは第1レンズ23aの後方において、先端側に凸状となる凹メニスカスレンズで構成し、第3レンズ23cは第2レンズ23bの後方に配置する両凸レンズで構成している。
なお、第3レンズ23cにおける先端側凸部は第2レンズ23bの後方側凹部に沿う凸状に形成し、第2レンズ23bの後方側凹部と第3レンズ23cの先端側凸部とが密着するように第3レンズ23cを配置している。
ビームスプリッタ24は、後述する同軸照明LED25から照射された同軸照明光L1を軸先端側方向X1に方向変換して導光するとともに、反射光Lrを軸後方向X2に導光する偏光ビームスプリッタで構成している。
なお、ビームスプリッタ24を構成する偏光ビームスプリッタ自体は公知であるため、詳細な説明を省略する。
同軸照明LED25は、ビームスプリッタ24の上方に備えた白色照明光Lwを照射する白色LEDで構成し、ビームスプリッタ24に向かって上方より下向き、つまり照射方向に白色照明光Lwを照射する。
なお、同軸照明LED25とビームスプリッタ24との間には、偏光板29を配置している。偏光板29は、LED25の近傍に配置することや、口腔内カメラであるという点を考慮し、薄型で耐熱性に優れたワイヤグリッド構造を備えたフィルム形状のものを使用している。この種の偏光板としては、例えば、旭化成イーマテリアル株式会社より販売されているAsahi Kasei WGF(登録商標)を利用することができる。
このように構成したヘッド部20において、同軸照明LED25から照射された同軸照明光L1が、偏光板29を介してビームスプリッタ24に入射する。そして、ビームスプリッタ24における斜面24aで軸先端側方向X1に方向変換し、ヘッド内レンズ組23を通って収束光として軸先端側方向X1に導光し、更に、反射ミラー22で反射させて通過孔21aに向かって撮像対象物方向に方向変換し、斜照明配置盤21の通過孔21aを通過してカバーガラス27より照射する導光経路を同軸照明経路R1としている。
導光部30は、ヘッド部20におけるビームスプリッタ24の後方において、後述する焦点調整部40とヘッド部20とを連通する導光空間を構成する略円筒状に形成し、その後方に、後述する焦点調整部40の外筒41の前端に嵌合する拡径部31を備えている。
焦点調整部40は、外筒41と、リレーレンズ系の前群としての焦点調整レンズ組43を組み付けた内筒42とで構成し、外筒41に対して内筒42を回転させながら軸方向Xの位置を調整することで焦点を調整する構成である。
詳しくは、内筒42に組み付けた焦点調整レンズ組43は、後方に凸状な平凸レンズで構成する第4レンズ43aを先端側に配置し、その後方に配置するとともに、後方に凸状となる凹メニスカスレンズで構成する第5レンズ43bとで構成している。そして、焦点調整レンズ組43は、内筒42の先端側に配置している。
焦点調整レンズ組43を先端側に組み付けた内筒42は、円筒状の外筒41に内側に遊嵌するとともに、後述外筒41に形成した螺旋スリット41aを貫通するハンドルピン42aを外周面に植設している。なお、ハンドルピン42aは、後端側外装2cの先端側において、周方向に外嵌する焦点調整リング3と接続している。
内側に、上述の内筒42を遊嵌する外筒41は、円筒状であり、外周面に、上述する内筒42のハンドルピン42aがスライド可能に貫通する螺旋スリット41aを形成している。
また、第4レンズ43aの図中左側(入射光側)には、光量を調節するための絞り機構44を配置している。
焦点調整部40の後方に配置される撮像部50は、リレーレンズ系の後群としての撮像部レンズ組51と、撮像部レンズ組51の後方に配置した撮像部本体52と、撮像部レンズ組51と撮像部本体52との間隔を所定の間隔で固定する固定リング53とで構成している。
リレーレンズ系を構成する焦点調整部40の焦点調整レンズ組43と、撮像部本体52との間に配置される撮像部レンズ組51とは、先端側に凸状となる凹メニスカスレンズで構成する第6レンズ51aと、第6レンズ51aの後方側の凹部に沿う凸状の両凸レンズで構成するとともに、第6レンズ51aの後方側凹部に密着するように配置する第7レンズ51bとで構成している。
このように、第6レンズ51aと第7レンズ51bとで構成する撮像部レンズ組51は、保持枠51cによって、上述する焦点調整部40の外筒41に対する位置を固定している。
撮像部本体52は、側面視横向きの凸形状であり、後端部分の中心にCMOSセンサ52aを備えるとともに、前端の小径部に反射光Lrの余分な赤外光をカットしモアレを防止するためのローパス機能を有したフィルター52bを配置している。
固定リング53は、横向きの円筒状であり、撮像部レンズ組51の後端側部分と、撮像部本体52の前端側の小径部分との、軸方向Xの前後からの挿入を許容するとともに、撮像部レンズ組51と撮像部本体52との軸方向Xの間隔を所定の間隔で保持する構成である。
なお、撮像部本体52のCMOSセンサ52aは、図示省略する回路を介して、ケーブル4に接続され、ケーブル4はモニタMに接続されている。つまり、CMOSセンサ52aは、ケーブル4を介してモニタMに接続されている。
それぞれ、上述したように構成したヘッド部20、導光部30、焦点調整部40及び撮像部50を、軸方向Xに沿って組み付けることにより、カメラ内部機構10を構成する。そして、ヘッド部20の通過孔21aを通過し、反射ミラー22で軸後方向X2に方向変換して、ヘッド内レンズ組23、ビームスプリッタ24、導光部30の導光空間、焦点調整部40の焦点調整レンズ組43、撮像部50の撮像部レンズ組51を導光してCMOSセンサ52aに入射する反射光Lrの導光経路を入射光経路R2としている。
このとき、入射光経路R2の一部を構成する、撮像部レンズ組51と焦点調整レンズ組43との間隔を、焦点調整リング3を回転させ、焦点調整レンズ組43を軸方向Xに移動させることで調整することで、焦点が調整された反射光LrをCMOSセンサ52aで受光することができる。
上述したような構成のカメラ内部機構10においてヘッド内レンズ組23、焦点調整レンズ組43,撮像部レンズ組51で構成される光学系についてまとめると、撮影対象物の実像がヘッド内レンズ組23にてビームスプリッタ24の図中右側に結像し、この像を焦点調整レンズ組43と撮像部レンズ組51によりCMOSセンサ52a上に結像させている。
このように構成した口腔内カメラCには、スイッチS、同軸照明LED25、斜照明用LED26、CMOSセンサ52a、ケーブル4、及び制御される制御部(図示省略)を内蔵している。なお、ケーブル4にはモニタMが接続されている。また、制御部は、口腔内カメラCに内蔵せずとも、モニタMに内蔵してもよいし、別体で構成してもよい。
また、口腔内カメラCには、CMOSセンサ52aで撮像した動画や静止画を記憶するRAMなどの記憶部を内蔵しており、記憶部に記憶した画像データをモニタMに表示したり、図示省略するインターフェースを介して外部にエクスポートしたりすることができる。なお、記憶部は、口腔内カメラCに内蔵せずとも、モニタMに内蔵してもよいし、別体で構成してもよい。
また、上述のように、口腔内カメラCは、図4に示すように、同軸照明LED25及び斜照明用LED26を撮像対象箇所Tに同軸照明光L1,斜照明光L2を照射し、撮像対象箇所Tで反射した反射光Lrを口腔内カメラCに入射し、CMOSセンサ52aで受光した反射光LrをモニタMに映し出すことができる。
詳述すると、メインスイッチS1が押下されると口腔内カメラCは起動し、起動した口腔内カメラCの挿入部C1に図示省略するディスポカバーを被せ、手持ちする口腔内カメラCの挿入部C1を患者Pの口腔Kに挿入する。
このとき、メインスイッチS1の押下によって起動したCは、図3に示すように、斜照明用LED26から斜照明光L2を照射するとともに、同軸照明LED25から照射され、同軸照明経路R1を導光した同軸照明光L1は通過孔21aを通過し、同軸照明光L1及び斜照明光L2ともにカバーガラス27(図2参照)を通過して挿入部C1の下方を照らしているため、暗所である口腔K内部で反射した反射光Lrは、カバーガラス27及び通過孔21aを通過し、入射光経路R2を導光してCMOSセンサ52aで受光し、反射光Lrに基づく口腔Kの画像をモニタMに表示する。このモニタMの表示を確認しながら、もしくは、挿入部C1から照射される同軸照明光L1及び斜照明光L2を確認しながら、口腔内カメラCで撮像する撮像対象箇所Tに方向や位置を合わせ、撮像対象箇所Tの画像をモニタMに表示する。
モニタMに表示された撮像対象箇所Tの画像を見ながら、撮像対象箇所Tの診療目的や観察目的に応じて、同軸照明LED25のON/OFF、斜照明用LED26のON/OFF、あるいは斜照明用LED26を構成する青色LED26a、白色LED26bのON/OFFを照明切替スイッチS2,斜照明光源切替スイッチS3を押下して制御する。具体的には、根管治療のため根管を撮像対象箇所Tとした場合において、同軸照明LED25をOFF制御し、斜照明用LED26のみをON制御して斜照明光L2のみを照射すると、図5(a)に示す観察画像写真i1のように、歯牙toは明るく照らされ、明確に表示できるものの、撮像対象箇所Tである根管の内部が暗く表示できない。なお、観察画像写真iは、上述したように、口腔内カメラCに内蔵する記憶部に記憶した撮像画像データを表示したものである。
逆に、斜照明用LED26をOFF制御し、同軸照明LED25のみをON制御して同軸照明光L1のみを照射すると、図5(b)に示す観察画像写真i2のように、撮像対象箇所Tである根管の内部は明るく照らされ、明確に表示できるものの、例えば歯牙to等の撮像対象箇所Tの周囲が暗く、全体的に暗い表示となる。
しかしながら、根管治療のみを目的とした場合は上述のような同軸照明光L1による撮像対象箇所T内部が明るく表示されるだけでもよいが、例えば、歯牙toの齲蝕状況も確認しながら、根管内部を表示させる場合は、同軸照明LED25,斜照明用LED26をON制御し、同軸照明光L1及び斜照明光L2を照射することで、図5(c)に示す観察画像写真i3のように、撮像対象箇所Tである根管の内部も、撮像対象箇所Tの周囲の歯牙toも明るく照らされ、明確に表示することができる。
また、斜照明用LED26のうち青色LED26aを照射して、斜照明光L2として青色照明光Lbを照射すると、歯牙toの齲蝕部、歯石、歯垢等から可視領域の蛍光が放射されるため、モニタMに表示された歯牙toの画像により、齲蝕部、歯石、歯垢等を容易に目視観測することができ、逆に、白色LED26bから白色照明光Lwを照射すると明るい歯牙toの画像をモニタMに表示できるため、診療目的や観察目的に応じて、斜照明光源切替スイッチS3を押下して、青色LED26a及び白色LED26bのON/OFF制御を行う。
このように、患者Pにおける口腔Kに挿入部C1を挿入し、撮像対象箇所Tを撮像する口腔内カメラCを、撮像対象箇所Tで反射する反射光Lrの入射を許容する通過孔21a、通過孔21aから入射した反射光Lrを導光する入射光経路R2、入射光経路R2を導光する反射光Lrを受光して撮像するCMOSセンサ52a、及び、通過孔21aにおける反射光Lrの入射光経路R2のうち照射方向の一部分に沿って、反射光Lrの光軸Aと一致する光軸の同軸照明光L1として通過孔21aより照射する同軸照明LED25とを備えたことにより、口腔Kにおける狭隘で深さのある撮像対象箇所Tであっても、撮像対象箇所Tを確実に照らして撮像することができる。
詳しくは、同軸照明LED25によって、通過孔21aにおける反射光Lrの入射光経路R2のうち照射方向の一部分に沿って反射光Lrの光軸Aと一致する光軸の同軸照明光L1として通過孔21aより照射することにより、つまり、通過孔21aから入射し、入射光経路R2を導光した反射光Lrを受光してCMOSセンサ52aで撮像する反射光Lrの光軸Aと同軸照明光L1の光軸とが撮像対象箇所Tに対して略一致するため、狭隘な深さのある撮像対象箇所Tであっても、狭隘な箇所の深くにある撮像対象箇所Tまで同軸照明光L1で照らし、撮像対象箇所Tで反射した反射光Lrを通過孔21aから入射して撮像することができる。
また、通過孔21aを、入射光経路R2を有するカメラ内部機構10の軸方向Xに対して交差する照射方向に配置するとともに、入射光経路R2に、反射光Lrを通過孔21aから軸方向Xに向かって反射させて方向変換する反射ミラー22を備え、反射ミラー22を、反射光Lrが通過孔21aから軸方向Xに向かって方向変換する所定角度である45度に対して傾斜する角度で配置したことにより、カメラ内部機構10における通過孔21a等の配置について自由度が向上し、所望の形状の口腔内カメラCを構成することができる。
したがって、口腔K内における歯牙toの齲蝕状況、欠損部、病変部や、歯石或いは歯垢の付着状況、根管部、歯肉、頬、舌の病変部の観察画像を撮像し、撮像した口腔K内の観察画像をモニタMに表示させて確認しながら診療したり、インフォームド・コンセントを行ったりすることができる。
また、反射ミラー22を、反射光Lrが通過孔21aから軸方向Xに向かって方向変換する所定角度である45度に対して傾斜する角度で配置することによって、カバーガラス27の表面で反射した、同軸照明光L1や斜照明光L2あるいは反射光Lrの反射部分がフレアとして写り込むことを防止して、鮮明な観察画像を撮像することができる。
詳しくは、光の通過を許容するカバーガラス27を備えたことにより、装置内部に唾液などの不要物が侵入することを防止できるものの、同軸照明光L1や斜照明光L2あるいは反射光Lrがカバーガラス27を通過する際に、これらの光の一部がカバーガラス27の表面で反射してフレアとして写り込み、撮像した画像が白っぽくなったり、光がにじんだりして、鮮明な観察画像を撮像できなくなる。これに対し、反射ミラー22を、反射光Lrが照射方向から軸方向Xに向かって方向変換する所定角度である45度に対して傾斜する角度で配置することによって、カバーガラス27の表面で反射した反射光と、撮像する反射光Lrとが合わさることなく、鮮明な観察画像を撮像することができる。
また、同軸照明LED25を、軸方向Xに対して交差する方向に配置するとともに、入射光経路R2に、反射光Lrと同軸照明光L1とを同軸上で導光するビームスプリッタ24を備えたことにより、反射光Lrと同軸照明光L1とを同軸上で導光し、コンパクトな口腔内カメラCを構成することができる。
また、反射光Lrの光軸Aに対して交差する方向に偏心させた偏心位置より斜照明光L2として照射する斜照明用LED26を備えたことにより、狭隘で深さのある撮像対象箇所Tに同軸照明光L1を照射するとともに、例えば、撮像対象箇所Tの周辺である歯牙toに斜照明光L2を照射して、より鮮明な観察画像を撮像することができる。
また、白色照明光Lwを照射する白色LED26bと、青色照明光Lbを照射する青色LED26aとで斜照明用LED26を構成したことにより、白色照明光Lwのみの照射、青色照明光Lbのみの照射、あるいは白色照明光Lw及び青色照明光Lbを同時照射する、いわゆるカクテル光としての照射など、用途に応じた照明光を照射することができる。
具体的には、青色照明光Lbを励起光として照射すると、歯牙toの齲蝕部、歯石、歯垢等から可視領域の蛍光が放射されるため、齲蝕部、歯石、歯垢等をモニタMに表示する画像により容易に目視観測することができる。また、白色照明光Lwを照射すると明るい画像を照射することができる。このように、白色照明光Lwと青色照明光Lbのそれぞれの特徴を活かした観察画像を撮像することができる。
また、同軸照明LED25及び斜照明用LED26における照明光の照射を制御する制御部を口腔内カメラCに備えたことにより、所望の照明状態における観察画像を撮像することができる。具体的には、狭隘で深さのある撮像対象箇所Tのみに同軸照明光L1を照射したり、その周辺の歯牙toのみに斜照明光L2を照射したり、狭隘で深さのある撮像対象箇所Tの観察画像におけるコントラストを際立たせるために、同軸照明光L1と斜照明光L2との光量バランスを調整したりすることで、診療に適した観察画像を撮像するための様々な所望の照明状況を作ることができる。
また、カメラ内部機構10に、撮像装置で撮像する撮像対象箇所Tに対する焦点調整部40を備えたことにより、狭隘で深さのある撮像対象箇所Tに同軸照明光L1を照射するとともに、撮像対象箇所Tに焦点が調整された鮮明な観測画像を撮像することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の生体は、患者Pに対応し、
以下同様に、
暗所及び口腔は、口腔Kに対応し、
暗所に挿入する一部は、挿入部C1に対応し、
生体撮像装置は、口腔内カメラCに対応し、
反射光及び入射光は、反射光Lrに対応し、
光通過端部は、通過孔21aに対応し、
導光部は、入射光経路R2に対応し、
撮像部は、CMOSセンサ52aに対応し、
同軸照明部は、同軸照明LED25に対応し、
窓部は、カバーガラス27に対応し、
装置本体は、カメラ内部機構10に対応し、
反射手段は、反射ミラー22に対応し、
斜照明部は、斜照明用LED26に対応し、
白色照明部は、白色LED26bに対応し、
青色照明部は、青色LED26aに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の説明では、同軸照明光L1を方向変換する所定の角度に対して反射ミラー22を傾斜させて、カバーガラス27に反射することに起因するフレアの写り込みを防止したが、カバーガラス27を、反射光Lrの光軸Aに直交する面に対して傾斜する向きで配置して、撮像画像に写り込むフレアの発生を防止してもよい。
また、上述の説明では、同軸照明光L1の光源として同軸照明LED25と、斜照明光L2の光源として斜照明用LED26とを備えたが、同軸照明LED25で照射した照射光を、例えば、光ファイバーなどの導光体を使用してその一部を斜照明光L2に分割して照射してもよい。すなわち、同軸照明光L1と斜照明光L2との光源を共通化することにより、コンパクトな口腔内カメラCを構成することができる。また、斜照明用LED26及び同軸照明LED25における光源を共通化することで、部品点数が少なくなり、口腔内カメラCの組み立て性を向上するとともに、材料コストを低減することができる。
さらには、診療目的や観察目的を、根管等の狭隘な深さのある箇所のみに限定し、斜照明光L2を照射する斜照明用LED26を備えずに、同軸照明LED25のみで構成してもよい。また、斜照明用LED26を青色LED26aと白色LED26bとで構成したが、診療目的や観察目的に応じて、青色LED26a及び白色LED26bのいずれか一方のみで構成してもよいし、青色LED26a及び白色LED26bのいずれか一方で構成する斜照明用LED26を備えた斜照明配置盤21と、両方で構成する斜照明用LED26を備えた斜照明配置盤21とを交換可能に構成してもよいし、同軸照明LED25を診療目的や観察目的に応じて所望の波長の照射光を照射する光源に交換できるよう構成してもよい。
また、斜照明用LED26を構成する青色LED26a及び白色LED26bで下方に拡散光を照射し、その拡散光で斜照明光L2を構成したが、斜照明用LED26を構成する青色LED26a及び白色LED26bを、光軸Aに向かって照射するように傾斜させて配置してもよい。
また、口腔内カメラCの後端に、一端がモニタMに接続された画像信号を伝送するケーブル4を接続する構成としたが、画像信号を無線送信する無線送信器及び充電池を後端側外装2cの内部に設けることでコードレス化した構成としてもよい。
さらにまた、上述の説明では、撮像対象箇所Tとして、口腔K内の歯牙toや根管としたが、例えば、外耳道や鼻腔等の耳鼻科領域に挿入部C1を挿入し、内部を撮像し、耳鼻科領域における診療に口腔内カメラCを用いてもよい。
10…カメラ内部機構
21a…通過孔
22…反射ミラー
24…ビームスプリッタ
25…同軸照明LED
26…斜照明用LED
26a…青色LED
26b…白色LED
27…カバーガラス
40…焦点調整部
52a…CMOSセンサ
A…光軸
C…口腔内カメラ
C1…挿入部
K…口腔
L1…同軸照明光
L2…斜照明光
Lb…青色照明光
Lr…反射光
Lw…白色照明光
P…患者
R2…入射光経路
T…撮像対象箇所
X…軸方向

Claims (9)

  1. 生体における暗所に一部を挿入し、撮像対象箇所を撮像する手持ちの生体撮像装置であって、
    前記撮像対象箇所で反射する反射光の入射を許容する光通過端部を有し、前記暗所に挿入されるヘッド部
    前記光通過端部から入射した入射光を導光する導光部、
    及び該導光部を導光する前記入射光を受光して撮像する撮像部がこの順で配置され
    前記ヘッド部に、
    前記光通過端部から入射した前記入射光を前記導光部に導光するヘッド内レンズ組と、
    前記光通過端部において、前記導光部を導光し、前記撮像部で撮像される前記入射光の光軸と略平行な光軸の同軸照明光として前記光通過端部より前記撮像対象箇所に向かって照射する同軸照明部と、
    前記入射光と前記同軸照明光とを同軸上で導光するビームスプリッタとが備えられ
    前記ヘッド部内において、
    前記同軸照明部の光源は、前記ヘッド部の軸方向に対して交差する方向に配置され、
    該同軸照明部の光源から照射された前記同軸照明光は、他のレンズを介することなく、前記ヘッド内レンズ組を導光し、収束される
    生体撮像装置。
  2. 前記光通過端部に、光の通過を許容する窓部備えられ
    該窓部、前記入射光の光軸に直交する面に対して傾斜する向きで配置され
    請求項1に記載の生体撮像装置。
  3. 前記光通過端部、前記ヘッド部の軸方向に対して交差する方向に配置されるとともに、
    前記ヘッド部に、前記入射光を前記光通過端部から前記ヘッド部の軸方向に向かって反射させて方向変換する反射手段備えられ
    請求項2に記載の生体撮像装置。
  4. 前記入射光の光軸に対して交差する方向に偏心させた偏心位置より斜照明光として前記光通過端部より照射する斜照明部が、さらに備えられ
    請求項1乃至のうちいずれかに記載の生体撮像装置。
  5. 前記斜照明部
    白色照明光を照射する白色照明部と、青色照明光を照射する青色照明部とで構成され
    請求項に記載の生体撮像装置。
  6. 前記斜照明部及び前記同軸照明部における光源共通の光源である
    請求項に記載の生体撮像装置。
  7. 前記同軸照明部及び前記斜照明部における照明光の照射を制御する制御部備えられ
    請求項乃至のうちいずれかに記載の生体撮像装置。
  8. 前記装置本体に、前記撮像装置で撮像する撮像対象箇所に対する焦点調整部備えられ
    請求項乃至のうちいずれかに記載の生体撮像装置。
  9. 前記生体における暗所口腔である
    請求項1乃至のうちいずれかに記載の生体撮像装置。
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