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JP5543865B2 - 口腔内撮影システム - Google Patents

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Description

本発明は歯科医療分野において使用される、口腔内カメラ及びこれを利用して患者情報を管理するシステムに関する。
近年、日本では高齢化社会の進行もあり、歯周病の患者が増加するとともに、インプラント治療のように新しい医療行為が行われる機会も急増するなど、歯科医療の重要性が高まっている。
歯科医療において患者の状態を把握する上で、まず重要なのは虫歯の有無や歯茎の出血、発赤など、外観上の変化を確認することである。これらの情報は治療方針を決定する上で重要であるばかりでなく、治療の効果を確認する上でも重要であり、初診時から各治療のステップごとに的確に記録され、比較する必要がある。外観上の情報は文章やスケッチなどにより記録するよりも、写真を撮影することで全く損なうことなく記録することができる。デジタルカメラで撮影すれば、後から拡大表示することで当初は見逃していた病変に気付くこともあり、医療現場でも広く利用されるようになっている。
また、デジタル技術の応用としては、動画情報をリアルタイムでディスプレイに表示する口腔内カメラも広く普及している。口腔内カメラは記録用としてではなく、患者説明用として主に使われるため、画素数としては静止画撮影用のデジタルカメラの10%にも満たないものが多い代わりに、カメラモジュールやレンズは非常に小型に設計されているため、カメラ部を口腔内に挿入して自在に撮影し、患者に見せられるような形状となっている。ディスプレイに表示する目的であれば、30万画素程度の画質でも問題はないと言われている。
なお、撮影された画像は重要な患者情報であるため、デジタルカメラで撮影された数百万画素レベルの画像はいうまでもなく、口腔内カメラで撮影された30万画素程度の画像であっても、患者名、歯番、日付といった情報を付与して記録保存しておくことが通常である。ただし、実際の使用時には主に歯科医または歯科衛生士である使用者が片手にカメラを持ち、もう一方の手で患者の頬を広げたりミラー操作を行いながら撮影する必要があるため、撮影や記録といった作業には手を使うことが難しく、フットスイッチが利用されることが非常に多い。
患者情報としては画像情報だけでなく、各種検査の結果や治療過程も同時に管理され、必要に応じてそれらを組み合わせて確認することで、正確に診断を行うことができる。したがって、患者の画像を扱うソフトウェアでは、検査結果や歯科医のコメント等の入力および表示、印刷が可能になっているものが主流である。
特開2001−212081号公報には、口腔外に歯列撮影用の補助器具を設けて、歯列全般を撮影するための構成が示されている。
特開2008−86628号公報には、歯科医療用の研究用模型を含む被写体物品の正面観、咬合面観、左右の側方面観を1枚の写真に取り込んで撮影する為の、3枚鏡を組み合わせた構造体が示されている。
山形状に半円形の凹面鏡7 aおよび平面鏡8 aが配置された二面構成とし、他方の面を一枚の凸面鏡9 が配置された構成が開示され、主に局所拡大用に用いられるデンタルミラーが示されている。
特開2003−144465号公報には、湾曲した鏡(凹面鏡)を介して口腔内を撮影する歯列撮影用ビデオカメラが開示されている。
特表平8−510053は、特に歯科用ではないが、撮影用カメラの先端に直接被写体を照射せず、ドーム内面に反射した反射光を被写体に均一に照明するドーム型の照明器が示されている。
特開2002−365520には、デジタルカメラで取得した画像データの特定のエリアの画素間で差分二乗をとりその総数と、他の差分総数から、フォーカス設定をおこなう事が記載されている。
特開平5−19161号公報 特開2008−154047号公報 特許第3959644号公報 特開2001−212081号公報 特開2008−86628号公報 特開2006−325701号公報 特開2003−144465号公報 特表平8−510053号公報 特開2002−365520号公報
上記のように広く普及している口腔内カメラであるが、使用者からの不満点がないわけではない。実際に口腔内カメラを使用している使用者である歯科医等に意見を聞いてみると、解決すべき課題がいくつか存在することが判明した。
まず第一に解決すべき課題として、手ぶれも含めた焦点合わせの問題が挙げられる。口腔内カメラは患者の口腔内に挿入して撮影しなければならないことから、イメージセンサおよびレンズからなる撮影部はかなり小型に形成されている。このため、レンズの自動焦点調整機構を組み込むことは困難であり、撮影時に手ぶれの影響を非常に受けやすい。動画を患者に見せて説明する場合は適度にカメラを動かしながら使用すれば、比較的良好な画像を得ることができるものの、特定箇所を静止画像として記録する際にカメラのボタン等を押すと、その動作によって手ぶれが発生してしまう。とくに口腔内カメラの場合、カメラから撮影対象物までの距離も10〜20mm程度と非常に近いため、1mm程度の手ぶれも大きく影響することになる。撮影の瞬間にフットスイッチを利用することである程度緩和することは可能であるが、撮影部位によっては使用者も体の位置や角度を変える必要があるためフットスイッチとの位置関係は必ずしも一定ではなく、フットスイッチよりは手元で操作できる方がはるかに便利である。
第二に解決すべき課題として、情報入力の問題が挙げられる。既に述べたように、患者の口腔内を撮影する際には、一方の手にカメラを持ち、もう一方の手で患者の頬を広げる、あるいは舌を除けるといった作業となるため、撮影した画像を記録する際の情報入力に手を使うことができない。画像を一枚撮影するたびにキーボードなどで情報入力するのは、患者一人あたり5枚から10枚程度の画像を撮影することが一般的であることを考えると、非常に大きな手間となる。このためフットスイッチなどが補助的な入力手段として利用されているが、キーボードのように細かいキーを配列することができないため、十分な情報を入力することはできない。また、撮影する部位によって使用者の体勢も一定にはならないため、フットスイッチの位置を探る手間も増えることになる。
また口腔内は、唾液により常に濡れており、直接照明をあてると反射光が強すぎて、明確な画像が得られない、
口腔内は、空間が限られており、全歯の撮影を行おうとしてもなかなか、一枚の画像に収まる様な撮影はカメラの配置、性能等から難しく、画像をつなぎ合わせる等の画像処理によって解決する必要が生じ、手間がかかり、煩雑さがある。
更に、口腔内カメラは、主にカメラ部、レンズ部を口腔内へ挿入使用されることから、使用後は、十分な洗浄をする必要があり、カメラプローブを丸洗いするか、ビニール袋で覆い使用するか、或いは、カメラ部にカバーを形成して、口腔内に挿入し、使用後、カバーを取り外して、洗浄する手法が提案されている。
レンズ部、カメラ部の洗浄は、精密機器である点で、なるべく避けたいところであり、洗浄する部分は、より洗浄しやすく、破損しても安価な交換で済むことが望ましい。
上記に鑑み本発明は、照明部材と撮影部材を組み合わせた撮影ユニットを先端に配置した手持ち把持可能な筐体、前記、撮影ユニットに着脱自在に装着される中空状で、装着時、前記照明部材の照明光を反射させて、生体を照らすと共に、照らされた組織面を前記撮影部材へ伝達する鏡面部を所定の角度で配置した反射部材の組み合わせ構成により、口腔内には、前記反射部材を挿入するだけで足り、洗浄が容易でしかも安価な口腔内撮影用カメラを含むシステムを実現する。
以下、既に述べた各課題について、本発明の口腔内カメラ及び歯科情報入力器を用いて具体的に解決する方法について詳述する。
まず第一の課題である焦点合わせの方法について説明する。既に述べたように、口腔内にカメラを挿入できるようにするためには、レンズなどの光学系は可能な限り単純で小型化された構造でなければならない。したがって、手ぶれを補正するためにレンズ位置を自動調整するといった機構を組み込むことは容易ではない。
ハードウェア機構によって焦点調整を行うことが難しいとすれば、ソフトウェアによる制御あるいは解析によって焦点調整を行えばよいというのは自然な考え方である。実際、このような考え方に基づく方法も多数存在している。最も一般的な方法は完全に焦点の合った画像を撮影することを目的にするのではなく、撮影位置を少しずつ変化させながら複数の画像を撮影し、ソフトウェアによる解析によって最も焦点の合っている画像を選択することを目的にするもので、例えば特開平5−19161に開示されている方法が挙げられる。撮影対象物の表面に存在する微小な傷に焦点を合わせたいというような場合でも、撮影位置を変化させるステップを非常に細かくすれば、解析には時間がかかるものの、完全に焦点の合った画像を得ることができる。
一方、人間の手によって撮影された動画では、このように高精度で撮影位置を変化させるという操作は不可能である。この場合、使用者にとって最適な画像とは、必ずしも焦点が完全には合っていないものの、望ましい画像群の中で極力焦点が合っている画像ということになる。このような目的に応じ、使用者が撮影した動画の中から代表的な画像を1枚選択すると、その前後一定時間内に存在する複数の画像の中から最も焦点の合っている画像をソフトウェアで解析して選択するという方法が、特開2008−154047に開示されている。
上記のように複数の画像候補の中から最適な画像をソフトウェア解析によって選択するという方法を口腔内カメラに適用する場合、さらに目的に特化した方法を考える必要がある。口腔内カメラの場合、先に撮られた動画を後から編集するのではなく、動画をその場で患者に見せながら、同時に最適な画像を記録していかなければならない。したがって特開2008−154047に開示されている方法のように使用者が後から選択した画像から一定時間内に存在する画像の中から最適な画像を選択するのではなく、使用者がリアルタイムで画像を撮影する時間範囲を決定し、その中から最適な画像を選択できる必要がある。そこで本発明の口腔内カメラでは、スイッチを押した瞬間からスイッチを離す瞬間までを画像のストック時間とし、この間にストックされた画像群の中から最も焦点の合っている画像を選択する方法を採用する。この方法であれば、使用者がスイッチを押している間のみが撮影時間と限定され、操作としては非常に簡便である。既に普及している一般的な口腔内カメラでも、撮影スイッチを押すことにより静止画像を記録するという方式が最も標準的になっているが、手ぶれの影響が最も大きくなるのはカメラのスイッチを押す瞬間であるという意見は多い。上記のようにスイッチを押している間を撮影時間とすれば、スイッチを押した瞬間の画像のみでなくそれ以降の画像も選択候補に含まれるため、結果的に手ぶれの影響を受けない画像が記録される可能性が高くなる。なお、スイッチを押した瞬間から離した瞬間までを画像のストック時間とするのではなく、これらの間の適当な時間でもよいし、スイッチを押した後の一定時間としてもよい。いずれの場合でも、スイッチを押す操作による手ぶれの影響は回避でき、複数画像を候補としているため最良の画像が記録される可能性が高いという効果が期待できる点も同様である。
このように瞬間的に画像を取得して記録するのではなく、ある期間に撮影された画像群の中から最良の画像を選択する方式の場合、手ぶれは必ずしも負に作用するとは限らず、むしろ積極的に手を動かすことによっていわゆるピンボケ画像が撮影される問題も回避しやすくなる。すなわち、使用者が患者の撮影部位をディスプレイ上で確認し、口腔内カメラの撮影スイッチを押しながらカメラを前後させて撮影スイッチを離すという操作を行った場合、撮影対象から異なる距離で撮影した複数の画像が一時的にメモリにストックされていることになる。動画を滑らかに表示するために1秒あたり10枚から60枚程度の画像を撮影している口腔内カメラでは、わずか数秒の操作であっても数十枚から百枚以上の画像データが撮影されるため、余程高速に手を動かさない限り、これらの中にはほぼ確実に焦点の合った画像が含まれており、しばらく時間をおいて安定することを待つまでもない。したがってこれらの画像に対してそれぞれ焦点の合っている程度を評価するアルゴリズムを適用すれば、使用者はピンボケの問題にほとんど気を遣うことなく、最良の画像を記録できることになる。
焦点の合っている程度を評価するアルゴリズムとしては、一般的な画像処理に用いられているエッジ検出法などを利用することができる。隣接する画素との輝度値の差の二乗和を計算して最大値を求める方法や、それらの輝度値の差が一定値以上であるものをカウントする方法など、それほど複雑な処理を行わずとも、最も焦点の合っている画像を選択し、記録することが可能である。撮影者の意思に関係なく常に画像データを取得していると、たまたま濃淡の大きい画像を取得した場合に、本来撮るべき画像よりもそのような画像が最良と判定されてしまう場合があるが、初めにディスプレイで撮影対象を確認した上で、撮影スイッチをオンオフする間に取得された画像に特化して解析かつ選択すれば、全体的に全く異なる画像が比較対象になることはないため、このような問題はほとんど発生しない。さらに必要ならば、撮影スイッチを押した瞬間の画像と比較して、焦点の合っている程度を評価するアルゴリズムの評価値があまりにも異なる画像は、選択対象から外す処理を行えばよい。なお、実用上の観点からは、エッジ検出や差の二乗和などの評価を行う際に、何らかの閾値を設定しておく方がよい。これにより、極大値ではなく最大値(最良値)を選択しやすくなるためである。
また、口腔内カメラでは患者説明を行いながら最良の画像を並行して記録していかなければならないことを考慮すると、焦点の合っている程度の評価をスイッチを離した後に開始するのではなく、画像のストック開始と同時に評価も開始する方がよい。すなわち、画像のストック処理が継続されている状態であっても、既にストックされた画像群に対して評価を行い、その時点での最良の画像を選択してディスプレイに表示することが好ましい。この場合、撮影スイッチを押している間は表示されている最良画像よりもさらに評価値の高い画像が得られれば、次々と表示画像が更新されていくことになる。この方式であれば、使用者が満足できる画像が得られるまでカメラを動かしながら撮影スイッチを押しっぱなしにすればよく、最良の画像を得るための操作が非常に簡単になる。
なお、一般的な口腔内カメラでは撮像部で歯などの撮影対象を直接撮影する方式となっているため、撮像部から撮影対象までの距離は15mm前後と短く、撮影者の手ぶれが1mm程度であっても相対的に大きな影響を及ぼしてしまう。どれだけ熟練した撮影者であっても、患者が動くことまでは防げないため、やはり焦点を合わせて撮影することは難しい。そこで本発明の口腔内撮影システムでは、カメラおよびレンズからなる撮像ユニットで直接撮影するのではなく、ミラーに映る歯などの撮影対象を撮像ユニットで間接的に撮影する方式を採用する。これにより、撮像ユニットから撮影対象までの光学距離を50〜80mm程度に拡大させることができ、被写界深度も10mm以上確保することが可能となるため、手ぶれや患者の動きがあっても焦点を合わせることは容易になる。これに加えて前述したソフトウェアによる疑似的なオートフォーカス機能も有するため、極めて安定して焦点の合った画像を得ることができる。
さらに、ミラーを介して撮影することにより、カメラおよびレンズからなる撮像ユニットを口腔外に配置することができ、口腔内に挿入されるのはミラー部のみとなるため、このミラー部を着脱可能な構造にすることにより、ミラー部を高圧蒸気滅菌することが可能となるため、衛生面で非常に優れた口腔内撮影システムを実現できる。撮像部を口腔内に挿入する一般的な方式では、イメージセンサ等の電子部品が高圧蒸気滅菌に耐えられないため、清潔さを保つのが難しい。
最後に第二の課題である情報入力の問題について説明する。歯科に限らず医療現場で情報入力が難しいのは、基本的に検査あるいは治療行為において、医師が両手を使用することが多いためである。このため、フットスイッチを利用して情報を入力する場合が多いが、足での操作では細かいキー操作はできないため入力できる情報が限られていることについては既に述べた通りである。
本発明の口腔内撮影システムでは、カメラユニットに2つのスイッチを備えている。一方は撮影(静止画記録)および意思決定に用いるメインスイッチ、もう一方は選択肢の切り替えに用いるサブスイッチとする。実際の撮影操作では、動画表示を見ながら前述した焦点合わせ操作をメインスイッチで行うことにより、まず一定以上の焦点度合いを有する画像を一時的に取得する。焦点度合いの基準値を満たす画像は複数存在するのが通常であり、最も評価値が高い画像が撮影者にとって最良の画像であるとは限らないため、メインスイッチを離すと同時にこれらの画像を掲載したリストが表示され、サブスイッチを押すことにより各画像を切り替えながら拡大表示で確認することができる。撮影者にとって最良、すなわち記録保存したい画像が選択されている状態でメインスイッチを押すことにより、この画像を記録保存することが決定されるわけであるが、この直後に歯式を表示したダイアログが表示され、サブスイッチにより選択されている歯番を切り替えることができる。ここでメインスイッチを押すと歯番が決定され、画像とともに記録される。以上の処理により、画像を歯番とともに記録することができるため、後で画像を確認したり、治療の前後の画像を比較することが容易になる。
また、口腔内カメラの場合、動作中は常に画像を取得し続けていることから、画像を情報の入力手段として利用する方法も有力である。すなわち、本発明の口腔内カメラでは、取得された画像の中に特定のパターンが存在する場合、当該パターンの解析結果に応じて、特定の処理を行う機能を有する。ここでいう特定のパターンとは、特定の色、特定の形状、および/またはそれらの組み合わせである。例えば画像の中に、青色の正方形が映っていればその前に取得した画像を保存する、数字あるいは文字が映っていればその数字あるいは文字がシステムに入力される、といった処理が可能である。必要に応じてメインスイッチを押すことにより上記の画像情報認識機能が実行されるようにしておけば、意図せず撮影された画像によって誤動作が発生することも防止できる。また、頻繁に入力する必要のある数値、文字および/または特定処理を表すコード情報があらかじめ印刷された入力シートまたはリストバンドを使用し、これらの必要箇所を撮影することで情報入力が実行される方式にしておくことで、さらに誤入力が発生しにくいシステムとなる。画像情報を映し出すディスプレイがあることを前提とすれば、数値、文字および/または特定処理を表すコード情報をディスプレイ上に表示し、これらを撮影することで情報入力が実行される方式でもよい。この場合、入力のために撮影されている部位をディスプレイ上で点滅させるなど、コンピュータ側で正しく認識できていることを確認する方法も用意できるため、さらに誤入力が発生しにくくなる。このように画像情報を入力に利用すれば、限られたスイッチで情報を入力するのに比べて遥かに多くの種類の情報を瞬時に入力することが可能になる。
更に本発明は、既に述べたミラー撮影方式において、ミラー部材として凸面で湾曲状の反射鏡を用いることで、広角度な撮影データが入手できると共に、このデータに、前記凸面で湾曲状の反射鏡の曲率に応じた画像処理補正をすることで、上顎、下顎の全歯を精度良く形成することを実現した。画像処理補正は動画を構成する各コマ画像に対し瞬時に実行できるため、静止画を記録保存した後に画像処理補正を待って、その画像が記録用としで十分であるかどうかを判断する必要はなく、広角動画撮影を行いながら、通常撮影時と同様の感覚で最良の画像を選択し、記録保存することができる。既に述べたように、ミラー部は着脱可能であるため、通常撮影用の平面ミラーと使い分けることは容易であり、高圧蒸気滅菌にも耐えうるため、衛生面でも優れている。
以上のように、本発明の口腔内カメラでは、概ね次のような効果が期待できる。
本発明は、撮影ユニットに対し、簡素化された交換可能な反射部材により、一般的な拡大撮影による口腔内画像の習得のみならず、広角度で広範囲な口腔内情報も得られる。さらに、口腔内に挿入されるのは反射部材のみであるから、反射部材を着脱して高圧蒸気滅菌を実施することも容易であり、衛生面でも非常に優れた撮影システムとなる。
本発明の口腔内カメラでは、焦点の合った良好な画像が容易に撮影できることにより、小さな症状も見逃すことなく正しい診断が行われ、患者にも適切な指導が実行される。さらに画像の方向が実際に肉眼で見える方向と一致していることにより、患者にとってもわかりやすく、また画像を記録保存する際にも誤った命名をするようなミスを防ぐことができる。また、画像を利用した情報入力を実行できるようにすることで、操作や記録を容易にし、患者とのコミュニケーションにより多くの時間を費やすことができるようになる。
本発明の実施例を説明する為の図。 本発明の実施例を示す図。 本発明の実施例を示す図。 本発明の実施例を説明する為の図。 本発明の実施例を示す図。 本発明の実施例を示す図。 本発明の実施例を示す図。 本発明の実施例を示す図。 本発明の実施例を示す図。 本発明の実施例を示す図。
図1でしめす口腔内カメラ100は、手持ち型でペン型の筐体101と、その長軸方向に配置されたレンズ及びカメラ及び照明よりなる照明ユニット101bと、口腔内に挿入される部位であって、前記照明ユニットに着脱が自在な当該照明を反射させて、口腔内に照射し、口腔内組織に反射した反射光を更に反射させて照明ユニット101bへ伝達させる反射部材101aとで形成される。
口腔内を撮影する際、複数の画像を撮影して、これらの画像データから、最適な画像を差分二乗処理によるソフトウエア処理により求め、常に診断に最適な画像を口腔内カメラとしての簡素化された構成で得ることができる。
本発明における口腔内カメラは、更に凸状の球面反射部材を介して口腔内を撮影することで、上顎、下顎の全歯を1回の操作で撮影する事が出来るなど一つの画像に広範囲の口腔内データを収容することができる。
そして、本発明は、ドーム型照明部材を介して口腔内を撮影することで、唾液などによる乱反射を抑え、安定した撮影データを得ることを可能とする。
上述した本発明を実現するために口腔内カメラ及び歯科情報入力器は、ソフトウェアも含めた図1でしめすシステムを完成させたものである。
図1にその概要を示す。本発明の口腔内カメラ100は、パーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータ102に接続して使用される。この接続にはケーブル103が用いられるが、一例としてはUSBケーブルとなる。市販されている口腔内カメラには無線通信によって画像データをコンピュータに転送する機能を有するものも存在するが、カメラの動作以外にも照明用LEDの点灯やデータの無線通信に大きな電力を消費するため、バッテリーおよびその充電機構が必要となり、カメラ全体として重く大型なものになるという欠点がある。USB接続ではコンピュータからカメラの電力を供給できるため、ケーブル103の重量を考慮しても、全体としては小型軽量化されたものにできる利点がある。さらにコンピュータ102にはディスプレイ104を接続して実際に口腔内カメラで撮影した画像をリアルタイムで見ることができ、患者説明用などに利用できる。また、情報入力用デバイスとしてキーボード105やマウス106も接続され、システムの操作に利用される。
次に、本発明の口腔内カメラおよび歯科情報入力器について、それぞれ図を用いながら詳述する。
口腔内撮影部
図2に本発明の一実施例を示し説明する。図2(a)(b)の201は、把持部であって、プラスチック材、金属材等で形成され、持ちやすいように細長い棒状で形成され、後端には、USBケーブル、その他の外部モニタとの接続のための電気リード線204が接続する。
202は、平面鏡、凸面鏡等の鏡面部203を所定の角度(レンズ面に対し40〜50度)で配置したミラー部であり、口腔内に挿入される部位であって、先端に反射鏡が形成され、後端は、撮影ユニットが着脱自在に装着される円筒状の装着部208が形成されている。
207は、操作スイッチであり、電源のオンオフ、倍率の変更等の指示を、押圧方式、スライド方式、タッチパネル方式などで形成する。操作スイッチは必要に応じて複数配置され、主に撮影および選択の決定に用いるメインスイッチと、主に状態および選択肢の切り替えに用いるサブスイッチといった組み合わせで利用される。
図2(c)は、図2(a)(b)でしめす口腔内カメラの内部構成を模式的に示した図である。
図2(c)において、把持部201の先端にミラー部202が装着され、ミラー部202の先端はレンズ205に対して40〜50度傾いて形成され、ここに鏡面部203が配置されることで、撮影対象である口腔内組織Hの像がレンズ205に接続されたカメラ部206内部のイメージセンサ上に結像する。カメラ部206は鏡面部203方向が正面となるように配置されるため、メイン基板209に対しては90度傾いて接続される。カメラ部206で取得される画像情報はメイン基板209上の画像処理用マイクロコンピュータ210で滴切に受信および加工され、USBケーブル204を通じてパーソナルコンピュータへと転送される。実際の撮影操作は操作スイッチ207を利用して実行される。なお、口腔内カメラの動力となる電気エネルギーはUSBケーブル204を介してパーソナルコンピュータから供給される。
ミラー部202は根元が筒状の構造になっており、把持部201の先端に配置された装着部208が挿入されることで装着されるようになっている。装着部208が把持部201と一体化されず、異なる部材となっているのは、このような装着方法による機械的摩耗をできるだけ低減させるためであり、具体的にはポリアセタール等の材質で形成されるからである。一方、把持部201は消毒用アルコールで清掃されることが通常であり、耐摩耗性よりも耐薬品性が重要となるため、ポリプロピレン等の材質で形成されるか、または表面に耐薬品コーティングが施される。なお、装着部208の内部には撮像部が配置されるため、装着部208の先端面211は透明でなければならず、アクリルやポリカーボネイト等の樹脂で形成される。撮像部にはレンズ205の周囲に配置される光源基板212も含まれ、基板上の白色発光ダイオードから放出される光は先端面211を通過し、鏡面部203で反射されて撮影対象(口腔内組織H)へと供給される。先端面211は必ずしも平坦ではなく、光源からの光を集光するために半球状の凸構造を有していてもよい。半球構造のサイズは直径3mm程度である。
既に述べたように、ミラー部202のみが口腔内に入り、かつ着脱が容易な構造となっている場合、ミラー部202を取り外して高温蒸気滅菌することにより、常に清潔な状態で使用することが可能である。そのため、ミラー部202の材質はポリサルホン等、高温での処理に耐えられる樹脂で形成することが好ましい。鏡面部203は通常ガラスで形成されるため、耐熱性については問題ない。なお、ミラー部202に鏡面部203を接続する方法としては、耐熱性あるいは生物学的安全性の問題で接着剤を使用することは難しいため、例えば図2(c)のように鏡面部203の背面にタップ構造を形成し、ミラー部にねじ213で固定した上でシリコンカバー214を被せるといった構造を利用する。
把持部202上に配置する操作スイッチ207の位置としては、なるべく前方にある方が扱いやすいが、メイン基板209の前方は撮像部との接続や処理のための構成に面積を要するため、スイッチ素子を配置することは難しい。そこで、スイッチ基板215を別に用意し、ここにスイッチ素子216や電源投入確認用LED217を配置した上で、把持部202の内部に組み込むことで配置の問題を解決する。実際にはスイッチ素子216の上部にゴムカバー217を被せることで防水性を確保し、さらにその上にスイッチ部材207を配置することになる。
スイッチ基板215はメイン基板209に接続され、スイッチの状態は画像情報とともにコンピュータへ転送される。なお、メイン基板209上には方向センサ219が組み込まれ、口腔内カメラの方向情報も併せてコンピュータへ転送される。方向センサ219として、互いに相反する2つの方向のいずれかを向いているか、あるいはいずれも向いていないかの3状態を出力として得られるものを利用する場合、このセンサを2個互いに90度異なるように基板上に配置すれば、鏡面部203が上下左右のいずれを向いているかを判別でき、コンピュータのディスプレイ上に表示される画像の向きを適切に回転させることができる。当然ながら、1つのセンサでこれらの4方向の判定が独立にできるのであれば、基板上に配置するセンサは1個でよい。
なお最後になるが、口腔内カメラのように数十万画素以上の画像情報を動画として耐えうるフレームレートで転送する必要がある場合、撮像デバイスおよび基板上の各デバイスはかなり高速な動作を要求されることになり、必然的に高周波ノイズを周囲に放出する。口腔内カメラは医療用機器でもあるため、高周波ノイズの放出を一定レベル以下に防がなければならず、必要に応じてシールド部材220でメイン基板および撮像デバイスを覆う構造を採用する。シールド部材は薄いアルミニウム板等で形成される他、把持部201の内面を導電コーティングすることで代用してもよい。
図3に反射部材301について拡大した図を示した。
304は、円筒状の装着部Aを示し、305は、反射鏡を示す、装着部Aと反射鏡305は、硬質性プラスチック材で形成された反射部支持部材303であり、装着部A304から、反射鏡305までは、開放されており、又、装着部A304から反射鏡305が支持された部位まで、流線形状をしており、口腔内に刺激を与えない形状となっている。 306は、把持部であり、307は、撮影ユニットである。これは、図2の205および206と同じものである。
反射部材301は、撮影ユニット307と着脱自在であることから、高温蒸気滅菌が可能であることや光学距離が長くなり焦点を合わせやすいという利点があることは既に述べたが、口腔内組織の撮影態様に応じて、ミラー特性を容易に変更できるという利点も得られる。例えば反射鏡305として平面ではなく凸面ミラー310を使用すれば、撮影対象である口腔内組織がより広範囲に映ることになる。歯科の臨床としては歯の咬合面全体を写した画像や、正面および側面の全体画像も極めて重要であるが、これらの画像は凸面ミラーを使用することで容易に得ることができる。
310は、凸状で球面状の反射鏡であり、上顎又は下顎の全歯、又は目的とする範囲の歯列を撮影するための曲率をもっている。
尚、このような凸状で球面状の反射鏡は一例であっても良く、目的に応じて、凹面鏡であってもよい場合もある。
図3(b)は、撮影ユニット307の一例を示す図である。308は、撮影部であり、趣向レンズ、CCDカメラなどで形成されている。
309は、照明部であり、LED、発光ダイオード等で形成されている。照明部309の個数は、任意であり、反射鏡305を介して組織を照らす場合に応じ適宜選択される。
図4は、凸面鏡、凸状で湾曲した鏡面を持つ鏡体を使用した場合の模式図を示す。
本実施例は、上顎又は下顎の全歯等広範囲の画像データを得るためのものである。
図4(a)において、401は、円盤状の反射鏡であり、鏡面402が凸面鏡等の凸状の球面状に形成されている。球面状に形成された鏡面402の半径は9〜13mm、曲率半径は15〜30mmで示されるが、単に球面ではなく、これを用いて撮影された画像の目的等に応じ、異なる半径の球面を持つ場合もある。
403は、連結部材であり、反射鏡401と、把持部404を連結する金属、プラスチック状の棒状の部材であり、連結部材403と、反射鏡401は、所定の角度407(130〜140度)で接続している。把持部404は、硬質状のプラスチック等で形成され、連結部材403の反射鏡401と接続する端部と、反対の端部と、摺動調整可能に接続する。連結部材403は基本的に樹脂でよいが、ステンレス等の金属、または樹脂内に金属棒をインサート成型した構造であってもよい。
405は、レンズであり、反射鏡401からの反射光を集光しCCD等の内部撮影用カメラ部406のイメージセンサ上に像を結像させる。
図4(b)に、図4(a)を斜視図的に示した。入射光4nに対し、反射鏡401が反射してレンズ405に入射する口腔内の像4hは、平面鏡に比べ、広範囲にわたる為、上顎又は下顎の全歯を一度に撮影可能としている。この範囲を拡大して得られる画像を模式的に示したのが図5である。
図5でしめす模式的な図の様に広範囲の口腔内501Aを一度に撮影可能としているため、いわゆるパノラマ写真よりもより手軽で、しかも口腔内の様な限られた空間内でも自在に撮影可能とする。501Bは、舌、501Dは下顎全歯列、501Cは唇であり、撮影範囲は全歯以上の幅広い範囲となる。通常、このような写真を撮影するためには口腔内に幅80mm程度の大きな平面ミラーを挿入し、口腔外からマクロレンズを接続したカメラで撮影しているが、患者にとってはかなりの苦痛を伴う撮影法であった。
ただしこのように、凸面の反射鏡により反射した画像は、中心から外方向へ向かって、凸面の曲面に基づいて湾曲していることから、何らかの補正処理が必要である。ミラーの凸面形状とレンズからの距離は決まっているため、後は撮影対象に対するミラー面の角度が不確定要素となるが、例えば下顎の咬合面を撮影する場合、ミラー部の先端が上顎の中央付近に接触するような位置に挿入し、できるだけミラー面が下顎咬合面に対して水平になるように調整するのが普通である。したがって曲面を有するミラーにより撮影した画像を補正変換する方法としては、次の2通りが考えられる。
まず第一の補正法としては、ミラー面に対して撮影対象面(領域)が水平(あるいは最も平均的な角度、例えば15度など)になっていると仮定し、理論的に求められる曲面像を元の平面像に変換するアルゴリズムを適用する方法である。この場合、実際のミラー面と撮影対象面とがなす角度が仮定の角度からずれるほど、変換画像の歪みが大きくなる。静止画撮影後に変換処理を実行し、変換画像を確認するのでは適切な画像を得ることは容易でなく、患者にとっても負担が大きい。したがってこの方式では、カメラで動画を取得している最中に変換処理を行い、動画表示の時点で変換処理がなされた画像を表示する必要がある。このような処理は、一画像に対して変換処理も一種類しか存在しないこの方式であれば処理時間としては問題なく、撮影者にとっても動画でリアルタイムに変換画像を確認できるようになっていれば、適切な画像が得られるまでカメラの角度を微調整することで、短時間のうちに撮影操作を完了させることができる。
第二の補正法としては、曲面ミラーによって撮影された画像に対し、ミラー面と撮影対象がなす仮定の角度を少しずつ、例えば1度ずつ変化させながら変換処理を行って得られる複数の変換画像の中から、撮影者が最適な画像を選択できるようにする方法である。複数の想定角度に対する変換アルゴリズムはミラーの曲面形状が決まっていれば理論的に求められるものであるから、通常の撮影におけるミラー面の角度がせいぜい0度から30度の範囲に収まることを考慮すれば、複数の変換画像を生成し、撮影者が選択する手間はそれほど大きくない。したがってこの方法によっても、容易に最適な変換画像を得ることができる。
本発明の口腔内カメラでは、手ぶれやピンボケの問題を回避するため、図2でしめす操作スイッチ207が押された瞬間に静止画像を記録するのではなく、操作スイッチ207が押されてから離されるまでの間に取得された複数の画像動画を構成する各画像の中から最良の画像を選択する方式を採用している。この具体的な処理手順を示したのが図6である。
本発明の口腔内カメラとこれを使用するためのソフトウェアが起動され、動画の表示601を実行している状態において、使用者が撮影スイッチを押す602と、そのタイミング以降に取得される各画像のストック603処理を継続していく。これらストックされた画像群の中から後述する最良画像を選択する処理は、撮影スイッチを押している間にも実行され、暫定最良画像の表示604が実行される。当然ながら暫定最終画像よりもさらに良好な評価をされる画像が得られた段階では、表示される暫定最終画像も更新される。したがって、使用者は記録用として納得できる画像が表示されるまで撮影スイッチを押し続ければよい。
撮影スイッチを離す605ことにより撮影を終了すると、各画像のストック603も終了し、撮影スイッチを押していた間にストックされた画像群における最良画像の選択と表示606を自動的に行う。実際には暫定最良画像の更新を常に行っているため、撮影スイッチを離したタイミングでの暫定最良画像がそのまま最良画像となる場合が多いが、撮影スイッチを離してから最良画像の選択処理を行う方法に比べると、最良画像が確定するまでの時間は大幅に短縮されている。この最良画像は自動的に記録保存してもよいが、使用者が撮影スイッチを短く押すことで記録保存が実行されるか、あるいは記録スイッチを別に設けて記録保存が実行されるようにしてもよい。この場合、撮影スイッチが一定時間以上押されることにより、再び撮影動作を開始し、画像を撮り直すことができるとよい。記録保存の際には、使用者に画像データファイル名を入力させ、それを利用して記録保存607が実行されるようになっていることも好ましい。
なお、最良画像の選択と表示606を実行するにおいて、どのような判定基準およびアルゴリズムを用いて最良の画像を決定するかということも重要な課題である。撮影スイッチを押している間の画像の中から選択する方式の第一の目的は、手ぶれの影響を極力排除することにあるため、最良画像の判定基準も基本的には手ぶれの影響が最も少ない画像ということになる。これに次いで、焦点が合っていない、いわゆるピンボケ画像になっていないということも判定基準となる。手ぶれの影響を受けた画像やピンボケ画像の特徴は、画像内の境界線が鮮明でないことである。したがって、極力境界線がシャープである画像を選択できればよい。
境界線がシャープである画像を選択するためには、一般的な画像処理でもよく利用されるエッジ検出アルゴリズムを利用すればよい。ただしエッジ検出の場合、歯茎に光が反射してできる光沢でもエッジとみなす傾向があり、歯茎に焦点が合った画像を選択してしまうことは十分にありうる。したがって、光沢のように一定値以上に輝度が大きい部位については、エッジとみなさないような処理も必要である。また、隣接画素間の輝度差の2乗和を評価値として、最大となるものを最良画像としてもよい。単純に輝度差の絶対値の和をとるだけでは、ピンボケ画像のようにある範囲の輝度の変化が緩やかになるだけで全体としての変化は焦点の合う画像と差がない場合でも、2乗和の方では局所的な変化の大きさが顕著に反映されるからである。
本発明の口腔内撮影システムのより具体的な構成例を図7に示した。
図7について詳細に説明する。
700は、撮影用プローブであって、把持部702の撮影ユニット702Aと着脱自在に接続する反射部701よりなる。撮影ユニット702Aは、照明部及び撮影部の組み合わせで形成されている。
反射部701には、反射鏡701kが所定の角度で配置されている。撮影ユニット702Aは、連続的に画像を撮り込み、パーソナルコンピュータ等の画像処理システムへと画像データを転送する。撮り込み速度としては、動画表示としても違和感のない毎秒15〜30枚の画像データを取得および転送できる必要がある。
702Sは、撮影開始用のシャッターボタンであり、プッシュスイッチ、スライドスイッチ等で形成されており、把持部702を把持した手の指で操作できる位置に形成されている。 シャッターボタン702Sは、押す指等、押圧状態が解除されると、戻り、静止画像形成動作が停止するような構成が好ましいが、場合によっては、押した状態が維持され、再度押すと元に戻るような構成であっても良い。
なお、スイッチの状態によって撮影ユニット内で画像データの取得動作を切り替えても良いが、本発明のシステムでは、撮影ユニットの小型軽量化のため、撮影ユニット側では複雑な判定処理は行わない構成としている。したがって、各スイッチおよびセンサの状態情報も画像データと共に画像処理システムへと転送する方式とし、画像データは常に動画データと同等の速度で転送し続けるものとする。
703は、電気信号用ケーブルであり、USBのような汎用性の着脱可能なケーブルの他、着脱せずに、そのまま組込も固定されているものであっても良い。
704以降は画像処理システム側の構成となる。704は、画像データ形成手段であり、前記撮影開始用のシャッターボタン702Sが押されたタイミングで、静止画を画像データとして出力する手段である。前述の通り、画像データは常に動画として表示するのに十分な速度で転送され続けているが、画像データと共に転送されるスイッチの状態情報に応じて動画表示、静止画表示等を切り替える。
705は、画像データ記憶手段であり、前記静止画を経時的に一時的に記憶していくメモリで構成されている。
706は、画素データ読出手段であり、画像データ記憶手段705から静止画を読み出して、個々の静止画ごとに、その一部又は全部の画素データの主に輝度値を検出し、一時的に記憶するのである。
707は、輝度値差分二乗手段であり、前に読み出した画素データの輝度値と、後に読み出した画素データの輝度値との差分値を二乗した値を出力するものである。
708は、積算手段であり、前記輝度値差分二乗値を積算していく手段であり、709は、積算データ記憶手段であり、この積算値を静止画毎に記憶していく記憶手段である。
710は、積算データ比較判定手段であり、前記積算データ記憶手段709で記憶された静止画ごとの積算データの値を比較し、最大値となる静止画を判定する手段である。
711は、最適画像データ決定手段であり、前記積算データ比較判定手段710で最大値となる静止画の判定に基づいて、前記画像データ記憶手段705から、対応する画像データを決定し、図1のディスプレイ104に出力するか、一時的に記憶する為に出力端712に出力する。なお、705〜711の処理は撮影用のスイッチを押している間は継続的に実行されるため、ディスプレイ等への表示も同時に行われる。すなわち、撮影操作中に一時的に最適となった画像の表示が行われ、その後にさらに評価値の高い画像が取得されれば、表示画像もその画像へと更新される。これにより、撮影者は満足できる画像が得られるまで撮影スイッチを押しながら、撮影ユニットの角度や位置を微調整すればよく、直感的に使用しやすいシステムとなるのである。
図7で示す実施例の動作は、測定しようとする口腔内にプローブ700の反射部701を挿入し、反射部701の反射鏡701kを測定対象となる歯牙SGに近づける。反射鏡701kは、 シャッターボタン702Sが押されるまでは、図1のディスプレイ104に撮影ユニット702Aの撮影動画像を表示しており、使用者は、このディスプレイ104を見ながら、測定対象となる部位例えば歯列SGに近づけて、位置を調整する。
最適と思われる位置に反射鏡701kが配置できたと思えるタイミングでシャッターボタン702Sを押す。
このシャッターボタン702Sが押されたタイミングで、画像データ形成手段704は、一定時間間隔で、自動的に静止画を画像データ記憶手段705に出力し、記憶する。
画素データ読出手段706は、画像データ記憶手段705で記憶された画像毎に全部又は、主要な一部の画素データから輝度値を算出して輝度値差分二乗手段707に出力し、輝度値差分二乗手段707は、これを時系列的に一時的に記憶すると共に前の画素データの輝度値と後の画素データに輝度値から差分二乗値を算出し、積算手段708に出力する。
積算手段708は、画像毎に差分二乗値を積算していき、積算データ記憶手段709に出力する。
積算データ記憶手段709で記憶された画像毎の積算データを積算データ比較判定手段710に出力し、画像毎の積算データを比較し、その最大値に対応する画像データを判定する。
最適画像データ決定手段711は、積算データ比較判定手段710で、判定された画像を画像データ記憶手段705から読み出して、出力端712に出力し、状況に応じて図1で示したディスプレイ104に表示する。
図7でしめすブロック図からなる口腔内の最適画像判定手段は、コンピュータを用いるのであれば、ソフトウエアによる処理、ハードウエアであれば、ゲートアレイ等のカスタム、セミカスタムな電気回路で構成されてもよい。
以上のようなアルゴリズムにより、手ぶれやピンボケによる影響が最小となっている最良画像を選択することができる。使用者は撮影スイッチを1回押して離すのみの直感的な操作で最良の画像を得ることができ、しかもこのようなスイッチ操作の間にカメラの位置あるいは角度を調整することによって画像の選択肢を簡単に増やすことができ、より最適な画像を得やすくなる。ハードウェアとしてオートフォーカス機構を搭載せずとも、簡便な操作によって焦点の合った画像を得るためのセミオートフォーカス機能が実現されるのである。
以上をまとめると、最良の画像を得るために本発明の口腔内カメラが有する特徴は次のように表現することができる。
第一の特徴として、撮影スイッチが押されている間、一定時間間隔で画像をストックしていく機能を有する口腔内カメラまたは画像処理システムである。
第二の特徴として、ストックされた画像群からその時点での暫定最良画像を自動的に選択し、表示する機能を有する口腔内カメラまたは画像処理システムである。
第三の特徴として、撮影スイッチが離された後に、前記暫定最良画像も含めて最終的な最良画像を決定し、表示する機能を有する口腔内カメラまたは画像処理システムである。
第四の特徴として、前記最良の画像とは、焦点が最も合っている画像であることを特徴とする口腔内カメラまたは画像処理システムである。
なお、一般的に口腔内カメラの画像データの画素数としては、30万〜130万画素の範囲となっている。コンピュータのディスプレイに表示する画像としては、30万画素程度の情報があれば十分であること、130万画素を超える画素数になると、現状のUSB2.0規格では毎秒15枚程度の画像データを転送することが難しく、動画として滑らかな表示ができないこと、の2点がその主な理由となっている。しかしながら、実際の歯科医師の立場からは、情報としてはより多くの画素数を有する画像データとして記録保存しておきたいという事情がある。患者への説明ではおおよその表示がされれば十分であるが、後から詳細に患部を確認する際には画像を拡大して見る必要があることも多く、拡大時にはこの程度の画素数では情報が不足するためである。したがって、口腔内カメラはあくまでも患者への説明用として用途を特化している歯科医師も少なくない。
本発明の口腔内カメラは、記録画素数として190万画素以上を有している。既に述べたように現状のUSB2.0規格では、カメラからコンピュータに画像データを送信する際に、190万画素以上の画像データは毎秒5〜6枚分しか転送することができない。しかしながら将来的にはUSB規格もさらに進化し、この程度の画像を毎秒15枚以上転送できるようになることはほぼ確実であるため、性能としては現時点で有していることが好ましい。また、患者説明用には30万画素程度の表示でも十分であるとの意見が多いため、カメラとしては最大190万画素以上のデータを処理することができるが、動画情報の表示は30万画素程度の転送で行い、撮影スイッチが押されている間は190万画素以上の記録モードに切り替える機能を有していれば、患者説明用の滑らかな動画表示と、記録保存用の高画素の画像取得を両立させることができる。したがって本発明の口腔内カメラでは、動画表示時の画像データサイズと、撮影スイッチが押されている間の記録用画像データサイズを切り替えることを特徴としておく。なお、それぞれの動作状態において、画素数の設定は使用者ができるようにしておくことが好ましい。
また、患部を詳細に確認するため、画像を拡大表示して見ることがあるという説明を行ったが、場合によっては患者にもその場で拡大表示を見せられる方が効果が大きいことも少なくない。したがって本発明の口腔内カメラでは、動画および/または静止画の表示状態において、中心部の拡大画像をディスプレイに表示する機能を有することを特徴とする。中心部の拡大表示率は200%、400%程度があればよく、撮影スイッチあるいはその他のスイッチを押すことにより簡単に拡大表示率を切り替えられるようになっていることが望ましい。最初から拡大表示がなされていると、患者にとってはどの部位かわかりにくくなるためである。
また、本発明の口腔内カメラでは画像の記録保存用としても使用できるように高画素対応させることを既に述べたが、画素数だけでは記録保存用としては不十分な面もある。すなわち、口腔内カメラでは患者説明用が主な用途であるため、特定の歯あるいは患部を大きく撮影できるような画角(70度以下)のレンズが用いられているのが一般的であるが、記録保存用としては症状のある部位だけではなく、症状のない部位も一緒に撮影される必要があるということである。その中でもとくに難しいのは歯の咬合面の撮影であり、理想的には上下それぞれ16本の歯が全て写っているような写真を得ることであるが、口腔内ではカメラと歯との距離を20〜30mm程度しか確保できないため、画角としては100度〜140度程度が必要とされるのである。このような画角のレンズを、口腔内カメラのサイズに納めるように作製することは非常に難しい。
一般的には、咬合面の撮影は、患者の口腔内に口腔鏡を挿入して、口腔鏡に映った咬合面を口腔外からカメラで撮影する方法が採用されている。口腔外から撮影を行えば、口腔内カメラのように小型化されたカメラである必要はないからである。しかしながらこの方法では、患者の頬を押し広げて口腔内に幅の広い口腔鏡を挿入しなければならないため、患者にとっては苦痛を伴う作業となる。とくに女性の患者にとっては、精神的にも辛い作業である。そこで本発明の口腔内カメラでは、曲面ミラーを用いて狭い範囲(ミラー面)に広範囲の像を映し、これをカメラで撮影した上で画像変換処理を行うことにより、咬合面などの広視野画像を得る方式を採用していることを既に述べた。広角レンズを用いないのは、前述の通り限られたサイズにレンズを収めることが難しいだけでなく、像の歪みも大きくなるため、接写拡大画像の画質も低下してしまう問題があることにもよる。広角画像と接写拡大画像は光学的にかなり性質の異なるものであるため、交換が容易なミラー撮影方式にしてそれぞれ撮り分けるのが最善の方法となる。
咬合面など広域を撮影する場合のもう一つの工夫としては、画像合成が考えられる。すなわち、咬合面の部分的な画像を複数回にわたって撮影すれば、これらの複数の画像をソフトウェアで合成し、咬合面全体の画像を作成する機能を有するということである。離散的に撮影された画像を繋ぎ合わせるためには、隣接する画像の中に共通する部位が映っている必要があるなど、撮影時に注意が必要であるが、撮影した画像の中心の歯が何番であるかといった情報を入力することで補うことも可能であり、少なくともこのような機能を有していれば、口腔鏡を使用せずに咬合面の画像を得ることができ、患者と使用者双方の負担が著しく減少する。
また、本発明で用いる撮影ユニットも含め、一般的な口腔内カメラが動画データを取得する機能を有していることから、意識的に共通する部位が映るように撮影を行わずに済む方式も実現できる。すなわち、動画撮影状態において撮影者が咬合面や正面、側面などの歯列をなぞるように撮影ユニットを動かせば、毎秒15〜30枚という速度で連続する画像群を容易に得ることができるので、よほど高速に撮影ユニットを動かさない限り、これらの画像群はわずかずつ撮影部位が連続的に変位している像を有していることになる。したがって前後の画像とは共通部分が大きく、画像を合成することはそれほど難しくはない。
また、既に課題として挙げたように、口腔内カメラの使用時にはカメラを持つ手とミラーを使用する手が必要となることから、情報入力が難しいという問題がある。一般的にコンピュータへの情報入力機器として使用されるマウスおよびキーボードは、ツール類の非常に多いチェアサイドに置かれることが難しい。また、患者の口腔内に接触した手で操作するとなると、衛生管理も難しくなる。情報入力の問題を解決する方法の一つとして、本発明の口腔内カメラでは、撮影スイッチとは別にサブスイッチを用意する他、画像を用いた情報入力機能を有する。すなわち、口腔内カメラで数字および文字、特定色および/または特定形状のコード情報等を撮影した場合、画像を解析してこれらの情報を認識し、システムに入力する機能を有する。
具体的には、患者名あるいはカルテ番号等の識別番号を撮影すれば、現在その情報に該当する患者の撮影を行っていることを認識し、自動的に患者のカルテ情報などを表示するとともに、撮影された画像は当該患者のものであると認識する。また、情報表示や写真撮影といったプログラムの動作モードも、特定色および/または特定形状のコードやアイコン等を撮影することで実行できることが望ましい。さらに、写真撮影モードにおいて、写真撮影実行の前あるいは後に、歯式などの番号情報を撮影した場合には、撮影された写真データファイルに該当する番号を付与して記録保存する。なお、画像から情報を認識するための解析機能は、口腔内カメラ内部ではなく、情報を受け取るコンピュータ側のソフトウェアに有していてもよい。以上のような機能により、マウスやキーボード等を使用せずとも、口腔内カメラのみで必要な情報入力を行うことができるようになる。
また、同様に情報入力の問題を解決する方法として、口腔内カメラにマイクを内蔵し、音声情報によって撮影動作および/または情報入力操作が実行できる機能を有していてもよい。
なお、歯科医療で患者口腔をカメラで撮影する場合、単に情報として記録するだけではなく、より高度な情報活用が行われる場合もある。その例として、患者歯牙表面のシェードパターン撮影が挙げられる。最近の歯科医療では、単に患者の歯牙を治療するのみならず、その審美性も重要視する傾向が高まっている。すなわち、治療された歯牙であっても天然歯と見分けがつかないような自然な色合いが求められているのである。人口歯への着色作業は主に歯科技工士によって行われるが、患者を治療する歯科医院に歯科技工士がいない場合、患者の歯牙表面の写真を歯科技工士に送信して着色作業を依頼することになる。この場合、人口歯の審美性の質は、歯科技工士の技量以上に天然歯の写真が適切な条件で撮影されたかどうかに依存する傾向が強くなる。当然ながら写真の色合いには周囲の照明条件やカメラの性質が大きく影響するため、できるだけこれらを一定にした条件で撮影が行われる事が好ましい。
口腔内カメラ用照明
本発明の口腔内カメラを利用して、天然歯の色合いまで管理できる条件で撮影を行うためには、周囲の光を遮断して、口腔内カメラに内蔵された光源のみで撮影が行われることが必要条件となる。さらに、LEDのような点光源を直接歯牙に照明すると、例え光拡散体を利用したとしても、撮影対象までの距離が短いため均一な照明を行うことは難しい。したがって、口腔内カメラの光源を利用しつつも、歯牙に対しては間接的な照明を行うことが望ましい。
なお、歯牙表面のシェードパターンを撮影するために間接的な照明を利用する方法は、とくに口腔内カメラでなくとも一般のデジタルカメラやフィルムカメラを用いる撮影においても有効である。一般的なカメラ用のシェードパターン撮影照明器は、まず一般的なカメラのレンズのレンズマウント801に対して接続できる構造が必要であるが、各種レンズマウント用にレンズアダプタ802が販売されているため、これを接続に利用する。さらにレンズアダプタ802にドーム構造体803を接続する。これらはカメラに応じて変更できるようにねじ等で連結されていてもよいし、最初から一体化して形成されていてもよい。ドーム構造体は円弧あるいは放物線状の断面をもっており、撮影対象となる歯を覆って外光を遮断するとともに、光源からの光を均一に照明する役割も担っている。
さらにドーム構造体の下部(撮影対象側の縁)に光源基板804が接続される。光源基板804はドーナツ状の形状をしており、中心の開口部に撮影対象物である歯牙が入るようにして撮影を行う。光源基板上には白色LEDが4〜20個程度配置される。さらに光源基板に電池等の電源を配置できない場合は、電力を供給するための電源ケーブル806が接続される。この電源ケーブルはACアダプターやバッテリーに接続して使用される。カメラに接続する機器に長いケーブルが接続されていると使用しにくいことから、望ましくは電源ケーブルはバッテリーに接続され、さらにバッテリーはカメラの三脚ねじ穴などに固定されることで、安定した姿勢で使用できる方がよい。バッテリーをドーム構造体の外部に直接固定できる場合は、電源ケーブル806は不要である。白色LED805から放出された光は、
ドーム構造体803の内面に反射された後、開口部808に向かい、撮影対象物を照明する。光源基板804には開口部808の周辺を覆う筒状の遮光体807も接続されており、白色LED805からの光が撮影対象物に直接照射されないようになっている。ドーム構造体803の内面は白色あるいは無彩色に塗られており、光源からの光を拡散させて均一に照明できるようになっている。なお、歯のように表面に光沢のある物体を撮影する場合、カメラレンズの色が撮影対象物の表面に写り込む傾向があるため、ドーム構造体803の内面色もカメラレンズの色に近いものにする方が、より美しく撮影できる。カメラレンズは黒色のものも多いため、ドーム構造体の内面色は黒色にすることが好ましい場合もある。
尚、光学基板804には、遮光体807より更に対向する縁部方向へ延びた部分809を形成し、この部分の撮影用カメラレンズマウント801方向に、RGB、CMYK等の標準データが貼り付けてもよい。これは任意であるが、撮影画像の基準色とのずれを補完校正する場合に役立つ場合がある。
以上の一般カメラ用のシェードパターン撮影器の特徴をまとめると次のようになる。
一般的なカメラレンズのレンズマウントに接続できる筒状構造と、当該筒状構造に接続された円弧あるいは放物線状の断面を有するドーム構造体と、当該ドーム構造体の撮影対象側に接続された中心部に開口部をもつ白色光源基板を有し、白色光源からの光が前記ドーム構造体の内面に反射された後に白色光源基板の開口部から放出され、撮影対象物に照射される構造となっている歯牙表面撮影用照明器。
前記ドーム構造体の内面の色が、白色または黒色、あるいはその他の無彩色である歯牙表面撮影用照明器。
図9及び図10は、本発明の図2等で示した実施例の全体形状の一例を示す図である。
図9(a)は、底面図、(b)は、右側面図であり、右側面図と左側面図は、同じ形状である。(c)は、平面図であり、(d)は、左側面図である。
図10は、(a)は、正面図、(b)は、背面図であり、(c)は、斜視図である。
図9及び図10でしめす形状は、本発明における好適な一実施態様となり得る。
本発明は、歯科口腔内をより鮮明で、様々な種類の画像を口腔内に挿入し自在に動くことが出来るプローブ状の撮影手段を用いて得ることができるため、歯科治療、虫歯予防、歯周病病予防の分野で大いに利用可能である。
100 口腔内カメラ
101 筐体
101a 反射部材
101b 照明ユニット
102 コンピュータ
103 ケーブル
104 ディスプレイ
105 キーボード
106 マウス

Claims (5)

  1. 口腔内を撮影のタイミングで複数の静止画を形成記憶する画像データ形成記憶手段、前記画像データ形成記憶手段で形成記憶された静止画の画素情報について隣接する画素情報の差分二乗値を算出する差分二乗値算出手段、前記差分二乗値を静止画毎に積算する積算手段、前記積算手段で得られた積算データから最大値を備えた静止画を判定してこれを最適画像データと決定する最適画像データ決定手段の組み合わせよりなる最適画像決定ユニットよりなる口腔内撮影システム。
  2. 前記複数の静止画の撮影が、撮影開始の為の操作が開始した時点から自動的に行われる請求項1に記載の口腔内撮影システム。
  3. 照明部材と撮影部材を組み合わせた撮影ユニットを先端に配置した手持ち把持可能な筐体、前記照明部材の照明光を反射させて、口腔内の撮影組織面を照らすと共に、照らされた組織面を前記撮影部材へ伝達する鏡面部を所定の角度で配置した反射部材、 一端には前記筐体に着脱可能に装着されるための装着部が形成され、他端には前記反射部材が接続し、両端を前記反射部材だけが口腔内に入るような長さを備えて連結するものであって連結している部分以外は開放された形状を有する反射部支持部材よりなる口腔内撮影ユニットにより口腔内を撮影する請求項1及び2に記載の口腔内撮影システム。
  4. 前記鏡面部が凸面で且つ湾曲した面を持つ請求項3に記載の口腔内撮影システム。
  5. 前記鏡面部を介して撮影されたデータを前記鏡面部の湾曲度に応じた補正手段を更に具備してなる請求項4に記載の口腔内撮影システム。
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