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JP6024329B2 - インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインク記録物 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインク記録物 Download PDF

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JP6024329B2
JP6024329B2 JP2012203647A JP2012203647A JP6024329B2 JP 6024329 B2 JP6024329 B2 JP 6024329B2 JP 2012203647 A JP2012203647 A JP 2012203647A JP 2012203647 A JP2012203647 A JP 2012203647A JP 6024329 B2 JP6024329 B2 JP 6024329B2
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Description

本発明は、インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインク記録物に関する。
近年、画像形成方法として、他の記録方式に比べてプロセスが簡単でかつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があることから、インクジェット記録方式が普及してきた。
インクジェット記録方式は、熱により発生する泡や、ピエゾや静電等を利用して発生させた圧力で少量のインクを飛翔させ、紙などの記録媒体に付着させて素早く乾燥させることにより(あるいは記録媒体に浸透させることにより)画像を形成する方式であり、パーソナル及び産業用のプリンタや印刷まで用途が拡大してきている。
インクジェット記録装置には、着色剤として水溶性染料を使用した水系インクが主に用いられているが、前記染料インクは、耐候性及び耐水性に劣るという欠点がある。
このため、近年、水溶性染料に代えて顔料を使用する顔料インクの研究が進められている。
しかし、前記顔料インクは、染料インクに比べて発色性やインクの吐出安定性、保存安定性がいまだ劣っている。また、OA用プリンタの高画質化技術の向上に伴って、顔料インクにおいても記録媒体として普通紙でも染料インクと同等の画像濃度が要求されている。しかし顔料インクは、記録媒体として普通紙を使用する場合、紙中へ浸透することにより紙表面の顔料濃度が低くなり、画像濃度が低くなるという問題が生じている。
また、近年特に産業用途としての需要が高まり、高速化印字化が望まれている。高速印字化に伴いラインヘッドを搭載したインクジェットプリンターも提案されてきている。高速印字化のために記録媒体に付着したインクの乾燥速度を早める為に、インクに浸透剤を添加し水を記録媒体中に浸透させることにより乾燥を早める手段がとられるが、水だけでなく顔料の記録媒体への浸透性も高くなってしまい、更に画像濃度が低下してしまうということが起こる。
画像濃度の向上については、様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1にインクの水分蒸発に伴う粘度上昇率(mPa・s/%)が、全インク重量に対する水分蒸発量が30質量%までは5.0以下であり、かつ、水分蒸発量が30〜45質量%の間に粘度上昇率が50を超える点を持つように構成されたインクが提案されている。この提案のインクによると、普通紙上にインクが着弾して水分が蒸発すると急激に増粘するため高速で印字しても顔料の紙中への浸透が抑制され、高い画像濃度を示すとされている。しかし、この提案のインクは、水分が蒸発すると急激に増粘するが故、インクジェット記録装置内、特にノズル中で水分の蒸発が起こると増粘によりインクの吐出安定性が低下したり、ノズル周辺にインクが固着したりする問題があった。
また、特許文献2には、プロトン濃度が酸性側になると膨潤により粘性が高くなる高分子ゲル微小球を含有するインクが提案されている。すなわち、保存状態及び記録装置内では、アルカリ性側のプロトン濃度に調整されており、普通紙上に着弾すると記録媒体である普通紙からのプロトン供与により酸性側にプロトン濃度が変化し高分子ゲル微小球の粘性が高くなり、顔料が紙中へ浸透するのを抑制するとされている。これによると、インクジェット記録装置のノズル中で水分が蒸発しても増粘がなくインクの吐出安定性の低下は起こらない。しかしながら、画像濃度についてはまだ充分ではなく更なる改善が必要であった。
さらに、特許文献3にはクリアインクにコア/シェル型の不飽和アクリル酸アルキルエステルと不飽和アクリル酸を構成要素とした樹脂粒子への添加が提案されており、必須ではないが他モノマーの例としてスチレン、N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N−ビニルホルムアミドの記載はあるが、組み合わせによる画像濃度向上について何ら記載がなく、かかる組み合わせがもたらす効果について何ら知見が得られず、依然として画像濃度について充分な効果が得られるものではない。
またさらに、特許文献4には顔料を内包する樹脂粒子の例としてn−ドデシルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメトキシポリエチレングリコールメタクリレートを含んだ樹脂が記載されているが、画像濃度の向上効果は少ない。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、インクの保存安定性が良好で、普通紙で高い画像濃度が得られ、インクの吐出安定性が良好で、ノズル周辺にインク固着がないインクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインク記録物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るインクジェット記録用インクは、水、湿潤剤、着色剤および高分子微粒子を含有し、紙面のpHが4〜7の普通紙に対して吐出されるインクジェット記録用インクであって前記インクジェット記録用インクのpHは8〜10であり、前記高分子微粒子は、下記式Aまたは下記式Bで表される構造単位と、下記式2で表される構造単位と、下記式3または下記式4で表される構造単位と、が少なくとも共重合して成るとともに、前記着色剤を包含せず、前記高分子微粒子の体積平均粒子径は、前記インクジェット記録用インクのpHが8.5以上で10〜300nmであることを特徴とする。
Figure 0006024329
[前記式A中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、RはHまたは炭素数1あるいは2の低級アルキル基を表す。]
Figure 0006024329
Figure 0006024329
[前記式2中、Rは同一で炭素数1または2の低級アルキル基を表す。]
Figure 0006024329
[前記式3中、lは1〜300の整数を表す。]
Figure 0006024329
[前記式4中、R、Rは、Hまたは炭素数1あるいは2の低級アルキル基を表し、mは1〜90の整数を表す。]
本発明によれば、インクの保存安定性が良好で、普通紙で高い画像濃度が得られ、インクの吐出安定性が良好で、ノズル周辺にインク固着がなくなる。
高分子微粒子の生成工程を表す概略図。 本発明のインクカートリッジの一例を示す説明図。 本発明のインクカートリッジ図2のケース(外装)を含めた説明図。 本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す概略図。 図4に示すインクジェット記録装置における一部拡大説明図。 図4に示すインクジェット記録装置における他の一部拡大説明図。 合成例1〜9、比較合成例1〜3におけるpHと平均粒子径との関係。 合成例11〜16、比較合成例11〜13におけるpHと平均粒子径との関係。
<インクジェット記録用インク>
本実施の形態のインクジェット記録用インク(以下、インクと称することもある)は、水、湿潤剤、着色剤および高分子微粒子を少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなり、前記高分子微粒子が特定の構造単位を含む共重合体である。
本発明のインクジェット記録用インクは、高分子微粒子が普通紙などの記録媒体上に着弾した際に粒子径が大きくなり、インクの紙中への浸透が抑制され高い画像濃度を得ることができる。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
(水)
本発明で使用される水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
インク総量に対して20〜60質量%が好ましい。
(高分子微粒子)
本発明で使用される前記高分子微粒子は、下記式Aまたは下記式Bで表される構造単位と、下記式2で表される構造単位と、下記式3または下記式4で表される構造単位と、が少なくとも共重合して成る高分子微粒子であることを特徴とする。
Figure 0006024329
[前記式A中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、RはHまたは炭素数1あるいは2の低級アルキル基を表す。]
Figure 0006024329
Figure 0006024329
[前記式2中、Rは同一で炭素数1または2の低級アルキル基を表す。]
Figure 0006024329
[前記式3中、lは1〜300の整数を表す。]
Figure 0006024329
[前記式4中、R、Rは、Hまたは炭素数1あるいは2の低級アルキル基を表し、mは1〜90の整数を表す。]
また、前記高分子微粒子は、下記式A1または下記式B1で表される構造と、下記式12で表される構造単位と、下記式13または下記式14で表される構造単位と、が少なくとも共重合して成る高分子微粒子であることを特徴とする。
Figure 0006024329
[前記式A中、R11は炭素数1〜4のアルキル基、R12はHまたは炭素数1あるいは2の低級アルキル基を表す。]
Figure 0006024329
Figure 0006024329
[前記式12中、R13は同一で炭素数1または2の低級アルキル基を表す。]
Figure 0006024329
[前記式13中、nは1〜300の整数を表す。]
Figure 0006024329
[前記式14中、R14、R15は、Hまたは炭素数1あるいは2の低級アルキル基を表し、oは1〜90の整数を表す。]
前記式A(式A1)は疎水性を示すモノマーであり、炭素数1〜4アルキル(メタ)アクリレートである。
具体的にはメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリルレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、が例示でき市販されている。
前記式B(式B1)は疎水性を示すモノマーであり、具体的にはスチレン(St)であり市販されている。
前記式2(式12)は、ジアルキルアミノエチルメタクリレートであり、高pH環境下では、疎水性を示すが低pH環境下では、ジアルキルアミノ基部位がカチオン性を帯び親水性を示す(pH感受性をもつという)特徴を有している。
具体的にはジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートが例示され、例えば共栄社化学工業のライトエステルDMやライトエステルDEの製品名で市販されている。
前記式3(式13)は末端にビニルベンジル基が導入されたN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体であり、二重結合を有した末端(ビニルベンジル部位)に長鎖のノニオン性親水基であるNVF重合体が付与された構造を有している。
前記式3の化合物は、最初にNVFとメルカププト酢酸から、末端にカルボキシ基を有するNVF重合体を合成し、更にp−クロロメチルスチレンと化学反応させることで合成可能である。
なお、合成の詳細は実施例で記載する。
前記式4(式14)はアルコキシポリエチレングリコールメタクリレート、アルコキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート又はポリエチレングリコールアクリレートを表す。
二重結合を有した末端(アクリレート又はメタクリレート部位)に長鎖のノニオン性の親水基であるポリエチレングリコールが付与された構造を有している。
前記式4の化合物は、例えば日油社からポリエチレングリコールメタクリレートとしてはブレンマーE(m=1)、ブレンマーPE90(m=2)、ブレンマーPE200(m=5)、ブレンマーPE350(m=8)ポリエチレングリコールアクリレートとしてはブレンマーAE90(m=2)、ブレンマーAE200(m=5)、ブレンマーAE400(m=10)、アルコキシポリエチレングリコールメタクリレートとしてはブレンマーPME100(m=2)、ブレンマーPME200(m=4)、ブレンマーPME400(m=9)、ブレンマーPME550(m=9)、ブレンマーPME1000(m=23)、ブレンマーPME4000(m=90)アルコキシポリエチレングリコールアクリレートとしてはブレンマーAME400(m=9)の製品名で市販されている。
本発明に使用される高分子微粒子は、前記式AまたはBで表される疎水性モノマーと、前記式2で表わされるpH感受性をもつモノマーと、前記式3で表される長鎖状の親水基を有するモノマーとを極性溶媒中で共重合して得ることが出来る。
その際、疎水性を示す前記式AまたはBの構造単位と、前記式2の構成単位とが、粒子内部(コア)に親水性を示す前記式3の構成単位が粒子表面(コロナ)に局在し、あたかもスチレンとジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体に前記式3で表される長鎖状の親水基がグラフト化したかのような構造を有する高分子微粒子となる。なお、図1のEにおいて図示されているような構造となる。
更に生成工程の概略図(図1)にて詳細に説明する。
図1では、疎水性モノマー(式AまたはB)は2、pH感受性をもつモノマー(式2)は3長鎖状の親水基を有するモノマー(式3)又は(式4)は1で示されている。更に(式3)又は(式4)の長鎖状の親水基部位を1a、二重結合を有した末端部位を1bで示している。
先ずモノマー1とモノマー2とモノマー3とを混合し(工程A)、重合させると、モノマー2とモノマー3の共重合(工程B)が部分的に起こるが、モノマー1の1b(二重結合を有した末端部位)との共重合(工程C)も同時に起こり、あたかもモノマー2とモノマー3の共重合にモノマーの1a(長鎖状の親水基部位)がグラフト化したかのような構造を有する様になる。
反応は極性媒体中で行われるので、疎水性部位は内側に、長鎖状の親水基を有するモノマー1は外側に選択的に集積する(工程D)。
このようにして重合が完了すると、モノマー2/モノマー3単位のコア部4の表面にモノマーの1a(長鎖状の親水基部位)が位置する高分子微粒子6が得られる(工程E)。
このような粒子構造は、従来のコア/シェル型の樹脂粒子と異なり、高pH条件下で10〜300nmの小さな粒子径を実現できると共に長鎖の親水部位が表面に集積し、粒子間の立体障害が生じやすい為に非常に分散が安定している特長を有している。
インクジェット用記録インクでは、インクノズルの吐出性の安定性には500nm以下の粒子径が必要であり、また多価アルコール化合物をインク材料として含むインクで使用しても、ノニオン性の親水基を有した本発明の樹脂粒子は分散安定性で非常に優れる。
更に本発明において使用する高分子微粒子は、コア部位にpH感受性を有する部位(前記式2)を有することも特徴である。
すなわち、高pH域ではコアは疎水性を示す為小粒径を維持しているが、中pH〜低pH域になるとpH感受性を有する前記式2部位が親水性を帯びコアが膨張することで、粒子径が増大する特性をもつ。
本発明の高分子微粒子をインクジェット用記録インクに使用した場合、インクジェット用記録インクは通常pH8〜10の高pHに調整されている為、インクに含まれる高分子粒子径は10〜300nm程度でありインクの吐出性や、保存性は良好である。
ところが、インクが普通紙の記録媒体上に着弾すると、紙面pHが4〜7である為、インクpHが中〜低域に変動する。その際、インクに含まれる高分子粒子の粒子径が増大し紙表面に留まることで、紙中へのインク浸透が抑制され、紙表面の着色剤濃度が高くなり画像濃度が高くなる。
画像濃度を高める為には高分子微粒子の粒子径変動を大きくする必要があり、鋭意検討した結果、本発明において用いられる高分子微粒子の構成単位である前記式2のRの炭素数が重要であることがわかった。
は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、炭素数2のアルキルが最も粒子径を大きくすることが可能である。炭素数が3を超えると立体障害が大きくなることでジアルキルアミン部位に溶媒中の水素イオンが近づき難くなり親水性になり難くなるため、粒子径増大の効果は小さくなる。
また、疎水性モノマー(式AまたはB)、pH感受性をもつモノマー(式2)と長鎖状の親水基を有するモノマー(式3または式4)の長鎖状の親水基部分の繰り返し単位の構成比率も重要であり、式AまたはBで表わされる構造単位と、式2で表わされる構造単位と、式3または式4で表わされる構造単位のうち、長鎖状の親水基部分の繰り返し単位とのモル比率が1/0.1〜5/0.1〜5の範囲が好ましく、1/0.5〜3/0.5〜3がより好ましい。
本発明に用いられる高分子微粒子は、インク総量に対し、固形分として0.05〜2.0重量%の添加が好ましい。
0.05%未満だと十分なpH応答による粒子径の増大が得られないことがあり、インクが記録媒体に浸透してしまうことがあり、2.0%を超えると高分子微粒子同士が凝集することがあり、インクの粘度が高くなりインクジェット記録装置で吐出可能なインクの粘度とするのが困難になる。
本発明の高分子微粒子の体積平均粒子径は、pH8.5以上で10〜300nmであることが好ましい。
前記体積平均粒径が10nm未満であると、高分子微粒子そのものの粘度が高くなりすぎるため、インクジェット記録装置で吐出可能なインクの粘度とするのが困難になる。
前記体積平均粒径が300nmを超えると、インクジェット記録装置のノズル内で粒子が詰まり、吐出不良となることがある。
(湿潤剤)
本発明で使用される湿潤剤は、インク組成物において、保湿効果の付与による吐出安定化の向上に必要である。
含有量は、インク総量に対して10〜50質量%が好ましい。
前記含有量が10質量%未満であると、インクが水分蒸発し易くなり、インクジェット記録装置内のインク供給系でインクの水分蒸発により増粘インク詰まり等が生じることがある。
前記含有量が50質量%より多いと、インクジェット記録装置内では増粘インク詰まりは発生しにくくなるが、インクを所望の粘度にするために顔料や樹脂等の固形分の減量が必要なことがあり、その場合記録物の画像濃度が低下することがある。
本発明で用いられる湿潤剤としては、以下のものが例示されるが,これらに限定されるものではない。
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等である。
これらの湿潤剤は、単独または2種類以上混合して使用することができる。上記の中でも、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリエチレングリコール及び/またはグリセリンを含むことが水分蒸発による吐出不良を防止する上で優れた効果が得られる。
(着色剤)
本発明で用いられる着色剤としての顔料の前記記録用インクにおける含有量は、0.1質量%以上、20.0質量%以下が好ましい。
前記顔料の体積平均粒子径(D50%)は、150nm以下が好ましい。
ここで、前記顔料の50%平均粒径は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したD50%の値を示す。
これらの顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料、及び有機顔料のいずれであってもよい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉、カーボンブラック、などが挙げられる。
これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。
なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、アゾメチン顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。
これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料、などが挙げられる。
前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15nm〜40nm、BET法による比表面積が、50m/g〜300m/g、DBP吸油量が40ml/100g〜150ml/100g、揮発分が0.5%〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。
前記カーボンブラックとしては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学株式会社製);Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(いずれも、コロンビア社製);Regal400R、同330R、同660R、Mogul L、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(いずれも、デグッサ社製)、などが挙げられる。
前記カラー用のものとして、イエローインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、などが挙げられる。
マゼンタインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばC.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19、などが挙げられる。
シアンインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばC.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:34、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー66;C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60、などが挙げられる。
また、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
なお、イエロー顔料としてピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてピグメントレッド122、ピグメントバイオレッド19、シアン顔料としてピグメントブルー15:3を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
(その他の成分)
その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、浸透剤、pH調整剤、水分散性樹脂、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤や高分子型の分散剤が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。
前記浸透剤としては、炭素数8〜11のポリオール化合物及び炭素数8〜11のグリコールエーテル化合物のいずれかを含有することが好ましい。
前記浸透剤は、前記湿潤剤と別なものであり、前記湿潤剤よりも湿潤性が比較的少ないので、非湿潤剤性ものということができるが、ここで、非湿潤剤性とはこのような意味である。これらは、25℃の水中において0.2質量%〜5.0質量%の間の溶解度を有するものが好ましい。
これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
その他のポリオール化合物として、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどが挙げられる。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記浸透剤の前記インクジェット用インクにおける含有量は、0.1質量%〜4.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
前記pH調整剤としては、調合されるインクジェット用インクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11、好ましくはpHを9〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記pHが8.5未満及び11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。8.5未満の時には、インク保管中にインクpHが低下して高分子微粒子が粒子径の増大により凝集することがある。
前記pHは、例えばpHメータHM−30R(TOA−DKK社製)により測定することができる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂の具体例としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
この中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
前記水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。
インクが過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上であることが好ましい。
また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。
ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出安定性を悪化させる。
そこで、インク吐出安定性を阻害させないために平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましい。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。
そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂の前記インクジェット用インクにおける含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
(インクジェット記録用インク製造方法)
本実施の形態のインクジェット記録用インクは、水、湿潤剤、着色剤および高分子微粒子、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明のインクジェット記録用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクジェット用インクの25℃での粘度は3mPa・s〜20mPa・sが好ましい。前記インク粘度が3mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。
前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記インクジェット用インクの表面張力としては、25℃で、40mN/m以下が好ましい。
前記表面張力が、40mN/mを超えると、記録用メディア上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明のインクジェット記録用インクを容器中に収容するものであり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を構成することもできる。
前記容器としては、その形状、構造、大きさ、材質に特に制限無く、目的に応じて適宜選択できる。
例として、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク袋を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
本発明のインクカートリッジの一態様について、図2および図3を参照して説明する。
図2は本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図3は図2のインクカートリッジ200のケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ200は、図2に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。
使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。
このインク袋241は、図3に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔工程は、前記本発明のインクジェット用インクに、刺激を印加し、該インクジェット用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明のインクジェット用インクに、刺激を印加し、該インクジェット用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、過熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられる。
具体的には、圧電素子などの圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す概略図である。
この図4に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。
インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。
インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図5及び図6に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図6で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。
サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部105に装填された本発明のインクカートリッジ201から前記インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ103の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。
また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。
この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。
なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。
更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。
そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ201から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ201中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ201における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。
また、インクカートリッジ201は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。
したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納する場合したり、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ201の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。
本発明のインク記録物は、記録用メディア上に本発明のインクメディアセットにおけるインクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、普通紙及び印刷用塗工紙の少なくともいずれかが好ましい。
前記普通紙は安価である点で有利である。
また、前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べ比較的安価でしかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。
しかし、乾燥性が悪く一般にインクジェット用には使用困難であったが、本発明のインクにより乾燥性が向上し使用可能となった。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
なお例中で用いられた%は質量基準である。
≪実施例1〜9、比較例1〜3≫
<高分子微粒子の合成例>
以下に、本発明に用いる高分子微粒子の合成例を示す。
尚、合成例におけるポリマーの重量平均分子量は、以下の方法に従って測定した。
カラム恒温槽には島津製作所製CTO−20A、検出器には島津製作所製RID−10A、溶離液流路ポンプには島津製作所製LC−20AD、デガッサには島津製作所製DGU−20A、オートサンプラーには島津製作所製SIL−20Aを用いてGPC法によって測定した。カラムは東ソー製の水系SECカラムTSKgelG3000PWXL(排除限界分子量2×10)とTSKgelG5000PWXL(排除限界分子量2.5×106)とTSKgelG6000PWXL(排除限界分子量5×10)を接続したものを用いた。サンプルは溶離液で2g/100mlの濃度に調製し、測定に用いた。溶離液には酢酸、酢酸ナトリウム各々0.5モル/リットルに調整した水溶液を使用した。カラム温度は40℃で、流速は1.0ml/分で実施した。標準サンプルとして分子量1065、5050、24000、50000、107000、140000、250000、540000、920000の9種のポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に、ポリマーの重量平均分子量を求めた。
本発明によるpH応答性高分子微粒子の粒子径は動的光散乱法(Malvern製:ゼータサイザーナノZS)により測定した。
本発明によるpH応答性高分子微粒子の粒子径の測定時のpH調整は、0.2%分散液を塩酸又は水酸化ナトリウムでpH調整した。
なお、以下の略号は、次の化合物を意味する。
AAc:アクリル酸
MA:メチルアクリルレート
EA:エチルアクリルレート
BA:ブチルアクリルレート
BMA:ブチルメタクリルレート
DMAEMA:ジメチルアミノエチルメタクリレート
DEAEMA:ジエチルアミノエチルメタクリレート
NVF:N−ビニルホルムアミド
PEG:ポリエチレングリコール
DDA:ドデシルアクリレート
まず構成単位である前記式3を合成した。
(1)ビニルベンジル基が導入されたN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体(式3)の合成
STEP1:末端にカルボキシ基を有するNVF重合体の合成
攪拌装置、還流冷却機、滴下ロート2個、窒素ガス導入管及び温度計を備えた反応容器中に、水463.5gを仕込み、加熱して温度を80℃まで昇温した。窒素気流下、N−ビニルホルムアミド(NVF)の80重量%水溶液500g(5.63モル)とメルカプト酢酸20.3g(0.22モル)の混合溶液及び過硫酸カリウムの5重量%水溶液16.2g(0.003モル)を、同時に2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃にて3時間保ち、末端にカルボキシル基を有するNVF高分子溶液(固形分濃度41.8%)を得た。反応終了後、アセトンで再沈殿を数回行って末端にカルボキシ基を有するNVF重合体を精製した。得られた重合物のGPC(液体クロマトグラフィー)より求めた。
重量平均分子量は28,000、数平均分子量は14,000であった。
STEP2:ビニルベンジル基が導入されたN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体の合成
次に攪拌装置、還流冷却機及び温度計を備えた反応容器中に、上記末端にカルボキシ基を有するNVF重合体溶液(固形分濃度41.8%)700.0g[メルカプト酢酸単位として0.15モル(前仕込みより求めた)]を仕込み、エタノール280.0gを加え、水酸化ナトリウムの48重量%水溶液16.7g(0.20モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド13.0g(0.04モル)、及びp−クロロメチルスチレン30.2g(0.20モル)を加えて30℃で72時間反応させ、ビニルベンジル基が導入されN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体溶液(固形分濃度31.5%)を得た。反応終了後、アセトンで再沈殿を行ってビニルベンジル基が導入されたN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体を精製した。1H−NMR測定の結果、末端へのビニルベンジル基導入率はほぼ100%であることが分かった。また、GPC(液体クロマトグラフィー)により測定したビニルベンジル基が導入されたN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体の数平均分子量は14,100(式3でのlが100〜300)であった。
(合成例1)高分子微粒子Aの合成
次いで攪拌装置、還流冷却機、窒素ガス導入管及び温度計を備えた反応容器中に、上記末端にビニルベンジル基が導入されたN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体(式3)158.4g[NVF繰返し単位として0.60モル(前仕込みより求めた)]、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)(式2)94.3g(0.60モル)、メチルアクリレート51.6g(0.60モル)(式A)、水614.6gを仕込み、塩酸でpH調整後、60℃に昇温した。窒素気流下、過硫酸カリウムの5重量%水溶液81.1g(0.015モル)を加え、6時間共重合させ、乳白色の分散液(固形分濃度22.4%)を得た。
(合成例2)高分子微粒子Bの合成
上記合成例1の高分子微粒子Aの合成において、メチルアクリレート51.6g(0.60モル)をエチルアクリレート60.0g(0.60モル)に変更し水614.6gを604.2gに変更した以外は合成例1と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.0%)を得た。
(合成例3)高分子微粒子Cの合成
上記合成例1の高分子微粒子Aの合成において、メチルアクリレート51.6g(0.60モル)をブチルアクリレート76.9g(0.60モル)に変更し水614.6gを589.3gに変更した以外は合成例1と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.0%)を得た。
(合成例4)高分子微粒子Dの合成
上記合成例1の高分子微粒子Aの合成において、メチルアクリレート51.6g(0.60モル)をブチルメタクリレート85.2g(0.60モル)に変更した以外は合成例1と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.0%)を得た。
(合成例5)高分子微粒子Eの合成
上記合成例1の高分子微粒子Aの合成において、メチルアクリレート51.6g(0.60モル)をブチルアクリレート76.9g(0.60モル)に変更しジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)94.3g(0.60モル)をジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)122.0g(60モル)に変更した以外は合成例1と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.0%)を得た。
(合成例6)高分子微粒子Fの合成
上記合成例5の高分子微粒子Eの合成において、末端にビニルベンジル基が導入されたN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体(式3)溶液158.4gを118.8g[NVF繰返し単位として0.45モル(前仕込みより求めた)]、ジエチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)122.0g(0.60モル)を181.0g(0.89モル)に変更し、ブチルアクリレート76.9g(0.60モル)を57.7g(0.45モル)、水613.4gとした以外は合成例5と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.0%)を得た。
(合成例7)高分子微粒子Gの合成
攪拌装置、還流冷却機、窒素ガス導入管及び温度計を備えた反応容器中に、PEGマクロモノマー(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート:ブレンマーPME−1000)(式4)55.0g[エチレングリコール繰返し単位として1.14モル]、DEAEMA116.5g(0.57モル)、ブチルアクリレート73.4g(0.57モル)、エタノール100.0g、水618.9gを仕込み、塩酸でpH調整後、60℃に昇温した。窒素気流下、過硫酸カリウムの5重量%水溶液81.1g(0.015モル)を加え、6時間共重合させ、乳白色の分散液(固形分濃度22.0%)を得た。
(合成例8)高分子微粒子Hの合成
上記合成例7の高分子微粒子Gの合成においてPEGマクロモノマー(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート:ブレンマーPME−1000)(式4)55.0g[エチレングリコール繰返し単位として1.14モル]をPEGマクロモノマー(メトキシポリエチレングリコールアクリレート:ブレンマーAME−400)61.1g[繰返し単位として1.14モル]に変更した以外は合成例7と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度22.0%)を得た。
(合成例9)高分子微粒子Iの合成
上記合成例7の高分子微粒子Gの合成においてPEGマクロモノマー(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート:ブレンマーPME−1000)(式4)55.0g[エチレングリコール繰返し単位として1.14モル]をPEGマクロモノマー(ポリエチレングリコールモノクリレート:ブレンマーAE−400) 58.3g[エチレングリコール繰返し単位として1.14モル]に変更した以外は合成例4と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度22.0%)を得た。
(比較合成例1)高分子微粒子Jの合成
上記合成例1の高分子微粒子Aの合成において、モノマー構成をメチルアクリレート51.6g(0.60モル)、アクリル酸43.2g(0.60モル)合成例1と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.8%)を得た。
(比較合成例2)高分子微粒子Kの合成
上記合成例1の高分子微粒子Aの合成において、構成モノマーをPEGマクロモノマー(ブレンマーPME−1000)(式4)65.1g[エチレングリコール繰返し単位として1.35モル]、ドデシルアクリレート343.5g(1.35モル)、としエタノール100.0g、水618.9gとして合成例1と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度21.6%)を得た。
(比較合成例3)
特許第3155318号公報の実施例1に記載のゲル微粒子を使用した。
このようにして得られた合成例、比較合成例の構成単位とモル比を表1に、pH応答性高分子微粒子のpHと平均粒子径の関係を図7に示す。
Figure 0006024329
この結果より、本発明で用いられるpH応答性高分子微粒子は、pHが低くなることで平均粒子径が大きくなる。従来技術(比較合成例3)と比較してpHが高い時の粒子径が小さく、粒子径が大きくなるpHが高く、飽和する粒子径も大きいことが判る。また、本発明に必要な構成材料であるpH感受性モノマー(式2)を欠いた場合はpHが変わっても粒子径は変化しないことも判る(比較合成例1〜2)。
<顔料分散体の調整例>
(調整例1)ブラック分散体
・カーボンブラック顔料(調整例1のカーボンブラック) 15重量部
・分散剤(ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物) 3重量部
(竹本油脂社製、A−45−PN)
・純水 82重量部
上記カーボンブラック顔料、分散剤および純水の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)で周速10m/sで10分間循環分散してブラック顔料分散液を得た。
<実施例1のインクの製造方法>
調整例の顔料分散体および合成例の高分子微粒子を用いてインクを調製し、1時間30分撹拌後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過してインクを得た。
以下に、実施例1〜9及び比較例1〜3のインク組成物の構成を表2に示す。
なお、表中2の数値は重量%を示す。
Figure 0006024329
ここで、表3中の略号などは下記の意味を表す。
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン:昭和高分子株式会社製、ポリゾールROY6312、固形分37.2質量%、平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
・ポリウレタンエマルジョン:DIC社製、ハイドランAPX−101H、固形分45質量%、平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
・KF−643:ポリエーテル変性シリコーン化合物(信越化学工業株式会社製、成分100質量%)
・Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
次に以下に示す評価方法にて、実施例1〜9及び比較例1〜3の各インクジェット用インクを評価した。結果を表3に示す。
<画像濃度>
23℃50%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX5000)に作成したインクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した64point文字「■」の記載のあるチャートをMyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938にて測色し、下記評価基準により判定した。
印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
[評価基準]
◎◎:1.30以上
◎ :1.25以上1.30未満
○ :1.20以上1.25未満
△ :1.10以上1.20未満
× :1.1未満
<インク保存安定性>
各インクをインクカートリッジに充填して60℃で2週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化を下記基準により評価した。
[評価基準]
◎:粘度の変化が±8%以内
○:粘度の変化が±10%以内
△:粘度の変化が±30%以内
×:粘度の変化が30%を超える
<インク吐出安定性>
28℃15%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX5000)に作成したインクを充填し、MyPaper(株式会社リコー製)に600dpiの解像度で連続して200枚1セットを5セットの印字を行った。
このときの吐出乱れや不吐出具合を下記基準により評価した。
なお、印刷パターンは、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。
印字条件は、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。
[評価基準]
○:吐出乱れや不吐出は見られない
△:若干不吐出、吐出乱れが見られる
×:著しい不吐出、吐出乱れが見られる
<耐ノズル固着性>
インクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX5000)を恒温恒湿槽に入れ、槽内の環境を温度32℃、湿度30%に設定し、以下の印刷パターンチャートを20枚連続で印字した後、20分間印字を実施しない休止状態にし、これを50回繰り返し、累計で1,000枚印写した後、ノズルプレートを顕微鏡で観察し、インクの固着の有無を判断した。
なお、印刷パターンは、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。
印字条件は、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。
[評価基準]
○:ノズル近傍に固着が見られない
△:ノズル近傍に固着が見られる
×:ノズルプレート全面に著しい固着が見られる
Figure 0006024329
本発明に係るインクジェット記録用インクに用いられる高分子微粒子の効果は、実施例1〜9、比較例1〜3比較することで、画像濃度が明らかに優れ、インク保存安定性、インク吐出安定及び対ノズル固着性について、同等以上であることが判る。
≪実施例11〜16、比較例11〜13≫
次に、実施例11〜16、比較例11〜13について述べる。なお、実施例1〜9及び比較例1〜3と重複する部分については同一の内容であるため説明を省略する。
(合成例11)高分子微粒子Lの合成
次いで攪拌装置、還流冷却機、窒素ガス導入管及び温度計を備えた反応容器中に、上記末端にビニルベンジル基が導入されたN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体(式3)溶液158.4g[NVF繰返し単位として0.60モル(前仕込みより求めた)]、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)(式2)94.3g(0.60モル)、スチレン(St)62.5g(0.60モル)(式B)、水603.7gを仕込み、塩酸でpH調整後、60℃に昇温した。窒素気流下、過硫酸カリウムの5重量%水溶液81.1g(0.015モル)を加え、6時間共重合させ、乳白色の分散液(固形分濃度22.4%)を得た。このようにして得られたpH応答性高分子微粒子のpH5での平均粒子径は580nmであった。
(合成例12)高分子微粒子Mの合成
上記合成例11の高分子微粒子Lの合成において、末端にビニルベンジル基が導入されたN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体(式3)溶液158.4gを118.8g[NVF繰返し単位として0.45モル(前仕込みより求めた)]、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)(式2)94.3g(0.60モル)を139.8g(0.89モル)にスチレン(St)(式B)62.5g(0.60モル)を46.9g(0.45モル)、水613.4gとした以外は合成例11と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.0%)を得た。
(合成例13)高分子微粒子Nの合成
上記合成例11の高分子微粒子Lの合成において、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)(式2)94.3g(0.60モル)をジエチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)111.4g(0.60モル)とした以外は合成例11と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.0%)を得た。
(合成例14)高分子微粒子Oの合成
攪拌装置、還流冷却機、窒素ガス導入管及び温度計を備えた反応容器中に、PEGマクロモノマー(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート:ブレンマーPME−1000)(式4)55.0g[エチレングリコール繰返し単位として1.14モル]、DMAEMA90.0g(0.57モル)、スチレン59.6g(0.57モル)、エタノール100.0g、水618.9gを仕込み、塩酸でpH調整後、60℃に昇温した。窒素気流下、過硫酸カリウムの5重量%水溶液81.1g(0.015モル)を加え、6時間共重合させ、乳白色の分散液(固形分濃度22.0%)を得た。(このようにして得られたpH応答性高分子微粒子のpH5での平均粒子径は1080nmであった。)
(合成例15)高分子微粒子Pの合成
上記合成例14の高分子微粒子Oの合成においてPEGマクロモノマー(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート:ブレンマーPME−1000)(式4)55.0g[エチレングリコール繰返し単位として1.14モル]をPEGマクロモノマー(メトキシポリエチレングリコールアクリレート:ブレンマーAME−400)61.1g[エチレングリコール繰返し単位として1.14モル]に変更した以外は合成例14と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度22.0%)を得た。
(合成例16)高分子微粒子Qの合成
上記合成例14の高分子微粒子Oの合成においてPEGマクロモノマー(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート:ブレンマーPME−1000)(式4)55.0g[エチレングリコール繰返し単位として1.14モル]をPEGマクロモノマー(ポリエチレングリコールモノクリレート:ブレンマーAE−400) 58.3g[エチレングリコール繰返し単位として1.14モル]に変更した以外は合成例14と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度22.0%)を得た。
(比較合成例11)
上記合成例11の高分子微粒子Lの合成において、構成モノマーを上記末端にビニルベンジル基が導入されたN−ビニルホルムアミド(NVF)重合体(式3)溶液を158.4g[NVF繰返し単位として0.60モル(前仕込みより求めた)]、スチレン(式B)62.5g(0.60モル)にした以外は合成例11と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.8%)を得た。
(比較合成例12)
PEG鎖が表面に集積した高分子微粒子分散体の合成上記合成例14の高分子微粒子Oの合成において、構成モノマーをPEGマクロモノマー(ブレンマーPME−1000)(式4)65.1g[エチレングリコール繰返し単位として1.35モル]、スチレン(式B)140.6g(1.35モル)、としエタノール100.0g、水618.9gとして合成例14と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度21.6%)を得た。(このようにして得られた高分子微粒子のpH5での平均粒子径は160nmであった。)
(比較合成例13)
特許第3155318号公報の実施例1に記載のゲル微粒子を使用した。
このようにして得られた合成例11〜16、比較合成例11〜13の構成単位とモル比を表4に、pH応答性高分子微粒子のpHと平均粒子径の関係を図8に示す。
Figure 0006024329
この結果より、本発明で用いられるpH応答性高分子微粒子は、pHが低くなることで平均粒子径が大きくなる。従来技術(比較合成例13)と比較してpHが高い時の粒子径が小さく、粒子径が大きくなるpHが高く、飽和する粒子径も大きいことが判る。また、本発明に必要な構成材料であるpH感受性モノマー(式2)を欠いた場合はpHが変わっても粒子径は変化しないことも判る(比較合成例11〜12)。
<顔料分散体の調整例>
(調整例11)ブラック分散体
・カーボンブラック顔料(調整例1のカーボンブラック) 15重量部
・分散剤(ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物) 3重量部
(竹本油脂社製、A−45−PN)
・純水 82重量部
上記カーボンブラック顔料、分散剤および純水の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)で周速10m/sで10分間循環分散してブラック顔料分散液を得た。
<実施例11のインクの製造方法>
調整例の顔料分散体および合成例の高分子微粒子を用いてインクを調製し、1時間30分撹拌後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過してインクを得た。
以下に、実施例11〜16及び比較例11〜13のインク組成物の構成を表5に示す。
なお、表5中の数値は重量%を示す。
Figure 0006024329
ここで、表5中の略号などは下記の意味を表す。
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン:昭和高分子株式会社製、ポリゾールROY6312、固形分37.2質量%、平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
・ポリウレタンエマルジョン:DIC社製、ハイドランAPX−101H、固形分45質量%、平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
・KF−643:ポリエーテル変性シリコーン化合物(信越化学工業株式会社製、成分100質量%)
・Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
次に前述した実施例1〜9及び比較例1〜3と同じ評価方法、及び下記の点を除き同じ評価基準にて、実施例11〜16及び比較例11〜13の各インクジェット用インクを評価した。結果を表6に示す。
[画像評価基準]
◎ :1.25以上
○ :1.20以上1.25未満
△ :1.10以上1.20未満
× :1.1未満
Figure 0006024329
本発明に係るインクジェット記録用インクに用いられる高分子微粒子の効果は、実施例11〜16、比較例11〜13を比較することで、画像濃度が明らかに優れ、インク保存安定性、インク吐出安定及び対ノズル固着性について、同等以上であることが判る。
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
144 分離パッド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンショローラ
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
201 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装
特開2006−16412号公報 特許第3155318号公報 特開2011−026553号公報 特開2001−187851号公報

Claims (7)

  1. 水、湿潤剤、着色剤および高分子微粒子を含有し、紙面のpHが4〜7の普通紙に対して吐出されるインクジェット記録用インクであって、
    前記インクジェット記録用インクのpHは8〜10であり、
    前記高分子微粒子は、下記式Aまたは下記式Bで表される構造単位と、下記式2で表される構造単位と、下記式3または下記式4で表される構造単位と、が少なくとも共重合して成るとともに、前記着色剤を包含せず、
    前記高分子微粒子の体積平均粒子径は、前記インクジェット記録用インクのpHが8.5以上で10〜300nmであることを特徴とするインクジェット記録用インク。
    Figure 0006024329
    [前記式A中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、RはHまたは炭素数1あるいは2の低級アルキル基を表す。]
    Figure 0006024329
    Figure 0006024329
    [前記式2中、Rは同一で炭素数1または2の低級アルキル基を表す。]
    Figure 0006024329
    [前記式3中、lは1〜300の整数を表す。]
    Figure 0006024329
    [前記式4中、R、Rは、Hまたは炭素数1あるいは2の低級アルキル基を表し、mは1〜90の整数を表す。]
  2. 前記式4におけるmが9〜23であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 水、湿潤剤、着色剤および高分子微粒子を含有し、紙面のpHが4〜7の普通紙に対して吐出されるインクジェット記録用インクであって、
    前記インクジェット記録用インクのpHは8〜10であり、
    前記高分子微粒子は、下記式A1または下記式B1で表される構造単位と、下記式12で表される構造単位と、下記式13または下記式14で表される構造単位と、が少なくとも共重合して成るとともに、前記着色剤を包含せず、
    前記高分子微粒子の体積平均粒子径は、前記インクジェット記録用インクのpHが8.5以上で10〜300nmであることを特徴とするインクジェット記録用インク。
    Figure 0006024329
    [前記式A中、R11は炭素数1〜4のアルキル基、R12はHまたは炭素数1あるいは2の低級アルキル基を表す。]
    Figure 0006024329
    Figure 0006024329
    [前記式12中、R13は同一で炭素数1または2の低級アルキル基を表す。]
    Figure 0006024329
    [前記式13中、nは1〜300の整数を表す。]
    Figure 0006024329
    [前記式14中、R14、R15は、Hまたは炭素数1あるいは2の低級アルキル基を表し、oは1〜90の整数を表す。]
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、前記インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、前記インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 記録メディア上に、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インクにより記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
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