JP6010711B1 - 欠陥検査方法および欠陥検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に線状パターンが形成されるワークの欠陥を検査する欠陥検査方法および欠陥検査装置を提供する。【解決手段】ワーク9の表面に形成された線状パターンである突条92の欠陥を検査するために、突条92に沿って検査画像Pを順次撮影する撮影工程と、検査画像Pに対して順次欠陥検査を行う検査工程と、を有し、検査工程では、検査画像Pに含まれる突条92の先端面の輪郭の連続性および画像面積に基づいて欠陥を判定する。撮影工程では、ワーク9の加工プログラムから得られる突条92の形状データに従ってカメラ3を移動させる。【選択図】図4
Description
本発明は、表面に線状パターンが形成されるワークの欠陥を検査する欠陥検査方法および欠陥検査装置に関する。
従来、表面に線状パターンが形成されるワークがある。
例えば、表示用のステッカーの打ち抜き型は、型本体の表面に、閉じた環状に連続した突条を形成し、この突条の先端を刃先として用いている(特許文献1参照)。
例えば、表示用のステッカーの打ち抜き型は、型本体の表面に、閉じた環状に連続した突条を形成し、この突条の先端を刃先として用いている(特許文献1参照)。
打ち抜き型を製造する際には、型本体の平坦な表面に切削加工あるいはエッチングを施し、ステッカー等の打ち抜き輪郭に対応した所定のパターンの突条を形成する。そして、形成された突条の先端に焼き入れ処理などを施して、打ち抜き刃としている。
打ち抜き刃においては、打ち抜き加工とくに切り込み深度の精度が要求されるハーフカットを正確に行うために、刃先の幅および高さがパターン全体にわたって所定値であることが要求される。
打ち抜き刃においては、打ち抜き加工とくに切り込み深度の精度が要求されるハーフカットを正確に行うために、刃先の幅および高さがパターン全体にわたって所定値であることが要求される。
このような刃先の検査には、画像処理によるパターン検査装置が利用できる。
パターン検査装置としては、ワークである打ち抜き型の表面を撮影し、画像に表れる線状パターンの刃先の形状について、基準パターンとの比較を行い、相違があれば欠陥として検出している(特許文献2,3参照)。
刃先の形状の検査にあたっては、刃先の両側縁の輪郭形状が検査されるほか、刃先の幅つまり両側縁の距離についても検査される。
パターン検査装置としては、ワークである打ち抜き型の表面を撮影し、画像に表れる線状パターンの刃先の形状について、基準パターンとの比較を行い、相違があれば欠陥として検出している(特許文献2,3参照)。
刃先の形状の検査にあたっては、刃先の両側縁の輪郭形状が検査されるほか、刃先の幅つまり両側縁の距離についても検査される。
前述したパターン検査装置では、ワーク表面の線状パターンが含まれる領域のみを選択し、検査範囲を限定することで、検査する画像の処理時間およびデータ量を抑制することが行われている。
例えば、特許文献2の検査装置では、マウス等の操作手段により、検査対象を囲む枠を描き、これにより画面上に検査範囲を指定している。また、特許文献3の検査装置では、検査対象を囲む枠となる図形を選択し、この枠を画面上に配置することで、検査範囲を指定している。
例えば、特許文献2の検査装置では、マウス等の操作手段により、検査対象を囲む枠を描き、これにより画面上に検査範囲を指定している。また、特許文献3の検査装置では、検査対象を囲む枠となる図形を選択し、この枠を画面上に配置することで、検査範囲を指定している。
しかし、いずれの装置においても、検査範囲の指定は作業者が行っており、これが作業者の負担になるとともに、自動化の妨げとなる、という問題がある。
さらに、前述したパターン検査装置では、各々の検索区画において、ワーク画像と基準画像との比較を行うため、予め基準画像を準備しておく必要がある。
とくに、ワークの表面に形成される線状パターンが微細な形状である場合、その識別に高い解像度が必要であり、基準画像のデータ量が膨大になるという問題がある。
さらに、前述したパターン検査装置では、各々の検索区画において、ワーク画像と基準画像との比較を行うため、予め基準画像を準備しておく必要がある。
とくに、ワークの表面に形成される線状パターンが微細な形状である場合、その識別に高い解像度が必要であり、基準画像のデータ量が膨大になるという問題がある。
従って、前述した打ち抜き型の刃先など、線状パターンを有するワークの欠陥検査に既存のパターン検査装置を用いるとすると、前述した検査範囲を指定する操作の問題、および基準画像の準備の問題が避けられず、効率的な欠陥検査が難しいという問題があった。
そして、同様の問題は、前述した打ち抜き型のような突条が連続する線状パターンに限らず、溝が連続する線状パターンや、ワーク表面に光学的に異なる特性の線状を連続させたパターンにおいても同様であった。
そして、同様の問題は、前述した打ち抜き型のような突条が連続する線状パターンに限らず、溝が連続する線状パターンや、ワーク表面に光学的に異なる特性の線状を連続させたパターンにおいても同様であった。
本発明の目的は、表面に線状パターンが形成されるワークの欠陥検査を効率よく行える欠陥検査方法および欠陥検査装置を提供することにある。
本発明の欠陥検査方法は、加工プログラムに従って動作する加工装置により表面に線状パターンが形成されたワークに対し、前記線状パターンの欠陥を検査する欠陥検査方法であって、前記加工プログラムに含まれる前記線状パターンの形状データに基づいて、前記線状パターンに沿って検査画像を順次撮影する撮影工程と、前記検査画像に対して順次欠陥検査を行う検査工程と、を有し、前記検査工程では、前記検査画像に含まれる前記線状パターンの連続性および画像面積の少なくともいずれかに基づいて欠陥を判定する、ことを特徴とする。
このような本発明では、検査画像に含まれる線状パターンの連続性および画像面積の少なくともいずれかに基づいて欠陥を判定するため、基準画像を予め準備しておく必要がない。また、検査画像は、線状パターンに沿って順次撮影するため、検査区画を指定する操作を行う必要がない。
さらに、検査画像を順次撮影する動作の際の移動経路を、ワークを加工するための加工プログラムを参照して設定することができる。従って、移動経路を設定するために、別途ワークを撮影したり、マニュアル操作で指示したりする必要をなくすことができる。
従って、本発明によれば、表面に線状パターンが形成されるワークの欠陥検査を効率よく行うことができる。
さらに、検査画像を順次撮影する動作の際の移動経路を、ワークを加工するための加工プログラムを参照して設定することができる。従って、移動経路を設定するために、別途ワークを撮影したり、マニュアル操作で指示したりする必要をなくすことができる。
従って、本発明によれば、表面に線状パターンが形成されるワークの欠陥検査を効率よく行うことができる。
本発明の欠陥検査方法において、前記検査工程では、前記検査画像を、光学的特性の相違に基づいて、前記線状パターンを示すパターン領域と、前記パターン領域の外側のパターン外領域とに区分し、前記パターン領域および前記パターン外領域の面積を計算し、他の前記検査画像との比較で面積が変動していなければ欠陥なしと判定する、ことが好ましい。
本発明において、パターン領域およびパターン外領域の面積としては、検査画像における各々の面積、画素数が利用でき、いずれか一方の占有比率などを利用してもよい。また、比較する他の検査画像としては、例えば隣接する一つ前の検査画像が利用できる。
このような本発明によれば、検査画像中のパターン領域およびパターン外領域の面積の計算という簡単な操作で、検査工程としての欠陥判定を行うことができる。例えば、一定幅で連続する線状パターンであれば、この線状パターンに沿って撮影された検査画像におけるパターン領域およびパターン外領域の面積はどの部位でも一定となる。このため、本発明のように、線状パターンに沿って撮影された複数の検査画像に対して、それぞれパターン領域およびパターン外領域の面積を計算し、順次比較してゆくことで、検査工程としての欠陥判定を効率よく行うことができる。
本発明の欠陥検査方法において、前記検査工程では、前記検査画像を、光学的特性の相違に基づいて、前記線状パターンを示すパターン領域と、前記パターン領域の外側のパターン外領域とに区分し、前記パターン領域および前記パターン外領域の境界線を前記線状パターンの輪郭として検出し、前記輪郭が連続的であれば欠陥なしと判定する、ことが好ましい。
本発明において、輪郭が連続的であるか否かの判定は、一つの検査画像において、輪郭の任意の部位とこれに隣接する部位との、幅方向の変位あるいは傾き角度の検出により、行うことができる。また、隣接する他の検査画像の輪郭との比較により、同様の連続性を判定してもよい。
なお、輪郭が連続的であるとは、輪郭に欠陥に相当する所期の不連続性がない場合とする。欠陥に相当する不連続性とは、輪郭線に顕著な湾曲部や屈曲部がある場合、周囲よりも急激に曲率が大きくなる部分がある場合、任意の点の前後で輪郭線が交差するような角部がある場合などである。線状パターンの角部であっても、屈曲が曲線で構成されている場合、輪郭が連続的であるとして判定可能な場合がある。また、本発明において、線状パターンは直線部分で構成されるものに限らず、一部ないし全体が曲線で構成されていてもよい。
本発明において、不連続と判定する程度は、検査すべき欠陥の程度に基づいて適宜設定すればよい。
なお、輪郭が連続的であるとは、輪郭に欠陥に相当する所期の不連続性がない場合とする。欠陥に相当する不連続性とは、輪郭線に顕著な湾曲部や屈曲部がある場合、周囲よりも急激に曲率が大きくなる部分がある場合、任意の点の前後で輪郭線が交差するような角部がある場合などである。線状パターンの角部であっても、屈曲が曲線で構成されている場合、輪郭が連続的であるとして判定可能な場合がある。また、本発明において、線状パターンは直線部分で構成されるものに限らず、一部ないし全体が曲線で構成されていてもよい。
本発明において、不連続と判定する程度は、検査すべき欠陥の程度に基づいて適宜設定すればよい。
このような本発明によれば、検査画像における線状パターンの輪郭の検出およびその連続性の判定という簡単な操作で、検査工程としての欠陥判定を行うことができる。例えば、連続する線状パターンに欠損があれば、当該部分の輪郭は不連続となり、隣接する部位との比較により容易に判定することができる。
本発明の欠陥検査方法において、前記検査画像は、所定形状の検査枠で指定され、前記撮影工程では、前記線状パターンの任意の部位に最初の前記検査枠を割り当てた後、前記線状パターンの隣接する部位に次の前記検査枠を順次割り当てることにより、前記線状パターンに沿った複数の前記検査画像を撮影する、ことが好ましい。
このような本発明では、線状パターンの全体または任意の区間について、線状パターンに沿った複数の検査画像を撮影することができ、検査工程における線状パターンの連続性および画像面積の少なくともいずれかに基づく欠陥の判定に好適な検査画像を得ることができる。
本発明の欠陥検査方法において、前記ワークを加工した前記加工装置にカメラを装着し、前記カメラにより前記検査画像を撮影する、ことが好ましい。
このような本発明によれば、ワークに線状パターンを加工したのち、直ちに線状パターンの欠陥検査を実行することができる。このため、加工の後検査のためにワークを移載する等の操作をなくすことができる。そして、加工装置を欠陥検査にも兼用することができ、設備コストおよび設備スペースを削減することができる。
本発明の欠陥検査方法において、前記撮影工程では、前記線状パターンに沿ってカメラを移動させつつ、前記線状パターンをストロボで間欠的に照明し、前記ストロボで照明されている期間に前記カメラで前記検査画像を撮影する、ことが好ましい。
このような本発明によれば、線状パターンに沿って移動するカメラを、停止させることなく、ストロボ撮影することで、鮮明な検査画像を得ることができる。このため、移動と停止を繰り返して撮影を行う場合に比べて、撮影を短時間に行うことができる。そして、ハイスピードカメラなどの特殊なカメラでなくても高速撮影が行えるため、設備コストを低減することができる。
本発明の欠陥検査装置は、加工プログラムに従って動作する加工装置により表面に線状パターンが形成されたワークに対し、前記線状パターンの欠陥を検査する欠陥検査装置であって、前記加工プログラムに含まれる前記線状パターンの形状データに基づいて、前記線状パターンに沿って検査画像を順次撮影する撮影部と、前記検査画像に対して順次欠陥検査を行う検査部と、を有し、前記検査部は、前記検査画像に含まれる前記線状パターンの連続性および画像面積の少なくともいずれかに基づいて欠陥を判定する、ことを特徴とする。
本発明において、撮影部としては、例えばワークを加工する工作機械に装着されたカメラが利用でき、検査部としては、工作機械を制御する制御装置を利用することができる。制御装置としては、工作機械に接続されるNC装置(数値制御装置)や、NC装置に接続される外部のコンピュータシステムなどが利用できる。
このような本発明の欠陥検査装置では、前述した本発明の欠陥検査方法と同様な作用効果を得ることができる。
このような本発明の欠陥検査装置では、前述した本発明の欠陥検査方法と同様な作用効果を得ることができる。
本発明によれば、基準画像を予め準備しておく必要がなく、かつ、検査画像の撮影にあたって検査区画を指定する操作が必要ない。従って、本発明によれば、表面に線状パターンが形成されるワークの欠陥検査を効率よく行うことができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔欠陥検査装置1〕
図1において、欠陥検査装置1は、工作機械2の主軸ヘッド26にカメラ3を装着して構成されている。
工作機械2は、主軸27に装着された工具4により、ワーク9に対する三次元加工を行うものである。
〔欠陥検査装置1〕
図1において、欠陥検査装置1は、工作機械2の主軸ヘッド26にカメラ3を装着して構成されている。
工作機械2は、主軸27に装着された工具4により、ワーク9に対する三次元加工を行うものである。
工作機械2は、ベッド21の上面にテーブル22および門型のコラム23を有し、コラム23のクロスレール24にはサドル25を介して主軸ヘッド26が支持され、主軸ヘッド26には主軸27が支持されている。
テーブル22はベッド21に対してX軸方向へ移動可能とされ、サドル25はクロスレール24に沿ってY軸方向へ移動可能とされ、主軸ヘッド26はサドル25に対してZ軸方向へ移動可能である。
これらの3軸移動により、テーブル22に載置されたワーク9に対して、カメラ3および工具4を三次元移動させることが可能である。
テーブル22はベッド21に対してX軸方向へ移動可能とされ、サドル25はクロスレール24に沿ってY軸方向へ移動可能とされ、主軸ヘッド26はサドル25に対してZ軸方向へ移動可能である。
これらの3軸移動により、テーブル22に載置されたワーク9に対して、カメラ3および工具4を三次元移動させることが可能である。
工作機械2における三次元動作を制御するために、工作機械2には制御装置5が接続され、制御装置5には制御用のコンピュータシステム6が接続されている。
制御装置5は、既存の数値制御装置であり、コンピュータシステム6からの制御指令に基づいて、工作機械2の動作を制御する。制御装置5には、ワーク9を加工するための工作機械2の動作を記述した加工プログラム51が記録されている。
制御装置5は、既存の数値制御装置であり、コンピュータシステム6からの制御指令に基づいて、工作機械2の動作を制御する。制御装置5には、ワーク9を加工するための工作機械2の動作を記述した加工プログラム51が記録されている。
加工プログラム51は、制御装置5への操作により実行され、または、コンピュータシステム6を介して制御装置5に指示することで実行され、工作機械2の動作を制御する。これにより、工作機械2においては、工具4によるワーク9の加工が行われ、ワーク9に所定形状を形成することができる。
コンピュータシステム6には、本発明の欠陥検査方法に基づく動作を工作機械2に実行させるための検査プログラム62が記録されている。
さらに、コンピュータシステム6には、検査プログラム62で参照するために、制御装置5に記録された加工プログラム51と同じ加工プログラム61が記録されている。
本実施形態の欠陥検査装置1においては、工作機械2に装着されたカメラ3が撮影部であり、検査プログラム62に従って動作するコンピュータシステム6が検査部である。
さらに、コンピュータシステム6には、検査プログラム62で参照するために、制御装置5に記録された加工プログラム51と同じ加工プログラム61が記録されている。
本実施形態の欠陥検査装置1においては、工作機械2に装着されたカメラ3が撮影部であり、検査プログラム62に従って動作するコンピュータシステム6が検査部である。
〔ワーク9〕
図2において、本実施形態のワーク9は、ステッカーの打ち抜き型として用いられるものであり、平坦な上面91に打ち抜き刃となる突条92が形成されている。
突条92は、環状に連続した凸形状の線状パターンであり、ワーク9の基材90の表面を、エンドミルなどの工具4で切削することにより削り出されたものである。
図2において、本実施形態のワーク9は、ステッカーの打ち抜き型として用いられるものであり、平坦な上面91に打ち抜き刃となる突条92が形成されている。
突条92は、環状に連続した凸形状の線状パターンであり、ワーク9の基材90の表面を、エンドミルなどの工具4で切削することにより削り出されたものである。
図3に示すように、突条92は、先端面93が平坦とされ、この先端面93は突条92の全長にわたって同じ高さに加工されている。
突条92は、打ち抜き刃として用いるために、先端面93の幅が小さく、根元つまり基材90の側の幅が大きくなるように、断面三角形状の山形に形成されており、突条92の両側の側面94,95は、それぞれ傾斜面とされている。
突条92は、打ち抜き刃として用いるために、先端面93の幅が小さく、根元つまり基材90の側の幅が大きくなるように、断面三角形状の山形に形成されており、突条92の両側の側面94,95は、それぞれ傾斜面とされている。
〔欠陥検査手順〕
本実施形態では、前述した工作機械2に工具4を装着した状態で、制御装置5で加工プログラム51を実行することにより、前述した突条92(線状パターン)を有するワーク9を形成する。
そして、加工の後、工作機械2に装着されたカメラ3を用い、コンピュータシステム6で検査プログラム62を実行することにより、線状パターンである突条92の、なかでも打ち抜き刃として機能する先端面93の形状における欠陥検査を行う。
検査プログラム62に基づく欠陥検査は、以下に述べる撮影工程および検査工程により行われる。
本実施形態では、前述した工作機械2に工具4を装着した状態で、制御装置5で加工プログラム51を実行することにより、前述した突条92(線状パターン)を有するワーク9を形成する。
そして、加工の後、工作機械2に装着されたカメラ3を用い、コンピュータシステム6で検査プログラム62を実行することにより、線状パターンである突条92の、なかでも打ち抜き刃として機能する先端面93の形状における欠陥検査を行う。
検査プログラム62に基づく欠陥検査は、以下に述べる撮影工程および検査工程により行われる。
〔撮影工程〕
撮影工程では、工作機械2に装着されたカメラ3により、ワーク9の突条92を撮影する。
図4において、カメラ3による撮影は、ワーク9の表面において検査枠Pfで囲われた領域に対して行われる。そして、カメラ3で撮影された画像は、制御装置5からコンピュータシステム6に転送され、検査画像Pとして順次記録される。
撮影工程では、工作機械2に装着されたカメラ3により、ワーク9の突条92を撮影する。
図4において、カメラ3による撮影は、ワーク9の表面において検査枠Pfで囲われた領域に対して行われる。そして、カメラ3で撮影された画像は、制御装置5からコンピュータシステム6に転送され、検査画像Pとして順次記録される。
検査画像Pにおける解像度は、ワーク9の全体に対して微細な突条92の先端面93を検査するのに十分な高い解像度とされる。従って、検査画像Pの広さは、突条92の全体を一度に撮影できるほど広くできない。
そこで、検査プログラム62を実行するコンピュータシステム6は、工作機械2を動作させ、カメラ3を突条92に沿って移動させ、カメラ3の検査枠Pfを順次移動させて撮影を繰り返し行う。
このように、突条92に沿って撮影された複数の検査画像Pを順次連続させることで、突条92の全体を撮影することができる。
そこで、検査プログラム62を実行するコンピュータシステム6は、工作機械2を動作させ、カメラ3を突条92に沿って移動させ、カメラ3の検査枠Pfを順次移動させて撮影を繰り返し行う。
このように、突条92に沿って撮影された複数の検査画像Pを順次連続させることで、突条92の全体を撮影することができる。
撮影工程において、突条92に沿ってカメラ3を移動させるために、検査プログラム62を実行するコンピュータシステム6は、コンピュータシステム6に保持されている加工プログラム61を参照し、その加工指令の内容から突条92の位置および形状のデータを取得する。そして、取得された突条92の形状データに基づいて、突条92を追跡するようにカメラ3の移動経路を設定する。
具体的には、突条92の任意の部位に最初の検査枠Pfを割り当て、この検査枠Pfで撮影を行って検査画像Pを取得した後、突条92に沿って検査枠Pfの一つ分だけ移動し、先に撮影を終えた検査枠Pfと隣接する部位に、次の検査枠Pfを割り当て、検査画像Pの撮影を行う。以下、突条92を追跡しつつ順次移動と撮影を繰り返すことで、突条92の全体をカバーする複数の検査画像Pを取得することができる。
図5に示すように、検査枠Pfおよび順次撮影された検査画像Pは、その領域が、突条92の幅方向に延びる長方形状とされる。
検査枠Pfは、図5の(A)部および(B)部に示すように、突条92の先端面93を中心に、両側が傾斜した側面94,95を超えてワーク9の上面91に達するように設定されている。
検査枠Pfは、図5の(A)部および(B)部に示すように、突条92の先端面93を中心に、両側が傾斜した側面94,95を超えてワーク9の上面91に達するように設定されている。
そして、複数の検査画像Pは、各々の長辺が順次隣接した状態で、突条92に沿って配置される。前述した検査枠Pfの移動は、複数の検査画像Pがこのような配列となるように行われる。
〔検査工程〕
検査工程は、前述した撮影工程が突条92の全体に対して完了する前に開始される。つまり、他の部位で撮影工程を実行しつつ、既に撮影済の検査画像Pに対して、欠陥検査を実行する。
検査工程においては、検査画像P中の領域面積に関する面積検査と、検査画像Pに表れる輪郭の連続性に関する連続性検査の2つの検査を実行する。
検査工程は、前述した撮影工程が突条92の全体に対して完了する前に開始される。つまり、他の部位で撮影工程を実行しつつ、既に撮影済の検査画像Pに対して、欠陥検査を実行する。
検査工程においては、検査画像P中の領域面積に関する面積検査と、検査画像Pに表れる輪郭の連続性に関する連続性検査の2つの検査を実行する。
検査工程では、検査画像Pに対し、光学的特性の相違に基づいて、線状パターンを示すパターン領域と、パターン領域の外側のパターン外領域とに区分する。
図6において、隣接する検査画像P1,P2,P3には、その幅方向の中央に縦に延びる明領域AC1,AC2,AC3が表れ、その両側には暗領域AL1,AL2,AL3および暗領域AR1,AR2,AR3が表れている。
図6において、隣接する検査画像P1,P2,P3には、その幅方向の中央に縦に延びる明領域AC1,AC2,AC3が表れ、その両側には暗領域AL1,AL2,AL3および暗領域AR1,AR2,AR3が表れている。
明領域AC1,AC2,AC3は、線状パターンである突条92の先端面93を写した領域(パターン領域)である。先端面93は、平坦とされかつカメラ3に正対されることにより、照明光の大半を反射してカメラ3に入射させることから、検査画像P1,P2,P3においては明るい領域となる。
暗領域AL1,AL2,AL3および暗領域AR1,AR2,AR3は、線状パターンである突条92の側面94,95を写した領域(パターン外領域)である。これらの側面94,95は、カメラ3に対して傾斜した面であり、カメラ3に入射される照明光の反射光が少なく、検査画像P1,P2,P3においては暗い領域となる。
〔面積検査〕
面積検査では、各検査画像P1〜P3において、明領域AC1〜AC3および暗領域AL1〜AR3の各画素数を積算し、その変動から欠陥を判定する。
具体的には、検査画像P1において、明領域AC1は20画素、暗領域AL1が40画素、暗領域AR1が40画素だったとする。
面積検査では、各検査画像P1〜P3において、明領域AC1〜AC3および暗領域AL1〜AR3の各画素数を積算し、その変動から欠陥を判定する。
具体的には、検査画像P1において、明領域AC1は20画素、暗領域AL1が40画素、暗領域AR1が40画素だったとする。
図6においては、次の検査画像P2およびその次の検査画像P3で、明領域AC2,AC3はそれぞれ20画素、暗領域AL2,AL3がそれぞれ40画素、暗領域AR2,AR3がそれぞれ40画素である。
つまり、検査画像P1〜P3において、明領域AC1〜AC3および暗領域AL1〜AR3の各画素数には変動がない。
従って、検査画像P1〜P3が撮影された部位の突条92の先端面93には欠陥がないと判定する。
つまり、検査画像P1〜P3において、明領域AC1〜AC3および暗領域AL1〜AR3の各画素数には変動がない。
従って、検査画像P1〜P3が撮影された部位の突条92の先端面93には欠陥がないと判定する。
図7においては、検査画像P1,P2は前述した図6と同じであるが、検査画像P3では、左側の暗領域AL3が突出し、明領域AC3の一部に入り込んでいる。
このような状態では、暗領域AL3は40画素を超え、明領域AC3は20画素を下回る。つまり、検査画像P3においては、検査画像P1,P2に対して、明領域(パターン領域)および暗領域(パターン外領域)の面積が変動するので、欠陥あり、と判定する。
このような状態では、暗領域AL3は40画素を超え、明領域AC3は20画素を下回る。つまり、検査画像P3においては、検査画像P1,P2に対して、明領域(パターン領域)および暗領域(パターン外領域)の面積が変動するので、欠陥あり、と判定する。
このような図7の欠陥は、先端面93の辺縁に欠けが生じた際などに検出される。
また、図8に示す検査画像P3のように、先端面93が幅方向に歪んだ場合、他の検査画像P1,P2に対して、明領域AC3の画素数に変動がなくても、両側の暗領域AL3,AR3の画素数が変動するので、欠陥として検出することができる。
また、図8に示す検査画像P3のように、先端面93が幅方向に歪んだ場合、他の検査画像P1,P2に対して、明領域AC3の画素数に変動がなくても、両側の暗領域AL3,AR3の画素数が変動するので、欠陥として検出することができる。
〔連続性検査〕
図8において、前述したように、検査画像P3のように、先端面93が幅方向に歪んだ場合、明領域(パターン領域)の輪郭の連続性、つまり暗領域(パターン外領域)との境界線の形状における連続性を検査することで、欠陥を判定することができる。
図8において、前述したように、検査画像P3のように、先端面93が幅方向に歪んだ場合、明領域(パターン領域)の輪郭の連続性、つまり暗領域(パターン外領域)との境界線の形状における連続性を検査することで、欠陥を判定することができる。
連続性検査では、各検査画像P1〜P3において、明領域AC1〜AC3と暗領域AL1〜AL3との境界線EL1〜EL3、および、明領域AC1〜AC3と暗領域AR1〜AR3との境界線ER1〜ER3を、これらを線状パターンである突条92の先端面93の輪郭として検出する。
これらの境界線EL1〜EL3、および境界線ER1〜ER3は、明領域AC1〜AC3と暗領域AL1〜AL3との明るさの差、および明領域AC1〜AC3と暗領域AR1〜AR3との明るさの差から、それぞれ位置を検出することができる。
これらの境界線EL1〜EL3、および境界線ER1〜ER3は、明領域AC1〜AC3と暗領域AL1〜AL3との明るさの差、および明領域AC1〜AC3と暗領域AR1〜AR3との明るさの差から、それぞれ位置を検出することができる。
ここで、検査画像P1,P2では、境界線EL1,EL2は直線的に延びている。しかし、検査画像P3では、暗領域AL3が明領域AC3に侵出し、境界線EL3は弧状に湾曲している。その結果、境界線EL1,EL2の延長線(検査画像P3に鎖線で表示)に対し、境界線EL3は大きくずれることになり、これを欠陥として判定する。
同様に、境界線ER1,ER2に対し、境界線ER3は弧状に湾曲しており、境界線ER1,ER2の延長線(検査画像P3に鎖線で表示)に対し、境界線ER3は大きくずれることになり、これを欠陥として判定する。
〔検査の終了〕
前述のような撮影工程および検査工程を順次実行し、面積検査および連続性検査のいずれでも欠陥が発見されずに線状パターンである突条92を一巡したら、検査したワーク9は「欠陥なし」として欠陥検査を終了する。
一方、面積検査および連続性検査のいずれかで、欠陥が発見されたら、その時点で撮影工程および検査工程の順次実行を中止し、そのワーク9に欠陥を記録する。
前述のような撮影工程および検査工程を順次実行し、面積検査および連続性検査のいずれでも欠陥が発見されずに線状パターンである突条92を一巡したら、検査したワーク9は「欠陥なし」として欠陥検査を終了する。
一方、面積検査および連続性検査のいずれかで、欠陥が発見されたら、その時点で撮影工程および検査工程の順次実行を中止し、そのワーク9に欠陥を記録する。
〔実施形態の効果〕
本実施形態では、検査工程において、検査画像Pに表れる線状パターンである突条92の連続性および画像面積の少なくともいずれかに基づいて欠陥を判定することができ、欠陥検査にあたって突条92の基準画像を予め準備しておく必要がない。
また、撮影工程において、検査画像Pは、線状パターンである突条92に沿って順次撮影するため、作業者が検査区画を指定する操作を行う必要がない。
従って、表面に線状パターンである突条92が形成されたワーク9の欠陥検査を効率よく行うことができる。
本実施形態では、検査工程において、検査画像Pに表れる線状パターンである突条92の連続性および画像面積の少なくともいずれかに基づいて欠陥を判定することができ、欠陥検査にあたって突条92の基準画像を予め準備しておく必要がない。
また、撮影工程において、検査画像Pは、線状パターンである突条92に沿って順次撮影するため、作業者が検査区画を指定する操作を行う必要がない。
従って、表面に線状パターンである突条92が形成されたワーク9の欠陥検査を効率よく行うことができる。
本実施形態では、検査工程において面積検査を採用したため、検査画像P中のパターン領域(明領域AC1〜AC3)およびパターン外領域(暗領域AL1〜AR3)の面積の計算という簡単な操作で、検査工程としての欠陥判定を行うことができる。
とくに、本実施形態では、各検査画像P1〜P3中の各領域の画素数を積算し、他の検査画像での画素数と比較するようにしたため、検査工程としての欠陥判定をさらに効率よく行うことができる。
とくに、本実施形態では、各検査画像P1〜P3中の各領域の画素数を積算し、他の検査画像での画素数と比較するようにしたため、検査工程としての欠陥判定をさらに効率よく行うことができる。
本実施形態では、検査工程において連続性検査をも行うようにしたため、欠陥検査をさらに確実に行うことができる。
連続性検査においては、検査画像Pにおける線状パターンの輪郭の検出(明領域および暗領域の境界線の検出)およびその連続性の判定という簡単な操作で、検査工程としての欠陥判定を行うことができる。
連続性検査においては、検査画像Pにおける線状パターンの輪郭の検出(明領域および暗領域の境界線の検出)およびその連続性の判定という簡単な操作で、検査工程としての欠陥判定を行うことができる。
本実施形態では、撮影工程において、線状パターンである突条92に沿って検査枠Pfを順次割り当て、複数の検査画像Pを撮影するようにしたので、検査工程における前述した面積検査および連続性検査に好適な検査画像を得ることができる。
とくに、本実施形態では、検査画像Pを順次撮影する動作の際の移動経路を、ワーク9を加工するための加工プログラム51と同じ加工プログラム61を参照して設定することができる。従って、移動経路を設定するために、別途ワーク9を撮影したり、マニュアル操作で指示したりする必要をなくすことができる。
さらに、本実施形態では、ワーク9を加工した工作機械2にカメラ3を装着し、このカメラ3により検査画像Pを順次撮影するようにしたので、ワーク9に線状パターンである突条92を加工したのち、直ちにその欠陥検査を実行することができる。
このため、加工の後、検査のためにワーク9を移載する等の操作をなくすことができる。そして、工作機械2を欠陥検査装置1として兼用することができ、設備コストおよび設備スペースを削減することができる。
このため、加工の後、検査のためにワーク9を移載する等の操作をなくすことができる。そして、工作機械2を欠陥検査装置1として兼用することができ、設備コストおよび設備スペースを削減することができる。
〔他の実施形態〕
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内の変形などは、本発明に含まれる。
前記実施形態では、検査工程において、面積検査および連続性検査の両方を行ったが、いずれか一方のみを行ってもよい。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内の変形などは、本発明に含まれる。
前記実施形態では、検査工程において、面積検査および連続性検査の両方を行ったが、いずれか一方のみを行ってもよい。
面積検査としては、前記実施形態のように、検査画像P中のパターン領域(明領域AC1〜AC3)および2つのパターン外領域(暗領域AL1〜AL3および暗領域AR1〜AR3)の各々の面積を計算することに限らない。
例えば、2つのパターン外領域(暗領域AL1〜AL3および暗領域AR1〜AR3)を併せ、明るいパターン領域と暗いパターン外領域の2つを計算するようにしてもよい。
例えば、2つのパターン外領域(暗領域AL1〜AL3および暗領域AR1〜AR3)を併せ、明るいパターン領域と暗いパターン外領域の2つを計算するようにしてもよい。
とくに、2つの領域として扱う場合、検査画像Pを2つの領域で分けるため、明るいパターン領域と暗いパターン外領域のいずれかの面積(画素数)を計算できれば、これを検査枠Pfにより既知の検査画像Pの全体面積(全画素数)から減算することで、他方の面積も算出することができる。
このような面積検査でも、図7のような明領域AC3の片側の輪郭が湾曲するような欠陥の検出が可能である。
このような面積検査でも、図7のような明領域AC3の片側の輪郭が湾曲するような欠陥の検出が可能である。
連続性検査としては、前記実施形態のように、検査画像P中のパターン領域(明領域AC1〜AC3)と両側のパターン外領域(暗領域AL1〜AL3および暗領域AR1〜AR3)との境界線について、隣接する検査画像Pとの比較を行うものに限らない。
例えば、同じ検査画像Pの中で、そこに表れる境界線の連続性を検査し、欠陥に相当する不連続性を検出するようにしてもよい。
例えば、同じ検査画像Pの中で、そこに表れる境界線の連続性を検査し、欠陥に相当する不連続性を検出するようにしてもよい。
前記実施形態では、検査対象の線状パターンとして、図2に示す矩形の突条92を用いた。前記実施形態の検査対象は、各部が直線で構成された矩形に限らず、一部ないし全体が曲線で構成された線状パターンであってもよく、例えば図9に示す円形の突条92Aを用いてもよい。
前記実施形態では、撮影工程において、所定形状の検査枠Pfを用いて撮影を行い、一定のサイズの検査画像Pを複数取得していた。
これに対し、撮影の際に検査枠Pfを用いず、突条92などの線状パターンに応じた形状および寸法の画像を取得し、これを検査工程で検査してもよい。
ただし、本実施形態のように、複数の検査画像Pを一定の形状寸法とすることで、検査工程における検査を効率的に処理することができる。
これに対し、撮影の際に検査枠Pfを用いず、突条92などの線状パターンに応じた形状および寸法の画像を取得し、これを検査工程で検査してもよい。
ただし、本実施形態のように、複数の検査画像Pを一定の形状寸法とすることで、検査工程における検査を効率的に処理することができる。
前記実施形態では、線状パターンである突条92の一部で撮影工程を実行しつつ、既に検査画像Pが撮影済の部位について、検査工程を実行することで、これらの撮影工程および検査工程を並列的に行い、処理時間の効率化を図っていた。
ただし、線状パターンである突条92に対して撮影工程を順次実行し、突条92の全体について検査画像Pを取得したのち、まとめて検査工程を実行するようにしてもよい。
ただし、線状パターンである突条92に対して撮影工程を順次実行し、突条92の全体について検査画像Pを取得したのち、まとめて検査工程を実行するようにしてもよい。
前記実施形態では、撮影工程において、カメラ3を突条92(線状パターン)に沿って移動させつつ、検査枠Pfを用いて撮影を行い、複数の検査画像Pを取得していた。通常のカメラ3では、鮮明な画像を得るために、撮影位置において停止する必要がある。つまり、カメラ3は、移動〜停止〜撮影〜移動、という動作を繰り返すことになり、処理時間が冗長になる可能性がある。
これに対し、本発明の他の実施形態として、ストロボ撮影を採用することができる。
これに対し、本発明の他の実施形態として、ストロボ撮影を採用することができる。
図10において、本実施形態は、基本的に前述した図1〜図9の実施形態と同様な構成を有する。ただし、カメラ3に隣接してストロボライト3Aが設置され、カメラ3の検査枠Pfをカバーする領域Lfを強い光で間欠的に照明可能である。
このような本実施形態では、カメラ3を突条92に沿って連続的に移動させ、その間に、ストロボライト3Aで突条92を間欠的に照明し、照明されている間にカメラ3で撮影を行う。
これにより、突条92はストロボライト3Aの強い光で照明され、カメラ3で撮影される画像を鮮明にすることができる。さらに、カメラ3は停止する必要がないため、撮影の処理時間を短縮することができる。その結果、ハイスピードカメラを用いずとも高速で鮮明な画像が得られることになり、設備コストを低減することができる。
このような本実施形態では、カメラ3を突条92に沿って連続的に移動させ、その間に、ストロボライト3Aで突条92を間欠的に照明し、照明されている間にカメラ3で撮影を行う。
これにより、突条92はストロボライト3Aの強い光で照明され、カメラ3で撮影される画像を鮮明にすることができる。さらに、カメラ3は停止する必要がないため、撮影の処理時間を短縮することができる。その結果、ハイスピードカメラを用いずとも高速で鮮明な画像が得られることになり、設備コストを低減することができる。
前記実施形態では、ワーク9を加工する工作機械2において、主軸27に工具4を装着し、かつ主軸ヘッド26にカメラ3を装着することで、欠陥検査装置1として用いられるようにしていた。
しかし、工作機械2にカメラ3と工具4とを同時に設置するのではなく、交換式としてもよい。例えば、主軸27に工具4を装着してワーク9の加工を行ったのち、工具4を外し、代わりに主軸27にカメラ3を装着し、ワーク9の撮影を行うようにしてもよい。
しかし、工作機械2にカメラ3と工具4とを同時に設置するのではなく、交換式としてもよい。例えば、主軸27に工具4を装着してワーク9の加工を行ったのち、工具4を外し、代わりに主軸27にカメラ3を装着し、ワーク9の撮影を行うようにしてもよい。
このようにカメラ3を主軸27に装着する場合、主軸ヘッド26にカメラ3を装着する必要がなく、自動工具交換装置を用いて簡単にカメラ3を装着することができる。
ただし、工具4とカメラ3とを頻繁に交換することは効率的でないので、工具4によるワーク9の加工が全て完了してから、カメラ3による突条92(線状パターン)の撮影を順次行う、という手順に限定される。
ただし、工具4とカメラ3とを頻繁に交換することは効率的でないので、工具4によるワーク9の加工が全て完了してから、カメラ3による突条92(線状パターン)の撮影を順次行う、という手順に限定される。
これに対し、前記実施形態のように、工作機械2にカメラ3および工具4を設置しておけば、ワーク9の一部を加工し、加工できた部分を撮影し、次の部分を加工し、さらに撮影する、といった手順も採用することができる。
前記実施形態では、工作機械2にカメラ3を装着して欠陥検査装置1として兼用したが、ワーク9を加工する工作機械2とは別に、専用の欠陥検査装置1を用いてもよい。
この場合、工作機械2の制御装置5で実行される加工プログラム51あるいはそこに指定される突条92の形状(線状パターン)を取り出し、専用の欠陥検査装置1に取り込んで撮影工程で利用できるようにすることが望ましい。
この場合、工作機械2の制御装置5で実行される加工プログラム51あるいはそこに指定される突条92の形状(線状パターン)を取り出し、専用の欠陥検査装置1に取り込んで撮影工程で利用できるようにすることが望ましい。
前記実施形態では、ワーク9を加工するために制御装置5に記録された加工プログラム51と同じ加工プログラム61をコンピュータシステム6にも記録しておき、この加工プログラム61を参照し、撮影工程において線状パターンである突条92の追跡を行った。本発明に含まれなくなるが、ワーク9を加工する加工プログラム51,61とは別に線状パターンの形状データがあれば、これを利用してもよい。
本発明は、表面に線状パターンが形成されるワークの欠陥を検査する欠陥検査方法および欠陥検査装置に利用できる。
1…欠陥検査装置、2…工作機械、21…ベッド、22…テーブル、23…コラム、24…クロスレール、25…サドル、26…主軸ヘッド、27…主軸、3…カメラ、4…工具、5…制御装置、51…加工プログラム、6…コンピュータシステム、61…加工プログラム、62…検査プログラム、9…ワーク、90…基材、91…上面、92,92A…線状パターンである突条、93…先端面、94,95…側面、AC1,AC2,AC3…パターン領域である明領域、AL1,AL2,AL3,AR1,AR2,AR3…パターン外領域である暗領域、EL1,EL2,EL3,ER1,ER2,ER3…輪郭である境界線、P,P1,P2,P3…検査画像、Pf…検査枠、Lf…ストロボ照明される領域。
Claims (7)
- 加工プログラムに従って動作する加工装置により表面に線状パターンが形成されたワークに対し、前記線状パターンの欠陥を検査する欠陥検査方法であって、
前記加工プログラムに含まれる前記線状パターンの形状データに基づいて、前記線状パターンに沿って検査画像を順次撮影する撮影工程と、前記検査画像に対して順次欠陥検査を行う検査工程と、を有し、
前記検査工程では、前記検査画像に含まれる前記線状パターンの連続性および画像面積の少なくともいずれかに基づいて欠陥を判定する、ことを特徴とする欠陥検査方法。 - 請求項1に記載の欠陥検査方法において、
前記検査工程では、前記検査画像を、光学的特性の相違に基づいて、前記線状パターンを示すパターン領域と、前記パターン領域の外側のパターン外領域とに区分し、
前記パターン領域および前記パターン外領域の面積を計算し、
他の前記検査画像との比較で面積が変動していなければ欠陥なしと判定する、ことを特徴とする欠陥検査方法。 - 請求項1または請求項2に記載の欠陥検査方法において、
前記検査工程では、前記検査画像を、光学的特性の相違に基づいて、前記線状パターンを示すパターン領域と、前記パターン領域の外側のパターン外領域とに区分し、
前記パターン領域および前記パターン外領域の境界線を前記線状パターンの輪郭として検出し、
前記輪郭が連続的であれば欠陥なしと判定する、ことを特徴とする欠陥検査方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の欠陥検査方法において、
前記検査画像は、所定形状の検査枠で指定され、
前記撮影工程では、前記線状パターンの任意の部位に最初の前記検査枠を割り当てた後、前記線状パターンの隣接する部位に次の前記検査枠を順次割り当てることにより、前記線状パターンに沿った複数の前記検査画像を撮影する、ことを特徴とする欠陥検査方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の欠陥検査方法において、
前記ワークを加工した前記加工装置にカメラを装着し、前記カメラにより前記検査画像を撮影する、ことを特徴とする欠陥検査方法。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の欠陥検査方法において、
前記撮影工程では、前記線状パターンに沿ってカメラを移動させつつ、前記線状パターンをストロボで間欠的に照明し、前記ストロボで照明されている期間に前記カメラで前記検査画像を撮影する、ことを特徴とする欠陥検査方法。 - 加工プログラムに従って動作する加工装置により表面に線状パターンが形成されたワークに対し、前記線状パターンの欠陥を検査する欠陥検査装置であって、
前記加工プログラムに含まれる前記線状パターンの形状データに基づいて、前記線状パターンに沿って検査画像を順次撮影する撮影部と、前記検査画像に対して順次欠陥検査を行う検査部と、を有し、
前記検査部は、前記検査画像に含まれる前記線状パターンの連続性および画像面積の少なくともいずれかに基づいて欠陥を判定する、ことを特徴とする欠陥検査装置。
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