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JP6007263B2 - リチウムイオン二次電池電極用バインダー、スラリー、電極、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池電極用バインダー、スラリー、電極、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の電極を形成するために用いられるリチウムイオン二次電池電極用バインダー、これを用いて得られるスラリー、電極、及びリチウムイオン二次電池に関する。本願は、2013年1月21日に、日本に出願された特願2013−008557に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
リチウムイオン二次電池は、小型化、軽量化の面からノート型パソコン、携帯電話、電動工具、電子・通信機器の電源として使用されている。最近では、リチウムイオン二次電池は、環境車両適用の観点から電気自動車やハイブリッド自動車にも使用されている。その中で、リチウムイオン二次電池は、高出力化、高容量化、長寿命化等が強く求められてきている。
リチウムイオン二次電池は、コバルト酸リチウム等の金属酸化物を活物質とした正極と、黒鉛等の炭素材料を活物質とした負極とからなる電極と、カーボネート類を溶剤とした電解液とから構成されている。リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンが正極と負極との間を移動する事により、充放電が行われる二次電池である。
正極は、活物質とバインダーとから成るスラリーを、アルミニウム箔などの正極集電体表面に塗布し、乾燥させた後、適当な大きさに切断することにより得られる。負極は、活物質とバインダーとから成るスラリーを、銅箔などの負極集電体表面に塗布し、乾燥させた後、適当な大きさに切断することにより得られる。
リチウムイオン二次電池の電極に使用されるバインダーには、活物質同士及び活物質と集電体とを結着させ、集電体表面からの活物質の剥離を防止させる役割がある。
このようなバインダーとしては、N−メチロールピロリドン(NMP)を溶剤とした、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系バインダーがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、PVDF系バインダーは、活物質同士及び活物質と集電体との結着性が低い。このため、PVDF系バインダーを用いてリチウムイオン二次電池の電極を製造する場合には、スラリー中に多量にバインダーを含有させる必要があった。その結果、リチウムイオン二次電池の容量が低下してしまうという欠点があった。
このPVDF系バインダーは、溶剤として高価な有機溶剤であるNMPを使用している。そのため、最終製品の価格が高価になってしまうという問題があった。また、このPVDF系バインダーは、溶剤として有機溶剤であるNMPを使用している。そのため、これを用いたスラリーや集電体を作製する際の作業環境保全にも問題があった。
リチウムイオン二次電池の電極に使用されるバインダーとして、カルボキシメチルセルロース(CMC)を増粘剤として用いたスチレン−ブタジエンゴム(SBR)系の水分散体が提案されている(例えば、特許文献2〜特許文献4参照)。
このSBR系分散体は水分散体であるため、安価であり、作業環境保全の観点からも有利である。このSBR系分散体は、PVDF系バインダーと比較して、活物質同士及び活物質と集電体との結着性が良好である。このため、バインダーとしてSBR系分散体を用いて電極を形成する場合、PVDF系バインダーを用いる場合と比較して、スラリー中のバインダーの含有量を少量とすることが可能である。したがって、SBR系分散体を用いて電極を形成することで、PVDF系バインダーを用いる場合と比較して、リチウムイオン二次電池を高出力化及び高容量化できる。以上のことから、SBR系分散体は、リチウムイオン二次電池の電極用バインダーとして広く使用されている。
しかしながら、このSBR系分散体においても、活物質同士及び活物質と集電体との結着性が不十分であった。このため、スラリー中のバインダーの含有量を少なくすると、スラリーを集電体表面に塗布して乾燥させた後に行う切断工程において、活物質の一部が集電体表面から剥離する問題があった。
バインダーとしてSBR系分散体を用いて電極を形成した場合、リチウムイオン二次電池の充放電に伴って、リチウムイオン二次電池の抵抗値が高くなる傾向があった。
このため、バインダーとしてSBR系分散体を用いた場合、リチウムイオン二次電池を長寿命化できなかった。
リチウムイオン二次電池の電極に使用されるバインダーとして、特許文献5には、スチレンと、エチレン性不飽和カルボン酸エステルと、エチレン性不飽和カルボン酸及び内部架橋剤とを含有するエチレン性不飽和単量体を、界面活性剤の存在下、乳化重合して得られるものが提案されている。しかし、このバインダーを用いた場合も、活物質同士の結着性にはなお向上の余地があった。
特開平10‐298386号公報 特開平5−74461号公報 特開平8−250123号公報 特開2011−204573号公報 特開2011−243464号公報
本発明は、従来技術の問題点を解決しリチウムイオン二次電池電極用バインダーを提供することを目的とする。このリチウムイオン二次電池電極用バインダーは水分散系のものであって、活物質同士及び活物質と集電体との結着性が良好である。そのため、スラリー中のバインダーの含有量を少量としても、スラリーを集電体表面に塗布して乾燥させた後に行う切断工程において、活物質が集電体表面から剥離しにくく、充放電サイクル時の寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られる。本発明は、本発明のリチウムイオン二次電池電極用バインダーを用いたスラリー、このスラリーを用いた電極、及びその電極を用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[7]に関するものである。
[1] 全エチレン性不飽和単量体に対して、スチレン15〜70質量%、N原子含有エチレン性不飽和単量体1〜10質量%、エチレン性不飽和カルボン酸1〜10質量%、内部架橋剤0.1〜5質量%、及びこれらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体22質量%〜82.9質量%からなるエチレン性不飽和単量体を、界面活性剤の存在下、水性媒質中で乳化重合して得られるものであり、ガラス転移温度が−55〜30℃であり、
前記N原子含有エチレン性不飽和単量体が、(メタ)アクリルアミド、アルキル基の炭素数が1〜4であるN−アルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル基の炭素数が1または2であるN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル基の炭素数が1または2であるN‐ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノ基を除く部分のアルキル基の炭素数が1〜4であるジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、または(メタ)アクリルアミドエチルエチレン尿素から選ばれる少なくとも1種以上の不飽和単量体であり、
前記エチレン性不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸からなる群より選ばれる不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸からなる群より選ばれる不飽和ジカルボン酸および該不飽和ジカルボン酸のハーフエステルのいずれか1種以上であり、
前記内部架橋剤が、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビニルトリメトキシシラン、またはビニルトリエトキシシランのいずれか1種以上であり、
前記他のエチレン性不飽和単量体が、エチレン性不飽和カルボン酸エステルであり、
前記界面活性剤が、以下の式(1)〜式(4)で表わされる界面活性剤から選ばれる少なくとも1種以上を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
Figure 0006007263
(式(1)中、Rはアルキル基、nは10〜40の整数である。)
Figure 0006007263
(式(2)中、nは10〜12の整数、mは10〜40の整数である。)
Figure 0006007263
(式(3)中、Rはアルキル基、MはNH またはNaである。)
Figure 0006007263
(式(4)中、Rはアルキル基、MはNaである。)
[2] [1]に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダーと活物質と水性媒質とを含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
[3] カルボキシメチルセルロースを含むことを特徴とする[2]に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
[4] [2]に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリーを用いて形成されたものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極。
[5] [4]に記載のリチウムイオン二次電池用電極を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
本発明のリチウム二次電池電極用バインダーは、水分散系のものであって、活物質同士及び活物質と集電体との結着性が良好である。そのため、スラリー中のバインダーの含有量を少量としても、スラリーを集電体表面に塗布して乾燥させた後に行う切断工程において、活物質が集電体表面から剥離しにくく、充放電サイクル時の寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られるリチウムイオン二次電池電極用バインダーを提供できる。
「リチウムイオン二次電池電極用バインダー」
本実施形態のリチウムイオン二次電池電極用バインダー(以下「バインダー」と略記する場合がある。)は、エチレン性不飽和単量体を、界面活性剤の存在下で乳化重合して得られるガラス転移温度が−55〜30℃のものである。このエチレン性不飽和単量体は、特定量のスチレン、N原子含有エチレン性不飽和単量体、エチレン性不飽和カルボン酸、内部架橋剤、及びこれらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体からなる。
(エチレン性不飽和単量体)
本実施形態のバインダーとなるエチレン性不飽和単量体において、スチレンを必須成分とする。その理由は、バインダーの活物質同士及び活物質と集電体との結着性を発現させるためである。特に本実施形態のバインダーを用いて形成するリチウムイオン二次電池電極の活物質として黒鉛等の炭素材料を用いる場合、結着性を発現させる効果が顕著である。
エチレン性不飽和単量体に含まれるスチレンの含有量は、全エチレン性不飽和単量体に対して15〜70質量%であり、好ましくは25〜65質量%、より好ましくは35〜60質量%である。スチレンの含有量を15質量%以上とすることにより、活物質同士及び活物質と集電体との結着性に優れ、活物質と集電体との密着力が向上する。一方、スチレンの含有量を70質量%以下とすることにより、バインダーのガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎず、バインダーと活物質とを含むスラリーを塗布して形成した電極に割れが発生しにくくなる。
エチレン性不飽和単量体に含まれるN原子含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、置換されていてもよい(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートおよびそのブロック体、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。好ましくは置換されていてもよい(メタ)アクリルアミドである。
置換された(メタ)アクリルアミドの例としては、アルキル基の炭素数が1〜5であるN−アルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル基の炭素数が1〜3であるN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル基の炭素数が1〜3であるN‐ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノ基を除く部分のアルキル基の炭素数が1〜5であるジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、または(メタ)アクリルアミドエチルエチレン尿素等から選ばれる少なくとも1種以上の不飽和単量体が挙げられる。
2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートおよび2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートはそれぞれ、カレンズAOI(登録商標)およびカレンズMOI(登録商標)として昭和電工(株)から入手できる。2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートのブロック体は、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基を、メチルエチルケトオキシムやジメチルピラゾールなどのブロック剤でブロックして得られる。また2−メタアクリロイルオキシエチルイソシアネートのブロック体は、カレンズMOI−BM(登録商標)およびカレンズMOI−BP(登録商標)として昭和電工(株)から入手することもできる。
上記のN原子含有エチレン性不飽和単量体の中でも、(メタ)アクリルアミド、N‐イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルエチレン尿素から選ばれる少なくとも1種以上の不飽和単量体を用いることが好ましい。これらの単量体は、導電助剤同士、導電助剤と活物質又は導電助剤と活物質と電極の集電体として使用されるアルミニウム箔との結着性の点で優れている。
N原子含有エチレン性不飽和単量体として使用するN−アルキル(メタ)アクリルアミドのアルキル基の炭素数が5以下であると、エチレン性不飽和単量体の重合反応性が十分である傾向にある。
N原子含有エチレン性不飽和単量体として使用するN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドのアルキル基の炭素数が3以下である場合、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドのアルキル基の炭素数が3以下である場合、ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドのアルキル基の炭素数が5以下である場合、エチレン性不飽和単量体の重合反応性が十分である傾向にある。
本実施形態のバインダーとなるエチレン性不飽和単量体において、N原子含有エチレン性不飽和単量体を必須成分とする理由は、バインダーの活物質同士及び活物質と集電体との結着性を発現させるため、及び本実施形態のバインダーを用いて製造したリチウムイオン電池の抵抗値を低下させるためである。
エチレン性不飽和単量体に含まれるN原子含有エチレン性不飽和単量体の含有量は、全エチレン性不飽和単量体に対して1〜10質量%であり、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは1〜6質量%である。N原子含有エチレン性不飽和単量体の含有量を上記の範囲とすることにより、バインダーの活物質同士及び活物質と集電体との結着性が向上する。
エチレン性不飽和単量体に含まれるエチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはこれら不飽和ジカルボン酸のハーフエステル等が挙げられる。これらの中でも、バインダーの活物質同士及び活物質と集電体との結着性の向上に最も効果的である、アクリル酸、イタコン酸が好ましい。これらのエチレン性不飽和カルボン酸は、エチレン性不飽和単量体中に1種単独で含有されていてもよいし、2種以上を組み合わせて含有されていてもよい。
本実施形態のバインダーにおいて、エチレン性不飽和カルボン酸を必須成分とする理由は、バインダーの活物質同士及び活物質と集電体との結着性を発現させるとともに、乳化重合安定性を向上させるためである。
エチレン性不飽和単量体に含まれるエチレン性不飽和カルボン酸の含有量は、全エチレン性不飽和単量体に対して1〜10質量%であり、好ましくは、2〜8質量%、より好ましくは3〜6質量%である。エチレン性不飽和カルボン酸の含有量を1質量%以上とすることにより、乳化重合安定性または機械的安定性が向上する。また、活物質同士及び活物質と集電体との結着性も向上する傾向にある。エチレン性不飽和カルボン酸の含有量を10質量%以下とすることにより、活物質同士および活物質と集電体との結着性が向上する傾向がある。
エチレン性不飽和単量体に含まれる内部架橋剤としては、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有し、且つ、他の官能基と反応性を有する反応性基を有するもの、或いは、2つ以上のエチレン性不飽和結合を有するものが挙げられる。
具体的には、例えば、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有し、且つ、他の官能基と反応性を有する反応性基を有するものとして、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン等、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤等が挙げられる。また、2つ以上のエチレン性不飽和結合を有するものとして、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。
これらの内部架橋剤の中でも、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビニルトリメトキシシラン、またはビニルトリエトキシシランを用いることが好ましく、ジビニルベンゼンを用いることがより好ましい。これらの内部架橋剤は、エチレン性不飽和単量体中に1種単独で含有されていてもよいし、2種以上を組み合わせて含有されていてもよい。
エチレン性不飽和単量体に含まれる内部架橋剤の含有量は、全エチレン性不飽和単量体に対して0.1〜5質量%であり、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%である。内部架橋剤の含有量を0.1質量%以上とすると、電解液に対するバインダーの耐溶出性が良好で、リチウムイオン二次電池の抵抗値が低く、リチウムイオン二次電池を高出力化及び長寿命化できるため好ましい。内部架橋剤の含有量を5質量%以下とすると、活物質同士及び活物質と集電体との結着性が向上する傾向にある。
エチレン性不飽和単量体に含まれるスチレン、N原子含有エチレン性不飽和単量体、エチレン性不飽和カルボン酸および内部架橋剤と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、エチレン性不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。
エチレン性不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。これらエチレン性不飽和カルボン酸エステルの中でも、乳化重合の容易さや耐溶出性の観点から、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルを用いることが好ましい。
また、本実施形態においては、バインダーの特性を損なわない範囲で、他のエチレン性不飽和単量体が、少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有し、且つ、ヒドロキシル基、グリシジル基等の極性基を有する化合物を含有するものであってもよい。このような化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体に含まれる他のエチレン性不飽和単量体の含有量は、全エチレン性不飽和単量体に対して22〜82.9質量%であり、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは35〜60質量%である。他のエチレン性不飽和単量体の含有量が、22質量%以上であると、バインダーと活物質とを含むスラリーを塗布して得られた電極の柔軟性が十分に得られる。他のエチレン性不飽和単量体の含有量が、82.9質量%以下であると、活物質同士および活物質と集電体との結着性が十分に高いものとなる。
本実施形態において乳化重合されるエチレン性不飽和単量体は、乳化重合して得られるバインダーの分子量を調整するために、メルカプタン、チオグリコール酸及びそのエステル、β−メルカプトプロピオン酸及びそのエステルなどの分子量調整剤を含有するものであってもよい。
(乳化重合)
本実施形態のバインダーは、上記のエチレン性不飽和単量体を、界面活性剤の存在下、水性媒質中で乳化重合することで得られる。本実施形態において乳化重合する際には、水性媒質中において、ラジカル重合開始剤を用いて行う。
本実施形態においてバインダーを製造するために用いる乳化重合法としては、例えば、乳化重合に使用する成分を全て一括して仕込んで乳化重合する方法や、乳化重合に使用する各成分を連続供給しながら乳化重合する方法等が適用される。この中でも、粒子径が均一で細かいバインダー粒子が得られ、また反応中の除熱を効率的に行えるため、乳化重合に使用する各成分を連続供給しながら乳化重合する方法で重合することが好ましい。乳化重合は、通常30〜90℃の温度で攪拌しながら行う。
本実施形態において乳化重合する際に用いられる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸塩等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フィニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
上記の界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、界面活性剤は、特に制限されるものではないが、より好ましい界面活性剤として、以下の式(1)〜式(4)で表わされる界面活性剤を用いると、粒子の安定性が向上するため、好ましい。
Figure 0006007263
(式(1)中、Rはアルキル基、nは10〜40の整数である。)
Figure 0006007263
(式(2)中、nは10〜12の整数、mは10〜40の整数である。)
Figure 0006007263
(式(3)中、Rはアルキル基、MはNHまたはNaである。)
Figure 0006007263
(式(4)中、Rはアルキル基、MはNaである。)
界面活性剤の使用量は、好ましくは全エチレン性不飽和単量体100質量部に対して0.3〜3質量部である。界面活性剤の使用量を0.3質量部以上とすると、乳化重合が容易で、得られるバインダーの機械的安定性が高くなる。界面活性剤の使用量を0.3質量部以上とすると、乳化重合によって得られたバインダーである水性エマルジョン中に含まれる粒子径が小さく、粒子の沈降が発生しにくいため好ましい。界面活性剤の使用量を3質量部以下とすると、活物質と集電体との密着力が向上する傾向にある。界面活性剤として上記式(1)〜(4)で表されるような、エチレン性不飽和結合を有するものであっても、本発明の「エチレン性不飽和単量体」には含めない。
乳化重合の際に用いられるラジカル重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。ラジカル重合開始剤として、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
本実施形態においては、必要に応じて、乳化重合の際にラジカル重合開始剤と、重亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等の還元剤とを併用して、レドックス重合してもよい。
本実施形態においては、水性媒質として水を用いることができる。本実施形態においては、得られるバインダーの重合安定性を損なわない限り、水性媒質として、水に親水性の溶媒を添加したものを用いてもよい。水に添加する親水性の溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びN‐メチルピロリドン等が挙げられる。
本実施形態においては、バインダーを製造するために行う乳化重合中および/または乳化重合終了後に塩基性物質を加えてもよい。これにより、エチレン性不飽和単量体に含まれるエチレン性不飽和カルボン酸を中和し、pHを調整する事により、乳化重合中のエチレン性不飽和単量体および/または乳化重合終了後のバインダーの重合安定性、機械的安定性、化学的安定性を向上させる。
この場合に使用される塩基性物質としては、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。これらの塩基性物質は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(ガラス転移温度)
本実施形態のバインダーは、ガラス転移温度(Tg)が−55〜30℃、好ましくは−25〜25℃、より好ましくは−20〜10℃のものである。バインダーのTgが上記範囲内であることにより、バインダーの活物質同士及び活物質と集電体との結着性を発現させるとともに、バインダーと活物質とを含むスラリーを用いて得られた電極の割れを防止できる。バインダーのTgが−55℃未満であると、活物質同士および活物質と集電体との結着性が低下する傾向がある。バインダーのTgが30℃を超えると、バインダーと活物質とを含むスラリーを塗布して得られた電極に、割れが発生する。バインダーのTgは、エチレン性不飽和単量体に含まれるスチレンの含有量や、エチレン性不飽和単量体の量あるいは種類を変化させることにより、調整できる。
本発明のバインダーのガラス転移温度は、バインダーの乳化重合に使用されるエチレン性不飽和単量体Mi(i=1,2,...,i)の各ホモポリマーのガラス転移温度Tgi(i=1,2,...,i)と、エチレン性不飽和単量体Miの各重量分率Xi(i=1,2,...,i)とから、下記式(I)による良好な近似で算出される理論値である。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi) ‥(I)
(バインダー分散液)
本実施形態において、リチウムイオン二次電池電極用バインダーは、水性媒質中で乳化重合して得られるので、水性媒質中にバインダーが分散したバインダー分散液として得られる。バインダー分散液の不揮発分は、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
バインダー分散液のpHは、1.5〜10であることが好ましく、6〜9であることがより好ましい。
バインダー分散液の粘度は、1〜5000mPa・sであることが好ましい。本発明におけるバインダー分散液の不揮発分は、皿またはプレートなど平板状の容器に、樹脂を約1g秤量し、105℃で1時間乾燥させた後の残分として算出する。
「リチウムイオン二次電池電極用スラリー」
次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池電極用スラリーについて詳述する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池電極用スラリー(以下「スラリー」と略記する場合がある。)は、本実施形態のバインダーと活物質と水性媒質とを含むものであり、バインダー分散液と活物質とを、水性媒質に分散または溶解させたものである。
スラリーに含まれるバインダーの添加量は、不揮発分20〜80質量%のバインダー分散液として、活物質100質量部に対して0.2〜3質量部であることが好ましい。バインダー分散液の使用量が0.2質量部以上であると、スラリーを塗布して乾燥してなる活物質と集電体との結着性に優れ、かつ充放電高温サイクル特性が向上する傾向がある。3質量部以下であると、本実施形態のスラリーを用いて得られるリチウムイオン二次電池の初期容量が大きくなる傾向にある。
活物質としては、リチウム等をドープ/脱ドープ可能な材料であればよい。本実施形態のリチウムイオン二次電池電極用スラリーが負極形成用のものである場合、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性ポリマー、あるいはコークス、石油コークス、ピッチコークス、石炭コークス等のコークス類、ポリマー炭、カーボンファイバー、アセチレンブラック等のカーボンブラック、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛類、チタン酸リチウム、シリコン等が挙げられる。これら活物質の中でも、体積当たりのエネルギー密度が大きい点から、カーボンブラック、グラファイト、天然黒鉛、チタン酸リチウム、シリコン等を用いることが好ましい。中でも、炭素材料、すなわち、コークス、石油コークス、ピッチコークス、石炭コークス等のコークス類、ポリマー炭、カーボンファイバー、アセチレンブラック等のカーボンブラック、および人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛類であると、本発明のバインダーによる結着性を向上させる効果が顕著である。
本実施形態のリチウムイオン二次電池電極用スラリーが正極形成用のものである場合、正極活物質としては、リチウムイオン二次電池に用いることができる正極活物質であれば特に限定されるものではない。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、Ni−Co−Mn系のリチウム複合酸化物、Ni−Mn−Al系のリチウム複合酸化物、Ni−Co−Al系のリチウム複合酸化物などのニッケルを含むリチウム複合酸化物や、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)、オリビン型燐酸鉄リチウム、TiS、MnO、MoO、V、などのカルコゲン化合物のうちの1種、あるいは複数種が組み合わせて用いられる。
本実施形態のスラリーは、不揮発分が好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%である。スラリーの粘度は、好ましくは500〜20000mPa・sであり、より好ましくは5000〜20000mPa・sである。スラリーの不揮発分や粘度がこの範囲に入っていると、集電板への塗布性が良好で、電極の生産性に優れる。
スラリーの不揮発分は、水性媒質(分散媒)の量により調整する。スラリーの粘度は、分散媒の量や増粘材により調整する。
通常、分散媒としては、バインダー分散液由来のものに加え、水または親水性の溶媒をさらに添加する。親水性の溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びN‐メチルピロリドン等が挙げられる。
増粘材としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類またはこれらのアンモニウムおよびアルカリ金属塩、ポリ(メタ)アクリル酸またはこれらのアンモニウム塩およびアルカリ金属塩、ポリビニルアセトアミド(NVA)またはNVA-アクリル酸ソーダ共重合体、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン、等が挙げられる。これらの増粘材の中でも、活物質が分散したスラリーを容易に作製出来るため、カルボキシメチルセルロース、及びポリ(メタ)アクリル酸またはこれらのアンモニウム塩およびアルカリ金属塩、及びポリビニルアセトアミド(NVA)またはNVA-アクリル酸ソーダ共重合体を用いることが好ましい。
スラリーに含まれる増粘材の添加量は、活物質100質量部に対して0.5〜1.5質量部であることが好ましい。スラリーが前記の添加量で増粘材を含有する場合、スラリーの塗工性が良好なものとなるとともに、スラリーを塗布して乾燥してなる活物質層における活物質同士及び活物質と集電体との結着性がより一層優れたものとなる。
本実施形態のスラリーを調製する方法としては、公知の方法を用いることができ特に限定されない。例えば、バインダー分散液と、活物質と、必要に応じて含有される増粘材と、水性媒質(分散媒)とを、攪拌式、回転式、または振とう式などの混合装置を使用して混合する方法が挙げられる。
電池の耐久性などの観点から、スラリーのpHは、2〜10であることが好ましく、6〜9であることがより好ましい。
「リチウムイオン二次電池用電極」
本実施形態の電極(リチウムイオン二次電池用電極)は、本実施形態のスラリーを用いて形成されたものである。
例えば、本実施形態の電極は、本実施形態のスラリーを集電体上に塗布し、乾燥させて活物質層を形成した後、適当な大きさに切断することにより製造できる。
本実施形態の電極に用いられる集電体としては、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレスなどの金属性のものが挙げられ、特に限定されない。集電体の形状についても、特に限定されないが、通常、厚さ0.001〜0.5mmのシート状のものが用いられる。
スラリーを集電体上に塗布する方法としては、一般的な塗布方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ドクターブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法およびスクイーズ法などを挙げることができる。これらの中でも、ドクターブレード法、ナイフ法、又はエクストルージョン法を用いることが好ましい。これらの方法は、リチウムイオン二次電池の電極に用いられるスラリーの粘性等の諸物性及び乾燥性に対して好適であり、良好な表面状態の塗布膜を得ることが可能である。
スラリーは、集電体の片面にのみ塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。スラリーを集電体の両面に塗布する場合は、片面ずつ逐次塗布してもよいし、両面同時に塗布してもよい。また、スラリーは、集電体の表面に連続して塗布してもよいし、間欠で塗布してもよい。スラリーを塗布してなる塗布膜の厚さ、長さや幅は、電池の大きさなどに応じて、適宜、決定できる。
スラリーを塗布してなる塗布膜を乾燥して活物質層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、乾燥方法として、熱風、真空、(遠)赤外線、電子線および低温風を単独あるいは組み合わせて用いることができる。塗布膜を乾燥させる温度は、通常40〜180℃の範囲であり、乾燥時間は、通常1〜30分である。
本実施形態においては、活物質層の形成された集電体を、電極として適当な大きさや形状にするために、切断する。活物質層の形成された集電体の切断方法は特に限定されない。例えば、スリット、レーザー、ワイヤーカット、カッター、トムソン等を用いることができる。
本実施形態においては、活物質の滑落を低減し、更に電極を薄くすることによるリチウムイオン二次電池のコンパクト化が可能である。そのため、活物質層の形成された集電体を切断する前または後に、必要に応じてプレスしてもよい。プレスの方法としては、一般的な方法を用いることができ、特に金型プレス法やロールプレス法を用いることが好ましい。プレス圧は、特に限定されないが、プレスによる活物質へのリチウムイオンのドープ/脱ドープに影響を及ぼさない範囲である0.5〜5t/cmとすることが好ましい。
「リチウムイオン二次電池」
本実施形態の電池(リチウムイオン二次電池)は、本実施形態の電極を含むものである。本実施形態の電池は、正極と、負極と、電解液と、必要に応じて設置されるセパレータ等の部品とが、外装体に収容されたものである。本実施形態においては、正極と負極のうちの一方または両方に本実施形態の電極を用いることができる。電極の形状としては、積層体や捲回体が挙げられ、特に限定されない。
電解液は、電解質と、電解質を溶解する溶媒とを含むものである。
電解質としては、公知のリチウム塩を用いることができ、活物質の種類等に応じて適宜選択できる。電解質としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、CFSOLi、CHSOLi、LiCFSO、LiCSO、Li(CFSON、脂肪族カルボン酸リチウム等が挙げられる。
電解質を溶解する溶媒としては、公知のものを用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジメチルカーボネート(DMC)等を用いることができる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。溶媒としては、環状カーボネートと、鎖状カーボネートとを組合せたものを用いることが好ましい。
外装体としては、金属外装体やアルミラミネート外装体などを適宜使用できる。
電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角型、扁平型等、いずれの形状であってもよい。
本実施形態の電池は、公知の製造方法を用いて製造できる。
以下に実施例および比較例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例および比較例中の「部」および「%」は、特に断りのない場合はそれぞれ「質量部」「質量%」を示す。
実施例中のバインダーの計算Tgおよびバインダー分散液の不揮発分については、上述の通りである。その他、実施例及び比較例で使用したバインダー、これらバインダーを用いて得た実施例及び比較例の電池の物性および性能評価試験は、以下の方法により行った。
(粘度)
ブルックフィールド型回転粘度計を用いて、液温23℃、回転数60rpm、No.1、No.2、またはNo.3ローターにて測定した。
(電極の剥離強度試験)
集電体である銅箔に、乾燥後の塗布量が7mg/cmになるようにスラリーを塗布し、60℃で10分加熱乾燥した後、さらに120℃で10分乾燥して電極を得た。得られた電極を23℃、50%RH(相対湿度)下で24時間放置した物を試験片とした。
剥離強度試験は、試験片のスラリー塗布面とステンレス板とを両面テープを用いて貼り合わせ、180°剥離強度(剥離幅25mm、剥離速度100mm/min)を測定した。
(切断時の活物質剥離)
得られた電極をカッターで切断した際に、切断面の活物質が剥離するかどうかを目視で観察した。
(抵抗値)
電池の抵抗値を測定するために、まず下限電圧(2.75V)になるまで一定電流(0.2C)で放電することにより、電池の残容量を0%にした。その後、定電流定電圧(CC−CV)充電(上限電圧(4.2V)になるまで定電流(CC)(1C)で充電し、定電圧(CV)(4.2V)で1.5時間が経過するまで充電)を行い、CC(0.1C)で2時間放電することで、電池の残容量を80%に調整した。
その後、0.2C、0.5C、1C、及び2Cの各電流で1秒間ずつ一定の電流で放電し、1秒後の電流値を横軸、電圧を縦軸に取り、プロットした。得られたプロットから、線形近似法により直線を描き、その傾きを抵抗値とした。この測定は25℃の条件下で行った。抵抗値が3.9Ω以下の電池を良好なものとする。
(充放電サイクル特性)
電池の充放電サイクル試験は、25℃の条件下、CC−CV充電(上限電圧(4.2V)になるまでCC(1C)で充電し、CV(4.2V)で1.5時間が経過するまで充電)とCC放電(下限電圧(2.75V)になるまでCC(1C)で放電)とを繰り返すことで行った。電池の充放電高温サイクル特性は、容量維持率、つまり1サイクル目の放電容量に対する300サイクル目の放電容量の割合を指標とした。容量維持率が85%以上の電池を充放電サイクル特性が良好なものとする。
(バインダーの合成)(実施例1−1)
冷却管、温度計、攪拌機、滴下ロートを有するセパラブルフラスコに、水175質量部、及び表1に示す界面活性剤3質量部を仕込み、75℃に昇温した。
その後、予め表1に示す原料を混合して乳化した単量体混合物と、重合開始剤とを80℃で3時間かけて攪拌しながらセパラブルフラスコに滴下し、乳化重合した。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム2質量部を水50質量部に溶解したものを用いた。
単量体混合物と重合開始剤とを滴下した後、攪拌しながら80℃で2時間熟成した。その後、冷却し、セパラブルフラスコにアンモニア水17質量部を添加して中和することにより、バインダーAを含むバインダー分散液Aを得た。
Figure 0006007263
(実施例1−2〜1−15)
使用する原料を表1〜表3に示す通りに変えた他は、実施例1−1と同様にして、それぞれバインダーB〜Oを含むバインダー分散液B〜Oを合成した。
表中、商品名で示されている原料の詳細は、それぞれ下記の通りである。
エレミノールJS−20:前記式(4)の構造式からなる化合物の40質量%水溶液、三洋化成工業株式会社製
ハイテノール08E:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、第一工業株式会社製
サイポマーWAM−II:メタクリルアミドエチルエチレン尿素:メタクリル酸:水=5:2:3(w/w)、ローディア日華(株)製
アクアロンKH−10:前記式(2)の構造式からなる化合物、第一工業株式会社製
Figure 0006007263
Figure 0006007263
(比較例1−1〜1−11)
使用する原料を表4および表5に示す通りに変えた他は、実施例1−1と同様にして、それぞれバインダーP〜Zを含むバインダー分散液P〜Zを合成した。
Figure 0006007263
Figure 0006007263
実施例1−1〜1−15で合成したバインダーの原料組成とガラス転移点温度およびバインダー分散液の不揮発分、粘度、pHを、表6〜表8に示す。同様に、比較例1−1〜1−11で合成したバインダーおよびバインダー分散液について表9、表10に示す。
表中、水溶液として反応に用いた原料の組成比は、不揮発分換算としている。
Figure 0006007263
Figure 0006007263
Figure 0006007263
Figure 0006007263
Figure 0006007263
(リチウムイオン二次電池の作製)
このようにして得られたバインダーA〜バインダーXを含むスラリーを用いて、以下に示すように、電極を形成し、これを含む実施例2−1〜2−18及び比較例2−1〜2−11の電池を製造し、評価した。その結果を表11に示す。
表11に示す「N.D.」はスラリーを混合する際に、分散不良を起こしたために、電極が得られなかったことを示す。
Figure 0006007263
(実施例2−1)
正極の作製について説明する。LiCoOを90質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン5質量%とを混合したものに、N−メチルピロリドンを100質量%添加して、さらに混合して正極用スラリーを作製した。得られた正極用スラリーを、ドクターブレード法により集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上にロールプレス処理後の厚さが100μmになるように塗布し、120℃で5分乾燥した。その後、プレス工程を経て正極を得た。
負極の作製について説明する。活物質として黒鉛(昭和電工社製、SCMG−BR−Om)を100質量部、導電補助剤としてアセチレンブラックを2質量部、および増粘剤としてカルボキシメチルセルロース−ナトリウム塩(日本製紙ケミカル(株)製商品名サンローズMAC500LC)を1質量部計りとった。その計りとった活物質に、少量の水を加えて、攪拌式混合装置(プラネタリミキサー)を用いて60回転/分で20分間固練りを行った。次にバインダーとしてバインダー分散液Aを、先に加えた黒鉛100質量部に対し、2質量部加え、水を黒鉛、アセチレンブラック、カルボキシメチルセルロース−ナトリウム塩およびバインダー分散液の合計105質量部に対し、先に加えたものとの合計で105質量部となるように添加して、さらに60回転/分で20分間混ぜ、負極用スラリーを作製した。
得られた負極用スラリーを、集電体となる厚さ18μmの銅箔の片面に乾燥後の塗布量が7mg/cmとなるようにドクターブレードを用いて塗布し、60℃で10分加熱乾燥後、さらに120℃で10分乾燥して活物質層を形成した。その後、金型プレスを用いてプレス圧2t/cmでのプレス工程を経て本発明の負極A1を得た。
電解液の調整について説明する。エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(EMC)とを体積比40:60で混合した。この混合溶媒に、LiPFを1.0mol/Lの濃度になるように溶解して、電解液を調整した。
電池の作製について説明する。正極、負極に導電タブをつけ、正極と負極との間にポリオレフィン系の多孔性フィルムからなるセパレータを介在させて、正極と負極との活物質が互いに対向するようにアルミラミネート外装体(電池パック)の中に収納した。この外装体中に電解液を注入し、真空ヒートシーラーでパッキングし、負極が本発明の電極である、単層のラミネート型の電池A1を得た。
(実施例2−2〜2−4)
増粘材の種類およびバインダー分散液の使用量を表11に示す通り変えた他は、実施例2−1と同様にして負極A2〜A4および電池A2〜A4を得た。
表11に記載の増粘剤はそれぞれ下記を表す。
CMC:カルボキシメチルセルロース−ナトリウム塩(日本製紙ケミカル(株)製商品名サンローズMAC500LC)
PAa:ポリアクリル酸ソーダ
NVA−Aa:N−ビニルアセトアミド−アクリル酸ソーダ共重合体
(実施例2−5〜2−18、比較例2−1〜2−11)
バインダー分散液Aの代わりに、バインダー分散液B〜Zを用いたこと以外は、実施例2−1と同様の操作を行い、負極B〜Z、及び電池B〜Zを得た。
表1〜表11に示す実施例2−1〜2−18と比較例2−1〜2−11との比較から、バインダーA〜Oのいずれかのバインダーを含むスラリーを用いて形成した活物質層と金属箔とから構成される電極A1〜Oは、剥離強度が良好で、電極を切断する際に活物質層が剥離しにくいものであることがわかる。電極A1〜Oを備えた電池A1〜Oは、低抵抗値で充放電サイクル時の寿命特性が高いものであることがわかる。
これに対し、比較例2−1では、N原子含有エチレン性不飽和単量体を含まないバインダーPを含むスラリーを用いて電極Pを形成したため、剥離強度が不十分で、電極を切断する際に活物質層が剥離した。このため、比較例2−1の電池Pは、抵抗値が高く、充放電サイクル特性が低いものであった。
比較例2−2では、N原子含有エチレン性不飽和単量体が多いバインダーQを含むスラリーを用いて電極Qを形成したため、剥離強度が不十分で、電極を切断する際に活物質層が剥離した。このため、比較例2の電池Qは、充放電サイクル特性が低いものであった。
比較例2−3では、スチレン含有量が少なく、他のエチレン性不飽和単量体の多いバインダーRを含むスラリーを用いて電極Tを形成したため、剥離強度が不十分で、電極を切断する際に活物質層が剥離した。このため、比較例2−3の電池Rは、充放電サイクル特性が低いものであった。
比較例2−4では、スチレン含有量が多く、他のエチレン性不飽和単量体が少なく、ガラス転移温度が高いバインダーSを含むスラリーを用いて電極Sを形成したため、電極を切断する際に活物質層が剥離した。比較例2−4の電池Sは、充放電サイクル特性が低いものであった。
比較例2−5では、エチレン性不飽和カルボン酸を含まないバインダーTを含むスラリーを用いて電極を作成しようとしたが、スラリーが分散不良を起こしたため、電極を形成できなかった。
比較例2−6では、エチレン性不飽和カルボン酸の含有量が多いバインダーUを含むスラリーを用いて電極Uを形成したため、剥離強度が不十分で、電極を切断する際に活物質層が剥離した。このため、比較例2−6の電池Uは、充放電サイクル特性が低いものであった。
比較例2−7では、ガラス転移温度が高いバインダーVを含むスラリーを用いて電極Vを形成したため、電極を切断する際に活物質層が剥離した。
比較例2−8では、内部架橋剤を含まないバインダーWを含むスラリーを用いて電極Wを形成したため、これを備えた電池Vは、抵抗値が高く、充放電サイクル特性が低いものであった。
比較例2−9では、内部架橋剤の含有量が多いバインダーXを含むスラリーを用いて電極Xを形成したため、剥離強度が不十分で、電極を切断する際に活物質層が剥離した。このため、比較例2−9の電池Xは、充放電サイクル特性が低いものであった。
比較例2−10では、スチレンの含有量が少ないバインダーYを含むスラリーを用いて電極Yを形成しようとしたが、スラリーが分散不良を起こしたため、電極を形成することができなかった。
比較例2−11では、ガラス転移温度が高いバインダーZを含むスラリーを用いて電極Zを形成したため、剥離強度が不十分で、かつ電極に割れが生じた。このため比較例2−11の電池Zは、抵抗が高く充放電サイクル特性が低いものであった。

Claims (5)

  1. 全エチレン性不飽和単量体に対して、スチレン15〜70質量%、N原子含有エチレン性不飽和単量体1〜10質量%、エチレン性不飽和カルボン酸1〜10質量%、内部架橋剤0.1〜5質量%、及びこれらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体22質量%〜82.9質量%からなるエチレン性不飽和単量体を、界面活性剤の存在下、水性媒質中で乳化重合して得られるものであり、ガラス転移温度が−55〜30℃であり、
    前記N原子含有エチレン性不飽和単量体が、(メタ)アクリルアミド、アルキル基の炭素数が1〜4であるN−アルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル基の炭素数が1または2であるN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル基の炭素数が1または2であるN‐ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノ基を除く部分のアルキル基の炭素数が1〜4であるジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、または(メタ)アクリルアミドエチルエチレン尿素から選ばれる少なくとも1種以上の不飽和単量体であり、
    前記エチレン性不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸からなる群より選ばれる不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸からなる群より選ばれる不飽和ジカルボン酸および該不飽和ジカルボン酸のハーフエステルのいずれか1種以上であり、
    前記内部架橋剤が、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビニルトリメトキシシラン、またはビニルトリエトキシシランのいずれか1種以上であり、
    前記他のエチレン性不飽和単量体が、エチレン性不飽和カルボン酸エステルであり、
    前記界面活性剤が、以下の式(1)〜式(4)で表わされる界面活性剤から選ばれる少なくとも1種以上を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池電極用バインダー。
    Figure 0006007263
    (式(1)中、Rはアルキル基、nは10〜40の整数である。)
    Figure 0006007263
    (式(2)中、nは10〜12の整数、mは10〜40の整数である。)
    Figure 0006007263
    (式(3)中、Rはアルキル基、MはNH またはNaである。)
    Figure 0006007263
    (式(4)中、Rはアルキル基、MはNaである。)
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダーと活物質と水性媒質とを含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
  3. カルボキシメチルセルロースを含むことを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
  4. 請求項2に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリーを用いて形成されたものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用電極を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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