JP6099726B1 - 車両用回転電機 - Google Patents
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Abstract
Description
これにより発熱部品の冷却に最適な位置に従来どおり吸気口を配置し、車両による被水が酷くなった場合を想定しても、防水用壁が設けられているので、吸気口の位置を変えることなく冷却性を保つことができる。更に吸気口の位置を変える必要がないので、リヤカバーの種類を増やす必要もなく、部品点数や組付工数の増加を抑制しコストが低減でき、リヤカバーを樹脂成形品等一体構造の同一部品とすることにより防水用壁が容易に製作可能となっている。
更に、外周面部の吸気口は、吸気量を多く取ろうとする場合、吸気口を大きくすればよいが、飛び石等の異物の侵入や強度の点で問題があった。しかしこの発明によれば、リヤカバーと防水用壁との一体化によりリヤカバーの強度を落すことなく冷却性の向上と異物侵入防止の機能を実現できる。また回転電機を取り扱う際に、防水用壁があることにより吸気口に指が入って切傷する危険や感電の危険から守られる。
また、リヤカバーが防水用カバーと別体の場合、取り付ける車種の違いによりそれぞれの防水用カバーが必要な場合が多くコスト増大となっていたが、この発明の、一体構造のリヤカバーであれば、回転電機としては車種毎に車両取付部の形状は異なるにしても、それは元々の仕様でありリヤカバーとしては流用できる可能性が高く、車両の被水対策毎にリヤカバーを変更しなくてよくなるのでこのような面でもコストの低減ができる。
また、部品の冷却問題等で吸気口を塞ぐ処置ができない場合には、別部品にて防水用カバーを構成することがあったが、このような必要が無くなるのでこの面でも部品点数の削減・取付工数削減によりコスト低減となる。
なお、各図間において、同一符号は同一或いは相当部分を示す。
図1はこの発明の実施の形態1における車両用回転電機を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1における車両用回転電機をリヤ側から見た側面図である。
回転電機1は、大きな構成部品として駆動部29とインバータアセンブリ30で構成される。
回転子2は、両端部がそれぞれ軸受7、8を介してフロントブラケット4とリヤブラケット5に回転自在に支持された回転軸11を備える。回転軸11の一端部は、フロントブラケット4より突出して、その先端部に図示しない内燃機関と双方向にトルクを授受するためのプーリ12が取り付けられており、図示しないベルトを介してその内燃機関と接続されている。
磁極位置検出センサー6は、センサーステータ6aとセンサーロータ6bより構成され、鉄心のみのセンサーロータ6bは、センサーステータ6aの内側で回転軸11に設けられ、センサーステータ6aは、冷却用ヒートシンク28に装着され信号配線は制御モジュール17に接続されている。
インバータアセンブリ30は、駆動時の電機子電流の供給及び発電時の電機子電流の整流を行うためのスイッチング素子を周辺回路と共にまとめた整流器モジュール9と、界磁電流を制御するためのスイッチング素子を周辺回路と共にまとめた界磁モジュール10と、整流器モジュール9と界磁モジュール10が搭載された冷却用ヒートシンク28と、各モジュールの電力系の端子と接続されるターミナルを備えた枠体状のケース14と、整流器モジュール9と界磁モジュール10を制御するための制御回路が構成された制御モジュール17などで構成される。
インバータアセンブリ30の中央に位置し回転軸11が通る空間Wには、ブラシホルダ16が配置され、インバータアセンブリ30に固定される。
駆動部29が配置されたリヤブラケット5のリヤ側には、コネクティングボード18とボス5cが設けられ、インバータアセンブリ30は、インバータアセンブリ30の組立後にネジ22によってリヤブラケット5に固定される。
また、リヤカバー15は、係合部19にて装着された後、リヤカバー15に貫通して設けられた出力端子部25の車両側ハーネス廻り止め26により、ハーネス廻り止め26と共にナット27によっても固定される。
また、リヤカバー外周面15e1の吸気口(通風口)15aの外側口縁部には、吸気口15aの開口部を覆い、吸気口15aへの水の侵入を防止する防水用壁15cがリヤカバー15と一体に樹脂成型され、被水によって吸気口15aから回転機内部へ水が侵入するのを防止している。
このように冷却通風路を発熱部品部周囲と対向する数カ所に絞る(集中させる)ことにより、無駄な通風をなくすことにより冷却風の流量をUPさせると共に、被水による防水性を向上させることができる。
これにより発熱部品の冷却に最適な位置に従来どおり吸気口15aを配置し、車両による被水が酷くなった場合を想定しても、防水用壁15cが設けられているので、吸気口15aの位置を変えることなく冷却性を保つことができる。更に吸気口15aの位置を変える必要がないので、リヤカバーの種類を増やす必要もなく、またリヤカバー15を樹脂成形品等とすることにより防水用壁15cが容易に製作可能となっている。
図3に基づいて実施の形態2における車両用回転電機のリヤカバーを説明する。
図3はリヤカバーの防水用壁を示す説明図で、このリヤカバーは図2のX箇所に適用され車両の進行方向とは逆方向である冷却風の風上から見た図である。
第2吸気口15a2は、タイヤによって跳ね上げられた下方向からものか、或いは跳ね上がった水がボンネットに当たり、そこから垂れ落ちる上方向からのものが主な原因であるが、車両前後方向の被水はそれより少ない場合、上記のような第2吸気口15a2を設けるようにしてもよい。
なお、基本的な構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
図4に基づいて実施の形態3おける車両用回転電機のリヤカバーを説明する。
図4において、実施の形態3におけるリヤカバー15は、防水用壁15cが外周方向にテーパ形状に広がっており、砂塵等の異物が堆積し難い構造となっている。これにより冷却風路が狭くなる懸念がなくなる。
実施の形態1の防水用壁15cでは、その目的上、侵入物排出用の穴が開いていないため、砂塵や結露した水等が溜まり通風路を狭めることが考えられるが、このカバー部をテーパ形状にすることにより、異物が溜まりにくくなり、通風路が確保できるので安定した冷却性を保つことができる。
なお、基本的な構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
5:リヤブラケット、 5c:ボス、 9:整流器モジュール、
10:界磁モジュール、 11:回転軸、 14:ケース、 15:リヤカバー、
15a:リヤカバー外周面(膨出段部15eの蹴上部)の吸気口(通風口)、
15a2:第2吸気口(通風口)、
15b:リヤカバー底面中央部の吸気口(通風口)、
15c:防水用壁、 15d:補強リブ、 15e:膨出段部、
15e1:リヤカバー外周面(膨出段部15eの蹴上部)、
17:制御モジュール、 18:コネクティングボード、 19:係合部、
21:ファン、 22:ネジ、 28:冷却用ヒートシンク、
29:駆動部、 30:インバータアセンブリ
Claims (4)
- 固定子巻線を有する固定子、この固定子に対向して回転自在に支持され界磁巻線を有する回転子、前記固定子を保持するフロントブラケットとリヤブラケット、このフロントブラケットとリヤブラケットにそれぞれ設けた軸受を介して回転自在に支持された回転子軸、この回転子軸の両端部に取り付けられ前記回転子の回転に伴って冷却風を発生させるファン、整流器モジュールと界磁モジュールとこれらのモジュールを冷却する冷却用ヒートシンクと制御モジュールとを有するインバータアセンブリ、このインバータアセンブリを内包した枠体状のケース、及びこのケースに取り付けられ前記インバータアセンブリを覆い保護する樹脂製のリヤカバーを備えた車両用回転電機であって、
前記リヤカバーは、前記インバータアセンブリを覆う底部と、このインバータアセンブリの外周形状と枠体状の前記ケースの外周形状に沿う枠体形状の外周面部とによって構成され、前記リヤカバーの外周面部において前記インバータアセンブリの発熱部品と対向する箇所には、段差を以って外向きに突き出た階段状の膨出段部がそれぞれ形成され、この膨出段部の蹴上部であるリヤカバー外周面部と、前記リヤカバーの底部中央部には、前記ファンに通じ前記インバータアセンブリ内を冷却する通風口がそれぞれ設けられ、前記リヤカバー外周面部に設けた通風口の外側口縁部には、この通風口の開口部を覆い、この開口部への水の侵入を防止する防水用壁が、前記膨出段部と一体に形成され、前記防水用壁には、隣り合う前記通風口間を隔離する補強リブが前記膨出段部と一体に設けられていることを特徴とする車両用回転電機。 - 前記リヤカバーは、リヤカバー側の係合爪とケース側の係合爪受け部で構成された係合部の弾性的係合により前記ケースに装着された締結部、及び当該リヤカバーに設けられた出力端子部の車両側ハーネス廻り止めとナットによって構成された締結部を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用回転電機。
- 前記防水用壁は、外方に向かって拡がるテーパ形状としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用回転電機。
- 車両前後方向の位置にある前記リヤカバーの防水用壁には、前記通風口への水の直接侵入を防ぐ第2通風口が、前記通風口と齟齬状態で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用回転電機。
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