本発明に係る第1の態様の空気調和機は、リモコンと室内機とを備える空気調和機であって、前記リモコンは、室内機から送信された情報を表示する表示部を有し、前記室内機は、前記空気調和機の運転設定が変更されると複数のパラメータから算出される省エネ指標を算出する省エネ指標算出部と、前記省エネ指標を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前回の省エネ指標と、現在の省エネ指標とを比較して、前記パラメータのうち最も変化したパラメータに関する理由情報を生成する理由情報生成部とを有し、現在の省エネ指標が前回の省エネ指標から変化した場合には、省エネ指標とともに理由情報を前記リモコンに送信するものである。
このように構成された本発明に係る第1の態様の空気調和機は、運転設定のうち複数のパラメータを変化させた場合であっても、省エネ指標が変化していない場合、つまり、複数の設定変更が打ち消し合い、省エネ性が変わらないような設定変更をした場合には、それらの設定変更の内容を理由情報として表示せず、省エネ指標が変化した場合のみ、省エネ指標とともに省エネ指標が最も変化した理由を表示させることで、使用者に、多くの文字を読む煩わしさを感じさせることなく、どの設定変更が最も省エネ性の変化につながるのかを容易に理解してもらえる。このため、使用者に対して、より適切な省エネ運転を促すことにより、省エネ性を向上させることができる。
本発明に係る第2の態様の空気調和機は、前記の第1の態様において、現在の省エネ指標が前回の省エネ指標から変化しなかった場合には、省エネ指標のみを前記リモコンに送信するものである。このように構成された本発明に係る第2の態様の空気調和機は、現在の省エネ指標が前回の省エネ指標から変化しなかった場でも、使用者は省エネ指標を確認でき、より利便性が向上する。
本発明に係る第3の態様の空気調和機において、前記の第1の態様における前記複数のパラメータには、予め定められた省エネ運転モードと、設定温度とを含むものである。このように構成された本発明に係る第3の態様の空気調和機は、空気調和機の省エネ性の変化に関連の高いパラメータを含めることで、実際の電力消費量と省エネ指標との相関の精度を向上させることができ、使用者に対して、より適切な省エネ運転の設定を促すことができる。
本発明に係る第4の態様の空気調和機において、前記の第1の態様における前記記憶部は、空気調和機の停止後に、記憶していた省エネ指標を削除するものである。このように構成された本発明に係る第4の態様の空気調和機は、過去の運転状況に左右されることなく、運転ごとの省エネ指標を表示することができる。
以下、本発明の空気調和機に係る実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の空気調和機においては、具体的な構成について説明するが、本発明は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が適用された各種空気調和機を含むものである。
<空気調和機の全体構成>
図1は、本発明の空気調和機1の概略構成を示す。図1に示すように、空気調和機1は、室内機2とリモコン3と室外機4とを備える。室内機2は室外機4と冷媒配管5によって接続され、冷凍サイクルを構成する。リモコン3は室内機2と双方向通信を行う。使用者がリモコン3を操作することにより、室内機2の運転を制御する。また、室内機2は、内部に備えた熱交換器で熱交換し、送風ファンにより吹き出される空気の吹き出し方向を上下に変更する上下風向変更羽根(図示せず)や、空気の吹き出し方向を左右に変更する左右風向変更羽根(図示せず)を備える。さらに、室内機2は、室内の照度を検出する照度センサ6a、室内のどの領域に人が存在するかを検出する人体検知センサ6bを備える。
図2(a)、(b)は、空気調和機1のリモコン3の外観図を示す。図2(a)は、カバー20を開けて縦置きにした場合のリモコン3を示し、図2(b)は、カバー20を閉じて横置きにした場合のリモコン3を示す。
図2(a)、(b)に示すように、リモコン3は、複数のボタンで構成される操作部7と、表示部8と、報知部9とを備える。操作部7は、使用者が室内機2の運転のON/OFFを制御したり、室内設定温度や風向の設定を制御するための部分であり、カバー20によって覆われるように内側に配置される操作部7aと、カバー20上に配置される操作部7bとで構成される。表示部8は、空気調和機1の空調運転に関わる情報(空調運転情報)などを表示する部分である。本実施の形態では、表示部8として液晶画面が用いられているが、これに限らない。報知部9は、空調運転情報がリモコン3に存在することを報知するための部分である。本実施の形態では、報知部9として、点灯することにより報知するLEDが用いられているがこれに限らない。表示部8も液晶を点灯したり、バックライトを点灯するなどして報知部となり得る。
なお、本実施の形態では、空調運転情報として運転状況情報、省エネ指標、理由情報が用いられている。運転状況情報は、空気調和機1の運転状態に関する情報である。また、省エネ指標は、空気調和機1の運転状態に応じて算出される省エネ性の指標であり、理由情報は、どのような設定で省エネ指標が向上するかを使用者に通知する情報である。これらの具体的な内容については後述する。
図2(b)に示すカバー20上に配置された操作部7bのうち、運転入/切ボタン10は、使用者が室内機2の運転のON/OFFを切り替えるためのボタンである。また、「お知らせボタン12」は、使用者が空調運転情報を要求するためのボタンである。
図2(a)に示す内側に配置される操作部7aのうち、決定ボタン11は、表示部8に表示された選択肢を決定するためのボタンである。また、選択ボタン21は、表示部8に表示される選択肢を上下および左右方向にスクロールするためのボタンである。
このように構成されるリモコン3において、表示部8に表示される空気調和機1の空調運転情報は、室内機2とリモコン3とが双方向通信を行うことにより、室内機2からリモコン3へ送信される。その通信方法について、図3、4を用いて説明する。
図3は、室内機2およびリモコン3の概略構成を示すブロック図である。図3に示されるように、室内機2は、受信部13と、情報生成部14と、送信部15と、メモリ(本発明における記憶部)22とを備える。情報生成部14は、省エネ指標算出部14aと理由情報生成部14bとを備える。リモコン3は、前述した操作部7、表示部8、報知部9に加えて、送信部16と、受信部17と、メモリ23とを備える。
リモコン3の送信部16は、室内機2の受信部13へ信号を送信するよう構成される。室内機2の情報生成部14は、空調運転情報を生成するよう構成される。情報生成部14による具体的な空調運転情報の生成については後述する。室内機2のメモリ22は、情報生成部14にて生成された空調運転情報を保存するよう構成される。室内機2の送信部15は、情報生成部14が生成した空調運転情報や、室内機2のメモリ22に保存された空調運転情報を、リモコン3の受信部17へ送信するよう構成される。リモコン3のメモリ23は、リモコン3の受信部17が受信した空調運転情報を保存するよう構成される。リモコン3のメモリ23に保存された空調運転情報は、リモコン3の表示部8にて表示される。
上述した受信部13、情報生成部14、送信部15、メモリ22は室内機2の制御部内に存在し、操作部7、表示部8、報知部9、送信部16、受信部17、メモリ23はリモコン3の制御部内に存在している。
<コインタイマ機能>
また、空気調和機1は、運転の開始時に、または、運転中に、その運転を停止させるまでの上限の電気代を使用者が設定できる機能(いわゆる、コインタイマ機能)を備えている。つまり、空気調和機1は、使用者が上限の電気代を決定した後から空気調和機1が消費した電力量(消費電力量)に基づいて使用可能な残りの電気代を算出し、算出された残りの電気代を用いて運転することができる時間(運転可能時間)を使用者に提示するように構成されている。
より具体的には、空気調和機1は、空気調和機1の消費電力を検出する消費電力検出部と、残りの電気代を算出する残量算出部と、運転可能時間を算出する運転可能時間算出部とを備えている。なお、運転可能時間算出部は、情報生成部14の一部として設けられていてもよい。
使用者が所望の上限の電気代をリモコン3の操作部7から入力または選択し、決定ボタン11を押下すると、リモコン3は、その上限の電気代に対応する信号を、送信部16から送信する。室内機2の受信部13が上限の電気代に対応する信号を受信すると、消費電力検出部は、消費電力量の検出を開始する。また、残量算出部は、消費電力検出部によって検出された消費電力量に基づいて、使用可能な残りの電気代を算出する。また、運転可能時間算出部は、残量算出部によって算出された使用可能な残りの電気代を用いて空気調和機1を運転することができる運転可能時間を算出する。情報生成部14はこの運転可能時間に基づいて運転可能時間情報を生成する。
また、情報生成部14は、コインタイマ機能による運転の停止後に、直前の運転で設定された電気代と実際に運転を行った運転時間とを含む運転結果情報を生成する。
<空調運転情報の作成および送受信>
上述のように構成される室内機2およびリモコン3における、空調運転情報の作成および信号、空調運転情報の送受信に関するフローチャートを図4、図5に示す。
<運転状況情報の作成および送受信>
まず、図4を用いて、空調運転情報のうち運転状況に関する情報の作成および送受信について説明する。図4に示すように、まず、使用者がリモコン3を操作することにより、室内機2の運転を開始する(ステップS1)。具体的には、室内機2の電源がOFFのときに、図2(b)に示す運転入/切ボタン10を使用者が押下することにより、リモコン3が室内機2と通信を行い、室内機2および室外機4の空調運転が開始される(室内機2の電源がONになる)。
ここで、室内機2の電源がONになってから、室内機2の情報生成部14は、所定時間ごと(例えば5分ごと)に、その時点での空調運転情報を生成する。生成された空調運転情報は随時メモリ22に上書き保存され、メモリ22には最新の空調運転情報が保存されている。
次に、リモコン3の送信部16が室内機2の受信部13へ信号を送信する(ステップS2)。具体的には、室内機2の運転開始から所定時間が経過したとき(本実施形態では30分後)に、リモコン3の送信部16が室内機2の受信部13へ情報要求信号を送信する。
ここで、リモコン3の送信部16による信号の送信と同時に、リモコン3の受信部17は受信可能状態に切り替えられる。本実施形態では、リモコン3の受信部17における受信可能状態の期間を1秒間に設定している。
次に、室内機2のメモリ22に保存された空調運転情報を、室内機2の送信部15がリモコン3の受信部17へ送信する(ステップS3)。具体的には、室内機2の送信部15の送信機能が動作されることにより、メモリ22に保存された空調運転情報の送信処理が行われる。
本実施形態では、室内機2の送信部15が送信処理に要する1回あたりの時間を0.5秒間に設定している。前述のように、ステップS2においてリモコン3の受信部17は受信可能状態に切り替えられているため、リモコン3の受信部17は、室内機2の送信部15から送信される空調運転情報を受信することができる。なお、リモコン3の受信部17が受信した空調運転情報は、随時、リモコン3のメモリ23に上書き保存される。
次に、リモコン3の受信部17が空調運転情報を受信したことについて、リモコン3の報知部9が使用者に報知する(ステップS4)。具体的には、室内機2の送信部15からの空調運転情報をリモコン3の受信部17が受信すると、図2(a)、(b)に示すリモコン3の報知部9が点灯することにより、リモコン3における空調運転情報の存在が報知され、使用者はそれを認識することができる。このとき、リモコン3の表示部8には、使用者に対して空調運転情報の開封を要求するメッセージが表示される。
次に、リモコン3のメモリ23に保存された空調運転情報を、リモコン3の表示部8が表示する(ステップS5)。具体的には、報知部9により空調運転情報の存在を認識し、表示部8にて開封要求のメッセージを確認した使用者が、図2(a)に示すリモコン3の表示部8に表示された「メール」アイコンを選択し、リモコン3の決定ボタン11を押下することにより、リモコン3の表示部8に空調運転情報が表示される。あるいは、使用者が「お知らせボタン12」を押下すると、リモコン3の表示部8に空調運転情報が表示される。
なお、室内機2およびリモコン3において、送受信した空調運転情報は所定時間経過後に消去される(例えば、48時間後)。
以上、ステップS1−S5が実施されることにより、使用者はリモコン3の表示部8にて空調運転情報を認識することができる。
<省エネ指標と理由情報の作成および送受信>
次に、図5を用いて、空調運転情報のうち省エネ指標と理由情報に関する情報の作成および送受信について説明する。図5に示すように、まず、使用者がリモコン3を操作する
ことにより、室内機2の運転を開始する(ステップS1)。具体的には、室内機2の電源がOFFのときに、図2(b)に示す運転入/切ボタン10を使用者が押下することにより、リモコン3が室内機2と通信を行い、室内機2および室外機4の空調運転が開始される(室内機2の電源がONになる)。
室内機2の電源がONになると、省エネ指標算出部14aは、その時点での省エネ指標を算出する(ステップS2)。省エネ指標算出部14aによる具体的な省エネ指標の算出については後述する。
次に、リモコン3の送信部16が室内機2の受信部13へ信号を送信する(ステップS3)。具体的には、室内機2の運転開始から所定時間が経過したとき(本実施の形態では30分後)に、リモコン3の送信部16が室内機2の受信部13へ情報要求信号を送信する。あるいは、使用者がリモコン3の「お知らせボタン12」を押下すると、リモコン3の送信部16が室内機2の受信部13へ情報要求信号を送信する。
ここで、リモコン3の送信部16による信号の送信と同時に、リモコン3の受信部17は受信可能状態に切り替えられる。本実施の形態では、リモコン3の受信部17における受信可能状態の期間を1秒間に設定している。
次に、算出された省エネ指標を、室内機2の送信部15がリモコン3の受信部17へ送信する(ステップS4)。具体的には、室内機2の送信部15の送信機能が動作されることにより、省エネ指標を空調運転情報として送信する送信処理が行われる。
また、本実施の形態では、室内機2の送信部15が送信処理に要する1回あたりの時間を0.5秒間に設定している。前述のように、ステップS4においてリモコン3の受信部17は受信可能状態に切り替えられているため、リモコン3の受信部17は、室内機2の送信部15から送信される空調運転情報を受信することができる。
次に、リモコン3に送信された省エネ指標は、室内機2のメモリ22に保存される(ステップS5)。なお、リモコン3が受信した省エネ指標は、随時、リモコン3のメモリ23に上書き保存される。
次に、リモコン3の受信部17が空調運転情報を受信したことについて、リモコン3の報知部9が使用者に報知する(ステップS6)。具体的には、室内機2の送信部15からの空調運転情報をリモコン3の受信部17が受信すると、図2(a)、(b)に示すリモコン3の報知部9が点灯することにより、リモコン3における空調運転情報の存在が報知され、使用者はそれを認識することができる。このとき、リモコン3の表示部8には、使用者に対して空調運転情報の開封を要求するメッセージが表示される。
次に、リモコン3のメモリ23に保存された空調運転情報を、リモコン3の表示部8が表示する(ステップS7)。具体的には、報知部9により空調運転情報の存在を認識し、表示部8にて開封要求のメッセージを確認した使用者が、図2(a)に示すリモコン3の表示部8に表示された「メール」アイコンを選択し、リモコン3の決定ボタン11を押下することにより、リモコン3の表示部8に空調運転情報が表示される。あるいは、使用者が「お知らせボタン12」を押下すると、リモコン3の表示部8に空調運転情報が表示される。
なお、リモコン3において、送受信した空調運転情報はリモコン3の表示部8に表示された後、所定時間経過後に消去される(例えば、48時間後)。
次に、室内機2の制御部は、使用者がリモコン3を操作することにより、省エネ運転モードの設定や設定温度などの運転設定を変更があったか否かを判定する(ステップS8)。具体的には、リモコン3の送信部16から室内機2の受信部13へ運転設定を変更する信号が送信されたか否かを判定する。
運転設定の変更がなかった場合には、ステップS8の判定を繰り返し継続する。運転設定の変更があった場合には、省エネ指標算出部14aは、その時点での省エネ指標を算出する(ステップS9)。
次に、理由情報生成部14bは、ステップS9で算出した現在の省エネ指標と、メモリ22に保存された前回の省エネ指標とを比較する(ステップS11)。そして、ステップS9で算出した省エネ指標が、メモリ22に保存された省エネ指標から変化している場合には、理由情報生成部14bは、理由情報を生成する。理由情報生成部14bによる具体的な理由情報の生成については後述する。生成された理由情報はメモリ22に保存される(ステップS13)。なお、ステップS13の処理をステップS15の後に実行するもの、つまり、リモコン3へ送信した後に、空調運転情報をメモリ22に保存するものとしてもよい。
一方、ステップS9で算出した省エネ指標が、メモリ22に保存された省エネ指標から変化していない場合には、理由情報生成部14bで理由情報を生成することなく、ステップS13へ進む。
ここで、ステップS8で運転設定を変更しているにもかかわらず、省エネ指標が変化しない場合について説明する。後述するように、省エネ指標は、複数の省エネ性に関連する項目(パラメータ)をもとに算出するものであるが、複数の設定変更を同時に行った結果、設定変更による省エネ性の変化が打ち消し合うような場合には、結果的に、省エネ指標は変化しない。このような場合には、理由情報生成部14bで理由情報を生成しない。
次に、リモコン3の送信部16が室内機2の受信部13へ信号を送信する(ステップS14)。そして、室内機2のメモリ22に保存された空調運転情報を、室内機2の送信部15がリモコン3の受信部17へ送信する(ステップS15)。具体的には、ステップS11で、省エネ指標が前回の省エネ指標から変化していると判定された場合には、ステップS9で算出された省エネ指標とステップ12で生成された理由情報とを空調運転情報として送信する送信処理が行われることとなる。一方、省エネ指標が前回の省エネ指標から変化していないと判定された場合には、理由情報の生成とその保存が行われていないために、ステップS9で算出された省エネ指標のみを空調運転情報として送信する送信処理が行われることなる。なお、省エネ指標が前回の省エネ指標から変化していないと判定された場合には、省エネ指標を送信する送信処理を省略してもよい。
そして、ステップS14において受信可能状態に切り替えられているリモコン3の受信部17は、室内機2の送信部15から送信される空調運転情報を受信することができる。なお、リモコン3の受信部17が受信した空調運転情報は、随時、リモコン3のメモリ23に上書き保存される。
次に、リモコン3の受信部17が空調運転情報を受信したことについて、リモコン3の報知部9が使用者に報知する(ステップS16)。そして、リモコン3のメモリ23に保存された空調運転情報を、リモコン3の表示部8が表示する(ステップS17)。具体的には、報知部9により空調運転情報の存在を認識し、表示部8にて開封要求のメッセージを確認した使用者が、リモコン3の表示部8に表示された「メール」アイコンを選択し、リモコン3の決定ボタン11を押下することにより、リモコン3の表示部8に空調運転情
報が表示される。あるいは、使用者が「お知らせボタン12」を押下すると、リモコン3の表示部8に空調運転情報が表示される。
具体的には、省エネ指標が前回の省エネ指標から変化していた場合には、省エネ指標が理由情報とともに、空調運転情報として表示され、省エネ指標が前回の省エネ指標から変化していない場合には、省エネ指標のみが空調運転情報として表示される。なお、省エネ指標が前回の省エネ指標から変化していない場合には、省エネ指標の表示を省略してもよい。
その後、使用者がリモコン3を操作することにより、室内機2の運転を終了されたか否かを判定する(ステップS18)。具体的には、室内機2の電源がONのときに、運転入/切ボタン10を使用者が押下することにより、リモコン3が室内機2と通信を行い、室内機2および室外機4の空調運転が終了される(室内機2の電源がOFFになる)。
運転が終了されていない場合には、ステップS8に戻り、運転設定の変更があるか否かの判定を繰り返し継続する。運転が終了された場合には、室内機2のメモリ22に保存され空調運転情報である省エネ指標や理由情報を消去する(ステップS19)。
本実施の形態では、運転終了後にメモリ22に保存された空調運転情報を消去しているために、仮に、ステップS2の後に、ステップS10のような処理をおこなうフローとした場合であっても、過去の運転における省エネ指標と現在の省エネ指標とを比較してしまうことが防止できる。
以上、ステップS1−S19が実施されることにより、使用者はリモコン3の表示部8にて空調運転情報を認識することができる。
以上のように、本実施の形態では、室内機2の情報生成部14によって省エネ指標および理由情報が生成されるとともに、その後リモコン3に送信され、使用者はその内容を確認することができる。これにより、使用者は、どの設定変更が最も省エネ性の向上につながるのかを容易に理解することができる。このため、使用者は、将来、より省エネにつながるような空気調和機1の運転をさせたい場合には、省エネ性の向上に貢献度の高い運転設定を選択することができ、空気調和機1の省エネ性を向上させることができる。
しかも、本実施の形態では、複数の設定変更を同時に行ったために、結果的に省エネ指標に変化がない場合には、理由情報が生成されたり、リモコン3に送信されたりすることがないため、使用者は、情報が多すぎて混乱したり、煩わしさを感じたりすることがない。
<送受信タイミング>
図4のステップS2−S5、図5のステップS3−S7、または、ステップS14−S17が実施されると、室内機2からリモコン3へ、空調運転情報が1回送信される。その後、図4のステップS2−S5、図5のステップS3−S7、または、ステップS14−S17を1サイクルとして、予め定められた所定のタイミングにて、このサイクルが繰り返し実施される。これにより、空調運転情報が断続的にリモコン3へ送信される。
図6を用いて、リモコン3の送信部16が室内機2の受信部13へ信号を送信するタイミングおよびリモコン3の受信部17が受信可能状態となるタイミング(所定のタイミング)について説明する。図6は、時間の経過とともに、室内機2およびリモコン3が信号および空調運転情報を送受信するタイミングチャートを示す。
本実施の形態における所定のタイミングは、図6に示すように、室内機2が空調運転を開始したときを起点として30分間隔に設定される。具体的には、室内機2の空調運転開始から30分間隔で、リモコン3の受信部17が受信可能状態になり、同時に、リモコン3の送信部16が室内機2の受信部13に対して信号を送信する。
このように所定のタイミングを設定することで、室内機2の空調運転開始から30分ごとに、室内機2からリモコン3へ自動的に空調運転情報が送信される。
上述のように、本実施の形態にかかる空気調和機1では、リモコン3の受信部17は、断続的かつ自動的に受信可能状態となっている。リモコン3の送信機能や、受信機能を働かせると電池消耗が激しいが、本実施の形態にかかる空気調和機1では、リモコン3の送信部16や受信部17にタイマ機能を設け、タイマ機能により起動時から所定の時間毎に、リモコン3から室内機2へ信号を送信し、さらに、リモコン3の受信部17を断続的に受信可能状態としている。これにより、リモコン3の送信部16から常に送信可能状態としたり、リモコン3の受信部17を常に待機させて受信可能状態としたりする場合に比べて、リモコン3の電力消費を大幅に抑制することができる。
また、本実施の形態にかかる空気調和機1では、リモコン3の送信部16から室内機2の受信部13へ信号が送信されると、リモコン3の受信部17が受信可能状態になるとともに、室内機2の送信部15からリモコン3の受信部17へ空調運転情報が送信される。このように、リモコン3の受信部17の受信可能状態を確保した上で、室内機2からリモコン3へ空調運転情報を送信することにより、室内機2およびリモコン3の間にて、精度良く空調運転情報の送受信を行うことができ、空気調和機1の信頼性を向上させることができる。また、リモコン3の受信部17が受信可能状態となる期間を、室内機2の送信部15から空調運転情報が送信されるときを含むように設定することで、精度良く空調運転情報の送受信を行うとともにリモコン3の電力消費をさらに抑制することができる。
また、本実施の形態にかかる空気調和機1では、リモコン3の受信部17の1回あたりの受信可能状態となる期間を、室内機2の送信部15が送信処理を行う1回あたりの時間よりも長く設定している(1秒間>0.5秒)。これにより、室内機2およびリモコン3の間で精度良く空調運転情報の送受信を行うことができる。
なお、本実施の形態では、リモコン3は、リモコン3の送信部16から室内機2の受信部13へ情報要求信号を送信させる情報要求ボタンである「お知らせボタン12」を備え、使用者がリモコン3の「お知らせボタン12」を押下すると、所定のタイミングに関わらず、図4に示すステップS2−S5、図5に示すステップS3−S7、または、ステップS14−S17が実施され、室内機2からリモコン3へ空調運転情報が1回送信される。これにより、所定のタイミング以外にも、使用者は任意のタイミングで空調運転情報を認識することができる。したがって、利便性をさらに向上させることができる。
また、本実施の形態では、断続的かつ自動的にリモコン3の受信部17が受信可能状態となった場合と、情報要求ボタンが押下されリモコン3の受信部17が受信可能状態となった場合とで、室内機2の送信部15がリモコン3の受信部17へ送信する空調運転情報を、異なる内容としている。
具体的には、空調運転情報を、上述の所定のタイミング(本実施の形態では30分間隔)より短い間隔で変化する第1空調運転情報と、それ以外の情報である第2空調運転情報とに分類し、断続的かつ自動的に受信部17が受信可能状態となった場合には、第1空調運転情報を送信せず、第2空調運転情報のみを送信し、情報要求ボタンが押下され受信部17が受信可能状態となった場合には、第1空調運転情報と第2空調運転情報とを送信す
るものである。第1空調運転情報と第2空調運転情報の具体的な内容については後述する。
<空調運転情報の作成>
次に、室内機2の情報生成部14による空調運転情報の生成方法について具体的に説明する。本実施の形態における情報生成部14は、空調運転情報として、運転状況情報、省エネ指標、理由情報を生成する。
<運転状況情報の作成>
まず、情報生成部14が行う運転状況情報について説明する。運転状況情報としては、空気調和機1が有する運転モードの設定状況である運転モード情報、空気清浄機能やエアフィルタ掃除機能などの付加機能の運転が許可されているか禁止されているかの設定状況である付加機能設定情報、各運転モードや付加機能の運転中における、より詳細な運転段階を表す運転段階情報、付加機能や省エネ運転モードのうち運転が許可されていない機能の機能内容を説明する機能説明情報、コインタイマ機能に関する情報がある。
ここで、空気調和機1が有する運転モードには、冷房運転、冷房を行いながら除湿を行う冷房除湿運転、除湿することで冷えてしまう空気を暖めてから吹出すことにより室温の低下を防ぐ再熱除湿運転、暖房運転などがある。運転モード情報としては、例えば、運転モードのいずれかをリモコン3で選択して運転している状況を表す、「冷房」、「暖房」、「冷房除湿」、「再熱除湿」などの情報や、これらの運転モードを室内機2が自動的に選択して運転している状況を表す「自動」の情報がある。
付加機能設定情報としては、例えば、空気清浄機能が自動運転設定されていることを表す「空気清浄」や、エアフィルタ掃除機能が自動運転設定されていることを表す「自動お掃除」などの情報がある。
運転段階情報としては、例えば、暖房運転を行っている状況において、室外機4に設けられ冷凍サイクルを構成する室外熱交換器に付着した霜を溶かすための運転段階である除霜運転を行っていることを表す「除霜中」または「デアイス中」などの情報がある。また、冷房運転や暖房運転を行っている状況において、室内温度が設定温度となったために、室外機4に設けられ冷凍サイクルを構成する圧縮機の運転が停止していることを表す「サーモオフ中」などの情報がある。また、空調運転が停止している状況において、エアフィルタ掃除機能が運転中であることを表す「お掃除中」または「クリーン中」などの情報がある。
また、コインタイマ機能に関する情報としては、使用可能な残りの電気代を用いて空気調和機1を運転することができる運転可能時間に関する情報である運転可能時間情報と、コインタイマ機能による運転の停止後に、直前の運転で設定された電気代と実際に運転を行った運転時間に関する情報である運転結果情報がある。 このような運転状況情報は、室内機2の受信部13が受信したリモコン3からの信号や、冷凍サイクルや付加機能の制御手段からの信号に基づき、あらかじめメモリ22に記憶された情報から選択することにより生成される。
<省エネ指標の作成>
次に、省エネ指標算出部14aが行う省エネ指標の算出方法について、図7(a)、(b)を用いて説明する。省エネ指標算出部14aは、予め定められた省エネ運転モードの設定の有無と設定温度など2つ以上の省エネ性に関連する項目(パラメータ)をもとに省エネ指標を算出する。
省エネ指標は、図7(a)に示すように、運転モードごとに、省エネ性に関連する項目に応じて、予め定められた点数を加算することで算出される。
ここで、省エネ性に関連する項目としては、省エネ運転モード設定の有無、設定温度、風量設定、風向設定、除湿モードなどがある。
空気調和機1が有する省エネ運転モードには、一定の周期(リズム)で設定温度を上げて運転するリズム温度運転、日差しの有無に応じて設定温度を変更して運転する日射検知運転、人の存在の有無や活動量に応じて設定温度を変更して運転する人体検知運転、空気調和機の入力電流値に上限を設けるパワーセーブ運転などがある。これらの省エネ運転モードは、使用者の好みに応じて、条件に合致すれば動作させる(設定あり)か、条件と合致しても動作を禁止する(設定なし)かを、リモコン3の操作により選択できる。
リズム温度運転を設定ありとすると、室内温度が設定温度となった後(定常運転時)に、通常の運転の設定温度より温度を上げて運転し、人が暑さを感じはじめる前に通常の運転の設定温度に戻すことを一定の周期で繰り返すことにより、快適性を損なうことなく、電力の消費量を低く抑えた空調運転を実施できる。
日射検知運転を設定ありとすると、照度センサ6aにより日差しの有無を検知し、冷房運転や(冷房)除霜運転では、カーテン等で日射が遮蔽されたと判定された場合には、設定温度を上昇させる。暖房運転では、日射が入っていると判定された場合には、設定温度を低下させる。これにより、電力の消費量を低く抑えた空調運転を実施できる。
人体検知運転を設定ありとすると、人体検知センサ6bにより人の存在する領域を検知し、人の存在する領域に風向を向ける。また、人体検知センサ6bの検知回数から人の活動量(活動状態)を推定し、冷房運転や(冷房)除湿運転では、活動量と少ない(つまり、人は安静にしている状態)と判定された場合には、設定温度を上昇させる。暖房運転では、活動量が大きい(つまり、家事等を行っている状態)と判定された場合には、設定温度を低下させる。これにより、電力の消費量を低く抑えた空調運転を実施できる。
パワーセーブ運転を設定ありとすると、空調運転時における室外機4の電流値の上限を下げることにより(例えば、15Aを10Aに)、通常の空調運転時と比較して電力の消費量を低く抑えた空調運転を実施できる。なお、パワーセーブ運転は、冷房運転で設定するより暖房運転で設定するほうが、省エネ効果が大きいので、図7(a)に示すように、暖房運転での点数を冷房運転での点数より高く設定してある。
図7(a)に示すように、省エネ性に関連する項目には、それらの設定変更を行った場合の省エネ性への貢献の大きい順に優先順位がつけられている。省エネ運転モードを設定ありとすれば、上述のように、快適性を損なわない範囲で実質的に設定温度を変更して運転を行うために、省エネ運転モードに関する項目は、設定室温に関する項目より優先度が高くなっている。
また、省エネ運転モードの各項目の中では、その省エネ運転モードの適応可能な運転時間の長さに応じて優先順位がつけられている。つまり、定常運転時に行われるために、運転時間の大部分で省エネ効果を発揮できるリズム温度運転の優先順位が最も高くなっている。そして、日差しが有る場合や、人の活動状態が通常と異なる場合など、適応できる運転時間が比較的短い、日射検知運転や、人体検知運転が、リズム温度運転の次の優先順位に位置づけられている。また、空気調和機の運転直後など、室内の温度と設定温度との差が大きい場合のみに、省エネ効果を発揮するパワーセーブ運転の優先順位が最も低くなっている。
図7(a)では、省エネ性に関連する項目として除湿モードも位置づけられている。これは、再熱除湿運転は、室内の温度を一定に保とうとするために、冷房除湿運転より消費電力が増加する場合があるために、再熱除湿運転と冷房除湿運転のいずれの運転モードを選択するかによって省エネ性が変わるためである。
次に、設定温度に関しては、図7(b)に示すように、運転モードごとに、設定温度に応じて0点〜30点の点数が定められている。この点数については、冷房運転時には、室内設定温度が高いほど高い点数が与えられ、暖房運転時には、室内設定温度が低いほど高い点数が与えられる。
なお、図7(a)、(b)の各項目の点数は、運転モードごとに、最大100点の点数となるように設定されている。
省エネ指標算出部14aが行う省エネ指標の算出において、例えば、冷房運転でリモコン3の設定温度が28℃に設定され、リズム温度運転を設定ありとしていた場合には、図7(a)に示すリズム温度運転に関する項目の点数である10点と、図7(b)に示す設定温度28℃に応じた点数である30点とが加算され、省エネ指標は40点となる。
あるいは、暖房運転でリモコン3の設定温度が24℃に設定され、パワーセーブ運転を設定ありとしていた場合には、図7(a)に示すパワーセーブ運転に関する項目の点数である20点と、図7(b)に示す設定温度24℃に応じた点数である10点とが加算され、省エネ指標は30点となる。
<理由情報の作成>
次に、理由情報生成部14bによる理由情報の具体的な生成方法について説明する。理由情報生成部14bは、省エネ指標が変化した理由に関する情報である理由情報を生成する。
理由情報生成部14bは、まず、前回の省エネ指標の算出から変化した省エネ性に関する項目がいくつあるかを数え上げる。変化した項目が1つである場合には、その項目に関する情報を理由情報として算出する。
例えば、冷房運転でリモコン3の設定温度が28℃に設定され、日射検知運転の設定なしとされていた状態から、日射検知運転を設定ありとするように設定変更した場合には、理由情報生成部14bは、変化した項目である日射検知運転に関する項目についての情報を理由情報として作成する。この場合には、「日射検知運転が設定されたので省エネ指標が向上しました。」などのメッセージを理由情報として作成する。
変化した項目が2つ以上である場合には、それぞれの項目に対応して変化した点数を比較する。変化した点数が異なる場合には、最も点数変化が大きい項目に関する情報を理由情報として算出する。
例えば、冷房運転でリモコン3の設定温度が23℃に設定され、日射検知運転の設定なしとされていた状態から、設定温度が28℃に設定され、日射検知運転を設定ありとするように設定変更した場合について説明する。理由情報生成部14bは、まず、図7(b)に示すように設定温度23℃に応じた点数は0点であり、設定温度28℃に応じた点数は30点であることから、設定温度に関する点数変化は30点であると判定する。また、図7(a)に示すように日射検知運転の設定なしの点数は0点であり、設定ありの点数は20点であることから、日射検知運転に関する項目の点数変化は20点であると判定する。
そして、これらの点数変化を比較し、点数変化が大きい設定温度に関する項目についての情報を理由情報として作成する。この場合には、「設定温度が変更されたので省エネ指標が向上しました。」などのメッセージを理由情報として作成する。
また、点数変化が同じ項目が複数ある場合には、図7(a)に示すように予め定められた優先順位の高い項目に関する情報を理由情報として算出する。
例えば、暖房運転でリモコン3の設定温度が24℃に設定され、日射検知運転の設定なしされていた状態から、設定温度が20℃に設定され、日射検知運転を設定ありとするように設定変更した場合について説明する。理由情報生成部14bは、まず、図7(b)に示すように設定温度24℃に応じた点数は10点であり、設定温度20℃に応じた点数は30点であることから、設定温度に関する点数変化は20点であると判定する。また、図7(a)に示すように日射検知運転の設定なしの点数は0点であり、設定ありの点数は20点であることから、日射検知運転に関する項目の点数変化は20点であると判定する。そして、これらの点数変化は同じであるので、図7(a)の優先順位の高い日射検知運転に関する項目についての情報を理由情報として作成する。この場合には、「日射検知運転が設定されたので省エネ指標が向上しました。」などのメッセージを理由情報として作成する。
ここで、複数の設定変更を同時に行った結果、省エネ性の変化が打ち消し合い、結果的に、省エネ指標が変化しない場合について説明する。例えば、暖房運転でリモコン3の設定温度が24℃に設定され、パワーセーブ運転を設定ありとしていた場合には、図7(a)に示すパワーセーブ運転に関する項目の点数である20点と、図7(b)に示す設定温度24℃に応じた点数である10点とが加算され、省エネ指標は30点となる。この状態から、暖房運転でリモコン3の設定温度が20℃に設定され、パワーセーブ運転を設定なしとするように設定変更した場合には、図7(a)に示すパワーセーブ運転に関する項目の点数である20点は加算されず、図7(b)に示す設定温度20℃に応じた点数である30点のみとなるので、結果として、省エネ指標は設定変更前と同じ30点となる。
このような場合には、上述のように理由情報生成部14bで理由情報を生成しない。これにより、複数の設定変更を同時に行ったために、結果的に省エネ指標に変化がない場合には、理由情報が生成されたり、リモコン3に送信されたりすることがない。このため、使用者は、「パワーセーブ運転の設定を解除したことにより省エネ指標が低下したものの、設定温度が変更されたので省エネ指数は変化していません。」などといった複雑で理解し難い情報を読む必要がないため、情報が多すぎて混乱したり、煩わしさを感じたりすることがない。
<第1空調運転情報と第2空調運転情報>
空調運転情報は、断続的かつ自動的にリモコン3の受信部17が受信可能状態となる間隔より短い間隔で変更される第1空調運転情報と、それ以外の情報である第2空調運転情報とに分類される。
第1空調運転情報には、各運転モードや付加機能の運転中において、時々刻々と変化する、つまり、断続的かつ自動的にリモコン3の受信部17が受信可能状態となる間隔以下の間隔で変化する運転段階情報がある。
また、第1空調運転情報には、コインタイマ機能に関する情報のうち、時々刻々と変化する、つまり、断続的かつ自動的にリモコン3の受信部17が受信可能状態となる間隔以下の間隔で変化する運転可能時間情報がある。 第2空調運転情報には、空調運転中にリモコン3の設定変更をしない限り変化することがなく断続的かつ自動的にリモコン3の受
信部17が受信可能状態となる間隔より長い間隔で変化する運転モード情報と、その運転モード情報に基づいて算出される省エネ指標と、省エネ指標の変化により生成される理由情報とがある。
また、第2空調運転情報には、コインタイマ機能に関する情報のうち、設定された電気代と実際に運転を行った運転時間とを含む運転結果情報がある。
また、第2空調運転情報には、リモコン3の初期設定変更をしない限り変化しない付加機能設定情報と、その付加機能設定情報等に基づいて生成される機能説明情報とを含む。
そして、上述のように、本実施の形態では、断続的かつ自動的に受信部17が受信可能状態となった場合には、第1空調運転情報を送信せず、第2空調運転情報のみを送信し、情報要求ボタンが押下され受信部17が受信可能状態となった場合には、第1空調運転情報と第2空調運転情報とを送信する。
これにより、例えば、除霜運転を行っていることを示す「除霜中」のような時々刻々と変化する運転段階情報は、断続的かつ自動的に空調運転情報が取得された場合には表示されないので、使用者はリモコン3の表示部8を見たときに、その情報がいつ取得された情報であるかとか、その情報が現在の情報なのか過去の情報なのかを悩んだりすることがない。
また、使用者は情報要求ボタンを押下したときのみに、表示部8に表示される運転段階情報を読むことができるので、適時に現在の運転段階を知ることができる。これは、例えば、暖房運転中に室内機2から温風があまり吹き出されていないような状況では、使用者は空気調和機が故障したかと疑う場合もあるが、そのような際にも、使用者は情報要求ボタンである「お知らせボタン12」を押下することで、表示部8に「除霜中」といった情報が表示されるので、故障でないことがわかり、使用者の利便性の向上につながる。
さらに、断続的かつ自動的に受信部17が受信可能状態となる場合に送信する空調運転情報の情報量を少なくすることで、リモコン3の電池消耗を抑制できる。
また、本実施の形態では、断続的かつ自動的に空調運転情報が取得された場合には、付加機能や省エネ運転モードのうち運転が許可されていない機能の機能内容を説明する機能説明情報が表示部8に表示されるので、使用者は、表示部8に表示される機能説明情報を読むことにより、現在、運転許可していない機能や省エネ運転モードが、どのようなものであるかを理解することができ、空気調和機をより便利に使用したり、より省エネに使用したりすることが可能となる。これにより、使用者の利便性が向上する。
また、本実施の形態では、断続的かつ自動的に空調運転情報が取得された場合と、情報要求ボタンを押下した場合のいずれの場合でも、コインタイマ機能によって算出された運転可能時間は、リモコン3に送信され、リモコン3の表示部8に表示される。これにより、使用者は、適時、自身が決定した上限の電気代を用いて運転することができる残時間を知ることができる。これにより、使用者の利便性が向上する。
また、コインタイマ機能による運転停止後、自動的に空調運転情報が取得された際に、設定された電気代と実際に運転を行った運転時間とを含む運転結果情報が表示部8に表示されるので、使用者は、自身が決定した上限の電気代を用いて運転できた時間を知ることができる。これにより、使用者は、運転時間と電気代との関係を知ることができ、より省エネに使用する方法に対する興味がわくなど、省エネ意識が向上する。
なお、本実施の形態では、空調運転情報は、あらかじめ第1空調運転情報と、それ以外の情報である第2空調運転情報とに分類されるものとして説明したが、空調運転情報が生成される際に、その情報がどのくらいの時間で変化するかを予測することで分類しても良い。
例えば、エアフィルタ掃除機能が運転中であることを表す「お掃除中」または「クリーン中」などの運転段階情報は、過去の空調運転時間や、エアフィルタの汚れの程度により、エアフィルタの清掃に必要な時間を予測し、その予測時間と、あらかじめ定められた断続的かつ自動的に受信部17が受信可能状態となる間隔とを比較し、第1空調運転情報と第2空調運転情報とのいずれに分類するものとしてもよい。
<表示部の動作>
図8は、リモコン3の表示部8における省エネ指標および理由情報の表示例を示す。図8(a)は、空調運転情報として省エネ指標のみが送信された場合の表示例であり、図8(b)、(c)は、空調運転情報として省エネ指標と理由情報とが送信された場合の表示例である。
図8(a)、(b)では、省エネ指標として、リモコン3の受信部17に送信された点数を、葉っぱの画像に変換して表示している。具体的には、点数10点について1枚の葉っぱの画像を表示するようにし、点数変化に応じて葉っぱの枚数が変化するようにしている。なお、省エネ指標の点数をそのまま数字として表示部8に表示してもよい。
空調運転情報として省エネ指標と理由情報とが送信された場合には、図8(b)に示すように、まず、表示部8には省エネ指標が表示され、使用者がリモコン3の操作部7aの選択ボタン21を操作することにより、図8(c)に示すように、理由情報が表示される。図8(c)では、日射検知運転に関する項目についての理由情報である「日射検知運転が設定されたので葉っぱの枚数がアップしました。」というメッセージが葉っぱのマークが増加していることをイメージさせる画像とともに表示されている。
なお、リモコン3の表示部8に理由情報を表示する方法を、省エネ指標の変化に応じて変えてもよい。例えば、省エネ指標の変化量が大きい場合には、表示部8に理由情報を大きく表示したり、目立つように、表示部8のバックライトを点滅させるなどしたり、リモコン3を振動したり、音声を発するようにしてもよい。また、省エネ指標の変化量が小さい場合には、表示部8に理由情報を表示させないようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態では、省エネ指標算出部は、運転設定が変更されると複数の省エネ性に関連する項目から算出される省エネ指標を算出し、理由情報生成部は、記憶部に記憶された前回の省エネ指標と、現在の省エネ指標とを比較して、設定変更された項目のうち最も省エネ指標の変化に影響した項目に関する理由情報を生成し、現在の省エネ指標が前回の省エネ指標から変化した場合には、省エネ指標とともに理由情報をリモコンに送信するものとしている。
このため、運転設定のうち複数の省エネ性に関連する項目を変更した場合であっても、結果として、省エネ指標が変化していない場合には、それらの設定変更の内容を理由情報として表示せず、省エネ指標が変化した場合のみ、省エネ指標とともに省エネ指標が最も変化した理由を表示させることで、使用者に、多くの文字を読む煩わしさを感じさせることなく、どの設定変更が最も省エネ性の変化につながるのかを容易に理解してもらえる。このため、使用者に対して、より適切な省エネ運転を促すことにより、省エネ性を向上させることができる。
また、省エネ指標を算出するもととなる省エネ性に関連する項目には、予め定められた省エネ運転モードと、設定温度とを含むようにしているために、実際の電力消費量と省エネ指標との相関の精度を向上させることができ、使用者に対して、より適切な省エネ運転を促すことができる。
また、現在の省エネ指標が前回の省エネ指標から変化しなかった場合には、省エネ指標のみをリモコンに送信し、リモコンの表示部に表示させるようにすれば、使用者は省エネ指標を確認でき、より利便性が向上する。
また、空気調和機の停止後に、記憶部に記憶していた省エネ指標を削除することにより、過去の運転状況に左右されることなく、運転ごとの省エネ指標を表示することができるとともに、室内機2のメモリ量が低減され、空気調和機1の信頼性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、リモコン3から自動的に発信される情報要求信号を受けた室内機2が、室内機2の送信部15から、空調運転情報をリモコン3の受信部17へ送信し、リモコン3は、その空調運転情報を受信したことを使用者に報知する。すなわち、使用者がリモコン3を操作することなく、リモコン3へ空調運転情報が送信されるため、使用者の利便性を向上させることができる。
また、報知部9は点灯することにより報知するため、使用者が、より適切なタイミングで空調運転情報を認識することができる。使用者が空調運転情報を認識することで、より適切な省エネ運転を促して、省エネ性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、リモコン3の送信部16が信号を送信すると同時にリモコン3の受信部17が受信可能状態となる場合について説明したが、このように同時のタイミングに限らず、室内機2およびリモコン3の間で空調運転情報の送受信が成立するタイミングであれば、多少前後する場合であっても良い。
また、本実施の形態では、所定タイミングを30分間隔に設定したが、これに限らず例えば、1時間間隔や、30分と1時間とを組合せた間隔などに設定しても良い。
また、本実施の形態では、所定タイミングの起点が室内機2の運転開始時である場合について説明したが、これに限らず例えば、使用者がリモコン3を操作して室内機2へ風向の変更などの指示信号を送信したときを起点としても良い。また、リモコン3が所定のタイミングの起点をリセットするボタンを備えることにより、使用者が所定タイミングの起点をリセットできるようにしても良い。
また、本実施の形態では、報知部9が点灯することにより報知する場合について説明したが、これに限らない。例えば、リモコン3が振動したり、音声を発することにより報知するようにしても良い。
また、本実施の形態では、リモコン3の受信部17における受信可能状態の期間を1秒間、室内機2の送信部15における送信機能が動作する期間を0.5秒間に設定しているが、これに限らず、他の時間を設定しても良い。