JP6080579B2 - 撮像装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
まず、特許文献1の技術では、例えば被写体に動きのある場合に露出の差がAF評価値に与える影響を除去できない場合がある理由について図5を用いて説明する。
図5は、横軸をフォーカスレンズ位置、縦軸をAF評価値として、フォーカスレンズ位置に応じたAF評価値の変化を示している。図に示されるように、フォーカスレンズ位置が合焦位置となると、AF評価値は最大値となる。
また、この問題はAF評価値に限らず、被写体検出のための評価値、露出制御のための評価値、ホワイトバランス処理のための評価値など、撮影画像から得られる情報に基づく評価値全般において課題となり得る。
HDR処理のうち、画像を合成してHDR画像を生成する画像合成部106についてまず説明する。画像合成部106は、露出を変えて連続撮影された画像群に含まれる複数枚の画像を、1枚の画像を基準として合成することで、ダイナミックレンジが拡大された1フレームのHDR画像を生成する。
HDR処理(合成処理)に用いられる画像の数や各画像を撮影する際の露出条件は様々な設定が可能である。本実施形態では一例として、図2に示すように、基準露出で撮影した基準露出画像201と、基準露出より少ない露出量で撮影した低露出画像202の2フレームから、1フレームの合成画像(HDR画像)203を得るものとする。なお、本実施形態では基準露出を適正露出とするため、以下では基準露出画像を適正露出画像と呼ぶ。適正露出のための露出制御量(露光時間、ISO感度、絞り)は、画像から得られる輝度の評価値と、プログラム線図に基づいて決定される。図2では、適正露出画像201、低露出画像202、および合成画像203に対してヒストグラム算出部109で求めた輝度ヒストグラム204〜206を併せて示している。輝度ヒストグラム情報204,205における輝度LhighおよびLlowは、白飛びおよび黒つぶれが発生している領域を判定するための閾値である。輝度がLlow以下の画素207,209は黒つぶれ画素、輝度がLhigh以上の画素208,210は白飛び画素と見なす。閾値LhighおよびLlowは撮像素子のダイナミックレンジなどを考慮して予め定めておく。
システム制御部110は、撮影開始時に、露出段差量Nを初期値N0とする(S401)。システム制御部110は、適正露出画像と低露出画像の撮影を行い(S402)、ヒストグラム算出部109から低露出画像の所定領域の輝度ヒストグラム情報を取得する(S403)。
また、画像処理部103により被写体領域が検出されている場合、S403〜S406において上述した方法で被写体領域についても同様に評価を行い、被写体領域の判定結果に重みをつけて全体の結果と合わせて、露出段差量Nの制御を行う。
キャプチャパルス301は撮像素子102が画像取り込み(電荷読みだし)を開始するトリガである。シャッターパルス302は、撮像素子102の露光(電荷蓄積)開始タイミングを決定する。図3において、第1フレームはシャッターパルスS1からキャプチャパルスC1までの時間Tlowで露光が行われ、低露出画像304が撮影される。第2フレームはS2からC2までの時間Tbaseで露光が行われ、適正露出画像305が撮影される。以下、同様に第3フレームに低露出画像、第4フレームに適正露出画像、第5フレームに低露出画像、と交互に連続して撮影を行う。3フレーム以上の画像を合成して1フレームのHDR画像を生成する場合も同様に、合成に用いるフレームを連続的に順次撮影する。
AF評価値算出部107で算出するAF評価値は、画像のコントラストの高低を反映した値であり、公知かつ任意の方法で算出することができる。一例を挙げれば、特開2011−13324号公報に記載されるような、画像に所定のバンドパスフィルタを適用してコントラスト成分を抽出し、このコントラスト信号のライン毎のピーク値を積分することで求めることができる。
Td=Tbase / Tlow (式1)
図5(b)に示すように、動被写体に対しては、低露出画像のAF評価値502は、適正露出画像のAF評価値501よりも被写体の動きによるコントラスト低下が小さく、AF評価値の最大値が大きいという特徴がある。
これらの特徴はいずれも、露光時間が短いことによるものである。
本実施形態のシステム制御部110は、図14に示すようなAF評価値選択部1401を有している。AF評価値選択部1401は、動きベクトル検出部108からの動きベクトル情報Mvと、システム制御部110で算出する露出段差量Nとから、適正露出画像のAF評価値と低露出画像のAF評価値のうち、信頼度が高いと判定される一方を選択する。選択したAF評価値はシステム制御部110内で用いる。
Mv=√(Mvx2+Mvy2) (式2)
このように、本実施形態では、動きベクトル情報Mvは動き量そのものであるが、他の実施形態では動き量を表す他の形態の情報であってもよい。
そして、選択部1405は、低露出AF評価値と適正露出AF評価値の選択処理を実施する(S608)。
まず、選択部1405は、露出段差量Nと閾値ThNを比較する(701)。露出段差量Nが閾値ThNより大きい、すなわち適正露出画像と低露出画像の露出段差が大きい場合、図5で説明したように低露出画像のAF評価値はS/Nが低下する。そのため、低露出AF評価値の信頼性は低下し、適正露出AF評価値を用いた場合よりも合焦精度が低下する可能性が大きくなる。
なお、閾値ThMvは、所定の動き量を設定しても良いし、例えば、露出情報(適正露出画像のゲイン設定など)に応じて制御してもよい。また、動きベクトル情報Mvが閾値ThMv以下の場合には、どちらも信頼性が基準より高いとしてどちらのAF評価値も用いるように決定しても良い。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、システム制御部110がAF評価値選択部の代わりにAF評価値合成部を有する点と、フォーカス制御以外は第1の実施形態と同じであるため、以下では本実施形態に特徴的な部分のみ説明する。
図11(a)は、横軸を動きベクトル情報Mv(動き量)、縦軸を合成係数Cmとして、本実施形態における両者の関係例を示している。なお、本実施形態における合成係数は合成時における低露出AF評価値の重みを%で示した値である。従って、合成係数100は、低露出AF評価値が合成後のAF評価値としてそのまま使用されることを意味する。本実施形態において、合成係数Cmは、閾値ThMvを用いて、以下の式で求める。なお、閾値ThMvは第1の実施形態と同様に定めることができる。
Cm=(Mv−ThMv)×Km (式5)
ただし、Cm<0ならCm=0,
Cm>100ならCm=100とする。
図11(b)は、横軸を露出段差量N、縦軸を合成係数Ceとして、本実施形態における両者の関係例を示している。合成係数の算出式は、閾値ThNを用いて、以下の式で求める。なお、閾値ThNは第1の実施形態と同様に定めることができる。
Ce=100−(N−ThN)×Ke (式6)
ただし、Ce<0ならCe=0,
Ce>100ならCe=100とする。
なお、合成係数CmとCeの算出は、並行して実施してもよい。
合成係数Cは、例えば以下の式で示されるような単純な乗算により算出することができる。
C=(Ce×Cm)/100 (式7)
なお、合成係数Cは、露出情報(シャッタースピードやゲイン設定など)を評価した値を重みとして、2つの合成係数を重み付け合成するなど、他の方法でも算出できる。シャッタースピードは速いほどブレが少ないため、合成係数Cmの重みはシャッタースピードが速いほど高くすることができる。また、ゲインは高いほど暗部のノイズが大きくなるため、ゲインが高いほど合成係数Ceの重みを小さくすることができる。
例えば、以下の様な撮影情報と合成係数との関係に基づいて合成係数を算出することができる。
手ブレ量Hvが所定の閾値ThHvより大きくなるほど、合成係数を大きくする。
白飛び量Vhが所定の閾値ThVhより大きくなるほど、合成係数を大きくする。
黒つぶれ量Vlが所定の閾値ThVlより大きくなるほど、合成係数を小さくする。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、AF評価枠が複数存在することによるフォーカス制御処理の差異を除き、第1の実施形態と同じであるため、以下では本実施形態に特徴的な部分のみ説明する。
なお、AF評価値算出部107および動きベクトル検出部108が複数のAF評価枠に対応する複数の機能ブロックを有することは必須ではない。処理時間に問題がなければ、AF評価枠の数よりも少ない機能ブロックを用いてAF評価値および動きベクトル情報を算出してもよい。
すなわち、システム制御部110は、各AF評価枠について、撮影情報に基づき、適正露出AF評価値と低露出AF評価値のうち、フォーカス制御に最適なAF評価値を選択する。本実施形態における撮影情報とは、露出段差量NとAF評価枠に対応した動きベクトル情報Mvである。
図3のタイミングチャートで示したように、AF評価値算出部107は、AF評価枠1201〜1205で、適正露出AF評価値と低露出AF評価値を交互に算出する(S1301)。そして、タイミングパルス307のタイミングで、システム制御部110内のAF評価値選択部1401は、AF評価値算出部107から各AF評価枠のAF評価値を取得する。そして、AF評価値選択部1401は、低露出AF評価値を取得した場合にはS603に、適正露出AF評価値を取得した場合にはS1303に処理を進める。
動きベクトル情報Mvの取得(S606)、露出段差量Nの取得(S607)、フォーカス制御に用いるAF評価値の選択(S608)は、S606およびS608がAF評価枠ごとに処理が行われることを除き、第1の実施形態と同じ処理である。
なお、本実施形態においては、複数のAF評価枠のそれぞれについて第1の実施形態で説明した方法で選択したAF評価値を用いる形態について説明した。しかし、第2実施形態で説明したような、適正露出AF評価値と低露出AF評価値を合成したAF評価値を各AF評価値ついて求めるような形態であってもよい。
なお、上述の実施形態では説明および理解を容易にするため、適正露出と低露出(露出アンダー)の2種類の撮影を周期的に行う場合について説明した。しかし、本発明は3種類以上の撮影を周期的に行う場合であっても適用可能である。この場合、基本的には適正露出もしくはそれに最も近い露出量の画像から得られるAF評価値を選択すればよい。また、動き量が多い場合や白飛び量が多い場合には程度に応じた段階の低露出画像のAF評価値を、黒つぶれ量が多い場合には程度に応じた段階の高露出画像のAF評価値を用いるようにすればよい。第2の実施形態のように合成を行う場合には、適正露出からの差が大きい画像のAF評価値ほど、合成係数の最大値小さく設定するようにすればよい。あるいは、3種類以上の画像を撮影する場合であっても、上述の実施形態で説明した2種類の画像から得られるAF評価値を用いるようにしてもよい。
Claims (6)
- フレームごとに露光量を異ならせて順次撮像を行う撮像手段と、
前記撮像手段によって得られた複数の画像を合成した合成画像をフレーム画像とする動画を生成する画像処理手段と、
画像間の被写体の動き量を検出する検出手段と、
前記撮像手段のフォーカス制御に用いる評価値を生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された評価値に基づいて、前記撮像手段のフォーカス制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記複数の画像間の露光量の差が第1閾値より大きい場合は、前記複数の画像のうちで最も露光量が大きい画像から生成した評価値を用いてフォーカス制御を行い、
前記複数の画像間の露光量の差が第1閾値よりも小さい場合は、前記被写体の動き量に応じて何れかの画像を選択し、選択された画像から生成した評価値を用いてフォーカス制御を行うことを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、前記複数の画像間の露光量の差が第1閾値よりも小さい場合、前記被写体の動き量が第2閾値よりも大きい場合には前記複数の画像のうちで最も露出量が小さい画像から生成した評価値を用いてフォーカス制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記合成画像は、前記複数の画像に対してダイナミックレンジが拡張された画像であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
- 撮像手段により、フレームごとに露光量を異ならせて順次撮像を行う撮像工程と、
画像処理手段が、前記撮像工程で得られた複数の画像を合成した合成画像をフレーム画像とする動画を生成する画像処理工程と、
検出手段が、画像間の被写体の動き量を検出する検出工程と、
生成手段が、前記撮像手段のフォーカス制御に用いる評価値を生成する生成工程と、
制御手段が、前記生成工程で生成された評価値に基づいて、前記撮像手段のフォーカス制御する制御工程と、を有し、
前記制御工程において前記制御手段は、
前記複数の画像間の露光量の差が第1閾値より大きい場合は、前記複数の画像のうちで最も露光量が大きい画像から生成した評価値を用いてフォーカス制御を行い、
前記複数の画像間の露光量の差が第1閾値よりも小さい場合は、前記被写体の動き量に応じて何れかの画像を選択し、選択された画像から生成した評価値を用いてフォーカス制御を行うことを特徴とする撮像装置の制御方法。 - 前記制御工程において前記制御手段は、前記複数の画像間の露光量の差が第1閾値よりも小さい場合、前記被写体の動き量が第2閾値よりも大きい場合には前記複数の画像のうちで最も露出量が小さい画像から生成した評価値を用いてフォーカス制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置の制御方法。
- 前記合成画像は、前記複数の画像に対してダイナミックレンジが拡張された画像であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の撮像装置の制御方法。
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